JP4824219B2 - 安定な樹脂組成物を与える焼成フライアッシュ - Google Patents

安定な樹脂組成物を与える焼成フライアッシュ Download PDF

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Description

【0001】
【産業の属する技術分野】
本発明は、安定な樹脂組成物を与える焼成フライアッシュおよびそれを含有する樹脂組成物、特に塗料に関する。
【0002】
【従来の技術】
鋼構造物やコンクリート構造物を雨水や薬液から遮蔽、防食するために、緻密で剥がれにくい性質の塗膜で覆うことが多い。また、種々の構造物は美観を向上させるため、着色した塗料で塗装されている。塗料の基本成分は高分子材料であるが、増量、塗膜硬さの付与、チクソ性付与等を主の目的として、体質顔料と呼ばれる無機質粉体が添加される。これらの無機質粉体への要求仕様は用途によって様々ではあるが、一般に、粒子径が1ミクロン〜100ミクロン程度、樹脂成分と親和性(濡れ性)が良いが不活性であること、吸油量が小さいこと、経済性に富むこと、鋼相当以上の高い硬度を有すること、好ましくは着色性に裕度のある淡色系であること、などである。
【0003】
現実に入手しやすい粉体は破砕状の炭酸カルシウムおよび扁平状のタルク等であるが、樹脂成分との親和性(濡れ性)の悪さや一部可溶性成分が存在する場合があり、防食性能が低下する難があったり、粉体自体の流動性が悪いために、成形流動性や塗装時の刷毛塗り性に劣る難があった。また、比較的濡れ性の良い溶融シリカ粉や水和アルミナ粉は球形状の物が流通しているが、価格上の難があり、安価に大量に提供できるシリカ粉相当物質、特に球形物質が望まれてきた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
一方、石炭火力発電所から大量に排出されるフライアッシュは球形物質であり、コンクリート混和剤として配合すると、コンクリートの流動性が向上するなど、成形材料として利用した場合にその流動成形性が向上することは公知の通りである。また、経済性に富み、樹脂との親和性(濡れ性)に優れ、硬度もシリカ粉相当に高く、前述の要求仕様をほぼ満足する。しかしながら、エポキシ系塗料の主剤にフライアッシュを添加して塗料組成物を作り、3日以内に主剤と硬化剤を混合し、はけ塗り塗装をしたところ、粘度は正常値で作業性も良好であったが、1年後に保存していた同塗料組成物である主剤と硬化剤を混合し、塗装を行おうとしたところ、フライアッシュを添加していた主剤が粘度増やケーキングを生じ、実用に供することができなかった(比較例5等参照)。また、フライアッシュは微細な未燃カーボンが表面に付着しているため、吸油量が大きく、体質顔料としての配合裕度が低かった。さらに、塗料組成物作製直後の塗膜でも黒ずんだ色調となり、美観上問題があった(比較例11等参照)。
【0005】
そこで、本発明は、フライアッシュを用いて、樹脂成分との親和性(濡れ性)、吸油性に優れ、防食性に富み、着色裕度、配合裕度を持ち、貯蔵安定性に優れ、かつ、塗装施工性に富むエポキシ系塗料の原料である体質顔料を提供することを目的としている。また、本発明は、上記の塗料用の原料を用いて、樹脂成分との親和性(濡れ性)、吸油性に優れ、防食性に富み、着色裕度、配合裕度を持ち、貯蔵安定性に優れ、かつ、塗装施工性に富むエポキシ系塗料を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、フライアッシュを空気中で500℃以上800℃以下の高温で焼成した焼成フライアッシュからなることを特徴とするエポキシ系塗料用体質顔料、およびこれを用いた塗料を要旨とするものである。また、本発明では、NH含有量が50ppm未満、給油量が29.0ml/100g以下、未焼成カーボン含有量が1600ppm以下であり、さらに表面のシラノール基が焼成前より減じられている焼成フライアッシュよりなるエポキシ系塗料用体質顔料、およびこれを用いたエポキシ系塗料を提供することができる。
