JP4823742B2 - 自動二輪車のブレーキ装置 - Google Patents

自動二輪車のブレーキ装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4823742B2
JP4823742B2 JP2006096583A JP2006096583A JP4823742B2 JP 4823742 B2 JP4823742 B2 JP 4823742B2 JP 2006096583 A JP2006096583 A JP 2006096583A JP 2006096583 A JP2006096583 A JP 2006096583A JP 4823742 B2 JP4823742 B2 JP 4823742B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
brake
valve
hydraulic pressure
stroke
master cylinder
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2006096583A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007091201A (ja
Inventor
和也 竹之内
昌宣 中山
英男 ▲高▼橋
一彦 谷
西川  豊
正家 加藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2006096583A priority Critical patent/JP4823742B2/ja
Priority to EP07004081.1A priority patent/EP1839977B1/en
Priority to US11/729,809 priority patent/US7938495B2/en
Publication of JP2007091201A publication Critical patent/JP2007091201A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4823742B2 publication Critical patent/JP4823742B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Description

この発明は、自動二輪車のブレーキ装置に関するものである。
従来から、ブレーキ操作部のマスターシリンダに発生する液圧を液圧センサで検出し、この検出結果に基づいてモジュレータを制御してブレーキキャリパに液圧を作用させるようにした所謂バイワイヤ方式のブレーキ装置が知られている。このようなバイワイヤ方式のブレーキ装置では、液圧センサの検出結果に基づいてブレーキ操作なしと判断された場合に、マスターシリンダとブレーキキャリパの液圧配管を連通状態に維持し、ブレーキ操作ありと判断された場合に、マスターシリンダとブレーキキャリパとの液圧配管を開閉弁で遮断してモジュレータによってブレーキキャリパに液圧を作用させるようにしている。そして、開閉弁を遮断してモジュレータによってブレーキキャリパに液圧を作用させている間は、ブレーキ操作に違和感が生じないように液損シミュレータによってマスターシリンダに液圧を作用させ、ブレーキレバーやブレーキペダルに擬似反力を与えている。
ところで近年、上述したような自動二輪車のブレーキ装置において、開閉弁の作動をブレーキペダルに設けたスイッチの検出結果に基づいて行うものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
特開2001−310717号公報
しかしながら、上述した自動二輪車のブレーキ装置においては、ブレーキレバーやブレーキペダルに指や足を軽くかけたまま走行するような場合、ブレーキ液圧が発生しないにも関わらずスイッチのON状態が維持される場合が考えられ、前述した開閉弁が作動し続けて消費電力が増加する場合があるという課題がある。
そこで、この発明は、液損シミュレータへの切換を液圧センサによらずスイッチの検出結果に基づいて行う自動二輪車のブレーキ装置において、消費電力の増加を防止するものである。
上記の課題を解決するために、請求項1に記載した自動二輪車のブレーキ装置は、マスターシリンダ(例えば、実施の形態におけるマスターシリンダ3)から液圧を発生させるブレーキ操作部(例えば、実施の形態におけるブレーキ操作部2)と、付与された液圧に応じて車輪に制動力を与えるブレーキ作動部(例えば、実施の形態におけるブレーキキャリパ4)と、前記ブレーキ操作部と前記ブレーキ作動部とを接続するブレーキ回路(例えば、実施の形態における主ブレーキ通路5)のブレーキ操作部側とブレーキ作動部側とを遮断する常開型の開閉弁(例えば、実施の形態における第1の電磁開閉弁V1)と、前記液圧センサの検出結果に基づいてブレーキ作動部へ所定の液圧を付与するモジュレータ(例えば、実施の形態における液圧モジュレータ6)と、前記ブレーキ回路の遮断時にブレーキ操作部に反力を付与する液損シミュレータ(例えば、実施の形態における液損シミュレータ9)とを備え、前記液圧センサの検出結果に基づいて前記モジュレータを制御して前後輪に制動力を配分する自動二輪車のブレーキ装置において、前記ブレーキ操作部は、その作動開始を検出するスイッチ(例えば、実施の形態におけるブレーキランプスイッチ32)を備え、前記開閉弁は、前記スイッチにより前記ブレーキ操作部の作動を検出した場合に前記ブレーキ回路を遮断するとともに、このブレーキ回路を遮断した待機状態で前記液圧センサに所定時間入力がない場合に前記ブレーキ回路の遮断を解除することを特徴とする。
このように構成することで、ブレーキ回路の液圧にかかわらず迅速にブレーキ操作部の操作開始を検出して、ブレーキ回路を開閉弁によって遮断して液損シミュレータを作動させるタイミングをより早くすることができる。
さらに、ブレーキ操作部のストローク量の増加に対する操作力の増加をスムーズに行いつつ、液圧センサの検出結果に基づいてモジュレータを制御してブレーキ作動部に所定の液圧を付与することができる。
また、例えば、ライダーがブレーキ操作部に軽く指をかけた状態で走行している場合など、ブレーキを操作する意思がないにもかかわらずブレーキ操作が検出されているような場合であっても、所定時間経過することで開閉弁の待機状態を解除することができる。
請求項2に記載した発明は、請求項1に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記ブレーキ回路の前記開閉弁よりもブレーキ操作部側には、常閉型の第2開閉弁を介して前記モジュレータが接続され、前記ブレーキ回路の前記開閉弁よりも前記ブレーキ作動部側には常閉型の第3開閉弁を介して前記液損シミュレータが接続され、前記ブレーキ操作部の作動を検出した場合に前記第2開閉弁を開き、前記ブレーキ回路の遮断時に前記第3開閉弁を開くことを特徴とする。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記スイッチは、ブレーキランプを点灯させるためのブレーキランプスイッチであることを特徴とする。
このように構成することで、ブレーキランプスイッチを、ブレーキ操作開始を検出するスイッチと兼用することができる。
請求項に記載した発明は、請求項1乃至3の何れか一項に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記スイッチの検出結果にかかわらず、前記液圧センサが所定の圧力を検出すると、前記開閉弁の作動を開始させ、前記モジュレータが前記ブレーキ作動部に所定の液圧を付与することを特徴とする。
