本発明の第1実施形態の現金カセット搬送監視システムを図1〜図7を参照して以下に説明する。
第1実施形態の現金カセット搬送監視システムは、図1に示すように、百貨店や大規模スーパーマーケット等からなる複数カ所の点在する取引先10と、これらの取引先10に対して一カ所共用で設置された警備会社の現金収集センタ100との間の現金の搬送を監視するものであり、より詳しくは、各取引先10と現金収集センタ100との間での、現金を収納可能な金庫型の一台以上の現金カセット15の搬送を監視するものである。なお、現金カセット15の各取引先10間の搬送、および取引先10と現金収集センタ100との間の搬送は、基本的に運搬車を用いて行われる。
百貨店、大規模スーパーマーケット等である一の取引先10においては、各売り場の売上金の入金管理および釣銭準備金の出金等を行うための図2に示す現金取引室20が設置されている。なお、複数の取引先10において、それぞれに同様の現金取引室20が、1カ所あるいは複数カ所設置されることになる。
この現金取引室20は、四方が側壁21a〜21dで囲まれて構成されており、所定の側壁21aのみに一カ所の出入口23が形成されていて、この出入口23には出入口23を開閉するドア24が取り付けられている。なお、現金取引室20内には、側壁21bとで出入口23を挟むように仕切壁21eが設けられており、これら側壁21bと仕切壁21eとで出入口23に通じるゲート25が形成されている。現金取引室20に出入りする場合は、必ず出入口23およびゲート25を通ることになる。
現金取引室20内には、上記した現金カセット15が着脱可能に設けられるとともに売上金を入金するための現金取引機26が複数台設置されている。各現金取引機26には、機外から投入された貨幣を計数して収納するとともに収納した貨幣を出金可能な入出金機が用いられる。各現金取引機26のそれぞれの内部には、貨幣を収納する金庫型の現金カセット15を着脱可能に装填させるカセット装填部27が複数設けられており、複数の現金カセット15が装填可能となっている。なお、現金取引機26は、カセット装填部27を一カ所有し現金カセット15を一台のみ装填するものであっても良い。各現金カセット15は、現金取引室20内のすべての現金取引機26のすべてのカセット装填部27に対し着脱可能であり、装填時に自動的に現金取引機26に対し現金を出し入れ可能となり、取り外し時には現金の取り出しを規制することになって、さらに、取り外した状態でも別途のキーで現金の取り出しが可能となる構造になっている。
すべての現金カセット15にはRFID(Radio Frequency Identification)インレット30がそれぞれ一つずつ取り付けられている。RFIDインレット30は、図3に示すように、電子データを書き込み可能なICチップ30aと、所定の電波を受信することで起電力を発生させてICチップ30aを駆動するとともに、駆動したICチップ30aから電子データからなる情報を無線で送信し、またICチップ30aに書き込む情報を受信するコイルからなるアンテナ30bとを備えている。このRFIDインレット30には、これが取り付けられた現金カセット15を他の現金カセット15と識別するためのカセットID情報(具体的にはカセット識別番号(現金カセットコード))が電子データで記憶されており、また、顧客ID情報(具体的には顧客識別番号(顧客コード))、現金取引機26への装填時には装填された現金取引機26の取引機ID情報(具体的には取引機識別番号(取引機コード))、現金装填情報(現金を装填した日時、装填した作業者ID情報、金種金額明細)、カセット装填情報(現金取引機26に装填された日時、装填した作業者ID情報、金種金額明細)、装填現金授受情報(装填された釣銭準備金などを取引先が取り出した日時、取り出した作業者ID情報、金種金額明細)、取引機現金回収情報(現金取引機から回収された日時、回収した作業者ID情報、金種金額明細)等が電子データで記憶可能となっている。
図2に示すように、現金取引室20内のすべての現金取引機26のすべてのカセット装填部27には、それぞれに一台ずつ装填される現金カセット15のRFIDインレット30に対し電子データからなる情報を無線で読み書き可能な個別の装填部RFIDリーダライタ32が一対一で設けられている。これにより、いずれの現金取引機26のいずれのカセット装填部27にいずれの現金カセット15が装填されているかを把握できるようになっている。各装填部RFIDリーダライタ32の近傍には、カード挿入部33が一対一で対応して設けられている。
各現金取引機26には、入出金処理を制御するとともに内部に組み込まれた装填部RFIDリーダライタ32を制御する制御部37と、情報を記憶する記憶部38と、警報を発生させる警報装置39とが設けられている。一の現金取引機26に設けられた記憶部38は、この現金取引機26内にある各現金カセット15のカセット内在り高情報(つまり、いずれの現金カセット15が収納量がどれだけであるか)や、この現金取引機26が設置された取引先10を他の取引先10と識別するための取引先ID情報(具体的には取引先識別番号)等の電子データを記憶する。なお、図示してないが、各現金取引機26には、設置された取引先10において、現金取引機26に対して入出金処理を行うための操作部、表示部などが設けられている。
ここで、一の現金カセット15のRFIDインレット30には、予め、一の現金取引機26が設置された取引先10の取引先ID情報が書き込まれており、この現金カセット15が一の現金取引機26に装填された時点で、装填部RFIDリーダライタ32によって、一の現金カセット15のRFIDインレット30に書き込まれている取引先ID情報が読み込まれ、記憶部38に記憶されたこの現金取引機26が設置された取引先10の取引先ID情報と比較されて、両者の一致が確認されると、さらに、この現金取引機26の取引機ID情報、カセット装填情報が書き込まれることになり、その後、各入出金処理毎にこの現金カセット15が収納している貨幣の量を示すカセット内在り高情報が書き込まれることになる。他方、後述するように、一の現金取引機26が入金機である場合、通常、取引先ID情報が記録されていない空の現金カセット15が一の現金取引機26に装填されることになり、その時点で、一の現金カセット15のRFIDインレット30には、装填部RFIDリーダライタ32によって、この現金取引機26が設置された取引先10の取引先ID情報、取引機ID情報、カセット装填情報が書き込まれることになり、その後、各入出金処理毎にこの現金カセット15が収納している貨幣の量を示すカセット内在り高情報が書き込まれることになる。
ここで、搬送作業者は、図4に示すRFIDインレット35を有する作業者IDカード36を付帯した状況で現金カセット15を搬送することになる。この作業者IDカード36のRFIDインレット35も、ICチップ35aとアンテナ35bとを備えており、ICチップ35aにはこれを所持する作業者を他の作業者と識別するための作業者ID情報(具体的には作業者識別番号(作業者コード))、作業者名、作業者の認証用生体情報(例えば、5指分の指静脈データ)、回収対象の現金カセット15のカセットID情報(例えば、カセット識別番号)、装填対象の現金カセット15のカセットID情報(例えば、カセット識別番号)、装填対象の現金カセット15毎の装填先の取引先ID情報(例えば、取引先識別番号)等が電子データで記憶可能となっている。そして、上記した図2に示すカード挿入部33には、この作業者IDカード36が挿入されることになり、このカード挿入部33に挿入された作業者IDカード36に対して一対一で対応する装填部RFIDリーダライタ32が、RFIDインレット35に情報を無線で読み書き可能となっている。
そして、現金取引室20内のすべての現金取引機26の制御部37は、同じ現金取引室20に設置されたパーソナルコンピュータからなる一台の現金データの集計、所用の管理用の取引先管理機40に通信可能に接続されており、すべての現金取引機26の入出金処理のデータ等を取引先管理機40に送信するようになっている。これにより、取引先管理機40は、いずれの現金取引機26のいずれの現金カセット15の収納量がどれだけであるかをすべての現金カセット15について把握することができるようになっている。また、取引先管理機40は、回収の要否を判断可能になっている。
図5に示すように、上記した取引先管理機40は、搬送作業者Wよりも上位の管理者M1による操作入力が行われるキーボード41aおよびカードリーダ41bを含む操作部41と、管理者M1に対し表示を行う表示部42と、すべての現金取引機26のデータ等を記憶する記憶部43と、これらを制御する制御部44とを有している。この取引先管理機40の制御部44には、警報を発生する警報装置45と、RFIDインレット30,35に対し無線で情報を読み書き可能な登録用RFIDリーダライタ46とが接続されている。また、制御部44は、通信制御装置47を介して、外部または社内LANと通信可能となっている。なお、操作部41のカードリーダ41bは、管理者M1のみが所持する管理者IDカード50の電子データを読み取る。
図2に示すように、現金取引室20の出入口23に通じるゲート25には、ゲート25を通るRFIDインレット30,35に対し情報を無線で読み書き可能なゲート用RFIDリーダライタ49が設けられており、このゲート用RFIDリーダライタ49も図5に示す取引先管理機40の制御部44に接続されている。
上記のような複数の取引先10に対し共通で一カ所設けられた現金収集センタ100には、図6に示すように、収集した売上金の管理および釣銭準備金の作成を行うための現金処理室120が設置されている。
この現金処理室120も、四方が側壁121a〜121dで囲まれて構成されており、所定の側壁121aのみに一カ所の出入口123が形成されていて、この出入口123には出入口123を開閉するドア124が取り付けられている。なお、現金処理室120内には、側壁121bとで出入口123を挟むように仕切壁121eが設けられており、これら側壁121bと仕切壁121eとで出入口123に通じるゲート125が形成されている。現金処理室120に出入りする場合は、必ず出入口123およびゲート125を通ることになる。
現金処理室120内には、取引先10から収集した売上金等の現金を精算処理するとともに釣銭準備金を作成するための現金処理機126が複数台設置されている。各現金処理機126には、機外から投入された貨幣を計数して収納するとともに収納した貨幣を出金可能な入出金機が用いられる。ここで、取引先10から収集した現金カセット15は、キー操作で開放されて現金が取り出されることになり、このように取り出された現金が現金処理機126で精算処理されることになる。なお、取引先10から収集した売上金の管理を行う現金処理機126と、取引先への釣銭準備金を作成するための現金処理機126とをそれぞれ専用に設けても良い。
各現金処理機126には、入出金処理を制御する制御部137が設けられている。そして、現金処理室120内のすべての現金処理機126の制御部137は、同じ現金処理室120に設置されたパーソナルコンピュータからなる、現金データの集計や所用の管理のためのセンタ管理機140に通信可能に接続されており、すべての現金処理機126の入出金処理のデータ等をセンタ管理機140に送信するようになっている。