【0007】
本発明は、エポキシ系塗料主剤が、液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂ワニス、または変性エポキシ樹脂ワニスであるエポキシ系塗料用体質顔料を要旨としている。
【0008】
本発明は、エポキシ系塗料組成物100重量部に、上記の体質顔料が5〜90重量部含まれている塗料を要旨としている。
【0009】
本発明は、溶剤型ピュアーエポキシ樹脂塗料、溶剤型変性エポキシ樹脂塗料、または微溶剤型超厚膜エポキシ樹脂塗料を要旨としている。
【0010】
【発明の実施の形態】
フライアッシュは、煙道ガス中の細かい灰の粒子であり、通常、球形に近い形状を有している。石炭火力発電プラント内で部分的に不完全な燃焼を経過し、かつ、脱硝装置や電気集塵装置を経過したフライアッシュには、アンモニア系不純物(硫酸アンモニウムおよびそのフライアッシュとの反応物)が200〜1000ppm程度、未燃カーボンが15000〜50000ppm程度、酸化鉄が10000〜50000ppm程度含まれている。
【0011】
アンモニア系不純物は塗料組成物の主剤であるエポキシ樹脂の官能基(エポキシ基)に作用して、重合反応や橋かけ反応を引き起こし、粘度増やケーキングを生じる性質がある。また、フライアッシュはシリカを主成分とするため、表面には多数のシラノール基が存在し、このシラノール基が塗料組成物の主剤であるエポキシ樹脂の官能基(エポキシ基)に作用して、重合反応や橋かけ反応を引き起こし、粘度増やケーキングを生じる性質がある。
【0012】
このため、フライアッシュを600℃の高温空気中に4時間程度暴露してアンモニア不純物の濃度を1ppm以下に減じ、また、シラノール基の量は現在までのところ、正確な定量方法が確立されていないため不明ではあるが、おそらく半分以下に減じられていることにより、主剤のエポキシ樹脂に20〜50%相当量混合した状態下で長時間を経過しても硬化反応を生じない性質の粉体とした。
【0013】
フライアッシュには15000〜50000ppm程度の微細な未燃カーボンが表面に付着しており、吸油量が小さく、塗料組成物に体質顔料として配合する時の配合裕度が低い。
また、未燃カーボンの他に10000〜50000ppm濃度の酸化鉄があるために、フライアッシュは暗灰色を呈する。
このため、フライアッシュを500℃以上の高温空気中に20時間程度暴露して未燃カーボンの濃度を1600ppm程度に減じ、かつ、黒色のFe34酸化鉄を褐色のFe23酸化鉄に転換させることにより、淡い黄色に転換し、淡彩色に着色可能で、かつ、吸油性に優れた性格の粉体とした。
【0014】
フライアッシュは集塵器で捕集された段階で、あるいは焼成した後で濾過、分級して用途に応じた適性粒度の粉体に調整する。特に塗料用体質顔料としてエアーガン塗装する用途に使用する場合はガンチップの顔料詰まりを防止するため100μm以下のものを調製する。
【0015】
体質顔料として焼成したフライアッシュを用いると、塗料樹脂成分との親和性(濡れ性)、吸油性に優れ、着色裕度、配合裕度を持ち、貯蔵安定性、塗装施工性に優れ、塗布硬化してなる塗膜は防食性に富み、また、プラスチック充填材として焼成したフライアッシュを用いると、成形流動性、高密充填性に優れ、得られたプラスチック構造体は高剛性で高強度となる。
【0016】
焼成したフライアッシュは、プラスチック充填材として、樹脂固形分100重量部に対して、通常、1〜900重量部、好ましくは60〜800重量部の量で含まれていることが良好な成形性、機械的特性などが得られる点で望ましい。フライアッシュ含有量が1重量部未満(樹脂固形分100重量部に対して)では、成形性、機械的特性が不良となる傾向があり、900重量部(樹脂固形分100重量部に対して)を超えると骨材分の濡れ性不良、成形性、機械的特性不良となる傾向がある。
