JP4821569B2 - フーチングと鋼管杭の接合構造 - Google Patents

フーチングと鋼管杭の接合構造 Download PDF

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Description

本発明は、構造物の下部に設けられるフーチングと、当該フーチングの下に設置されて構造物を支持する杭とを接合する、フーチングと杭の接合構造に関する。
ピン接合構造に対し、より安定でかつシンプルな杭頭接合構造を得るため、例えば、特許文献1が提案されている。この発明では、杭の上端部を1本または複数本の細径の棒状体に置き換え、杭頭接合部を剛結合とピン結合の中間の状態(半剛結合と呼ばれる)として支持する構造が開示されている。この構造では、杭もしくは杭頭部に作用する最大モーメントが低減されることから、杭形状の合理化(特に、杭の最大板厚を低減できる、もしくはフーチングの大きさと強度を低減できる)が可能となる。図11に、特許文献1の最も特徴的な例を示す。
特開2001−159142号公報
特許文献1の接続部鋼管2については、その直径と板厚との比についての規定があるのみで、当該接続部鋼管2の具体的形状は詳細に言及していない。そこで、コストや製作日数に優れた接続部鋼管2について、さらに鋭意検討した結果、以下のような知見が得られた。
図11に示した杭頭接合部においては、鉛直軸力、水平せん断力および曲げモーメントといった荷重を、フーチング1から接続部鋼管2を介して鋼管杭3に伝達するため、例えば、特許文献1では、リブ121aを多数段取付けることが開示されている。この方法では、取付に関わる材料費や加工費といったコスト、または製作日数が増加傾向にあるので、荷重伝達用により好適な形状を検討することは重要である。
また、接続部鋼管2は、上記の荷重に対し鋼管杭3と同程度の耐荷力を有することも必要である。しかし、接続部鋼管2は鋼管杭3に比べて直径が小さいため、鋼管杭3と同等の耐荷力を有するためには、その板厚を厚くする必要がある。実際には、その様な直径が小さく板厚の厚い鋼管は特注品となることが多く、現状では、鋼重による材料費だけでなく材料調達日数が増加する傾向にある。
本発明は、上記の材料費や加工費といったコスト、もしくは材料調達日数が増加する傾向を解決し、経済性に優れたフーチングと杭の接合構造を得ることを目的としている。
本発明の課題は以下の手段で達成可能である。
1.構造物の下部に設けられるフーチングと、該フーチングの下に設置されて構造物を支持する鋼管杭とを、両者の間に設けた接続部鋼管を介して接合するフーチングと鋼管杭の接合構造であって
前記接続部鋼管は、中間の大径厚肉管部と、その両端に段差をもって連成された小径薄肉管部を備えると共に
前記接続部鋼管の一端側が前記フーチングの下端部に、および前記接続部鋼管の他端側が前記鋼管杭の上端内部にそれぞれ挿入され、かつ前記接続部鋼管と前記フーチング、ならびに前記接続部鋼管と前記鋼管杭がそれぞれコンクリートを介して接合されることを特徴とするフーチングと鋼管杭の接合構造
2.接続部鋼管の少なくとも一端に、支圧用鋼板が取り付けられたことを特徴とする1に記載のフーチングと鋼管杭の接合構造
3.接続部鋼管の両端部に設けられた段差tsは、接続部鋼管の中間の大径厚肉管の板厚tmaxの0.4倍以上、0.6倍以下であることを特徴とする1または2に記載のフーチングと鋼管杭の接合構造
4.接続部鋼管の端から段差までの長さLは、接続部鋼管のコンクリートへの埋め込み長Lpの半分以下であることを特徴とする1乃至3の何れかに記載のフーチングと鋼管杭の接合構造
5.接続部鋼管の端から段差までの長さLを、段差tsの10倍以上とすることを特徴とする1乃至4の何れかに記載のフーチングと鋼管杭の接合構造
6.接続部鋼管は、内管に内径が前記内管の外径とほぼ等しい外管が固定されてなり、前記外管は前記内管の外周面を覆っていることを特徴とする1乃至5の何れかに記載のフーチングと鋼管杭の接合構造
7.内管の外周面と外管の両端が溶接により固定されることを特徴とする6に記載のフーチングと鋼管杭の接合構造
