JP2006266635A - 冷却システム用制御装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】冷凍サイクルの電動式膨張弁の開度を制御する冷却システム用制御装置において、冷凍サイクルの起動後の電動式膨張弁の開度を起動開度点に自動的に設定し、使い勝手を向上させる。
【解決手段】冷凍サイクルの庫内温度を温度センサ8により検出する。蒸発器4の出口と入口の温度を温度センサ6,7により検出する。庫内温度から冷凍負荷の大/小を判定する。冷凍負荷が大きい時は起動開度を67%点とし、小さい時は33%点とする。5秒毎に、蒸発器出口温度と蒸発器入口温度との差から第1の過熱度(温度/温度式による算出)を演算し、過熱度の変化量に応じて弁開度の操作量を調節して初期開度に到達するよう制御を行い、30秒後に定常状態運転に移行する。また、起動運転失敗時には起動開度を更新しておく。
【選択図】図2
【解決手段】冷凍サイクルの庫内温度を温度センサ8により検出する。蒸発器4の出口と入口の温度を温度センサ6,7により検出する。庫内温度から冷凍負荷の大/小を判定する。冷凍負荷が大きい時は起動開度を67%点とし、小さい時は33%点とする。5秒毎に、蒸発器出口温度と蒸発器入口温度との差から第1の過熱度(温度/温度式による算出)を演算し、過熱度の変化量に応じて弁開度の操作量を調節して初期開度に到達するよう制御を行い、30秒後に定常状態運転に移行する。また、起動運転失敗時には起動開度を更新しておく。
【選択図】図2
Description
本発明は、冷凍サイクルにおける冷却システム用制御装置に係り、詳細には、冷凍サイクルの起動後の電動式膨張弁の初期開度を制御して、庫内温度が設定庫内温度に移行するまでの該電動式膨張弁の開度を制御する冷却システム用制御装置に関する。
従来、本発明に関連する先行文献として、例えば特開平9−229495号公報(特許文献1)、特開2003−222369号公報(特許文献2)、特許第2529387号公報(特許文献3)、がある。
特許文献1は、冷凍サイクル(冷凍システム)の蒸発器の出口および入口に装着した温度センサからの信号に基づいて過熱度を演算し、電動式比例型膨張弁の開度を制御する制御方法に関する技術である。そして、入力操作部から入力される、冷媒種類、コンプレッサ種類、膨張弁形式等の各種の入力データに基づいて、電動膨張弁の運転開始時の開度である初期開度を演算する。
特許文献2は、空気調和装置において電子膨張弁の制御定数を自動設定するにあたり、ステップ応答から時定数を求めて制御定数を決定するようにしている。
特許文献3は、冷凍サイクルの安定運転時の電子膨張弁の開度を予め求めておき、この求めておいた開度を、冷凍サイクルの起動毎に学習に伴う修正を加えるようにし、弁開度を制御するようにしている。
特開平9−229495号公報
特開2003−222369号公報
特許第2529387号公報
特許文献2の従来技術は、ステップ応答から時定数を求めて制御定数を決定するため、定常状態の運転時における制御定数は求められるものの、起動時の制御に必要な、特に起動時の初期開度を得ることができないという問題がある。なお、ステップ応答は定常状態の運転時で作用する機能である。
特許文献3の従来技術は、開度を予め求めておく必要があるが、この開度を求めることに冷凍サイクル固有の特性を熟知する必要があり、使用者の負担が大きく使い勝手が悪いという問題がある。
特許文献1の従来技術は、冷却システムの運転開始時の初期開度を演算することで、使用者(ユーザ)の負担を低減する技術であるが、この初期開度を演算するために、多種類の設定パラメータの入力操作が必要であり、改良の余地を残している。
本発明は、上記の課題を解決し、使用者による各種設定値の設定操作を少なくし、操作性を改良して使い勝手を向上させた冷却システム用制御装置を提供することを課題とする。
請求項1の冷却システム用制御装置は、冷凍サイクルの膨張弁の開度を調節する冷却システム用制御装置において、前記冷凍サイクルの起動時の負荷温度に基づいて「冷凍負荷が大きい/小さい」を判定し、大きい場合は前記膨張弁の起動開度を半開点よりも全開側に操作し、小さい場合は前記膨張弁の起動開度を半開点よりも全閉側に操作し、所定時間後に過渡状態運転から定常状態運転に移行する制御工程を備えることを特徴とする。なお、本明細書において、冷凍サイクルの起動直後(過渡状態運転開始時)に設定する開度を「起動開度」、定常状態運転に移行した時点の開度を「初期開度」という。
請求項2の冷却システム用制御装置は、請求項1に記載の冷却システム用制御装置であって、前記冷凍サイクルの起動後、前記過渡状態運転を行い、過熱度を監視して「過熱度が所定範囲外か/所定範囲内か」を判定し、膨張弁を所定開度分、開閉操作し、所定時間後に前記定常状態運転に移行することを特徴とする。
請求項3の冷却システム用制御装置は、請求項1に記載の冷却システム用制御装置であって、前記冷凍サイクルの起動後、前記過渡状態運転を行い、単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して「過熱が付く方向か/液戻り方向か」を判定し、膨張弁を所定開度分、開閉操作し、所定時間後に前記定常状態運転に移行することを特徴とする。
