JP4820550B2 - レトルト食品用ポリオレフィンフィルム - Google Patents

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Description

本発明は、レトルト食品用ポリオレフィンフィルムに関する。
近年、食生活の変化に伴い、簡単で調理の手間を省くことができるレトルト食品が多用されている。このレトルト食品は、予め調理した食品を袋に入れて密封した後、加圧・加熱殺菌したものであり、常温あるいは冷蔵・冷凍保存しておいて必要なときに袋ごと湯の中で加熱することができ、内容物を取り出して食事に供するものである。
このため、レトルト食品の袋に使用されるフィルムとしては、食品の充填・密封後の加圧・加熱殺菌に耐え得る耐熱性を有し、フィルム物性としての透明性、耐ブロッキング性に優れたものが望ましい。また、一般的にレトルト食品の袋はナイロンフィルムやポリエステルフィルムなどを用い2層あるいは3層以上にラミネートして使用される場合が多く、一般的な包装フィルムと比較して厚くなりヒートシール適性に劣るため低温ヒートシールが好ましい。併せて内容物をディスプレイする場合、透明性に優れることは必要であるが、耐ブロッキング性とのバランスが重要である。さらには輸送・搬送においても破袋することのない耐衝撃性に優れたものが望まれている。
このようなレトルト食品用のフィルムとしては、例えば、プロピレン・エチレンブロック共重合体を主成分とするポリオレフィンとプロピレン共重合体とからなる混合樹脂に熱可塑性エラストマーを配合してなるものであって、これらの成分の配合比等を特定の範囲に規定したレトルト用ポリオレフィンフィルムがある(特許文献1参照)。また、プロピレン重合体成分、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体成分、およびエチレンと炭素数4以上のα−オレフィンとのランダム共重合体成分からなる組成物から形成されたフィルムであって、これらの配合比等を特定の範囲に規定したレトルト食品包装用フィルムがある(特許文献2参照)。
ところで、近年の食品産業界においては、各種調味料の使用量を減らした薄味の食品が求められており、この傾向はレトルト食品に関しても同様である。このため、レトルト食品用フィルム由来の揮発成分が内容物である食品に移行したときの該揮発成分による内容物の風味の劣化が問題となっている。しかしながら、従前のレトルト用のフィルムにあっては、内容物の風味の劣化に関しては未だ改善されておらず、薄味であっても内容物の風味を劣化させずに美味しい状態に保つことができるレトルト食品用フィルムが望まれていた。
特開平9−248885号公報 特開2003−96251号公報
本発明は、前記の点に鑑みなされたものであり、耐衝撃性を維持すると共に、レトルト後のヒートシール適性、透明性、耐ブロッキング性に優れ、レトルト処理後における内容物の風味の劣化を抑制するレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを提供するものである。
すなわち、請求項1の発明は、メタロセン系触媒を使用して重合されたプロピレン−α−オレフィン共重合体として融点135℃、230℃におけるMFR7.0g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体90〜94重量部と、オレフィン系エラストマーとして密度0.88g/cm 3 、190℃におけるMFR3.6g/10分のエチレン−ブテン共重合体6〜10重量部とからなり次の測定方法により測定されるフィルム1g当たりの残留揮発成分のピーク面積総和が200pA・s/g以下であることを特徴とするレトルト食品用ポリオレフィンフィルムに係る。
前記測定方法は、前記ポリオレフィンフィルムを裁断した試料を、20mLバイアル瓶に入れて封緘し、100℃で15分間加熱した後、前記バイアル瓶中の気体1mLをヘッドスペースサンプラによって抜き取り、ガスクロマトグラフィーに装填し、キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、キャリアガス流量を2.0mL/minとして揮発成分を検出する。ピーク面積総和は、リテンションタイムが0分から35分までの間に検出された揮発成分のピークより、該ピークの面積を算出して総和して求める。
請求項1の発明のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムによれば、従前品と同等の耐衝撃性を示すと共に、レトルト後のヒートシール適性、透明性、耐ブロッキング性に優れ、レトルト処理後における内容物の風味の劣化を抑制することができる。
また、低温ヒートシール性に優れ、セミレトルト処理後におけるフィルム同士の融着を抑制できるフィルムが得られ、しかもフィルムの成形も容易に行うことができる。
さらに、耐ブロッキング性が良好であり、耐衝撃性に優れるフィルムを得ることができ、しかもフィルムの成形も容易に行うことができる。
