JP4826366B2 - 環状オレフィン系ポリマーの製造方法 - Google Patents
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Description
生成ポリマー中に残る遷移金属触媒残渣が目的用途によっては悪影響を及ぼしたり、そのために触媒除去工程に多大な工数がかかったりしている。また、触媒残渣を低減するために、製造に用いる触媒量を減らすと、収率低下、分子量が必要以上に大きくなるなど分子量制御が困難であるなどといった問題があった。
即ち、本発明は、
1. 環状オレフィンモノマーを、触媒存在下、溶媒中で、マイクロ波を照射して重合する環状オレフィン系ポリマーの製造方法であって、前記溶媒は3以上、78以下の誘電率を有するアニソールであることを特徴とする環状オレフィン系ポリマーの製造方法、
2. 前記触媒は、遷移金属触媒である第1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法、
3. 前記遷移金属触媒は、8族遷移金属を含むものである第2項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法、
4. 前記環状オレフィン系ポリマーの製造方法は、末端二重結合を有するオレフィン化合物を連鎖移動剤として用いるものである第1項乃至第3項のいずれか1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法、
5. 前記環状オレフィンモノマーの重合体化におけるマイクロ波照射は、2,420MHz以上、2,480MHz以下の周波数範囲で行われるものである第1項乃至第4項のいずれか1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法、
6. 前記環状オレフィンモノマーは、2種以上を用いるものである第1項乃至第5項のいずれか1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法、
を提供するものである。
本発明の環状オレフィン系ポリマーの製造方法は、連鎖移動剤を用いることにより、得られるポリマーの分子量を調整することが、より容易なものとなる。
本発明で得られる環状オレフィン系ポリマーの開環重合体としては、例えば、(4)環状オレフィンモノマ−の開環(共)重合体、(5)環状オレフィンモノマ−とエチレンやα−オレフィン類との開環共重合体(6)環状オレフィンモノマ−と非共役ジエン、又は他のモノマ−との開環共重合体などが挙げられる。
前記ノルボルネンモノマーとしては、例えば、下記式(1)で表されるものが挙げられる。
前記アルキル基の具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基及びドデシル基等の側鎖を有していても良い(C1−C20)アルキル基が挙げられ、アルケニル基の具体例としては、ビニル基、アリル基、ブチニル基及びシクロヘキセニル基等の(C3−C10)アルケニル基が挙げられ、アルキニル基の具体例としては、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基ヘキセニル基、オクテニル基及びヘプテニル基等の(C2−C20)アルキニル基が挙げられ、前記環状脂肪族基の具体例としては、シクロヘキシル基、シクロペンチル基及びメチルシクロヘキシル基等が挙げられ、アリール基の具体例としては、フェニル基、トリル基、ナフチル基、アントラセニル基及びフェニルエチニル基などの(C6−C40)アリール基が挙げられ、アラルキル基の具体例としてはベンジル基及びフェネチル基等の(C7−C15)アラルキル基が挙げられるが、本発明は何らこれらに限定されない。
また、前記シリル基の具体例としては、シリル基の他に、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリエトキシシリル基及びトリエトキシシリルエチル基などのアルコキシシリル基、前記エステル基の具体例としては、例えば、メチルエステル基、エチルエステル基、n−ブチルエステル基、t−ブチルエステル基及びn−プロピルエステル基などのエステル基、前記(メタ)アクリル基の具体例としては、例えば、メタクリロキシメチル基などの(メタ)アクリル基、前記エポキシ基としては、例えば、グリシジルエーテル基などのエポキシ基が挙げられる。
前記8族遷移金属としては、鉄、コバルト、ニッケル、ロジウム、ルテニウム、パラジウム及び白金などが挙げられ、これらの中でもニッケル、パラジウム及び白金から選ばれることが好ましい。
前記単一成分触媒としては、下記の式(2)で表されるものが挙げられる。
上記式で表される触媒において、MがNi又はPdを表わし、そして弱く配位した中性の供与性配位子L1〜L3が、シクロ(C8−C12)アルカジエン、ノルボナジエン、シクロ(C10−C20)トリエン、ベンゼン、トルエン、キシレン及びメシチレンからなる群から選択されることが好ましい。
弱く配位したアニオンCA-が、BF4 -、PF6 -AlF3O3SCF3 -、SbF6 -、SbF3SOF-、B[C6F3]4 -、及びB[C6H3(CF3)2]4 -から選ばれることが好ましい。
