JP4820503B2 - 開口部装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、玄関等の家屋の開口部に取り付けられる引き戸、網戸を有する開口部装置に係り、特に、縦枠と網戸の戸先の間の隙間を確実に遮蔽できるようにした開口部装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、この種の開口部装置は、一般家屋における玄関引き戸として広く利用されている。引き戸は、引き違いに開閉される2枚の障子からなり、さらに網戸を取り付けて、夏季などには、障子を開け放しにしても屋内に蚊などの虫が浸入しないようにすることができる。
【0003】
網戸と縦枠の間には隙間が生じ易いので、従来から、この隙間から虫が浸入しないように、ひれ状の防虫材等を設けている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、縦枠は、厳密に真っ直ぐになっているとは限らず、また、経年的な変化によって、縦枠が次第に反ってくることがある。そうなると、網戸をぴしっと閉めたつもりであっても、縦枠との間には僅かな隙間が不可避的に生じており、虫が浸入することはなくても、昼間には外光がこの隙間から室内に入り込むことがある。また、夜であれば屋内の光が外に漏れることがある。この網戸の隙間からの光漏れは、意外に目立つもので、美観の上から好ましくない。
【0005】
そこで、本発明の目的は、前記従来技術の有する問題点を解消し、縦枠と網戸の間に隙間を確実に生じないようにし、虫の浸入はもちろん光の漏れを解消できるようにした開口部装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
前記の目的を達成するために、本発明は、上下左右枠により形成された枠体と、前記枠体内で引き違いに開閉される左右2枚の障子と、前記障子と平行に滑動可能な網戸を有する開口部装置であって、前記左右の縦枠にそれぞれ障子の戸先を受け入れる凹部からなる戸じゃくりを形成し、前記一方の縦枠の戸じゃくりを障子略1枚分の幅に、他方の縦枠の戸じゃくりを障子略2枚分の幅に設定することにより、前記網戸の左右両戸先と対向し合う段部を前記左右の各縦枠に形成し、前記網戸の左右両戸先には、当該網戸を一方の縦枠に寄せて閉めたときに前記段部と重なり合うように戸じゃくり内に張り出すヒレ部を有する遮蔽部材を設けたことを特徴とするものである。
【0007】
前記遮蔽部材のヒレ部は、前記段部を形成する壁面のうち、戸じゃくり側から立ち上がる壁面と、当該ヒレの先端が所定の僅かな距離を保って接触しないように張り出していることが好ましい。
【0008】
【発明の実施形態】
以下、本発明による開口部装置の一実施形態について、添付の図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明を家屋の玄関引き戸に適用した実施形態を示す正面図である。玄関の開口部には、上枠である鴨居2、下枠である敷居3、左右の縦枠4、5を四方組した枠体が取り付けられており、この枠体に2枚の障子6、7が引き違いに開閉されるように建て付けられている。この玄関引き戸には、網戸が取り付けられるようになっているが、図1では網戸は省略されている。
【0009】
図2は、引き戸の横断面を示す図である。参照符号8、9は、障子6を構成する縦框で、参照符号10、11は障子7を構成する縦框である。12は障子6のガイドレールであり、13は障子7のガイドレールである。網戸12は、障子6、7と平行に最も室外側に配置されており、レール17に沿って滑動させて開け閉めすることができる。15、16は網戸12を構成する縦框である。
【0010】
次に、図3は、図2における右縦枠5の戸じゃくり20を示し、図4は、図2における左縦枠4の戸じゃくり22を示している。まず、図3において、障子6では、縦框8の外縁部が戸先8aになっており、戸じゃくり20は、障子6を閉めたときに、戸先8aを受け入れる凹部を構成している。この場合、戸じゃくり22の幅は、障子6の一枚分に相当する幅寸法に設定されている。また、戸じゃくり20のような凹部を右縦枠5に形成した結果、右縦枠5において、網戸14の縦框15の端縁部である戸先15aと対向する部分に段部23が形成されている。網戸14と段部23の位置関係は、段部23の方が若干室外側に寄った位置になっている。なお、図3において、25は、障子6の縦框8との間の隙間をシールする気密材である。
【0011】
他方、図4において、左縦枠4においても、戸じゃくり22が形成されている。この左縦枠4に設けた戸じゃくり22は、右縦枠5の戸じゃくり20とは異なって、障子6、7の2枚分の幅を有する凹部として構成されている。障子7の縦框11の外縁部である戸先11aは、戸じゃくり22において室内側に寄った位置に入り込むようになっている。このように、左縦枠4の方に障子6、7の2枚分の幅を有する凹部を戸じゃくり22として設けることによって、室外側の方に段部24が形成されている。この段部24には網戸14の縦框16の端縁部である戸先16aが対向する。好ましくは、網戸14と段部24の位置関係は、段部24の方が若干室外側に寄った位置になっている。この段部24は、右縦枠5の段部23と同一平面上で対向し合う位置にある。図4において、26は、障子7の縦框11との間の隙間をシールする気密材である。
