JP4823381B1 - 気体圧縮移送装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】気体を、加圧しつつ圧縮気体貯蔵装置に移送する気体圧縮移送装置であって、気体が導入される気体入口14と、加圧され圧縮された気体を圧縮気体貯蔵装置107に排出する圧縮気体出口22と、気体入口14から圧縮気体出口22を連通させた、気体が通過する気体移送路30とを具備し、気体移送路30には、小径路31と大径路32とが、それぞれ複数個交互に形成されており、大径路32内に、移送する気体の逆流を防止する逆止弁40が配置されており、逆止弁40は、小径路31の端縁口を封止する大径の封止部41と、大径の封止部41よりも小径の軸部42とからなる気体圧縮移送装置1。
【選択図】図1
Description
たとえば、特許文献1には、低圧シリンダと高圧シリンダの2つのシリンダを備え、これら2つのシリンダのタンクとの接続方式をタンク内の圧力に応じて切り替える切り替え手段を有する多段式空気圧縮機が提案されている。
また、特許文献2には、排気空気を再利用することで、消費動力を増大させることなく増圧効果を向上させるべく、上流側の増圧弁の出口ポートと下流側の増圧弁の入口ポートとを連通し、上流側の増圧弁の入口ポートと下流側の増圧弁の排気ポートとを連通し、下流側の増圧弁の駆動室の排気空気を上流側の増圧弁の駆動室に導入できるようにした気体圧縮装置が提案されている。特許文献3には、モータ駆動によりクランク軸を介してピストンを上下動させて、フィルターを介してクランクケース内に取り込んだ空気を圧縮するように構成した圧縮機構において、フィルターを介して取り込んだ清浄な空気の雰囲気にモータを配設すべく、また空気を冷媒として発熱部を冷却し得るよう、モータをクランクケース内に配設した圧縮機構が提案されている。
このため、低消費エネルギーであっても、より増圧効果の高い圧縮装置の開発が要望されている。
すなわち、本発明は下記気体圧縮移送装置を提供するものである。
1. 気体を、加圧しつつ圧縮気体貯蔵装置に移送する気体圧縮移送装置であって、
気体が導入される気体入口と、
加圧され圧縮された気体を圧縮気体貯蔵装置に排出する圧縮気体出口と、
上記気体入口及び上記圧縮気体出口を連通させた、気体が通過する気体移送路とを具備し、
上記気体移送路には、小径路と大径路とが、それぞれ複数個交互に形成されており、上記大径路内に、移送する気体の逆流を防止する逆止弁が配置されており、
上記逆止弁は、気体の逆流時には小径路の端縁口を封止する大径の封止部と、該大径の封止部よりも小径の軸部とからなる気体圧縮移送装置。
2.上記小径路は、上記気体移送路の中心軸線から外れた位置に設けられており、
上記軸部は、上記大径路の内壁に当接可能となされている
1記載の気体圧縮移送装置。
3.上記小径路の内径と上記大径路の内径との比は、1:5〜10であり、
上記封止部の外径は、上記大径路の内径よりも小さく、上記小径路の内径を1とした場合4.5〜9.5であり、軸部の外径は上記小径路の内径を1とした場合2〜4である
1記載の気体圧縮移送装置。
本発明の装置で圧縮できる気体は特に制限されないが、空気の圧縮に適している。このため、自然エネルギーの有効利用の観点から、自然エネルギーを利用した発電システムにおける余剰電力を、圧縮空気を利用して蓄電する蓄電システム等に有効に利用できる。また、通常のコンプレッサーとボンベとの間に設置することで、コンプレッサーの消費電力を抑えて高圧気体を製造する等種々用途に活用できる。
本発明の装置によると、従来の往復ポンプ装置よりも圧縮空気の増圧効果が大きく、電動モーターを小さくすることができ、コストも低減される。
本実施形態の気体圧縮移送装置1は、気体を、加圧しつつ圧縮気体貯蔵装置107(図5参照)に移送する気体圧縮移送装置である。
本実施形態の気体圧縮移送装置1は、図1に示すように、気体が導入される気体入口14と、加圧され圧縮された気体を圧縮気体貯蔵装置107に排出する圧縮気体出口22と、気体入口14から圧縮気体出口22を連通させた、気体が通過する気体移送路30とを具備し、気体移送路30には、小径路31と大径路32とが、それぞれ複数個交互に形成されており、大径路32内に、移送する気体の逆流を防止する逆止弁40が配置されており、逆止弁40は、小径路31の端縁口を封止する大径の封止部41と、大径の封止部41よりも小径の軸部42とからなる。
