JP4273547B2 - 冷凍機の運転制御装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、空気調和装置のように冷凍サイクルを実行する冷媒循環回路を備えた冷凍機の運転制御装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
空気調和装置は、圧縮機、凝縮器、電動膨張弁、蒸発器の順序で冷媒を循環させる冷媒循環回路を備えており、この冷媒循環回路において冷凍サイクルを実行して、室内の冷房・暖房などの空気調和を行っている。そして、冷凍サイクルが正常に行われるようにするため、冷媒循環回路の動作状態を示す状態特性値を検出し、検出した状態特性値が所定の目標値に一致するように、電動膨張弁の開度をフィードバック制御している。状態特性値としては、例えば圧縮機の吐出温度が選ばれている(例えば、特開平8−28996号公報)。尚、吐出温度を直接検出するのは困難であるため、吐出管にサーミスタを取り付け、吐出管温度を検出している。
【0003】
ところで、電動膨張弁は外部から入力される制御パルスによってその開度が制御される構造であるが、1パルスで制御できる開度の制御量(変化量)、即ち流量の変化量は電動膨張弁の性能(制御パルス分解能)によって異なる。図5は、電動膨張弁の流量特性を示すグラフである。実線L1は、電動膨張弁Aの流量特性を示し、破線L2は電動膨張弁Bの流量特性を示している。電動膨張弁Aは、電動膨張弁Bに比べて、1パルスで制御できる開度の制御量、即ち流量の変化量が小さく、流量の細い制御が可能である。従って、流量調節をきめ細かく行う観点からは電動膨張弁Aのような高性能のものを使用するのが望ましいが、一般的に高価なものであるため、製品のコストダウンの観点から電動膨張弁Bのような安価で低性能のものを使用しようとする試みがなされている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
図6は、低価格・低性能の電動膨張弁を使用した場合の制御状態を示すタイムチャートである。電動膨張弁の開度制御は、所定の周期(例えば20秒)毎に吐出管サーミスタで吐出管温度を検出しながら、吐出管温度を目標吐出管温度TSETに近付けるために、フィードバック制御によって行われる。ここで開度の変化に伴う吐出管温度の変化を見てみると、使用している電動膨張弁の制御パルス分解能が粗いため、開度が変化した時の流量変化が大きく、実線L3で示すように、目標吐出管温度TSETに対して吐出管温度が大きなうねりでハンチングしてしまう。即ち、時刻t1で吐出管温度を上昇させるために開度をEnからEn−1へ狭めると、冷媒圧力が上昇して吐出管温度は上昇していくが、時刻t2では吐出管温度が目標吐出管温度TSETを含んで設定される所定の目標範囲を超えて上昇してしまったために、今度は吐出管温度を下降させるために開度をEn−1からEnへ広げることになる。すると今度は時刻t3では上記目標範囲を超えて下降してしまったために、再び開度を狭めることになり、これによって時刻t4では時刻t2の時と同様に所定の目標範囲を超えて上昇してしまう。そして、時刻t4以降においても開度の切換えが繰り返され、これに伴って吐出管温度がハンチングしてしまうことになる。
【0005】
このように電動膨張弁における1パルス分の開度の制御量に対する吐出管温度の変化量が、所定の目標範囲よりも大きい場合に吐出管温度のハンチングが生じてしまう。その結果、適正な冷凍サイクルが実行されず、吸入過熱度や空調能力までがハンチングしてしまい、空気調和装置全体が安定しないという問題が生じる。
【0006】
この発明は上記従来の欠点を解消するためになされたものであり、その目的は、吐出管温度のような状態特性値が目標値に近づくように電動膨張弁の開度を細かく制御できるようにして、適正な冷凍サイクルを実行させると共に、冷凍能力を安定させることができる冷凍機の運転制御装置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