また、焼成したフライアッシュは、体質顔料として、塗料組成物100重量%中に、通常5〜90重量%、好ましくは10〜50重量%の量で含まれていることが好ましい。
【0017】
【作用】
エポキシ系の樹脂分に予め20%以上の多量の体質顔料や添加材を混合操作製造して主剤とし、塗装施工時に硬化剤と混合するタイプの塗料系において、体質顔料として500℃以上の高温空気中で焼成したフライアッシュを用いることにより、製造後6ヶ月以上経過させても、良好な施工性と良好な成膜が可能な塗料組成物を提供することができる。また、本フライアッシュは吸油量が小さくなり、配合裕度に優れる。
【0018】
エポキシ系の樹脂分に予め20%以上の多量の体積顔料や添加材を混合操作製造して主剤とし、塗装施工時に硬化剤と混合するタイプの塗料系において、淡色系顔料として500℃以上の高温空気中で20時間程度曝露し、未燃カーボン量が1600ppm以下となるように焼成したフライアッシュを用いることにより、適当な着色顔料を添加すれば白色以外の任意の色調の塗膜を形成することのできる塗料組成物を提供することができる。
【0019】
なお、500℃未満の例えば450℃の空気中でもさらに長時間焼成を行えば、シラノール基や未燃カーボン量などが低減され、500℃以上の高温で焼成したのと同様な効果が得られるが、長時間を要することから工業的な価値が乏しくなると考えられる。未燃カーボンが効率良く燃焼し、シラノール基を効率良く低減できる温度は600℃以上であり、逆に800℃を越えると粒子の凝集と着色(黄変)が激しくなることから、600℃以上800℃以下が工業的には好ましいと考えられる。ただし、粒子の凝集、着色を問題としない用途については、800℃以上で短時間に焼成する方法が優れると考えられる。また、焼成方法については、特に限定するものではないが、燃焼効率、量産性、凝集の低減等を考慮すると、ロータリーキルン炉を用いた焼成が優れる。
【0020】
【実施例】
本願発明の詳細を実施例で説明する。本願発明はこれら実施例によって何ら限定されるものではない。
【0021】
実施例1〜5、比較例1〜3
フライアッシュの焼成処理のグレードがエポキシ基を官能基としてもつビスフェノールA型エポキシ樹脂との反応性、ならびに、吸油量に及ぼす影響を調べた。なお、実施例および比較例で行ったフライアッシュの焼成処理は、全て200×200×50mmの大きさのアルミナ製素焼き容器にフライアッシュを押しつけずに10mm高さまで積層させ、電気炉にて所定の温度×時間で焼成した物である。
配合および評価の結果を表1に示した。
用いた各成分は、以下の通りである。
「EP−827」:エポキシ樹脂(油化シェル社製)
「フライアッシュ」:実施例1〜5は平均粒径5μm、100メッシュアンダー(100メッシュ通過分が99%以上)、シリカ系酸化物(50%)とアルミナ系酸化物(28%)を含む淡色系粉末〔四国電力(株)製〕。500℃〜800℃で焼成することにより、NH量を検出限界以下に減じ、未燃カーボンの濃度を1600ppm以下に減じ、かつ、黒色のFe34酸化鉄を褐色のFe23酸化鉄に転換させたもの。
比較例1は実施例1のフライアッシュの未焼成のものであり、比較例2は同様のフライアッシュを200℃で4時間焼成したもの、比較例3は450℃で12時間焼成したものである。
「球状シリカ」:天然結晶シリカ粉末を溶射法で球状化した平均粒径5μmの球状シリカ〔デンカ(株)製〕。
【0022】
《評価》
反応性は170℃でEP−827とフライアッシュを毎日5分間混合撹拌しながら、170℃で1、5、7、15日放置後の状態を目視で評価した。
NH量は評価する粉体を600℃に加熱し、発生したアンモニアガスを希硫酸の入った吸収瓶に完全に捕集し、JIS K 0102に明記されている中和滴定法にて、捕集されたアンモニウムイオン量を定量することにより、求めたものである。未燃カーボン量は焼成サンプルを650℃で24時間再焼成したときの重量減量から求めたものである。
