JP4823330B2 - 光導波路型バイオケミカルセンサチップ及びその測定対象物の測定方法 - Google Patents

光導波路型バイオケミカルセンサチップ及びその測定対象物の測定方法 Download PDF

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Description

本発明は、光導波路型バイオケミカルセンサチップ及びその測定対象物の測定方法に関し、特に水溶液中および生物の生体分子の量、性状を定量的に測定するための光導波路型バイオケミカルセンサチップ及びその測定対象物の測定方法に係わる。
従来、小型で高感度なバイオケミカルセンサチップとしてはグレーティングカプラおよび生体分子認識機能および情報変換機能を有するセンシング膜を備え、光導波路層表面に生じるエバネッセント波を利用した平面光導波路型バイオケミカルセンサチップが提案されている。
例えば、特許文献1には基板上にゾル-ゲル法により膜厚620nmの酸化シリコン膜からなる光導波路層を形成し、この導波路層の両端にグレーティングを形成した構造の蛍光免疫センサが開示されている。光導波路層としてはポリイミド膜も用いることができるとされているが、詳細は開示されていない。
また、特許文献2には基板の両端付近にグレーティングを形成し、このグレーティングを含む前記基板表面に光導波路層を形成した構造の平面光導波路型バイオケミカルセンサチップが開示されている。この光導波路層は、スパッタ法やCVD法で形成された窒化シリコン、酸化アルミニウム、酸化タンタル等、もしくはイオン交換法により作製されたガラス膜であることが好ましいことが記載されている。特許文献3にも同様な材料からなる光導波路層が開示されている。
また、特許文献4には、厚さ1mm以下のガラス基板主面に生体分子認識機能および情報変換機能を有するセンシング膜を形成し、基板内に光を伝播させ、前記センシング膜と
の界面で反射させる光導波路センサが提案されている。
特開平8−285851号公報 特開平9−61346号公報 特許第3236199号 特開2004−333250
前述の特許文献1〜3に記載された光導波路層は、その材質および成膜法から基板に1μm前後の厚さで形成されている。一方、光源の波長としては近紫外光領域から可視光領域のものが用いられることが一般的であるため、1μm前後の厚さは導波させる光の波長の等倍から4倍程度の値である。
このような薄い厚さの光導波路層はコア層およびクラッド層の屈折率と用いる光の波長とで決まる固有モード数、すなわち光導入用のカプラに光をカップリングさせることのできる入射角度の数が、10未満の不連続な値になるため、この不連続値に対応した厳密な入射角度の調整が必要になるという問題がある。
また、一般的に平面光導波路層を伝播する光は、光導波路層とクラッド層との界面における散乱などにより減衰する。したがって、光導波路層の膜厚が薄くなるほど反射回数が増大する結果、出射光強度が低下する。前記厚さの光導波路層を有するバイオケミカルセンサでは、光導波路層内における表面および界面(基板およびセンシング膜との界面)での反射回数が多いため、出射光の強度が減衰し、外乱光や測定系のゆらぎ等によるノイズの影響を受けやすくなるという問題がある。そのため、現実的な出射光強度を得るために高出力な光源を要するなど、測定系全体の小型化が困難になる課題があった。
また、特許文献4に記載されたように、ガラス基板内を光が全反射しながら透過する光導波路においては、光を伝播させるためのガラス基板の厚さは0.7mmから1mm程度に設定されており、ガラス基板とセンシング膜の界面での反射回数が数回になり、検出感度が低下する問題がある。感度を上げるためにガラスの厚さを薄くすると、物理的強度が低下するため取り扱いが困難になる。
上記したように、光導波路型バイオセンサチップを利用するに際して、これに入射させる光の光源としてレーザダイオードなどの低出力ながらも小型かつ安価な光源を用いることができるようにするためには、前記のように光導波路層を適正な厚さにするほかに、光の入射および出射効率を高めることが必要である。
さらに、カプラやデカプラの傷・汚染などにより光が散乱され、カップリング効率が低下する問題がある。
特許文献1には、ゾル−ゲル法で形成された酸化シリコンまたはポリイミドからなる光導波路層の表面にリソグラフィによってグレーティングを形成する実施例が記載されているが、グレーティング表面が空気と接するため効率は必ずしも高くない上に、グレーティング部分への傷や汚染を防ぐための工夫が示されていない。
また、特許文献3の実施例に記載されているように、基板を除去加工してグレーティング構造を形成した場合、基板と光導波路層との屈折率差が小さくなるため、回折効率が低下するという問題がある。
本発明は、許容する入射角範囲の拡大が可能で、かつ高い感度を維持しつつ、光導波路層における光強度の減衰を抑制した光導波路型バイオケミカルセンサチップ及びその測定対象物の測定方法を提供することを目的とする。