そこで請求項1の冷凍機の運転制御装置は、圧縮機4、凝縮器5、電動膨張弁6、蒸発器7の順序で冷媒を循環させる冷媒循環回路を備えた冷凍機1において、上記圧縮機4の吐出温度のように上記冷媒循環回路の動作状態を示す状態特性値DOを検出する検出手段17と、所定の周期TTHS毎に出力される上記検出手段17の検出結果に基づいて、上記状態特性値DOが目標値DOSETに近づくように上記電動膨張弁6の開度を制御する運転制御手段18と、その差が上記電動膨張弁6の最小制御量となる大小2つの開度EVMK、EVMK±1を、所定の時間比率で切り換えて設定すると共に、この開度の大小切換動作を上記周期TTHS内で繰り返し行う中間開度運転を実行し、これによって上記2つの開度EVMK、EVMK±1の中間開度を実現する中間開度制御手段19とを備え備えて成り、上記開度の大小切換動作における時間比率は、設定しようとする中間開度に対応して切り換え時間を比例配分することで求められる時間比率よりも、小さい開度の時間比率が大きく設定されることを特徴としている。
【0008】
上記請求項1の冷凍機の運転制御装置では、圧縮機4の吐出温度のような状態特性値DOが所定の周期TTHS毎に検出され、この状態特性値DOが所定の目標値DOSETに近づくように電動膨張弁6の開度が制御される。従って、通常の開度制御では、検出した状態特性値DOに基づいて所定の周期TTHS毎に開度を維持するか変更するかが判断され、設定された開度は周期TTHS期間中維持される。一方、中間開度運転では、大小2つの開度EVMK、EVMK±1が所定の時間比率で切り換えて設定されると共に、この開度の大小切換動作が上記周期TTHS内で繰り返し行われるので、周期TTHS期間全体で見ると上記2つの開度EVMK、EVMK±1の中間の開度を設定した場合とほぼ同じ運転状態(冷媒流量)を実現することができる。従って、電動膨張弁6の本来の最小制御量よりもさらに小さい制御量で開度を制御できるので、細かい運転制御が可能となる。また、最小制御量が比較的大きく設定された安価・低性能の電動膨張弁を使用した場合でも、最小制御量が小さく設定された高価・高性能の電動膨張弁を使用した場合とほぼ同じように運転状態の細かい制御が可能となり、製品のコストダウンを実現することができる。また、上記冷凍機の運転制御装置では、設定しようとする中間開度に対応して数学的に求められた時間比率よりも、小さい開度EVMK−1の時間比率がより大きく設定されるが、これは、開度を拡げて冷媒流量を多くしたことによる冷媒圧力の減少速度よりも、開度を狭めて冷媒流量を少なくしたことによる冷媒圧力の上昇速度の方が遅いからである。従って、例えば大小2つの開度EVMK、EVMK−1のほぼ真中の開度を設定しようとするときは、数学的には0.5と0.5であるが、上記のような反応速度の相違を考慮して、例えば大開度EVMKを0.4、小開度EVMK−1を0.6に設定する。これによって、所望の中間開度をより確実に実現することができる。
【0009】
また請求項2の冷凍機の運転制御装置は、上記中間開度制御手段19は、検出した状態特性値DOが上記目標値DOSETを含んだ目標近傍範囲内に収まった状態が所定の時間継続したときに上記中間開度運転を実行することを特徴としている。
【0010】
上記請求項2では、検出した状態特性値DOが目標値近傍範囲内に収まった状態が所定の時間継続したとき、即ち電動膨張弁6の開度が所定の時間維持されており、本来の最小制御量で開度を変更すると目標値DOSETを超えてしまう状態になったときに、上記中間開度運転が行われる。これによって、状態特性値DOを目標値DOSETにより確実に近付けることができ、適正な動作状態、即ち適正な冷凍サイクルを実行することができる。また、状態特性値DOのハンチングの幅を小さくすることができ、冷凍能力を安定させることができる。
【0013】
請求項3の冷凍機の運転制御装置は、検出した状態特性値DOと上記目標値DOSETとの差に対応して上記時間比率を変更することを特徴としている。