吸油量はJIS K 5101に明記されている煮あまに油を用いた方法で求めた。
【0023】
【表1】
Figure 0004824219
【0024】
表1から明らかなように、実施例のフライアッシュを500℃以上で焼成したものでは、170℃×15日間放置し、エポキシ樹脂との反応を加速しても、増粘し半固形状に留まるのに対し、比較例の未焼成、あるいは200℃でフライアッシュを焼成したものではエポキシ樹脂との反応が早く、170℃×5日で完全硬化してしまい、450℃で焼成したものでも7日で完全硬化してしまった。未焼成および200℃焼成の方が完全硬化が早い理由は、おそらくNH量が50ppm以上残存するために硬化反応が加速されたと考えられる。450℃焼成では、NH量は1ppmと問題のないレベルに低減されているが、一般にシラノール基は500℃以上で徐々に低減されるとされており、シラノール基が多く残存しているため完全硬化したと考えられる。比較例4で用いた市販の球状シリカは溶射タイプであるため、表面のシラノール基が少なく、実施例と同様に完全硬化はしなかった。フライアッシュも高温下で球状化したものであるが、その後の処理でシラノール基が多く発生しているものと推測される。
また、フライアッシュの吸油量は、実施例の500℃以上の温度で焼成したものは29.0ml/100g以下となり、特に未燃カーボン量が900ppm以下となる550℃以上700℃以下の焼成では吸油量が25.0ml/100g以下となった。ただし、800℃焼成では若干吸油量が高くなる傾向が認められた。比較例の未焼成または450℃以下の温度で焼成したフライアッシュでは30.0ml/100g以上となり、吸油量が大きかった。
【0025】
実施例6〜12、比較例5〜10
焼成処理のグレードが塗料の貯蔵安定性に及ぼす影響を調べた。
用いた各成分は、以下の通りである。
実施例6〜11、比較例5〜9は市販の微溶剤型エポキシ塗料(溶剤含有量は3重量%)。
実施例12、比較例10は市販の溶剤型ピュアーエポキシ塗料。
「フライアッシュ」:実施例6〜12、および比較例6、7の焼成条件(空気温度、暴露時間)、NH量(ppm)、未燃カーボン量(ppm)、平均粒径(μm)は表2のとおり。
比較例5、8、10は未燃焼である。比較例9はフライアッシュを用いない現行配合のものである。
「珪砂」:破砕状のシリカで平均粒径25μm、未燃焼のもの。
「炭酸カルシウム」:平均粒径25μm、未燃焼のもの。
【0026】
《評価》
初期および50℃で30日放置後(混合時に一旦20℃に戻す)、主剤と硬化剤を所定量の比率で混合撹拌した時の粘度を測定することによって、粘度増加率(%)=(30日放置後粘度−初期粘度)×100/初期粘度を求めた。粘度測定は回転式粘度計(ビスコテスタVT−04型、リオン(株)製、測定範囲0.3〜4000ポイズ、ロータNO.2を使用)を用いて行った。
配合および評価の結果を表2に示した。なお、実施例6〜11および比較例5から9の微溶剤型エポキシ塗料配合では、主剤/硬化剤の混合比率を2/1に、実施例12および比較例10の溶剤型ピュアーエポキシ塗料配合では、主剤/硬化剤の混合比率を17/3で混合した。
【0027】
【表2】
Figure 0004824219
【0028】
表2から明らかなように、フライアッシュを焼成しなかったものあるいは焼成温度が450℃以下の比較例5〜8および10では、15〜50%程度粘度増加しているのに対し、500℃で焼成した実施例6において、5%と若干の粘度増加があるものの、550℃以上で焼成した実施例7〜12では全く粘度増加がなく、フライアッシュを配合しない現行品である比較例9と差が認められなかった。このことより、500℃以上で焼成したフライアッシュは、貯蔵安定性に優れることが判る。粘度増加は溶剤型ピュアーエポキシ塗料配合に比べ、微溶剤型エポキシ塗料でより顕著となるが、これは溶剤型では溶剤で希釈され、反応が遅延するためと考えられる。また、比較例5と比較例8より、平均粒径が小さい程粘度増加が大きくなることが判る。これは、平均粒径が小さいと表面積が多くなり、よりシラノール基、アミン不純物量が多くなるためと考えられる。
