JP4821796B2 - 洗濯機 - Google Patents

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Description

本発明は、洗濯機で洗う洗濯物に付着した菌の除菌を行う洗濯機に関するものである。
従来、洗濯物の除菌を行う洗濯機として、抗菌性を有する銀を利用する技術がある(例えば、特許文献1参照)。
図6は、前記公報に記載された洗濯機の断面図を示すものである。図6に示すように、給水栓(図示せず)から供給された水道水は、洗濯機内部に導入され、分岐31へ到る。分岐部31では、洗濯槽33に原水(水道水)を直接給水するための原水流路32と、銀溶出カートリッジ35を通って洗濯槽33に給水するための分岐流路34とに分岐されている。
前記分岐部31には電磁弁が組み込まれており、原水を止水するあるいは水の流路を原水流路32または分岐流路34へと自動で切り替えることができる。
次に動作について説明する。洗濯のすすぎ工程で、洗濯槽33に水道水を供給してすすぎを行った後、すすぎ水は排水され脱水を行う。このすすぎ工程は1回または複数回繰り返して行われる。このすすぎ工程の少なくとも最終工程において、分岐部31の電磁弁を切り替え、原水流路32側を閉塞して分岐流路34側を開き、水道水を分岐流路34から銀溶出カートリッジ35を通って洗濯槽33へと供給する。このとき、洗濯槽33に供給される水道水には、銀溶出カートリッジ35から銀が溶出し、銀含有水が洗濯槽33内に供給される。この最終回のすすぎ工程が完了した後、脱水が行われ洗濯が完了する。
ここで、すすぎ水中には抗菌作用の高い銀が含有されているので、この銀が付着した洗濯物には雑菌が繁殖して異臭が発生することを防ぐことができる。このように、洗濯機のすすぎ水中に銀を含有させて洗濯物に付着した菌を除去する技術がある。
また、一方で光照射により抗菌性を高めることのできる抗菌活性金属含有アクリロニトリル繊維の技術がある(例えば、特許文献2参照)。
20m・mol/Lに調整した硝酸銀水溶液1000mLを1%の硝酸水溶液でpH3に調整した溶液中にアクリロニトリル系繊維を100g投入して98℃で10分間処理を行い、水洗、乾燥した後、10m・mol/Lに調整したシュウ酸ナトリウム水溶液1000mLに投入して、98℃で10分間処理を行い、水洗、乾燥を行い、抗菌活性金属含有アクリロニトリル系繊維を作製した。
このようにして得られた抗菌活性金属含有アクリロニトリル繊維について、銀イオン含有量並びに光照射下及び暗室下で抗菌性能を評価した。銀イオン含有量42mmol/kgで暗室条件下と光照射下で残存生菌率差が1.8あり、光照射下において光触媒活性により抗菌性能が向上した。このように、抗菌性のある銀イオンを含有させたアクリロニトリル繊維に光照射することによって、光触媒活性により抗菌性能を向上する技術もある。
特開2002−113288号公報 特開2001−89968号公報
しかしながら、前記従来の洗濯機の構成では、銀イオンにより洗濯物に付着した細菌類の菌数を低下させることはできるが、高濃度の銀イオンが必要となる。また、銀イオンで細菌以外の真菌類を死滅させるのは困難であった。
また、抗菌活性金属含有アクリロニトリル繊維は、銀イオンを繊維中に含有させた繊維製品であり、光照射によって銀イオンの光触媒活性により繊維の抗菌性能を向上している。但し、ここで光照射されるのは銀イオンである為、光照射による反応は一過性のものであり、触媒として連続的に反応が進まない。したがって、銀イオンへの光照射時の光触媒活性による活性酸素種の生成量は少なく、洗濯機にこの技術を応用した場合、洗濯物に付着した真菌類を発生した活性酸素種で死滅させるのは困難であるという課題があった。