本発明の一態様によれば、高分子樹脂材料からなる光導波路層と、前記光導波路層に光を入射させるカプラと、前記光導波路層を伝播した光を出射させるデカプラと、前記光導波路層の上に設けられ、検体を作用させると前記光もしくは前記光のエバネッセント波に対して吸収性を有する反応産物を生成するセンシング膜と、を備え、前記光導波路層の厚さをt、前記カプラと前記デカプラとの間の前記光導波路層の長さをL、外部からの入射光の強度をI、前記光導波路層を伝播する光の強度の前記入射光の強度に対する割合をc、前記光導波路層を伝播する光の前記光導波路層の表面における反射角をθ、前記光導波路層を伝播する光の反射回数nをL/(t×tanθ)、前記光導波路層を伝播せずに検出された光の強度をβ、前記検体が前記センシング膜に作用した時間をTとし、前記センシング膜に前記検体を作用させていない状態で、前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T=0)、前記センシング膜に前記検体を作用させてからの時間T後の前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T)、前記検体を作用させてからの時間T後の出力信号の低下率をRとしたときに、これらより、前記Rは、
R={cI(1−α(0))−cI(1−α(T))}/{cI(1−α(0))+β}
の関係式で表され、前記Rの値は0.009以上であることを特徴とする光導波路型バイオケミカルセンサチップが提供される。
本発明の他の一態様によれば、高分子樹脂材料からなる光導波路層と、前記光導波路層に光を入射させるカプラと、前記光導波路層を伝播した光を出射させるデカプラと、前記光導波路層の上に設けられ、測定対象物を含む検体を作用させると、前記光もしくは前記光のエバネッセント波に対して吸収性を有する反応産物を生成するセンシング膜と、を備え、前記光導波路層の厚さをt、前記カプラと前記デカプラとの間の前記光導波路層の長さをL、外部からの入射光の強度をI、前記光導波路層を伝播する光の強度の前記入射光の強度に対する割合をc、前記光導波路層を伝播する光の反射回数nをL/(t×tanθ)、前記光導波路層を伝播せずに検出された光の強度をβ、前記光導波路層を伝播する光の前記光導波路層の表面における反射角をθ、前記センシング膜上に接触させてから、前記検体が前記センシング膜に作用した時間をTとし、前記センシング膜に前記検体を作用させていない状態において、前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T=0)、前記センシング膜に前記検体を作用させてからの時間T後の前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T)、前記検体を作用させてからの時間T後の出力信号の低下率をRとしたときに、これらより、前記Rは、
R={cI(1−α(0))−cI(1−α(T))}/{cI(1−α(0))+β}
の関係式で表され、前記Rの値は0.009以上であるように構成された光導波路型バイオケミカルセンサチップにおいて、光を入射させて、前記光導波路層を伝播させ、前記光導波路層から出射した光を受光し、前記センシング膜が前記測定対象物と反応していない状態で受光した光に対する光の低下率に基づいて、測定対象物の量を測定することを特徴とする測定対象物の測定方法が提供される。
本発明によれば、操作性が良好で、高感度かつ測定系の小型化が可能な光導波路型バイオケミカルセンサチップ及びその測定対象物の測定方法の提供を可能とする。
本発明の第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの断面図。 本発明の第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの製造工程を示す断面図。 本発明の第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの出力強度の光導波路層膜厚依存性を示すグラフ。 本発明の第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの出力信号低下率の光導波路層膜厚依存性を示すグラフ。 本発明の第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの出力信号低下率の光導波路層膜厚依存性を示すグラフ。 本発明の第2実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの断面図。 本発明の第2実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの製造工程を示す断面図。 グルコース濃度とレーザ光強度の低下率(感度)の関係を示すグラフ。
以下、本発明の実施形態を図面を参照して詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップを示す断面図である。
ガラス(例えば無アルカリガラス)または石英からなる透光性を有する基板1の平坦な主面の両端部付近の領域には、それぞれ一対のグレーティング2がその基板1に光を入射、出射させるためにそれぞれ形成されている。これらのグレーティング2は、基板1を構成する材料よりも高い屈折率を有する材料(例えば酸化チタン)で形成されている。
光導波路層3は、基板1より高屈折率の高分子樹脂からなり、3〜300μmの範囲で設定される均一な厚さの膜体である。前記グレーティング2が形成された基板1の主面に密着するように隣接して形成されている。
