JP4818981B2 - 細胞の迅速識別方法及び識別装置 - Google Patents
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Description
さらに、上記タンパク質データベースに収録されている分子量データは、あくまでも遺伝子配列を翻訳して求められた分子量(計算分子量という)であり、実際に発現したタンパク質の分子量(発現分子量という)ではないことにも注意する必要がある。遺伝子の塩基配列は約0.1%程度の解読誤りを含んでいると言われており、遺伝子領域の同定(アノテーション)の誤りも指摘されている。これらの結果として、誤ったタンパク質の分子量情報が登録されることになる。更に、多くのタンパク質では、遺伝子情報をアミノ酸配列に翻訳しただけではなく、翻訳後修飾によってアミノ酸配列の部分的な切断や化学修飾を受けており、その代表例はN-開始末端のメチオニン残基の切断である。以上のように、誤った分子量情報の登録および翻訳後修飾のために、タンパク質の計算分子量と発現分子量は異なる場合が多いのが実情である。すなわち、タンパク質データベースに収録されている計算分子量を、マススペクトル上のピーク質量と比較するだけでは、信頼性の高い細胞識別を行うことはできない。
(1)細胞の種類を識別する方法において、細胞内部からバイオマーカーとして用いるバイオマーカータンパク質を漏出させる工程を行い、次に複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程を行い、次に各タンパク質のイオン質量乃至分子量を特定する工程を行い、次に特定した複数のバイオマーカータンパク質のイオン質量乃至分子量と、複数種類のバイオマーカータンパク質のイオン質量乃至分子量を登録したデータベースと比較するデータ処理の工程を行うことにより、質量分析による測定結果とデータベースとの一致性を指標として細胞の種類を識別することを特徴とする細胞識別方法。
(2)上記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる、薬品との混和乃至物理的破砕を用いることを特徴とする上記(1)に記載の細胞識別方法。
(3)上記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程において、さらに超遠心分離、クロマトグラフ分離、分離膜分離、抗体利用分離、乃至これらを組み合わせる方法を用いてバイオマーカータンパク質の精製を行う工程を行うことを特徴とする上記(1)乃至(2)に記載の細胞識別方法。
(4)上記バイオマーカータンパク質が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる工程によって漏出するリボソームサブユニットタンパク質群ならびにそれに関連するタンパク質群から構成されることを特徴とする上記(1)に記載の細胞識別方法。
(5)上記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、バイオマーカータンパク質の分子量を反映した分子量関連イオンを生成する質量分析法及び装置を用いて行われることを特徴とする上記(1)に記載の細胞識別方法。
(6)上記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法及び装置を用いることを特徴とする上記(1)乃至(5)に記載の細胞識別方法。
(7)上記複数種類のバイオマーカータンパク質のイオン質量あるいは分子量を登録したデータベースが、遺伝子配列をアミノ酸配列に翻訳して求めた計算分子量、乃至その計算分子量をN-末端開始メチオニン残基の切断、翻訳後修飾、乃至生物情報工学的な相同性解析に基づいて行われるアミノ酸配列の修正を加味して補正した計算分子量、あるいはそれらの計算分子量から求められる分子量関連イオンのイオン質量を登録して作成されるデータベースを用いること特徴とする上記(1)に記載の細胞識別方法。
(8)上記複数種類のバイオマーカータンパク質のイオン質量あるいは分子量を登録したデータベースが、バイオマーカータンパク質の分子量関連イオンを質量分析して求めたイオン質量あるいは発現分子量を登録して作成されるデータベースを用いること特徴とする上記(1)に記載の細胞識別方法。
