JP4826520B2 - コネクタ - Google Patents
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Description
このように貫通孔が偏心ずれを起こすと、キャビティと貫通孔との間で電線が無理に屈曲されるため、貫通孔の孔縁の一部が広げられ、シール性能の低下を来すことが懸念される。
この問題を解決する手段としては、1本の電線に対して1つのゴム栓を外嵌する方法がある。しかし、このような個別のゴム栓を用いた場合には、隣り合うゴム栓の間を隔壁で仕切ることになるため、隔壁の数が多くなり、その分、ハウジング全体が大型化してしまう。
本発明は上記のような事情に基づいて完成されたものであって、小型でシール性能に優れる防水手段を提供することを目的とする。
シール部材を、複数の分割ゴム栓によって構成したので、1つの分割ゴム栓に形成される貫通孔の数が少なくなり、1つのシール部材に多数の貫通孔が形成されていることに起因するシール性能の低下を回避できる。
この場合、複数の分割ゴム栓は、隣り合うもの同士が前後に位置ずれして配置されているので、互いに隣り合う分割ゴム栓の位置を、その並び方向において互いに接近又は重なる方向へシフトさせることができ、分割ゴム栓の並び方向において大型化することを回避できる。
ゴム栓保持部材には、前側に位置する分割ゴム栓を前面側から収容できるとともに、後側に位置する分割ゴム栓を後面側から収容できるようにしたので、分割ゴム栓を収容するときの押込みストロークが小さくて済み、取付け作業が簡単になる。
前面側から前部収容室に押し込まれた分割ゴム栓は、後部連通室の隔壁に当接することによってそれ以上の押込みを規制され、後面側から後部収容室に押し込まれた分割ゴム栓は、前部連通室の隔壁に当接することによってそれ以上の押込みを規制されるので、分割ゴム栓を前後方向において確実に位置決めすることができる。
貫通孔が3つ並ぶ場合には、中央に位置する貫通孔の偏心ずれが両側の2つの貫通孔よりも大きくなるのであるが、本発明では、貫通孔が並ぶ数を2つとしているので、偏心ずれを小さくすることができる。
以下、本発明を具体化した実施形態1を図1乃至図7を参照して説明する。図1及び図2に示す雌コネクタ10(本発明のコネクタに相当)は、合成樹脂製のコネクタハウジング11と、ゴム栓保持部材16と、シール部材21と、リヤホルダ26と、雌端子金具30とを備えて構成されている。
ゴム栓保持部材16は、合成樹脂製であり、全体としてブロック状をなしている。ゴム栓保持部材16には、その前面を凹ませた形態の横長方形をなす8室の前部収容室18Fと、ゴム栓保持部材16の後面を凹ませた形態の横長方形をなす8室の後部収容室18Rとが形成されている。8室の前部収容室18Fは、ゴム栓保持部材16の前面において千鳥配置されている。一方、8室の後部収容室18Rは、ゴム栓保持部材16の後面において、前部収容室18Fが配置されていない8カ所に千鳥配置されている。即ち、前部収容室18Fと後部収容室18Rは、上下方向において交互に並ぶように配置されていると同時に、左右方向においても交互に並ぶように配置されている。また、前後方向において、前部収容室18Fの後端(奥端)は後部収容室18Rの前端(奥端)よりも少し前方に位置している。
換言すると、ゴム栓保持部材16の前面においては、8室の前部収容室18Fと8対の前部連通室19Fとが上下左右の両方向において交互に隣接して並ぶように千鳥配置されており、ゴム栓保持部材16の後面においては、8室の後部収容室18Rと8対の後部連通室19Rとが上下左右の両方向において交互に隣接して並ぶように千鳥配置されている。
この構成によれば、前面側から前部収容室18Fに押し込まれた分割ゴム栓22は、後部連通室19Rの隔壁20に当接することによってそれ以上の押込みを規制され、後面側から後部収容室18Rに押し込まれた分割ゴム栓22は、前部連通室19Fの隔壁20に当接することによってそれ以上の押込みを規制されるので、分割ゴム栓22を前後方向において位置決めすることができる。
また、シール部材21を複数の分割ゴム栓22に分割したことにより、いすれか1つの貫通孔24が破損した場合には、その破損した貫通孔24が形成されている分割ゴム栓22のみを交換すれば済むので、コストの低減を図ることができる。
また、分割ゴム栓22を前後に位置ずれするように配置しているので、雌端子金具30における電線31との圧着部から、リヤホルダ26の後端面において電線31が屈曲される位置までの距離が長くなっている。したがって、曲げられた電線31の弾性復元力が雌端子金具30との圧着部にまで及び難く、雌端子金具30と電線31との接触信頼性に優れている。
本発明は上記記述及び図面によって説明した実施形態に限定されるものではなく、例えば次のような実施態様も本発明の技術的範囲に含まれる。
(1)複数の分割ゴム栓は、横長の形態として上下方向のみに並ぶ配置、又は縦長の形態として左右方向のみに並ぶ配置としてもよい。
(2)1つの分割ゴム栓に形成する貫通孔の数は、1つでもよく、3つ以上でもよい。
(3)隣り合う分割ゴム栓は、前後2つに別れた配置に限らず、前後方向において3カ所以上に別れて配置してもよい。
11…コネクタハウジング
12…キャビティ
16…ゴム栓保持部材
18F…前部収容室
18R…後部収容室
19F…前部連通室
19R…後部連通室
20…隔壁
21…シール部材
22…分割ゴム栓
24…貫通孔
30…端子金具
31…電線
Claims (4)
- コネクタハウジング内に、上下方向及び左右方向に整列配置された複数のキャビティが形成され、
前記コネクタハウジングの後端部に、貫通孔を有するシール部材が取り付けられ、
前記端子金具が、前記貫通孔を貫通して前記キャビティ内に挿入され、
前記端子金具の後端に接続された電線が、前記貫通孔に貫通されて前記コネクタハウジングの後方へ導出されているコネクタであって、
前記シール部材が、前記貫通孔を有し、上下方向と左右方向のうちいずれか一方向又は両方向に並ぶように配置された複数の分割ゴム栓によって構成されており、
前記コネクタハウジングの後端部には、前記コネクタハウジングとは別体であって、前記複数の分割ゴム栓を収容可能なゴム栓保持部材が組み付けられており、
前記複数の分割ゴム栓は、前記ゴム栓保持部材に収容されることで、隣り合うもの同士が前後に位置ずれして配置されていることを特徴とするコネクタ。 - 前記ゴム栓保持部材には、前面側から前記分割ゴム栓を収容可能な前部収容室と、後面側から前記分割ゴム栓を収容可能であって前記前部収容室よりも後方に位置する後部収容室とが形成されていることを特徴とする請求項1に記載のコネクタ。
- 前記分割ゴム栓には複数の前記貫通孔が形成されており、
前記ゴム栓保持部材には、
前記前部収容室の後方に配置され、前記前部収容室に収容された前記分割ゴム栓の前記複数の貫通孔と対応するように隔壁で区画された複数の後部連通室と、
前記後部収容室の前方に配置され、前記後部収容室に収容された前記分割ゴム栓の前記複数の貫通孔と対応するように隔壁で区画された複数の前部連通室とが形成されていることを特徴とする請求項2に記載のコネクタ。 - 前記貫通孔は、上下方向と左右方向のうちのいずれか一方向において2つ並ぶ形態か、上下方向及び左右方向の両方向において2つずつ並ぶ形態のいずれかによって形成されていることを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のコネクタ。
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