本実施形態の気体圧縮移送装置1は、円筒状の気体加圧部10と、気体加圧部10に連結された円柱状の気体移送部20とからなる。
気体加圧部10は、クランクの設置されたモーター(図示せず)にロッド13を介して連結されたピストン12を収容した円筒体11からなり、気体移送部20との連結部分に近接して気体入口14が形成されている。
気体移送部20は、その内部に気体移送路30を具備し、その先端において気体の漏れがないように気体加圧部10の端縁部分を内包して気体加圧部10に連結されており、これにより連結部分21が形成されている。連結部分に近接した気体移送路30は小径路31であり、次いで大径路32が設けられている。小径路31と大径路32とは交互に設けられており、それぞれ3つ設けられている。最終の大径路32の先には圧縮気体出口22が形成されており、最終の大径路32と圧縮気体出口22とは連結路33で連通されている。
大径路32は、円柱状の空間であり、気体加圧部10側の先端部32aと圧縮気体出口22側の基端部32bとで内部の形状が異なる。先端部32aは、周縁がテーパー状となされており、基端部32bはその中央(2つの小径部の間の部分)に後述する軸部42のストッパーとして機能する凸設部23が形成されている。
小径路31の内径と大径路32の内径との比は、1:5〜10であるのが、現実に気体の圧力が増幅されるので好ましい。このような効果が発揮されるのは、加圧空気が小径路31を通過して大径路32へと流入する際にジェット噴出効果が生じ、気体の加圧が促進されると考えられる。
これらの構造は3つの小径部及び大径部いずれも同じである。
軸部42は、封止部41の中心から封止部直径方向に対して垂直方向に延設されており、その先端が大径路の内壁を形成している凸設部23に当接可能となされている。
軸部42の周囲にはばね部材24が設けられており、封止部41はばね部材24により小径部31側に付勢されている。気体が移送されないときには、ばね部材24により付勢されているため封止部41は小径路31の端縁口が形成されている大径部32の内面に当接して小径路31を封止する。この際、軸部42の先端と凸設部23とは間隔が開いているが、この間隔(気体が流入する際に小径部31の端縁と封止部41の表面との間の距離と同じ)は0.3〜2.0mm、より好ましくは0.5〜1.2mmとするのが、加圧気体のジェット噴出効果を増進する点で望ましい。
封止部41の外径は、大径路32の内径よりも小さく、小径路31の内径を1とした場合4.5〜9.5であり、軸部42の外径は小径路の内径を1とした場合2〜4であるのが、上述のジェット噴出効果を増進させる点で好ましい。
また、各部材の形成材料は特に制限されず、ステンレス材等を用いて形成することができる。
まず、図1に示すように、別に連結されたコンプレッサー101(図5参照)から移送させる低圧の圧縮空気を気体入口14から導入しつつ、ピストン12を図1の矢印方向Aに運動させると、チャンバー15内が圧縮されて加圧気体が生成され、生成した加圧気体が気体移送部20へと導入される。
すると、図3に示すように封止部41が加圧気体の圧力に押されて圧縮気体出口22側に移動して軸部42の先端が凸設部23に当接する。これにより封止部41と小径路31の端縁口31aとの間に狭い空隙25が生じ、かかる空隙25を加圧気体が矢印方向に通過して大径部32内に流入する。この際小径部31及び空隙25を通過することで加圧気体にジェット噴出効果が加わり、圧縮された空気の圧縮率が増幅された状態で大径部32内に蓄積される。このような動作は、全ての大径部32内で同様に行われることになる。
次に、ピストン12を図1の矢印方向Bに運動させると、チャンバー15内が減圧状態となり、気体入口14から気体がチャンバー15内に流入すると共に、図4に示すように、封止部41が小径路31の端縁口31aを封止して加圧気体の逆流を阻止する。この際、軸部42の先端と凸設部23との間には隙間が生じることになる。
