JP4819385B2 - 冷却システム用制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、冷凍サイクルにおける冷却システム用制御装置に係り、詳細には電動式膨張弁の弁開度を制御して庫内を冷却する制御装置、より詳細には、圧縮機始動時の過渡運転状態から定常運転状態に移行するまでの電動式膨張弁の開度を制御する冷却システム用制御装置に関する。
従来、本発明に関連する先行文献として、例えば実公平2−3093号公報(特許文献1)、特公平7−72648号公報(特許文献2)、特公平5−44581号公報(特許文献3)、特開平8−285383号公報(特許文献4)、特公昭60−58384号公報(特許文献5)がある。
特許文献5は、冷凍装置は蒸発器入口部の温度センサの時間遅れを30秒程度、蒸発器出口部の温度センサの時間遅れを60秒程度有することを開示している。
特許文献4は、その段落[0025]において、「起動操作があるとステップS3に進み、ここで電動式比例型膨張弁3の初期開度を設定する運転を行うべく、初期開度に相当する信号を弁駆動部5に送出して、電動式比例型膨張弁3を動作させる。」と開示している。
特許文献3は、標準運転時の開度よりも大きな開度に強制的に設定する初期開度設定手段と、初期開度設定の解除後、通常の過熱度制御に移行するまでの間、弁開度を段階的に絞るステップ制御手段とを備えている。
特許文献2は、圧縮機始動後の所定時間(τs1)は膨張弁の絞り量を最小とし、その後予め設定した時間中、膨脹弁の絞り量を所定時間(τs2)間隔毎に段階的に予め設定された所定の絞り量まで単調増加させるように構成されている。
特許文献1は、圧縮機起動時は電動式膨脹弁を初期開度に設定する手段と、かつ圧縮機の再起動時は電動式膨脹弁を圧縮機停止前の開度に設定する手段とを備えている。詳しくは、冷房用または暖房用の初期開度を設定するように構成されている。
実公平2−3093号公報 特公平7−72648号公報 特公平5−44581号公報 特開平8−285383号公報 特公昭60−58384号公報
特公平5−44581号公報(特許文献3)の従来技術は、通常の過熱度制御(PID制御)に移行するまでの間、大きな開度の初期開度に設定し、前記初期開度設定の解除後は段階的に絞るステップ制御を行っている。しかし、特開平8−285383号公報(特許文献4)の段落[0005]に開示されているように、運転初期に液冷媒を送り込み過ぎると却って冷却の効率が低下するという点に、改良の余地を残している。
また、特公平7−72648号公報(特許文献2)の従来技術は、過渡運転モードから定常運転モードに移行するまでの間、圧縮機始動後の所定時間(τs1)は膨脹弁の絞り量を最小(弁開度は最大)とし、その後予め設定した時間中、所定時間(τs2)間隔毎に段階的に単調増加(弁を閉操作)させている。この従来例も前記特公平5−44581号公報(特許文献3)同様の、改良の余地を残している。
本発明は、上記の課題を解決し、冷凍サイクルの圧縮機始動時における信頼性を高めるとともに、液冷媒の送り込み過ぎを防止して冷却速度を向上させることを課題とする。
請求項1の冷却システム用制御装置は、圧縮機、凝縮器、電動式膨脹弁、及び蒸発器を配管により環状に接続した冷凍サイクルにあって、前記蒸発器の出口側及び入口側に装着した温度センサからの信号に基づいて過熱度を演算し、該演算した過熱度と予め設定した設定過熱度とを比較して前記電動式膨脹弁の弁開度を制御する冷却システム用制御装置において、圧縮機始動後の弁開度を、初期所定開度に設定して、過渡状態の運転を開始し、圧縮機始動時から所定時間毎に過熱度を演算するとともに、今回の過熱度と前回の過熱度との差である過熱度差を演算する過渡状態制御工程を備え、前記今回の過熱度と所定過熱度との差が正値であり、かつ、今回の前記過熱度差が所定過熱度差以上の場合は、過渡状態制御工程から定常状態制御工程に移行し、前記今回の過熱度と前記所定過熱度との差が非正値であり、かつ、今回の前記過熱度差が前記所定過熱度差未満の場合は、電動式膨脹弁を所定開度、閉方向に操作して、過渡状態制御工程を継続するとともに、圧縮機始動後、30秒が経過したときは、次に定常状態制御工程を実行することを特徴とする。なお、所定時間は「5秒」が適しており、所定過熱度は「3℃」が適しており、所定過熱度差は「0.5℃」が適しているが、これらに近い値でもよい。