(9)細胞の種類を識別する方法において、細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程を行い、次に複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程を行い、次に各バイオマーカータンパク質のイオン質量乃至分子量を特定する工程を行い、次に特定した複数のバイオマーカータンパク質のイオン質量乃至分子量と、複数種類のバイオマーカータンパク質のイオン質量乃至分子量を登録したデータベースと比較するデータ処理の工程を行うことにより、質量分析による測定結果とデータベースとの一致性を指標として細胞の種類を識別することを特徴とする細胞識別装置。
(10)上記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる、薬品との混和乃至物理的破砕を用いることを特徴とする上記(9)に記載の細胞識別装置。
(11)上記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程において、さらに超遠心分離、クロマトグラフ分離、分離膜分離、抗体利用分離、乃至これらを組み合わせる方法を用いてバイオマーカータンパク質の精製を行う工程を行うことを特徴とする上記(9)乃至(10)に記載の細胞識別装置。
(12)上記バイオマーカータンパク質が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる工程によって漏出するリボソームサブユニットタンパク質群ならびにそれに関連するタンパク質群から構成されることを特徴とする上記(9)に記載の細胞識別装置。
(13)上記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、バイオマーカータンパク質の分子量を反映した分子量関連イオンを生成する質量分析法及び装置を用いて行われることを特徴とする上記(9)に記載の細胞識別装置。
(14)上記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法及び装置を用いることを特徴とする上記(9)乃至(13)に記載の細胞識別装置。
(15)上記複数種類のバイオマーカータンパク質のイオン質量あるいは分子量を登録したデータベースが、遺伝子配列をアミノ酸配列に翻訳して求めた計算分子量、乃至その計算分子量をN-末端開始メチオニン残基の切断、翻訳後修飾、乃至生物情報工学的な相同性解析等に基づいて行われるアミノ酸配列の修正を加味して補正した計算分子量、あるいはそれらの計算分子量から求められる分子量関連イオンのイオン質量を登録して作成されるデータベースを用いること特徴とする上記(9)に記載の細胞識別装置。
(16)上記複数種類のバイオマーカータンパク質のイオン質量あるいは分子量を登録したデータベースが、バイオマーカータンパク質の分子量関連イオンを質量分析して求めたイオン質量あるいは発現分子量を登録して作成されるデータベースを用いること特徴とする上記(9)に記載の細胞識別装置。
上記漏出法のうちどの方法を適用するかは、細胞の種類によって適した漏出法は異なるため一義的には決定できないが、一般に、細胞壁が脂質で構成されているグラム陰性細菌に対しては、有機溶剤や界面活性剤を細胞に混和する方法が適していることが多く、細胞壁が硬いグラム陽性細菌、さらに芽包や真核生物細胞等に対しては、機械的な破砕や圧力変化などの物理的破砕が適している。
(1) Swiss-Prot、TrEMBL、NCBInr等のアミノ酸配列データベースから、インターネットなどを利用して解析対象となるバイオマーカータンパク質のアミノ酸配列を入手する。
(2) タンパク質を構成する20種類のアミノ酸残基の質量は公知であるので、アミノ酸配列からバイオマーカータンパク質の計算分子量を求める。
(3) 解析対象となるバイオマーカータンパク質のマススペクトルを解析し、上記(2)で求めた計算分子量から求めた分子量関連イオンのイオン質量に対応するm/z値にピークが観測された場合、上記(2)で求めた計算分子量は発現分子量と同一であると判断する。タンパク質を質量分析して求められるのは分子量関連イオンのイオン質量であり、計算分子量から分子量関連イオンのイオン質量を推測することができることは、質量分析分野の研究者であれば周知のことである。分子量関連イオンは、プロトン化分子([M+H]+、ここでMは分子、Hは水素原子)、脱プロトン化分子([M-H]-)、カチオン付加分子([M+cat]+、ここでcatはカチオン種)、およびそれらの多価イオン([M+nH]n+、[M-nH]n-、[M+ncat]n+、ここでnは整数)等が挙げられる。分子量関連イオンの種類は、測定に用いる質量分析法の測定条件によって異なり、その種類を予測できること、例えばシナピン酸をマトリックス剤として試料調製されたタンパク質をMALDI-TOFMSで測定するとプロトン化分子[M+H]+のピークが主に観測されることは、質量分析分野の研究者であれば周知のことである。