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、銀の光励起作用によって生成する活性酸素種を効率良く発生させ、これにより真菌を分解して死滅させることで、細菌や真菌に対して幅広い除菌効果を示し、低濃度の抗菌剤でも除菌効果を得ることができる洗濯機を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために、本発明の洗濯機は、洗濯物を収容する洗濯槽と、無機系抗菌物質を溶出させて水に添加する抗菌剤発生部と、無機系抗菌物質と反応して光励起作用を有する無機系抗菌化合物を形成する為の化合物形成物質を発生する化合物形成物質発生体と、光照射手段とを備え、無機系抗菌化合物添加水を含有した洗濯物に前記光照射手段から光を照射することとしたことにより、無機系抗菌物質が化合物状態になる為、光励起状態に成り易くなる。この為、洗濯槽に収容された洗濯物に無機系抗菌化合物が付着し光が照射されると、励起された無機系抗菌化合物は水と反応し、光触媒作用によって酸化力の高いヒドロキシラジカル等の活性酸素種がより多く発生する。したがって、発生した活性酸素種による酸化作用によって、付着した細菌やカビを分解して洗濯物上の細菌やカビを除去することができる。
本発明の洗濯機は、銀の光励起作用によって生成する活性酸素種を効率良く発生させ、これにより真菌を分解して死滅させることで、細菌や真菌に対して幅広い除菌効果を示し、低濃度の抗菌剤でも除菌効果を得ることができる。
第1の発明は、洗濯物を収容する洗濯槽と、無機系抗菌物質を溶出させて水に添加する抗菌剤発生部と、前記無機系抗菌物質と反応させるための化合物形成物質を発生させる化合物形成物質発生体を充填した化合物形成物質発生部と、光照射手段とを備え、前記無機系抗菌物質と前記化合物形成物質を反応させることによって、光励起作用のある無機系抗菌化合物を形成するとともに、この無機系抗菌化合物が添加された水を含有した洗濯物に前記光照射手段から光を照射するようにしたことにより、無機系抗菌物質が化合物状態になる為、光励起状態に成り易くなる。この為、洗濯槽に収容された洗濯物に無機系抗菌化合物が付着し光が照射されると、励起された無機系抗菌化合物は水と反応し、光触媒作用によって酸化力の高いヒドロキシラジカル等の活性酸素種がより多く発生する。したがって、発生した活性酸素種による酸化分解によって、付着した細菌やカビを分解して洗濯物上の細菌やカビを除去することができる。
第2の発明は、特に、第1の発明において、洗濯槽に給水する給水経路に抗菌剤発生部と化合物形成物質発生部とを備え、前記抗菌剤発生部と前記化合物形成物質発生部は直列に配置したことにより、抗菌剤発生部で発生して溶出した無機系抗菌物質と化合物形成物質発生部で生成して溶出した化合物形成物質が同一の流路に存在するので、洗濯槽に投入
されるまでに化合反応が進み、光励起作用のある無機系抗菌化合物を効率良く生成して洗濯槽に投入することができる。
第3の発明は、特に、第2の発明において、抗菌剤発生部は、化合物形成物質発生部より上流側に設けたことにより、洗濯槽へ無機系抗菌化合物を投入する際、抗菌剤発生部で溶出した無機系抗菌物質は投入タイミングに関わらず化合物形成物質発生部を通過するので、溶出した無機系抗菌物質は未反応になることなく化合物形成物質と反応して無機系抗菌化合物を洗濯槽に投入することができる。
第4の発明は、特に、第1〜第3のいずれかひとつの発明において、化合物形成物質発生部は、流路の入口及び出口が開口したケーシングと、前記入口及び出口には流水可能な開口部を設けた保持板を備え、前記ケーシング内に化合形成物質発生体を充填したことにより、化合物形成物質発生体のサイズに応じて保持板の開口部径を設定することで、充填した化合物形成物質発生体を給水経路内に保持することができる。
