JP4824598B2 - 車両用ランプシステム - Google Patents

車両用ランプシステム

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Description

本発明は車両の前方を照明するヘッドランプ等の車両用ランプに関し、特に当該ランプの照明を利用して車両の前方に存在する障害物等の物体を検出し易くした車両用ランプシステムに関するものである。
自動車の走行においては走行先の道路上に存在する障害物等の物体を検出することは安全性を高める上で必要である。道路上に存在する物体を検出する手法としては、例えは赤外線や超音波等の光信号や無線信号を自車から前方に投射し、当該光信号や無線信号が物体で反射した信号を自車で受信することで物体を認識する技術が提案されている。しかしこの技術では発信器や受信器を備える必要があり、経済的には好ましいものではない。特許文献1では、自動車のヘッドランプから照射される光を利用して物体を検出できるようにした技術が提案されており、自動車に通常設けられている照明装置とは別の光源や信号源を省略して経済的な問題を解消する上では有効である。この特許文献1の技術は、ヘッドランプから出射する光を所定情報に基づいて変調させることで、当該ヘッドランプから出射された光が物体で反射されたときに、この反射光受光して復調することで物体を認識することが可能となる。
特開平2−18129号公報
特許文献1の技術はヘッドランプから照射した変調した光を受信し、復調して物体の認識を行うために左右のヘッドランプから照射される光をそれぞれ同一に変調する必要がある。そのため、光度変調(光強度変調)を行ったときには左右のヘッドランプの光は同時に光度が増減されることになり、いわゆる照明のちらつきが生じ、運転者に違和感を感じさせるとともに運転者の肉眼による前方の視認性が悪くなるという問題がある。また、受信器に物体からの反射光以外の光、例えば対向車からの光が入射されたような場合には受信器における復調に影響を受け、高精度な物体の認識が困難になる。また、光源とは別に光変調用及び光復調用の機器を特別に装備する必要があり、この面での経済的な問題を解決することは難しい。
本発明の目的は、車両の前方の視認性を確保した上で前方の物体を高い精度で検出でき、しかも車両に備えられている既存の機器を利用することで経済的な問題を解消した車両用ランプシステムを提供するものである。
本発明は、車両の左右に設けられた対をなすランプを備え、これら対をなすランプは少なくとも一部の照明領域が重なるように構成され、対をなすランプの光量が同期して相反的に変化するとともに、同一タイミング時における対をなすランプの光量の和が一定であることを特徴とする。ここで、両ランプは交互に点灯・消灯される構成とすることが好ましい。また、対をなすランプは車両のヘッドランプの少なくとも一部であることが好ましい。
本発明によれば、対をなすランプのうち、一方のランプが点灯したときに物体により生じる陰影と、他方のランプが点灯したときに物体により生じる陰影に着目すれば、これらの陰影は異なる位置のランプから出射された光による陰影であるため、各陰影の形状やサイズ等の形態はランプの点灯・消灯に追従して変化される。この陰影の形態の変化を視認することにより、ランプにより照明された領域に存在する物体を検出することが可能になる。特に、照明領域における陰影は運転者が視認し易いため、物体を確実に検出することができる。また、ランプの点灯状態を制御するだけで物体を高い精度で検出でき、しかも検出装置は必ずしも必要ではなく、経済的にも有効なものとなる。特に、ヘッドランプ又はヘッドランプを構成する一部のランプの点灯制御を可能にするだけで良いので、新たな照明装置を設ける必要もない。さらに、同一タイミング時における対をなすランプの光量を一定に保つように制御を行うので、照明した領域の明るさが変化することもなく、運転者に照明のちらつきを感じさせることもない。
本発明において、複数のランプの少なくとも重なった照明領域を撮影する撮像手段と、この撮像手段で撮影した画像を処理して当該領域に存在する物体を検出する物体検出手段とを備える構成とする。特に、撮像手段は各ランプの点灯時におけるそれぞれの撮影画像を取得し、物体検出手段は取得した各撮影画像における陰影の変化から前記物体を検出する。撮影した画像を解析して物体を検出するため、物体を自動的に検出することができる。特に、撮影した画像中の陰影を検出し、この陰影の形態の変化を認識するように構成することで、画像中における物体の検出精度が高められ、物体を確実にしかも自動的に検出することができる。車両に設けられている前方監視用の撮像手段を利用することにより本発明が構築できるので、経済的な負担を最小限に抑制することができる。