(4) 上記(3)で計算分子量と発現分子量が一致しないと判断されたバイオマーカータンパク質については、次に翻訳後修飾を考慮して計算質量を求め直す。その翻訳後修飾として、まず開始末端のメチオニン残基の切断の有無を検討する。遺伝子の塩基配列を翻訳して作成されたアミノ酸配列の開始末端はメチオニン残基であり、発現タンパク質では、翻訳後修飾により開始末端メチオニン残基が切断されることが多い。この切断は、開始末端メチオニン残基に隣接する2番目のアミノ酸残基がグリシン、アラニン、セリン、プロリン、バリン、スレオニン、システインのいずれかである場合に選択的に切断されやすいことが知られている。従って、上記7種のアミノ酸残基が開始末端メチオニン残基に隣接する場合、(2)で求めた計算分子量からメチオニン残基の質量131.1 Daを差し引くことによって、計算分子量を求め直す。
(5) 上記(4)で求め直された計算分子量から、上記(3)と同一の操作によりイオン質量を求め、そのイオン質量に対応するm/z値にピークが観測された場合、上記(4)で求めた計算分子量は発現分子量と同一であると判断する。
(6) 上記(5)で計算分子量と発現分子量が一致しないと判断されたバイオマーカータンパク質については、開始末端メチオニン残基の切断以外の翻訳後修飾を検討する。翻訳後修飾は、特定のタンパク質において生じ、メチル化、アセチル化、β-メチルチオール化、酸化、ジスルフィド結合による架橋などが知られているが、類縁の細胞における翻訳後修飾が解析されていれば、その情報をもとに発現分子量を推定できる。良く知られている翻訳後修飾として、バクテリアのリボソームタンパク質L11サブユニットにおけるメチル化、S5サブユニットのアセチル化、S11のメチル化、S12のβ-メチルチオール化等を挙げることができる。このような翻訳後修飾が起こると、翻訳後修飾により導入される官能基の質量だけ、計算質量は大きくなる。また、バクテリアのリボソームタンパク質L31、L33、S14サブユニットなどのように、アミノ酸配列中にZnフィンガーモチーフあるいはZnリボンモチーフ等と呼ばれるC-x-x-Cの特異なアミノ酸配列(Cはシステイン残基であり、xは任意のアミノ酸残基)を有するものがある。これらは、測定試料の調製過程で2つのシステイン残基間でジスルフィド結合が形成されることがある。この場合、一つのC-x-x-Cに付き、計算分子量は2 Daだけ小さくなる。このような翻訳後修飾を加味して,計算分子量を求め直す。
(7) 上記(6)で求め直された計算分子量から、上記(3)と同一の操作によりイオン質量を求め、そのイオン質量に対応するm/z値にピークが観測された場合、上記(4)で求めた計算分子量は発現分子量と同一であると判断する。
(8) 上記(7)で計算分子量と発現分子量が一致しないと判断されたイオマーカータンパク質については、アミノ酸配列データベースに登録されているアミノ酸配列情報が誤っている可能性が考えられる。アミノ酸配列情報の誤りの大半は、遺伝子領域のアノテーションの誤りに起因する。バイオマーカータンパク質として利用するリボソームタンパク質およびリボソームサブユニットタンパク質に関連するタンパク質は、アミノ酸配列およびその遺伝子のDNA配列の保存性が高いため、相同性解析によって遺伝的に近縁の細胞のDNA配列あるいはアミノ酸配列と比較することによって、正しい翻訳領域を推測し、アミノ酸配列を修正する。上記(2)から(7)の工程を繰り返し、発現分子量を検証する。
(9) 上記工程により、計算分子量を正確な発現分子量に修正し、データベース化する。実際に質量分析法で観測されるのはイオン質量であるので、該データベースでは、発現分子量の代わりに、発現分子量から求められるイオン質量を用いても良い。
本発明においては、リボソームサブユニットタンパク質あるいはさらにその関連タンパク質からバイオマーカータンパク質を予め複数選定し、個々のバイオマーカータンパク質の検出あるいは非検出を含めて、識別対象細胞の分子量情報をプロファイル化しておくことが好ましい。このようなプロファイルと、上記データベースの分子量情報から得られたプロファイルとを比較することにより、より正確な細胞識別が行える。
