以下、この発明の洗濯機の一つの実施の形態として、洗濯乾燥機について図に基づいて説明する。
以下、この発明の一つの実施の形態を図に基づいて説明する。
図1はこの発明の洗濯機の一つの実施の形態として洗濯乾燥機の概略的な構成を示す一つの側断面図、図2はもう一つの側断面を示す図である。
図1と図2に示すように、洗濯乾燥機100は、外箱1と、外箱1内に支持されて取り付けられた、収容槽を構成する外槽としての水槽2と、水槽2の内部で回転可能に支持された、収容槽を構成する内槽としての回転ドラム3とを備える。
回転ドラム3の底には、モータ4で回転ドラム3を正逆に回転させる回転機構部が取り付けられている。回転ドラム3内の衣類を攪拌するためにバッフル5が回転ドラム3の内周壁面に取り付けられている。
繊維構造物として衣類6を出し入れすることができ、かつ、気密性と水密性を保つために内側扉部材としての内扉72が回転ドラム3の開口部に対して開閉可能に取り付けられている。内扉72には、外部から衣類6の状態を視認することができるように、また光が通過するようにドアガラスが設けられている。このようにして、内扉72は、回転ドラム3の開口部を塞ぐことができるように設けられている。
内扉72の外側には、外側扉部材としての外扉71が配置されている。外扉71は、外箱1に支持されて開閉可能に取付けられている。
図1に示すように、乾燥装置は、循環ファン9と空気加熱ヒータ10とを備える。空気加熱ヒータ10は空気を加熱する。循環ファン9は、空気加熱ヒータ10によって加熱された空気が衣類からの水分を蒸発させ、除湿するための経路として水槽2の内部、回転ドラム3の内部および冷却器8を連通して空気を循環させる。
光源部材20は、主に可視光を含む光を照射する蛍光灯、白熱灯、LED等からなる光源を備えている。外箱1に接続された一つの構造部材としての外扉71に光源部材20が取付けられている。収容槽内の空間としての水槽2内の空間と回転ドラム3内の空間とからの水蒸気等の流体が遮断された空間として、内扉72の外側の空間に光源部材20が配置されている。光源部材20は、内扉72のドアガラスを通じて、収容槽としての回転ドラム3の内周壁面、および/または、繊維構造物としての衣類6とに、矢印Pで示す方向に光を照射することができるように構成されている。また、回転ドラム3の周壁31には、光源部材20から放射される光が通過し、収容槽としての水槽2の内周壁面を照射することができるように回転ドラム3の周壁31を貫通する多数の小孔32が形成されている。
図3は、この発明の洗濯機のもう一つの実施の形態として洗濯乾燥機の概略的な構成を示す一つの側断面図である。
図3に示すように、洗濯乾燥機200では、光源部材20は、内扉72の外側に配置されるとともに、外箱1に接続された一つの構造部材としての上フレーム部材101に取り付けられている。外扉71は、内扉72の外側に配置されるとともに、外箱1に支持されている。反射部材としての鏡21は、外扉71の内側面に取り付けられ、光源部材20から発射される光を反射して、内扉72のドアガラスを通じて、収容槽としての回転ドラム3の内周壁面、および/または、繊維構造物としての衣類6とに、矢印Pで示す方向に光を照射することができるように構成されている。また、回転ドラム3の周壁31には、鏡21から放射される光が通過し、収容槽としての水槽2の内周壁面を照射することができるように回転ドラム3の周壁31を貫通する多数の小孔32が形成されている。
図4は、この発明の洗濯機の実施の形態にて水槽の取付構造を示す一つの側断面図である。図5は、この発明の洗濯機の実施の形態にて水槽の取付構造を示す一つの前断面図である。
図4と図5に示すように、洗濯乾燥機100または洗濯乾燥機200においては、水槽2の上下部に支持部材51が取り付けられている。支持部材51にはダンパーまたはばねの弾性部材52の一方端が取り付けられている。弾性部材52の他方端は、上フレーム部材101と下フレーム部材102のそれぞれに固着されている。このようにして、水槽2は、弾性部材52を介して上下フレーム部材101と102によって支持されている。
図5に示すように、上フレーム部材101は、横フレーム部材103と104とによって支持されている。外箱1は上フレーム部材101と下フレーム部材102と横フレーム部材103および104とに接続されている。このように構成されているので、水槽2が揺れ動いても、その振動は、外箱1に伝わり難く、外箱に接続された構造部材の一つとして、たとえば、外箱1に支持された外扉71にも伝わり難い。