保護膜4は、光導波路層3を構成する材料よりも低屈折率で、かつセンサチップに投入される全ての試薬と反応しない材料(例えばフッ素樹脂)で構成される。前記グレーティング2が形成されている領域に対応する前記光導波路層3の両端部、つまりグレーティング2に対応する領域を覆うように、光導波路層3の表面に隣接して形成されている。
センシング膜5は、生体分子認識機能および情報変換機能を有する。グレーティング2
間を結ぶ線分上の保護膜4に挟まれた領域に位置し、前記光導波路層3表面に密着するよ
うに隣接して形成されている。
光導波路型バイオケミカルセンサチップにおけるセンシング膜とは、膜上に導入された
所定濃度の検体に応じて、所定濃度の反応産物を生成する膜である。反応産物は光導波路
型バイオケミカルセンサチップ内を導波する光、もしくはこの光から生じるエバネッセン
ト波と作用してエネルギーを消費する性質を有し、吸収したり、蛍光を発したりする。
このような膜として機能させるために、膜本体は多孔質組織となっており、検体と抗原
抗体反応により結合する標識された抗体や、標識に反応して反応産物を生成する試薬、標
識と試薬の反応を促進する触媒などが、薬品の種類に応じて適宜組み合わされ、多孔質組
織内の空孔に個別に納められている。検体溶液の溶媒が膜組織を破壊してこれらのセンシ
ング膜構成物質を移動自在に開放し、検体との反応を促す。
センシング膜5がグルコースセンシング膜である場合、グルコースセンシング膜はグル
コースの酸化酵素または還元酵素、この酵素による生成物と反応して発色剤を発色させる
物質を発生する試薬、発色剤、膜形成高分子樹脂、必要に応じてポリエチレングリコール
のような透水性促進剤を含む。このグルコースセンシング膜中の酸化酵素、試薬および発
色剤は、例えば下記表1に示す組み合わせで用いられる。
Figure 0004823330
前記グルコースセンシング膜中の膜形成高分子樹脂としては、例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース系高分子樹脂を挙げることができる。
前記グルコースセンシング膜中の発色剤としては、水への溶解度が低く、生体への有害性が極めて低い3,3',5,5'−テトラメチルベンジジン(TMBZ)を用いることが望ましい。
前述した図1に示す光導波路型バイオケミカルセンサチップの作用を説明する。
バイオケミカルセンサチップのセンシング膜5に生体分子を含む検体を接触させ、検体中の生体分子をセンシング膜5に抽出する。この生体分子は、センシング膜5との間でバイオケミカル反応を起こす。
この状態で、図1に示すように光源(例えばレーザダイオード)6および受光素子(例えばフォトダイオード)7をそれぞれバイオケミカルセンサチップの基板1の裏面左側および右側にそれぞれ配置し、前記レーザダイオード6からレーザ光を前記バイオケミカルセンサチップの基板1裏面側に入射すると、そのレーザ光は基板1を通してグレーティング2と光導波路層3の界面で屈折され、さらに光導波路層3と基板1およびセンシング膜5の界面で複数回屈折しながら伝播する。この際、光導波路層3で伝播する光のエバネッセント波はセンシング膜5の界面での屈折時にそのセンシング膜5おける前記検体中の生体分子のバイオケミカル反応に基づく変化(例えば吸光度変化)に応じて吸収される。
前記光導波路層3を伝播した光は、右側のグレーティング2から基板1の裏面から出射され、フォトダイオード7で受光される。受光したレーザ光強度は、センシング膜5が生体分子とバイオケミカル反応をなさない時に受光した光強度(初期光強度)に比べて低下した値になり、その低下率から生体分子の量を検出することが可能になる。
さて、光導波路層3において、その厚さは3〜300μmの範囲で設定されていることが好ましい。これは以下のような理由によるものである。
平面光導波路型バイオケミカルセンサチップでは、光導波路層の膜厚が小さいほど、光導波路層内における表面および界面での反射回数が増大して、光強度の減衰が大きくなる。その結果、測定感度は高まるものの、反面、現実的な出射光強度を得るため高出力な光源を要するなど、測定系の小型化が困難になる。
基板と導波路層との界面および導波路層表面での反射角をθ、光導波路層の長さ(グレーティング間の部分の長さ)をL、光導波路層の厚さをtとすれば反射回数nは、n=L/(t×tanθ)であり、検体を作用させない状態での界面および表面での散乱による光の平均減衰率をα(0)、入射光強度をI、グレーティングでの回折効率や光導波路層内以外での散乱などに起因する減衰率をc、光導波路を経由しない外乱光等によるオフセット成分をβ、とすると、センシング膜に対して検体を作用させない状態での出力光強度I(0 )は(1)式となる。
I(0) = cI(1−α(0))+β …(1)
図3は、本実施例における出力信号強度Iの光導波路層膜厚依存性の一例を示す。ここで、Iact、Icalcはそれぞれ出力信号強度の実測値および計算値を表している。図3から明らかなように、光導波路層膜厚が小さいほど出射光強度が低下する。
本発明では被測定検体濃度に対応する指標のひとつとして、検体を作用させてから180秒間の出力信号の低下率(R)を用いている。検体を作用させてから180秒後の光導波路層の界面および表面での平均減衰率をα(180)とすると、Rは(2)式となる。