試検細胞として、Pseudomonas putida(以下、P. putida)NBRC100650株、S5株、FMP1株、BSN22株、BSN48株、及びBSN49株、Pseudomonas fluorescens (以下、P. fluorescens) BSN9株、Pseudomonas mendocina(以下、P. mendocina) BSN3株、Stenotrophomonas maltophila(以下、S. maltophila)BSN30株及びBSN31株の計10株を用いた。なお、P. putida NBRC100650株は、全ゲノムが報告されているP. putida KT2440株と本質的に同一のものであり、製品評価技術基盤機構より購入した。その他の細胞は、土壌等から採取・単離されたものであり、gyrB遺伝子の塩基配列解読によって標記の微生物に同定されたものである。各細胞それぞれを、常法に従って調製したLB培地5mLで24時間予備培養後、300mLのLB培地に全量添加し、30℃で5日間振とう培養した。培養後、各細胞を含む培養液を、常法に従って調製したTMA-I緩衝液で遠心洗浄し、湿重量1gに対して同緩衝液を5mL加え、細胞懸濁液を得た。該細胞懸濁液とジルコニアシリカビーズ(直径0.1mm)が体積比1:1(約70μLずつ)となるように専用チューブに充填し、FastPrep FP120 ビーズビーダーを用いて、2分間細胞破砕処理を行った。該細胞破砕液を、2分間遠心分離(4℃、8000rpm)して得られた上静を試料溶液として質量分析に供した。
(1) NCBInrタンパク質データベースよりインターネット経由で該細胞の54種類のリボソームサブユニットタンパク質の翻訳アミノ酸配列情報を入手した。具体的には、以下の54種類である。L1、L2、L3、L4、L5、L6、L7/L12、L9、L10、L11、L13、L14、L15、L16、L17、L18、L19、L20、L21、L22、L23、L24、L25、L27、L28、L29、L30、L31、L32、L33、L34、L35、L36、S1、S2、S3、S4、S5、S6、S7、S8、S9、S10、S11、S12、S13、S14、S15、S16、S17、S18、S19、S20、S21。
(2) それぞれの翻訳アミノ酸配列について、Swiss Institute of Bioinformatics (SIB)がインターネット上で提供する計算分子量の計算ソフトであるCompute pI/Mw toolを用いて、各リボソームサブユニットタンパク質の計算分子量を求めた。
(3) 上記(2)で求めた計算質量をイオン質量に換算し、図1のマススペクトル上で観測されたピークのm/z値と比較して、L13、L14、L15、L22、L23、L24、L36、及びS10の各リボソームサブユニットタンパク質の計算分子量が発現分子量と同一であることを確認した。なお、図1のマススペクトルは、マトリックス剤としてシナピン酸を用い、MALDI-TOFMSで観測されたものであるため、イオン質量はプロトン化分子[M+H]+として計算したものである。
(4) 上記(3)で計算分子量と発現分子量が一致しないと判断されたリボソームサブユニットタンパク質について、次に開始末端のメチオニン残基の切断を考慮して、(2)で求めた計算分子量から131.1 Daを差し引いて、新たに計算分子量を求め直した。
(5) 上記(4)で求め直された計算分子量をイオン質量に換算し、図1のマススペクトル上で観測されたピークのm/z値と比較して、L5、L18、L19、L20、L28、L30、L35、S7、S8、S13、S14、S17、S19、S20、及びS21の各リボソームサブユニットタンパク質について、開始末端メチオニン残基の切断を考慮した計算分子量が発現分子量と同一であることを確認した。
(6) 以上の工程により発現分子量が確認された23種類のリボソームサブユニットタンパク質を、P. putida及び類縁細胞を同定・識別するためのバイオマーカータンパク質として選定し、データベースを作成した。具体的には、L5、L13、L14、L15、L18、L19、L20、L22、L23、L24、L28、L30、L35、L36、S7、S8、S10、S13、S14、S17、S19、S20、及びS21の各リボソームサブユニットタンパク質をバイオマーカータンパク質とし、そのプロトン化分子のイオン質量から構成されるデータベースである。これは、表1の左側二列部分である。
gyrB遺伝子あるいはその他の遺伝子の塩基配列解析に基づく方法は、塩基配列の解読に数時間から数日を要するため迅速性に劣り、特に多検体を処理するスクリーニング解析には適していない。本実施例は、本発明の方法によればわずか30分以内で遺伝的な類縁性の程度を良く反映した細胞の識別が可能であり、本発明の優位性を示す事例である。