以上のように構成された、この発明の洗濯機の一つの実施の形態としての洗濯乾燥機100または200においては、光源部材20が、外箱1に接続された一つの構造部材としての外扉71または上フレーム部材101に取り付けられている。収容槽としての水槽2と回転ドラム3とが洗濯工程にて揺れ動いても、その振動は、外箱1に接続された外扉71または上フレーム部材101等の構造部材に伝わり難い。このため、上記の振動は光源部材20には伝わり難い。したがって、洗濯乾燥機100または200の振動によって光源部材20の寿命が低下するのを防止することができる。
ところで、外扉71は開閉動作を行うための可動部である。通電のために配線する必要がある光源部材を可動部に設けると、扉の開閉等の動作時に断線が生じる恐れがある。そこで、図3に示す実施の形態の場合、可動部に鏡21が備えられ、非可動部に光源部材20が設けられている。このように非可動部に光源部材20が設けられているので、断線の恐れがなくなる。
また、収容槽としての水槽2と回転ドラム3の内部の空間は、内部で水を使用するので高湿度の雰囲気である。特に、乾燥工程では、温度を上げることによって洗濯物から水を揮発させるため、高温高湿の雰囲気になる。一方、高温の雰囲気内に光源部材を設けることは好ましくないため、光源部材を設ける空間に放冷機構を設けるなどして、光源部材を設ける空間の温度が収容槽内部の空間より低温になるように構成するのが望ましい。このため、収容槽内部の空間からの流体に光源部材が接触している場合には、顕著な結露が生じることになる。
そこで、洗濯乾燥機100または200においては、光源部材20は、収容槽としての水槽2と回転ドラム3の内部の空間からの流体が遮断された外の空間内に配置されている。このため、水槽2と回転ドラム3の内部の水蒸気等の流体が光源部材20に接触するのを防止することができるので、結露が光源部材20の表面に生じるのを防止することができる。したがって、光源部材20の光照射量を低下するのを防止することができる。
さらに、光源部材20は、水槽2と回転ドラム3の内部の空間からの流体が遮断された外の空間内に配置されているので、回転ドラム3の開口部から離れた空間に設けられる。これにより、光源部材20によって回転ドラム3の開口部からの衣類6の出し入れが妨げられることはない。
洗濯乾燥機100または200において、光源部材20は、回転ドラム3の開口部を塞ぐ内扉72の外側の空間内に配置されているので、回転ドラム3内の水蒸気等の流体が光源部材20に接触するのをより効果的に防止することができる。結露が光源部材20の表面に生じるのをより効果的に防止することができる。このため、光源部材20の光照射量を低下するのを防止することができる。さらに、光源部材20は、内扉72を介在して回転ドラム3の開口部から離れた空間に設けられるので、光源部材20によって回転ドラム3の開口部からの衣類6の出し入れが妨げられることはない。
洗濯乾燥機100では、回転ドラム3の開口部を塞ぐ内扉72と、構造部材として、内扉72の外側に配置され、外箱1に支持された外扉71とを備え、光源部材20は、外扉71に取り付けられている。回転ドラム3と水槽2が洗濯工程にて揺れ動いても、その振動は、外箱1に支持された外扉71に伝わり難い。このため、上記の振動は光源部材20には伝わり難い。これにより、洗濯乾燥機100の振動によって光源部材20の寿命が低下するのを防止することができる。
また、この場合、光源部材20は、内扉72の外側に配置されているので、回転ドラム3内の水蒸気等の流体が光源部材20に接触するのを防止することができる。このため、結露が光源部材20の表面に生じるのを防止することができる。したがって、光源部材20の光照射量を低下するのを防止することができる。
洗濯乾燥機200は、回転ドラム3の開口部を塞ぐ内扉72と、内扉72の外側に配置され、外箱1に支持された外扉71と、内扉72の外側に配置され、上フレーム部材101に取り付けられた光源部材20から発射される光を反射する反射部材としての鏡21とを備え、光源部材20は内扉72の外側に配置され、鏡21は外扉71に取り付けられている。回転ドラム3と水槽2が洗濯工程にて揺れ動いても、その振動は、外箱1に接続された上フレーム部材101、外扉71等の構造部材に伝わり難い。このため、上記の振動は光源部材20には伝わり難い。これにより、洗濯乾燥機200の振動によって光源部材20の寿命が低下するのを防止することができる。