この発明のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムは、メタロセン系触媒を使用して重合されたポリプロピレンまたはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体90〜94重量部と、オレフィン系エラストマー〜10重量部とからな。ポリプロピレンまたはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体については、主に後述の実施例に開示するように、プロピレン−エチレンランダム共重合体等のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体が好適に用いられる。このレトルト食品用ポリオレフィンフィルムは、セミレトルト(120℃付近での殺菌処理)タイプとして使用される。
前記のプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は融点が130〜145℃の範囲内の温度であり、かつ、230℃におけるMFRが0.5〜10g/10分であることが好ましいとされる。概ね融点が135℃であると、融着等のセミレトルト耐性が良好であり、かつ低温ヒートシール性に優れたフィルムを得ることができる。また、MFRが0.5〜10g/10分であるならば、成形も容易なフィルムとすることができるとされる。
本発明に用いられるプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、メタロセン系触媒を使用して重合されたものである。メタロセン系触媒は例えば化1の化学式で示され、下記の構成の遷移金属を配位する化合物である。化1において、Qは2つの共役五員環配位子を架橋する結合性基で、例えば、炭素数1〜20の2価の炭化水素基、シリレン基、オリゴシリレン基等が挙げられる。Mはチタン、ジルコニウム、ハフニウムから選ばれる金属原子であり、X及びYはMと結合した水素原子、ハロゲン原子、メチル基、イソブチル基、フェニル基等の炭素数1〜20の炭化水素基、酸素、窒素、あるいは珪素を含有する炭素数1〜20の炭化水素基等を例示することができる。Rはそれぞれ水素、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、フェニル基、ナフチル基、ブテニル基、ブタジエニル基等の炭素数が1〜20の炭化水素基、ハロゲン原子、ハロゲン、珪素、窒素、酸素、ホウ素、リン等を含有するメトキシ基、エトキシ基、フェノキシ基、トリメチルシリル基、ジエチルアミノ基、ジフェニルアミノ基、ピラゾリル基、インドリル基、ジメチルフォスフィノ基、ジフェニルフォスフィノ基、ジフェニルホウ素基、ジメトキシホウ素基等を例示することができる。メタロセン系触媒については、例えば、特開2003−201379号公報等が参照される。
Figure 0004820550
メタロセン系触媒を用いて重合されたポリプロピレンまたはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体は、従来のチタン系のチーグラーナッタ系触媒により重合された重合体と比較して重合により得られた分子同士は狭い分子量分布を示すことが知られている。このため、得られるフィルムは、夾雑物シール等のヒートシール性に優れたものとなることが推定される。また、メタロセン系触媒を用いて重合された重合体は、従来のチーグラーナッタ系触媒を用いて得られた重合体と比べて立体規則性の低い成分が少ないため、低融点にもかかわらず得られるフィルムは、べたつきが少なく、耐ブロッキング性に優れたものとなり好ましい。
重合方法としては、前記メタロセン系触媒の存在下、不活性溶媒を用いたスラリー法、実質的に溶媒を用いない気相法、溶液法、あるいは重合モノマーを溶媒とするバルク重合法等が挙げられる。
なお、ポリプロピレンにあっても、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体を使用した場合と同様に、MFR、融点等の性状が想定されることから、使用に好適であることが予想される。
ここで、プロピレン−α−オレフィンランダム共重合体とは、プロピレンとプロピレン以外の炭素数2〜10のα−オレフィンとの共重合体である。α−オレフィンとして、例えば、エチレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、4−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等が挙げられる。これらは単独、または二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