第5の発明は、特に、第1〜第4のいずれかひとつの発明において、無機系抗菌物質は銀イオンを生成する物質としたことにより、化合物の状態になると高い光励起作用を有する銀化合物を生成する為、光照射によってヒドロキシラジカル等の活性酸素種をより多く発生することができる。また銀化合物は、それ自身が抗菌性を有するので活性酸素種と銀化合物の双方の作用で菌を分解することができる。
第6の発明は、特に、第1〜第5のいずれかひとつの発明において、化合物形成物質は、無機系抗菌物質と反応して化合物を生成する負イオン性物質としたことにより、無機系抗菌物質が負イオン性物質と化学結合することで光励起作用を有する無機系抗菌化合物を生成し、光照射によってヒドロキシラジカル等の活性酸素種を生成することができる。
第7の発明は、特に、第6の発明において、化合物形成物質は水酸化物イオンを生成する物質としたことにより、無機系抗菌物質と水酸化物イオンが化合して無機水酸化物になり、やがて無機酸化物に変化する。無機酸化物はそれを構成する金属元素の種類によって高い光励起作用を有するため、光照射によってヒドロキシラジカル等の活性酸素種をより多く発生することができる。
第8の発明は、特に、第7の発明において、化合物形成物質発生体は、水に徐溶するガラスを練りこんだ樹脂を用いることによって水酸化物イオンを発生するようにしたことにより、ガラス中に含まれるナトリウムが水中に生成することで水は弱アルカリ性を示す為、強アルカリにはならず水酸化物イオンを発生し光励起作用の高い無機酸化物を生成することができる。
第9の発明は、特に、第8の発明において、化合物形成物質発生体は、ペレット形状の複数の成形体で構成したことにより、水中に浸漬した時の化合物形成物質発生体の水との接触面積をペレットの大きさによって変えることができる。したがって、水との接触面積と発生する水酸化物イオン量は比例し、ペレットの大きさにより水酸化物イオンの発生量を制御することができる。
第10の発明は、特に、第7の発明において、化合物形成物質発生体は、複数のガラスの粗粒子で構成したことにより、水に徐溶するガラスの原体を用いるので水に浸漬したときの徐溶速度が大きくなり水中に発生する水酸化物イオン量を多くすることができる。したがって、無機系抗菌物質と反応して生成する光励起作用の高い無機酸化物をより多く発生することができる。
第11の発明は、特に、第1〜第10のいずれかひとつの発明において、光照射手段から照射される光は紫外線としたことにより、光励起作用のある無機系抗菌化合物に光照射した時、光の波長が短いことにより光エネルギーが高くなる為、無機系抗菌化合物は励起状態に成り易く、ヒドロキシラジカル等の活性酸素種をより多く発生することができる。
第12の発明は、特に、第11の発明の光照射手段の光の最大発光強度となる波長を365nm〜400nmとしたことにより、無機系抗菌化合物を励起するに必要な光エネルギーを確保し色素を分解する程の光エネルギーにはならない為、洗濯物を色落ちして傷めずに活性酸素種を効率良く発生することができる。
第13の発明は、特に、第1〜第12のいずれかひとつの発明において、光照射手段は、LEDを用いることとしたことにより、小型の光源であることから、光照射手段の設置スペースを確保することができる。また、光源の長期耐久性を確保することができる。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
(実施の形態1)
図1に、本発明の第1の実施の形態の洗濯機の断面図を示す。
図2には、本発明の第1の実施の形態の抗菌剤発生部の要部拡大図を示す。
図3には、本発明の第1の実施の形態の化合物形成物質発生部の要部拡大図を示す。