請求項4の冷却システム用制御装置は、請求項1に記載の冷却システム用制御装置であって、前記冷凍サイクルの起動後、前記過渡状態運転を行い、過熱度を監視して「過熱度が所定範囲外か/所定範囲内か」を判定するとともに、単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して「過熱が付く方向か/液戻り方向か」を判定し、膨張弁を所定開度分、開閉操作し、所定時間後に前記定常状態運転に移行することを特徴とする。
請求項5の冷却システム用制御装置は、請求項2、3または4に記載の冷却システム用制御装置であって、前記膨張弁を前記所定開度分開閉操作した後、該開閉操作が操作不足の場合は同方向に該所定開度よりも少ない開閉操作を行い、操作過多の場合は逆方向に該所定開度よりも少ない開閉操作を行うことを特徴とする。
請求項6の冷却システム用制御装置は、冷凍サイクルの膨張弁の開度を調節する冷却システム用制御装置において、前記冷凍サイクルの起動時に、前記膨張弁の起動開度を半開点に操作し、過熱度と単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して、該膨張弁の開閉操作量を経過時間に応じて減少させ、かつ該膨張弁を間欠的に開閉操作し、所定時間後に過渡状態運転から定常状態運転に移行する制御工程を備えたことを特徴とする。
請求項1の冷却システム用制御装置によれば、例えばプレハブ冷凍庫の場合、庫内温度が設定庫内温度よりも例えば20℃以上高い時は冷凍負荷が大きく、20℃未満の時は小さいと判定する。そして大きい時は起動開度を67%点とし、小さい時は33%点とする。過渡状態運転では過熱度が5℃〜15℃内にあれば冷却は可能であるので、30秒後に定常状態運転に移行して、例えばPID動作により弁開度を制御する。また、「冷凍負荷が大きい/小さい」の判定点を、例えばプレハブ冷蔵庫は、設定庫内温度より15℃高い点とし、例えば冷蔵ショーケースは、設定庫内温度より10℃高い点とし、例えば空気調和機は、設定室内温度より5℃高い点(暖房時は5℃低い点)とすればよい。すなわち、冷却システムを構成する冷凍サイクル、及び設置場所の環境条件によって、好適に選択すればよいことはいうまでもない。
請求項2の冷却システム用制御装置によれば、冷凍サイクルが起動して例えば5秒経過すれば、過熱度とその変化傾向が判断できるので、過熱度が付き過ぎる方向と判断したら例えば12.5%分、開方向に操作し、液戻り方向と判断したら例えば12.5%分、閉方向に操作して、起動から例えば30秒後に定常状態運転に移行する。すなわち、開度は79.5%、54.5%、45.5%、または20.5%である。
請求項3の冷却システム用制御装置によれば、冷凍サイクルが起動して例えば5秒経過すれば、好適な開度点からのズレが大きい程、過熱度の変化量も大きいので、過熱度が付く方向と判断したら例えば12.5%分、開方向に操作し、液戻り方向と判断したら例えば12.5%分、閉方向に操作して、起動から例えば30秒後に定常状態運転に移行する。すなわち、開度は79.5%、54.5%、45.5%、または20.5%となる。
請求項4の冷却システム用制御装置によれば、請求項2及び3と同様な作用効果を奏する。
請求項5の冷却システム用制御装置によれば、請求項2、3または4において、操作不足の場合も、操作過多の場合も、今回の操作量は前回の操作量よりも少ないので、制御系が発散することなく好適な初期開度に到達する。ここで、制御系が発散しないように所定開度を、例えば、5秒時点で12.5%分、10秒時点で10%分、15秒時点で7.5%分、20秒時点で5%分、25秒時点で2.5%分とするとよい。
請求項6の冷却システム用制御装置によれば、冷凍サイクルの起動時に、膨張弁の起動開度が半開点に操作され、膨張弁の開閉操作量を経過時間に応じて減少さ、かつ膨張弁を間欠的に開閉操作し、所定時間後に定常状態運転に移行するので、請求項5と同様に、制御系が発散することなく好適な初期開度に到達する。この開閉操作は、過熱が付く方向か/液戻り方向かによって開操作/閉操作を決める。
請求項1の冷却システム用制御装置によれば、冷凍負荷の大/小を判断して起動開度点に開閉操作するので、使用者による各種設定値の設定操作が少なくても起動開度点に自動的に設定され、使い勝手が向上する。
請求項2の冷却システム用制御装置によれば、請求項1の効果に加えて、過熱度そのものを監視して好適な開度を選択するので、高品位の冷却制御が可能となる。
請求項3の冷却システム用制御装置によれば、請求項1の効果に加えて、単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して好適な開度を選択するので、高品位の冷却制御が可能となる。
請求項4の冷却システム用制御装置によれば、請求項1と同様な効果が得られる。
請求項5の冷却システム用制御装置によれば、請求項2〜4の効果に加えて、所定開度が徐々に小さくなり、前回の操作に行き過ぎがあれば、今回は戻し操作を行うことができるので、速やかに好適な開度点に到達でき、高品位の冷却制御が可能となる。