本発明は、接続部鋼管の上端部および下端部に段差が設けられ、かつその段差の数を減らしたことにより、材料費や加工費、または製作日数を低減できる。
また、上記(6)の発明によれば、接続部鋼管を内管と外管の二重管構造とすることにより、使用する鋼管の板厚を設計上必要な板厚の半分程度とできるため、市場において適合する品種を入手することがより容易になり、材料費や材料調達日数を低減できる。
図1は、本発明に係る接合構造の実施の形態を模式的に示した断面図である。図1において、従来例を示した図11と同一部分には同一の符号を付している。本発明においては、鋼管杭3とフーチング1とを、両者の間に設けた鋼管杭3よりも小径の接続部鋼管2を介して接合する構造であって、接続部鋼管2の上端側がフーチング3の下端部に、および接続部鋼管2の下端側が鋼管杭3の上端内部にそれぞれ、所定の埋め込み長Lpをもって挿入され、該接続部鋼管2とフーチング1および鋼管杭3がコンクリート4を介して接合されたものである。図1において、接続部鋼管2の内管23の上端からフーチング1の底をフーチング埋め込み長Lp1、接続部鋼管2の内管23の下端から鋼管杭3の上端までを杭埋め込み長Lp2とする。また、上記コンクリート4は、フーチング1、鋼管杭3の上端内部および接続部鋼管2の内部に充填されている。また、鋼管杭3の内周面には、当該コンクリート4より各種荷重を鋼管杭3に伝達するためのリブ31が、複数本設けられている。この接続構造において、フーチング1と鋼管杭3との間にかかる、鉛直軸力、水平せん断力および曲げモーメントといった荷重は、接続部鋼管2を介して伝達される。
その為に、本実施の形態においては、接続部鋼管2は以下の構造を有している。図2(a)は、図1における接続部鋼管2のみを拡大して、横から見た様子を模式的に示した図である。図2(a)において、接続部鋼管2は、内管23と、その内管23の外径とほぼ等しい内径の外管24と、内管24の上端および下端に隅肉溶接で固定された支圧用鋼板22からなる。外管24は2分割された状態で、内管23の外周面を上端部と下端部の一部を残して覆っている。さらに、外管24の上端および下端は、内管23の外周面に隅肉溶接で固定されている。ここで、外管24の軸方向の長さは、内管23のそれよりも長さL(さらに上端側をL1、下端側をL2とする)だけ短い。そのため、コンクリート4に埋め込まれた接続部鋼管2の上端部と下端部の外径d1は、前記接続部鋼管の中間部の外径d2より小さくなり、上端部と中間部の外径、および下端部と中間部の外径は、それぞれ外管24の板厚に等しい段差21で接続されることになる。
段差21は、上端側のものはフーチング1のコンクリート4の中に、および下端側のものは鋼管杭3の上端内部のコンクリート4の中に埋め込まれている。この段差21により接続部鋼管2は、鉛直軸力、水平せん断力および曲げモーメントといった荷重を、フーチング1から鋼管杭3に、あるいは、鋼管杭3にからフーチング1へ伝達することができる。
図2(b)は、(a)の支圧用鋼板22を除いた鋼管部分のみを、断面から見た様子を示している。この場合、接続部鋼管2全体の内径は場所により変化しないが、端から段差21までにおける外径d1は中心部における外径d2よりも小さくなるので、耐力設計上、接続部鋼管2に必要な板厚tmaxより、上端部と下端部の板厚tminは薄くなる。しかし、接続部鋼管2の中央部は、接続部鋼管2の端部から伝達する荷重に加えて段差21から伝達する荷重が加わるのに対し、接続部鋼管2の上下端部は、接続部鋼管2の端部から伝わる荷重のみ負担できれば良いので、接続部鋼管2全体の耐力としては問題は無い。以上の理由により、接続部鋼管2は、各種荷重を伝達する機能を発揮することができる。
むろん、段差ts(図1および図2では、外管24の板厚に相当する)が長いほど、荷重伝達機能が高まるが、一方で、上下両端部における接続部鋼管2の板厚tminが薄くなり、フーチングと鋼管杭の接合構造にかかる曲げモーメントによりこの部位で破壊するおそれがある。段差tsと中間部における接続部鋼管2板厚tmaxの最適な関係としては、下記のとおり考える。
後述する図3に示した計算結果によると、段差21の位置を接続部鋼管2の埋め込み部の中央とすると、段差21の位置におけるモーメントは、最大モーメントのおよそ1/2となる為、接続部鋼管2の上下端部における板厚tminは、中間部における板厚tmaxの半分であることが合理的である。ただし、曲げモーメントに加えて押込み力が作用する場合や、接続部鋼管2のコンクリート4への埋め込み長Lpが変化した場合、応力分布に若干の変化が生じる為、段差tsは中間部板厚tmaxの0.4倍以上、0.6倍以下と考えることが適切である。
はり−バネモデルにより、接続部鋼管2のコンクリート4埋め込み部に作用するモーメント分布を計算した。接続部鋼管2の片端側における端から段差21までの長さLを、埋め込み長Lpに対してi:0.7Lp、ii:0.5Lp、iii:0.3Lpと変化させた場合の、耐荷力の変化の結果を、図3に示す。横軸が軸力0とした場合の作用モーメント比、縦軸が、上端側もしくは下端側における埋め込み長Lpに対する、埋め込み部におけるコンクリート4表面からの距離の比を示している。ここで、作用モーメント分布(符号:−◆−)に対し、上記3条件の接続部鋼管2の耐荷力分布を重ねると、iii:L=0.3Lpとii:L=0.5Lpの場合に、接続部鋼管2の耐荷力が常に作用モーメント以上となることが分かる。これは、埋め込み長Lpに対し接続部鋼管2の端から段差21までの長さLを短くした(本実施の形態の如く内管23と外管24からなる場合は、内管23の軸方向の長さに対して、外管24の軸方向長さを短くしすぎない)場合、上端部および下端部の板厚tminの部分に大きな応力が発生しても、破壊に至る可能性を非常に低くできることを示している。よって、接続部鋼管2の端から段差21までの長さLは、接続部鋼管2のコンクリート4への埋め込み長Lpの半分以下であることが望ましい。さらに、接続部鋼管2の板厚tmaxである中間部の軸方向長さを減らして、材料費にかかるコストを低減するならば、作用モーメント分布に耐荷力が最も近くなる、接続部鋼管2の片端における端から段差21までの長さLが接続部鋼管のコンクリート4への埋め込み長Lpの半分(ii:L=0.5Lp)とすれば、さらに望ましい。
支圧用鋼板22は、接合部鋼管2の荷重伝達機能を高めるためのもので、接続部鋼管2の上下両端に、接続部鋼管2よりも径の大きい鋼板を溶接にて接合する。本実施の形態における支圧用鋼板22は、その中心に孔22aが開いており、ここから、接続部鋼管2の内部にコンクリート4を充填することができる。この場合、受圧面積が減り荷重伝達性能が低下するが、孔が開いておらずコンクリート4が充填されていない場合と比べて、作用押込み力増加に伴う杭頭部の接合程度(回転剛性)の上昇が抑えられる利点がある。むろん、支圧用鋼板22に孔を開けずに、接続用鋼管2を閉塞させても良く、荷重伝達機能に対する要求と、フーチングと鋼管杭との接合部および杭上端部の接合程度との関係で、適宜選択すれば良い。
また、支圧用鋼板22と同様の荷重伝達機能を持つものとして、フラットバー、異形鉄筋、スタットもしくは形鋼等を、接続部鋼管2の上端、下端、上端の近傍または下端の近傍のうち少なくとも一箇所に配置しても良い。
支圧用鋼板22を設置する場合は、段差21と支圧用鋼板22との間隔が極端に短いと、段差21において十分な荷重伝達力を発揮し難くなるため、適当な間隔を設けると、なお良い。図4に、段差21と支圧用鋼板22との間隔(即ち、接合部鋼管2の端から段差21までの長さL)が最も短い場合を示した。発明者らの検討範囲では、接続部鋼管2の片端側における端から段差21までの長さLは、接続部鋼管2の中間部における直径d2の半分以上か、あるいは段差tsの10倍以上、とするのが、より好適であった。これは、接続部鋼管2の板厚tmax、tminに対する与条件も考慮して、適切な長さLを決定すれば良い。
次に、上記のように構成されたフーチングと鋼管杭の接合構造の施工方法について、図1と図2に示した実施の形態を例に挙げて、施工順に説明する。
(1)先ず、施工に用いる鋼管杭3と接続部鋼管2を、工場にて製造し、施工現場に搬入する。
(2)そして、鋼管杭3を所定の間隔を離して地盤に打設する。鋼管杭3の上部に接続部鋼管2を、下部側の所定長さLp2を鋼管杭3に挿入するようにして配置する。接続部鋼管2の上端側の所定長さLp1を包含するようにしてフーチング1の鉄筋(図示せず)の配筋を行う。
(3)次に、フーチング1の配筋が終了後、図示しない型枠を設置して、フーチング1、鋼管杭3、接続部鋼管2にコンクリート4の打設を行う。コンクリート4が乾くと型枠を取り外して作業を完了する。
本発明は、接続部鋼管2の上端側および下端側に段差21が設けられることにより、この段差21によって、鉛直軸力、水平せん断力および曲げモーメントといった荷重伝達が可能となる。また、段差21の数を減らしたこととで、材料費や加工費、または製作日数を低減できる。
また、本実施の形態の如く、接続部鋼管2を内管23と外管24の二重管構造とすることにより、使用する鋼管の板厚を設計上必要な板厚の半分程度とできるため、市場において適合する品種を入手することがより容易になり、材料費や材料調達日数を低減できる。さらに、外管24を2分割して、それぞれの分割片24a、24bを内管23に固定する構造により、外管24の内径の調整や曲率の矯正を行いやすくなり、外管24が内管23の外周面の一部をうまく覆うことができる。さらに、接続部鋼管2の片端側における端から段差21までの長さLを、外管24と内管23との軸方向の長さの差にて、設定することができ、長さLの調整が簡便になる。さらに、段差tsは、外管24の板厚にて設定することができ、段差tsの調整も簡便になる。
なお、本実施の形態の如く、接続部鋼管2を内管23と内径が当該内管の外径とほぼ等しい外管24とからなる二重管構造とした場合、内管23と外管24へ均等に荷重を負担させて、フーチングと鋼管杭の接合構造として機能を十分に発揮するために、内管と外管24とを溶接等により固定することが望ましい。発明者らの検討結果から、外管24の両端のみを内管23の外周面に固定すれば、十分な耐荷力を得ることが可能となる。具体的な固定方法は、隅肉溶接の他、本発明が使用される施工現場にて、一般的に使用されている方法あるいは公知の方法であれば、問題なく使用できる。フーチングと鋼管杭の接合構造として要求される仕様、施工現場における要求、加工費用等を考慮の上、最適な方法を適宜選択すれば良い。
なお、本実施の形態においては、外管24を2分割して、それぞれの分割片24a、24bを内管23に固定したが、本発明は、外管24の設置形態はこの2分割した分割片で覆う形態に限定しない。例えば、図5に断面図として例示したように、(a)(b)3分割して分割片24a、24b、24cで内管23の一部を覆ったり((a)上面断面図、(b)側面断面図)、(c)(d)スリットを入れた鋼管を被せたり((c)上面断面図、(d)側面断面図)しても良い。製作のし易さを考慮して適切な形態を、適宜選択すれば良い。いずれの形態を選択しても、外管24の上端と下端を共に、内管23の外周面に溶接にて固定すれば、本発明の効果を奏する。
なお、本実施の形態においては、接続部鋼管2を、内管23と外管24とからなる二重管構造としたが、本発明はこれに限定するものでは無い。接続部鋼管2を形成する方法としては、(1)鋳造による方法、(2)板厚の薄い上端部と下端部、ならびに板厚の厚い中間部を接合する方法、等がある。どの方法を選択するかは、接合構造に要求される耐荷力、材料費、もしくは材料調達日数等を考慮して、適宜選択すれば良い。
なお、本実施の形態においては、フーチング1の下部に1本の鋼管杭3を接合する場合について説明したが、本発明はこれに限るものではなく、例えばフーチングの下部に複数の鋼管杭3を接合する場合であっても、フーチング1が基礎梁等に接合されてフーチング1が固定になるような場合も含むものである。
なお、本実施の形態の鋼管杭31の内周面に形成するリブまたは突起は、圧延で形成してもよいし、あるいは転造で形成してもよい。また、あるいは機械加工で形成してもよいし、突起を溶接してもよい。さらに、またリブ付の鋼板や突起付き鋼板より造管して作成してもよい。
実施例1として、本発明に係る接合構造に対する一定軸力作用下(980kN)の曲げ試験を行った。試験対象とした接合構造は、図1および図2に示した実施の形態に準じて、試験体を設定した。図6に、その発明例試験体を模式的に示した側面からの断面図を示す。比較例として、接続部鋼管2を中間部の板厚tmaxが発明例と同一でかつ全長に渡って一定である形状とした、接合構造を設定した。図7に、その比較例試験体を模式的に示した側面からの断面図を示す。双方の試験体とも、図1および図2に示した形態と同一のものは同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
それぞれの接続部鋼管2の中間部での直径d2を200mm、中間部板厚tmaxを16mm、発明例の場合の上端部と下端部の板厚tminを8mm、コンクリート4への埋め込み長Lpは上端側と下端側とも300mm、接続部鋼管2の片端側における端から段差21までの長さLは150mm、とした。また、支圧用鋼板は直径220mm、中心部の孔径168mmとし、接続部鋼管2の上端と下端に固定した。接続部鋼管2を埋め込む鋼管杭3は、板厚12mm、外径400mm、長さが1000mmとし、一方フーチング1は、一辺800mmの矩形断面で高さ750mmとした。コンクリート4は、フーチング1の全部、鋼管杭3の内部深さ750mmまで、および接続部鋼管2の内部に充填した。但し、接続部鋼管2のほぼ中央に、コンクリート4が巻かれていない箇所が高さ約50mm存在している。試験用の荷重は、水平力と鉛直力共に鋼管杭より入力した。
これら試験体の試験結果として、曲げモーメントと鋼管杭上部回転角との関係を図8に示す。本実施の形態の接続部鋼管2の耐荷力性能は、板厚が薄い箇所が上端側と下端側に存在していても、比較例と比べて、同等であることが確認できた。
実施例2として、本発明に係る接合構造に対する押込み載荷試験を行った。試験対象とした接合構造は、図1および図2に示した実施の形態に準じて、試験体を設定した。図9に、その発明例試験体を模式的に示した側面からの断面図を示す。この試験体において、図1および図2に示した形態と同一のものは同一の符号を付し、詳細な説明は省略する。
接続部鋼管2の段差tsは15mm、中間部での直径d2を300mm、中間部板厚tmaxを30mm、上端部と下端部の板厚tminを15mm、コンクリート4への埋め込み長Lpは300mm、とした。また、支圧用鋼板は直径340mm、中心部の孔径240mmとし、接続部鋼管2の上端と下端に固定した。接続部鋼管2を埋め込む鋼管杭3は、板厚12mm、外径600mm、とした。コンクリート4は、鋼管杭3の内部深さ750mmまでと、接続部鋼管2の内部に充填した。接続部鋼管2のほぼ中央に、コンクリート4が巻かれていない箇所が高さ約50mm存在している。試験用の鉛直荷重は、接続部鋼管2の鋼管杭に埋設されていない方の端面より入力した。
この試験体の試験結果として、接続部鋼管2の端から段差21までの長さLと鉛直耐荷力との関係を図10に示す。接続部鋼管2の片端側における端から段差21までの長さLを、パラメータとして変化させ、その影響を調べた。対象は、L=45mm(3×ts)、L=100mm(6.7×ts)、L=150mm(10×ts)、L=225mm(15×ts)の4水準である。図10に示した試験結果から、最大鉛直耐力は、L=150mm(10×ts)までは増加するが、それ以上では頭打ちとなっている。即ち、十分な荷重伝達力を発揮しつつ最も材料費を安くできる、接続部鋼管2の片端における端から段差21までの長さ(内管23の軸方向長さと外管24の軸方向長さの差)Lは、L=150mm(10×ts)となり、この値を採用することで、材料費が低減できかつ材料の市場入手が容易となる、コストパフォーマンスの高い、接合構造とすることができる。
本発明に係る接合構造の実施の形態を模式的に示した断面図。 図1の実施の形態における接続部鋼管の拡大図。 接続部鋼管のコンクリート埋め込み部における作用モーメント分布(計算値)。 本発明に係る接合構造における接合部鋼管の端から段差までの長さLが最も短い場合を示した図。 本発明に係る接合構造の接続部鋼管を構成する外管の配置の例を示した図。 本発明に係る接続構造の試験体の形状を示した図。 比較用接合構造の試験体の形状を示した図(接続用鋼管に段差が無い場合)。 曲げモーメントと杭頭回転角の関係に対する試験結果を示した図。 接続部鋼管端から段差までの長さLと鉛直耐荷力の関係の試験体形状を示した図。 接続部鋼管端から段差までの長さLと鉛直耐荷力の関係に対する試験結果を示した図(図中のtsは段差の長さ)。 フーチングと杭を接続部鋼管を利用して半剛結合した例(従来技術)。
符号の説明
1 フーチング
2 接続用鋼管
21 段差
22 支圧用鋼板
23 内管
24 外管
24a、24b、24c 外管の分割片
25 隅肉溶接部
26 鋼管
3 鋼管杭
31 リブ
4 コンクリート
121a リブ
ts 段差(その大きさを示す)
d1 接続部鋼管の上端部と下端部における外径
d2 接続部鋼管の中間部における外径
L 接続部鋼管の片端側における端から段差までの長さ(もしくは、実施の形態においては内管と外管との長さの差)
L1 接続部鋼管の上端側における端から段差までの長さ(もしくは、実施の形態においては上端側の内管と外管との長さの差)
L2 接続部鋼管の下端側における端から段差までの長さ(もしくは、実施の形態においては下端側の内管と外管との長さの差)
Lp 接続部鋼管の埋め込み長
Lp1 接続部鋼管の埋め込み長(フーチング側)
Lp2 接続部鋼管の埋め込み長(鋼管杭側)
tmax 接続部鋼管の中間部における板厚
tmin 接続部鋼管の上端部および下端部における板厚

Claims (7)

  1. 構造物の下部に設けられるフーチングと、該フーチングの下に設置されて構造物を支持する鋼管杭とを、両者の間に設けた接続部鋼管を介して接合するフーチングと鋼管杭の接合構造であって、
    前記接続部鋼管は、中間の大径厚肉管部と、その両端に段差をもって連成された小径薄肉管部を備えると共に、
    前記接続部鋼管の一端側が前記フーチングの下端部に、および前記接続部鋼管の他端側が前記鋼管杭の上端内部にそれぞれ挿入され、かつ前記接続部鋼管と前記フーチング、ならびに前記接続部鋼管と前記鋼管杭がそれぞれコンクリートを介して接合されることを特徴とするフーチングと鋼管杭の接合構造。
  2. 接続部鋼管の少なくとも一端に、支圧用鋼板が取り付けられたことを特徴とする請求項1に記載のフーチングと鋼管杭の接合構造。
  3. 接続部鋼管の両端部に設けられた段差tsは、接続部鋼管の中間の大径厚肉管の板厚tmaxの0.4倍以上、0.6倍以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のフーチングと鋼管杭の接合構造。
  4. 接続部鋼管の端から段差までの長さLは、接続部鋼管のコンクリートへの埋め込み長Lpの半分以下であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のフーチングと鋼管杭の接合構造。
  5. 接続部鋼管の端から段差までの長さLを、段差tsの10倍以上とすることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載のフーチングと鋼管杭の接合構造。
  6. 接続部鋼管は、内管に内径が前記内管の外径とほぼ等しい外管が固定されてなり、前記外管は前記内管の外周面を覆っていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載のフーチングと鋼管杭の接合構造。
  7. 内管の外周面と外管の両端が溶接により固定されることを特徴とする請求項6に記載のフーチングと鋼管杭の接合構造。
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