また、この場合、光源部材20と鏡21は内扉72の外側に配置されているので、回転ドラム3内の水蒸気等の流体が光源部材20と鏡21に接触するのを防止することができる。このため、結露が光源部材20と鏡21の表面に生じるのを防止することができる。したがって、光源部材20からの光照射量を低下するのを防止することができる。
図6は、この発明の洗濯機の別の実施の形態として洗濯機または洗濯乾燥機の概略的な構成を示す一つの前断面図である。
図6に示すように、洗濯機または洗濯乾燥機300においては、光源部材20は、外箱に接続された構造部材に取り付けられている。光源部材20には、導光手段としての光ファイバ22が取り付けられている。光ファイバ22は、側面出射型の光ファイバであり、たとえば、合成樹脂からなるコアと、合成樹脂からなるクラッドとを備え、可撓性を有する。側面出射型の光ファイバでは、コア内を進行する光の一部をクラッド内を透過させて光ファイバの外部に出射させるように構成されている。光ファイバ22は、衣類等の繊維構造物を収容する内槽としての回転ドラム(または脱水槽)3と、回転ドラム3の外側に配置された外槽としての水槽2との間の空間内で、回転ドラム3の外周面または水槽2の内周面に沿って延びるように配置されている。光ファイバ22は螺旋状に配置されてもよい。また、回転ドラム3の周壁31には、光源部材20から光ファイバ22を通じて放射される光が通過し、回転ドラム3内の空間を照射することができるように回転ドラム3の周壁31を貫通する多数の小孔32が形成されている。
このように構成されているので、光ファイバ22は、構造部材に取り付けられた光源部材20から、収容槽としての回転ドラム3の外周壁面と水槽2の内周壁面、および/または、回転ドラム3内に収容された繊維構造物、まで光を導くことができ、収容槽としての回転ドラム3の外周壁面と水槽2の内周壁面、および/または、回転ドラム3内に収容された繊維構造物に光を光ファイバ22から照射することができる。
この実施の形態では、光源部材20は設置箇所に制約されないので、洗濯機または洗濯乾燥機300の振動による光源部材20の寿命の低下と結露等による光源部材20の光照射量の低下とを防止することができる。また、光源部材20は、設置箇所に制約されないので、回転ドラム3の開口部から離れた空間に設けられ得る。これにより、光源部材20によって回転ドラム3の開口部からの繊維構造物の出し入れが妨げられることはない。
この発明の実施の形態において、光源部材20としては、蛍光灯、電球、発光ダイオード(LED)、レーザー等を用いることができる。光源部材20は、殺菌灯、紫外線(UV)ランプ等のように紫外域の光を主に含む光源、近紫外線を照射するブラックライト等のように近紫外域の光を主に含む光源、ハロゲンヒータ等のように赤外域の光を主に含む光源を含むように構成されてもよいが、蛍光灯、白熱灯、発光ダイオード(白色、青色、赤色、緑色などのLED)、可視光レーザー等のように可視光を主に含む光源を用いて構成されるのが好ましい。
また、LED、蛍光灯という光源部材20は、温度が高い条件で使用すると、寿命が短くなってしまう。特に、LEDの場合、温度が高くなると、光出力が低下し、発光効率が低下し、その結果、消費電力が高くなるという問題も生じる。しかし、この発明の実施の形態では、光源部材20は、収容槽としての水槽2と回転ドラム3の内部の空間からの流体が遮断された外の空間内に配置されているので、比較的低温で光を照射することができるので、上記のような問題が生じるのを抑制することができ、光源部材20の寿命を長くすることができ、消費電力を低くすることができる。
この発明の洗濯機の一つの実施の形態では、図2に示すように洗濯乾燥機100は銀イオン付与部40を備えている。銀イオン付与部40は、給水管41と、給水管41に接続された銀イオン溶出ユニット42と、銀イオン溶出ユニット42と水槽2の給水口との間を接続する給水経路43とから構成される。銀イオン溶出ユニット42の内部には、2枚の板状の銀電極が間隔をおいて配置されている。給水管41を通じて銀イオン溶出ユニット42の内部に水を供給し、銀電極間に電圧を印加することにより、銀イオン溶出ユニット42の内部に銀イオンが溶出する。銀イオンを含む水は、給水経路43を通じて水槽2の内部に供給される。これにより、収容部としての水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と繊維構造物としての衣類6とに銀イオン水が付与される。