【0012】
図3および図4に示されるように、網戸14の左右の戸先15a、16aには、ゴム等の可撓性の材料からなる遮蔽部材30が取り付けられている。この遮蔽部材30は、戸先の15a、16aの室内側のコーナ縁の全長に亘って延びており、ヒレ部31が戸じゃくり20、22に向かって張り出すようになっている。
【0013】
図5に示されるように、例えば、網戸14を左縦枠4に寄せて閉めたときには、遮蔽部材30のヒレ部31は、段部24と重なり合うように戸じゃくり22内に張り出すようになっている。これにより、網戸14の戸先16aと左縦枠4の間に隙間が生じたとしてもヒレ部31によって遮蔽されるので、例えば、昼間の外光が室内に入らないように確実に遮光され、夜間であれば室内の明かりが漏れことなく、さらには、虫などが室内に浸入するの防止することができる。
【0014】
このようなヒレ部31にあっては、段部24を形成する面のうち、戸じゃくり22側から立ち上がった壁面24aとヒレ部31の先端が僅かな隙間lを保って、この壁面24aに接触しないように張り出すようになっている。網戸14の場合、ガイドレール17には、最大でも左右に1.5mm程度の遊び代40が設けられているのが普通である。この遊び代40があるため、網戸14を閉めるときには、遊び代40の分だけ左右に振れることがあるので、ヒレ部31の先端と壁面24aの間の隙間lは、少なくとも遊び代以上の1.5mm上の間隔を保っていることが好ましい。なお、間隔lが5mm以上になると、段部24の壁面24aから離れるように反ってしまって見栄えがしなくなるため好ましくない。ヒレ部31は、湾曲しながら張出していてもよいし、直線的に張り出してもいずれでもよい。
【0015】
このようにヒレ部31が壁面と若干の距離を保って張り出すようにしておけば、網戸14の建て付けに多少のがたつきがあり、閉めるときにぶれがあっても、ヒレ部31が段部24に乗り上げて遮蔽が不十分になったりすることがない。
【0016】
なお、図3において、網戸14を左縦枠4に寄せて閉めたときの遮蔽部材30のヒレ部31の作用は、上記と同様である。この場合、ヒレ部31は、壁面23aと1.5mm度の間隔を保って障子6の戸先8aから徐々に離れるように湾曲して張り出すようになっていることが好ましい。これにより、ヒレ部31に障子6の戸先8aが干渉することなく、十分な遮蔽機能を確保することができる。
【0017】
【発明の効果】
以上の説明から明らかなように、請求項1の発明によれば、左右の縦にそれぞれ障子の戸先を受け入れる凹部からなる戸じゃくりを形成し、前記一方の縦枠の戸じゃくりを障子1枚分の幅に、他方の縦枠の戸じゃくりを障子2枚分の幅に設定することにより、前記網戸の左右両戸先と対向し合う段部を前記左右の各縦枠に形成し、前記網戸の左右両戸先には、当該網戸を一方の縦枠に寄せて閉めたときに前記段部と重なり合うように戸じゃくり内に張り出すヒレ部を有する遮蔽部材を設けているので、網戸の戸先と縦枠の間に生じる隙間はヒレ部によって遮蔽されるので、外光が入らないように確実に遮光され、さらには、虫などが室内に浸入するの防止することができる。
【0018】
また、請求項2の発明によれば、遮蔽部材のヒレ部は、前記段部を形成する壁面のうち、戸じゃくり側から立ち上がる壁面と、当該ヒレの先端が所定の僅かな距離を保って接触しないように張り出しているので、網戸を閉めるときにぶれがあっても、ヒレ部が段部に乗り上げて遮蔽が不十分になったりすることがなく、確実に遮蔽できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態による玄関引き戸の正面図。
【図2】同実施形態による玄関引き戸の横断面図。
【図3】右縦枠の戸じゃくりを示す横断面図。
【図4】左縦枠の戸じゃくりを示す横断面図。
【図5】網戸を閉めた状態での戸じゃくりと遮蔽部材のヒレ部を示す図。
【符号の説明】
2 鴨居(上枠)
3 敷居(下枠)
4 左縦枠
5 右縦枠
6 障子
7 障子
14 網戸
20 戸じゃくり
22 戸じゃくり
23 段部
24 段部
30 遮蔽部材
31 ヒレ部

Claims (2)

  1. 上下左右枠により形成された枠体と、前記枠体内で引き違いに開閉される左右2枚の障子と、前記障子と平行に滑動可能な網戸を有する開口部装置であって、
    前記左右の縦枠にそれぞれ障子の戸先を受け入れる凹部からなる戸じゃくりを形成し、前記一方の縦枠の戸じゃくりを障子略1枚分の幅に、他方の縦枠の戸じゃくりを障子略2枚分の幅に設定することにより、前記網戸の左右両戸先と対向し合う段部を前記左右の各縦枠に形成し、前記網戸の左右両戸先には、当該網戸を一方の縦枠に寄せて閉めたときに前記段部と重なり合うように戸じゃくり内に張り出すヒレ部を有する遮蔽部材を設けたことを特徴とする開口部装置。
  2. 前記遮蔽部材のヒレ部は、前記段部を形成する壁面のうち、戸じゃくり側から立ち上がる壁面と、当該ヒレの先端が所定の僅かな距離を保って接触しないように張り出していることを特徴とする請求項1に記載の開口部装置。
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