【0029】
実施例13〜15、比較例11〜12
焼成処理のグレードが塗料の着色性に及ぼす影響を調べた。
実施例13〜15は600℃〜800℃で4時間焼成した焼成フライアッシュを配合したもので、比較例11は焼成無しのフライアッシュを配合したもので、比較例12はフライアッシュを配合しない現行変性エポキシ樹脂塗料白色配合である。硬化剤は全て共通とし、配合を表3に示した。
《評価》
実施例13〜15および比較例11から12溶剤型変性エポキシ塗料配合では、主剤/硬化剤の混合比率を18/2で混合した。
混合配合した塗料をブラスト鋼板に200μm塗装し、その色相を塗料用標準色見本帳(社団法人日本塗料工業界発行、2001年版)で照合した。
【0030】
【表3】
Figure 0004824219
【0031】
フライアッシュを使用しない比較例12の現行白色配合では、マンセル値N9.5の白色であるのに対し、フライアッシュ焼成無しを配合した比較例11では、マンセル値N8と灰色であった。600℃で4時間焼成した焼成フライアッシュを配合した実施例13では、マンセル値2.5Y9/1とほぼ白色に近い淡彩色であり、700℃で4時間焼成した実施例14では、マンセル値10YR8.5/1、800℃で4時間焼成した実施例15ではマンセル値10YR9/1.5と温度が高くなるにつれて黄色が若干強くなる傾向が認められたが、白色に近い淡彩色であった。このことから、焼成フライアッシュは未燃カーボンの燃焼除去により、フライアッシュ本来の灰色着色を淡彩色程度の着色に抑制できることが判る。
【0032】
実施例16〜20は700℃×4時間焼成した焼成フライアッシュを配合したもので、比較例13〜17は焼成フライアッシュを使用しない現行シリカ系顔料や炭酸カルシウム等を配合したもの。実施例16〜19および比較例13〜16の主剤および硬化剤の配合と実施例20および比較例17の配合を表4から表8に示した。
【0033】
【表4】
Figure 0004824219
【0034】
【表5】
Figure 0004824219
【0035】
【表6】
Figure 0004824219
【0036】
【表7】
Figure 0004824219
【0037】
【表8】
Figure 0004824219
【0038】
実施例16
無溶剤型コンクリート用エポキシ系パテ材の主剤に、700℃×4時間焼成フライアッシュ(平均粒径25μm)40重量%を体質顔料として添加して、塗料の性状を試験した。硬化剤は現行硬化剤を使用し、主剤/硬化剤=2/1(重量比)で混合した。
【0039】
比較例13
現行無溶剤型コンクリート用エポキシ系パテ材。硬化剤は実施例16と同じ物を使用した。
【0040】
1)塗料性状:粒径が現行顔料よりも小さい場合、吸油量が大きいため、パテの粘性が若干あがり、パテ付け作業性が低下した。粒径を調整することにより作業性を向上させることができる。
2)品質試験結果
試験項目
(1)耐アルカリ性
品質基準:塗膜にふくれ・われ・はがれ・軟化・溶出がないこと
試験結果:実施例16、比較例13ともに塗膜にふくれ・われ・はがれ・軟化・溶出がなく、良好
(2)付着性
品質基準:25/25であること
試験結果:実施例16、比較例13ともに25/25で、良好
試験方法
(財)日本道路協会[道路橋の塩害対策指針(案)・同解説]4.塗料材料の品質の耐アルカリ性試験と付着試験を実施した。
・耐アルカリ性試験:JIS K 5400 7.4飽和水酸化カルシューム溶液に30日間浸せき
・付着性:カッターナイフで2mm間隔に縦横6本素地に達する切り傷を入れ25個のます目を作る。その上にセロハン粘着テープ(JIS Z1522)を完全に密着するように貼り付けてから、テープを一気に剥がします目の残存数を調べる。
3)結果の評価
・性能上実用性はある。