前記ルイス酸としては、BF3、エテラート、TiCl3、SbF5、BCl3、B(OCH2CH3)3及びトリス(パーフルオロフェニル)ボロンなどを好ましいものとして挙げられる。
前記強ブレンステッド酸としては、HSbF6、HPF6、CF3CO2H、FSO3H・SbF3、H2C(SO2CF)2、CF3SO3H及びパラトルエンスルホン酸などを好ましいものとして挙げられる。
前記ハロゲン化化合物としては、ヘキサクロロアセトン、ヘキサフルオロアセトン、3−ブテン酸−2,2,3,4,4−ペンタクロロブチルエステル、ヘキサフルオログルタール酸、ヘキサフオロイソプロパノール及びクロラニルなどを好ましいものとして挙げられる。
前記遷移金属化合物としては、ニッケルアセチルアセトネート類、ニッケルカルボキシレート類、ニッケルジメチルグリオキシム、ニッケルエチルヘキサノエート、コバルトネオデカノエート、鉄ナフテナート、パラジウムエイルヘキサノエート、NiCl2(PPh3)2、NiCl2(PPh2CH2)2、ニッケル(II)ヘキサフルオロアセチルアセトネートテトラハイドレート、ニッケル(II)トリフルオロアセチルアセトネートダイハイドレート、ニッケル(II)アセチルアセトネートテトラハイドレート、ビスアリルニッケルブロミド、ビスアリルニッケルクロリド、ビスアリルニッケルアイオダイド、[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート、トランスPdCl2(PPh3)2、パラジウム(II)ビス(トリフルオロアセテート)、パラジウム(II)(ビスアセチルアセトネート)、バラジウム(II)2−エチルヘキサノエート、Pd(アセテート)2(PPh3)2、パラジウム(II)ブロマイド、パラジウム(II)クロライド、パラジウム(II)アイオダイド、パラジウム(II)オキサイド、モノアセトニトリルトリス(トリフェニルホスフィン)パラジウムテトラフルオロボート、ジクロロビス(アセトニトリル)パラジウム(II)、ジクロロビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)ジクロロビス(ベンゾニトリル)パラジウム(Ii)、鉄(II)クロライド、鉄(III)クロライド、鉄(II)ブロマイド、鉄(III)ブロマイド、鉄(II)アセテート、鉄(III)アセチルアセトネート、フェロセン、ニケロセン、ニッケル(II)アセテート、ニッケルブロマイド、ニッケルクロライド、ジクロロヘキシルニッケルアセテート、ニッケルクテート、ニッケルオキサイド、ニッケルテトラフルオロボレート、コバルト(II)アセテート、コバルト(II)アセチルアセトネート、コバルト(III)アセチルアセトン、コバルト(II)ベンゾエート、コバルトコクロライド、コバルトブロマイド、シクロヘキシルコバルトアセテート類、コバルト(II)テトラフルオロボレート、ビス(アリル)ニッケル、ビス(シクロペンタジエニル)ニッケル、パラジウムアセチルアセトネート、パラジウム(アセトニトリル)ジクロライド、パラジウムビス(ジメチルスルホキシド)ジクロライド、白金ビストリエチルホスフィンハイドロブロマイド、ルテニウムトリス(トリフェニルホスフィン)ジクロライド、ルテニウムトリス(トリフェニルホスフィン)ハイドライドクロライド、ルテニウムトリクロライド、ルテニウムテトラキス(アセトニトリル)ジクロライド、ルテニウムテトラキス(ジメチルスルホキシド)ジクロライド、ロジウムクロライド及びロジウムトリス(トリフェニルホスフィン)トリクロライドから選ばれることが好ましい。遷移金属元素は1種類でもよく、必要に応じて2種類以上組み合わせて使用することができる。
前記助触媒としては、例えば、アルミノオキサン及びアルキルアルミニウムなどが挙げられ、前記アルキルアルミニウムとしては、例えば、トリエチルアルミニウム、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド及びエチルアルミニウムセスキクロリドなどが挙げられる。
これらの中でも、2−30の炭素原子を有するα−オレフィン、イソブチレン、1,7−オクタジエン、1,6−オクタジエン、エチレン、プロピレン、4−メチル−1−ペンテン、1−デセン及び1−ドデセン及び1−ドデセンが好ましい。
オレフィン性末端二重結合を有する連鎖移動剤は、予め決められた量を使用することにより、所望の分子量範囲内に制御する上でより好ましい。
まず、前記環状オレフィンモノマー、前記触媒及び任意に前記助触媒を溶媒に溶解した混合溶液を調整し、これを、マイクロ波照射装置を備えた反応装置に入れて、マイクロ波を照射して反応させて合成することにより、環状オレフィン系ポリマーを製造することができる。このとき、前記混合溶液に、前記連鎖移動剤を添加することが好ましい。
連鎖移動剤の添加量としては、例えば、環状オレフィンモノマー全体のモル数に対して、約0.1モル%から50モル%を超えて用いられる。これは、前記触媒の種類及びその感度、連鎖移動剤の効率及び所望の末端基に依存して、その添加量は環状オレフィンにより50モル%を越えることができ、例えば、60〜80モル%とすることができる。低分子量樹脂を得ようとすると、より高い添加量、例えば、100モル%以上が必要となり得る。
ここで、環状オレフィンモノマー(A)と溶媒(D)との比率(重量比A/D)としては、例えば、5/95〜95/5が好ましい。
