JP4823732B2 - 光調整要素の駆動装置 - Google Patents
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Description
そして、光調整要素は、開口部を画定する基板等に沿って往復動(揺動)するように支持されており、特に被写体光の光量を調整する際には、被写体光の主光軸に対する光調整要素(の入射面又は射出面)の垂直度はそれ程重要視されていなかった。
この構成によれば、光調整要素を保持した保持枠は、その第1嵌合孔がベースの第1ガイドシャフトに密接して摺動自在に支持され、かつ、その第2ガイドシャフトがベースの第2嵌合孔に隙間をもって摺動自在に支持され、保持枠が移動範囲の一方端にあるとき、その第1磁石とベースの第1磁性部材が磁気的に吸引し合って光調整要素は所定の面角度に保持され、一方、保持枠が移動範囲の他方端にあるとき、その第2磁石とベースの第2磁性部材が磁気的に吸引し合って光調整要素は所定の面角度に保持される、すなわち、付勢手段により第1ガイドシャフト回りの一方向に回転付勢されているため、嵌合領域にガタツキ(遊び)があっても、保持枠(及び光調整要素)は一方向に付勢されつつ往復動自在にガイドされ、開口部を通る主光軸に対して光調整要素の面角度を安定した一定の角度に維持しつつ、光調整要素を高精度に駆動することができる。これにより、この駆動装置が、例えば光ピックアップユニットに適用された場合、情報の記録又は再生を高精度に行うことができる。
特に、駆動機構が、鉄芯を兼ねる第2ガイドシャフト,第1磁石及び第2磁石、第2嵌合部を画定すると共にコイルが巻回されたボビン等を含むソレノイドとして形成されるため、コイルへの通電方向を切り替えることにより、第1磁石及び第2磁石と第2ガイドシャフトの間に生じる電磁力により、保持枠を往復動させることができ、又、駆動機構がガイド機構の一部を兼ねるように形成されているため、部品点数を削減でき、構造の簡略化、装置の小型化、光軸方向における装置の薄型化等を達成することができる。
また、第1嵌合孔と第1ガイドシャフトが密接かつ摺動自在に嵌合することにより、保持枠をガタツキ無く高精度にガイドすることができ、付勢手段(磁石及び磁性部材)により一方向へ付勢された状態で第2嵌合孔と第2ガイドシャフト(鉄芯)が遊びをもって摺動自在に嵌合することにより、光調整要素の面角度を一定の角度に保持しつつ駆動機構(ソレノイド)により円滑に駆動することができ、特に、第2ガイドシャフトと第2嵌合孔との間に積極的に隙間(遊び)を設けたことにより、バラツキを抑えつつ、光調整要素を確実に片寄せして、その面角度を安定した一定角度に維持することができる。
このように、光調整要素が開口部に対して2ヶ所の位置に切り替えられた状態で、それぞれの位置において付勢力を発生する二組の磁石及び磁性部材を採用したことにより、光調整要素(の面角度)を所定の向きに高精度に保持することができる。
この構成によれば、磁石と鉄球の間に発生する磁力線を極力集中させて作用させることができるため、磁気的吸引力による付勢方向を所望の向きに確実に方向付けすることができる。
この構成によれば、第1磁石が第1ストッパに当接した状態で第1磁性部材との離隔距離を短くでき、又、第2磁石が第2ストッパに当接した状態で第2磁性部材との離隔距離を短くできる。これにより、それぞれに発生する磁気的吸引力を高めることができ、保持枠(及び光調整要素)を安定した角度でより確実に保持することができる。
この構成によれば、開口部を通る光の主光軸に対して、NDフィルタの面角度(入射面及び射出面の角度)を一定の角度に維持することができる。したがって、例えば、青色レーザー光等を用いる光ピックアップユニットにこの駆動装置が適用された場合、CD又はDVD等の記録媒体に対して情報の記録または記録された情報の再生を高精度に行うことができる。
図1ないし図6は、本発明に係る駆動装置の一実施形態を示すものであり、図1は装置の外観斜視図、図2は装置の分解斜視図、図3及び図4は装置の平面図、図5及び図6は装置の概略側面図である。
ここで、第1ストッパ16及び第2ストッパ17は、第1鉄球91及び第2鉄球92の近傍において、それぞれ薄板状に形成されているため、第1磁石61が第1ストッパ16に当接した状態で第1鉄球91との離隔距離を短くでき、又、第2磁石62が第2ストッパ17に当接した状態で第2鉄球92との離隔距離を短くできる。これにより、それぞれに発生する磁気的吸引力を高めることができ、保持枠30(及びNDフィルタガラス20)を安定した角度でより確実に保持することができる。