・作業性面から、粒径を大きくした方が良い。
【0041】
実施例17
溶剤型ピュアーエポキシ樹脂塗料の主剤に、700℃×4時間焼成フライアッシュ(平均粒径5μm)を体質顔料として添加して、塗料の性状を試験した。硬化剤は現行硬化剤を使用し、主剤/硬化剤=17/3(重量比)で混合した。
【0042】
比較例14
現行溶剤型ピュアーエポキシ樹脂塗料。硬化剤は実施例17と同じ物を使用した。
【0043】
1)試験結果
項目
(1)分散度
比較例品:20μm(B法)
実施例品:20μm(B法)
(2)塗料粘度
比較例品:110KU(25℃)
実施例品:112KU(25℃)
(3)塗膜外観
比較例品:良好
実施例品:良好
(4)たれ性
比較例品:350μm合格
実施例品:350μm合格
(5)貯蔵安定性(50℃×30日)
比較例品:沈澱、増粘(粘度増加2KU)無く良好
実施例品:沈澱、増粘(粘度増加1KU)無く良好
(6)耐塩水噴霧性(JIS K 5400 9.1)
比較例品:240時間異常なし
実施例品:240時間異常なし
(7)耐複合サイクル防食性(JIS K5621 5.11)
比較例品:90サイクル異常なし
実施例品:90サイクル異常なし
(8)耐湿性(JIS K5400 9.2)
比較例品:560時間異常なし
実施例品:560時間異常なし
(9)耐水性(20℃、水道水浸漬)
比較例品:28日間異常なし
実施例品:28日間異常なし
(10)耐食塩水性(20℃、3%食塩水浸漬)
比較例品:28日間異常なし
実施例品:28日間異常なし
試験方法
分散度B法はJIS K 5400 4.7.2の線条法によるものである。粘度のKU値は、JIS K 5400 4.5.2のストーマー粘度計法によるものである。
2)評価
・現行体質顔料(タルク)の一部を焼成フライアッシュに置き換えた結果では、置き換えに関して問題がないと評価できる。
塗膜の耐久性試験(防食性、耐水性)の結果も良好であった。
【0044】
実施例18
溶剤型変性エポキシ樹脂塗料の主剤に、700℃×4時間焼成フライアッシュ(平均粒径5μm)を体質顔料として添加して、塗料の性状を試験した。硬化剤は現行硬化剤を使用し、主剤/硬化剤=18/2(重量比)で混合した。
【0045】
比較例15
現行溶剤型変性エポキシ樹脂塗料。硬化剤は実施例18と同じ物を使用した。
【0046】
1)試験結果
項目
(1)分散度
比較例品:20μm(A法)
実施例品:20μm(A法)
(2)塗料粘度
比較例品:101KU(25℃)
実施例品:102KU(25℃)
(3)塗膜外観
比較例品:良好
実施例品:良好
(4)たれ性
比較例品:250μm合格
実施例品:250μm合格
(5)貯蔵安定性(50℃×30日)
比較例品:沈澱、増粘(粘度増加4KU)無く良好
実施例品:沈澱、増粘(粘度増加4KU)無く良好
(6)耐塩水噴霧性(JIS K 5400 9.1)
比較例品:240時間異常なし
実施例品:240時間異常なし
(7)耐複合サイクル防食性(JIS K5621 5.11)
比較例品:90サイクル異常なし
実施例品:90サイクル異常なし
(8)耐湿性(JIS K5400 9.2)
比較例品:560時間異常なし
実施例品:560時間異常なし
(9)耐水性(20℃、水道水浸漬)
比較例品:28日間異常なし
実施例品:28日間異常なし
(10)耐食塩水性(20℃、3%食塩水浸漬)
比較例品:28日間異常なし
実施例品:28日間異常なし
試験方法
分散度A法はJIS K5400 4.7.1の分布図法によるものである。 2)評価
・体質顔料の一部を焼成フライアッシュに置き換えた結果では、置き換えに関して問題がないと評価できる。
・塗膜の耐久性試験(防食性、耐水性)の結果も良好であった。
【0047】
実施例19
微溶剤型超厚膜エポキシ樹脂塗料の主剤および硬化剤に、700℃×4時間焼成フライアッシュ(平均粒径25μm)を体質顔料として添加して、塗料の性状を試験した。主剤/硬化剤=2/1(重量比)で混合した。