次に、以上のようにして構成された本発明の洗濯乾燥機100の概略的な動作について説明する。
図示しない制御部の信号により、モータ4が正逆に回転し、モータ4に直接に接続された回転ドラム3も同様に正逆に回転する。この回転により、回転ドラム3内の内周壁面に固定して設けられたバッフル5が衣類6を持ち上げ、下方に落下させる動作を繰り返すことにより、洗い工程は行なわれる。このようにして、洗い工程が、いわゆる叩き洗い効果を利用して行なわれる。
洗い工程が終了すると、排水ポンプ11を駆動させて水槽2内の水は排水ホース12から排出される。その後、すすぎ工程、脱水工程へ移行して洗濯工程が終了する。
洗濯工程を終了し、乾燥運転を開始すると、回転ドラム3の正逆の回転により、衣類6の上下運動による攪拌作用が起きるとともに、循環ファン9と空気加熱ヒータ10に電力が供給され、空気温度が上昇する。この加熱空気によって加熱された衣類から水分が蒸発して冷却器8内へ流入する。冷却器8内には、対向配置された上方の冷却水入口管13から冷却水が供給されているので、蒸発した水分が冷却されて凝縮する。この凝縮水は、排水ポンプ11側へ流れて冷却水と混合して排水される。除湿された空気は再び空気加熱ヒータ10に還流して加熱される。加熱空気は回転ドラム3内に流入して衣類6を加熱して、衣類6に含まれている水分を蒸発させる。この繰り返しによって衣類6の乾燥が進行する。この乾燥工程で用いられる衣類の加熱源は空気加熱ヒータ10である。一般的に空気加熱ヒータ10は、空気循環ダクト内に設けられ、抵抗発熱線を金属被覆して形成されたシーズヒータが用いられる。
次に、フローチャートを用いて洗濯乾燥機100の動作を順に説明する。
まず、図1と図2に示すように、使用者は、外扉71と内扉72とを開け、回転ドラム3の中に洗濯物として衣類6を入れるとともに、給水口の洗剤室(図示せず)に洗剤を入れる。必要であるなら、使用者は、仕上剤室(図示せず)に仕上剤を入れる。仕上剤は、洗濯工程の途中で入れてもよい。
洗剤の投入準備を整えた後、使用者は、外扉71と内扉72とを閉じ、操作パネルの操作スイッチ部の操作ボタン群(図示せず)を操作して洗濯条件(洗濯モード)を選ぶ。最後に、使用者がスタートボタンを押せば、制御部(図示せず)によって、図7〜図16に示すフローチャートに従い、上記の洗濯モードに応じた洗濯工程が遂行される。
図7は洗濯工程全体を示すフローチャートである。図7に示すように、まず、ステップS101では、洗い工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択がなされていれば、ステップS200に進む。ステップS200の洗い工程の内容は、別途、図8に示すフローチャートを用いて説明する。洗い工程終了後は、ステップS102に進む。一方、ステップS101にて、洗い工程の選択がなされていなければ、直ちにステップS102に進む。
ステップS102では、すすぎ工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS103に進む。
ステップS103では、除菌コースの選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS400に進む。一方、ステップS103にて、除菌コースの選択がなされていなければ、ステップS300に進む。
ステップS400の銀除菌すすぎ工程の内容は、別途、図10に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS300のすすぎ工程の内容は、別途、図9に示すフローチャートを用いて説明する。なお、すすぎ工程は、複数回にわたってもよい。すすぎ工程終了後は、ステップS500に進む。一方、ステップS102にて、すすぎ工程の選択がなされていなければ、直ちにステップS500に進む。
ステップS500の脱水乾燥選択工程の内容は、別途、図11に示すフローチャートを用いて説明する。脱水乾燥選択工程終了後は、ステップS104に進む。