R={cI(1−α(0))−cI(1−α(180)) }/{cI(1−α(0))+β} …(2)
図4は、本実施例における出力信号低下率Rの光導波路層膜厚依存性の一例を示す。ここで、Ract、Rcalcは、それぞれ出力信号低下率の実測値および計算値である。出力信号低下率Rは、光導波路層膜厚が薄いほど、すなわち光導波路層内における反射回数が多いほど高まる訳ではなく、初期信号強度(I(0))の低下とオフセット成分の存在によって、光導波路層膜厚に対して最大値を取るものであることが分かる。
本実施例では、L=7mm、θ=78.8°の場合において、I(0)およびグルコース濃度1.0mg/dlの検体における出力信号低下率Rの光導波路層の膜厚依存性を調べ、その結果に(1)式および(2)式をそれぞれ当てはめた結果、cI=645、β=155、 α(0)=0.0095、α(180)=0.033程度であることが見積もられた。
図3および図4において、Icalc、Rcalcは、それぞれ出力信号強度および出力信号低下率の計算値を記載したものである。計算値は実測値に対して良い一致を示した。
図5は、同様にして、グルコース濃度0.02、0.1、0.2、0.5、5mg/dlの場合のα(180)を求め、これらの定数を用いて、Rの光導波路層膜厚依存性をプロットしたものである。図5のグラフから、グルコース濃度が高いほど出力信号低下率Rの最大値は厚膜側にシフトすることが分かる。このため、出力信号低下率Rをグルコース濃度に対してプロットした検量線は、光導波路層厚が約10μm以下では低濃度側のみ直線性が高く、光導波路層が厚くなるほど低濃度のグルコースに対するRが小さくなる(感度が低下する)とともに、高濃度までの直線性が向上することが推定できる。
表2に、光導波路層膜厚に対して、各グルコース濃度に対する出力信号低下率Rの値と、各濃度範囲における検量線の直線性を示すrを示す。
Figure 0004823330
一般的に、レーザ光を用いた光学的な測定システムにおけるノイズ成分(出力信号のバックグラウンド振幅)は最低でも0.3%程度であり、検出下限においてはその2〜3倍のシグナル変化量が必要とされている。したがって本実施例において、Rとしては0.009程度以上必要である。また、検量線の直線性としては、一般的にr>0.9程度あれば良好と見なす事ができる。
表2から、まず0〜0.2mg/dlの範囲において、0.02mg/dlでR>0.09かつr>0.9を満たす条件から、光導波路層の膜厚を3μm〜50μmと規定した。
また、50μm以上の膜厚においては0〜5mg/dlの範囲で良好な直線性を示し、0.1mg/dlにおけるR>0.09を満たす条件から、300μm程度の膜厚まで用いることとした。
このように光導波路層の厚さに起因する二律背反する光強度の減衰の抑制および検出感度の向上を3〜300μmの厚さに規定することによって達成することが可能になる。
このような比較的厚い光導波路層は高分子樹脂溶液の基板への塗布技術により実現することが可能になる。より好ましい光導波路層の厚さは、表2より、0〜1mg/dlでの良好な直線性と、0.02mg/dlでのR>0.009という高検出能を同時に満たすことから15〜50μmである。 このような膜厚構成とすることで、本実施形態のセンサチップは、0.1mg/dl以下という極低濃度のグルコースを良好な検量線の直線性のもと、定量的に検出できる光導波路型センサを実現する。
本発明において光を入射あるいは出射するためのカプラとして、断面形状が矩形の凹凸であるグレーティングを用いる場合、カップリング効率が最も高い条件は、用いる光の波長をλ、グレーティングの凹部および凸部の屈折率をそれぞれn1、n2、グレーティングの高さをdとすると、次式(3)で表される。
λ/2=|n1−n2|・d …(3)
また、本実施形態ではグレーティングへの傷や汚染などによる光の散乱に起因する減衰を防止するために、グレーティングは基板表面に形成され、その上が光導波路層で覆われており、更にその光導波路層の上面が光導波路層より低屈折率な樹脂でコートされている。
サブミクロンサイズのグレーティング構造を高精度に形成する方法としてはリソグラフィ技術とドライエッチング技術を用いるのが一般的であるが、ガラスや金属酸化物のエッチング速度は決して高くなく、100nmの深さまで加工するために数分を要する場合もある。そのため、例えば1μmの深さに加工しようとすると、結果的に高コストとなる問題がある。
本実施形態では、光導波路層として屈折率n1=1.57の高分子樹脂を用い、655nmの波長導波させていることから、(3)式でd<1000nmとすることにより、(
4)式となる屈折率n2を有する材料で格子形状をパターニングし、カプラやデカプラを形成することが現実的である。
|n1−n2|>0.3275 …(4)
光導波路層においては、減衰率を低減するために光導波路層の長さ(グレーティング間の部分の長さ)Lを小さくすることが好ましい。ただし、レーザ光のスポット径が0.5〜1.0mm程度であることから扱い易さや位置あわせマージンを考慮して3mm以上、より好ましくは5〜20mmにすることが望ましい。
一般に、3層平板光導波路における伝播特性を示すパラメータとして、式(3)に示されるVパラメータが知られており、V<π/2ではシングルモードとなることが知られている。光導波路層膜厚をmλ(m:整数、λ:導波光の波長)と記述すると、Vは(5)式となる。