請求項6の冷却システム用制御装置によれば、膨張弁の起動開度が半開点に操作され、その後、間欠的に開閉操作し、所定時間後に定常状態運転に移行するので、使用者による各種設定値の設定操作が少なくても起動開度点に自動的に設定され、使い勝手が向上するとともに、制御系が発散することなく好適な初期開度に到達し、高品位の冷却制御が可能となる。
次に、本発明の冷却システム用制御装置の実施形態を図面を参照して説明する。図1は実施形態の冷却システム用制御装置を適用した冷凍サイクルにおける急速冷却制御装置の基本構成を示す図である。この急速冷却制御装置は、冷凍サイクルの蒸発器の出口側と入口側とにそれぞれ装着した温度センサ6,7及び庫内温度センサ8からの信号をA/D変換するA/D変換部91と、A/D変換部91から出力される温度センサ6,7の温度データに基づいて過熱度を演算する過熱度演算手段92a−1と、この演算した過熱度から弁開度の操作量を演算する弁開度演算手段92a−2と、A/D変換部91から出力される庫内温度センサ8の温度データにより庫内の各温度における弁開度の上限値及び下限値を演算する弁開度規制演算手段92a−3と、弁開度規制演算手段92a−3により演算した弁開度の上限値及び下限値と前記弁開度演算手段92a−2により演算した弁開度とを比較し、その比較結果を弁駆動部5に送出して、電動式膨張弁3を駆動させる比較手段92a−4と、A/D変換部91から出力される温度センサ8の温度データに基づいて冷凍負荷の大/小に応じて起動開度を設定するとともに、過熱度演算手段92a−1で演算した過熱度(後述の第1の過熱度)の変化量により初期開度に到達するよう制御する初期開度制御手段92a−5と、を備えている。
なお、符号10で示す破線のブロックは圧力スイッチ、圧力センサ等の圧力検出手段であるが、冷凍サイクルに圧力検出手段10を備えている冷却システムにおいては、この圧力検出手段10を利用して弁開度の制御を行う。すなわち、圧力検出手段10からの信号をA/D変換ブロック91で圧力データに変換し、過熱度演算手段92a−1において、出口側の温度センサ6で検出した温度データとに基づいて第2の過熱度(温度/圧力式による算出)を演算し、弁開度演算手段92a−2において、前記温度センサ6,7の温度データに基づいて演算した過熱度(以後、「第1の過熱度」という。)と第2の過熱度とから弁開度の合計操作量を演算する。いうまでもなく、圧力検出手段10を備えていない場合は前述の合計操作量は第1の過熱度から算出する。
弁開度演算手段92a−2は、後述の過渡状態運転後の定常状態運転時に、第1の過熱度に対応する第1操作量MTと第2の過熱度に対応する第2操作量MPを演算し、庫内温度センサ8の温度データに応じた合計操作量Mを演算する。また、弁開度規制演算手段92a−3は、第3優先制御工程として、庫内温度の低下によって弁開度の上限開度と下限開度を下げるように弁開度を規制するように演算し、第2優先制御工程として、過熱度の範囲が例えば5℃以上かつ25℃以下となるように弁開度を演算し、第1優先制御工程として、MOPび低圧カットを規制するように弁開度を演算する。ここで段落[0029],[0030]で記述した合計操作量については後述する。
ここで、MOP及び低圧カットについて説明する。MOP(Maximum Operating Pressure)とは、元々温度式膨張弁の機能である。MOPの規制の結果、圧縮機始動時の液戻り防止、圧縮機モータの過負荷防止が可能となる。一般的にいう、ハイ・リミットの機能である。低圧カットは低圧側圧力スイッチの主たる機能である。膨張弁、蒸発器など冷凍サイクルに異常が発生して冷媒が流れなくなると低圧側圧力が下がるので、そのとき低圧カットが作用して冷凍サイクルを保護する。一般的にいう、ロー・リミットの機能である。
初期開度制御手段92a−5は、冷凍サイクルの起動後の初期開度運転時に、弁開度の開閉方向を判断するために第1の過熱度を検出するとともに、庫内温度に基づいて冷凍負荷の大/小を判断し、その大/小に応じた起動開度をメモリから読み出して弁駆動部5に対して設定する。そして、所定時間(例えば5秒)毎に、第1の過熱度の変化量に応じて弁開度を選択し、弁駆動部5に対して弁開度を開方向または閉方向に設定して、操作し、起動から所定時間(例えば30秒)後に前記定常状態運転に移行する。なお、この実施形態では、メモリには起動開度のデフォルト値が記憶されており、初回起動時にはデフォルト値を用い、起動失敗時にはメモリの起動開度を書き換え、成功時にはまたデフォルト値に書き換える。
図2は実施形態の冷凍サイクルと急速冷却制御装置を示す図である。図において、1は圧縮機、2は凝縮器、3は電動式膨張弁、4は蒸発器であり、これらは配管で環状に接続することにより冷凍サイクルを構成し、冷媒の圧縮、凝縮液化、減圧(膨張)、蒸発気化を行う周知のサイクルを形成する。5は電動式膨張弁3の開度を入力信号に応じて調節する電磁石、パルスモータなどの弁駆動部、6,7は蒸発器4の出口側と入口側の温度をそれぞれ検出する温度センサ、8は冷凍庫内の庫内温度を検出する温度センサ、10は蒸発器4の出口側の蒸発圧力を検出する圧力スイッチ(前記圧力検出手段)、9は圧力スイッチ10と温度センサ6,7及び8が接続され、その出力に基づき弁駆動部5を制御する制御部である。