次に、レトルト用ポリオレフィンフィルムに用いられるオレフィン系エラストマーはその密度を0.86〜0.90g/cm3とし、190℃におけるMFRを0.1〜10g/10分とするエチレン−α−オレフィンランダム共重合体が好ましく用いられる。密度が0.90g/cm3以上ではフィルムの耐衝撃性が劣り、0.86g/cm3未満ではべたつき成分が多く、フィルムの耐ブロッキング性の悪化が考えられるためである。190℃におけるMFRを0.1〜10g/10分とすると、フィルムの成形が容易でしかも低温での耐衝撃性に優れたものとすることができる。エチレン−α−オレフィンランダム共重合体は、エチレンと炭素数3〜10のα−オレフィンとの共重合体であり、例えば、エチレン−プロピレンランダム共重合体、エチレン−ブテンランダム共重合体等が挙げられる。これらは単独で、または二種以上が組み合わされて使用されてもよい。
前出のポリプロピレンまたはプロピレン−α−オレフィンランダム共重合体90〜94重量部に対し、このオレフィン系エラストマーは〜10重量部添加される。オレフィン系エラストマーの添加量が5重量部(特には6重量部)よりも少ない場合、耐衝撃性が不十分になるおそれがある。一方、オレフィン系エラストマーの添加量が10重量部よりも多い場合、レトルト後のヒートシール強度低下等の物性低下が指摘される。
このレトルト食品用ポリオレフィンフィルムには、必要に応じて、滑剤、帯電防止剤、酸化防止剤、中和剤、アンチブロッキング剤等の適宜の添加剤が添加される。
そして、このレトルト食品用ポリオレフィンフィルムは、次の測定方法により測定されたフィルム1g当たりの残留揮発成分のピーク面積総和が200pA・s/g以下であることに特徴を有する。その測定方法とは、前記ポリオレフィンフィルムを裁断した試料を、20mLバイアル瓶に入れて封緘し、100℃で15分間加熱した後、前記バイアル瓶中の気体について、ヘッドスペースサンプラを用いてその1mLを抜き取り、ガスクロマトグラフィーに装填し、キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、キャリアガス流量を2.0mL/minとして揮発成分を検出する。ピーク面積総和は、リテンションタイムが0分から35分までの間に検出された揮発成分のピークより、該ピークの面積を算出して総和して求める。
発明者らは、フィルム1g当たりの残留揮発成分のピーク面積総和が200pA・s/g以下であるフィルムを用いてレトルト食品を製造した場合、フィルム由来の揮発成分により内容物の風味が劣化するのを抑えることができることを検証した。同時に、発明者らは、フィルム1g当たりの残留揮発成分のピーク面積総和が200pA・s/gを上回る場合には、フィルム由来の揮発成分により内容物の風味が劣化してしまうことも明らかにした。これらのことは、後述の実施例からも理解される。
次に、本発明のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムの製造について説明する。前記したポリプロピレンまたはポリプロピレン−α−オレフィンランダムと、オレフィン系エラストマーは、上記所定の配合比率の重量部ずつ公知の混合機(タンブラー、ヘンシェルミキサー等)に投入され、必要に応じて前記した添加剤が添加され、ドライブレンドされる。得られた混合物は公知の押出機に供給されて200〜300℃の温度で溶融され、押出機の先端に設けられたTダイから押出され、冷却ロールに接触させられて冷却・固化される。得られたレトルト食品用ポリオレフィンフィルムの厚みは20〜150μmである。
また、本発明のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムは、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等とラミネートする際にその接着性を向上させるために、必要に応じて、表面処理が行われる。この表面処理法としては、コロナ放電処理、火炎処理、プラズマ処理等が挙げられる。
このようにして得られた本発明のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムは、ナイロンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルム等と積層してレトルトフィルムとして使用することが可能である。積層方法としては、例えば、ウレタン系接着剤等を介してドライラミネートする方法等が挙げられる。
次に、本発明の実施例1及び2と比較例1〜3のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを試作し、各フィルムの透明性(ヘーズ)、ダート衝撃強さ(J)、ブロッキング強度(N/4cm2)、ヒートシール強度(N/15mm)、ヒートシール温度(℃/3N)、残留揮発成分、融着強度(N/3cm2)、及び内容物の味(官能評価)を調べた。
[透明性]
JIS K 7105(1997年)に記載の方法によりデジタルヘーズメーター(日本電色工業社製)を使用して測定したヘイズを用いた。
[ダート衝撃強さ]
低温槽付ダートインパクトテスター(東洋精機製作所製)を使用して、貫通破壊に要した仕事量を測定した。すなわち、実施例及び比較例のポリオレフィンフィルムを固定装置により水平に固定して、質量を調節したダート(半球型の金属貫通部)を落下させてフィルムを破壊・貫通させた時のフィルム通過後におけるダートの通過速度(V1)と、フィルムが存在しない状態でダートを落下させた時のV1測定地点と同地点におけるダートの通過速度(V0)とを測定し、下記の数1に示す数式によりフィルムの破壊エネルギー(J)を求めた。なお、Mはダートの重さである。