そして、NDフィルタガラス20は、保持枠30の後述する取付凹部32に嵌め込まれて、接着剤等により固着されるようになっている。
2つの第1嵌合孔35は、第1ガイドシャフト40が密接した状態で摺動自在となる内径寸法に形成されている。
そして、第1ガイドシャフト40は、保持枠30の2つの第1嵌合孔35に摺動自在に挿入されると共にベース10の2つの取付孔11に嵌合されて固着されている。
第2ガイドシャフト50がボビン70の第2嵌合孔71aに嵌合されない状態で、保持枠30は、第1ガイドシャフト40回りに揺動自在となっている。
そして、第2ガイドシャフト50は、保持枠30の2つの取付凹部33に嵌合固着されて保持枠30と一体的に移動するようになっている。
すなわち、第2ガイドシャフト50は、駆動機構としてのソレノイドの一部をなす鉄芯としても機能するようになっている。
そして、第1磁石61は、保持枠30が左向き(NDフィルタガラス20のガラスプレート21が開口部10aに臨む位置にかつNDフィルタ層22が開口部10aから退避した位置に)移動したとき、ベース10の第1ストッパ16に当接して、保持枠30を移動範囲の左端に位置決めし、第2磁石62は、保持枠30が右向き(NDフィルタガラス20のNDフィルタ層22が開口部10aに臨む位置にかつガラスプレート21が開口部10aから退避した位置に)移動したとき、ベース10の第2ストッパ17に当接して、保持枠30を移動範囲の右端に位置決めするようになっている。
そして、ボビン70は、円筒部71の回りに励磁用のコイル80が巻回された状態で、その第2嵌合孔71aに第2ガイドシャフト50が遊びをもって摺動自在に嵌合され、2つの嵌合ピン73がベース10の取付孔12に嵌合されかつ2つの鍔部72の一部がベース10の切り欠き13に嵌合されてベース10に一体的に固着されている。
このように、第2嵌合孔71aに対して第2ガイドシャフト50が隙間(遊び)をもって摺動自在に嵌合されることにより、製造が容易になり、保持枠30が移動する際の抵抗力を減らすことができる。
そして、第1鉄球91及び第2鉄球92は、それぞれ第1磁石61及び第2磁石62に対して、図5及び図6に示すように、第1ガイドシャフト40回りの一方向(図5中の反時計回り及び図6中の時計回り)に、寸法Dだけ偏倚した位置に配置され、又、第2ガイドシャフト50の伸長方向の外側からそれぞれ略対向し得るようになっている。
また、上記取付状態において、保持枠30が移動範囲の右端にあるとき、第2磁石62と第2鉄球92は、第2ガイドシャフト50の伸長方向に対して斜め方向に向かうように磁気的吸引力を及ぼす。すなわち、第2磁石62が図4に示すように第2ストッパ17に当接するように、かつ、第2ガイドシャフト50が図6に示すように第2嵌合孔71aに対して第1ガイドシャフト40回りの一方向(図6中の時計回り)に偏るように磁気的吸引力を及ぼし合う。
また、付勢手段(磁石61,62及び鉄球91,92)が、非接触による磁気的吸引力を用いる手法であるため、機械的接触による抵抗力が発生することなく、保持枠30(及びNDフィルタガラス20)を円滑にガイドしつつ往復動させることができる。
磁性部材として鉄球91,92を採用したことにより、磁石61,62と鉄球91,92の間に発生する磁力線を極力集中させて作用させることができるため、磁気的吸引力による付勢方向を、所望の向きに確実に方向付けすることができる。これにより、保持枠30を片寄せしてガタツキを確実に防止することができる。
このように、ガイド機構として、NDフィルタガラス20を挟むように配置された平行な二つのガイドシャフト40,50及び二つの嵌合孔35,71aを採用するため、NDフィルタガラス20を、その面角度を所望の向きに維持しつつ往復動自在にガイドすることができ、又、主光軸Lの方向において装置の薄型化を達成できる。
このように、駆動機構が、ソレノイドとして形成されているため、コイル80への通電方向を切り替えることにより、第1磁石61及び第2磁石62と第2ガイドシャフト50の間に生じる電磁力により、保持枠30を容易に往復動させることができる。