制御部9は、電動式膨張弁3を開閉させるパルス数を弁駆動部5に与える弁開度調節信号を印加することにより、電動式膨張弁3の開度を制御し、冷凍サイクルの冷媒流量を調節する。初期開度運転時には、蒸発器4の出口側と入口側の温度をそれぞれ検出する温度センサ6,7からのそれぞれの入力信号により蒸発器出口温度と冷媒温度すなわち蒸発器入口温度との差をとって第1の過熱度(温度/温度式による算出)を演算する。また、温度センサ8で検出した庫内温度により冷凍負荷の大/小を判断し、冷凍負荷が大きい場合は、電動式膨張弁3の弁開度が半開点よりも全開側の起動開度となるようにし、冷凍負荷が小さい場合は、電動式膨張弁3の弁開度が半開点よりも全閉側の起動開度となるようにする。そして、5秒毎に、前記同様に第1の過熱度を演算しながらこの5秒毎の第1の過熱度の変化量により開閉操作の操作方向および操作量を決定して、電動式膨張弁3の開度を初期開度に到達するよう制御し、起動から30秒経過すると定常状態運転に入る。
定常状態運転では、制御部9は、第1の過熱度を演算して、この第1の過熱度と設定過熱度とを比較して算出した偏差信号をPID動作に従った第1操作量MTを求める。また、制御部9は、圧力スイッチ10からの入力信号と前記出口側の温度センサ6からの信号とに基づいて第2の過熱度(温度/圧力式による算出)を演算し、この第2の過熱度と設定過熱度とを比較して算出した偏差信号をPI動作に従った第2操作量MPを求める。そして、温度センサ8で検出した庫内温度に応じて合計操作量Mを演算し、この全操作量Mに対応する調節信号を出力する。ここに、前述したPID動作とはD要素のないPI動作も含まれることはいうまでもない。ここで記述した合計操作量Mについては後述する。
図3は上記制御部9の内部構成を示し、同図において、A/D変換部91は蒸発器出口温度センサ6、入口温度センサ7、庫内温度センサ8及び圧力センサ10からの信号をA/D変換するA/D変換器、92は予め定めたプログラムに従って動作するマイクロコンピュータであり、マイクロコンピュータ92はCPU92a、プログラムや各種の固定データを格納したROM92b及び各種のデータエリアやワークエリアを有する書き換え可能なRAM92cを有する。なお、このRAM92cには後述の失敗フラグ、負荷大時の起動開度及び負荷小時の起動開度を記憶しておく領域が設定されている。CPU92aは、起動時にRAM92cから起動開度を読み出し、弁駆動部5に送出して電動式膨張弁3を起動時の開度とする。次に、CPU92aは内部のタイマにより5秒毎の処理を行う。この5秒毎の処理では、温度センサ6,7からの信号に基づいて第1の過熱度とその変化量を演算し、この変化量に応じて弁開度の操作量(及び方向)を選択する。そして、起動から30秒後に定常状態運転に移行する。
定常状態運転では、CPU92aは、温度センサ6,7と圧力センサ10からの信号に基づいて第1及び第2の過熱度を演算し、この演算した第1及び第2の過熱度から弁開度を演算する。そして、この演算による弁開度を弁駆動部5に送出して、電動式膨張弁3を動作させる。また、CPU92aは、ROM92b中の所定エリア内に格納した庫内温度、電動式膨張弁の能力(形式)、必要冷却能力などの各種設定値から、庫内の各温度における弁開度の上限値及び下限値を演算する。制御部9が電動式膨張弁3を操作して、この上限値及び下限値に達すると弁開度は上限値/下限値で制限される。
図4は庫内温度に対して演算により求められる弁開度の上限値及び下限値の変化、及び優先制御工程による開度の規制の概念を示す説明図であり、説明図から分かるように、曲線aは庫内温度の低下によって上限開度が下がる様子を、曲線bは庫内温度の低下によって下限開度が下がる様子をそれぞれ示している。これが第3優先制御工程である。また、曲線aを跨ぐ斜線の範囲は、過熱度の範囲を例えば5℃以上に規制する概念、及びMOPを規制する概念を示している。これが第2優先制御工程、及び第1優先制御工程である。さらに、曲線bを跨ぐ斜線の範囲は、過熱度の範囲を例えば25℃以下に規制する概念、及び低圧カットを規制する概念を示している。これが第2優先制御工程、及び第1優先制御工程である。本発明には直接関係しないが、曲線cは初期所定開度であり、この初期所定開度は、下限(曲線b)から、この下限と上限(曲線a)との間隔の70%の値となっている。庫内温度が高いとき下限開度を上げている理由は、冷凍負荷が大きい場合の電動式膨張弁3の閉めすぎを防止するためである。
以上説明したように、庫内温度が高いときには設定過熱度SHに(第2)所定値αを加算した設定過熱度SHαにより弁開度の上限値を演算するので、設定過熱度SHに基づく弁開度の上限値に比べれば、設定過熱度SHαに基づく方が過熱度が大きい分、低めの弁開度の上限値に設定し、庫内温度の低下とともに上限値を下げ、最終的には設定過熱度SHで運転できるようにしている。これは、急速冷却の負荷の大きな初期段階における蒸発器出口での初期過熱度が、急速冷却の負荷が小さくなる最終段階での最終過熱度に比べて大きいという特性を利用したのであり、冷却初期にはやや過熱気味の運転となるが、液量過多による弁閉動作を防止することができるので、無駄な操作がなくなり、結果的に冷却速度をアップして最終的な冷却温度を得るための時間を短縮することができる(液量過多になると弁の開閉を繰り返すので冷却速度が遅くなる。)。