図4には、本発明の第1の実施の形態の化合物形成物質発生体の断面図を示す。
図1において、洗濯機本体1は、外槽2とその外槽2内に回転自在に配され洗濯槽3を内蔵している。洗濯槽3は、モーター4によって洗濯槽3を回転できるように構成されている。
外槽2の端周縁部には光照射手段5であるLEDを配設しており、洗濯槽3内に投入された洗濯物に光が照射される方向に設置されている。LED5は、その最大発光強度となる波長が395nm、出力が7mWとなるLED素子を3個配列している。光照射手段にLEDを用いることで、洗濯機の外槽2のような狭い空間でも設置することができる。
外槽2の下部には排水路6の一端を接続し、排水路6には排水弁7を接続して外槽2内の洗濯水を排水するようにしている。
洗濯槽3は有底円筒形に形成され、その周面に外槽2内に通じる多数の通水孔が形成され、内周面の複数位置にバッフル8を設けている。洗濯槽3の回転中心に略傾斜方向に回転軸を設け、洗濯槽3の軸心方向を背面側から正面側に向けて上向きに傾斜させて配設している。この回転軸に、外槽2の背面側に取り付けたモーター4を連結し、洗濯槽3を正転および逆転方向に回転駆動するようにしている。
外槽2の正面側の上向き傾斜面に設けた開口部を蓋9により開閉自在に覆い、この蓋9を開くことにより洗濯物出入口を通して洗濯槽3内に洗濯物を出し入れすることができる。蓋9を上向き傾斜面に設けているため、洗濯物の出し入れは腰を屈めることなく行うことができ、一般には横向きにある開口部から洗濯物を出し入れする洗濯機の作業性の悪さを改善している。
洗濯槽3への給水は、給水経路10から給水弁11の開閉によって給水される。給水経路の10の途中には抗菌剤発生部12が備えられている。そして、抗菌剤発生部12の下流側には、化合物形成物質発生部13が備えられている。
図2において、抗菌剤発生部12は銀の電極を用いた電気分解によって抗菌剤を発生する方式の構成を示している。電解槽14内に2枚の銀板状電極15を有し、長手方向の一方の端に水の流入口16、他方の端に水の流出口17を備える。銀板状電極15の一部には、電圧を印加するための接続端子18を設けている。そして、接続端子18には銀板状電極15に電圧を印加する為の制御手段19が接続されている。電解槽14の中に水が存在する状態で銀板状電極15に所定の電圧を印加すると、銀板状電極15の陽極側から、無機系抗菌物質20の銀イオンが溶出する。抗菌剤発生部12では、電圧の印加の有無で銀イオン20の溶出、非溶出を選択できる。また電流や電圧印加時間を制御することにより銀イオン20の溶出量を制御できる。銀板状電極15に長時間一方向に電流を流すと、陽極側となっている電極が減耗するとともに、陰極側となっている電極には水中のカルシウムなどの不純物がスケールとして固着する。また電極の成分金属の塩化物及び硫化物が電極表面に発生する。これは抗菌剤発生部12の性能低下をきたすので、制御手段19により電極の極性を反転して運転できるように構成されている。
図3に示すように、化合物形成物質発生部13は、流路の入口及び出口が開口したケーシング21の中には、化合物形成物質である徐溶性ガラスを練り込んだ化合物形成物質発生体23である樹脂ペレットが充填されている。樹脂ペレット23はPP(ポリプロピレン)を基材とし、大きさが1〜3mm程度円柱形状をしており、複数個のペレットを用いている。また、ケーシング21の入口と出口の開口部には、開口径が500μmのメッシュ形状の保持板24が備えらており、樹脂ペレット23がケーシング21内に保持され給水経路10へ流出することを防いでいる。