このように構成することで、例えば、スイッチからの入力が何らかの理由で無かった場合であっても、前記解除後に液圧が発生したとしても、液圧センサの検出結果に基づいてブレーキ制御を行うことができる。
請求項に記載した発明は、請求項1又は2に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記スイッチがストロークセンサ(例えば、実施の形態に置けるストロークセンサ66)で構成され、該ストロークセンサはストロークの伸び方向でブレーキの操作量を検知することを特徴とする。
このように構成することで、ブレーキレバーの操作荷重が増加することがない上、ブレーキレバーが地面に接触した場合でも、ストロークセンサに過剰な力が働かない。
請求項に記載した発明は、請求項に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記ストロークセンサが、マスターシリンダの下方に配置されることを特徴とする。
このように構成することで、ハンドル転舵による影響を受けにくくすることができる。
請求項に記載した発明は、請求項に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記ストロークセンサが、前記ストロークの伸び方向が前記マスターシリンダの軸線方向に対し略直交するように配置されていることを特徴とする。
このように構成することで、マスターシリンダの軸線方向とストロークの伸び方向とにおける構成をコンパクトにすることができる。
請求項に記載した発明は、請求項に記載の自動二輪車のブレーキ装置において、前記ストロークセンサが、前記ブレーキ操作部のブレーキレバーの回動軸(例えば、実施の形態におけるピボットボルト61)により軸支され、前記ブレーキレバーと一体的に回転するアーム部材(例えば、実施の形態における延長アーム71)によりストロークされることを特徴とする。
このように構成することで、ブレーキレバーの回動にリニアな動作でストロークセンサをストロークさせることができる。
請求項1に記載した発明によれば、ブレーキ回路の液圧にかかわらず迅速にブレーキ操作部の操作開始を検出して、ブレーキ回路を開閉弁によって遮断して液損シミュレータを作動させるため、マスターシリンダとブレーキキャリパとが液圧通路で直結された所謂コンベンショナルなブレーキ装置と同等の良好なブレーキフィーリングを得ることができる効果がある。
また、ブレーキ操作部のストローク量の増加に対する操作力の増加をスムーズに行いつつ、液圧センサの検出結果に基づいてモジュレータを制御してブレーキ作動部に所定の液圧を付与することができるため、より精度良く制動力を制御することができる効果がある。
さらに、例えば、ライダーがブレーキ操作部に軽く指をかけた状態で走行している場合など、ブレーキを操作する意思が無いにもかかわらずブレーキ操作が検出されているような場合であっても、所定時間経過することで開閉弁の待機状態を解除することができるため、開閉弁の電力消費を低減することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、ブレーキランプスイッチをブレーキ操作開始を検出するスイッチと兼用することができるため、部品点数の増加を抑制することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、例えば、スイッチからの入力が何らかの理由で無かった場合であっても、液圧センサの検出結果に基づいてブレーキ制御を行うことができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、ブレーキレバーの操作荷重が増加することがない上、ブレーキレバーが地面に接触した場合でも、ストロークセンサに過剰な力が働かないので、ブレーキレバーの操作性を損なうことなくストロークセンサの破損を防止することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、ハンドル転舵による影響を受けにくくすることができるため、ライダーに違和感が生じることがない。
請求項に記載した発明によれば、マスターシリンダの軸線方向とセンサのストロークの伸び方向における構成をコンパクトにすることができるため、外観を損なうことなく商品性を向上することができる効果がある。
請求項に記載した発明によれば、ブレーキレバーの回動にリニアな動作でストロークセンサをストロークさせることができるため、ブレーキレバーの操作をより正確に検出することができる効果がある。
次に、この発明の第1の実施形態を図面に基づいて説明する。
図1はこの発明の1実施形態の自動二輪車のブレーキ装置の液圧回路図を示している。同図に示すようにこの第1の実施形態のブレーキ装置は、相互に独立した前輪側のブレーキ回路1aと後輪側のブレーキ回路1bとがコントローラ(ECU)20により連係されたものである。
ブレーキ操作は、前輪側のブレーキ回路1aではブレーキ操作部2であるブレーキレバーにより、後輪側のブレーキ回路1bではブレーキ操作部2であるブレーキペダルにより各々行われるが、それ以外の構成は前輪側のブレーキ回路1aも後輪側のブレーキ回路1bもほぼ同様であるので、前輪側のブレーキ回路1aについてのみ詳述し、後輪側のブレーキ回路1bについては、前輪側のブレーキ回路1aと同一部分に同一符号を付して重複する説明を省略する。
このブレーキ装置では前後輪ともバイワイヤ方式を採用しており、ブレーキレバー等のブレーキ操作部の操作量(この第1の実施形態では液圧)を電気的に検出し、その検出値に基づいて液圧モジュレータで作り出した液圧によって制動力を発生させている。
また、このブレーキ装置では前後輪の一方側をブレーキ操作することにより前後の車輪制動手段が連動して制動動作するブレーキシステム(CBS;COMBINED BRAKE SYSTEM,以下、「CBS」という。)を採用している。
具体的にはブレーキ操作部2が先に操作された側のブレーキ回路では、マスターシリンダの液圧に基づいて液圧モジュレータにより作用する液圧が先に操作された側のブレーキキャリパにバイワイヤ方式により作用し、また、先に操作された側のブレーキ回路のマスターシリンダ圧に基づいて後に操作された側のブレーキ回路でも液圧モジュレータにより作用する液圧がブレーキキャリパにバイワイヤ方式によって作用する。
更に、このブレーキ装置ではABSを採用している。
各ブレーキ回路1a,1bは、ブレーキ操作部2に連動するマスターシリンダ3と、このマスターシリンダ3に対応するブレーキキャリパ(制動手段)4とが主ブレーキ通路5によって接続されたものである。前記主ブレーキ通路5の途中には、後述する液圧モジュレータ6が給排通路7により合流接続されている。
主ブレーキ通路5には給排通路7との合流接続部よりもマスターシリンダ3側に、マスターシリンダ3とブレーキキャリパ4とを連通・遮断する常開型(NO)の第1の電磁開閉弁(開閉弁)V1が介装されると共に分岐通路8が接続されている。この分岐通路8には、前記第1の電磁開閉弁V1が主ブレーキ通路5を閉じたときに、ブレーキ操作部2の操作量に応じた擬似的な液圧反力をマスターシリンダ3に作用させる液損シミュレータ9が常閉型(NC)の第2の電磁開閉弁V2を介して接続されている。この第2の電磁開閉弁V2は、反力付与時に分岐通路8を開いてマスターシリンダ3側と液損シミュレータ9とを連通させるものである。