以上概略説明した動作の詳細を、ROM92bに格納したプログラムに従ってCPU92aが行う処理を示すフローチャートを参照して以下説明する。図5〜図9は実施例のフローチャートである。なお、本実施形態では第2の過熱度でも弁開度を制御しているが、この第2の過熱度は必ずしも必要としないので、図5及び図6のフローチャートにおいて圧力センサ10のみに関するブロックは破線で図示してある。CPU92aは電源の投入によって動作を開始し、その最初のステップS1において初期設定を行う。この初期設定は、ROM92bに格納されている庫内温度、電動式膨張弁の能力(形式)、必要冷却能力、設定過熱度の値SHなどの各種設定値をRAM92c内の所定のエリアに書き込むことによって行われる。
このとき、ROM92bに格納されている起動開度のデフォルト値もRAM92cに書き込まれる。図10はRAM92cの起動開度及び失敗フラグの記録内容を示す図であり、図10(a) は失敗フラグがリセットされるとともにデフォルト値が記録された状態を示す。また、図10(b) は過熱が付く方向で起動運転に失敗して失敗フラグがセットされ、修正された起動開度が記録された状態を示す。また、図10(c) は過熱が付かない方向で起動運転に失敗して失敗フラグがセットされ、修正された起動開度が記録された状態を示す。すなわち、初期設定において図10(a) の状態とされ、起動運転の失敗時に図10(b) または(c) のように書き換えられ、さらに、失敗後に起動運転に成功したときは、図10(a) の状態に書き換えられる。
ステップS2では、図示しない起動スイッチの操作による起動信号があるか否かを判定し、この判定がYESになるのを待つ。起動信号があるとステップS3で図7のサブルーチンにより弁初期開度運転を行って、ステップS4に進む。この図7のサブルーチンの処理により、CPU92aは起動開度を設定するとともに初期開度に到達するよう制御する初期開度制御手段92a−5として機能している。
後述のように、図7の弁初期開度運転によって起動開度が設定されるとともに、30秒間で初期開度に到達するよう調節が行われ、ステップS4に戻る。ステップS4は通信処理を行いステップS5に進む。この通信処理は、例えば複数の蒸発器をそれぞれ制御する複数の冷却システム用制御装置を接続した場合に各制御装置間(親機と子機間)で通信を行う処理である。ステップS5では、圧力センサ10からの信号を読み込み、A/D変換して蒸発器出口圧力PG、蒸発圧力相当温度SPGを演算し、ステップS6に進む。ステップS6では、温度センサ6,7,8からの信号を読み込み、A/D変換して温度データSG(蒸発器出口温度)、SL(蒸発器入口温度)、SR(庫内温度)とする。次に、ステップS7で、第1の過熱度SHTを式SHT=SG−SLにより演算する。このステップS7の処理により、CPU92aは蒸発器4の出口及び入口の冷媒配管に装着した温度センサ6,7からの信号に基づいて第1の過熱度を演算する過熱度演算手段92a−1として機能している。次に、ステップS8で、第2の過熱度SHPを式SHP=SG−SPGにより演算し、ステップS9に進む。ここで、図5のステップS5以降の処理において、圧力検出手段を備えない場合、破線の処理、すなわち圧力データに関わる処理が実行されないことはいうまでもない。
ステップS9では、第1の過熱度SHTと設定過熱度SHとの差である第1の過熱度偏差ΔSHTを補正値βも加味して、式ΔSHT=SHT−(SH+β)により演算し、ステップS10で、第2の過熱度SHPと設定過熱度SHとの差である第2の過熱度偏差ΔSHPを式ΔSHP=SHP−SHにより演算し、図6のステップS11に進む。なお、補正値βは、想定される実際の過熱度(あるいは第2の過熱度SHP)と第1の過熱度SHTとのズレを考慮した値であり、補正値βはメモリに格納しているデフォルト値でもよいし、第1の過熱度SHTと第2の過熱度SHPとを減算した値でもよい。また、冷却システムによっては補正値βが変化する場合もある。この場合には、例えば、庫内温度SRを10℃毎に区分して、区分1における補正値βの代表値βiを記憶手段に格納しておけば、庫内温度SRの変化に対して好適な補正値βiが得られるので、より高品位の制御ができる。