図4に示すように、樹脂ペレット23内には化合物形成物質22の徐溶性ガラスが練り込まれた状態で含有している。徐溶性ガラス22は、SiO、B、NaSiO等を含んでいる。このため、水に曝されると徐々に溶けだしNaを含んでいる為、溶液は負イオン性を有する水酸化物イオンを含んだ弱アルカリ性を示す。ここで、化合物形成物質発生体23は、樹脂ペレットを用いているので、水中に浸漬した時の水との接触面積をペレットの大きさによって変えることができる。したがって、水との接触面積と徐溶性ガラス22から発生する水酸化物イオン量は比例し、ペレットの大きさにより水酸化物イオンの発生量を制御することができる。
以上のように構成された洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。
まず、蓋9を開いて洗濯槽3内に洗濯物及び洗剤を投入して洗濯機本体1の運転を開始させると、給水弁11が開状態になり給水経路10を通じて、外槽2内には所定量の注水がなされる。その後、モーター4により洗濯槽3が回転駆動されて洗い行程が開始される。洗濯槽3の回転により、洗濯槽3内に収容された洗濯物は洗濯槽3の内周面に設けられたバッフル8によって回転方向に持ち上げられ、持ち上げられた適当な高さ位置から落下する撹拌動作が繰り返されるので、洗濯物には叩き洗いの作用が及んで汚れの洗浄がなされる。所要の洗い時間の後、排水弁7が開状態になり汚れた洗濯液が排水路6ら排出され、洗濯槽3を高速回転させる脱水動作により洗濯物に含まれた洗剤液を脱水する。なお、この洗い行程では、銀板状電極15に通電されないので、銀イオン20は溶出されない。
次に、すすぎ行程が開始する。給水弁11が開くと、給水経路10に水が流れ抗菌剤発生部12の流入口16から電解槽14に水が流入する。そして、制御手段19から抗菌剤発生部12の電解槽14における銀板状電極15に通電され一定の電流が流れる。これに
より、銀板状電極15から無機系抗菌物質20の銀イオンが溶出する。そして、溶出した銀イオン20を含む水が流出口17から流出する。そして、抗菌剤発生部12で生成した銀イオン20は化合物形成物質発生部13へ流入する。
化合物形成物質発生部13では、ケーシング21内を流水することによって、樹脂ペレット23内に練り込まれた徐溶性ガラス22が表面から溶出する。溶出した徐溶性ガラス22にはNaSiO等のケイ酸ナトリウムを含んでいる為、溶出した水は弱アルカリ性を示し水酸化物イオンを生成する。ここで、この水酸化物イオンと抗菌剤発生部12で生成した銀イオン20は化合反応して水酸化銀を生成する。そして、生成した水酸化銀は不安定な物質である為、即座に酸化銀へと変化する。酸化銀は光励起作用の高い無機系抗菌化合物25である。そして、この酸化銀25が添加された水が外槽2へ給水される。
ここで、抗菌剤発生部12と化合物形成物質発生部13は給水経路10中に直列に配置され、抗菌剤発生部12は、化合物形成物質発生部13より上流側に設けたことにより、洗濯槽3へ酸化銀25を投入する際、抗菌剤発生部12で溶出した銀イオン20は投入タイミングに関わらず化合物形成物質発生部13を通過するので、溶出した銀イオン20は未反応になることなく徐溶性ガラス22で発生した水酸化物イオンと反応し酸化銀25として外槽2に投入することができる。
酸化銀25を含んだ水が一定量給水された後、すすぎ工程が開始する。そして、外槽2への給水と同時に、LED5から洗濯槽3に収容された洗濯物に波長395nmの紫外線の光が照射される。
すすぎ工程においても洗濯槽3内に収容された洗濯物は洗濯槽3の回転によりバッフル8により持ち上げられて落下する撹拌動作が繰り返されて濯ぎが実施される。このため、濯ぎ水を通じて洗濯物全体に酸化銀25が付着される。