なお、特に図示しないが、本実施形態の気体圧縮移送装置を使用する際に用いることができるモーターは、シリンダー径を細く(φ20mm〜30mm)、サイクル数を少なく(100〜200回/分)、ストローク長を長く(100〜200mm)設定することができ、このような設定とすることで低消費電力にて運転することが可能となる。
図5に示す蓄電システム100は、小型太陽光発電システム(図示せず)に連結され、余剰電力が生じた際に作動するコンプレッサー101と、コンプレッサー101に配管111を介して連結された低圧の圧縮空気を貯蔵する低圧空気貯蔵タンク103と、低圧空気貯蔵タンク103に配管112を介して連結された本実施形態の気体圧縮移送装置1と、気体圧縮移送装置1の気体出口22(図1参照)に配管113を介して連結された高圧空気貯蔵タンク107とからなる。図中、102,106,108はそれぞれ逆止弁であり、104は減圧弁である。
気体圧縮移送装置1は、ピストンを往復運動させるクランクロッド105aを介してモーター105に連結されており、高圧空気貯蔵タンク107は、圧縮空気で運転することができる公知の空気タービン(図示せず)に配管(図示せず)を通じて連結されている。
生成された低圧圧縮空気は低圧空気貯蔵タンクに貯め、次いで、低圧圧縮空気を本実施形態の気体圧縮移送装置に減圧弁104を通して供給する。そして、上述のようにピストンを往復運動させて、高圧圧縮空気を生成させて高圧空気貯蔵タンク107に高圧圧縮空気を移送し、貯蔵する。
貯蔵された圧縮空気は、必要に応じてタービンに供給して電力として利用する。
たとえば、本実施形態では大径部の数及び逆止弁の数を3段に設定しているが、複数であればよく、たとえば2〜5段の範囲で任意に設定することが可能である。
〔実施例1〕
以下のサイズで図1に示す装置を製造し、以下に示す運転条件で運転し、圧縮空気を製造したところ18kgf/cm2の圧縮空気を得た。
・サイズ
小径部:φ2.5mm
大径部:φ20mm
封止部:φ19mm
空隙の幅(軸の先端と凸設部との間隔):0.5mm
・運転条件
気体入口に導入する1次圧縮空気の圧力:4kgf/cm2
電動モーターの容量:500w
シリンダー径:φ20mm
サイクル数:100回/分
ストローク長:200mm
小径部が気体移送部の中心軸に沿っており、凸設部が設けられておらず、小径部の内径と大径部の内径との比が1:1.2である以外は図1に示す実施形態と同様に作成した図6に示す装置を製造し、以下に示す運転条件で運転し、圧縮空気を製造したところ12kgf/cm2の圧縮空気を得た。
・サイズ
小径部:φ14mm
・運転条件
気体入口に導入する1次圧縮空気の圧力:4kgf/cm2
電動モーターの容量:500w
シリンダー径:φ20mm
サイクル数:100回/分
ストローク長:200mm
Claims (3)
- 気体を、加圧しつつ圧縮気体貯蔵装置に移送する気体圧縮移送装置であって、
気体が導入される気体入口と、
加圧され圧縮された気体を圧縮気体貯蔵装置に排出する圧縮気体出口と、
上記気体入口及び上記圧縮気体出口を連通させた、気体が通過する気体移送路とを具備し、
上記気体移送路には、小径路と大径路とが、それぞれ複数個交互に形成されており、上記大径路内に、移送する気体の逆流を防止する逆止弁が配置されており、
上記逆止弁は、小径路の端縁口を封止する大径の封止部と、該大径の封止部よりも小径の軸部とからなり、
上記小径路の端縁口と上記封止部とが最も離れた際の両者の間隔は、該端縁口と該封止部との間を通過する気体がジェット噴出する距離とされている
気体圧縮移送装置。
- 上記小径路は、上記気体移送路の中心軸線から外れた位置に設けられており、
上記軸部は、上記大径路の内壁に当接可能となされている
請求項1記載の気体圧縮移送装置。
- 上記小径路の内径と上記大径路の内径との比は、1:5〜10であり、
上記封止部の外径は、上記大径路の内径よりも小さく、上記小径路の内径を1とした場合4.5〜9.5であり、軸部の外径は上記小径路の内径を1とした場合2〜4である
請求項1記載の気体圧縮移送装置。
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