前記マイクロ波照射におけるマイクロ波を照射するモードとしては、例えば、出力制御モード、温度制御モード及び圧力制御モード等を用いることができるが、これらの中でもマイクロ波を高出力で照射することが可能となるため、温度制御モードが好ましい。さらに、温度制御モードにおいて、マイクロ波出力はできる限り大きい方が好ましいが、例えば、10W以上、5,000W以下であることが好ましい。これにより前記混合物の昇温効率を向上させることができる。
本発明において、環状オレフィンモノマーの付加重合体化を効率よく進行させる点から、加熱及びマイクロ波照射を併用することが好ましい。
前記環状オレフィン系樹脂の分子量分布[重量平均分子量:Mwと、数平均分子量:Mnとの比(Mw/Mn)]は、特に限定されないが、5以下が好ましく、特に4以下が好ましく、特に1〜3が好ましい。分子量分布が前記範囲内であると、電気特性に特に優れる。
前記分子量分布を測定する方法としては、例えばシクロヘキサン又はテトラヒドロフランを有機溶剤とするGPCで測定することができる。
また、上記方法で重量平均分子量や分子量分布が測定できない環状オレフィン系ポリマーの場合には、通常の溶融加工法により樹脂層を形成し得る程度の溶融粘度や重合度を有するものを使用することができる。前記環状オレフィン系ポリマーのガラス転移温度は、使用目的に応じて適宜選択できるが、通常50℃以上、好ましくは70℃以上、より好ましくは100℃以上、さらに好ましくは125℃以上である。
容量10mlの反応容器に、5−ヘキシル−2−ノルボルネン0.96g(0.0054mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン1.7g(0.0054mol)、1−ヘキセン0.407g(0.0048mol)をアニソール(誘電率4.3)2.9gに溶解させ、次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.016mg(0.000043mmol)及びトリエチルアルミニウム0.0049mgを加え、マイクロ波照射装置を備えた反応装置(商品名:グリーン・モチーフ・I、IDX
社製)にセットし、加熱温度を80℃に設定し、攪拌しながら周波数2450MHz及び最高出力300Wでマイクロ波を210分間照射して、ノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル0.6mlを加え反応を停止させ、トルエンを30ml追加希釈した。その後、反応溶液をメタノール360ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は130,000であった。(収率38%)
容量10mlの反応容器に、5−ヘキシル−2−ノルボルネン0.96g(0.0054mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン1.7g(0.0054mol)、1−ヘキセン0.407g(0.0048mol)をアニソール2.9g(誘電率4.3)に溶解させ、次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.16mg(0.00043mmol)及びトリエチルアルミニウム0.049mg(0.00043mmol)を加え、マイクロ波照射装置を備えた反応装置(商品名:グリーン・モチーフ・I、IDX社製)にセットし、加熱温度を80℃に設定し、攪拌しながら周波
数2450MHz及び最高出力300Wでマイクロ波を210分間照射して、ノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル6mlを加え反応を停止させ、トルエンを30ml追加希釈した。その後、反応溶液を、メタノール360ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は96,000であった。(収率87%)
容量10mlの反応容器に、5−ヘキシル−2−ノルボルネン0.32g(0.0018mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン0.58g(0.0018mol)、1−ヘキセン0.14g(0.0016mol)をアニソール4.9g(誘電率4.3)に溶解させ、次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.0053mg(0.000014mmol)及びトリエチルアルミニウム0.0016mg(0.000014mmol)を加え、マイクロ波照射装置を備えた反応装置(商品名:グリーン・モチーフ・I、IDX社製)にセットし、加熱温度を80℃に設定し、攪拌し
ながら周波数2450MHz及び最高出力300Wでマイクロ波を210分間照射して、ノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル0.2mlを加え反応を停止させ、トルエンを6ml追加希釈した。その後、反応溶液を、メタノール120ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は150,000であった。(収率15%)