請求項の冷却システム用制御装置は、請求項記載の冷却システム用制御装置であって、庫内温度と設定庫内温度との差が20℃以上である時、設定する初期所定開度は前記電動式膨脹弁の弁開度2/3点であることを特徴とする。
請求項の冷却システム用制御装置は、請求項記載の冷却システム用制御装置であって、庫内温度と設定庫内温度との差が5℃以上〜20℃未満である時、設定する初期所定開度は前記電動式膨脹弁の弁開度1/3点であることを特徴とする。
請求項の冷却システム用制御装置は、請求項記載の冷却システム用制御装置であって、庫内温度と設定庫内温度との差が5℃未満である時、圧縮機始動後から10秒後には、前回圧縮機が停止した時の開度点に制御することを特徴とする。
請求項の冷却システム用制御装置は、請求項記載の冷却システム用制御装置であって、圧縮機始動後の弁開度として設定する初期所定開度は、庫内温度に応じて予め定められた電動式膨脹弁の弁開度の上限値及び下限値の範囲の下限値から70%点の開度であることを特徴とする。
なお、請求項1記載の冷却システム用制御装置であって、前記今回の過熱度と所定過熱度との差が正値であり、かつ、今回の前記過熱度差が前記所定過熱度差以上の場合は、過渡状態制御工程から定常状態制御工程に移行し、前記今回の過熱度と所定過熱度との差が非正値であり、かつ、今回の前記過熱度差が前記所定過熱度差未満の場合は、電動式膨脹弁を所定開度、閉方向に操作して、過渡状態制御工程を継続する、構成とした冷却システム用制御装置でもよい。
なお、前記特許文献5に開示されているように、蒸発器入口側温度センサの時間遅れが30秒程度、蒸発器出口側温度センサの時間遅れが60秒程度あるので、圧縮機始動後は、温度センサが検出するデータから、「直ちに」好適な過熱度を算出することができない。しかしながら、2つの温度センサは固有の時定数特性に従って過渡的に変化する。よって、本発明はこの点に着目してなされた。
請求項1の冷却システム用制御装置によれば、「過熱度の変化の傾向」を監視することにより「過熱度が付き過ぎ(液冷媒不足気味)か」、「液戻り気味か」を判断することができる。そこで、圧縮機始動後の弁開度を、初期所定開度に設定して、圧縮機始動時から所定時間を計時する例えば5秒タイマを作動させ、5秒毎の過熱度と所定過熱度との差を演算し、今回の過熱度と前回(5秒前)の過熱度との差である過熱度差を演算する。したがって、温度センサの時間遅れはあるものの、「過熱度の変化の傾向」を監視することにより「過熱度が付き過ぎ(液冷媒不足気味)か」、「液戻り気味か」を判断できるので、冷凍サイクルの圧縮機始動時における信頼性が高まるとともに、液冷媒の送り込み過ぎを防止できるので冷却の速度が上がる。(本出願人は、前記特許文献4の段落[0023]で開示している)
また、請求項1の冷却システム用制御装置によれば、今回の過熱度と所定過熱度との差の値の正値/非正値の判定結果と、今回の前記過熱度差と所定過熱度差との比較結果と、に基づいて前記電動式膨脹弁を制御するので、過熱度と所定過熱度との差が正値/非正値かの判定結果により弁開度が開き気味になる時点の目安を得ることができ、さらに過熱度差と所定過熱度差との比較結果により、冷媒が液状態かガス状態かの判定を行うことができ、これらの結果に基づいて電動式膨脹弁を制御することにより、冷凍サイクルの圧縮機始動時における信頼性が高まるとともに、液冷媒の送り込み過ぎを防止できるので冷却の速度が上がる。なお、冷凍サイクルにおいて、冷媒が液状態であると温度変化が生じず過熱度差の値が0.5℃未満となり、冷媒がガス状態であると温度変化が生じて過熱度差の値が0.5℃以上となる傾向にあり、前記所定過熱度差は「0.5℃」が適しており、所定過熱度は「3℃」が適していることを本願の発明者は見出した。