前記液損シミュレータ9は、シリンダ10にピストン11が進退自在に収容され、このシリンダ10とピストン11の間に、マスターシリンダ3側から流入した作動液を受容する液室12が形成されたもので、ピストン11の背部側には、特性の異なるコイルスプリング13と樹脂スプリング14が直列に配置されて、これら二つのコイルスプリング13、樹脂スプリング14によってピストン11(ブレーキ操作部2)に対して立ち上がりが緩やかで、ストロークエンドにおいて立ち上がりが急な特性の反力を付与するようになっている。
そして、前記分岐通路8には第2の電磁開閉弁V2を迂回してバイパス通路15が設けられ、このバイパス通路15には液損シミュレータ9側からマスターシリンダ3方向への作動液の流れを許容する逆止弁16が設けられている。
前記液圧モジュレータ6は、シリンダ17内に設けられたピストン18を、これらシリンダ17とピストン18の間に形成された液圧室19方向に押圧するカム機構21と、ピストン18をカム機構21側に常時押し付けるリターンスプリング22と、カム機構21を作動させる電動モータ23とを備えていて、前記液圧室19が前記給排通路7に連通接続されている。この液圧モジュレータ6は電動モータ23によりカム機構21を介してシリンダ17の初期位置を基準としてピストン18を押圧したり、リターンスプリング22によりピストン18を戻すことにより、液圧室19の圧力を増減して、ブレーキキャリパ4の制動圧力を増減できるようになっている。
ここで、前記電動モータ23は、PWM制御により入力デューティ比(ON時間/ON時間+OFF時間)で決定される電流値を調整することで、前述したカム機構21の回動位置で決定されるピストン18の位置を電気的に正確且つ簡単に調整し、前記液圧室19の圧力を調整するようになっている。
したがって、主ブレーキ通路5(ブレーキキャリパ4)に作動液を積極的に供給するCBS制御と、ピストン18を後退前進させ液圧室19の減圧、保持、再増圧するABS制御を行うことができる。
前記給排通路7には常閉型(NC)の第3の電磁開閉弁V3が介装されている。前記給排通路7には第3の電磁開閉弁V3を迂回してバイパス通路26が設けられ、このバイパス通路26には液圧モジュレータ6側からブレーキキャリパ4方向への作動液の流れを許容する逆止弁27が設けられている。
ここで、前輪側のブレーキ回路1aと後輪側のブレーキ回路1bには、第1の電磁開閉弁V1を挟んでマスターシリンダ3側である入力側に圧力センサ(P)28が、ブレーキキャリパ4側である出力側に圧力センサ(P)29が各々設けられている。また、前記カム機構21の図示しないカム軸には、角度情報フィードバック用の角度センサ30が設けられ、前記ブレーキキャリパ4には車輪速度を検出する車輪速度センサ31が設けられている。なお、上述の圧力センサ28の圧力検出の最小値は例えば0.05MPa程度であり、この時のブレーキ操作部2のレバー又はペダルのストローク量は8mm程度となる。
ところで、前述したブレーキ操作部2にはブレーキランプスイッチ(スイッチ)32が取付けられている。このブレーキランプスイッチ32は、図示しないブレーキランプに接続されており、ブレーキ操作部2のレバー又はペダルが操作されるとブレーキランプスイッチ32の接点がONとなり、ブレーキランプに電力が供給されるようになっている。また、ブレーキランプスイッチ32はコントローラ20に接続されており、このブレーキランプスイッチ32の接点のON・OFF信号がコントローラ20に入力される。そして、ブレーキランプスイッチ32は前述した圧力センサ28よりも少ないストローク量(例えば、4mm程度)でブレーキ操作部2の操作開始を検出してON信号を出力するようになっている。
コントローラ20は、ブレーキランプスイッチ32の検出信号に基づいて、前記第1の電磁開閉弁V1、第2の電磁開閉弁V2、及び第3の電磁開閉弁V3を開閉制御すると共に、前記圧力センサ28,29の検出信号、及び角度センサ30の検出信号、車輪速度センサ31の検出信号に基づいて電動モータ23を駆動制御する。
具体的には、一方のブレーキ操作部2の操作がブレーキランプスイッチ32によって検出されると、コントローラ20からの指令によって両方のブレーキ回路の第1の電磁開閉弁V1が主ブレーキ通路5を閉じる方向に維持されると同時に第2の電磁開閉弁V2、第3の電磁開閉弁V3が開く方向に維持されて所謂スタンバイ状態となる。その後、前後輪の速度が車輪速度センサ31から、またブレーキ操作量等の情報が前記圧力センサ28を通してコントローラ20に入力され、このときコントローラ20からの指令によって両方の液圧モジュレータ6が各ブレーキキャリパ4に車両の運転条件やブレーキ操作に応じた液圧を供給する。
一方、コントローラ20は、第1の電磁開閉弁V1が主ブレーキ通路5を閉じる方向、第2の電磁開閉弁V2、第3の電磁開閉弁V3が開く方向に維持されたスタンバイ状態で、かつ、圧力センサ28にその検出可能な最小圧力に達するような圧力が入力されない状態が所定時間経過すると、ライダーにブレーキ操作の意思がないと判断して第1の電磁開閉弁V1を開く方向に、第2の電磁開閉弁V2、第3の電磁開閉弁V3を閉じる方向に制御して上述のスタンバイ状態を解除する。なお、前記所定時間は、ライダーのブレーキ操作の意思がないと判断できる時間が適宜設定される。ここで、コントローラ20では、例えば、故障等によってブレーキランプスイッチ32の出力がなされない場合であっても、液圧センサによって検出可能な所定の最小圧力が検出された時点で、前述した第1の電磁開閉弁V1、第2の電磁開閉弁V2および第3の電磁開閉弁V3を作動させてスタンバイ状態に移行するように設定されている。
なお、前記コントローラ20は、前輪側の車輪速度センサ31、後輪側の車輪速度センサ31によって検出された車輪速度のうち、高い方の車輪速度を車両の推定車速vrとして設定して、更に、この推定車速vrと前輪又は後輪の車輪速度との差分に基づいて前輪スリップ率又は後輪スリップ率を算出する。ここで、前輪スリップ率、後輪スリップ率が予め設定されたスリップ率の閾値を超えた場合に、車輪にスリップが発生したと判定して液圧モジュレータ6の液圧を減圧するABS制御を作動開始するようになっている。
ところで、ブレーキ操作の有無をマスターシリンダ3側の主ブレーキ通路5に取付けられた液圧センサの検出結果に基づいて判断する従来の自動二輪車のブレーキ装置においては、マスターシリンダ3側の主ブレーキ通路5の液圧が圧力センサ28で検出可能な最小圧力(例えば、0.05MPa程度)に達してから第1の電磁開閉弁V1によって主ブレーキ通路5を遮断して液損シミュレータ9の作動を開始させることとなるため、例えばブレーキ操作部2を素早く操作するような場合には、液損シミュレータ9の作動開始時にタイムラグが生じて、ブレーキ操作部2のストローク量の増加過程でこのブレーキ操作部2に作用する反力(操作力)がスムーズに増加しない所謂中折れが生じてしまうことがある。
この中折れについて、図4に基づいて詳細に説明する。なお、この図4はブレーキキャリパの冷間時、ブレーキ操作部2を素早く操作した場合の一例である。
まず、ブレーキ操作部2の操作開始直後の領域であるストローク量(縦軸)が0〜5mm程度の範囲(以下、マスターシリンダ無効ストローク領域と呼ぶ)では、ブレーキキャリパ4のピストンは作動せずブレーキ操作部2の操作力(横軸)は2〜3Nから微小な増加に留まる(図中、太い破線で示す)。