容量10mlの反応容器に、5−ヘキシル−2−ノルボルネン0.32g(0.0018mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン0.58g(0.0018mol)、1−ヘキセン0.14g(0.0016mol)をアニソール4.9g(誘電率4.3)に溶解させ、次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.053mg(0.00014mmol)及びトリエチルアルミニウム0.016mg(0.00014mmol)を加え、マイクロ波照射装置を備えた反応装置(商品名:グリーン・モチーフ・I、IDX社製)にセットし、加熱温度を80℃に設定し、攪拌しながら周
波数2450MHz及び最高出力300Wでマイクロ波を210分間照射して、ノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル2mlを加え反応を停止させ、トルエンを6ml追加希釈した。その後、反応溶液を、メタノール120ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は100,000であった。(収率65%)
容量10mlの反応容器に、5−ヘキシル−2−ノルボルネン0.96g(0.0054mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン1.7g(0.0054mol)、1−ヘキセン0.407g(0.0048mol)をクロロベンゼン(誘電率5.7)2.9gに溶解させ、次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.016mg(0.000043mmol)及びトリエチルアルミニウム0.0049mgを加え、マイクロ波照射装置を備えた反応装置(商品名:グリーン・モチーフ・I、IDX社製)にセットし、加熱温度を80℃に設定し、攪拌しながら周波数2450MHz及び最高出力300Wでマイクロ波を210分間照射して、ノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル0.6mlを加え反応を停止させ、トルエンを30ml追加希釈した。その後、反応溶液をメタノール360ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は115,000であった。(収率40%)
容量50mlの反応容器に、5−ヘキシル−2−ノルボルネン4.8g(0.027mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン8.6g(0.027mol)、1−ヘキセン2.0g(0.024mol)をトルエン14g(誘電率2.2)に溶解させ反応溶液を調製した。三口フラスコに還流塔と温度計をセットしてオイルバス中に浸漬し、ナスフラスコ内の反応溶液の温度が80℃になるようにオイルバスの温度を制御した。次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.079mg(0.00022mmol)及びトリエチルアルミニウム0.025mg(0.00022mmol)を加え、内部を攪拌しながら窒素雰囲気下で210分反応させノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル2.7mlを加え反応を停止させ、トルエンを150ml追加希釈した。その後、反応溶液をメタノール1800ml中に投入して、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は410,000であった。(収率7.7%)
容量50mlの反応容器に、ヘキシルノルボルネン4.8g(0.027mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン8.6g(0.027mol)、1−ヘキセン2.0g(0.024mol)をトルエン14g(誘電率2.2)に溶解させ反応溶液を調製した。三口フラスコに還流塔と温度計をセットしてオイルバス中に浸漬し、ナスフラスコ内の反応溶液の温度が80℃になるようにオイルバスの温度を制御した。次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.79mg(0.0022mmol)及びトリエチルアルミニウム0.25mg(0.0022mmol)を加え、内部を攪拌しながら窒素雰囲気下で210分反応させノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル27mlを加え反応を停止させ、トルエンを150ml追加希釈した。その後、反応溶液を、メタノール1800ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)vsを用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は96,000であった。(収率80%)