【0048】
比較例16
現行微溶剤型超厚膜エポキシ樹脂塗料。
【0049】
1)試験結果
項目
(1)塗料粘度
比較例品:主剤170ポイズ,硬化剤140ポイズ、混合物140ポイズ
実施例品:主剤180ポイズ,硬化剤140ポイズ、混合物150ポイズ
(2)塗膜外観
比較例品:良好
実施例品:良好
(3)たれ性
比較例品:2.5mm合格
実施例品:2.5mm合格
(4)貯蔵安定性(50℃×30日)
比較例品:主剤良好(粘度増加0ポイズ)、硬化剤良好(粘度増加10ポイズ)
実施例品:主剤良好(粘度増加0ポイズ)、硬化剤良好(粘度増加10ポイズ)
(5)温度差耐水試験(50℃/20℃)
比較例品:28日間異常なし
実施例品:28日間異常なし
(6)40℃塩水浸漬
比較例品:28日間異常なし
実施例品:28日間異常なし
2)評価
現行の体質顔料(珪砂、タルク)の一部を置き換える検討も行ったが、置き換えに問題なかった。20%以上置き換えると粘度が高くなり、塗膜外観(光沢)に差が生じたので、粘度、光沢を考慮する場合は20%が限界置き換え量と考えられる。
塗膜の長期耐久性試験として行った塗膜の水浸透による膨れ劣化現象を加速した温度差耐水試験や塩水の浸透性を加速した40℃塩水浸漬試験の結果が良好であったことから、防食性、耐水性も良好であることが判った。
【0050】
実施例20
溶剤1液型油性錆止め塗料に、700℃×4時間焼成フライアッシュ(平均粒径5μm)を体質顔料として添加して、塗料の性状を試験した。
【0051】
比較例17
現行溶剤1液型油性錆止め塗料。
【0052】
1)試験結果
項目
(1)分散度
比較例品:50μm(A法)
実施例品:50μm(A法)
(2)塗料粘度
比較例品:88KU(25℃)
実施例品:89KU(25℃)
(3)塗膜外観
比較例品:良好
実施例品:良好
(4)たれ性
比較例品:250μm合格
実施例品:250μm合格
(5)貯蔵安定性(50℃×30日)
比較例品:沈澱、増粘(粘度増加2KU)無く良好
実施例品:沈澱、増粘(粘度増加3KU)無く良好
2)評価
油性錆止め塗料の体質顔料として適用できることが判る。焼成フライアッシュはエポキシ樹脂塗料以外の塗料系にも適用可能であり、価格条件を満足すれば使用可能である。
【0053】
【発明の効果】
安定な樹脂組成物用のフライアッシュ充填材を提供することができる。
適正な温度で焼成した本フライアッシュを用いて、製造後6ヶ月以上経過させても、良好な施工性と良好な成膜が可能な塗料組成物を提供することができる。
また、本フライアッシュは吸油量が小さくなり、配合裕度に優れるとともに、適当な着色顔料を添加すれば白色以外の任意の色調の塗膜を形成することのできる塗料組成物を提供することができる。

Claims (6)

  1. フライアッシュを空気中で500℃以上800℃以下の高温で焼成した焼成フライアッシュからなることを特徴とするエポキシ系塗料用体質顔料
  2. 焼成フライアッシュが、NH含有量が50ppm未満、吸油量が29.0ml/100g以下、未焼成カーボン含有量が1600ppm以下であり、さらに表面のシラノール基が焼成前より減じられている請求項1に記載のエポキシ系塗料用体質顔料。
  3. エポキシ系塗料主剤が、液状エポキシ樹脂、エポキシ樹脂ワニス、または変性エポキシ樹脂ワニスから選ばれる請求項1または2に記載のエポキシ系塗料用体質顔料。
  4. 上記請求項1から3のいずれかに記載のエポキシ系塗料用体質顔料とエポキシ系塗料主剤を含有することを特徴とする塗料。
  5. エポキシ系塗料組成物100重量部に、上記請求項1から3のいずれかに記載の体質顔料が5〜90重量部含まれている請求項4に記載の塗料。
  6. 塗料が、溶剤型ピュアーエポキシ樹脂塗料、溶剤型変性エポキシ樹脂塗料、または微溶剤型超厚膜エポキシ樹脂塗料である請求4または5に記載の塗料。
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