保存細胞として、Lactococcus lactis subsp. lactis JCM 5805株(理化学研究所より入手)、Lactococcus lactis subsp. cremoris(以下、Lc. cremoris)NBRC 100676およびStreptococcus thermophilus (以下、St. thermophilus)NBRC 13957(製品評価技術基盤機構より入手)の計3菌株を用いた。各細胞それぞれを、常法に従って調製した5mLのMRS培地で至適温度にて18時間培養した。培養後、実施例1と同様に細胞破砕処理および質量分析を行った。
さらに本発明の方法の効果を詳しく説明するために、バイオマーカータンパク質のピーク質量と一致するピークの種類を元に、細胞を株レベルで分子系統解析を行った事例を以下に示す。ここでは、試検細胞として、P. putida ATCC11172株、ATCC17484株、ATCC17485株、ATCC17522株、ATCC23973株、JCM6156株、NBIC3930株、MBIC5315株、NBRC3738株、NBRC100650株、NBRC100986株、NBRC100988株、NBRC101019株、NBRC14164T株、NBRC14671株、NCIMB9816株の計16株を用いた。なお、P. putida NBRC100650株は、全ゲノムが報告されているP. putida KT2440株と本質的に同一のものである。ATCC各株は、American Type Culture Collection(アメリカ) より、JCM6156株は理化学研究所より、NBIC各株は(株)海洋バイオテクノロジー研究所より、NBRC各株は製品評価技術基盤機構より、NCIMB9816株は(株)テクノスルガより購入した。これらの菌株は、gyrB遺伝子の部分塩基配列が解読され、その塩基配列情報は、National Center for Biotechnology Information(アメリカ)が提供する遺伝子塩基配列データベースや、(株)海洋バイオテクノロジー研究所の遺伝子資源データベースよりインターネット経由で入手できる。
各細胞それぞれを、各譲渡機関が推奨する培地を用い、至適温度にて18から24時間培養した。培養後、各細胞を含む培養液を、常法に従って調製したTMA-I緩衝液で遠心洗浄し、湿重量1gに対して同緩衝液を5mL加え、細胞懸濁液を得た。該細胞懸濁液とジルコニアシリカビーズ(直径0.1mm)が体積比1:1(約70μLずつ)となるように専用チューブに充填し、ミニビーズビーダー-8(Biospec製)を用いて、振とう速度3000 rpmで20秒間x4回の細胞破砕処理を行った。該細胞破砕液を、2分間遠心分離(4℃、8000rpm)して得られた上静を試料溶液として質量分析に供した。質量分析は、実施例1と同様の測定操作及び装置で行った。
(1) [0038]記載の工程(1)及び(2)と同一の工程を行って求めた各リボソームサブユニットタンパク質の計算分子量を、P. putida NBRC100650株のMALDIマススペクトル上で観測されたピークのm/z値と比較して、新たにL17、L29、L33、L34、S6、及びS16が計算分子量と発現分子量が同一であることを確認した。
(2) 発現分子量が検証されないリボソームサブユニットタンパク質について、さらに[0038]記載の工程(4)と同一の工程により、開始末端のメチオニン残基の切断を考慮して新たに計算分子量を求め直し、それをイオン質量に換算した後に、MALDIマススペクトル上で観測されたピークのm/z値と比較した結果、新たにL1、L6、L21、L25、S3、S9、及びS15が、開始末端メチオニン残基の切断を考慮した計算分子量が発現分子量と同一であることを確認した。
(3) 上記工程でも発現分子量が検証されないリボソームサブユニットタンパク質について、P. putidaと同じグラム陰性菌である大腸菌(E. coli K-12株)のリボソームタンパク質に対して知られている翻訳後修飾を考慮して、計算質量を求め直し、それをイオン質量に換算した後に、MALDIマススペクトル上で観測されたピークのm/z値と比較した。その結果、L11は開始末端メチオニンの切断と9箇所のメチル化、L16はメチル化と酸化、S5及びS18は開始末端メチオニンの切断とアセチル化、S11はアセチル化、S12は開始末端メチオニンの切断とβ-メチルチオール化を考慮した計算分子量が発現分子量と一致することを確認した。L31は、アミノ酸配列に2ヵ所のC-x-x-C配列を有しており、2ヵ所のジスルフィド結合を考慮した計算分子量が発現分子量と一致することを確認した。