容量50mlの反応容器に、ヘキシルノルボルネン1.6g(0.0090mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン2.9g(0.0090mol)、1−ヘキセン0.68g(0.0081mol)をトルエン25g(誘電率2.2)に溶解させ反応溶液を調製した。三口フラスコに還流塔と温度計をセットしてオイルバス中に浸漬し、ナスフラスコ内の反応溶液の温度が80℃になるようにオイルバスの温度を制御した。次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.026mg(0.000072mmol)及びトリエチルアルミニウム0.0082mg(0.000072mmol)を加え、内部を攪拌しながら窒素雰囲気下で210分反応させノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル0.9mlを加え反応を停止させ、トルエンを30ml追加希釈した。その後溶液を大量のメタノール中に投入したが、ポリノルボルネンは析出しなかった。
容量50mlの反応容器に、ヘキシルノルボルネン1.6g(0.0090mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン2.9g(0.0090mol)、1−ヘキセン0.68g(0.0081mol)をトルエン25g(誘電率2.2)に溶解させ反応溶液を調製した。三口フラスコに還流塔と温度計をセットしてオイルバス中に浸漬し、ナスフラスコ内の反応溶液の温度が80℃になるようにオイルバスの温度を制御した。次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.26mg(0.00072mmol)及びトリエチルアルミニウム0.082mg(0.00072mmol)を加え、内部を攪拌しながら窒素雰囲気下で210分反応させノルボルネンモノマーを重合させた。反応後、アセトニトリル9mlを加え反応を停止させ、トルエンを30ml追加希釈した。その後溶液を大量のメタノール中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、GPCを用い分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は120,000であった。(収率63%)
容量10mlの反応容器に、ヘキシルノルボルネン0.32g(0.0018mol)、(ビシクロ[2,2,1]ヘプト−5−エン−2−イルメトキシ)メチルジフェニルシラン0.58g(0.0018mol)、1−ヘキセン0.14g(0.0016mol)をトルエン4.9g(誘電率2.2)に溶解させ、次いで[(η3−クロチル)(シクロオクタ−1,5−ジエン)ニッケル]ヘキサフルオロホスフェート0.053mg(0.00014mmol)及びトリエチルアルミニウム]0.016mg(0.00014mmol)を加え、マイクロ波照射装置を備えた反応装置(商品名:グリーン・モチーフ・I、IDX社製)にセットし、加熱温度を80℃に設定し、攪拌しながら周波数245
0MHz及び最高出力300Wでマイクロ波を210分間照射して、ノルボルネンモノマーを重合させた。しかしながら、設定温度に関わらず、反応溶液の最高温度は53℃であった。反応後、アセトニトリル2mlを加え反応を停止させ、トルエンを6ml追加希釈した。その後、反応溶液を、メタノール120ml中に投入し、ポリノルボルネンを析出させた。固形分を濾過後、60℃で12時間減圧乾燥し溶剤を除き、固形のポリノルボルネンを得た。得られた重合体を、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)(東ソー株式会社製)を用い、分子量を測定したところ、ポリスチレン換算による重量平均分子量は330,000であった。(収率39%)
Claims (6)
- 環状オレフィンモノマーを、触媒存在下、溶媒中で、マイクロ波を照射して重合する環状オレフィン系ポリマーの製造方法であって、前記溶媒は3以上、78以下の誘電率を有するアニソールであることを特徴とする環状オレフィン系ポリマーの製造方法。
- 前記触媒は、遷移金属触媒である請求項1に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法。
- 前記遷移金属触媒は、8族遷移金属を含むものである請求項2に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法。
- 前記環状オレフィン系ポリマーの製造方法は、末端二重結合を有するオレフィン化合物を連鎖移動剤として用いるものである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法。
- 前記環状オレフィンモノマーの重合体化におけるマイクロ波照射は、2,420MHz以上、2,480MHz以下の周波数範囲で行われるものである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法。
- 前記環状オレフィンモノマーは、2種以上を用いるものである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の環状オレフィン系ポリマーの製造方法。
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