洗濯物に付着した酸化銀25に光が照射されると、酸化銀25は励起状態になり水と反応してヒドロキシラジカルやスーパーオキサイドアニオンといった活性酸素種を生成する。そして、これらの活性酸素種の酸化分解作用と酸化銀25の抗菌作用によって洗濯物に付着した細菌や真菌類のカビを分解して洗濯物上の細菌やカビを除去することができる。ここで、洗濯物に付着するのはイオン状態の銀ではなく、酸化物状態の酸化銀25となっている為、光照射による反応は一過性のものではなく、触媒として連続的に反応が進む。したがって、光照射した時の活性酸素種の発生量は銀イオンよりも多くなる。これにより、活性酸素種による真菌類の死滅を向上させ、低濃度の無機系抗菌物質量で洗濯物上の菌の除去を行うことができる。
また、ここではLED5は波長395nmの紫外線領域の光を用いているので、酸化銀25に光照射した時、光の波長が短いことにより光エネルギーが高くなる為酸化銀25は励起状態に成り易く、ヒドロキシラジカル等の活性酸素種をより多く発生することができる。また、近紫外線を用いているので、光により洗濯物が色落ちするほどのエネルギーは持っていないので洗濯物を傷めることはない。
こうして、LED5から光が照射された状態で、一定時間酸化銀25が添加された水で濯いだ後、濯ぎ水は排水路6から排出される。
次に、脱水工程が開始する。洗濯槽3が高速回転し洗濯物に含まれたすすぎ液が脱水される。この工程においても、LED5から洗濯物に光が照射され、付着した酸化銀25からヒドロキシラジカル等の活性酸素種が生成し、これにより脱水中の洗濯物上の細菌や真菌類を死滅することができる。
以上のように、本実施の形態においては、洗濯物を収容する洗濯槽3と、銀イオン20を溶出させて水に添加する抗菌剤発生部12と、銀イオン20と化合反応する水酸化物イオンを生成する徐溶性ガラス22を発生させる樹脂ペレット23を充填した化合物形成物質発生部13と、LED5とを備え、銀イオン20と水酸化物イオンを反応させることによって、光励起作用のある酸化銀25を形成するとともに、この酸化銀25が添加された水を含有した洗濯物にLED5から光を照射するようにしたことにより、酸化銀25は光によって励起され易く、触媒として連続的にヒドロキシラジカル等の活性酸素種をより多く発生することができる。したがって、銀による抗菌作用と共に、発生した活性酸素種による酸化分解によって、付着した細菌やカビをさらに分解して洗濯物上の細菌やカビを除去することができる。その結果、低濃度の銀量でも洗濯物上の細菌や真菌類の除去を行うことができる。
また、本実施の形態の無機系抗菌物質20を銅イオンとして、無機系抗菌化合物25に酸化銅を生成して適用した場合でも、光励起作用によって活性酸素種を生成し細菌や真菌を分解して除去することができる。但し、この場合、無機系抗菌物質20の必要濃度は銀イオンに比べ高くなる。
また、本実施の形態の化合物形成物質22を塩素イオンを生成する物質を用いても良い。例えば、塩化ナトリウムを用いて塩素イオンを生成し無機系抗菌化合物25に塩化銀を用いても、塩化銀が光照射による励起作用を有していることから、活性酸素種を生成して細菌や真菌を分解して除去することができる。
(実施の形態2)
図5は、本発明の第2の実施の形態の化合物形成物質発生部の要部拡大図を示す。
図5において、化合物形成物質発生部13において、化合物形成物質発生体26は大きさが1mm〜10mmの徐溶性ガラスの粗粒子で構成されている。この徐溶性ガラス26の粗粒子がケーシング21内に充填されている。
以上のように構成された化合物形成物質発生部13を備えた洗濯機について、以下その動作、作用を説明する。
給水経路10を通じて、化合物形成物質発生部13内に水が流れると、徐溶性ガラス26の表面全体が水に覆われるのでガラス成分が溶出する。ここで、徐溶性ガラス26の粗粒子全体が水に曝されているので、徐溶性ガラスが練り込まれた樹脂のペレットに比べて水に暴露されている表面積が大きくなる。したがって、ガラスの徐溶量は大きくなり水中に発生する水酸化物イオン量が多くなる。このときの徐溶性ガラス26の溶解量は樹脂のペレットに比べ10倍以上である。