Figure 0004820550
[ブロッキング強度]
実施例及び比較例のポリオレフィンフィルムの非コロナ処理面同士を重ね合わせ、フィルム4cm2に荷重1Nを加えて40℃で24時間放置した後、島津製作所製「オートグラフAGS−500NG」を使用して剪断剥離強度を測定した。この剥離強度とは、荷重を加えた後のフィルムが引張試験機の引張速度200mm/minによって剪断する力を測定したものである。
[ヒートシール強度]
実施例及び比較例のポリオレフィンフィルムを厚み15μmのナイロンフィルムとドライラミネートし、得られた実施例及び比較例のラミネートフィルムのポリオレフィンフィルム面同士を重ね合わせ、ヒートシールテスター(テスター産業社製)を使用して、シール圧0.3MPa、シール時間0.5秒間、上シールバー160℃、下シールバー50℃でヒートシール後、15mm巾にカットし、島津製作所製「オートグラフAGS−500NG」を使用して剥離強度を測定した。この剥離強度とは、ヒートシール後のフィルムが引張試験機の引張速度200mm/minによって剥離する力を測定したものである(T剥離試験)。また、同様にして作成したヒートシール後の15mm巾のカット片をレトルト処理し、同様に剥離強度を測定した。この実施例のレトルト処理とは、トミー精工社製「レトルト食品オートクレーブSR240」を使用し、120℃で30分間加熱した処理をいう。
[ヒートシール温度]
前記のとおり得られた実施例及び比較例のポリオレフィンフィルムを厚み15μmのナイロンフィルムとドライラミネートし、当該得られたラミネートフィルムのポリオレフィンフィルム面同士を重ね合わせ、東洋精機製作所製の熱傾斜試験機を使用して、シール圧0.34MPa、シール時間1.0秒間でヒートシール後、15mm巾にカットし、島津製作所製「オートグラフAGS−500NG」を使用して前述のようにヒートシール強度を測定し、該シール強度が3Nになる温度を求めた。
[残留揮発成分]
ガスクロマトグラフィー(HEWLETTPACKARD社製「HP6890」、カラムはHEWLETTPACKARD社製「HP−Wax」)によって以下の条件で測定した。実施例及び比較例のポリオレフィンフィルムを裁断した試料を、20mLバイアル瓶に入れて封緘し、100℃で15分間加熱した後、前記バイアル瓶中の気体1mLをヘッドスペースサンプラ(HEWLETTPACKARD社製「HP7694」)を用いて抜き取り、ガスクロマトグラフィーに装填して測定した。キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、キャリアガス流量を2.0mL/minとして揮発成分を検出した。ピーク面積総和(pA・s/g)は、リテンションタイムが0分から35分までの間に検出された揮発成分のピークから求めることとし、該ピークの面積を算出して総和し、使用した試料の重量(g)で除した値とした。すなわち、このピーク面積総和は、各ピークのスタート点とエンド点を直線で結んだ近似ベースラインと各ピークとによって囲まれた部分の面積を加算して求め、使用した試料の重量(g)で除することにより、1g当たりのピーク面積総和を求めた。
[融着強度]
実施例及び比較例のポリオレフィンフィルムを厚み15μmのナイロンフィルムとドライラミネートし、得られた実施例及び比較例のラミネートフィルムのポリオレフィンフィルム面同士を重ね合わせ、富士インパルス社製「インパルスシーラーVG400」によりシール時間1.5秒間でシールして10cm×10cmの三方袋を作成した。この三方袋を5秒間脱気した後、開口した袋上部を前記「インパルスシーラーVG400」によりシール時間1.5秒間でシールし、レトルト処理後、融着部分の剪断剥離強度を測定した。
[内容物の味]
前述のように作成した実施例及び比較例の三方袋にサントリー社製天然水を30mL充填した後、この三方袋の開口した袋上部を前記「インパルスシーラーVG400」によりシール時間1.5秒間でシールし、レトルト処理を行った。そして、天然水の臭い及び味を10人のパネラーの官能により以下の基準で評価した。なお、比較の対象は非レトルト処理の天然水である。
1点:耐え難い臭いがある
2点:強い臭いがある
3点:臭いがある
4点:あまり臭いはない
5点:全く臭いはない
(実施例1)
プロピレン−α−オレフィン共重合体としてメタロセン触媒により重合された融点135℃、230℃におけるMFR7.0g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体94重量部と、オレフィン系エラストマーとしてペレット状のエチレン−ブテン共重合体(三井化学社製「タフマーA4085」:密度0.88g/cm3、190℃におけるMFRは3.6g/10min)6重量部とを混合機によりドライブレンドし、これを押出機へ供給し、230℃で溶融して巾70mmのTダイより押出してシート状に形成し、35℃の冷却ロールに巻き付けて冷却固化させ、厚み60μmである実施例1のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを得た。