次いで、ストローク量が5mmを超えるとブレーキキャリパ4のピストンが動き始めるが、このピストンの作動方向に配置されたブレーキパッドがブレーキディスク等に押し付けられるまでのストローク領域(以下、キャリパーロールバック量領域と呼ぶ)では、初めはマスターシリンダ無効ストローク領域に引き続きブレーキ操作部2の操作力の増加が微小な状態を維持し、その後、徐々にこの操作力の増加率が上昇する(図中、細線で示す)。ここで、この増加率の上昇は、ブレーキ操作部2のストローク量が増加してブレーキパッドがブレーキディスクに押し付けられるようになるため生じるものである。そして、この時(図中、丸で示す)、前述した圧力センサ28に検出可能な最小圧力(0.05MPa)が作用するようになり、ブレーキ操作ありと判断されるため、第1の電磁開閉弁V1によって主ブレーキ通路5が遮断されて液損シミュレータ9が作動を開始する(液損シミュレータへ切り換え)。なお、キャリパーロールバック領域は、ブレーキキャリパ(ブレーキ作動部)4の温度が高い場合、ストローク量の範囲が拡大され増加率が上昇せず、より直線的に推移するようになる。
しかしながら、ブレーキ操作部2のストローク量が8mmを越えて11mm程度になるまで(図中、太線で示す)は液損シミュレータ遊び領域となり再び操作力の増加が微小となる。その後、この操作力の増加率は徐々に上昇して、ストローク量が11mm程度に達すると(図中、細い破線で示し、以下、液損シミュレータの剛性領域と呼ぶ)液損シミュレータ9からマスターシリンダ3へ液圧が確実に伝達されるようになり、ブレーキ操作部2の操作量に対してこのブレーキ操作部2の操作力が略リニアに増加するようになる。
このように、従来の自動二輪車用のブレーキ装置で、とりわけブレーキキャリパ4の冷間時においては、キャリパーロールバック量領域の上限付近で主ブレーキ通路5の液圧がブレーキ操作部2の操作量に対して略リニアに増加を開始するのと同時に主ブレーキ通路5が第1の電磁弁によって遮断されて、ブレーキ操作部2の操作力を付与するものが液損シミュレータ9に切り替わり、再び液圧の増加が微小な液損シミュレータ遊び領域へと移行しまうため、ブレーキ操作部2のストローク量に対するこのブレーキ操作部2の操作力に段差(中折れ)が生じることになるのである。
次に、この発明の実施の形態のブレーキ操作部2に作用する操作力の変化を図3に基づいて具体的に説明する。
図3は、ブレーキ操作部2のレバー又はペダルのストローク量[mm](縦軸)に対する、そのレバー又はペダルの操作力[N](横軸)の変化を示したものである。この図3に示すように、まず、ブレーキ操作部2の操作を開始してレバー又はペダルのストローク量(以下、単にストローク量と呼ぶ)を0〜5mmに増加させると、レバー又はペダルの操作力(以下、単に操作力と呼ぶ)は2〜3Nから6Nまで緩やかに増加し、ストローク量が4mm程度となった時に前述したブレーキランプスイッチ32がブレーキ操作部2の操作を検知して、コントローラ20は前述したスタンバイ状態に切り換える。ここで、ストローク量が0〜5mmの領域は、マスターシリンダ3の無効ストローク領域(図中太い破線で示す部分)でありストローク量が増加してもマスターシリンダ3から発生する液圧の増加は微小なものとなる。
次いで、ストローク量が5mmを超えると、スタンバイ状態への切り換えが完了して液損シミュレータ9が作動を開始する。ストローク量が増加してその値が8mm程度に達するまでは液損シミュレータ遊び領域(図中、太線で示す)であり、その操作力の軌跡は、最初(ストローク量が5mm程度)はストローク量の増加に対して緩やかに増加し、その後徐々にその増加率が上昇する二次曲線を描く。
そして、液損シミュレータ9の遊び領域の上限付近(ストローク量が8mm程度)では、マスターシリンダ3側の分岐通路8の液圧が上昇し、圧力センサ28にその圧力検出の最小値(例えば、0.05MPa程度)を超える圧力が作用する。その後、液損シミュレータ9で生じる液圧がストローク量に対して略リニアとなる液損シミュレータ剛性領域(図中、細い破線で示す)へと移行する。そして、この時コントローラ20は、圧力センサ28等の検出結果に基づいてブレーキキャリパ4に作用する液圧の制御を開始すべく、伝導モータ23を駆動制御する。
上記構成によれば、車両が停止している場合(車速=0)には、図1に示すように、前輪側のブレーキ回路1a及び後輪側のブレーキ回路1bにおいては、第1の第1の電磁開閉弁V1が開作動状態、第2の電磁開閉弁V2は閉作動状態、第3の電磁開閉弁V3は閉作動状態となっている。したがって、各電磁開閉弁V1,V2,V3には、何ら電力を必要としない。
そして、車両走行中に、ライダーが前輪側のブレーキ操作部2であるブレーキレバーを操作すると、初めにブレーキランプスイッチ32がこのブレーキレバーの操作を検出し、図2に示すように、コントローラ20からの指令によって前輪側のブレーキ回路1aでは第1の電磁開閉弁V1が閉作動、第2の電磁開閉弁V2及び第3の電磁開閉弁V3が開作動される。したがって、主ブレーキ通路5が第1の電磁開閉弁V1の閉作動によってマスターシリンダ3から切り離されると同時に、第2の電磁開閉弁V2の開作動によって分岐通路8、主ブレーキ通路5がマスターシリンダ3と液損シミュレータ9とを導通し、更に第3の電磁開閉弁V3の開作動によって給排通路7、主ブレーキ通路5が液圧モジュレータ6とブレーキキャリパ4とを導通するスタンバイ状態となる。
一方、後輪側のブレーキ回路1bでも、同時に第1電磁開閉弁V1が閉作動、第2の電磁開閉弁V2及び第3の電磁開閉弁V3が開作動されスタンバイ状態となる。したがって、主ブレーキ通路5が第1の電磁開閉弁V1の閉作動によってマスターシリンダ3から切り離されると同時に、第2の電磁開閉弁V2の開作動によって分岐通路8、主ブレーキ通路5がマスターシリンダ3と液損シミュレータ9とを導通し、更に第3の電磁開閉弁V3の開作動によって給排通路7、主ブレーキ通路5が液圧モジュレータ6とブレーキキャリパ4とを導通する。
これにより、ライダーは前輪側及び後輪側のブレーキ回路1a,1bの液損シミュレータ9によって擬似的に再現させた前後輪側でブレーキ操作感を感じることが可能になり(図2において一点鎖線矢印参照)、同時に液圧モジュレータ6の作動による液圧変動は第1の電磁開閉弁V1が閉作動しているためライダー側に伝達されなくなる。また、このとき、これに並行して液圧モジュレータ6の電動モータ23が作動し、カム機構21によりピストン18が押圧されることにより液圧室19の作動液を加圧する。これによって、電動モータ23の制御に応じた液圧が主ブレーキ通路5を通してブレーキキャリパ4に供給される(図2において実線矢印参照)。
また、前輪あるいは後輪(例えば、図2では前輪)がスリップしてロックしそうになったことが、前記車輪速度センサ31により検出された場合には、コントローラ20が電動モータ23を制御してピストン18を後退させ(図2に破線矢印で示す)、ブレーキキャリパ4の制動圧を低下させABS制御により車輪のロックを回避する。このとき、第1の電磁開閉弁V1は閉じられており、マスターシリンダ3と液圧モジュレータ6の連通は遮断され、ライダーのブレーキ操作部2にABS制御の圧力変化が伝達されることはない。
ここで、前述したのはブレーキ操作部2を操作したがABSが作動しないで車両が停止した場合で説明したが、ABSが作動して車両が停止した場合についても同様に制御できる。つまり、ABSが作動した場合には、ABSでは液圧室19の減圧、保持、再増圧するため、車両がどの時点で停止したかによって、前記マスターシリンダ3側の圧力と、ブレーキキャリパ4側の圧力との大小関係が特定できないため、前述した電動モータ23の正逆転駆動を含みこれをPWM制御して入力デューティ比で決定される電流値を調整することで、増圧側に調整する場合でも減圧側に調整する場合でも、前述したカム機構21の回動位置で決定されるピストン18の位置を電気的に正確かつ簡単に自由に調整することができるのである。