図7に示すように、上記したセンタ管理機140は、搬送作業者Wよりも上位の管理者M2による操作入力が行われるキーボード141aおよびカードリーダ141bを含む操作部141と、管理者M2に対し表示を行う表示部142と、すべての現金処理機126のデータ等を記憶する記憶部143と、これらを制御する制御部144とを有している。このセンタ管理機140の制御部144には、警報を発生する警報装置145と、RFIDインレット30,35に対し無線で情報を読み書き可能な登録用RFIDリーダライタ146とが接続されている。また、制御部144は、通信制御装置147を介して、外部または社内LANと通信可能となっている。
図6に示すように、現金処理室120の出入口123に通じるゲート125には、ゲート125を通るRFIDインレット30,35に対し情報を無線で読み書き可能なゲート用RFIDリーダライタ149が設けられており、このゲート用RFIDリーダライタ149も図7に示すセンタ管理機140の制御部144に接続されている。
第1実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいては、現金取引機26が設置される取引先10を搬送元である第1の場所とし、現金収集センタ100を搬送先である第2の場所とし、取引先10から現金収集センタ100への現金回収のための現金カセット15の搬送を監視する。以下、この搬送監視制御の制御内容について説明する。
警備会社では、予め設定された回収ルートに基づく適宜のタイミング、あるいは所定台数以上の現金カセット15で満杯が検出されて取引先管理機40の制御部44から回収依頼信号が送られたタイミング等で、搬送作業者Wを現金収集センタ100から取引先10の現金取引室20に向かわせて現金カセット15の搬出を行わせることになる。
つまり、搬送作業者Wは、対象となる取引先10の現金取引室20に入室して、対象となる現金取引機26を現金カセット15が取り出し可能な回収モードとし、取出対象の現金カセット15に一対一で対応するカード挿入部33に作業者IDカード36を挿入する。すると、適正な作業者IDカード36が挿入されたことを条件に、この現金取引機26の制御部37が、取出対象の現金カセット15に一対一で対応する装填部RFIDリーダライタ32(搬出側カセット読取手段,書込手段)により、取出対象の現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これを作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込む。そして、このような作業者IDカード36への記憶が完了したことを条件に、この取出対象の現金カセット15をカセット装填部27が取り外し可能となる。すると、搬送作業者Wは、この取出対象の現金カセット15をカセット装填部27から取り出すとともに、代わりに現金収集センタ100から別途持参した釣銭準備金が収納された現金カセット15(現金取引機26が入出金機の場合)もしくは空の現金カセット15(現金取引機26が入金機の場合)をカセット装填部27に装填する。
なお、一つの現金取引機26に対して回収する現金カセット15が複数ある場合、上記の作業を現金カセット15それぞれに対し行うことになる。勿論、一カ所の取引先10で複数の現金処理機26から現金カセット15を回収する場合、さらには複数カ所の取引先10から現金カセット15を回収する場合も同様で、これにより、一の回収処理において、現金処理機26から取り出されたすべての現金カセット15のカセットID情報が搬送作業者Wの作業者IDカード36に記憶される。例えば、一の回収処理で現金カセット15(a),15(b),15(c),15(d),15(e),15(f),15(g),15(h),15(i),15(j)の10台を回収する場合には、これら10台分の個別のカセットID情報がこれらを搬送する搬送作業者Wの一枚の作業者IDカード36に記憶される((a)〜(j)は各現金カセット15の識別のために説明の便宜上付与したもの。以下同じ。)。また、現金カセット15の取り出しに際し、取出対象の現金カセット15に一対一で対応するカード挿入部33に作業者IDカード36を挿入し、取出対象の現金カセット15に一対一で対応する装填部RFIDリーダライタ32により、取出対象の現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これを作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込むと説明したが、これに限るものではない。すなわち、現金カセット15に一対一で対応するカード挿入部33の代わりに、現金取引機26の制御部37に接続される一つの作業者用RFIDリーダライタを設け、現金カセット15の回収に際し、現金カセット15の取り出し直前までに記憶部38に記憶されていたカセットID情報と、現金カセット15の取り出し直後の装填部RFIDリーダライタ32により検出された新たな現金カセット15のカセットID情報との間で、変化のあったカセットID情報、すなわち、記憶部38に記憶されていたが、装填部RFIDリーダライタ32によって検出されなくなったカセットID情報を持つ現金カセット15が取り出されたものとして、当該現金カセット15のカセットID情報を、制御部37に接続される一つの作業者用RFIDリーダライタを介して、作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込むようにしても良い。
そして、搬送作業者Wが、運搬車を用いて、一の回収処理で回収したすべての現金カセット15を持って現金収集センタ100に戻り、その現金処理室120に出入口123からゲート125を通って入室することになる。このときに、ゲート125に設けられたゲート用RFIDリーダライタ149(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)が、一の回収処理で搬入されたすべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報、取引先ID情報およびカセット内在り高情報を読み取るとともに、作業者IDカード36のRFIDインレット35からも、作業者ID情報および今回の回収で書き込まれたカセットID情報を読み取って、これらの情報をセンタ管理機140の制御部144(搬入側確認手段)に送信する。
すると、制御部144は、これらの情報を記憶部143に記憶するとともに、ゲート用RFIDリーダライタ149で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ149で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報との整合を確認する。
つまり、作業者IDカード36がゲート用RFIDリーダライタ149で検出される前後の所定時間を確認時間とし、この確認時間内に、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったすべてのカセットID情報に対して、一致するカセットID情報を現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ることができれば、整合していることが確認できるため、搬入が正常であったと判定し、正常であった旨を記憶部143に記憶するとともに表示部142に表示させることになる。例えば、上記のように、一の回収処理で回収したすべての現金カセット15が現金カセット15(a)〜15(j)の10台である場合には、作業者IDカード36のRFIDインレット35から、これら現金カセット15(a)〜15(j)の10台分のカセットID情報を読み取ることになり、これに対し、現金カセット15(a)のカセットID情報、現金カセット15(b)のカセットID情報、現金カセット15(c)のカセットID情報、現金カセット15(d)のカセットID情報、現金カセット15(e)のカセットID情報、現金カセット15(f)のカセットID情報、現金カセット15(g)のカセットID情報、現金カセット15(h)のカセットID情報、現金カセット15(i)のカセットID情報および現金カセット15(j)のカセットID情報を各現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ると、搬入が正常であったと判定する。
他方、上記した確認時間経過後までに、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったすべてのカセットID情報のうち、一つでも現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ることができないカセットID情報があれば、整合していないことを確認できるため、搬入が異常であったと判定し、異常であった旨を記憶部143に記憶するとともに表示部142に表示させ、警報装置145で警報を発生させることになる。
現金収集センタ100に搬入されたすべての現金カセット15は、別途のキーで開放されて、それぞれに収納していた貨幣が取り出されることになり、取り出された貨幣は現金収集センタ100の現金処理機126で精算処理されることになって、それぞれの精算処理の入金金額が、対応する取引先10の口座に入金されることになる。
ここで、ゲート用RFIDリーダライタ149は、上記したように、現金カセット15のRFIDインレット30から、それぞれの現金カセット15が搬出された取引先10の取引先ID情報と、それぞれの現金カセット15のカセット内在り高情報とを読み出すことになり、これらの情報を関連づけして、一の回収処理の結果として、センタ管理機140の制御部144が記憶部143に記憶させることになる。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。例えば、現金取引機26を現金の入金のみが可能な入金機としても良く、ゲート用RFIDリーダライタ149を、RFIDインレット30,35から情報の読み取りのみが可能なRFIDリーダとしても良い。また、作業者IDカード36のRFIDインレット35への上記した情報の書き込みを、装填部RFIDリーダライタ32ではなく、取引先管理機40の登録用RFIDリーダライタ46で行っても良く、その場合は、現金取引機26にカード挿入部33を設けなくても良い。
以上に述べた第1実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、搬送元である取引先10の現金取引室20において、搬出する現金カセット15のRFIDインレット30から装填部RFIDリーダライタ32でカセットID情報を読み取り、このカセットID情報を装填部RFIDリーダライタ32でカード挿入部33に挿入された搬送作業者Wに付帯の作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込む。そして、搬送作業者Wが現金カセット15を搬送先となる現金収集センタ100の現金処理室120に搬入すると、現金処理室120のゲート用RFIDリーダライタ149が、搬入した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに作業者IDカード36のRFIDインレット35からカセットID情報を読み取る。すると、センタ管理機140の制御部144が、作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と現金カセット15から読み取ったカセットID情報との整合を確認することになる。つまり、作業者IDカード36から読み取ったすべてのカセットID情報と一致するカセットID情報を、搬入される現金カセット15から検出できて整合しているか、否かを判断する。これにより、取引先10から搬出された現金カセット15が適正に現金収集センタ100の現金処理室120に搬入されたか否かを確認できる。このように、取引先10の現金取引室20において搬出管理として現金カセット15からのカセットID情報の読み取りおよび作業者IDカード36へのカセットID情報の書き込みを行い、現金収集センタ100の現金処理室120において搬入管理として現金カセット15からのカセットID情報の読み取りおよび作業者IDカード36からのカセットID情報の読み取りを行えば良いため、搬送元から搬出された現金カセット15が適正に搬送先に搬入されたか否かの確認作業が容易となり、人為的ミスも生じにくいことから、管理上良好となる。