そして、発生した水酸化物イオンが銀イオン20と反応し、光励起作用の高い酸化銀25をより多く生成することができる。
以上のように、本実施の形態においては、化合物形成物質発生部13において、化合物形成物質発生体26に徐溶性ガラスの粗粒子を用いることによって、光励起作用の高い酸化銀25をより多く発生することができるため、光照射により発生する活性酸素種の量を向上することで、洗濯物に付着した細菌やカビをさらに除去することができる。
以上のように、本発明にかかる洗濯機は、抗菌剤自身が衣類上の菌に作用すると共に活
性酸素種による酸化によって菌を分解するので、低濃度の抗菌剤で衣類の除菌、抗菌を行うことができるので、衣類乾燥機等の用途にも適用できる。
本発明の実施の形態1における洗濯機の断面図 本発明の実施の形態1の抗菌剤発生部の要部拡大図 本発明の実施の形態1の化合物形成物質発生部の要部拡大図 本発明の実施の形態1の化合物形成物質発生体の断面図 本発明の実施の形態2の化合物形成物質発生部の要部拡大図 従来の洗濯機の断面図
符号の説明
3 洗濯槽
4 モーター
5 光照射手段
10 給水経路
12 抗菌剤発生部
13 化合物形成物質発生部
20 無機系抗菌物質
21 ケーシング
23 化合物形成物質発生体
24 保持板
25 無機系抗菌化合物

Claims (13)

  1. 洗濯物を収容する洗濯槽と、無機系抗菌物質を溶出させて水に添加する抗菌剤発生部と、前記無機系抗菌物質と反応させるための化合物形成物質を発生させる化合物形成物質発生体を充填した化合物形成物質発生部と、光照射手段とを備え、前記無機系抗菌物質と前記化合物形成物質を反応させることによって、光励起作用のある無機系抗菌化合物を形成するとともに、この無機系抗菌化合物が添加された水を含有した洗濯物に前記光照射手段から光を照射するようにした洗濯機。
  2. 洗濯槽に給水する給水経路に抗菌剤発生部と化合物形成物質発生部とを備え、前記抗菌剤発生部と前記化合物形成物質発生部は直列に配置した請求項1に記載の洗濯機。
  3. 抗菌剤発生部は、化合物形成物質発生部より上流側に設けた請求項2に記載の洗濯機。
  4. 化合物形成物質発生部は、流路の入口及び出口が開口したケーシングと、前記入口及び出口には流水可能な保持板を設け、前記ケーシング内に化合形成物質発生体を充填した請求項1〜3のいずれか1項に記載の洗濯機。
  5. 無機系抗菌物質は銀イオンを生成する物質とした請求項1〜4のいずれか1項に記載の洗濯機。
  6. 化合物形成物質は、無機系抗菌物質と反応して化合物を生成する負イオン性物質とした請求項1〜5のいずれか1項に記載の洗濯機。
  7. 化合物形成物質は水酸化物イオンを生成する物質とした請求項6に記載の洗濯機。
  8. 化合物形成物質発生体は、水に徐溶するガラスを練りこんだ樹脂を用いることによって水酸化物イオンを発生するようにした請求項7に記載の洗濯機。
  9. 化合物形成物質発生体は、ペレット形状の複数の成形体で構成した請求項8に記載の洗濯機。
  10. 化合物形成物質発生体は、複数のガラスの粗粒子で構成した請求項7に記載の洗濯機。
  11. 光照射手段から照射される光は紫外線とした請求項1〜10のいずれか1項に記載の洗濯機。
  12. 光照射手段の光の最大発光強度となる波長が、365nm〜400nmとした請求項11に記載の洗濯機。
  13. 光照射手段は、LEDを用いることとした請求項1〜12のいずれか1項に記載の洗濯機。
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