ステップS104では、制御部による終了処理が手順に従って自動的に進められる。また、ステップS105にて、制御部は、洗濯工程が完了したことを終了音で使用者に報知する。すべての処理が終了した後、使用者はドアユニット7を開けて洗濯物を取り出し、ドアユニット7を閉じた後に、洗濯乾燥機100は、次の洗濯工程に備えて待機状態に戻るが、除菌コースの選択がなされている場合には、ステップS1000の槽内殺菌工程を行った後、次の洗濯工程に備えて待機状態に戻る。ステップS1000の槽内殺菌工程の内容は、別途、図16に示すフローチャートを用いて説明する。
次に、上記の洗濯工程のうち、洗い工程、すすぎ工程、銀除菌すすぎ工程、脱水乾燥選択工程、槽内殺菌工程の各個別工程の詳細について、図8〜図16に基づいて説明する。
まず、洗い工程について説明する。
図8は、洗い工程を示すフローチャートである。図8に示すように、ステップS201では、水位センサの検知している回転ドラム3内の水位データのとり込みが行われる。ステップS202では、容量センシングの選択がなされているかどうかを確認する。容量センシングが選択されていれば、ステップS203に進む。ステップS203では、回転ドラム3の回転負荷により洗濯物の量を測定する容量センシングを行う。そして、容量センシング後は、ステップS204に進む。一方、ステップS202にて、容量センシングが選択されていなければ、直ちにステップS204に進む。
ステップ204では、メイン給水弁(図示せず)が開き、メイン給水管および給水口を通じて回転ドラム3に水が注がれる。正確には、水槽2に水が注がれ、その水が小孔32を通じて回転ドラム3内に浸入する。給水口の洗剤室に入れられた洗剤も水に混じって回転ドラム3に投入される。このとき、排水弁は閉じられている。水位センサが設定水位を検知したら、メイン給水弁は閉じられる。そして、ステップS205に進む。
ステップS205では、なじませタンブリングを行う。このなじませタンブリングでは、回転ドラム3が低速で回転し、洗濯物である衣類6を水から出しては再び水の中に落下させて、衣類6に水を十分に吸収させる。また、衣類6の各所にとらわれていた空気を逃がす。
なじませタンブリングの後、ステップS206に移る。ステップS206では、回転ドラム3が洗いタンブリングのパターンで回転し、衣類6を高く持ち上げては落下させる。この落下時の衝撃により、衣類6の繊維の間に水の噴流が発生し、衣類6が洗われる。
洗いタンブリングの期間が経過した後、ステップS207に進む。ステップS207では、回転ドラム3がゆるやかに回転する。回転ドラム3がゆるやかに回転した場合、衣類6は高い位置に持ち上げられる前に、低い位置で回転ドラム3から離れて落下する。
ここで、衣類6が高い位置から落下した場合には、衣類6は回転ドラム3の内周壁面にたたきつけられ、内周壁面にぺたりとへばりつく。このため、回転ドラム3が高速の脱水回転を始めたとき、アンバランスが解消されにくい。
これに対して、衣類6が低い位置で回転ドラム3の内周壁面から離れた場合、衣類6はたたきつけられるというよりもむしろ転がるような感じになり、衣類6同士が比較的ふんわりと重なる。この状態であれば、回転ドラム3が高速の脱水回転を始めたときに、衣類6が四方に分散しやすい。すなわち、バランスをとりやすい。このため、回転ドラム3をゆるやかに回転させて衣類6をほぐし、脱水回転に備える。
次に、図9に示すフローチャートに基づいて、すすぎ工程の内容について説明する。
まず、ステップS600の脱水工程(ここでは、すすぎ工程の中の脱水工程であるため、中間脱水工程と称する)が行われるが、これについては、図12に示すフローチャートで説明する。ステップS600での中間脱水工程終了後は、ステップS301に進む。ステップS301では、メイン給水弁が開き、設定水位まで給水が行われる。
給水後、ステップS302に進む。ステップS302では、なじませタンブリングが行われる。なじませタンブリングは、洗い工程のステップS205で行った工程と同様である。
なじませタンブリングの後は、ステップS303に進む。使用者の設定に従い、回転ドラム3は、すすぎタンブリングのパターンで回転する。回転ドラム3は、回転により衣類6を水にくぐらせ、また上の方に持ち上げては落下させる。これにより、衣類6のすすぎが行われる。
すすぎタンブリングの期間が経過した後、ステップS304に移る。ステップS304では、回転ドラム3がゆるやかに回転して衣類6をほぐし、脱水回転に備える。