また、ゲート用RFIDリーダライタ149で作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ149で現金カセット15から読み取ったカセットID情報とが整合しないことがセンタ管理機140の制御部144で確認されたとき、警報装置145で警報を発するため、運搬車への置き忘れ等の不整合を搬送作業者W等に確実に認識させることができる。
さらに、搬送元が、現金カセット15が装填される現金取引機26が設置される取引先10であり、搬送先が、複数の取引先10から現金カセット15が収集される現金収集センタ100であるため、取引先10での搬出管理および現金収集センタ100での搬入管理が容易且つ良好にできる。
加えて、取引先10に設置された現金取引機26から現金カセット15を取り出す回収モード時に、現金取引機26に組み込まれた装填部RFIDリーダライタ32で取り出す現金カセット15からカセットID情報を読み取り、これを同じ装填部RFIDリーダライタ32で作業者IDカード36に書き込むことになる。このように、現金カセット15が装填される現金取引機26に、現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを行う装填部RFIDリーダライタ32が組み込まれているため、現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを現金取引機26内で完結させることができ、取引先10での搬出管理の人為的ミスを確実に防止することができる。
さらに、現金収集センタ100のゲート用RFIDリーダライタ149で、搬入された現金カセット15に記録された取引先ID情報およびカセット内在り高情報を読み込むことで、読み込んだ現金カセット15が、いずれの取引先の現金カセット15であるのかと、その在り高情報とを容易に現金収集センタ100側で入手できる。
加えて、ゲート用RFIDリーダライタ149で読み込んだ現金カセット15に記録された取引先ID情報およびカセット内在り高情報を記憶部143に記憶させるため、読み込んだ現金カセット15が、いずれの取引先10の現金カセット15であるのかと、その在り高情報とを自動的に記憶することができる。よって、これらの情報に基づいて現金カセット15の精査作業、その他の管理を容易に行うことができる。
さらに、一つの共用の装填部RFIDリーダライタ32で現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを行うため、部品点数を減らして簡素化することができる。
加えて、一つの共用のゲート用RFIDリーダライタ149で、現金カセット15からのカセットID情報の読み取りおよび作業者IDカード36からのカセットID情報の読み取りを行うため、部品点数を減らして簡素化することができる。
次に、本発明の第2実施形態の現金カセット搬送監視システムを第1実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第2実施形態は第1実施形態に対し搬送監視制御の制御内容が異なっている。
第2実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいて、現金取引機26が設置される取引先10を搬送元である第1の場所とし、現金収集センタ100を搬送先である第2の場所とし、取引先10から現金収集センタ100への現金カセット15の搬送を監視する点は、第1実施形態と同様である。
警備会社では、第1実施形態と同様に、搬送作業者Wを現金収集センタ100から取引先10の現金取引室20に向かわせて現金カセット15の回収を行わせることになる。つまり、搬送作業者Wは、一の現金取引室20において対象となる現金取引機26を現金カセット15が取り出し可能な回収モードとして、取出対象の現金カセット15をカセット装填部27から取り出すとともに、代わりに現金収集センタ100から別途持参した空の現金カセット15を装填することになり、一の現金取引室20において回収する現金カセット15が複数ある場合、上記の作業を現金カセット15それぞれに対し行うことになる。なお、第2実施形態では、カード挿入部33への作業者IDカード36の挿入は行わない。
このように取り出した現金カセット15を取引先10の一の現金取引室20から搬出する一の搬出処理において、ゲート25に設けられたゲート用RFIDリーダライタ49(搬出側カセット読取手段,書込手段)が、すべての現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これらを作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込む。ここで、ゲート用RFIDリーダライタ49で作業者IDカード36が検出される前後の所定の搬出時間内に検出されたカセットID情報を一の搬出処理で搬出される現金カセット15のカセットID情報とする。複数カ所の取引先10から現金カセット15を回収する場合は、各取引先10で現金取引室20から搬出する際に同様に作業者IDカード36へのカセットID情報の書き込み、つまり搬出処理がそれぞれ行われる。
なお、ゲート用RFIDリーダライタ49で書き込み不可な位置まで作業者IDカード36のRFIDインレット35が離れてしまった後に現金カセット15に設けられたRFIDインレット30のカセットID情報を検出することがなく、一の現金取引室20から一の搬出処理で搬出するすべての現金カセット15のカセットID情報を同じ作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込み可能となるように、ゲート用RFIDリーダライタ49を出入口23から離れて配置されるRFIDリーダと出入口23の近くに配置されるRFIDライタとに分けたり、出入口23からの距離が異なる複数の位置にゲート用RFIDリーダライタ49を設けたりすることが可能である。
そして、搬送作業者Wが、運搬車を用いて、複数の上記した搬出処理で構成される一の回収処理で各取引先10から回収したすべての現金カセット15を持って現金収集センタ100の現金処理室120に出入口123からゲート125を通って入室することになるが、このときに、第1実施形態と同様に、ゲート125に設けられたゲート用RFIDリーダライタ149(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)が、搬入されるすべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報、取引先ID情報およびカセット内在り高情報を読み取るとともに、作業者IDカード36のRFIDインレット35からも、作業者ID情報および今回の回収で書き込まれたカセットID情報を読み取って、これらの情報をセンタ管理機140の制御部144(搬入側確認手段)に送信する。すると、制御部144は、これらの情報を記憶部143に記憶するとともに、ゲート用RFIDリーダライタ149で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ149で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報との整合を第1実施形態と同様に確認する。
つまり、作業者IDカード36がゲート用RFIDリーダライタ149で検出される前後の所定時間を確認時間とし、この確認時間内に、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったすべてのカセットID情報に対し、各現金カセット15のRFIDインレット30から検出したカセットID情報がすべて一致すれば、整合していることが確認できるため、搬入が正常であったと判定し、正常であった旨を記憶部143に記憶するとともに表示部142に表示させることになる。他方、確認時間経過後に、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったすべてのカセットID情報のうち、一つでも現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ることができないカセットID情報があれば、整合していないことを確認できるため、搬入が異常であったと判定し、異常であった旨を記憶部143に記憶するとともに表示部142に表示させ、警報装置145で警報を発生させることになる。
ここでも、ゲート用RFIDリーダライタ149は、現金カセット15のRFIDインレット30から、それぞれの現金カセット15が搬出された取引先10の取引先ID情報と、それぞれの現金カセット15のカセット内在り高情報とを読み出すことになり、これらの情報を関連づけして、一の回収処理の結果として、センタ管理機140の制御部144が記憶部143に記憶させることになる。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。例えば、現金取引機26に、装填部RFIDリーダライタ32およびカード挿入部33を設けなくても良い。
以上に述べた第2実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、搬送元である取引先10の現金取引室20において、搬出する現金カセット15のRFIDインレット30からゲート用RFIDリーダライタ49でカセットID情報を読み取り、このカセットID情報をゲート用RFIDリーダライタ49で搬送作業者Wに付帯の作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込む。そして、搬送作業者Wが現金カセット15を搬送先となる現金収集センタ100の現金処理室120に搬入し、ゲート用RFIDリーダライタ149で、搬入した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに作業者IDカード36のRFIDインレット35からカセットID情報を読み取る。すると、センタ管理機140の制御部144が、作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と現金カセット15から読み取ったカセットID情報との整合を確認することになり、これにより、取引先10から搬出された現金カセット15が適正に現金収集センタ100の現金処理室120に搬入されたか否かを確認できる。よって、第1実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、搬出元である取引先10の現金取引室20に設置された現金取引機26から現金カセット15を取り出し、現金取引室20から持ち出そうと出入口23を通ると、この出入口23の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ49が、現金カセット15からカセットID情報を読み取った後、同じゲート用RFIDリーダライタ49がこのカセットID情報を作業者IDカード36に書き込む。このように、搬出時に出入口23を通ることに関連して自動的に現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを行うことができるため、取引先10での搬出管理の人為的ミスを確実に防止することができる。また、仮に保守、障害対応等で現金カセット15を現金取引機26から取り出した場合に、回収扱いすることなく誤って搬出してしまう場合でも、搬出時点で自動的に搬出管理を行うことができる。