したがって、上記実施の形態によれば、マスターシリンダ3側の主ブレーキ通路5又は分岐通路8に作用する液圧にかかわらず迅速にブレーキ操作部2の操作開始を検出して、主ブレーキ通路5を第1の電磁開閉弁V1によって遮断して液損シミュレータ9を作動させるため、マスターシリンダ3とブレーキキャリパ4とが直結された所謂コンベンショナルなブレーキ装置と同等の良好なブレーキフィーリングを得ることができる。
また、ブレーキランプスイッチ32を、ブレーキ操作開始を検出するスイッチとして利用することで、部品点数の増加を抑制することができる。
更に、ブレーキ操作部2のストローク量の増加に対する操作力の増加をスムーズに行いつつ、圧力センサ28の検出結果に基づいて液圧モジュレータ6を制御してブレーキキャリパ4に所定の液圧を付与することができるため、より精度良く制動力を制御することができる。
そして、ライダーがブレーキ操作部2に指をかけた状態で走行している場合など、ブレーキ操作の意思がないにもかかわらずブレーキランプスイッチ32によってON信号が出力され続けているような場合であっても、所定時間経過することで各電磁開閉弁V1,V2,V3によるスタンバイ状態を解除することができるため、電力消費を低減することができる。
なお、この発明は上記第1の実施の形態に限られるものではなく、例えば、自動二輪車以外の車両に用いても良い。また、前述した実施の形態では、ブレーキ操作を検出するスイッチとしてブレーキランプスイッチを用いたが、ブレーキランプスイッチとは異なるスイッチを個別に設けて用いるようにしても良い。更に、上述したマスターシリンダ無効ストローク、キャリパーロールバック量、液損シミュレータ遊び、液損シミュレータの剛性領域は、ブレーキ装置毎の固有のものであり、上述した範囲に限られるものではない。そして、上述の実施の形態では前輪側のブレーキ操作部を後輪側のブレーキ操作部よりも先に操作した場合について説明したが、後輪側のブレーキ操作部を先に操作した場合であっても同様である。
次に、この発明の第2の実施形態を図5から図12に基づいて説明する。この第2の実施形態は、上述した第1の実施形態においてブレーキランプスイッチ32で検出しているブレーキ操作部2の操作に起因するストローク変化を、ブレーキランプスイッチ32とは個別に設けられたストロークセンサによって検出するようにしたものであり、以下、特に右ハンドルに設けられたブレーキ操作部2を一例にストロークセンサの取付構造を説明する。なお、上述した第1の実施形態と同一部分に同一符号を付して説明するとともに、重複する説明を省略する。
図5から図12において、40は右ハンドルを示している。この右ハンドル40は、主に、ハンドルパイプ41に設けられたアクセル操作を行うスロットルグリップ42と、ブレーキ操作を行うブレーキ操作部2とで構成されている。スロットルグリップ42の基端側にはスロットルケーブル43が接続されており、このスロットルグリップ42の回動に応じて図示しないスロットルバルブが開閉されるようになっている。なお、ハンドルパイプ41の端部には、ハンドルの振動を防止する錘44が取り付けられている。
一方、ブレーキ操作部2はブレーキレバー45の操作に連動して液圧を発生するマスターシリンダ3を有している。このマスターシリンダ3を構成するマスターシリンダボディ46の基部にはホルダ47が形成されており、マスターシリンダボディ46がこのホルダ47によってハンドルパイプ41に締付固定されている。さらに、このホルダ47には、ブラケット48を介してマスターシリンダ3の作動液を収容するリザーブタンク49が固定されており、このリザーブタンク49から作動液がホース50を介してマスターシリンダ3に供給されるようになっている。
図10に示すように、マスターシリンダボディ46の内部には、プライマリーカップ51とセカンダリーカップ52とが取り付けられたピストン53が収容され、このピストン53が、ハンドルパイプ41と直交する方向に沿って進退自在に設けられている。ピストン53はプッシュロッド54によってハンドルパイプ41側に向けて押圧可能になっており、このプッシュロッド54によってピストン53が押圧されることで、マスターシリンダボディ46とピストン53との間の液室Sが圧縮されるようになっている。一方、液室S内には案内棒55でガイドされた戻りばね56が設けられており、この戻りばね56によってピストン53がプッシュロッド54側に付勢されている。ここで、プッシュロッド54によるピストン53の押圧を止めると、ピストン53は戻りばね56によって押し戻されて初期位置に戻るようになっている。ピストン53の初期位置はマスターシリンダボディ46の開口部に設けられたサークリップ57によって保持されるようになっている。なお、プッシュロッド54のピストン53側には、塵埃の侵入を防止するブーツ58が設けられている。
マスターシリンダボディ46の車両前方側には支持部59(図5参照)が一体的に形成されており、この支持部59にはブレーキレバー45の基部を構成するノッカー60が、ピボットボルト(回動軸)61を介して揺動自在に支持されている。このノッカー60は、マスターシリンダボディ46の車幅方向内側の側壁に沿う位置から車両前方側に回り込む略L字状に形成されており、このノッカー60の車両前方側に回り込んだ部分のマスターシリンダボディ側にはプッシュロッド54の端部が係合されるジョイント62が形成されている(図10参照)。また、ノッカー60のハンドルパイプ41側の端部には、従来、ブレーキランプスイッチ32に作用する部分である延出部63(図8参照)が下方に向かって延出して形成されている。
ノッカー60には、車幅方向外側に向って延びるレバー本体45aが揺動可能に支持されている。このレバー本体45aの端部は、ノッカー60とレバー本体45aとの間に設けられた戻りばね64(図10参照)によって、スロットルグリップ42側に向かって付勢されており、調整ダイヤル65によってレバー本体45aの車幅方向外側の端部とスロットルグリップ42との間隔が微調整できるようになっている。
すなわち、ブレーキレバー45を操作することで、ピボットボルト61を中心にしてノッカー60が揺動してプッシュロッド54がハンドルパイプ41側に押し込まれるため、ピストン53が戻りばね56の反力に抗してハンドルパイプ41と直交する圧縮方向にストロークして液室S内に液圧が発生することとなる。一方、ブレーキレバー45の操作を止めると、戻りばね56によってピストン53が初期位置まで戻され、ノッカー60が押し戻されると、ノッカー60の車幅方向内側の部分がマスターシリンダボディ46の側壁につき当たり、ノッカー60の揺動が規制されてこの位置でブレーキレバー45が保持される。なお、液室Sは第1の実施の形態で述べた主ブレーキ通路5に連通している。
ところで、ブレーキ操作部2には、図12に示すように、ブレーキレバー45の操作として、特にマスターシリンダ3の無効ストローク領域における操作を検出してコントローラ(図1参照)20に出力するストロークセンサ66が取付けられている。このストロークセンサ66は、いわゆる接触式の直線変位検出型のストロークセンサであって、上述した第1の実施の形態のブレーキランプスイッチ32と同様に、圧力センサ28よりも少ないストローク量(例えば4mm程度)で、ブレーキ操作部2の操作開始を検出してこの検出信号を出力するようになっている。