なお、上記の説明では、回転ドラム3の中にすすぎ水をためておいてすすぎを行う「ためすすぎ」を実行しているが、常に新しい水を補給する注水すすぎ、あるいは衣類6に水のシャワーを注ぎかけるシャワーすすぎを行ってもよい。
次に、図10に示すフローチャートに基づいて、銀除菌すすぎ工程の内容について説明する。図9に示すS300のすすぎ工程と異なる点は、ステップS600での中間脱水工程終了後にステップS401に進み、ステップS401では、給水弁が開き、給水管41を通じて設定水位まで給水が行われるが、銀イオン水が供給されることである。図2に示すように、給水管41を通じて銀イオン溶出ユニット42の内部に水を供給し、銀電極間に電圧を印加することにより、銀イオン溶出ユニット42の内部に銀イオンが溶出する。銀イオンを含む水は、給水経路43を通じて水槽2の内部に供給される。これにより、収容部としての水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と繊維構造物としての衣類6とに銀イオン水が付与される。
銀除菌すすぎ工程における他のステップS402〜S404は、すすぎ工程におけるステップS302〜S304と同様である。
次に、図11に示すフローチャートに基づいて、脱水乾燥選択工程の内容について説明する。図11に示すように、まず、ステップS501では、除菌処理の選択がなされているかどうかを確認する。選択がなされていれば、ステップS502に進む。一方、ステップS501にて、除菌処理の選択がなされていなければ、ステップS505に進む。
ステップS502では、脱水工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS503に進む。
ステップS503では、乾燥工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS600に進む。
ステップS600の脱水工程の内容は、別途、図12に示すフローチャートを用いて説明する。脱水工程終了後は、ステップS900に進む。一方、ステップS503にて、乾燥工程の選択がなされていなければ、ステップS700に進む。
ステップS700の光照射脱水工程の内容は、別途、図13に示すフローチャートを用いて説明する。ステップS900の光照射乾燥工程の内容は、別途、図15に示すフローチャートを用いて説明する。
ステップS502にて、脱水工程の選択がなされていなければ、ステップS504に進む。
ステップS504では、乾燥工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS900に進む。一方、ステップS504にて、乾燥工程の選択がなされていなければ、脱水乾燥選択工程を終了する。
ステップS505では、脱水工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS600に進む。
ステップS600の脱水工程の内容は、別途、図12に示すフローチャートを用いて説明する。脱水工程終了後は、ステップS506に進む。一方、ステップS505にて、脱水工程の選択がなされていなければ、直ちにステップS506に進む。
ステップS506では、乾燥工程の選択がなされているかどうかを確認する。選択されていれば、ステップS800に進む。
ステップS800の乾燥工程の内容は、別途、図14に示すフローチャートを用いて説明する。乾燥工程終了後は、脱水乾燥選択工程を終了する。一方、ステップS506にて、乾燥工程の選択がなされていなければ、脱水乾燥選択工程を終了する。
次に、図12に示すフローチャートに基づいて、脱水工程の内容について説明する。
まず、ステップS601で排水弁が開く。これにより、回転ドラム3の中の洗濯用水またはすすぎ用水は、排水弁を通じて排水される。排水弁は、脱水工程中は開いたままである。
所定時間が経過し、衣類6から大部分の水が抜けたところで、回転ドラム3が脱水回転を開始する。回転ドラム3が高速で回転すると、衣類6は遠心力で回転ドラム3の内周壁面に押しつけられる。これにより、衣類6に含まれていた水も、回転ドラム3の内周壁面に集まり、小孔32から放出される。小孔32を離れた洗濯用水またはすすぎ用水は、水槽2の内周壁面にたたきつけられ、水槽2の内周壁面を伝って水槽2の底部に流れ落ちる。そして、水は排水ホース12を通って、本体1の外に排出される。