(4) 上記工程により選定された20種類のリボソームサブユニットタンパク質と、すでに実施例1で選択した23種類のバイオマーカータンパク質を合わせた、計43種類のリボソームサブユニットタンパク質をバイオマーカータンパク質とし、そのプロトン化分子(「M+H]+)のイオン質量から構成されるデータベースを作成した。これは、表2の左側二列部分である。合計43種類のバイオマーカータンパク質を用いることにより、細胞の識別能はさらに向上し、遺伝的にわずかな違いしかない細胞をより高感度に識別することが可能となる。
しかし、P. putida NBRC3738株の解析結果では、P. fluorescence、P. savastanoi、P. syringaeなどが極めて小さなe-valueで上位にヒットしている一方で、P. putidaは6位でありe-valueも大きい。しかも、属レベルで異なるGluconobacter oxydansよりも下位でヒットしている。該比較例に限らず、統計学の分野では、e-valueは10-3以下の結果が信頼性があると判断するのが通常であり、この結果から該菌株をP. putidaであると判定することはできない。
比較例2の方法は、ゲノム解読された微生物株のリボソームサブユニットタンパク質の計算分子量に対してコンピュータ検索するため、ゲノム解読株とは同種であっても株レベルで遺伝的類縁性が低い細胞に対しては、上記のように誤った判定結果を与えることが大きな問題であることが示された。これに対して、実施例3は、バイオマーカータンパク質であるリボソームサブユニットタンパク質のピークの一致性を解析する本発明の方法によれば、該菌株はP. putidaの中で株レベルで分類されたグループの一つに属する菌株であると分子系統解析により判定することができ、上記の問題が解決されることを示す事例である。
Claims (16)
- 細胞の種類を株のレベルで識別する方法において、細胞内部から少なくともバイオマーカーとして用いるリボソームサブユニットタンパク質群ならびにそれに関連するタンパク質群(以下、バイオマーカータンパク質という)を漏出させる工程を行い、次に複数種類のタンパク質から構成される当該バイオマーカータンパク質を質量分析する工程を行い、次に得られた質量スペクトルを、比較対象の細胞株について同様にして得られた質量スペクトルにおいて当該比較対象の細胞株のバイオマーカータンパク質の質量であることが同定された複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルを登録したデータベースと、当該複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルの異同について比較するデータ処理の工程を行うことにより、識別対象の細胞株の質量分析による測定結果と比較対象の細胞株のデータベースとの一致性を指標として細胞の種類を株のレベルで識別することを特徴とする細胞識別方法。
- 前記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる、薬品との混和乃至物理的破砕を用いることを特徴とする、請求項1記載の細胞識別方法。
- 前記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程において、さらに超遠心分離、クロマトグラフ分離、分離膜分離、抗体利用分離、乃至これらを組み合わせる方法を用いてバイオマーカータンパク質の精製を行う工程を行うことを特徴とする、請求項1乃至2記載の細胞識別方法。
- 前記バイオマーカータンパク質が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる工程によって漏出するリボソームサブユニットタンパク質群ならびにそれに関連するタンパク質群から構成されることを特徴とする、請求項1記載の細胞識別方法。
- 前記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、バイオマーカータンパク質の分子量を反映した分子量関連イオンを生成する質量分析法及び装置を用いて行われることを特徴とする、請求項1記載の細胞識別方法。
- 前記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法及び装置を用いることを特徴とする、請求項1乃至5記載の細胞識別方法。