より具体的には、ストロークセンサ66は、車幅方向内側に向って付勢されるとともに、マスターシリンダ3の軸線方向と略直交する方向に沿ってストローク可能な検出ロッド67を備えており、この検出ロッド67のストローク量に応じた信号がストロークセンサ66からコントローラ20に向けて出力されるようになっている。このストロークセンサ66は、マスターシリンダボディ46の下面にビス70で固定されたセンサホルダ68にボルト69,69で固定され、マスターシリンダボディ46の下方のハンドルパイプ41と平行に配置されている
一方、上述したノッカー60の延出部63には、この延出部63からさらに下方に延びる延長アーム(アーム部材)71がビス72で固定されている。この延長アーム71はピボットボルト61の下部に支持され、ブレーキレバー45を構成するノッカー60と一体的に揺動するようになっている。より具体的には、図7に示すように、延長アーム71は、その基部にピボットボルト61を挿通する取付孔が形成されており、この基部がマスターシリンダボディ46と、ピボットボルト61の下部ネジ部に緩み止めとして螺合された同軸ナット75との間に挟まれるように配置されている。そして、この延長アーム71の基部からハンドルパイプ41側に延出して形成された後に、ストロークセンサ66側に向ってクランク状に屈曲して形成されている。そして、屈曲して形成された延長アーム71の端部は、前述したノッカー60の延出部63にビス72で固定されており、車幅方向内側に向かって付勢された上記検出ロッド67によって車幅方向外側から押圧されるようになっている。なお、図7はブレーキレバー45が操作されていない状態を示している。
ストロークセンサ66の下面には、図示しないブレーキランプを点灯および消灯するためのブレーキランプスイッチ32がビス73で固定されている。このブレーキランプスイッチ32には、検知部材(図示せず)が設けられており、ブレーキレバー45が操作されていない状態、つまり、検知部材が上記延長アーム71の端部に押圧されている場合にはブレーキランプスイッチ32の接点がOFFとなり、一方、ブレーキレバー45が操作された状態、つまり、延長アーム71の端部が検知部材から剥離する方向に変位して押圧が解除されると上記接点がONとなるようになっている。このブレーキランプスイッチ32には端子74が外部に露出して設けられており、この端子74がブレーキランプに接続されている。すなわち、延長アーム71が検知部材を押圧している場合にはブレーキランプは消灯し、延長アーム71が検知部材を押圧しなくなったときにブレーキランプが点灯する。なお、図示都合上、上記端子74には何も接続されてが、実際はここにブレーキランプへの配線が接続されることとなる。
つまり、ライダーがブレーキ操作部2のブレーキレバー45を握り、ブレーキレバー45の端部がスロットルグリップ42側に引き寄せられると、ピボットボルト61を中心にノッカー60が揺動し、このノッカー60の揺動によって延出部63とこの延出部63に固定された延長アーム71とがマスターシリンダボディ46から剥離する方向に変位する。そして、延長アーム71を押圧しているストロークセンサ66の検出ロッド67が、上記ノッカー60が揺動した分、伸び方向にストロークして変位し、この検出ロッド67の変位がストロークセンサ66からコントローラ20に出力されることとなる。
したがって、上述した第2の実施形態によれば、ストロークセンサ66がマスターシリンダボディ46の下方でかつハンドルパイプ41と平行に配置されていることで、ライダーの視界上の外観変化がなくなるため、ライダーに違和感が生じることはない。
また、ブレーキレバー45の操作に応じてストロークセンサ66の検出ロッド67が伸び方向に変位するため、ブレーキレバー45の操作荷重が増加することがなく、さらに、例えば外力等によりブレーキレバー45が想定作動範囲を超えてストロークしても、ストロークセンサ66に過大な応力が加わることがなくストロークセンサ66の破損を防止することができる。
さらに、ストロークセンサ66によって無効ストローク領域からブレーキレバー45の操作を検出することができるため、従来のブレーキ液圧の変化によってブレーキ操作部2の操作を検出する場合と比較して、ブレーキ操作部2の操作をより早い段階で検出することができ、この結果、実際にブレーキが作動する液圧に達するまでの時間的な余裕ができ、短時間作動させるために大出力化、大型化していた液圧モジュレータ6を駆動する電動モータ23を小出力化および小型化することができる。
また、ノッカー60の延出部63に延長アーム71をビス72で固定し、さらに、センサホルダ68にストロークセンサ66をボルト69,69で固定して取り付けることができるため、既存のブレーキ操作部2の一部の形状を変更するだけで容易に取り付けることができる。
また、一般に、ブレーキ操作部2の故障検出用として入力側に2個の圧力センサが設けられているが、このうち少なくとも1個をストロークセンサ66に置き換えることができるので、コストの低減につながる。
そして、マスターシリンダ3の軸線方向と検出ロッド67の伸び方向とを略直交する方向にすることで、マスターシリンダ3の軸線方向と検出ロッド67の伸び方向とにおける構成をコンパクトにすることができるため、外観を損なうことなく商品性を向上することができる。
さらに、ブレーキレバー45の回動にリニアな動作でストロークセンサ66の検出ロッド67をストロークさせることができるため、ブレーキレバー45の操作をより正確に検出することができる。
なお、上述した第2の実施形態では、延長アーム71を延出部63に取り付けるとともに、センサホルダ68をマスターシリンダボディ46にビス70で取り付けるようにしていたが、図13、図14に示すように、延出部63と延長アーム71を一体的に形成した延出部63Aをノッカー60に設け、さらに、マスターシリンダボディ46とセンサホルダ68とを一体的に形成してここにストロークセンサ66を固定するようにしてもよい。このように構成することで、部品点数を削減してコスト低減を図ることが可能となる。
また、ストロークセンサ66を右ハンドル40のブレーキ操作部2に設けた場合を説明したが、ブレーキペダル側に設けてもよい。
この発明の第1の実施の形態における自動二輪車のブレーキ装置の液圧回路図である。 この発明の第1の実施の形態における図1の制動時及び前輪ABS作動時を示す液圧回路図である。 この発明の第1の実施の形態におけるブレーキ操作部のブレーキレバー又はブレーキペダルのストローク量に対する操作力を示すグラフである。 従来の自動二輪車のブレーキ装置における図3に相当するグラフである。 この発明の第2の実施の形態におけるブレーキ操作部の上面図である。 この発明の第2の実施の形態におけるブレーキ操作部の正面図である。 この発明の第2の実施の形態におけるブレーキ操作部の下面図である。 この発明の第2の実施の形態におけるブレーキ操作部の右側面図である。 この発明の第2の実施の形態におけるブレーキ操作部の左側面図である。 この発明の第2の実施の形態における図6のA−A線に沿う断面図である。 この発明の第2の実施の形態における図5のB−B線に沿う断面図である。 この発明の第2の実施の形態における図11のC−C線に沿う断面図である。 この発明の第2の実施の形態の他の態様における図7に相当する下面図である。 この発明の第2の実施の形態の他の態様における図8に相当する右側面図である。
符号の説明
2 ブレーキ操作部
3 マスターシリンダ
4 ブレーキキャリパ(ブレーキ作動部)
5 主ブレーキ通路(ブレーキ回路)
6 液圧モジュレータ(モジュレータ)
9 液損シミュレータ
28 圧力センサ(液圧センサ)
32 ブレーキランプスイッチ(スイッチ)
61 ピボットボルト(回動軸)
66 ストロークセンサ
71 延長アーム(アーム部材)
V1 第1の電磁開閉弁(開閉弁)