図12に示すシーケンスでは、ステップS602とステップS603にて比較的低速の脱水運転を行った後、ステップS604とステップS605にて高速の脱水運転を行う。ステップS605の後は、ステップS606に移行する。ステップS606では、モータ4への通電を断つとともにブレーキを働かせることなく、回転ドラム3を慣性で回転させ、自然停止に至らせる。
次に、図13に示すフローチャートに基づいて、光照射脱水工程の内容について説明する。図12に示すS600の脱水工程と異なる点は、ステップS702の排水の前にステップS701にて光照射を開始し、ステップS707の慣性脱水の後にステップS708にて光照射を停止することである。ステップS701にて、図1に示すように、光源部材20は、主に可視光を含む光を照射する蛍光灯、白熱灯、LED等からなる光源から、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と衣類6とに、矢印Pで示す方向に光を直接、照射するように制御部が光照射を開始させる。光照射脱水工程における他のステップS702〜S707は、脱水工程におけるステップS601〜S606と同様である。脱水工程が終了すると、ステップS708にて、制御部が光照射を終了させる。このようにして、銀イオン水が付与された水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と衣類6とに、脱水工程の間に光を照射することによって、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と衣類6とを殺菌処理することができる。この殺菌効果は、可視光を含む光を照射する場合に特に顕著である。なお、ステップS702〜S707の脱水工程の後に、ステップS701とS708に従って光を照射してもよい。この場合、間欠的に回転ドラム3を回転させるのが好ましい。
次に、図14に示すフローチャートに基づいて、乾燥工程の内容について説明する。図14に示すように、ステップS801にて除湿・乾燥を行う。具体的には、図1に示すように、回転ドラム3の正逆の回転により、衣類6の上下運動による攪拌作用が起きるとともに、循環ファン9と空気加熱ヒータ10に電力が供給され、空気温度が上昇する。この加熱空気によって加熱された衣類から水分が蒸発して冷却器8内へ流入する。冷却器8内には、冷却水入口管13から冷却水が供給されているので、蒸発した水分が冷却されて凝縮する。この凝縮水は、排水ポンプ11側へ流れて冷却水と混合して排水される。除湿された空気は再び空気加熱ヒータ10に還流して加熱される。加熱空気は回転ドラム3内に流入して衣類6を加熱して、衣類6に含まれている水分を蒸発させる。この繰り返しによって衣類6の乾燥が進行する。
洗濯乾燥機100は水冷除湿機構を備えており、上述したように除湿・乾燥が行われるが、低温で乾燥工程を行うために、水冷除湿機構の代わりにヒートポンプ装置を備えていてもよい。ヒートポンプ装置を採用した洗濯乾燥機の場合、除湿部の温度を水温より低く設定することが可能であるので、水冷に比べ、除湿部の空気温度を低くすることができる。このため、高温部の空気温度を低くしても、高効率の乾燥を行うことができる。なお、水冷除湿機構を備えた洗濯乾燥機100であっても、乾燥工程を長時間行うことで、低温での乾燥が可能である。この場合の低温とは、30〜80℃程度、好ましくは40〜65℃程度である。
除湿・乾燥を所定時間行った後、ステップS802にて停止処理を行い、乾燥工程を終了する。
次に、図15に示すフローチャートに基づいて、光照射乾燥工程の内容について説明する。図14に示すS800の乾燥工程と異なる点は、ステップS902の除湿乾燥の前にステップS901にて光照射を開始し、ステップS903の停止処理の後にステップS904にて光照射を停止することである。ステップS901にて、図1に示すように、光源部材20は、主に可視光を含む光を照射する蛍光灯、白熱灯、LED等からなる光源から、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と衣類6とに、矢印Pで示す方向に光を直接、照射するように制御部が光照射を開始させる。光照射乾燥工程における他のステップS902〜S903は、乾燥工程におけるステップS801〜S802と同様である。乾燥工程が終了すると、ステップS904にて、制御部が光照射を終了させる。このようにして、銀イオンが付与された水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と衣類6とに、乾燥工程の間に光を照射することによって、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面と衣類6とを殺菌処理することができる。なお、ステップS902〜S903の乾燥工程の後に、ステップS901とS904に従って光を照射してもよい。この場合、間欠的に回転ドラム3を回転させるのが好ましい。