また、駆動機構がガイド機構の一部を兼用しているため、部品点数を削減でき、構造の簡略化、装置の小型化、主光軸Lの方向における装置の薄型化等を達成できる。
先ず、コイル80に非通電の状態で、図3に示すように、保持枠30がベース10に対して左側に保持されている、すなわち、第1磁石61が第1ストッパ16に当接して、第1磁石61と第1鉄球91の間の磁気的吸引力により保持されているとき、NDフィルタガラス20は、そのNDフィルタ層22が開口部10aから退避した位置(すなわち、ガラスプレート21が開口部10aに臨む位置)に位置付けられている。
この状態で、開口部10aを通る光(例えば、青色レーザー光)は、殆ど減光されることなくNDフィルタガラス20を通過する。
このとき、NDフィルタガラス20は、そのNDフィルタ層22が開口部10aに臨む位置(すなわち、ガラスプレート21が開口部10aから退避した位置)に位置付けられている。
この状態で、開口部10aを通る光(例えば、青色レーザー光)は、約半分に減光されてNDフィルタガラス20を通過する。
このとき、NDフィルタガラス20は、再びそのガラスプレート21が開口部10aに臨む位置(すなわち、NDフィルタ層22が開口部10aから退避した位置)に位置付けられている。
このように、コイル80への通電方向を切り替えるだけで、保持枠30に保持されたNDフィルタガラス20のNDフィルタ層22を、その面角度を主光軸Lに対して一定の角度に維持しつつ、開口部10aに望む位置と退避位置の間で容易に切り替えることができる。
10a 開口部
11,12 取付孔
13 切り欠き
14,15 凹部
16 第1ストッパ
17 第2ストッパ
20 NDフィルタガラス(光調整要素)
21 ガラスプレート(光調整要素)
22 NDフィルタ層(光調整要素)
30 保持枠(ガイド機構)
31 切り欠き
32,33,34 取付凹部
35 第1嵌合孔(第1嵌合部、ガイド機構)
40 第1ガイドシャフト(ガイド機構)
50 第2ガイドシャフト(鉄芯、ガイド機構、駆動機構)
61 第1磁石(付勢手段、ガイド機構、駆動機構)
62 第2磁石(付勢手段、ガイド機構、駆動機構)
70 ボビン
71 円筒部
71a 第2嵌合孔(第2嵌合部、ガイド機構)
72 鍔部
73 嵌合ピン
80 励磁用のコイル(駆動機構)
91 第1鉄球(第1磁性部材、付勢手段、ガイド機構)
92 第2鉄球(第2磁性部材、付勢手段、ガイド機構)
Claims (4)
- 光を通す開口部を画定するベースと、前記開口部に対して臨む位置と退避位置との間で移動自在に支持される光調整要素と、前記光調整要素を移動自在にガイドするガイド機構と、前記光調整要素を駆動する駆動機構を備えた、光調整要素の駆動装置であって、
前記ガイド機構は、前記光調整要素を保持する保持枠と、前記ベースに固定された第1ガイドシャフトと、前記保持枠に設けられて前記第1ガイドシャフトを密接させて摺動自在に嵌合させる第1嵌合孔と、前記保持枠に固定された第2ガイドシャフトと、前記ベースに設けられて前記第2ガイドシャフトを隙間をもって摺動自在に嵌合させる第2嵌合孔と、前記保持枠を前記第1ガイドシャフト回りの一方向に回転付勢する付勢手段を含み、
前記駆動機構は、鉄芯を兼ねる前記第2ガイドシャフトと、前記第2ガイドシャフトの両端に接合された第1磁石及び第2磁石と、前記第2嵌合部を画定するボビンと、前記ボビンに巻回された励磁用のコイルを含み、
前記付勢手段は、前記第2ガイドシャフトの両端に接合された前記第1磁石及び第2磁石と、前記第1磁石及び第2磁石に対して前記第1ガイドシャフト回りの一方向に偏倚すると共に前記第2ガイドシャフトの伸長方向の外側からそれぞれ略対向し得るように前記ベースに固定された第1磁性部材及び第2磁性部材からなる、
ことを特徴とする光調整要素の駆動装置。 - 前記第1磁性部材及び第2磁性部材は、鉄球からなる、
ことを特徴とする請求項1に記載の光調整要素の駆動装置。 - 前記ベースは、前記第1磁石及び第2磁石をそれぞれ当接させるべく前記第1磁性部材及び第2磁性部材の近傍にそれぞれ形成された第1ストッパ及び第2ストッパを有する、
ことを特徴とする請求項1又は2に記載の光調整要素の駆動装置。 - 前記光調整要素は、光量を調整するNDフィルタを含む、
ことを特徴とする請求項1ないし3いずれかに記載の光調整要素の駆動装置。
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