また、請求項の冷却システム用制御装置によれば今回の過熱度と所定過熱度との差が正値であり、かつ、今回の過熱度と前回(例えば5秒前)の過熱度との過熱度差が所定過熱度差(例えば0.5℃)以上の場合は、過熱度が付き過ぎ(液冷媒不足気味)であるので、過渡状態制御工程から定常状態制御(PID制御)工程に移行する。すなわち、前記特許文献4の段落[0023]に開示されているように、始動段階では過熱度が付き過ぎ(液冷媒不足気味)であっても、冷却効果は得られるので、PID制御工程に移行して、好適な弁開度の制御を行い液冷媒の送り込み過ぎを防止できるので冷却の速度が上がる。
また、請求項の冷却システム用制御装置によれば今回の過熱度と所定過熱度との差が0または負値であり、かつ、今回の過熱度と前回(例えば5秒前)の過熱度との過熱度差が所定過熱度差(例えば0.5℃)未満の場合は、液戻り気味であるので、電動式膨脹弁を所定開度、閉方向に操作して、過渡状態制御工程を継続する。したがって、液冷媒の送り込み過ぎを防止するので、結果的に冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な作用効果が得られるとともに、庫内温度と設定庫内温度との差が20℃以上である時、初期所定開度は電動式膨脹弁の弁開度2/3点とするので、圧縮機始動後、30秒の間、冷凍負荷に好適な弁開度近傍に弁の開度を操作して、定常状態制御工程に移行した後、速やかに好適な弁開度に到達できる。したがって、冷凍負荷が大きい時、冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な作用効果が得られるとともに、庫内温度と設定庫内温度との差が5℃以上〜20℃未満である時、初期所定開度は電動式膨脹弁の弁開度1/3点とするので、圧縮機始動後、30秒の間、冷凍負荷に好適な弁開度近傍に弁の開度を操作して、定常状態制御工程に移行した後、速やかに好適な弁開度に到達できる。したがって、冷凍負荷が小さい時、冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な作用効果が得られるとともに、庫内温度と設定庫内温度との差が5℃未満である時、初期所定開度は電動式膨脹弁の弁開度1/3点とするので、圧縮機始動後から10秒後には、前回圧縮機が停止した時の開度点に弁の開度を操作して、定常状態制御工程に移行した後、速やかに好適な弁開度に到達できる。したがって、冷凍負荷がさらに小さい時でも、冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な作用効果が得られるとともに、任意の庫内温度において冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、冷凍サイクルの圧縮機始動時における信頼性を高めるとともに、液冷媒の送り込み過ぎを防止して冷却速度を向上させることができる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な効果が得られるとともに、冷凍負荷が大きい時、冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な効果が得られるとともに、冷凍負荷が小さい時、冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な効果が得られるとともに、冷凍負荷がさらに小さい時でも、冷却の速度が上がる。
請求項の冷却システム用制御装置によれば、請求項と同様な効果が得られるとともに、任意の庫内温度において冷却の速度が上がる。