V = m・π・(n12−n2 2)1/2…(5)
但し、n1:コア層の屈折率、n2:クラッド層の屈折率、である。
本実施例における値、λ=655nm、n1=1.57、n2=1.52を(5)式に適用すると、V=1.2mとなり、膜厚が用いる波長の4倍以下の光導波路では許容となるモードは2個以下である。その結果、入射角度のわずかな変化に応じて出力光強度が大きく変化することとなるため、実際に安定した計測を行うためには厳密な光軸調整が必要となる。
この問題を解決するために、本発明では光導波路層の膜厚を用いる光源波長の5倍以上と規定した。その結果、マルチモードで光を導波させることが可能となった。更に、発散光あるいは収束光を光源として用いた結果、入射角のわずかな変化に対する出力光強度の変動を抑えることが可能となった。
前記光導波路層は、表面にヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシ基のような親水性官能基を有することが好ましい。このような親水性官能基を有する光導波路層は、その表面に前記センシング膜が良好に密着される。
次に、第1実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの製造方法を説明する。
図2に、第1の実施形態の光導波路型バイオケミカルセンサチップの製造方法を示す模式図を示す。
まず、ウエハ状に広がりを有する無アルカリガラスまたは石英からなる透光性の平板である基板11の主面に、この基板より高い屈折率を有する材料膜(例えば酸化チタン膜)をスパッタリングにより成膜する。
次いで、前工程にて形成された酸化チタン膜を、所定ピッチの格子パターンを形成するようにリソグラフィーとドライエッチングにより部分的に除去して、複数のグレーティング12を形成する。
すべてのグレーティング12は同じ線長で等ピッチに形成される。このグレーティング12に対して外部から光を入射させればグレーティングはカプラとして機能するし、光導波路層内を伝播した光がグレーティング12に入射すれば、グレーティングはデカプラとして機能する。
次いで、グレーティング12が形成された透光性基板11の主面の全面に、透光性基板11を構成する材料よりも高い屈折率で、同様に透光性を有する高分子樹脂材料をスピンコータ等により均一な膜厚で塗布し乾燥させることにより、高分子樹脂材料からなる厚さ3〜300μmの光導波路層膜13を形成する。
次いで、グレーティング12が形成された領域に対応する前記光導波路層膜13の表面部分に、例えばフッ素系樹脂材料のような光導波路層を構成する材料よりも低屈折率かつ試薬と反応しない材料を、スクリーン印刷し乾燥して、保護膜14を形成する。なおこの際は、あとでセンシング膜5を形成する領域については、保護膜が形成されないように操作する。これにより、保護膜14はセンシング膜5を形成する領域を囲む枠構造を有する膜となる。
次いで、光導波路層13および保護膜14を洗浄する。具体的には、光導波路層13および保護膜14の表面に対して、エキシマ紫外光(例えば波長172nm)を照射し、塩基溶液に浸漬し、純水で洗浄する。保護膜で保護されていない領域の表面はフッ素系樹脂材料などの不純物が存在するため、これを除去する。
次いで、基板11をダイシングにより個片に裁断してチップ化する。この際、センシング膜5を形成する領域と、この領域を挟むように配置される一対のグレーティング12と、をひとつの組み合わせとし、各個片にこの一組の構成要素が残るように切り分ける。
次いで、表1の成分・組成の成膜用塗布液を保護膜14が形成されていない領域に滴下する。塗布液を乾燥させて、保護膜14が形成されていないグレーティング12間に位置する領域に、センシング膜15を形成する。
以上の工程により、光導波路型バイオケミカルセンサチップが完成する。
以上説明した第1実施形態によれば、測定系を小型化することができ、かつ検体を測定するための操作が簡便な平面光導波路型バイオケミカルセンサチップを得ることができる。すなわち、光導波路層の厚さを3〜300μmに規定することによって、二律背反する光強度の減衰の抑制および検出感度の向上を達成することが可能になる。
このような厚さを有する光導波路層は充分な透過率が確保できる。また、グレーティングを光導波路層の屈折率より0.3以上高屈折率な材料で形成することにより、1μm以下の高さでも高い回折効率が得られるようになった。これらによって、光源として比較的出力の低い小型で安価なレーザダイオードを用いることを可能とする。
更に、グレーティングを基板表面に形成して光導波路層で覆い、光導波路層表面のグレーティング上部に位置する部分を光導波路層より低屈折率な材料でコートすることにより、カップリング機能要素の傷や汚染を抑止することが可能となった。
また、光導波路層の厚さを、用いる光源波長の5倍以上に設定したことにより、光導波路層を伝播する導波光をマルチモードとすることが可能となった。更に、光源として発散光または収束光を用いることによって、入射角度のわずかな変化による出力光強度の変動を抑えることが可能となった。
(第2実施形態)
図6は、この第2実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップを示す断面図である。