さらに、搬出元である取引先10において一つの共用のゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを行うため、部品点数を減らして簡素化することができる。
次に、本発明の第3実施形態の現金カセット搬送監視システムを第1,第2実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第3実施形態は第1,第2実施形態に対し搬送監視制御の制御内容が異なっている。
第3実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいても、現金取引機26が設置される取引先10を搬送元である第1の場所とし、現金収集センタ100を搬送先である第2の場所とし、取引先10から現金収集センタ100への現金カセット15の搬送を監視する点は第1,第2実施形態と同様である。
警備会社では、搬送作業者Wを現金収集センタ100から取引先10の現金取引室20に向かわせて現金カセット15の回収を行わせることになるが、搬送作業者Wが現金取引室20に入室し、現金カセット15の持ち出しを管理者M1に要求すると、管理者M1は、取引先管理機40に対し、管理者M1のみが所持する管理者IDカード50を操作部41のカードリーダ41bに読み取らせる。取引先管理機40は、カードリーダ41bで読み取った管理者ID情報(具体的には管理者識別番号)から管理者M1の適正な認証が行われた場合に限り、その後、現金取引室20から持ち出す現金カセット15の入力用カセットID情報の入力を許可する状態となる。つまり、記憶部43には適正な管理者M1の管理者ID情報のリストが記憶されており、制御部44は、カードリーダ41bで読み取った管理者ID情報に一致する管理者ID情報が記憶部43のリストに載っていれば管理者M1が適正であると認証して入力用カセットID情報の入力を許可する一方、リストに載っていなければ管理者M1が不適正と判断して入力用カセットID情報の入力を許可せずに、警報装置45にアラームを発生させる。
管理者M1の適正な認証が行われると、管理者M1は、いずれの現金取引機26のいずれのカセット装填部27の現金カセット15を持ち出すかを取引先管理機40の操作部41に入力する。このとき、取引先管理機40の制御部44が、例えば、一の現金取引室20にあるすべての現金取引機26のすべてのカセット装填部27の現金カセット15について、満杯を含む収納量の状況を判定し、所定の収納量以上の現金カセット15が装填されたカセット装填部27のみを回収対象として表示部42に表示させることになり、これに基づいて管理者M1が指定入力を行う。つまり、管理者M1は、取引先管理機40の操作部41で、回収対象の現金取引機26の取引機ID情報(具体的には取引機識別番号)およびこれに関連する回収対象の装填部ID情報(具体的には取引機識別番号の枝番としての装填部識別番号)を、回収対象の持ち出す現金カセット15の入力用カセットID情報として入力する。なお、操作部41で自動入力の入力操作が行われると、制御部44が、上記した回収対象のカセット装填部27について、回収対象の現金取引機26の取引機ID情報および装填部ID情報を、回収対象の持ち出す現金カセット15の入力用カセットID情報として自動で入力する。
すると、取引先管理機40の制御部44は、取引機ID情報および装填部ID情報の組み合わせに対し、一対一で対応する装填部RFIDリーダライタ32でカセット装填部27に装填された現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み出させて、記憶部43に記憶させる。このとき、回収対象の持ち出す現金カセット15の入力用カセットID情報として、取引機ID情報を入力するとともに機内すべてのカセット装填部27を指定する旨の全指定の入力操作を行うと、取引先管理機40は、取引機ID情報に対応する現金取引機26のすべてのカセット装填部27を回収対象として、当該現金取引機26のすべてのカセット装填部27に装填されているすべての現金カセット15のRFIDインレット30から装填部RFIDリーダライタ32でカセットID情報を読み取らせて関連づけして記憶部43に記憶させる。
その後、回収対象として入力されたカセット装填部27から搬送作業者Wによって現金カセット15が取り出される。つまり、搬送作業者Wは、対象となる現金取引機26を現金カセット15が取り出し可能な回収モードとして、取出対象の現金カセット15をカセット装填部27から取り出すとともに、代わりに現金収集センタ100から別途持参した空の現金カセット15を装填する。回収する現金カセット15が複数ある場合、上記の作業を現金カセット15それぞれに対し行うことになる。また、必要により複数の現金取引機26から現金カセット15を取り出す。
このようにして一の搬出処理で一の現金取引室20の現金取引機26から取り出された現金カセット15がこの現金取引室20から持ち出されることになるが、その際に、搬送作業者Wが現金カセット15を持って出入口23の近傍に設けられたゲート25を通ると、ゲート25のゲート用RFIDリーダライタ49(搬出側カセット読取手段,書込手段)が通過した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取って取引先管理機40に出力することになる。取引先管理機40の制御部44は、この読み取ったカセットID情報から、一の搬出処理で取引先管理機40に入力された入力用カセットID情報に対応するカセットID情報と同じカセットID情報を確認した場合には、正常搬出であると判定して、このカセットID情報を有する現金カセット15が持ち出されたことを記憶部43に記憶させるとともに、このカセットID情報を作業者IDカード36のRFIDインレット35に記憶させる。例えば、一の搬出処理で取引先管理機40に入力された入力用カセットID情報に対応するカセットID情報を有する現金カセット15が、現金カセット15(a)〜15(j)の10台である場合には、現金カセット15(a)のカセットID情報がゲート用RFIDリーダライタ49で検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36のRFIDインレット35に記憶させ、同様に、現金カセット15(b)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(c)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(d)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(e)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(f)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(g)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(h)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(i)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させ、現金カセット15(j)のカセットID情報が検出されると、このカセットID情報を作業者IDカード36に記憶させる。
他方、ゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15に設けられたRFIDインレット30のカセットID情報を検出し、一の搬出処理で取引先管理機40に入力された入力用カセットID情報に対応するカセットID情報と同じカセットID情報以外のカセットID情報を確認した場合に、制御部44が、正常搬出でない異常搬出と判断して、警報装置45で警報を発生させる。このときは、カセットID情報を作業者IDカード36のRFIDインレット35に記憶させることはない。例えば、一の搬出処理で取引先管理機40に入力された入力用カセットID情報に対応するカセットID情報を有する現金カセット15が、現金カセット15(a)〜15(j)の10台である場合に、これら以外の現金カセット15(k)のカセットID情報を確認した場合に、制御部44が、異常搬出と判断する。
このように取り出した現金カセット15を取引先10の現金取引室20から搬出する際に、ゲート25に設けられたゲート用RFIDリーダライタ49(搬出側カセット読取手段,書込手段)が、すべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み出して、これらのカセットID情報を、それぞれ入力用カセットID情報に対応することを条件に、作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込む。複数カ所の取引先10から現金カセット15を回収する場合は、各取引先10で現金取引室20から搬出する際に同様に作業者IDカード36へのカセットID情報の書き込みが行われる。
なお、第2実施形態と同様、一の搬出処理で搬出するすべての現金カセット15のカセットID情報を同じ作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込み可能となるように、ゲート用RFIDリーダライタ49を出入口23から離れて配置されるRFIDリーダと出入口23の近くに配置されるRFIDライタとに分けたり、出入口23からの距離が異なる複数の位置にゲート用RFIDリーダライタ49を設けたりすることが可能である。