次に、本発明の冷却システム用制御装置の実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の冷却システム用制御装置を適用した冷凍サイクルにおける急速冷却制御装置の基本構成を示す図である。この急速冷却制御装置は、冷凍サイクルの蒸発器の出口側と入口側とにそれぞれ装着した温度センサ6,7及び庫内温度センサ8からの信号をA/D変換するA/D変換部91と、A/D変換部91から出力される温度センサ6,7の温度データに基づいて過熱度を演算する過熱度演算手段92a−1と、この演算した過熱度と予め設定した設定過熱度とを比較して弁開度を演算する弁開度演算手段92a−2と、A/D変換部91から出力される庫内温度センサ8の温度データにより庫内の各温度における弁開度の上限値及び下限値を演算する弁開度上下限演算手段92a−3と、弁開度上下限演算手段92a−3により演算した弁開度の上限値及び下限値と前記弁開度演算手段92a−2により演算した弁開度とを比較し、その比較結果を弁駆動部5に送出して、電動式膨張弁3を駆動させる比較手段92a−4と、を備えている。
図2は実施形態の冷凍サイクルと急速冷却制御装置を示す図である。図において、1は圧縮機、2は凝縮器、3は電動式膨張弁、4は蒸発器であり、これらは配管で環状に接続することにより冷凍サイクルを構成し、冷媒の圧縮、凝縮液化、減圧(膨張)、蒸発気化を行う周知のサイクルを形成する。5は電動式膨張弁3の開度を入力信号に応じて調整する電磁石、パルスモータなどの弁駆動部、6,7は蒸発器4の出口側と入口側の温度をそれぞれ検出する温度センサ、8は冷凍庫内の温度を検出する温度センサ、9は温度センサ6,7及び8が接続され、その出力に基づき弁駆動部5を制御する制御部である。
制御部9は、蒸発器4の出口側と入口側の温度をそれぞれ検出する温度センサ6,7からのそれぞれの入力信号により蒸発器出口温度と冷媒温度すなわち蒸発器入口温度との差をとって過熱度を演算し、この過熱度と設定過熱度とを比較して算出した偏差信号をPID動作に従って偏差修正を行って調節信号を求め、この調節信号に基づいて操作量を制御、すなわち、電動式膨張弁3を開閉させるパルス数を弁駆動部5に与える弁開度調節信号を印加することにより、電動式膨張弁3の開度を制御し、冷凍サイクルの冷媒流量を調整する。
図3は上記制御部9の内部構成を示し、同図において、A/D変換部91は蒸発器出口温度センサ6、入口温度センサ7及び庫内温度センサ8からの信号をA/D変換するA/D変換器、92は予め定めたプログラムに従って動作するマイクロコンピュータであり、マイクロコンピュータ92はCPU92a、プログラムや各種の固定データを格納したROM92b及び各種のデータエリアやワークエリアを有する書き換え可能なRAM92cを有する。CPU92aは、温度センサ6,7からの信号に基づいて過熱度を演算し、この演算した過熱度と予め設定しRAM92c中のデータエリア内に格納した設定過熱度とを比較して弁開度を演算する。そして、この演算による弁開度を弁駆動部5に送出して、電動式膨張弁3を動作させる。また、CPU92aは、設定過熱度とは別個に設定しROM92b中の所定エリア内に格納した庫内温度、電動式膨張弁の能力、必要冷却能力、蒸発温度、凝縮温度などの各種設定値から、庫内の各温度における弁開度の上限値及び下限値を演算する。電動式膨脹弁3を操作して、この上限値及び下限値に達すると弁開度は上限値/下限値で制限される。
図4は庫内温度に対して演算により求められる弁開度の上限値及び下限値の変化の様子を示すグラフであり、図示グラフから判るように、曲線aは庫内温度の低下によって上限開度が下げられていく様子を、曲線bは庫内温度の低下によって下限開度が下げられていく様子がそれぞれ示されている。庫内温度が高いとき下限開度を上げている理由は、電動式膨張弁3の閉めすぎを防止するためである。図4中の曲線c(破線)は初期所定開度であり、この初期所定開度は、請求項に対応して、下限(曲線b)から、この下限と上限(曲線a)と間隔の70%の値となっている。なお、請求項に対応する実施形態は図示を省略したが、後述する図5のステップS1において上限値、下限値、庫内温度に対応する初期所定開度が演算・設定されることはいうまでもない。この場合において、図6のステップS13、S14、S23の処理は不要で、代わりに庫内温度SRに対応する初期所定開度に設定される。