ガラス(例えば無アルカリガラス)または石英からなる基板11主面の両端部付近には、一対のグレーティング12がその基板11に光を入射、出射させるためにそれぞれ形成されている。これらのグレーティング12は、前記基板11より高い屈折率を有する例えば酸化チタンから作られている。前記基板11より高屈折率の高分子樹脂からなる厚さ3〜300μmの光導波路層13は、前記グレーティング12を含む前記基板11の主面に形成されている。低屈折率で、かつ試薬と反応しない材料(例えばフッ素樹脂)からなる保護膜14は、前記グレーティング12に対応する前記光導波路層13の両端部付近、つまり前記グレーティング12に対応する箇所にそれぞれ形成されている。
生体分子認識機能および情報変換機能を有するセンシング膜15は、前記保護膜14間に位置する前記光導波路層13部分の上に形成されている。
ここまでの構成は第1の実施形態に示した構成と同一であるが、第2の実施形態では、前記光導波路層3と同材質で同厚さの高分子樹脂層16が、前記基板11の裏面側、すなわち基板11の光導波路層13が形成されていない側の主面の全面に密着するように隣接して形成されている。
このような第2の実施形態にかかる光導波路型バイオケミカルセンサチップは、第1の 実施形態に示したセンサチップと同様な操作により検体中の生体分子の量を検出することが可能になる。そのうえ、簡易な構成で温度変化などの外部要因によるチップの反りを抑制し、外乱に強い測定系を構成することが可能になる。
前記光導波路層において、その厚さの範囲を3〜300μmと規定した。この理由は第1の実施形態で説明したのと同様な理由によるものである。より好ましい光導波路層の厚さは、15〜50μmである。
前記厚さを有する光導波路層13において、光導波路層の長さ(グレーティング間の部分の長さ)3mm以上、より好ましくは5〜20mmにすることが望ましい。
前記光導波路層は、表面にヒドロキシ基、アルデヒド基、カルボキシ基のような親水性官能基を有することが好ましい。このような親水性官能基を有する光導波路層は、その表面に前記センシング膜が良好に密着される。
前記センシング膜がグルコースセンシング膜である場合、グルコースセンシング膜はグルコースの酸化酵素または還元酵素、この酵素による生成物と反応して発色剤を発色させる物質を発生する試薬、発色剤、膜形成高分子樹脂(例えばカルボキシメチルセルロース、ヒドロキシセルロース等のセルロース系高分子樹脂)、必要に応じてポリエチレングリコールのような透水性促進剤を含む。このグルコースセンシング膜中の酸化酵素、試薬および発色剤は、たとえば前出の表1に示す組み合わせで用いることが可能である。
次に、第2実施形態に係る光導波路型バイオケミカルセンサチップの製造方法を図7(a )〜(e)を参照して説明する。
まず、図7(a)に示すように無アルカリガラスまたは石英からなる基板11の主面にこの基板11より高い屈折率を有する材料膜(例えば酸化チタン膜)をスパッタリングにより成膜する。
次いで、酸化チタン膜をリソグラフィーとドライエッチングにより選択的に除去してグレーティング12を形成する。
次いで、グレーティング12を含む基板11主面にそのグレーティング2の保護のためのレジスト膜21を被覆した後、基板11を反転してその基板11裏面に基板11より高屈折率の高分子樹脂の溶液をスピンコータ等により塗布して乾燥することにより、図7(b )に示すように厚さ3〜300μmの高分子樹脂層16を形成する。
次いで、レジスト膜21を剥離除去し、前記基板11を再度、反転し、前記グレーティング12を含む基板11全面に前記高分子樹脂と同材質の高分子樹脂の溶液をスピンコータ等により塗布して乾燥することにより、図7(c)に示すように高分子樹脂層16と同厚さの光導波路層13を形成する。
次いで、グレーティング12に対応する前記光導波路層16表面部分に例えばフッ素系樹脂材料のような低屈折率で、かつ試薬と反応しない材料をスクリーン印刷し乾燥して、図7(d)に示すように保護膜14を形成する。
次いで、この基板11をダイシングにより裁断してチップ状とする。この時、保護膜間に位置する光導波路層のセンシング膜形成領域の表面はフッ素系樹脂などの不純物が存在するため、例えば波長172nmのエキシマ紫外光を照射した後、酸溶液に浸漬し、純水
で洗浄した。
次いで、保護膜14間に位置する前記光導波路層13表面に、表1の成分の成膜用塗布液を滴下・乾燥して、保護膜が形成されていないグレーティング間に位置する領域に、図7(e)に示すようにセンシング膜15を形成する。
以上の工程により、第2の実施形態の光導波路型バイオケミカルセンサチップが完成する。
以上説明した第2実施形態によれば、光導波路層の厚さを3〜300μmに規定することによって、第1実施形態で光導入用のグレーティングに光をカップリングさせることのできる入射角度を拡大することができ、生体の検出操作が簡便な光導波路型バイオケミカルセンサチップを得ることができる。
また、光導波路層の厚さを3〜300μmに規定することにより二律背反する光強度の減衰の抑制および検出感度の向上を達成することが可能になる。その上、このような厚さを有する光導波路層は充分な透過率が確保できるため、光源として比較的出力の低い小型で安価なレーザダイオードを用いることも可能となる。