Claims (8)

  1. マスターシリンダ(3)から液圧を発生させるブレーキ操作部(2)と、
    付与された液圧に応じて車輪に制動力を与えるブレーキ作動部(4)と、
    前記ブレーキ操作部(2)と前記ブレーキ作動部(4)とを接続するブレーキ回路(5)のブレーキ操作部(2)側とブレーキ作動部(4)側とを遮断する常開型の開閉弁(V1)と、
    前記ブレーキ回路(5)のブレーキ操作部(2)側に設けられ液圧を検出する液圧センサ(28)と、
    該液圧センサ(28)の検出結果に基づいて前記ブレーキ作動部(4)へ所定の液圧を付与するモジュレータ(6)と、
    前記ブレーキ回路(5)の遮断時にブレーキ操作部(2)に反力を付与する液損シミュレータ(9)と、
    を備え、前記液圧センサ(28)の検出結果に基づいて前記モジュレータ(6)を制御して前後輪に制動力を配分する自動二輪車のブレーキ装置において、
    前記ブレーキ操作部(2)は、その作動開始を検出するスイッチ(32)を備え、
    前記開閉弁(V1)は、前記スイッチ(32)により前記ブレーキ操作部(2)の作動を検出した場合に前記ブレーキ回路(5)を遮断するとともに、このブレーキ回路(5)を遮断した待機状態で前記液圧センサ(28)に所定時間入力がない場合に前記ブレーキ回路(5)の遮断を解除することを特徴とする自動二輪車のブレーキ装置。
  2. 前記ブレーキ回路(5)の前記開閉弁(V1)よりもブレーキ操作部(2)側には、常閉型の第2開閉弁(V2)を介して前記モジュレータが接続され、前記ブレーキ回路(5)の前記開閉弁(V1)よりも前記ブレーキ作動部(4)側には常閉型の第3開閉弁(V3)を介して前記液損シミュレータ(9)が接続され、前記ブレーキ操作部(2)の作動を検出した場合に前記第2開閉弁(V2)を開き、前記ブレーキ回路(5)の遮断時に前記第3開閉弁(V3)を開くことを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  3. 前記スイッチ(32)は、ブレーキランプを点灯させるためのブレーキランプスイッチであることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  4. 前記スイッチ(32)の検出結果にかかわらず、前記液圧センサ(28)が所定の圧力を検出すると、前記開閉弁(V1)の作動を開始させ、前記モジュレータ(6)が前記ブレーキ作動部(4)に所定の液圧を付与することを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  5. 前記スイッチ(32)はストロークセンサ(66)で構成され、該ストロークセンサ(66)はストロークの伸び方向でブレーキの操作量を検知することを特徴とする請求項1又は2に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  6. 前記ストロークセンサ(66)は、マスターシリンダ(3)の下方に配置されることを特徴とする請求項に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  7. 前記ストロークセンサ(66)は、前記ストロークの伸び方向が前記マスターシリンダ(3)の軸線方向に対し略直交するように配置されていることを特徴とする請求項に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
  8. 前記ストロークセンサ(66)は、前記ブレーキ操作部(2)のブレーキレバーの回動軸(61)により軸支され、前記ブレーキレバーと一体的に回転するアーム部材(71)によりストロークされることを特徴とする請求項に記載の自動二輪車のブレーキ装置。
JP2006096583A 2005-08-31 2006-03-31 自動二輪車のブレーキ装置 Expired - Fee Related JP4823742B2 (ja)