以上説明したように、庫内温度SRが高いときには設定過熱度SHに第2所定値αを加算した設定過熱度SH′により弁開度の上限値OLを演算するので、設定過熱度SHにより演算された上限値に比べれば低めの開度に設定し、庫内温度の低下とともに上限値を下げ、最終的には設定過熱度で運転できるようにしている。これは、急速冷却の負荷の大きな初期段階における蒸発器出口での初期過熱度が、急速冷却の負荷が小さくなる最終段階での最終過熱度に比べて大きいという特性を利用したのであり、冷却初期にはやや過熱気味の運転となるが、液量過多による弁閉動作を防止することができるので、無駄な操作がなくなり、結果的に冷却速度をアップして最終的な冷却温度を得るための時間を短縮することができる(液量過多になると弁の開閉を繰り返すので遅くなる。)。
以上概略説明した動作の詳細を、ROM92bに格納したプログラムに従ってCPU92aが行う処理を示す図5及び図6のフローチャートを参照して以下説明する。CPU92aは電源の投入によって動作を開始し、その最初のステップS1において初期設定を行う。この初期設定は、ROM92bに格納されている庫内温度、電動式膨張弁の能力、必要冷却能力、蒸発温度、凝縮温度、過冷却度、設定過熱度の値SHなどの各種設定値をRAM92c内の所定のエリアに書き込むことによって行われる。ステップS2では、図示しない起動スイッチの操作による起動信号があるか否かを判定し、この判定がYESになるのを待つ。起動信号があるとステップS3で図6のサブルーチンの処理を行い、ステップS4に進む。
ステップS4では、温度センサ8,7,6からの信号を読み込み、A/D変換して温度データSR(庫内温度)、SL(蒸発器入口温度)、SG(蒸発器出口温度)とする。次に、ステップS5で、過熱度SHTを式SHT=SG−SLにより演算する。このステップS5の処理により、CPU92aは蒸発器4の出口及び入口の冷媒配管に装着した温度センサ6,7からの信号に基づいて過熱度を演算する過熱度演算手段92a−1として機能している。次に、ステップS6で、過熱度と設定過熱度との差である過熱度偏差ΔSHを式ΔSH=SHT−SHにより演算する。そして、ステップS7では、“0←ΔSH”となるような電動式膨脹弁3の操作量を演算してRAM92cに蓄え、ステップS8に進む。ステップS8では、RAM92cに蓄えられた弁の操作量に基づいて電動式膨脹弁3の開閉操作を行い、ステップS4に戻る。ここで、ステップS4が別個の割込み処理にて処理される場合は、破線のようにステップS5に戻ることもある。なお、ステップS8では、前出のステップS1において演算・設定された弁開度の上限値及び下限値と比較して、ステップS8の開閉操作の結果が前記上下限値の制限を越えるようであれば、ステップS8における開閉操作を行なわないことはいうまでもない。
図6のサブルーチンの処理では、先ず、ステップS11で5秒タイマを始動する。次に、ステップS12では、温度センサ6,7,8の信号を読み込み、A/D変換して温度データSG(蒸発器出口温度)、SL(蒸発器入口温度)、SR(庫内温度)とする。ステップS13では、「冷凍負荷が大きいか/小さいか」を判定する。現在の庫内温度SRと設定庫内温度SRSとの差が20℃以上である時、判定はYESとなりステップS14に進み、20℃未満の時、判定はNOとなりステップS23に進む。ステップS14では、冷凍負荷が大きいので、弁の初期所定開度を2/3点になるように操作する。弁の開度対流量特性(パルス数対流量)から2/3を設定した理由は、負荷が大きい時、開度は全開〜1/2点にあることによる。このステップS13、S14の処理は請求項に対応している。