次に、本発明の車両用ランプシステムを図面を参照して説明する。図1は本発明システムを備えた実施例1の自動車CARの概念構成図である。自動車CARの前部左右に左ヘッドランプLHLと右ヘッドランプRHLが備えられている。これらのヘッドランプLHL,RHLは後述するように点灯・消灯の制御や光量の増減制御を高速に行うことが可能な半導体光素子、例えばLED(発光ダイオード)を光源とするランプを含むランプユニットとして構成されている。また、自動車CARのフロントガラスの上部のバックミラー位置、すなわち自動車幅方向の中央位置には前方監視カメラCAMが備えられている。この前方監視カメラCARは例えばCCD等の半導体撮像素子を用いたカメラで構成されており、既存の自動車においてオプションとして装備されている前方監視カメラがそのまま利用できる。さらに、前記左右のヘッドランプLHL,RHLにはランプ制御装置LCNTが接続されており、配光切替信号により配光制御、点灯・消灯制御、光量制御を実行する。また、前方監視カメラCAMには物体検出装置DETが接続されており、前方監視カメラCARで撮影した画像に基づいて自動車の前方に存在する障害物等の物体を自動検出することが可能にされている。前記ランプ制御装置LCNTと物体検出装置DETには、運転者の操作による照明切替に伴って物体検出信号が入力されるように構成されており、この物体検出信号が入力されたときにはランプ制御装置LCNTは左右のヘッドランプLHL,RHLの点灯状態を制御し、物体検出装置DETは前方監視カメラCAMの撮影画像に基づいて道路上の物体を検出する動作を実行する。
前記左右のヘッドランプLHL,RHLは左右対称の構成をしており、図2に左ヘッドランプLHLの概略正面図を含むシステム構成図を示すように、ランプハウジングLH内にメイン配光パターンを形成するための放電バルブを光源とするプロジェクタ型ランプPLと、それぞれLEDを光源としてサブ配光パターンを形成するための第1ないし第3の3つのLEDランプLL1,LL2,LL3とで構成されたランプユニットとして構成されている。前記放電バルブを光源としたプロジェクタ型ランプPLの構造は既に広く知られているランプであるのでここでは詳細な説明は省略するが、ここでは内蔵したシェードを切替動作することでハイビーム配光とロービーム配光を切り替えることが可能な構成とされている。前記LEDランプのうち第1のLEDランプLL1と第2のLEDランプLL2はそれぞれ集光度が異なる集光型ランプとして構成されており、ランプハウジングLH内の上段領域の内側と外側に水平方向に並んで配列されている。また、残りの1つの第3のLEDランプLL3は拡散型ランプとして構成されており、前記第1及び第2のLEDランプLL1,LL2の下段に配設されている。これら第1ないし第3のLEDランプについても既に種々の構成のものが提案されているので詳細な説明は省略するが、光源としてのLEDから出射される光をリフレクタで反射し、所要の集光度を有する投射レンズにより集光あるいは光拡散を行うことで所要の配光を得ることが可能である。
このヘッドランプLHLにおいては、前記ランプ制御部LCNTは入力された配光切替信号に基づいてプロジェクタ型ランプPLを点灯し、このプロジェクタ型ランプPLの配光切替制御を行うことでハイビーム配光又はロービーム配光の照明を行う。また、ロービーム配光時には配光切替信号に基づいて第1ないし第3の3つのLEDランプLL1〜LL3のうち1つあるいは全てを選択して点灯することで、ロービーム配光によって照明される領域に加えて自動車の直前領域の明るさを高くした市街地配光や、自動車の前方遠方領域の明るさを高くしたモータウェイ配光や、自動車の左右の広い範囲を照明する広域配光等の種々の配光に設定することが可能である。右側ヘッドランプRHLはランプハウジング内の各ランプPL,LL1〜LL3の配列が対称である他は左側ヘッドランプLHLと全く同様である。
さらに、前記ランプ制御装置LCNTは物体検出信号が入力されたときに左右のヘッドランプLHL,RHLの各LEDランプLL1〜LL3のうち、所定のLEDランプを高速で点滅する制御、あるいは光量を高速で変化する制御のいずれかを行うように構成されている。この実施例1では運転者の操作によってヘッドランプLHL,RHLの配光をモータウェイ配光に切り替えたときに、さらに走行先の物体を自動検出すべく運転者が所定の操作を行ったときにランプ制御装置LCNTに物体検出信号が入力されるように構成されており、このときには集光型ランプとして構成されている2つのLEDランプLL1,LL2のうち車幅方向外側に配置された第1のLEDランプLL1を高速で点灯・消灯を切り替える、いわゆる点滅制御を行うように設定されている。この第1のLEDランプLL1は自動車の最も前方領域を照明するために設けられており、これによりロービーム配光時に自動車の前方遠方領域を明るく照明して高速走行の安全性を高めることが可能なモータウェイ配光を得ることができる。また、左右の各ヘッドランプLHL,RHLにそれぞれ設けられている第1のLEDランプLL1の照射領域はほぼ同じ領域を照明するように、照明領域が重なるように配光が調整されている。
前記ランプ制御装置LCNTによる第1のLEDランプLL1の点滅制御においては、図3にタイミング図を示すように、左右のヘッドランプの各第1のLEDランプの点滅制御は、図3(a)に示すように左側のヘッドランプLHLの第1のLEDランプLL1L(以下、左第1のLEDランプ)が点灯しているときには、図3(b)に示すように右側のヘッドランプRHLの第1のLEDランプLL1R(以下、右第1のLEDランプ)は消灯し、反対に左第1のLEDランプLL1Lが消灯しているときには右第1のLEDランプLL1Rでは点灯するように、互いに同じ周期で相反的に点滅するように制御が行われる。また、このときに各第1のLEDランプLL1L,LL1Rが各々単独で点灯したときの光度は等しく、しかも第1のLEDランプLL1L,LL1Rが同時に点灯したときの光度の約2倍となるように制御されている。これにより両方の第1のLEDランプLL1L,LL1Rが同時に点灯した通常のモータウェイ配光での光量と、物体検出を行うために各第1のLEDランプLL1L,LL1Rがそれぞれ交互に点滅したときに各第1のLEDランプLL1L,LL1Rが単独で点灯したときの光量とがほぼ等しくなる。
前記物体検出装置DETは、図2に示したように、前方監視カメラCAMで撮影した画像を画像解析する画像解析部11と、解析した画像に基づいて物体の有無を判定する物体判定部12と、物体を判定したときに報知を行う報知部13とを備えている。これら各部の動作の詳細については後述するが、画像解析部11では前方監視カメラCAMで撮影された経時的に連続した撮影コマ画像のうち、前記第1のLEDランプLL1L,LL1Rの点滅周期に同期した撮影コマ画像を選択し、この選択した撮影コマ画像の画像中に存在する陰影部の形状、サイズを検出する。物体判定部12では検出した陰影部の形状、サイズに基づいて所要のアルゴリズムでの演算を行うことで、検出した陰影が物体の陰影であるか否かを判定し、さらにはその物体の大きさや自動車からの距離を判定する。報知部13は物体判定部12で判定した結果に基づいて運転者に対して物体の存在や危険度等を運転席に設けたスピーカからの音声やモニタ画面に表示される画像等で報知する。
以上の構成の車両ランプシステムにおける物体検出動作について説明する。運転者の操作によりモータウェイ配光に切り替えられると、左右のヘッドランプLHL,RHLではロービーム配光に第1のLEDランプLL1の配光が加わってモータウェイ配光になる。さらに、物体検出信号がランプ制御装置LCNTに入力されると、ランプ制御装置LCNTは図3に示したように左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rを交互に点滅制御する。これにより、両第1のLEDランプは交互にしかも相反して点灯・消灯されるため、自動車の前方の照明領域の最も遠方側の領域が各第1のLEDランプLL1L,LL1Rによって交互に照明される状態になる。このとき、各第1のLEDランプLL1L,LL1Rの点滅周期は、人間の眼で点滅が認識できない知覚限界周波数に近い周波数、例えば30〜60Hz以上の周波数で行うため、運転者は各第1のLEDランプLL1L,LL1Rの点滅による照明の明暗のちらつきを感じることはなく、運転の支障になることはなく、また違和感を感じることもない。
そして、図4に示すように、第1のLEDランプLL1L,LL1Rによって照明される領域の道路上に例えば直方体形状の物体Xが存在しているときには、第1のLEDランプの照明光による陰影XSL,XSRが発生する。すなわち、あるタイミング時に右第1のLEDランプLL1Rが点灯したときには、左第1のLEDランプLL1Lは消灯しているため、道路には右第1のLEDランプLL1Rによる図示実線の陰影XSRが生じる。次のタイミングで点灯・消灯状態が切り替わり、左第1のLEDランプLL1Lが点灯し右第1のLEDランプLL1Rが消灯すると、図示鎖線で示すように、道路には左第1のLEDランプLL1Lによる陰影XSLが生じる。このように、自動車CARの左右に配設されている右第1のLEDランプLL1Lと左第1のLEDランプLL1Rは、同一の物体Xに対しては異なる角度方向からの光源となるため、自動車CARから見た各第1のLEDランプLL1L,LL1Rによって生じる物体Xの陰影XSR,XSLは形状やサイズが異なるものとなる。
前方監視カメラCAMは各第1のLEDランプLL1L,LL1Rにより照明される領域を含む自動車の前方の領域を経時的に連続したコマ画像として撮影している。物体検出装置DETの画像解析部11は、物体検出信号が入力されると、前方監視カメラCAMで撮像したコマ画像のうち、各第1のLEDランプLL1L,LL1Rの点灯・消灯時のタイミングで撮影した撮影コマ画像を取込んで画像解析を行なう。このタイミングは図3にタイミングTxで示したタイミングである。したがって、画像解析を行う画像は、右第1のLEDランプLL1Rを点灯した際の照明光によって照明されたコマ画像と、左第1のLEDランプLL1Lを点灯した際の照明光によって照明されたコマ画像となる。そして、画像解析部12はこれらのコマ画像の陰影を検出し、検出した陰影の形状、サイズを検出する。なお、前方監視カメラCAMがシャッター撮影式のカメラの場合には、図3のTxのタイミングで前方監視カメラCARMのシャッターを駆動して撮影を行うことにより陰影を撮影した画像を得ることができる。
これにより、図5(a)に右第1のLEDランプLL1Rを点灯した際に撮影したコマ画像と、同図(b)に左第1のLEDランプLL1Lを点灯した際に撮影したコマ画像をそれぞれ示すように、左右の各第1のLEDランプLL1L,LL1Rによる照明により生じた物体Xの陰影XSL,XSRの形状、サイズを認識するためのデータが検出される。ここでは、陰影XSRについてはデータとして一辺の長さLr1と、当該一辺が水平線に対してなす角度θr1を検出し、陰影XSLについてもデータとして一辺の長さLl1と、当該一辺が水平線に対してなす角度θl1を検出する。物体判定部12は、検出した陰影XSR,XSLのデータに基づいて物体の大きさ、物体の道路上の幅方向の位置、物体と自動車との距離等を判定する。
例えば、陰影XSR,XSLが画像のほぼ中央に存在しているときには、物体Xは道路の幅方向の中央に存在しているものと判定する。また、画像解析部11で検出された陰影XSR,XSLのデータ、ここでは一辺の角度θr1,θl1と長さLr1,Ll1からも物体の自動車に対する位置や距離、物体の大きさを判定する。概略的に説明すれば、図5(a),(b)に示したように、陰影XSR,XSLの一辺の角度θr1,θl1が大きいときには物体Xは自動車CARから遠方の場所に存在していると判定する。このとき、一辺の角度θr1とθl1がほぼ等しいときには物体Xは自動車CARの正面に存在していると判定する。また、陰影XSR,XSLの一辺の長さLr1,Ll1が長いときには物体Xが大きなものであると判定する。ただし、一辺の長さLr1,Ll1が短くても物体Xは自動車CARの遠方にあるため、これだけで物体Xが小さいとは判定しない。
一方、図6(a),(b)に図5と同様な図を示すように、陰影XSR,XSLの一辺の角度θr2,θl2が小さいときには物体Xは自動車CARの直前に近い場所にあると判定する。このとき、陰影XSR,XSLの一辺の長さLr2,Ll2が短いときには物体Xは小さいものであると判定する。ただし、一辺の長さLr2,Ll2が長いときには物体Xは自動車CARの近い場所にあるため、これだけで物体Xが大きいとは判定しない。
さらに、図7(a),(b)に同様な図を示すように、陰影XSR,XSLが撮影画像内の左側の位置にあれば、道路の左側に物体が存在しているものと検出される。図示は省略するが、検出した陰影が撮影画像内の右側の位置にあれば道路(車線)の右側に物体が存在しているものと推測する。その上で前述と同様に左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rの点灯時の各撮影画像の陰影XSL,XSRのデータに基づいて物体の位置や大きさを判定する。特に、この場合のように、右第1のLEDランプLL1Rの照明によって生じる陰影XSRの一辺の角度θr3と、左第1のLEDランプLL1Lの照明によって生じる陰影XSLの一辺の角度θl3とが異なる角度の場合には、物体Xは自動車CARに対して角度が大きい側に偏った位置に存在していると判定する。この場合には、θr3<θl3であるので、左側に偏った位置に存在していると判定する。
このようにして物体Xによって生じる陰影XSL,XSRに基づいて物体Xの大きさ、自動車に対する位置、自動車からの距離を物体判定部12において判定することができる。そのため、物体Xの色によっては撮影した画像を解析した場合に物体X画像が道路画像と渾然一体となって物体Xを直接検出することが難しい場合でも、物体Xの陰影XSL,XSRは画像中の暗黒画像として容易に検出することができるため、物体Xを確実に検出することが可能になる。そして、物体Xを検出し、当該物体Xが自動車CARの走行に支障のある障害物であると判定したときには報知部13から音声や画像で物体が存在することを報知する。運転者はこの報知を受けて物体との衝突を回避する適切な運転を行ない、事故を未然に防止し、安全を確保することが可能になる。
したがって、実施例1では、既存のヘッドランプと、既存の前方監視カメラを組み合わせることで、道路上の障害物となる物体を自動的に検出することが可能になる。そのため、本発明のシステムを構築するために新たに必要とされる構成部品は最小でよく、しかも実施例1のランプ制御装置LCNTは既存のランプ制御装置の一部を変更するだけでよく、また物体検出装置DETは既存の画像認識装置の処理ソフト(処理プログラム)の一部を変更するだけで実現できるため、経済的にも有利なものになる。
本発明では、実施例1の前方監視カメラCAMと物体検出装置DETは必ずしも必要とされるものではない。すなわち、物体検出信号をランプ制御装置LCNT出力して左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rを交互に点滅する際に、その点滅周波数を照明のちらつきによる視認性に影響を与えない程度に人間の知覚限界周波数よりも低い周波数に設定すれば、運転者が第1のLEDランプLL1L,LL1Rによる照明領域を視認したときに、左第1のLEDランプLL1Lによって生じる陰影XSLと、右第1のLEDランプLL1Rによる陰影XSRが視覚の残像によって視認されるため、運転者は高速で左右に変動する陰影を確認することができる。すなわち、自動車CARの前方視界内に黒い陰が左右にちらつくように見えるため、運転者はこのちらつきの部分を注視することで当該陰影の元になる物体をより速く確認できるようになる。この場合には、前方監視カメラCAMと物体検出装置DETは不要となるので、自動車に設けられている既存のヘッドランプ内に交互に点滅制御可能なLEDランプを備えることにより、またはヘッドランプとは独立したLEDランプを自動車の左右に配設することにより本発明が実現できる。
実施例1では、ランプ制御装置LCNTは左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rを交互に点滅させているが、各第1のLEDランプLL1L,LL1Rの光量を交互にしかも相反的に変化制御するようにしてもよい。すなわち、図8にタイミング図を示すように、図8(a)のように左第1のLEDランプLL1Lの光量を増加したときには図8(b)のように右第1のLEDランプLL1Rの光量を低減し、次のタイミングでは反対の光量となるように制御する。ここでは、増加したときの光量を所定光量1に対して0.75の比の光量にし、低減したときの光量を同じく0.25の比の光量となるように設定している。このようにすれば、光量が大きい側の第1のLEDランプによって物体の陰影が生じるが、このとき他方の第1のLEDランプは点灯しているが光量が小さいため物体の陰影は殆ど目立たない。この場合でも、左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rの光量のトータルを所定の光量となるように設定しておけば、左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rの光量を変化制御しても運転者に照明の明るさのちらつきを感じさせることはない。この実施例2では、第1のLEDランプLL1L,LL1Rはいずれも常に発光した状態にあるため、LEDの発光の立ち上がり特性による点灯初期の光量低下を考慮することなく、一定の明るさを保つ上で有効である。
本発明において、前方監視カメラCAMは必ずしも自動車CARの幅方向の中央に配置しなくてもよい。例えば、自動車の左右のいずれか一方に偏った位置に配置されていたとしても、当該前方監視カメラCAMの位置と左右の各第1のLEDランプLL1L,LL1Rの位置との相対関係が予め判っていれば、物体検出装置DETでは前方監視カメラCAMで撮影した画像に生じる物体の陰影の形状やサイズ等のデータに基づいて物体を判定することが可能となる。したがって、例えば、左右のヘッドランプLHL,RHLのうち一方のヘッドランプにのみ、実施例4では図2に鎖線で示すように、左側のヘッドランプLHLのランプハウジングLH内に前方監視カメラCAM1を配設してもよい。この場合、この前方監視カメラCAM1は左右の第1のLEDランプLL1L,LL1Rの間の位置に配置されることが好ましい。このようにすれば、前方監視カメラを備えていない自動車に本実施例のように前方監視カメラCAM1を備えたヘッドランプを装備するだけで本発明のシステムが構築できるようになる。また、このようなヘッドランプを自動車に装備することにより実施例2の構成が実現できる。
前記各実施例では、左右のヘッドランプを複数のランプからなるランプユニットで構成し、そのうち第1のLEDランプを点滅又は光量変化させて点灯を制御する構成であるが、第2又は第3のLEDランプを含めて複数のLEDランプを同時に点灯制御してもよい。また、本発明はヘッドランプを単一のLEDランプで構成する場合には、このLEDランプの点灯制御を行うようにしてもよい。さらに、本発明はヘッドランプとは独立して自動車の前を照明するランプを自動車の左右に設け、これらのランプの点灯を制御するように構成してもよい。例えば、フォグランプを利用して点灯制御を行うことも可能である。ただし、本発明においてはランプの点滅や光量変化を人間の知覚限界周波数に近い周波数で制御する必要があるので、光源として半導体光素子を利用したLEDランプ、EL(エレクトロルミネッセンス)ランプ、LD(レーザダイオード)ランプ等に適用することが好ましい。
前記各実施例において、左右のランプの点滅に際しての光量は図3及び図8に示したように矩形波形の特性で光量を変化させているが、正弦波あるいは余弦波のように光量が連続的に変化させる特性で光量制御を行うようにしてもよい。また、本発明は左右のランプのそれぞれが点灯したときの陰影を視覚的にあるいは撮像により認識できるように構成すればよいので、左右のランプの点灯制御は、両ランプの点灯位相を相違させ、あるいは両ランプの周波数を相違させ、さらには両ランプの点灯デューティ比(点灯時間と消灯時間の比)を相違させるようにすることも可能である。
本発明の車両用ランプシステムを装備した自動車の概念図である。 ヘッドランプユニットの概略正面構造を含む本発明のシステムの全体構成図である。 第1のLEDランプの点灯・消灯のタイミング図である。 左右第1のLEDランプにより照明された物体による陰影の状態を説明する図である。 物体が遠方に存在する場合の検出方法を説明する模式図である。 物体が近い位置に存在する場合の検出方法を説明する模式図である。 物体が偏った位置に存在する場合の検出方法を説明する模式図である。 第1のLEDランプの光量制御の異なる形態のタイミング図である。
符号の説明
LHL,RHL 左右ヘッドランプ
PL プロジェクタ型ランプ
LL1〜LL4 LEDヘッドランプ
CAM 前方監視カメラ
LCNT ランプ制御装置
DE 物体検出装置
X 物体
XSL,XSR 陰影
CAR 自動車
11 画像解析部
12 物体判定部
13 報知部

Claims (5)

  1. 車両の左右に設けられた対をなすランプを備え、前記対をなすランプは少なくとも一部の照明領域が重なるように構成され、対をなすランプの光量が同期して相反的に変化するとともに、同一タイミング時における対をなすランプの光量の和が一定であることを特徴とする車両用ランプシステム。
  2. 前記対をなすランプは交互に点灯・消灯されることを特徴とする請求項1に記載の車両用ランプシステム。
  3. 前記対をなすランプは車両の左右に設けられた一対のヘッドランプの少なくとも一部を構成することを特徴とする請求項2に記載の車両用ランプシステム。
  4. 前記両ランプの少なくとも前記重なった照明領域を撮像する撮像手段と、前記撮像手段で撮像した画像を処理して当該照明領域に存在する物体を検出する物体検出手段とを備えることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載の車両用ランプシステム。
  5. 前記撮像手段は各ランプの点灯時におけるそれぞれの撮影画像を取得し、前記物体検出手段は取得した各撮影画像における陰影の変化から前記物体を検出することを特徴とする請求項4に記載の車両用ランプシステム。
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