そして、搬送作業者Wが、複数の搬出処理からなる一の回収処理で各取引先10から回収したすべての現金カセット15を持って現金収集センタ100の現金処理室120に出入口123からゲート125を通って入室することになるが、このときに、第1,第2実施形態と同様に、ゲート125に設けられたゲート用RFIDリーダライタ149(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)が、搬入されるすべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに、作業者IDカード36からもRFIDインレット35からカセットID情報を読み取って、これらの情報をセンタ管理機140の制御部144(搬入側確認手段)に送信する。すると、制御部144は、これらの情報を記憶部143に記憶するとともに、ゲート用RFIDリーダライタ149で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ149で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報との整合を第1実施形態と同様に確認する。
つまり、作業者IDカード36がゲート用RFIDリーダライタ149で検出される前後の所定時間を確認時間とし、この確認時間内に、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったすべてのカセットID情報に対し、各現金カセット15のRFIDインレット30から検出したカセットID情報がすべて一致すれば、整合していることが確認できるため、搬入が正常であったと判定し、正常であった旨を記憶部143に記憶するとともに表示部142に表示させることになる。他方、確認時間経過後に、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったすべてのカセットID情報のうち、一つでも現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ることができないカセットID情報があれば、整合していないことを確認できるため、搬入が異常であったと判定し、異常であった旨を記憶部143に記憶するとともに表示部142に表示させ、警報装置145で警報を発生させることになる。
ここでも、ゲート用RFIDリーダライタ149は、現金カセット15のRFIDインレット30から、それぞれの現金カセット15が搬出された取引先10の取引先ID情報と、それぞれの現金カセット15のカセット内在り高情報とを読み出すことになり、これらの情報を、センタ管理機140の制御部144が記憶部143に記憶させることになる。
以上に述べた第3実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、搬送元である取引先10の現金取引室20において、搬出する現金カセット15のRFIDインレット30からゲート用RFIDリーダライタ49でカセットID情報を読み取り、このカセットID情報をゲート用RFIDリーダライタ49で搬送作業者Wに付帯の作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込む。そして、搬送作業者Wが現金カセット15を搬送先となる現金収集センタ100の現金処理室120に搬入し、ゲート用RFIDリーダライタ149で、搬入した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに作業者IDカード36のRFIDインレット35からカセットID情報を読み取る。すると、センタ管理機140の制御部144が、作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と現金カセット15から読み取ったカセットID情報との整合を確認することになり、これにより、取引先10から搬出された現金カセット15が適正に現金収集センタ100の現金処理室120に搬入されたか否かを確認できる。よって、第1,第2実施形態と同様の効果を奏することができる。
また、第1の場所である取引先10の現金取引室20に設けられた取引先管理機40に、搬出する現金カセット15を指定操作した後、現金取引室20の現金取引機26から現金カセット15を取り出し、現金取引室20から持ち出そうと出入口23を通ると、この出入口23の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ49が現金カセット15からカセットID情報を読み取った後、取引先管理機40の制御部44が、当該カセットID情報が、取引先管理機40に入力されたカセットID情報に対応する正常搬出か対応しない異常搬出かを確認することになる。そして、制御部44で正常搬出が確認されると、ゲート用RFIDリーダライタ49が、読み取ったカセットID情報を作業者IDカード36に書き込むことになる。したがって、持ち出す現金カセット15を指定操作する場合に、指定操作または持ち出しの人為的ミスを確実に防止することができる。
しかも、制御部44で異常搬出が確認されると、警報装置45が警報を発するため、異常搬出を作業者W等に確実に認識させることができる。
次に、本発明の第4実施形態の現金カセット搬送監視システムを第1〜第3実施形態との相違部分を中心に説明する。
第4実施形態の現金カセット搬送監視システムは、第1〜第3実施形態とは異なり、現金収集センタ100を搬送元である第1の場所とし、現金取引機26が設置される一の取引先10を搬送先である第2の場所として、現金収集センタ100から一の取引先10への現金カセット15の搬送を監視するものである。
取引先10の現金取引室20では、例えば売り場で使用する釣銭準備金を現金取引機26から出金させる場合があるが、この釣銭準備金が不足した場合に、警備会社では、搬送作業者Wを現金収集センタ100から一の取引先10の現金取引室20に向かわせて現金取引機26の現金カセット15を釣銭準備金が充填された現金カセット15に交換させることがある。第4実施形態では、このような現金の搬送を監視する。
まず、現金収集センタ100の現金処理機126から釣銭準備金を出金させると、作業者Wが、この釣銭準備金を現金カセット15に収納してキーでロックするとともに、センタ管理機140の操作部141への操作で、登録用RFIDリーダライタ146を用いて、この釣銭準備金を収納した現金カセット15のRFIDインレット30に、収納した釣銭準備金の金額であるカセット内在り高情報を記憶させる。
このようにして釣銭準備金を収納した現金カセット15を、一台あるいは複数台、作業者Wが、現金収集センタ100の現金処理室120のゲート125および出入口123を通って搬出することになるが、その際に、ゲート125に設けられたゲート用RFIDリーダライタ149(搬出側カセット読取手段,書込手段)が、一の搬出処理で搬出するすべての現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これらを作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込む。ここでも、ゲート用RFIDリーダライタ149で作業者IDカード36が検出される前後の所定の搬出時間内に検出されたカセットID情報を一の搬出処理で搬出される現金カセット15のカセットID情報とする。
なお、一の搬出処理において、ゲート用RFIDリーダライタ149で書き込み不可な位置まで作業者IDカード36のRFIDインレット35が離れてしまった後に、現金カセット15に設けられたRFIDインレット30のカセットID情報を検出することがないように、ゲート用RFIDリーダライタ149を出入口123から離れて配置されるRFIDリーダと出入口123の近くに配置されるRFIDライタとに分けたり、出入口123からの距離が異なる複数の位置にゲート用RFIDリーダライタ149を設けたりすることが可能である。
そして、搬送作業者Wが、現金カセット15を持って、対応する一の取引先10の現金取引室20に出入口23からゲート25を通って入室することになるが、このときに、ゲート25に設けられたゲート用RFIDリーダライタ49(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)が、搬入されるすべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに、作業者IDカード36からもRFIDインレット35からカセットID情報を読み取って、これらの情報を取引先管理機40の制御部44(搬入側確認手段)に送信する。すると、制御部44は、これらの情報を記憶部43に記憶するとともに、ゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ49で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報との整合を確認する。
つまり、作業者IDカード36がゲート用RFIDリーダライタ49で検出される前後の所定時間を確認時間とし、この確認時間内に現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報が、すべて作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報に対応していれば、整合していることが確認できるため、搬入が正常であったと判定し、正常であった旨を記憶部43に記憶するとともに表示部42に表示させることになる。他方、確認時間内に現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報のうち一つでも作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報の中に対応していないカセットID情報があれば、整合していないことを確認できるため、搬入が異常であったと判定し、異常であった旨を記憶部43に記憶するとともに表示部42に表示させ、警報装置45で警報を発生させることになる。
そして、搬入した現金カセット15を対応する現金取引機26のカセット装填部27に、それまで装填されていた現金カセット15と交換で装填すると、カセット装填部27に設けられた装填部RFIDリーダライタ32が、装填された現金カセット15のRFIDインレット30からカセット内在り高情報を読み出すことになり、この情報を現金取引機26の制御部37に送信する。すると、制御部37は、取り出された現金カセット15のカセット内在り高情報を装填された現金カセット15のカセット内在り高情報に置き換えるようにして、記憶部38に記憶された現金取引機26内にある現金の在り高情報を更新する。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。
以上に述べた第4実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、搬送元である現金収集センタ100の現金処理室120において、搬出する現金カセット15のRFIDインレット30からゲート用RFIDリーダライタ149でカセットID情報を読み取り、このカセットID情報をゲート用RFIDリーダライタ149で搬送作業者Wに付帯の作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込む。そして、搬送作業者Wが現金カセット15を搬送先となる一の取引先10の現金取引室20に搬入し、ゲート用RFIDリーダライタ49で、搬入した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに作業者IDカード36のRFIDインレット35からカセットID情報を読み取る。すると、取引先管理機40の制御部44が、作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と現金カセット15から読み取ったカセットID情報との整合を確認することになり、これにより、現金収集センタ100の現金処理室120から搬出された現金カセット15が適正に取引先10の現金取引室20に搬入されたか否かを確認できる。このように、現金収集センタ100の現金処理室120において搬出管理として現金カセット15からのカセットID情報の読み取りおよび作業者IDカード36へのカセットID情報の書き込みを行い、取引先10の現金取引室20において搬入管理として現金カセット15からのカセットID情報の読み取りおよび作業者IDカード36からのカセットID情報の読み取りを行えば良いため、搬送元から搬出された現金カセット15が適正に搬送先に搬入されたか否かの確認作業が容易となり、人為的ミスも生じにくいことから、管理上良好となる。