(実施例2)
実施例1において使用したプロピレン−エチレンランダム共重合体90重量部と、実施例1のエチレン−ブテン共重合体10重量部として使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い実施例2のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例1)
実施例1において使用したプロピレン−エチレンランダム共重合体85重量部と、実施例1のエチレン−ブテン共重合体15重量部として使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い比較例1のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例2)
実施例1において使用したプロピレン−エチレンランダム共重合体の代わりに、チーグラーナッタ触媒で重合され、融点が142℃、230℃におけるMFRが6.5g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体(94重量部)を使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い比較例2のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを得た。
(比較例3)
実施例1において使用したプロピレン−エチレンランダム共重合体の代わりに、チーグラーナッタ触媒で重合され、融点が137℃、230℃におけるMFRが7.0g/10分であるプロピレン−エチレンランダム共重合体を使用した以外は、実施例1と同様の処理を行い比較例3のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムを得た。
また、実施例1及び2と比較例1〜3について、各フィルムの透明性、ダート衝撃強さ、ブロッキング強度、ヒートシール強度、ヒートシール温度、融着強度、内容物の味を調べた結果及び残留揮発成分のピーク面積総和を表1に示した。ヒートシール強度、ヒートシール温度、融着強度に関しては、実施例1及び2と比較例1〜3の各フィルムをそれぞれ厚み15μmのナイロンフィルムとウレタン系接着剤を介してドライラミネートして得られたラミネートフィルムを用いて測定した。残留揮発成分のピーク面積総和は、実施例1については図1に示すガスクロマトグラフィーの分析チャートから算出した。実施例2、比較例1、比較例2、比較例3については、それぞれ順に図2、図3、図4、図5に示す分析チャートから算出した。内容物の味の値は、10人のパネラーの平均値を表す。
Figure 0004820550
上記表1に示すように、実施例のレトルト食品用ポリオレフィンフィルムは、比較例のフィルムと比較し、ほぼ同等の耐衝撃性(ダート衝撃強さ)を備え、レトルト後のヒートシール適性に優れ、フィルム由来の揮発成分により内容物の風味が劣化するのを抑制することができ、レトルト食品用フィルムとして好適であることが明らかである。また、実施例のフィルムは、透明性、耐ブロッキング性にも優れていることも分かる。
実施例1に係るガスクロマトグラフィーの分析チャートである。 実施例2に係るガスクロマトグラフィーの分析チャートである。 比較例1に係るガスクロマトグラフィーの分析チャートである。 比較例2に係るガスクロマトグラフィーの分析チャートである。 比較例3に係るガスクロマトグラフィーの分析チャートである。

Claims (1)

  1. メタロセン系触媒を使用して重合されたプロピレン−α−オレフィン共重合体として融点135℃、230℃におけるMFR7.0g/10分のプロピレン−エチレンランダム共重合体90〜94重量部と、
    オレフィン系エラストマーとして密度0.88g/cm 3 、190℃におけるMFR3.6g/10分のエチレン−ブテン共重合体6〜10重量部とからなり
    次の測定方法により測定されるフィルム1g当たりの残留揮発成分のピーク面積総和が200pA・s/g以下であることを特徴とするレトルト食品用ポリオレフィンフィルム。
    測定方法:前記ポリオレフィンフィルムを裁断した試料を、20mLバイアル瓶に入れて封緘し、100℃で15分間加熱した後、前記バイアル瓶中の気体1mLをヘッドスペースサンプラによって抜き取り、ガスクロマトグラフィーに装填し、キャリアガスとしてヘリウムガスを用い、キャリアガス流量を2.0mL/minとして揮発成分を検出する。ピーク面積総和は、リテンションタイムが0分から35分までの間に検出された揮発成分のピークより、該ピークの面積を算出して総和して求める。
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