次に、ステップS15では、「5秒タイマは5秒毎の前回判定から5秒経過したか」を判定し、5秒経過していなければ、NOとなりステップS15を繰り返す。ステップS15で5秒経過していれば、YESとなりステップS16に進む。ステップS16では、今回の過熱度SHTを式SHT=SG−SLにより演算し、記憶する。ステップS16の処理により、CPU92aは蒸発器4の出口及び入口の冷媒配管に装着した温度センサ6,7からの信号に基づいて過熱度を演算する過熱度演算手段92a−1として機能している。ステップS17では、今回の過熱度SHTと前回の過熱度SHT′との差δSHの演算を行い、記憶する。このステップS17の処理により、温度センサには時間遅れがあるものの、温度変化の傾向は判定できることに着目している。ステップS18では、「今回の過熱度SHTと所定値γとの差は正か/負か」を判定し、0を含む負値(請求項の「非正値」)であればステップS21に進み、正値であればステップS19に進む。
ステップS19では、「今回の過熱度の差δSHは0.5℃以上か」を判定し、YESであれば、後述するステップS27に進み、定常状態制御工程に移行する。NOであれば、ステップS20の処理に進む。ステップS20では、「圧縮機始動から30秒経過したか」を判定する。30秒経過していればYESとなり後述するステップS27に進む。30秒経過していなければNOとなり、再びステップS15に戻る。ステップS21では、「今回の過熱度の差δSHは0.5℃以上か」を判定し、YESであれば、ステップS20に進む。NOであれば、ステップS22に進み、弁を所定開度、開方向に操作して、ステップS20に進む
ステップS23では、冷凍負荷が小さいので、弁の初期所定開度を1/3点になるように操作する。弁の開度対流量特性から1/3を選定した理由は、負荷が小さい時、弁開度は1/2点〜全閉点にあることによる。ステップS24は、「冷凍負荷が小さいか/さらに小さいか」を判定する。現在の庫内温度SRと設定庫内温度SRSとの差が20℃未満であり、かつ5℃以上である時、判定はYESとなりステップS15に進み、5℃未満の時、判定はNOとなりステップS25に進む。ステップS25では、「圧縮機始動から10秒経過したか」を判定する。10秒経過していなければ、NOとなりステップS25を繰り返し、10秒経過していれば、YESとなりステップS26に進む。ここで、ステップS25の「10秒経過」の判定は、前述した5秒タイマを2回判定してもよいし、別に10秒タイマを用意してもよいことはいうまでもない。このステップS13、S23の処理は請求項に対応している。
ステップS26では、負荷がさらに小さくて、庫内温度SRは設定庫内温度SRS近傍にあるので、前回、サーモoffなどにより圧縮機が停止した時の弁開度と同じ開度にする。ステップS27では、PID制御などの定常状態制御工程に移行して、過渡状態制御工程を終了する。ステップS28では、5秒タイマを停止して、メインルーチンのステップS3にリターンする。このステップS13、S23、S24、S25、S26の処理は請求項に対応している。
本発明は、圧縮機、凝縮器、電動式膨脹弁、及び蒸発器を配管により環状に接続した冷凍サイクルにあって、前記蒸発器が複数台あり、各々の前記蒸発器の出口側及び入口側に装着した各々の温度センサからの信号に基づいて過熱度を演算し、該演算した過熱度と予め設定した設定過熱度とを比較して複数台の前記電動式膨脹弁の弁開度を制御する複数台の冷却システム用制御装置の実施形態にも適用できることはいうまでもない。(複数台の制御装置の場合)