また、ゲート用RFIDリーダライタ49で作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15から読み取ったカセットID情報とが整合しないことが取引先管理機40の制御部44で確認されたとき、警報装置45で警報を発するため、不整合を作業者等に確実に認識させることができる。
さらに、搬送元が、複数の取引先10から現金カセット15が収集される現金収集センタ100であり、搬送先が、現金カセット15が装填される現金取引機26が設置される取引先10であるため、現金収集センタ100での搬出管理および取引先10での搬入管理が容易且つ良好にできる。
加えて、現金収集センタ100から現金カセット15を持ち出そうと出入口123を通ると、この出入口123の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ149が、現金カセット15からカセットID情報を読み取った後、この読み取ったカセットID情報を作業者IDカード36に書き込む。このように、搬出時に出入口123を通ることに関連して自動的に現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを行うことができるため、現金収集センタ100での搬出管理の人為的ミスを確実に防止することができる。
さらに、取引先10の現金取引機26に現金カセット15を装填すると、現金取引機26に設けられた装填部RFIDリーダライタ32が、装填される現金カセット15からカセット内在り高情報を読み取って、当該現金取引機26の在り高情報を自動更新するため、現金取引機26が還流式である場合に、在り高情報を更新することで、現金カセット15に収納されている現金をそのまま出金用として使用することができる。
さらに、一つの共用のゲート用RFIDリーダライタ149で現金カセット15からの読み取りおよび作業者IDカード36への書き込みを行うため、部品点数を減らして簡素化することができる。
加えて、一つの共用のゲート用RFIDリーダライタ49で、現金カセット15からのカセットID情報の読み取りおよび作業者IDカード36からのカセットID情報の読み取りを行うため、部品点数を減らして簡素化することができる。
次に、本発明の第5実施形態の現金カセット搬送監視システムを第4実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第5実施形態は第4実施形態に対し搬送監視制御の制御内容が異なっている。
第5実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいて、現金収集センタ100を搬送元である第1の場所とし、現金取引機26が設置される取引先10を搬送先である第2の場所として、現金収集センタ100から取引先10への現金カセット15の搬送を監視する点は、第4実施形態と同様である。
まず、管理者M2が、現金収集センタ100の現金処理機126から釣銭準備金を出金させて、空の現金カセット15に収納させる。次に、センタ管理機140の操作部141への操作で、登録用RFIDリーダライタ146を用いて、この釣銭準備金を収納した現金カセット15のRFIDインレット30に、収納した釣銭準備金の金額であるカセット内在り高情報を記憶させる。
このようにして釣銭準備金を収納した現金カセット15を、一台あるいは複数台、現金収集センタ100から、搬送作業者Wが搬出することになるが、搬送作業者Wは、搬出にあたって、現金カセット15の持ち出しを管理者M2に要求すると、管理者M2は、センタ管理機140に対し、管理者M2のみが所持する管理者IDカード150を操作部141のカードリーダ141bに読み取らせる。すると、センタ管理機140の制御部144は、カードリーダ141bで読み取った管理者ID情報から管理者M2の適正な認証が行われた場合に限り、その後、現金処理室120から持ち出す現金カセット15のカセットID情報の入力を許可する状態となる。つまり、記憶部143には適正な管理者M2の管理者ID情報のリストが記憶されており、制御部144は、カードリーダ141bで読み取った管理者ID情報に対応する管理者ID情報が記憶部143のリストに載っていれば管理者M2が適正であると認証してカセットID情報の入力を許可する一方、リストに載っていなければ管理者M2が不適正と判断してカセットID情報の入力を許可せずに、警報装置145にアラームを発生させる。
管理者M2の適正な認証が行われると、管理者M2は、いずれの現金カセット15を持ち出すかをセンタ管理機140の操作部141に入力する。つまり、管理者M2は、センタ管理機140の操作部141で、搬出する現金カセット15のカセットID情報を登録する。
その後、入力されたカセットID情報を有する現金カセット15が、搬送作業者Wによって現金処理室120から持ち出されることになるが、その際に、搬送作業者Wが現金カセット15を持って出入口123の近傍に設けられたゲート125を通ると、ゲート125のゲート用RFIDリーダライタ149(搬出側カセット読取手段,書込手段)が通過した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取ってセンタ管理機140に出力することになる。センタ管理機140の制御部144(搬出側確認手段)は、この読み取ったカセットID情報から、センタ管理機140に先に入力されたカセットID情報と同じカセットID情報を確認した場合には、正常搬出であると判定して、このカセットID情報を有する現金カセット15が持ち出されたことを記憶部143に記憶させるとともに、このカセットID情報を作業者IDカード36のRFIDインレット35に記憶させる。
他方、ゲート用RFIDリーダライタ149で現金カセット15に設けられたRFIDインレット30のカセットID情報を検出し、センタ管理機140に入力されたカセットID情報と同じカセットID情報以外のカセットID情報を確認した場合に、制御部144が、正常搬出でない異常搬出と判断して、警報装置145で警報を発生させる。このときは、カセットID情報を作業者IDカード36のRFIDインレット35に記憶させることはない。
また、センタ管理機140の制御部144で上記した正常搬出が確認されても、ゲート用RFIDリーダライタ149で読み取ったカセットID情報をゲート用RFIDリーダライタ149で作業者IDカード36に書き込めない場合、つまり、例えば書き込み可能な適正な作業者IDカード36を持たない作業者Wが搬出を行おうとした場合には、警報装置145で警報を発生させる。
一の現金処理室120からの一の搬出処理において、複数の現金カセット15を現金収集センタ100の現金処理室120から搬出する際に、ゲート125に設けられたゲート用RFIDリーダライタ149が、すべての現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、予め搬出がセンタ管理機140に登録されている場合に限り、作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込む。
なお、第4実施形態と同様、搬出するすべての現金カセット15のカセットID情報を作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込み可能となるように、ゲート用RFIDリーダライタ149を出入口123から離れて配置されるRFIDリーダと出入口123近くに配置されるRFIDライタとに分けたり、出入口123からの距離が異なる複数の位置にゲート用RFIDリーダライタ149を設けたりすることが可能である。
そして、搬送作業者Wが、現金収集センタ100から搬出した現金カセット15を持って一の取引先10の現金取引室20に出入口23からゲート25を通って入室することになるが、このときに、ゲート25に設けられたゲート用RFIDリーダライタ49(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)が、搬入されるすべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに、作業者IDカード36からもRFIDインレット35からカセットID情報を読み取って、これらの情報を取引先管理機40の制御部44(搬入側確認手段)に送信する。すると、制御部44は、これらの情報を記憶部43に記憶するとともに、ゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ49で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報との整合を第4実施形態と同様に確認する。
つまり、作業者IDカード36がゲート用RFIDリーダライタ49で検出される前後の所定時間を確認時間とし、この確認時間内に現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報がすべて、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報に対応していれば、整合していることが確認できるため、搬入が正常であったと判定し、正常であった旨を記憶部43に記憶するとともに表示部42に表示させることになる。他方、確認時間内に現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報のうち一つでも作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報の中に対応していないカセットID情報があれば、整合していないことを確認できるため、搬入が異常であったと判定し、異常であった旨を記憶部43に記憶するとともに表示部42に表示させ、警報装置45で警報を発生させることになる。
そして、現金カセット15を対応する現金取引機26のカセット装填部27に装填すると、カセット装填部27に設けられた装填部RFIDリーダライタ32が、装填された現金カセット15のRFIDインレット30からカセット内在り高情報を読み出すことになり、この情報を現金取引機26の制御部37に送信する。すると、制御部37は、記憶部38に記憶された現金取引機26内にある現金の在り高情報を更新する。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。