さらに、基板11の裏面に光導波路層13と同材質で同厚さの高分子樹脂層16を形成することによって、基板11の反り発生を防止して光を正規の角度で基板に入射させることが可能になる。
すなわち、ガラスなどの基板に3〜300μmの比較的厚い高分子樹脂からなる光導波路層13を形成すると、加温された場合、基板11のガラスと光導波路層13の高分子樹脂との線膨張係数が約1桁相違することから、それらの線膨張差に起因して基板1にそりが発生する虞がある。基板11の反り発生は、光の入射角度を変動させるため、結果として検出感度を低下させる。
このようなことから、基板11の裏面に光導波路層13と同材質で同厚さの高分子樹脂層16を形成することにより、前記基板11と光導波路層13間の線膨張差によるそりを前記基板11とその裏面の高分子樹脂層16間の線膨張差による同じ反り量で反対方向に加わる応力により相殺できるため、基板11のそりを防止することができる。その結果、光を正規の角度で基板11に入射させることを可能になるため、高い検出感度を維持できる。
さらに、第2実施形態に係る方法によれば前述した優れた特性を有する光導波路型バイオケミカルセンサチップを製造できる。
特に、高分子樹脂層16の基板11裏面への形成をグレーティング12の形成直後、つまり光導波路層13の形成前に行うことによって、その光導波路層13への傷発生を防止できる。この工程で、図6(b)に示すようにグレーティング12を除去が容易なレジスト膜21で覆うことによって、高分子樹脂層16を形成するためのスピンコートにおいてグレーティング12を保護することが可能になる。
以下、本発明の実施例を詳細に説明する。
(実施例)
屈折率1.52の無アルカリガラス基板の主面に屈折率2.2〜2.4の酸化チタンをスパッタリングして厚さ50nmの酸化チタン膜を成膜し、この酸化チタン膜をリソグラフィーとドライエッチング(RIE)により選択的に除去してグレーティングを形成した。つづいて、グレーティングを含むガラス基板の主面に熱硬化性樹脂溶液をスピンコータで塗付し、焼成することにより厚さが25〜35μm、屈折率が1.57の光導波路層を形成した。つづいて、グレーティングに対応する前記光導波路層表面部分にフッ素系樹脂をスクリーン印刷し、乾燥して保護膜を形成した。
つづいて、前記基板をダイシングにより17mm×6.5mmの寸法に裁断してチップ形状にした。つづいて、前記保護膜の間に位置する光導波路層領域を波長172nmのエキシマ紫外光を照射した後、アルカリ溶液に浸漬し、純水で洗浄することにより、適度な親水性を付与した。つづいて、グルコースセンシング膜形成用塗布液を前記基板のグレーティング間に位置するセンシング膜形成領域の表面に滴下し、不活性ガスのパージ、真空乾燥により乾燥させて多孔質(透水性)で厚さ0.5乃至1.0μmのグルコースセンシング膜を形成し、前述した図1に示す光導波路型バイオケミカルグルコースセンサを製造した。なお、グルコースセンシング膜形成用塗布液は以下の組成を有するものであった。
<グルコースセンシング膜形成用塗布液の組成>
・リン酸緩衝液 : 0.000525 mol/L
・ポリエチレングリコール(PEG): 0.15 Wt%
・3,3’、5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ):0.15 mg/dL
・カルボキシメチルセルロース(CMC): 0.32 wt%
・ペルオキシターゼ(POD): 0.0015 mg/dL
・グルコースオキシダーゼ(GOD): 0.012 mg/dL
図1に示すようにレーザダイオード6およびフォトダイオード7をそれぞれバイオケミカルグルコースセンサの基板1の裏面左側および右側にそれぞれ配置し、レーザダイオード6から波長655nmのレーザ光を左側のグレーティング2に入射し、そのレーザ光を光導波路層3を伝播させ、右側のグレーティング2から出射し、その光の強度をフォトダイオード7で測定しつつ、所定量のグルコース水溶液をセンシング膜5に滴下した。グルコース溶液の滴下終了後から所定時間のレーザ光強度の低下率(感度)をグルコース濃度に対してプロットした結果を図8に示す。
図8から明らかなように実施例1のグルコースセンサチップは、低濃度のグルコースを高感度で検出することができることがわかる。
1,11…基板、2,12…グレーティング、3,13…光導波路層、
4,14…保護膜、5,15…センシング膜、6…レーザダイオード、
7…フォトダイオード、16…高分子樹脂層。

Claims (12)

  1. 高分子樹脂材料からなる光導波路層と、
    前記光導波路層に光を入射させるカプラと、
    前記光導波路層を伝播した光を出射させるデカプラと、
    前記光導波路層の上に設けられ、検体を作用させると前記光もしくは前記光のエバネッセント波に対して吸収性を有する反応産物を生成するセンシング膜と、
    を備え、
    前記光導波路層の厚さをt、前記カプラと前記デカプラとの間の前記光導波路層の長さをL、外部からの入射光の強度をI、前記光導波路層を伝播する光の強度の前記入射光の強度に対する割合をc、前記光導波路層を伝播する光の前記光導波路層の表面における反射角をθ、前記光導波路層を伝播する光の反射回数nをL/(t×tanθ)、前記光導波路層を伝播せずに検出された光の強度をβ、前記検体が前記センシング膜に作用した時間をTとし、前記センシング膜に前記検体を作用させていない状態で、前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T=0)、前記センシング膜に前記検体を作用させてからの時間T後の前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T)、前記検体を作用させてからの時間T後の出力信号の低下率をRとしたときに、