【0014】
上記請求項3の冷凍機の運転制御装置では、開度の大小切換動作における時間比率を、検出した状態特性値DOと上記目標値DOSETとの差に対応して変更するので、時間比率を特定の値に固定して設定した場合に比べて、より確実に状態特性値DOを目標値DOSETに近付けることができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の冷凍機の運転制御装置の具体的な実施の形態について、図面を参照しつつ詳細に説明する。
【0016】
図1は、本発明の一実施の形態である空気調和装置1の概略的構成を示す構成図である。空気調和装置1は、室外機2と室内機3とで構成されている。そして、空気調和装置1では、冷媒が循環可能な順序で、圧縮機4、室外熱交換器5、減圧機構である電動膨張弁6、室内熱交換器7を接続して冷媒循環回路を構成している。
【0017】
具体的には、圧縮機4の吐出管4aと吸入管4bとが四路切換弁8に接続され、この四路切換弁8には第1ガス管9a、室外熱交換器5、第1液管9b、電動膨張弁6、第2液管9c、室内熱交換器7、第2ガス管9dが、順番に環状に接続されている。そして、第2液管9cの一部分が連絡配管の液管10となり、また第2ガス管9dの一部分が連絡配管のガス管11となっている。さらに、第2液管9cには液閉鎖弁12が介設され、第2ガス管9dにはガス閉鎖弁13が介設され、また圧縮機4の吸入管4bにはアキュムレータ14が介設されている。
【0018】
上記圧縮機4は、インバータ15を介して制御部16によって運転周波数が変更可能に制御され、これによって圧縮能力が変更可能である。この制御部16は、マイクロコンピュータ等を用いて構成されたものであり、吐出管4aの温度を検出する吐出管温度サーミスタ17や、図示しない室外温度サーミスタ、室内温度サーミスタ等の各種サーミスタからの検出温度が入力される。また、上記制御部16には、図示しない操作手段からの操作信号も入力され、この操作信号によって空気調和装置1の運転状態が決定される。運転状態とは、空調運転の開始及び停止、冷房運転と暖房運転の切換え、設定温度、風量等である。操作手段は、室内機3に接続された操作パネルや、リモートコントロール装置(リモコンと略称)などで実現される。
【0019】
このような空気調和装置1では、リモコン等の操作手段からの指示に基づいて、冷房運転又は暖房運転が可能である。冷房運転を行う場合には、四路切換弁8を図1に示す実線方向に切り換えて、冷媒を圧縮機4から順に室外熱交換器5、電動膨張弁6、室内熱交換器7と流通させ、室外熱交換器5を凝縮器として機能させると共に、室内熱交換器7を蒸発器として機能させる。そして、室内熱交換器7で吸収した熱量を冷媒を介して室外に放出することによって、室内の温度を下げて冷房を行う。
【0020】
一方、暖房運転を行う場合には、四路切換弁8を図1に示す破線方向に切り換えて、冷媒を上記冷房運転時とは、逆方向に循環させ、室外熱交換器5を蒸発器として機能させると共に、室内熱交換器7を凝縮器として機能させる。そして、室外熱交換器5で吸収した熱量を冷媒を介して室内に放出することによって、室内の温度を上昇させて暖房を行う。
【0021】
ところで、上記冷房運転又は暖房運転を行うにあたって、制御部16は、室内温度、室外温度、設定温度等に基づいて上記冷媒循環回路で行う冷凍サイクルの冷凍能力を決定し、この決定した冷凍能力が発揮されるように運転制御手段18によって電動膨張弁6の開度を調節して適正な冷凍サイクルを実行させる。このとき、適正な冷凍サイクルが実行されているか否かは、上記冷媒循環回路の動作状態を示す状態特性値として、例えば吐出管温度が所定の目標値と一致しているか否かによって判断する。即ち、運転制御手段18は、吐出管温度サーミスタ17の検出温度を所定の周期毎に、例えば20秒毎に取り込み、この吐出管温度が上記目標値に一致するように電動膨張弁6の開度を制御する。尚、吐出管温度を目標値に完全に一致させた状態で運転を継続することは、現実的には困難であるので、目標値±0.5度の目標制御範囲内に収まるように制御する。