図6のステップS11では、“0←ΔSHT”となるような電動式膨張弁3の第1操作量MTを演算してRAM92cに蓄え、ステップS12で“0←ΔSHP”となるような電動式膨張弁3の第2操作量MPを演算してRAM92cに蓄え、ステップS13に進む。次に、ステップS13では庫内温度SRが−5℃以上であるかを判定し、ステップS15では庫内温度SRが−10℃以上であるかを判定する。そして、庫内温度SRが−5℃以上の場合は、ステップS14で合計操作量Mを第2操作量MPとしてステップS18に進む。庫内温度SRが−5℃未満〜−10℃以上の場合は、ステップS16で操作量MPと操作量MTとの割合を庫内温度SRに応じて変えながら合計操作量Mを演算し、ステップS18に進む。また、庫内温度SRが−10℃未満の場合は、ステップS17で合計操作量Mを第1操作量MTとしてステップS18に進む。なお、ステップS16での割合は、SR=−5℃でM=MP、SR=−10℃でM=MTとなるようにその間を補間するような割合である。ここで、圧力検出手段を備えない場合、ステップS13〜S16の処理は行わす、ステップS17のみを実行することはいうまでもない。
ステップS18では、弁開度の上限値/下限値を規制する第3優先制御処理であり、前記ステップS14、あるいはS16、あるいはS17で演算した合計操作量Mに対して、S18の規制が優先する。よって、合計操作量Mが100%で弁の開閉操作をするとは限らない。ステップS19は、第1の過熱度の範囲を規制する第2優先制御処理であり、冷媒量が多すぎて液バックしないように、または少なすぎて過熱が付きすぎないように規制する。すなわち、ステップS18の第3優先制御処理の規制を経ても、このステップS19の規制が優先する。よって、この場合も、合計操作量Mが100%で弁の開閉操作をするとは限らない。ステップS20は、第1優先制御処理であり、蒸発器出口圧力PGがMOP設定値以下となるような操作量、蒸発器出口圧力PGが低圧カット設定値以上となるように操作量を演算し、MOP規制、低圧カット規制の処理を行う。すなわち、ステップS18の第3優先制御処理、およびステップS19の第2優先制御処理の規制を経ても、このステップS20の規制が優先する。よって、この場合も、合計操作量Mが100%で弁の開閉操作をするとは限らない。そして、ステップS21で、ステップS13〜S20の処理の結果により、弁の開閉操作を実行し、図5のステップS4に戻る。
次に、図7の弁初期開度運転のサブルーチンについて説明するが、以下の説明及びフローチャートにおいて、「n」は予め“0”にリセットされ5秒毎の経過時間を示すレジスタ及びその格納データを示し、「SHTn 」、「δSHTn 」は上記経過時間n(添字)に対応する第1の過熱度及び変化量を示すレジスタ及びその格納データを示している。また、前記ステップS2で起動信号が検出されると内部時計による5秒タイマ及び30秒タイマが起動される。さらに、起動時には弁の開度は全開(100%点)若しくは全閉(0%)となっている。
先ず、ステップS30では、温度センサ6,7,8からの信号を読み込み、A/D変換して温度データSG、SL及びSRとする。次に、ステップS31で、第1の過熱度SHT(=SHT0 )を式SHT(=SHT0 )=SG−SLにより演算し、ステップS32に進む。ステップS32では、現在の庫内温度SRと設定庫内温度SRSとの差が20℃以上であるかを判定し、判定がYESのとき(冷凍負荷が大きいとき)ステップS33に進み、判定がNOのとき(冷凍負荷が小さいとき)ステップS34に進む。ステップS33では、メモリに格納されている負荷大時の起動開度(例えば67%点)を読み出して、弁の開閉操作を行い、ステップS35に進む。ステップS34では、メモリに格納されている負荷小時の起動開度(例えば33%点)を読み出して、弁の開閉操作を行い、ステップS35に進む。
ステップS35では「起動運転は成功したか」の判定を行い、判定がNO(起動失敗)であれば図8のステップS47に進む。判定がYES(起動成功)であればステップS36で5秒タイマが計時をタイムアップしたかを判定し、ステップS36で5秒タイマがタイムアップするまでステップS35及びS36を繰り返す。そして、タイムアップするとステップS37で30秒タイマにより起動から30秒が経過したかを判定する。30秒経過すれば図9のステップS51に進み、30秒経過していなければステップS38に進む。これにより、起動から30秒間は5秒毎にステップS38以降の処理が行われる。
ステップS38では、レジスタnの値(経過時間)を5(秒)だけ増加させ、ステップS39で温度センサ6,7からの信号を読み込み、A/D変換して温度データSG及びSLとする。そして、ステップS40で、現時点の第1の過熱度SHTn を式SHTn =SG−SLにより演算するとともに、5秒前の第1の過熱度SHTn-5 から現時点の第1の過熱度SHTn までの変化量δSHTn を式δSHTn =SHTn −SHTn-5 により演算する。次に、ステップS41で、起動時の第1の過熱度SHTが5℃以上で15℃未満の範囲であるかを判定し、過熱度SHTがこの5℃以上15℃未満の範囲内にあればそのままステップS35に戻り、過熱度SHTが前記範囲の外側であれば、ステップS42で15℃以上であるか否かを判定する。過熱度SHTが15℃以上であればステップS43に進み、15℃以上でなければ(5℃未満であれば)ステップS45に進む。
ステップS43では、現時点の過熱度の変化量δSHTn が0.5℃以上であるか否かを判定し、0.5℃以上でなければそのままステップS35に戻る。過熱度の変化量δSHTn が0.5℃以上であれば、ステップS44で起動開始後の経過時間(n)に応じた量だけ弁を開操作する。5秒経過時点(n=5)では12.5%分、10秒経過時点(n=10)では10%分、15秒経過時点(n=15)では7.5%分、20秒経過時点(n=20)では5%分、25秒経過時点(n=25)では2.5%分、それぞれ開操作し、ステップS35に戻る。