    これらより、前記Rは、

    R={cI(1−α(0))−cI(1−α(T))}/{cI(1−α(0))+β}

    の関係式で表され、前記Rの値は0.009以上であることを特徴とする光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  2. 透光性を有し前記高分子樹脂材料よりも屈折率が低い材料で成形された基板をさらに備え、
    前記光導波路層は、前記基板の上に設けられたことを特徴とする請求項1記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  3. 前記光導波路層の厚さは、3μm以上300μm以下であることを特徴とする請求項1または2のいずれかに記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  4. 前記光導波路層の厚さは、3μm以上50μm以下であることを特徴とする請求項記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  5. 前記カプラもしくは前記デカプラは、前記光導波路層の屈折率より0.3以上高屈折率の材料で形成されたグレーティングで形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  6. 前記光導波路層は、厚さが前記光の波長の5倍以上であり、前記光をマルチモードで導波させることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  7. 前記光は、発散光または収束光であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  8. 前記光導波路層と同材質で同じ厚さの高分子樹脂層が、前記基板の他方の主面にさらに形成されていることを特徴とする請求項2記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  9. 前記光導波路層表面に対し、前記光導波路層より低屈折率の材料からなる保護膜が形成されていることを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  10. 前記センシング膜を囲むように開口する前記光導波路層より低屈折率の材料からなる枠構造膜が前記光導波路層表面に形成されたことを特徴とする請求項1〜のいずれか1つに記載の光導波路型バイオケミカルセンサチップ。
  11. 前記センシング膜が、3,3’,5,5’−テトラメチルベンジジン(TMBZ)を具備することを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載のバイオケミカルセンサチップ。
  12. 高分子樹脂材料からなる光導波路層と、
    前記光導波路層に光を入射させるカプラと、
    前記光導波路層を伝播した光を出射させるデカプラと、
    前記光導波路層の上に設けられ、測定対象物を含む検体を作用させると、前記光もしくは前記光のエバネッセント波に対して吸収性を有する反応産物を生成するセンシング膜と、
    を備え、
    前記光導波路層の厚さをt、前記カプラと前記デカプラとの間の前記光導波路層の長さをL、外部からの入射光の強度をI、前記光導波路層を伝播する光の強度の前記入射光の強度に対する割合をc、前記光導波路層を伝播する光の反射回数nをL/(t×tanθ)、前記光導波路層を伝播せずに検出された光の強度をβ、前記光導波路層を伝播する光の前記光導波路層の表面における反射角をθ、前記センシング膜上に接触させてから、前記検体が前記センシング膜に作用した時間をTとし、前記センシング膜に前記検体を作用させていない状態において、前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T=0)、前記センシング膜に前記検体を作用させてからの時間T後の前記光導波路層を伝播する光の1回の反射あたりの平均減衰率をα(T)、前記検体を作用させてからの時間T後の出力信号の低下率をRとしたときに、
    これらより、前記Rは、

    R={cI(1−α(0))−cI(1−α(T))}/{cI(1−α(0))+β}

    の関係式で表され、前記Rの値は0.009以上であるように構成された光導波路型バイオケミカルセンサチップにおいて、
    光を入射させて、前記光導波路層を伝播させ、前記光導波路層から出射した光を受光し、前記センシング膜が前記測定対象物と反応していない状態で受光した光に対する光の低下率に基づいて、測定対象物の量を測定することを特徴とする測定対象物の測定方法。
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