【0022】
ここで電動膨張弁6の開度は、制御部16からのパルス信号によって制御されている。例えば、+入力側に1パルスの入力があると、所定の最小制御量だけ電動膨張弁6は開かれ、逆に−入力側に1パルスの入力があると、上記最小制御量だけ電動膨張弁6は閉じられる。このように電動膨張弁6の開度は、最小制御量単位で段階的に調節されるようになっている。従って、上記最小制御量だけ開度を変化させたときに変化する吐出管温度の変化量が例えば0.5度であり、上記目標制御範囲の1度よりも小さい場合は、上述したような1パルス単位の開度制御だけで、吐出管温度が目標値に一致するようにあるいは目標制御範囲に含まれるように制御できる。一方、1パルスに対応する吐出管温度の変化量が例えば3度であり、上記目標制御範囲の1度以上の場合は、1パルス単位の開度制御だけでは上述した所望の制御ができない場合がある。
【0023】
そこで、本発明の空気調和装置1では、新たに中間開度制御手段19を設け、中間開度運転を実行することによって、その差が電動膨張弁6の最小制御量となる大小2つの開度の中間開度を実現している。中間開度運転とは、大小2つの開度を所定の時間比率で切り換えて設定すると共に、この開度の大小切換動作を上記周期(20秒)内で繰り返し行うことである。これによって、周期期間全体で見ると上記2つの開度の中間の開度を設定した場合とほぼ同じ冷媒流量(冷媒圧力)を実現することができる。以下に、中間開度運転について具体的に説明する。
【0024】
図2は、制御部16における開度制御手順を説明するためのフローチャートであり、図3は中間開度運転を説明するためのタイムチャートである。まず、図2(a)を参照しながら、運転制御手段18による通常の運転モードでの制御手順を説明する。
【0025】
ステップS1では、吐出管温度サーミスタ17の出力に基づいて吐出管温度DOを検出し、ステップS2では、サンプリングタイマによって周期TTHSの計時を開始する。
【0026】
続くステップS3では、電動膨張弁6の開度を変更する必要があるか否かを判断する。具体的には、吐出管温度DOが目標近傍範囲内にない場合、即ち|DO−DOSET|>αである場合に、開度変更の必要があると判断する。ここで、αは、電動膨張弁6の1パルス分の開度変化に対する温度変化量よりは小さい値に選ばれる。例えば、上記温度変化量が3度であれば、αは2度に設定する。つまり、目標吐出管温度DOSETとの差が比較的大きく、1パルス分開度を変化させた方がより目標吐出管温度DOSETに近付く場合に、開度変更の必要ありと判断する。従って、この場合は、ステップS5に進み、電動膨張弁6の開度を1パルス分変更する。DO>DOSETの場合は開度を大きくし、DO<DOSETの場合は開度を小さくする。その後、ステップS6に進む。
【0027】
一方、ステップS3で開度変更の必要なしと判断した場合は、ステップS4に進む。ステップS4では、前回検出した吐出管温度DOと目標吐出管温度DOSETとの差がα以下であったかどうかを判断する。判断が肯定の場合は、後述する仮想中間パルスモードに移行する。従って、吐出管温度DOが目標値近傍範囲で安定した場合に、仮想中間パルスモードに移行する。一方、判断が否定の場合、即ち吐出管温度DOが目標値近傍範囲内に入ったばかりの場合は、温度変化が不安定であると考えられるため、安定するまで待つために、ステップS6に進む。
【0028】
ステップS6では、周期TTHSが経過したかどうかが判断される。経過していない場合は、変更した開度又は保持した開度を維持する。経過した場合は、再びステップS1に戻り、上述の処理を繰返す。
【0029】
次に図2(b)及び図3を参照しながら、中間開度制御手段19による仮想中間パルスモードの中間開度運転について説明する。ステップS7では、DOSET>DOかどうかが判断される。目標吐出管温度DOSETが検出した吐出管温度DOよりも高い場合は、ステップS8に進み、図3(a)に示すように、期間TVIRP1では現在の開度EVMKを保持し、続く期間TVIRP2では1パルス分小さい開度EVMK−1に設定し、そして、この大小2つの開度の切換動作を周期TTHSが経過するまで繰り返し実行する。これによって、周期TTHS全体で見れば、開度EVMKとEVMK−1との中間の開度を設定したのと同じ状態を実現することができる。従って、吐出管温度を上げることができる。
【0030】
一方、目標吐出管温度DOSETが検出した吐出管温度DO以下の場合は、ステップS10に進み、図3(b)に示すように、期間TVIRP3では現在の開度EVMKを保持し、続く期間TVIRP4では1パルス分大きい開度EVMK+1に設定し、そして、この大小2つの開度の切換動作を周期TTHSが経過するまで繰り返し実行する。これによって、周期TTHS全体で見れば、開度EVMKとEVMK+1との中間の開度を設定したのと同じ状態を実現することができる。従って、吐出管温度を下げることができる。
【0031】
そして、ステップS9又はステップS11で周期TTHSが経過した場合は、ステップS12に進み、仮想中間パルスモードを終了してから再びステップS1に戻る。このとき、終了時の開度が補正開度EVMK−1又はEVMK+1の場合は、もとの開度EVMKに戻す。これは、次の周期TTHSでも仮想中間パルスモードを実行する場合の開度設定のずれを防止するためである。尚、圧縮機4の運転周波数を大きく変化させる必要がある場合には、フィードバック制御では追従性が低いため、オープン制御に切り換えて運転を行うので、仮想中間パルスモードを終了させる。
【0032】
以上のように本実施の形態によれば、上述した中間開度運転によって電動膨張弁6の2つの開度の中間の開度を設定した場合とほぼ同じ運転状態を実現できるので、電動膨張弁6の本来の最小制御量よりもさらに小さい制御量で開度を制御できることになり、細かい運転制御が可能となる。また、安価・低性能の電動膨張弁を使用した場合でも、高価・高性能の電動膨張弁を使用した場合とほぼ同じように運転状態の制御が可能となり、空気調和装置1のコストダウンが可能となる。
【0033】
また、検出した吐出管温度DOが目標吐出管温度DOSETに近付きつつあるときに中間開度運転を行うので、図4に実線L4で示すように、吐出管温度DOを目標吐出管温度DOSETにより確実に近付けることができ、適正な冷凍サイクルを実行することができる。さらに、吐出管温度のハンチングする幅を小さくすることができるので、冷凍能力(空調能力)を安定させることができる。
【0034】
ところで、上述した開度の大小切換動作における時間比率TVIRP1:TVIRP2及びTVIRP3:TVIRP4は、設定しようとする中間開度に対応して数学的に、すなわち切り換え時間を比例配分することによって求められるが、正確には、小さい開度の時間比率をより大きく設定している。これは、開度を大きくして冷媒流量を多くしたことによる冷媒圧力の減少速度よりも、開度を小さくして冷媒流量を少なくしたことによる冷媒圧力の上昇速度の方が遅いからである。例えば、大小2つの開度のほぼ真中の開度を設定しようとする場合は、数学的には0.5と0.5であるが、上記のような反応速度の相違を考慮して、TVIRP1<TVIRP2、TVIRP3>TVIRP4の関係になるように、例えば大開度を0.4、小開度を0.6に設定する。これによって、所望の中間開度をより確実に実現することができる。
【0035】
また、上記時間比率は、所定の値に固定して設定してもよいし、あるいは、検出した吐出管温度DOと目標吐出管温度DOSETとの温度差に対応して変更するようにしてもよい。時間比率を変更可能にした場合は、固定した場合に比べて、上記温度差に対応した最適な中間開度を設定できるので、より確実に吐出管温度DOを目標吐出管温度DOSETに近付けることができる。
【0036】
尚、本実施の形態では、減圧機構である電動膨張弁6に対して中間開度運転を行う場合を説明したけれども、ガスインジェクション用の電動膨張弁に対して適用してもよい。
【0037】
【発明の効果】
以上のように請求項1の冷凍機の運転制御装置によれば、中間開度運転によって電動膨張弁の2つの開度の中間の開度を設定した場合とほぼ同じ運転状態を実現できるので、電動膨張弁の本来の最小制御量よりもさらに小さい制御量で開度を制御できることになり、細かい運転制御が可能となる。また、安価・低性能の電動膨張弁を使用した場合でも、高価・高性能の電動膨張弁を使用した場合とほぼ同じように細かい運転状態の制御が可能となり、製品のコストダウンが可能となる。また、上記冷凍機の運転制御装置によれば、冷媒圧力の上昇速度が減少速度よりも遅いことを考慮して、開度の大小切換動作における時間比率を設定するので、所望の中間開度をより確実に実現することができる。
【0038】
また請求項2の冷凍機の運転制御装置によれば、検出した状態特性値が所定の目標値に近付きつつあるときに中間開度運転をおこなうので、状態特性値を目標値により確実に近付けることができ、適正な動作状態、即ち適正な冷凍サイクルを実行することができる。また、状態特性値のハンチングする幅を小さくすることができるので、冷凍能力を安定させることができる。
【0040】
請求項3の冷凍機の運転制御装置によれば、開度の大小切換動作における時間比率を適且変更するようにしたので、短時間でより確実に状態特性値を目標値に近付けることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態である空気調和装置の概略的構成を示す構成図である。
【図2】電動膨張弁の開度制御手順を説明するためのフローチャートである。
【図3】電動膨張弁の中間開度運転を説明するためのタイムチャートである。
【図4】中間開度運転による吐出管温度の変化を示すタイムチャートである。
【図5】電動膨張弁の流量特性を示すグラフである。
【図6】電動膨張弁の従来の開度制御に基づく動作状態を示すタイムチャートである。
【符号の説明】
1 空気調和装置
4 圧縮機
5 室外熱交換器
6 電動膨張弁
7 室内熱交換器
17 吐出管温度サーミスタ
18 運転制御手段
19 中間開度制御手段
DO 吐出管温度(状態特性値)
DOSET 目標吐出管温度(目標値)
EVMK 開度
EVMK−1 開度
EVMK+1 開度
Claims (3)
- 圧縮機(4)、凝縮器(5)、電動膨張弁(6)、蒸発器(7)の順序で冷媒を循環させる冷媒循環回路を備えた冷凍機(1)において、上記圧縮機(4)の吐出温度のように上記冷媒循環回路の動作状態を示す状態特性値(DO)を検出する検出手段(17)と、所定の周期(TTHS)毎に出力される上記検出手段(17)の検出結果に基づいて、上記状態特性値(DO)が目標値(DOSET)に近づくように上記電動膨張弁(6)の開度を制御する運転制御手段(18)と、その差が上記電動膨張弁(6)の最小制御量となる大小2つの開度(EVMK)(EVMK±1)を、所定の時間比率で切り換えて設定すると共に、この開度の大小切換動作を上記周期(TTHS)内で繰り返し行う中間開度運転を実行し、これによって上記2つの開度(EVMK)(EVMK±1)の中間開度を実現する中間開度制御手段(19)とを備えて成り、上記開度の大小切換動作における時間比率は、設定しようとする中間開度に対応して切り換え時間を比例配分することで求められる時間比率よりも、小さい開度の時間比率が大きく設定されることを特徴とする冷凍機の運転制御装置。
- 上記中間開度制御手段(19)は、検出した状態特性値(DO)が上記目標値(DOSET)を含んだ目標近傍範囲内に収まった状態が所定の時間継続したときに上記中間開度運転を実行することを特徴とする請求項1の冷凍機の運転制御装置。
- 検出した状態特性値(DO)と上記目標値(DOSET)との差に対応して上記時間比率を変更することを特徴とする請求項1又は請求項2の冷凍機の運転制御装置。
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