さらに、複数台の蒸発器のうちの1台の蒸発器と前記蒸発器の出口側及び入口側に装着した各々の温度センサからの信号に基づいて電動式膨脹弁の弁開度を制御する1台の冷却システム用制御装置と、複数台の蒸発器のうちの残りの蒸発器と電動式膨脹弁とに対応する電動式膨脹弁駆動装置で構成される冷凍サイクルにあっても適用できることはいうまでもない。ここに、1台の冷却システム用制御装置と残りの複数台の電動式膨脹弁駆動装置とにより開度を制御される複数台の電動式膨脹弁の開度は同期する。(1台の制御装置/複数台の駆動装置の場合)
冷却システムとは、冷凍サイクルを用いて構成された冷凍庫、冷蔵庫、オープンショーケース、チラーユニット、空気調和機、ヒートポンプ式空気調和機、冷凍サイクルを備え加熱冷却が可能な恒温槽等の冷凍サイクル装置の総称であることはいうまでもない。
また、段落[0020]で記述したように温度センサは固有の時定数特性を備え、また冷却サイクルにあっても固有の時定数特性を備えている。請求項では30秒の間としたが、参考例として20秒〜40秒程度の値であっても同様な作用効果が得られることはいうまでもない。さらに、所定値γもまた冷凍サイクルに固有の値であり、γ=0であれば、先の出願と同様の発明になることはいうまでもない。
本発明による実施形態の冷却システム用制御装置(急速冷却制御装置)の基本構成を示す図である。 実施形態の冷却システム用制御装置を適用する冷凍サイクルの構成を示す図である。 実施形態における制御部の内部構成を示す図である。 実施形態における弁開度の上限値及び下限値の変化の様子を示す図である。 実施形態におけるメインルーチンの要部フローチャートである。 実施形態におけるサブルーチンのフローチャートである。
符号の説明
1 圧縮機
2 凝縮器
3 電動式膨張弁
4 蒸発器
5 弁駆動部
6 蒸発器出口温度センサ
7 蒸発器入口温度センサ
8 庫内温度センサ
92a−1 過熱度演算手段(CPU)
92a−2 弁開度演算手段(CPU)
92a−3 弁開度上下限演算手段(CPU)
92a−4 比較手段(CPU)

Claims (5)

  1. 圧縮機、凝縮器、電動式膨脹弁、及び蒸発器を配管により環状に接続した冷凍サイクルにあって、前記蒸発器の出口側及び入口側に装着した温度センサからの信号に基づいて過熱度を演算し、該演算した過熱度と予め設定した設定過熱度とを比較して前記電動式膨脹弁の弁開度を制御する冷却システム用制御装置において、
    圧縮機始動後の弁開度を、初期所定開度に設定して、過渡状態の運転を開始し、圧縮機始動時から所定時間毎に過熱度を演算するとともに、今回の過熱度と前回の過熱度との差である過熱度差を演算する過渡状態制御工程を備え、
    前記今回の過熱度と所定過熱度との差が正値であり、かつ、今回の前記過熱度差が所定過熱度差以上の場合は、過渡状態制御工程から定常状態制御工程に移行し、
    前記今回の過熱度と前記所定過熱度との差が非正値であり、かつ、今回の前記過熱度差が前記所定過熱度差未満の場合は、電動式膨脹弁を所定開度、閉方向に操作して、過渡状態制御工程を継続するとともに、圧縮機始動後、30秒が経過したときは、次に定常状態制御工程を実行することを特徴とする冷却システム用制御装置。
  2. 庫内温度と設定庫内温度との差が20℃以上である時、設定する初期所定開度は前記電動式膨脹弁の弁開度2/3点であることを特徴とする請求項記載の冷却システム用制御装置。
  3. 庫内温度と設定庫内温度との差が5℃以上〜20℃未満である時、設定する初期所定開度は前記電動式膨脹弁の弁開度1/3点であることを特徴とする請求項記載の冷却システム用制御装置。
  4. 庫内温度と設定庫内温度との差が5℃未満である時、圧縮機始動後から10秒後には、前回圧縮機が停止した時の開度点に制御することを特徴とする請求項記載の冷却システム用制御装置。
  5. 圧縮機始動後の弁開度として設定する初期所定開度は、庫内温度に応じて予め定められた電動式膨脹弁の弁開度の上限値及び下限値の範囲の下限値から70%点の開度であることを特徴とする請求項記載の冷却システム用制御装置。
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