- 前記比較対象の細胞株について得られた複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルを登録したデータベースが、当該バイオマーカータンパク質の遺伝子配列をアミノ酸配列に翻訳して求めた計算分子量、乃至その計算分子量をN-末端開始メチオニン残基の切断、翻訳後修飾、乃至生物情報工学的な相同性解析に基づいて行われるアミノ酸配列の修正を加味して補正した計算分子量、あるいはそれらの計算分子量から求められる分子量関連イオンのイオン質量に基づき、当該比較対象の細胞株の質量スペクトルの中から当該細胞株のバイオマーカータンパク質であることが同定された質量スペクトルを登録して作成されるデータベースであること特徴とする、請求項1記載の細胞識別方法。
- 前記比較対象の細胞株について得られた複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルを登録したデータベースが、バイオマーカータンパク質の分子量関連イオンを質量分析して求めたイオン質量あるいは発現分子量を登録して作成されるデータベースであること特徴とする、請求項1記載の細胞識別方法。
- 細胞の種類を株のレベルで識別する装置において、細胞内部から少なくともバイオマーカータンパク質を漏出させる工程を行い、次に複数種類のタンパク質から構成される当該バイオマーカータンパク質を質量分析する工程を行い、次に得られた質量スペクトルを、比較対象の細胞株について同様にして得られた質量スペクトルにおいて当該比較対象の細胞株のバイオマーカータンパク質の質量であることが同定された複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルを登録したデータベースと、当該複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルの異同について比較するデータ処理の工程を行うことにより、識別対象の細胞株の質量分析による測定結果と比較対象の細胞株のデータベースとの一致性を指標として細胞の種類を株レベルで識別することを特徴とする細胞識別装置。
- 前記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる、薬品との混和乃至物理的破砕を用いることを特徴とする、請求項9記載の細胞識別装置。
- 前記細胞内部からバイオマーカータンパク質を漏出させる工程において、さらに超遠心分離、クロマトグラフ分離、分離膜分離、抗体利用分離、乃至これらを組み合わせる方法を用いてバイオマーカータンパク質の精製を行う工程を行うことを特徴とする、請求項9乃至10記載の細胞識別装置。
- 前記バイオマーカータンパク質が、細胞内部からリボソームサブユニットタンパク質を漏出させることを目的として行われる工程によって漏出するリボソームサブユニットタンパク質群ならびにそれに関連するタンパク質群から構成されることを特徴とする、請求項9記載の細胞識別装置。
- 前記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、バイオマーカータンパク質の分子量を反映した分子量関連イオンを生成する質量分析法及び装置を用いて行われることを特徴とする、請求項9記載の細胞識別装置。
- 前記複数種類のタンパク質から構成されるバイオマーカータンパク質を質量分析する工程が、マトリックス支援レーザー脱離イオン化質量分析法及び装置を用いることを特徴とする、請求項9乃至13記載の細胞識別装置。
- 前記比較対象の細胞株について得られた複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルを登録したデータベースが、当該バイオマーカータンパク質の遺伝子配列をアミノ酸配列に翻訳して求めた計算分子量、乃至その計算分子量をN-末端開始メチオニン残基の切断、翻訳後修飾、乃至生物情報工学的な相同性解析に基づいて行われるアミノ酸配列の修正を加味して補正した計算分子量、あるいはそれらの計算分子量から求められる分子量関連イオンのイオン質量に基づき、当該比較対象の細胞株の質量スペクトルの中から当該細胞株のバイオマーカータンパク質であることが同定された質量スペクトルを登録して作成されるデータベースであること特徴とする、請求項9記載の細胞識別装置。
- 前記比較対象の細胞株について得られた複数種類のバイオマーカータンパク質の質量スペクトルを登録したデータベースが、バイオマーカータンパク質の分子量関連イオンを質量分析して求めたイオン質量あるいは発現分子量を登録して作成されるデータベースであること特徴とする、請求項9記載の細胞識別装置。
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