Priority Applications (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006096583A JP4823742B2 (ja) 2005-08-31 2006-03-31 自動二輪車のブレーキ装置
EP07004081.1A EP1839977B1 (en) 2006-03-31 2007-02-27 Brake system for motorcycle
US11/729,809 US7938495B2 (en) 2006-03-31 2007-03-30 Brake system for motorcycle

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2005250884 2005-08-31
JP2005250884 2005-08-31
JP2006096583A JP4823742B2 (ja) 2005-08-31 2006-03-31 自動二輪車のブレーキ装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007091201A JP2007091201A (ja) 2007-04-12
JP4823742B2 true JP4823742B2 (ja) 2011-11-24

Family

ID=37977392

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006096583A Expired - Fee Related JP4823742B2 (ja) 2005-08-31 2006-03-31 自動二輪車のブレーキ装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4823742B2 (ja)

Families Citing this family (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5460567B2 (ja) * 2010-12-13 2014-04-02 本田技研工業株式会社 ブレーキシステム
JP6423229B2 (ja) * 2014-09-30 2018-11-14 日信工業株式会社 バーハンドル車両用ブレーキ制御装置
JP6148273B2 (ja) * 2015-03-20 2017-06-14 日信工業株式会社 バーハンドル車両用操作量検出装置
US11643062B2 (en) * 2019-11-19 2023-05-09 ZF Active Safety US Inc. Vehicle brake system and diagnostic method for determining a leak in one or more three-way valves

Family Cites Families (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3599120B2 (ja) * 1994-09-30 2004-12-08 本田技研工業株式会社 液圧制御装置
JPH1053184A (ja) * 1996-08-08 1998-02-24 Akebono Brake Ind Co Ltd ブレーキスイッチ付き液圧マスタシリンダ
JP3882993B2 (ja) * 2001-11-02 2007-02-21 本田技研工業株式会社 電動車両の回生制御装置
JP4333252B2 (ja) * 2003-07-14 2009-09-16 トヨタ自動車株式会社 車輌の制動力制御装置
JP2005047386A (ja) * 2003-07-29 2005-02-24 Toyota Motor Corp 車輌の制動力制御装置
JP4503305B2 (ja) * 2004-01-30 2010-07-14 本田技研工業株式会社 自動二輪車の連動ブレーキ装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007091201A (ja) 2007-04-12

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP4563801B2 (ja) ブレーキバイワイヤアクチュエータ
JP6584647B2 (ja) ブレーキシステム及びブレーキシステムを動作させるための方法
CA2588206C (en) Vehicle-use brake device
JP5881251B2 (ja) 車両制御装置
US9308896B2 (en) Electromechanical brake power assist unit
JP4451302B2 (ja) 自動二輪車のブレーキ装置
US20130025273A1 (en) Electric booster
US8046149B2 (en) Brake apparatus for vehicle, and methods of using same
JP2006290203A (ja) ブレーキペダル装置
US20080116740A1 (en) Brake Device and Controller for The Same
JP2012240452A (ja) ブレーキ制御装置
JP2018510095A (ja) 車両のための複合型ブレーキ装置
JP4823742B2 (ja) 自動二輪車のブレーキ装置
US9358965B2 (en) Braking device for motorcycle
JP4672716B2 (ja) ブレーキ
JP7384135B2 (ja) 産業車両の自動ブレーキ装置および産業車両
JPH1024813A (ja) 電動ブレーキ装置
JP4228412B2 (ja) 車両用操舵装置
EP1839977B1 (en) Brake system for motorcycle
JP4472540B2 (ja) 自動二輪車のブレーキ装置
JP4149696B2 (ja) ブレーキ液圧保持機構
JP4602069B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP5796330B2 (ja) 車両用ブレーキ装置
JP2006076535A (ja) ブレーキ装置
JP3633109B2 (ja) 車両のブレーキ装置におけるブレーキ圧制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20081126

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110329

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110405

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110602

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110830

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110907

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4823742

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140916

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees