JP4821159B2 - エポキシ樹脂組成物の製造方法 - Google Patents
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Description
工程(1)は、ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)の全量および他のエポキシ樹脂(C)の少なくとも一部と、熱可塑性樹脂(E)とを、予備重合触媒、好ましくは三フッ化ホウ素アミン錯体または三塩化ホウ素アミン錯体である触媒を共存させて、溶融混合により予備重合させる工程である。ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)と、他のエポキシ樹脂(C)を選択的に予備重合することにより、低分子量成分であるビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)が、(C)成分と選択的に重合反応し、分子量を高め、粘度を高くすることができる。また予備重合は、配合する触媒の量および温度により制御することができるため、過度に重合が進むことはない。
工程(2)は、工程(1)の生成物の入った反応槽に、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)および硬化剤(D)の少なくとも一部を配合して、溶融混合させて、予備反応させる工程である。ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)が、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)および硬化剤(D)と選択的に反応して、その粘度をさらに高めることができる。
工程(3)は、エポキシ樹脂組成物の全ての構成成分を配合し、溶融混練によりエポキシ樹脂組成物を得るものである。具体的には、工程(2)の生成物に対して、(B)〜(D)成分の残量と、(F)成分とを、配合して、加熱ロール等により、溶融混合する工程である。工程(3)における溶融混練は、温度が、好ましくは40〜80℃、より好ましくは50〜70℃であり、時間が、好ましくは0.5〜3時間、より好ましくは1〜2時間である。工程(3)の温度が、上記範囲未満であると樹脂の粘度が高いため相溶性が不十分となることがあり、上記範囲を超えると樹脂間の反応を過剰に促進する可能性があるため、好ましくない。また、工程(3)の時間が、上記範囲未満であると十分に混練して相溶した樹脂組成物が得られない傾向があり、上記範囲を超えると十分な相溶状態が得られるが作業時間が長期化して生産性が低下し、また樹脂間の反応が促進し過ぎる可能性があり、好ましくない。
各エポキシ樹脂組成物を、リバ−スロ−ルコ−タ−を用いて離型紙上に塗布して、樹脂目付65g/m2の樹脂フィルムを作製した。次いでこの樹脂フィルム2枚を平織状に織られた炭素繊維(東レ社製T300−3K)の両面から重ね合わせて、加熱加圧してエポキシ樹脂組成物を炭素繊維に含浸させた。エポキシ樹脂組成物を含浸させた後、離型紙を剥離して、剥離面の片面にポリエチレンフィルムを配して巻き取り、プリプレグシ−トを得た。
各エポキシ樹脂組成物からなるプリプレグを2枚積層し、これをハニカムコア(昭和飛行機工業社製ノーメックスハニカムSAH−1/8−8.0)の両面に配置した後、バッグに入れ、これをオ−トクレ−ブ内で温度180℃、2時間(昇温速度2.8℃/分)加熱し、硬化させてハニカムパネルを作製した。この間、オ−トクレ−ブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。
レオメトリックス社製の動的粘弾性装置(ARES−II)を使用して、パラレルプレ−ト法(直径25.4mm)により、測定温度範囲25〜180℃、昇温速度2.8℃/分、周波数10rad/秒、ひずみ1%の条件の下でそれぞれの樹脂の複素粘性率の最低粘度(Pa・s)を測定し、その結果を表1に記載した。
各プリプレグを、ハニカムコア(昭和飛行機工業社製ノーメックスハニカムSAH−1/8−8.0)の両面に配置した後、オ−トクレ−ブ内で180℃、2時間(昇温速度2.8℃/分)加熱、硬化させたハニカムパネルを目視することによりフィレット形成性を以下の三段階基準により、評価した。
○: ハニカムコアの両端面に十分なフィレットが形成されている
△: ハニカムコアの両端面、または片面に部分的に偏ってフィレットが形成されている
×: ハニカムコアに十分なフィレットが形成されていない
各プリプレグのタック性を、触手により、以下の三段階基準により、評価した。
○: 十分な粘着性が感じられたもの
△: やや粘着性が感じられたもの
×: ほぼ粘着性が感じられなかったもの
各プリプレグのドレープ性を、触手により、以下の三段階基準により、評価した。
○: 十分な柔軟性が感じられたもの
△: やや柔軟性が感じられたもの
×: ほぼ柔軟性が感じられなかったもの
それぞれの樹脂組成物からなるプリプレグを16枚積層してバッグに入れ、これをオ−トクレ−ブ内で温度180℃、2時間(昇温速度2.8℃/分)加熱し、硬化させて成形板を作製した。この間、オ−トクレ−ブ内を圧空で0.32MPaに加圧した。
得られたハニカムパネルを所定の寸法に加工し、ASTM D1781に準拠して、温度23℃(乾燥状態)における各試験片の剥離強度(lb−in/3in)を測定した。
・ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)
樹脂A−1:ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(ジャパンエポキシレジン社製YX−4000)
・グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)
樹脂B−1:グリシジルアミン型エポキシ樹脂(住友化学社製ELM−434)
・エポキシ樹脂(C)
樹脂C−1:ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(大日本インキ社製HP−7200)
樹脂C−2:ビスフェノールA型エポキシ樹脂(東都化成社製YD−128)
樹脂C−3:ナフタレン骨格型エポキシ樹脂(大日本インキ社製HP−4032)
樹脂C−4:ゴム変性型エポキシ樹脂(大日本インキ社製TR−601)
・硬化剤(D)
硬化剤D−1:4,4’−ジアミノジフェニルスルホン(和歌山精化社製セイカキュアーS)
・熱可塑性樹脂(E)
樹脂E−1:ウレタン樹脂(ダウ・ケミカル日本社製Pelethene 90A)
・固形ゴム(F)
樹脂F−1:カルボキシル変性NBR(日本ゼオン社製Nipol 1072)
・触媒
触媒−1:BCl3アミン錯体(ハンツマン・アドバンスト・アテリアルズ社製DY−9577)
表1に示すエポキシ樹脂組成物を下記の方法で調整した。なお、(A)〜(C)のエポキシ樹脂成分の配合単位は、重量%であり、これらの合計は、最終的に100重量%である。また、(D)〜(F)成分の配合単位は、(A)〜(C)のエポキシ樹脂成分の最終的な配合量100重量部に対する重量部により表した。
樹脂A−1を27重量%、樹脂C−1を11.7重量%、樹脂C−4を5.4重量%、樹脂E−1を5.4重量部、温度185℃に設定した反応槽にて撹拌した。次に、均一に混合されていることを確認後、反応槽の温度設定を130℃に設定し、液温が130〜135℃になった時点で触媒−1を0.4重量部投入し、2時間撹拌しながら予備重合を行なった。
得られた生成物の入った反応槽へ、樹脂B−1を13.5重量%および硬化剤D−1を1.4重量部投入した後、温度130℃において1.5時間撹拌して、予備硬化反応を行なった。
第2工程により得られた生成物と、樹脂B−1を9.0重量%と、樹脂C−2の9.0重量%を、プラネタリミキサにて加温混合した。その後、これらの中間生成物を混練ロールにて、樹脂C−1を24.3重量%、硬化剤D−1を21.6重量部、および樹脂F−1を8.1重量部投入して、温度50℃において、2時間、混練を行ない、エポキシ樹脂組成物を得た。
得られたエポキシ樹脂組成物の最低粘度を上記の方法で測定した。その測定結果を表1に示す。
BCl3アミン錯体(触媒−1)を0.3重量部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
表1の最終組成の欄に記載された原材料を、第1工程および第2工程を実施せずに、ロール混練機に投入して、温度50℃において、2時間、混練を行ない、エポキシ樹脂組成物を得た。
ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)の代わりに、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂(C−3)を使用したこと以外は、実施例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)の代わりに、ナフタレン骨格型エポキシ樹脂(C−3)を使用したこと以外は、比較例1と同様にして、エポキシ樹脂組成物を調製した。
Claims (3)
- ビフェニル型2官能エポキシ樹脂(A)を15〜40重量%、グリシジルアミン型エポキシ樹脂(B)を10〜35重量%、前記(A)および(B)成分を除くエポキシ樹脂(C)を25〜75重量%から構成されるエポキシ樹脂成分100重量部に対して、硬化剤(D)を15〜40重量部、熱可塑性樹脂(E)を1〜15重量部、固形ゴム(F)を4〜15重量部配合するエポキシ樹脂組成物の製造方法であって、前記(E)成分が主鎖にアミド結合、イミド結合、エステル結合、エーテル結合、シロキサン結合、カーボネート結合、ウレタン結合、尿素結合、チオエーテル結合、スルフォン結合、イミダゾール結合、カルボニル結合から選ばれる結合を有する熱可塑性樹脂、(F)成分がカルボキシル変性NBRであると共に、下記の工程(1)〜(3)よりなるエポキシ樹脂組成物の製造方法。
(A)成分の全量と、(C)成分の少なくとも一部と、(E)成分の全量とを、触媒を共存させて溶融混合する工程(1)、
工程(1)の生成物へ、(B)および(D)成分の少なくとも一部を配合して、溶融混合する工程(2)、
工程(2)の生成物へ、(B)〜(D)成分の残量および(F)成分の全量を配合し、溶融混練する工程(3) - 前記(E)成分がウレタン樹脂である請求項1に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
- 前記触媒が、三フッ化ホウ素アミン錯体または三塩化ホウ素アミン錯体である請求項1または2に記載のエポキシ樹脂組成物の製造方法。
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