最後に、図16に示すフローチャートに基づいて、槽内殺菌工程の内容について説明する。ステップS1001にて光照射を開始し、ステップ1002にて光照射を停止することである。ステップS1001にて、図1に示すように、光源部材20は、主に可視光を含む光を照射する蛍光灯、白熱灯、LED等からなる光源から、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面に、矢印Pで示す方向に光を直接、照射するように制御部が光照射を開始させる。所定時間の光照射の後、ステップS1002にて、制御部が光照射を終了させる。このようにして、銀イオンが付与された水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面とに、運転が終了した後に光を照射することによって、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面とを殺菌処理することができる。
なお、この発明の洗濯機の一つの実施の形態においては、回転ドラム3から衣類6を取り出した後、上記の槽内殺菌工程にて、光源部材20が水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面とに光を照射するようにしてもよく、回転ドラム3から衣類6を取り出す前に、上記の槽内殺菌工程にて、光源部材20が衣類6と水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面とに光を照射するようにしてもよい。
また、ステップS700の光照射脱水工程にて光照射が開始され、その後、洗濯運転を終了させる場合には、洗濯運転終了後、所定時間経過後に光の照射を停止させるようにしてもよい。また、ステップS900の光照射乾燥工程にて光照射が開始され、その後、乾燥運転を終了させる場合には、乾燥運転終了後、所定時間経過後に光の照射を停止させるようにしてもよい。このようにすることによって、槽内を殺菌したい場合に、洗濯運転終了後または乾燥運転終了後に、回転ドラム3から衣類6を取り出した後、効率的に所定時間、槽内に光を照射することができる。また、所定時間経過後に光の照射が停止するので、使用者が終了まで待機する必要がない。このとき、回転ドラム3を回転させること等によって、水槽2の内周壁面と回転ドラム3の外周壁面および内周壁面だけでなく、槽内の空間に均一に光が照射されるようにしてもよい。
さらに、内扉72と外扉71とを開いて回転ドラム3から衣類6を取り出し、内扉72と外扉71とを閉じた後に、光照射を開始してもよい。このようにすることによって、衣類6が取り出された後に閉じられた空間で光の照射を開始することができる。
なお、この発明の洗濯機の実施の形態として、洗濯乾燥機を乾燥目的のみで用いる場合に、衣類、布団、敷物等の繊維構造物に予め銀イオン水を付与して、その繊維構造物を収容槽に入れて、乾燥工程の間に光照射を行ってもよい。また、この発明の洗濯機の実施の形態として、洗濯機、洗濯乾燥機等を脱水目的のみで用いる場合に、水を含む衣類、布団、敷物等の繊維構造物に予め銀イオン水を付与して、その繊維構造物を収容槽に入れて、脱水工程の間に光照射を行ってもよい。
また、繊維構造物に銀イオン水を付与して光照射を行う場合には、光源部材として可視光を含むものを利用するのが望ましいが、銀イオン水付与の有無にかかわらず、紫外光を含む光源部材を用いて、紫外光による殺菌作用をもたらすようにしてもよい。
以上に開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は、以上の実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正や変形を含むものである。
1:外箱、2:水槽、3:回転ドラム、6:衣類、20:光源部材、22:光ファイバ、71:外扉、72:内扉、100,200,300:洗濯乾燥機、101:上フレーム部材。