以上に述べた第5実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、搬送元である現金収集センタ100の現金処理室120において、搬出する現金カセット15のRFIDインレット30からゲート用RFIDリーダライタ149でカセットID情報を読み取り、このカセットID情報をゲート用RFIDリーダライタ149で搬送作業者Wに付帯の作業者IDカード36のRFIDインレット35に書き込む。そして、搬送作業者Wが現金カセット15を搬送先となる一の取引先10の現金取引室20に搬入し、ゲート用RFIDリーダライタ49で、搬入した現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報を読み取るとともに作業者IDカード36のRFIDインレット35からカセットID情報を読み取る。すると、取引先管理機40の制御部44が、作業者IDカード36から読み取ったカセットID情報と現金カセット15から読み取ったカセットID情報との整合を確認することになり、これにより、現金収集センタ100の現金処理室120から搬出された現金カセット15が適正に取引先10の現金取引室20に搬入されたか否かを確認できる。よって、第4実施形態と同様の効果を奏することになる。
しかも、現金収集センタ100の現金処理室120に設けられたセンタ管理機140に、搬出する現金カセット15を指定操作した後、現金処理室120から現金カセット15を持ち出そうと出入口123を通ると、この出入口123の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ149が、現金カセット15からカセットID情報を読み取った後、センタ管理機140の制御部144が、当該カセットID情報が、センタ管理機140に入力されたカセットID情報に対応する正常搬出か対応しない異常搬出かを確認することになる。そして、制御部144で正常搬出が確認されると、ゲート用RFIDリーダライタ149が、読み取ったカセットID情報を作業者IDカード36に書き込むことになる。したがって、持ち出す現金カセット15を指定操作する場合に、指定操作または持ち出しの人為的ミスを確実に防止することができる。
また、センタ管理機140の制御部144で異常搬出が確認されると、警報装置145が警報を発するため、異常搬出を作業者等に確実に認識させることができる。
さらに、センタ管理機140の制御部144で正常搬出が確認されても、ゲート用RFIDリーダライタ149で読み取ったカセットID情報を作業者IDカード36に書き込めない場合に、警報装置145が警報を発するため、カセットID情報を作業者IDカード36に記憶しない状態、つまり搬送作業者が不明の状態で現金カセット15が持ち出されることを防止できる。
次に、本発明の第6実施形態の現金カセット搬送監視システムを第4,第5実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第6実施形態は第4,第5実施形態に対し搬送監視制御の制御内容が異なっている。
第6実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいて、現金収集センタ100を搬送元である第1の場所とし、現金取引機26が設置される複数の取引先10を搬送先である第2の場所として、現金収集センタ100から複数の取引先10への現金カセット15の搬送を監視する。
つまり、警備会社では、第1〜第3実施形態で述べたように、搬送作業者Wを現金収集センタ100から取引先10の現金取引室20に向かわせて売上金の入った現金カセット15の回収を行わせることになるが、その際に、現金収集センタ100で例えば釣銭準備金が予め入れられた現金カセット15を、回収する現金カセット15と交換に装填することがある。このような現金の搬送を監視する。
まず、管理者M2が、現金収集センタ100の現金処理機126から釣銭準備金を出金させて、空の現金カセット15に収納させる。次に、センタ管理機140の操作部141への操作で、登録用RFIDリーダライタ146を用いて、この釣銭準備金を収納した現金カセット15のRFIDインレット30に、収納した釣銭準備金の金額であるカセット内在り高情報を記憶させるとともに、釣銭準備金の搬送先である取引先10を他の取引先10に対し識別する取引先ID情報を記憶させる。このような処理を一の搬出処理で持ち出すすべての現金カセット15について行う。
このようにして釣銭準備金を収納した複数の現金カセット15を、作業者Wが、現金収集センタ100の現金処理室120のゲート125および出入口123を通って搬出することになるが、その際に、第4実施形態と同様に、ゲート125に設けられたゲート用RFIDリーダライタ149(搬出側カセット読取手段,書込手段)が、すべての現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これらを作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込む。
搬送作業者Wが、現金処理室120から一の搬出処理で持ち出した複数の現金カセット15のうちのいずれか対応するものを持って、一の取引先10の現金取引室20に出入口23からゲート25を通って入室する。このとき、ゲート25に設けられたゲート用RFIDリーダライタ49(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)が、搬入されるすべての現金カセット15のRFIDインレット30からカセットID情報および取引先ID情報を読み取るとともに、作業者IDカード36からもRFIDインレット35からカセットID情報を読み取って、取引先管理機40の制御部44(搬入側確認手段)が、これらの情報を記憶部43に記憶するとともに、ゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報と、ゲート用RFIDリーダライタ49で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報との整合を確認する。この場合は、一の搬出処理で持ち出されたすべての現金カセット15が一の取引先10の現金取引室20に持ち込まれるわけではないので、ゲート用RFIDリーダライタ49で作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取ったカセットID情報の中に、ゲート用RFIDリーダライタ49で現金カセット15のRFIDインレット30から読み取ったカセットID情報が含まれるか否かを確認し、含まれる場合は整合すると判断し、含まれない場合に整合しないと判断して、警報装置45で警報を発生させる。
そして、整合している場合に、一の現金カセット15を対応する現金取引機26のカセット装填部27に装填するとともに、このカセット装填部27のカード挿入部33に作業者IDカード36を挿入すると、カセット装填部27に設けられた装填部RFIDリーダライタ32が、装填された現金カセット15のRFIDインレット30からカセット内在り高情報と取引先ID情報とを読み出すことになり、この情報を現金取引機26の制御部37に送信する。すると、制御部37(装填照合手段)は、現金カセット15のRFIDインレット30から読み取った取引先ID情報と、記憶部38に予め登録されているこの現金取引機26が設置された取引先10用の取引先ID情報(取引先識別番号)との照合を行うことになる。そして、現金カセット15のRFIDインレット30から読み取った取引先ID情報と、記憶部38に予め登録されているこの現金取引機26が設置された取引先10用の取引先ID情報とが一致しこれらの照合が確認された場合には、カード挿入部33に装填された作業者IDカード36に装填部RFIDリーダライタ32によって、この現金カセット15のカセットID情報とこれが適正に装填された旨とを関連づけて記憶させる。すると、後に、この作業者IDカード36のRFIDインレット30を読み取ることで、この現金カセット15が適正な取引先10の現金取引機26に装填されたことを確認できる。制御部37は、適正な現金カセット15が装填された場合に限り、現金取引機26内にある現金の記憶部38に記憶された在り高情報を、RFIDインレット30から読み出したカセット内在り高情報を基に更新する。このような処理を一の取引先10の現金取引室20において、ここに持ち込んだすべての現金カセット15において行う。
他方、現金カセット15のRFIDインレット30から読み取った取引先ID情報と、記憶部38に予め登録されているこの現金取引機26が設置された取引先10用の取引先ID情報とが一致せず、これらの照合が確認できない場合には、警報装置39で警報を発生させるとともに、カード挿入部33に装填された作業者IDカード36への上記記憶は行わず、また、現金取引機26内にある現金の在り高情報を更新しない。例えば、他の取引先10の取引先ID情報を有する現金カセット15を誤って装填した場合は、このような状態になる。
そして、各取引先10のそれぞれについて、上記の照合を含む処理を行うことになる。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。
以上に述べた第6実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、第4実施形態とほぼ同様の効果を奏する上、取引先10に設置された現金取引機26に、搬入した現金カセット15を装填すると、現金取引機26に設けられた装填部RFIDリーダライタ32がこの現金カセット15から取引先ID情報を読み取ることになり、現金取引機26の制御部37が、この取引先ID情報と、予め記憶部38に登録されている取引先ID情報との照合を行うことになる。よって、一の取引先の現金取引機26に対して、他の取引先の現金取引機26用の現金カセット15を誤って装填することを防止できる。
また、現金取引機26の制御部37で、この現金取引機26に装填された現金カセット15の取引先ID情報と予め登録されている取引先ID情報との照合が確認された場合に、この現金カセット15が適正な取引先10の現金取引機26に装填されたことを装填部RFIDリーダライタ32により作業者IDカード36に記録するため、照合記録を残すことができる。
装填された現金カセット15の取引先ID情報と予め登録されている取引先ID情報との照合の結果が適正でない場合に、警報装置39が警報を発するため、作業者等に確実に認識させることができる。
次に、本発明の第7実施形態の現金カセット搬送監視システムを第6実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第7実施形態は第6実施形態に対し搬送監視制御の制御内容が異なっている。
第7実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいて、現金収集センタ100を搬送元である第1の場所とし、現金取引機26が設置される複数の取引先10を搬送先である第2の場所として、現金収集センタ100から複数の取引先10への現金カセット15の搬送を監視する点は、第6実施形態と同様である。
まず、管理者M2が、現金収集センタ100の現金処理機126から釣銭準備金を出金させて、空の現金カセット15に収納させる。次に、センタ管理機140の操作部141への操作で、登録用RFIDリーダライタ146を用いて、この釣銭準備金を収納した現金カセット15のRFIDインレット30に、第6実施形態と同様に、収納した釣銭準備金の金額であるカセット内在り高情報と、釣銭準備金の搬送先である取引先を他の取引先に対し識別する取引先ID情報とを記憶する。