ステップS45では、現時点の過熱度の変化量δSHTn が0.5℃以上であるか否かを判定し、0.5℃以上であればそのままステップS35に戻る。過熱度の変化量δSHTn が0.5℃以上でなければ、ステップS46で起動開始後の経過時間(n)に応じた量だけ弁を閉操作する。5秒経過時点(n=5)では12.5%分、10秒経過時点(n=10)では10%分、15秒経過時点(n=15)では7.5%分、20秒経過時点(n=20)では5%分、25秒経過時点(n=25)では2.5%分、それぞれ閉操作し、ステップS35に戻る。
以上のように、起動時の過熱度SHTが15℃以上で変化量δSHTn が0.5℃以上の場合、過熱度が付く方向と判断して開方向に操作し、起動時の過熱度SHTが5℃未満で変化量δSHTn が0.5℃以上でない場合、液戻り方向と判断して閉方向に操作する。また、5秒以降は、今回の操作量を前回の操作量よりも少なくして制御系が発散しないように操作する。これにより好適な初期開度に到達する。なお、極端に過熱が付く方向や極端に液戻り方向となる場合には、20秒後及び25秒時点で、累算上の開度が100%または0%を越える場合もあるが、その場合は全開または全閉として固定する。さらに、弁開度と弁の流量特性とは必ずしもリニアではなく、流量特性の100%または0%により制御してもよい。この場合の流量特性は段落[0037]で記述した電動式膨張弁の能力(形式)から得られることはいうまでもない。
この実施形態では、ステップS35で起動運転に失敗したと判断されたときは、図8に進み、ステップS47で失敗フラグをセットし、ステップS48で過熱が付く方向であったか否かを判定する。過熱が付く方向であったら、ステップS49でメモリに格納されている起動開度(デフォルト値は67%点と33%点)を+15%分修正して処理を終了し、過熱が付く方向でなければ、ステップS50でメモリに格納されている起動開度を−15%分修正して処理を終了する。すなわち、開度不足で起動運転に失敗した時は、次回の再起動は82%点/48%点の開度で起動し、開き過ぎで失敗した時は、次回の再起動は52%点/18%点の開度で起動する。これにより、次回の再起動では冷凍負荷に好適な開度点に速やかに到達できる。実際の冷却システムの運転結果により、失敗フラグがセットされることが多ければ、マイクロコンピュータ92が記憶しているデフォルト値を好適な方向の値に変更すればよいことはいうまでもない。
また、起動運転が「成功した」場合は、ステップS37を経て図9のステップS51で失敗フラグをリセットし、ステップS52でメモリに格納されている負荷大時の起動開度を開度67%、負荷小時の起動開度を開度33%に修正して図5のステップS4に復帰する。
図11は起動後の経過時間に対する弁開度の説明図である。この例では、起動後10秒経過時点では開度操作が必要ないと判定され、その他の時点で開操作または閉操作を繰り返している場合を示している。また、10秒経過までは戻し操作の例も示しているが、この戻し操作により全開(100%)から全閉(0%)の範囲で好適な初期開度に調整される。なお、図7のステップS41〜S43,S45の判定により5通りの状態が判定される。例えば図12に10秒時点の例を示すように、過熱度SHTが5℃以上で15℃未満の範囲内の場合、過熱度SHTが5℃未満または15℃以上の場合、変化量δSHT10がそれぞれ増加する方向と減少する方向が判定される。
以上の実施形態では、起動運転の失敗時に起動開度を更新するようにしているので、次回の起動運転の信頼性がより高まるが、本発明を実施するにあたっては起動開度の更新は必ずしも必要ではない。
以上の実施形態では、起動開度として、デフォルト値の67%点と33%点、起動失敗時の82%点と48%点、及び52%点と18%点のように、半開点よりも全開側と半開点よりも全閉側の値を採用しているが、例えば図11に破線の矢印で示したように、起動開度として半開点(50%)にしてもよい。この場合には、図7のステップS32〜S34に代えて、冷凍負荷の判定(SRとSRSとの差の判定)を行わずに起動開度を50%とするステップを実行し、ステップS35以降で第1の過熱度の変化量δSHTn に基づいて初期開度を調節すればよい。
冷却システムがプレハブ冷凍・冷蔵庫の場合、一般的に低圧側に圧力検出手段を備えるので前記実施形態を実施すれば最適である。容量可変式の圧縮機にも対応できる。
冷却システムが冷凍・冷蔵ショーケースの場合、一般的に低圧側に圧力検出手段を備えていないが、温度/温度式による第1の過熱度のみで制御するように本発明を実施すれば好適である。ショーケースの場合、庫内に複数の温度センサを備える場合がある。特に、オープンショーケースの場合、本発明の適用には、蒸発器の入口側及び出口側の2本の温度センサと庫内空気吹き出し温度センサとの3本で考えるのが一般的である。すなわち、オープンのため、外気温度の影響を受けるので、吹き出し温度で制御する方が安定する。
冷却システムが空気調和機の場合、一般的に低圧側に圧力検出手段を備えていないし、また、庫内温度(室内側温度)のレンジも狭いが、本発明を実施して好適である。ヒートポンプ式空気調和機の場合、例えば暖房時に吐出温度制御を行っていても、蒸発器(冷房時は凝縮器)を温度/温度式の第1の過熱度で監視する場合は同様である。
なお、参考技術例として次のようなものが考えられる。例えば圧縮機1の運転容量信号を受ける入力部を設け、庫内温度に基づく判定工程よりも優先して、「冷凍負荷が大きい/小さい」の判定あるいは「冷凍負荷の大/中/小」の判定を運転容量に基づいて判定するようにしてもよい。冷凍サイクルにおける圧縮機の運転容量信号に基づいて判定するので、容量制御されるアンローダ式圧縮機において、または能力可変されるインバータ式圧縮機において、好適な起動開度が決定できて速やかに過渡状態運転から定常状態運転に移行できる。
また、圧力検出手段を備えている場合、起動時の庫内温度よりも10℃低い温度に相当する蒸発圧力となるように膨張弁の起動開度を操作し、30秒後に過渡状態運転から定常状態運転に移行するようにしてもよい。この場合、冷媒の特性から、庫内温度(SR−10℃)に相当する蒸発圧力を求めて、圧力データがこの蒸発圧力となるように膨張弁の開度を操作するので、応答遅れが極めて小さい圧力信号で制御するので好適な起動開度に速やかに到達できる。
冷却システムがチラーユニットの場合、利用側熱交換器(冷却時は蒸発器で冷水を得る)は熱交換の媒体は空気ではなく、水やブラインであるが考え方は空気調和機、ヒートポンプ式空気調和機と同じである。利用側熱交換器は温水を得る場合は凝縮器となるが、四方切換弁と圧縮機の吸入側との配管に、温度センサと圧力センサとを設ければ、冷却時も過熱時も蒸発器の過熱度制御を行うことができ、参考技術例と同様である。
1 圧縮機
2 凝縮器
3 電動式膨張弁
4 蒸発器
5 弁駆動部
6 蒸発器出口温度センサ
7 蒸発器入口温度センサ
8 庫内温度センサ
10 圧力スイッチ(圧力検出手段)
92a−1 過熱度演算手段(CPU)
92a−2 弁開度演算手段(CPU)
92a−3 弁開度規制演算手段(CPU)
92a−4 比較手段(CPU)
92a−5 初期開度制御手段
2 凝縮器
3 電動式膨張弁
4 蒸発器
5 弁駆動部
6 蒸発器出口温度センサ
7 蒸発器入口温度センサ
8 庫内温度センサ
10 圧力スイッチ(圧力検出手段)
92a−1 過熱度演算手段(CPU)
92a−2 弁開度演算手段(CPU)
92a−3 弁開度規制演算手段(CPU)
92a−4 比較手段(CPU)
92a−5 初期開度制御手段
Claims (6)
- 冷凍サイクルの膨張弁の開度を調節する冷却システム用制御装置において、
前記冷凍サイクルの起動時の負荷温度に基づいて「冷凍負荷が大きい/小さい」を判定し、大きい場合は前記膨張弁の起動開度を半開点よりも全開側に操作し、小さい場合は前記膨張弁の起動開度を半開点よりも全閉側に操作し、所定時間後に過渡状態運転から定常状態運転に移行する制御工程を備えることを特徴とする冷却システム用制御装置。 - 前記冷凍サイクルの起動後、前記過渡状態運転を行い、過熱度を監視して「過熱度が所定範囲外か/所定範囲内か」を判定し、膨張弁を所定開度分、開閉操作し、所定時間後に前記定常状態運転に移行することを特徴とする請求項1に記載の冷却システム用制御装置。
- 前記冷凍サイクルの起動後、前記過渡状態運転を行い、単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して「過熱が付く方向か/液戻り方向か」を判定し、膨張弁を所定開度分、開閉操作し、所定時間後に前記定常状態運転に移行することを特徴とする請求項1に記載の冷却システム用制御装置。
- 前記冷凍サイクルの起動後、前記過渡状態運転を行い、過熱度を監視して「過熱度が所定範囲外か/所定範囲内か」を判定するとともに、単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して「過熱が付く方向か/液戻り方向か」を判定し、膨張弁を所定開度分、開閉操作し、所定時間後に前記定常状態運転に移行することを特徴とする請求項1に記載の冷却システム用制御装置。
- 前記膨張弁を前記所定開度分開閉操作した後、該開閉操作が操作不足の場合は同方向に該所定開度よりも少ない開閉操作を行い、操作過多の場合は逆方向に該所定開度よりも少ない開閉操作を行うことを特徴とする請求項2、3または4に記載の冷却システム用制御装置。
- 冷凍サイクルの膨張弁の開度を調節する冷却システム用制御装置において、
前記冷凍サイクルの起動時に、前記膨張弁の起動開度を半開点に操作し、
過熱度と単位時間当たりの過熱度の変化量を監視して、該膨張弁の開閉操作量を経過時間に応じて減少させ、かつ該膨張弁を間欠的に開閉操作し、所定時間後に過渡状態運転から定常状態運転に移行する制御工程を備えたことを特徴とする冷却システム用制御装置。
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