このようにして釣銭準備金を収納した現金カセット15を、作業者Wが現金収集センタ100の現金処理室120から搬出する際に、第6実施形態と同様に、ゲート用RFIDリーダライタ149(搬出側カセット読取手段,書込手段)で、すべての現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これらを作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込むことになり、また、取引先10の現金取引室20に搬入する際に、第6実施形態と同様に、ゲート用RFIDリーダライタ49(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)で読み取った現金カセット15のRFIDインレット30からのカセットID情報と、作業者IDカード36のRFIDインレット35からのカセットID情報との整合を、取引先管理機40の制御部44(搬入側確認手段)が確認する。
それとともに、ゲート用RFIDリーダライタ49が、現金カセット15のRFIDインレット30から取引先ID情報を読み取り、取引先管理機40の制御部44(装填照合手段)が、このように現金カセット15のRFIDインレット30から読み取った取引先ID情報と、記憶部43に予め登録されているこの取引先管理機40が設置された取引先10用の取引先ID情報(取引先識別番号)との照合を行うことになる。そして、現金カセット15のRFIDインレット30から読み取った取引先ID情報と、記憶部43に予め登録されているこの取引先管理機40が設置された取引先10用の取引先ID情報とが一致しこれらの照合が確認された場合には、ゲート用RFIDリーダライタ49によって、作業者IDカード36に、この現金カセット15のカセットID情報とこれが適正に搬入された旨とを関連づけて記憶させる。このような処理を一の取引先10の現金取引室20において、ここに持ち込んだすべての現金カセット15において行う。
他方、現金カセット15のRFIDインレット30から読み取った取引先ID情報と、記憶部43に予め登録されているこの取引先管理機40が設置された取引先10用の取引先ID情報とが一致せず、これらの照合が確認できない場合には、警報装置45で警報を発生させるとともに、作業者IDカード36への上記記憶は行わない。例えば、他の取引先10の取引先ID情報を有する現金カセット15を誤って搬入した場合は、このような状態になる。
そして、各取引先10のそれぞれについて、上記の照合を含む処理を行うことになる。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。
以上に述べた第7実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、第6実施形態と同様の効果を異なる構成で奏することになる。つまり、取引先10の現金取引機26が設置される現金取引室20の出入口23を通って現金カセット15を搬入すると、出入口23の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ49が現金カセット15から取引先ID情報を読み取ることになり、取引先管理機40の制御部44がこの取引先ID情報と、予め記憶部43に登録されている取引先ID情報との照合を行うことになるため、一の取引先10に他の取引先10用の現金カセット15を誤って持ち込むことを防止できる。しかも、誤った現金カセット15の持ち込みを出入口23において防止できるため、より早く作業者Wが誤った現金カセット15を適正な現金カセット15に交換することができる。
次に、本発明の第8実施形態の現金カセット搬送監視システムを第6実施形態との相違部分を中心に説明する。なお、第8実施形態は第6実施形態に対し搬送監視制御の制御内容が異なっている。
第8実施形態の現金カセット搬送監視システムにおいて、現金収集センタ100を搬送元である第1の場所とし、現金取引機26が設置される複数の取引先10を搬送先である第2の場所として、現金収集センタ100から複数の取引先10への現金カセット15の搬送を監視する点は、第6,第7実施形態と同様である。
管理者M2が、現金収集センタ100の現金処理機126から釣銭準備金を出金させて、空の現金カセット15に収納させるとともに、センタ管理機140の操作部141への操作で、登録用RFIDリーダライタ146を用いて、この釣銭準備金を収納した現金カセット15のRFIDインレット30に、収納した釣銭準備金の金額であるカセット内在り高情報を記憶するとともに、同じく登録用RFIDリーダライタ146を用いて、作業者IDカード36のRFIDインレット35に、釣銭準備金が収納された現金カセット15の個々のカセットID情報と関連づけてそれぞれの搬送先である取引先10を他の取引先10に対し識別する取引先ID情報を記憶する。つまり、一のカセットID情報に関連づけて搬送先である一の取引先ID情報を記憶することを、すべてのカセットID情報に対して行う。
このようにして釣銭準備金を収納した複数の現金カセット15を、作業者Wが現金収集センタ100の現金処理室120から搬出する際に、第6実施形態と同様に、ゲート用RFIDリーダライタ149(搬出側カセット読取手段,書込手段)で、すべての現金カセット15のRFIDインレット30に予め記憶されたカセットID情報を読み出して、これらを作業者IDカード36のRFIDインレット35に順次書き込むことになり、また、取引先10の現金取引室20に搬入する際に、第6実施形態と同様に、ゲート用RFIDリーダライタ49(搬入側カセット読取手段,カード読取手段)で読み取った現金カセット15のRFIDインレット30からのカセットID情報と、作業者IDカード36のRFIDインレット35からのカセットID情報との整合を、取引先管理機40の制御部44(搬入側確認手段)が確認する。
それとともに、取引先管理機40の制御部44(過不足判断手段)が、ゲート用RFIDリーダライタ49によって、作業者IDカード36のRFIDインレット35から、搬入時に読み取った現金カセット15のRFIDインレット30のカセットID情報に一対一で対応する取引先ID情報をさらに読み取り、搬入された現金カセット15に対応する取引先ID情報と、記憶部43に予め登録されているこの取引先管理機40が設置された取引先10用の取引先ID情報(取引先識別番号)とを照合を行うことになる。そして、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取った、搬入された現金カセット15に対応する取引先ID情報と、記憶部43に予め登録されているこの取引先管理機40が設置された取引先10用の取引先ID情報とが一致しこれらの照合が確認された場合には、ゲート用RFIDリーダライタ49によって、作業者IDカード36に、この現金カセット15のカセットID情報とこれが適正に搬入された旨とを関連づけて記憶させる。ここで、取引先管理機40の制御部44は、作業者IDカード36のRFIDインレット35から、この取引先管理機40が設けられた取引先10用の一の取引先ID情報に対応するカセットID情報を読み取り、この取引先ID情報に対応して、複数のカセットID情報が記憶されている場合には、この取引先10の取引先ID情報に関連する最初のカセットID情報を読み込んでから、所定の時間内にこの取引先10の取引先ID情報に関連するすべてのカセットID情報が現金カセット15のRFIDインレット30から検出されると、過不足なく現金カセット15が搬入されたと判断する。
他方、作業者IDカード36のRFIDインレット35から読み取った取引先ID情報と、記憶部43に予め登録されているこの現金取引機26が設置された取引先10用の取引先ID情報とが一致せず、これらの照合が確認できない場合には、対応しない現金カセット15が搬入され、このままでは現金カセット15が超過して搬入されてしまうため、警報装置45で警報を発生させるとともに、作業者IDカード36への上記記憶は行わない。また、所定の時間内にこの取引先10の取引先ID情報に関連するすべてのカセットID情報が現金カセット15のRFIDインレット30から検出されなければ、搬入された現金カセット15が不足していると判断して、警報装置45で警報を発生させる。
なお、現金カセット搬送監視システムの各構成のうち、上記した現金カセット15の搬送監視制御に無関係な構成は設けなくても良い。
以上に述べた第8実施形態の現金カセット搬送監視システムによれば、第6実施形態と同様の効果を異なる構成で奏することになる。つまり、取引先10の現金取引機26が設置される現金取引室20の出入口23を通って現金カセット15を搬入すると、出入口23の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ49が現金カセット15からカセットID情報を読み取るとともに、作業者IDカード36のRFIDインレット35からこのカセットID情報に対応する取引先ID情報を読み取ることになり、取引先管理機40の制御部44がこの取引先ID情報と、予め記憶部43に登録されている取引先ID情報との照合を行うことになるため、一の取引先10に他の取引先10用の現金カセット15を誤って持ち込むことを防止できる。しかも、誤った現金カセット15の持ち込みを出入口23において防止できるため、より早く作業者Wが誤った現金カセット15を適正な現金カセット15に交換することができる。
加えて、各取引先10において、取引先10の現金取引機26が設置される現金取引室20の出入口23を通って現金カセット15を搬入すると、出入口23の近傍に配置されたゲート用RFIDリーダライタ49が現金カセット15からカセットID情報を読み取るとともに、このゲート用RFIDリーダライタ49が搬送作業者Wの作業者IDカード36から、当該ゲート用RFIDリーダライタ49が設置された取引先10の取引先ID情報に対応するカセットID情報を読み取り、取引先管理機40の制御部44がこれらを照合することで、搬入された現金カセット15の過不足を判断する。これにより、一の取引先10に対して搬入すべき現金カセット15が所定のN個であり、所定のN個のカセットID情報が作業者IDカード36に記録されている場合に、取引先10の出入口23で、N個に満たない数の現金カセット15を搬入した場合にこれを検出できる。
以上の第1〜第8実施形態において、RFIDインレット30,35およびRFIDリーダライタ32,46,49,146,149にかえて、非接触式で情報を読み書き可能な他の記憶装置およびリーダライタを用いることも可能であり、接触式で情報を読み書き可能な他の記憶装置およびリーダライタを用いることも可能である。
また、ゲート用RFIDリーダライタ49を搬送作業者Wの入出方向に沿って複数設けて、これらの検出のタイミングから搬送作業者Wが入室か退室かを判断して、以後の制御を行うようにすることも可能である。ゲート用RFIDリーダライタ149についても同様である。
加えて、管理者M1を認証する手段として、管理者IDカード50およびカードリーダ41bの組み合わせにかえて、指紋認証、掌認証、その他の生体認証用ユニットを用いても良い。管理者M2を認証する手段としての、管理者IDカード150およびカードリーダ141bについても同様である。