JP7310694B2 - 微生物分析方法 - Google Patents

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Description

本発明は、微生物の分析方法に関する。
質量分析におけるイオン化法の1つであるマトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI=Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)法は、レーザ光を吸収しにくい物質やタンパク質などレーザ光で損傷を受けやすい物質を分析するために、レーザ光で吸収し易く且つイオン化しやすいマトリックス物質を分析対象物質と混合し、これにレーザ光を照射することで分析対象物質をイオン化する手法である。一般にマトリックス物質は溶液として分析対象物質と混合される。そして、溶液中の溶媒を気化させることにより乾燥させ、分析対象物質を含んだ結晶を形成する。これにレーザ光を照射すると、マトリックス物質がレーザ光のエネルギーを吸収して急速に加熱され、気化する。その際、分析対象物質もマトリックス物質とともに気化し、その過程で分析対象物質がイオン化される。
こうしたMALDI法を利用した質量分析装置(MALDI-MS)は、タンパク質などの高分子化合物をあまり解離させることなく分析することが可能であり、しかも微量分析にも好適であることから、生命科学の分野で広く利用されている。生命科学分野におけるMALDI-MSの利用の一つに、MALDI-MSを用いた微生物の同定がある。これは、被検微生物を用いて得られたマススペクトルパターンに基づいて微生物の同定を行う方法であり、短時間で分析結果を得ることができることから、簡便且つ迅速な微生物の同定が可能である。
例えば食中毒の代表的な原因細菌の一つに、グラム陰性通性嫌気性桿菌の腸内細菌科に属するサルモネラがある。サルモネラ属にはSalmonella (以下「S.」と略す)enterica、S. bongori及びS. subterraneaの3つの菌種が属し、さらにS. entericaは6つの亜種に分類される。食中毒を引き起こす病原性サルモネラの多くは S. entericaに属し、その亜種は更に多数の血清型に分類される。サルモネラ属菌の菌種や亜種、血清型の判別は、食中毒の感染経路の解明及び感染防止に重要であることから、近年、MALDI-MSを用いたサルモネラ属菌の識別が試みられている。
Appl. Microbiol. Biotechnol., Applied Microbiology and Biotechnology, Vol.101, No.23-24, pp.8557-8569, 2017
MALDI-MSによるサルモネラ属菌の菌種や亜種、血清型の判別は、菌種や亜種、血清型が異なる菌体の間で、マススペクトル上での位置(質量電荷比、m/z値)や高さ(ピーク強度、mV値)が異なるピーク、すなわちバイオマーカーピークを検出することにより行う。細菌をはじめとする微生物の判別では、バイオマーカーピークとしてタンパク質のピークが用いられることが多い(非特許文献1)。
一般的に近縁の微生物の場合、多くのタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zは同じであるか、或いは近似する。従って、サルモネラ属菌を血清型のレベルで正確に判別するためには、バイオマーカーピークとして1種類のタンパク質由来のピークを選出するだけでは足りず、血清型の種類に応じた適切な、複数のタンパク質由来のピークを選出する必要がある。
例えば非特許文献1には、微生物を含む試料をMALDI-MSを用いて質量分析することにより得られるマススペクトルから12種類のタンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比の値を読み取り、それらの値から該試料に含まれる微生物がサルモネラ属菌の血清型のいずれであるかを判別することが記載されている。
ところで、微生物を含む試料をMALDI-MSで質量分析した場合、質量電荷比m/z の値が大きい高質量領域では感度が低く、マススペクトルの信頼性、正確性が低くなることが知られている。例えば上述した12種類のタンパク質の場合、最も高質量分子であるSodA(m/z 23000)に由来するピークは、その他のピークに比べるとブロードになったりピーク割れが生じたりする等、ピーク形状に異常がみられることが多い。このようなピーク形状の異常は、ピークの位置から読み取られる質量電荷比の値にずれを生じさせることになり、血清型の誤判別につながる。
本発明が解決しようとする課題は、MALDI-MSを用いた微生物分析方法において、サルモネラ属菌の特定の血清型を正確に識別できるようにすることである。
上記課題を解決するために成された本発明の微生物分析方法は、
微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種類の血清型であるエンテリティディス(Enteritidis)、リッセン(Rissen)、プローラム ガリナルム(Pullorum_Gallinarum)、アボニー(Abony)、コレレスイス(Choleraesuis)、パキスタン(Pakistan)のいずれの菌を含むかを識別するステップを有し、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークであるものである。
本発明によれば、試料に含まれる微生物が、サルモネラ属菌の所定の6種類の血清型のいずれの菌であるかを正確に識別することができる。
本発明に係る微生物の分析方法に用いられる微生物分析システムの概略的な全体構成図。 微生物分析方法の手順の一例を示すフローチャート。 サルモネラ属菌のS. Enteritidisの同じ株(GTC00131)のSodAに由来する1価イオンのピーク付近を示す2つのマススペクトル。 図3における2価イオンのピーク付近を示すマススペクトル。 サルモネラ属菌のS. Abonyの同じ株(NBRC100797)のSodAに由来する1価イオンのピーク付近を示す2つのマススペクトル。 図5における2価イオンのピーク付近を示すマススペクトル。
本発明の微生物分析方法は、微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanのいずれの菌を含むかを識別するステップを有しており、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークであることを特徴とする。
上記の6種類の血清型であるエンテリティディス(Enteritidis)、リッセン(Rissen)、プローラム ガリナルム(Pullorum_Gallinarum)、アボニー(Abony)、コレレスイス(Choleraesuis)、パキスタン(Pakistan)を含む非特許文献1に示される22種類の血清型の多価イオンのピーク検出状況とピークのm/z値を表1に示す。本発明においては、上記6種の血清型に対し、12種類のタンパク質(マーカータンパク質)中のSodAの検出状況の確認に、表1の1価イオンの代わりに2価イオン又は3価イオンのm/z値を用いることで、血清型を判別する。
Figure 0007310694000001
6種の血清型の菌体のいずれかが試料に含まれる場合、その試料について得られたマススペクトルには12種類のタンパク質由来のピークが含まれることが分かっており、且つ、各ピークの質量電荷比の範囲は既知である。従って、まずは試料について得られたマススペクトル上に12種類のタンパク質のそれぞれに対応する各質量電荷比範囲にピークが存在するか否かを判断する。
本発明の微生物識別方法では、12種類のタンパク質のうち、そのピーク形状に異常が見られることが多かったSodAに由来するピークとして、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークを採用したことにより、マーカーピークの質量精度が高まり、血清型を高精度に識別することができる。
本発明の微生物分析方法に用いられる質量分析装置としては、マトリックス支援レーザ脱離イオン化(MALDI=Matrix Assisted Laser Desorption/Ionization)法を利用した質量分析装置(MALDI-MS)が好ましい。また、MALDI-MSとしては、MALDI飛行時間型質量分析装置(MALDI-TOFMS)を用いることが好ましい。MALDI-TOFMSは測定可能な質量電荷比の範囲が非常に広いため、微生物の構成成分であるタンパク質のような高質量分子の分析に適したマススペクトルを取得することができる。
次に、本発明に係る微生物分析方法に用いられる微生物分析システムの一実施形態について説明する。
図1は、微生物分析システムの概略的な全体構成を示している。このシステムは、大別して質量分析部10と微生物判別部20とから成る。質量分析部10は、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI)によって試料中の分子や原子をイオン化するイオン化部11と、イオン化部11から出射された各種イオンを質量電荷比に応じて分離する飛行時間型質量分離器(TOF)12を備える。
TOF12は、イオン化部11からイオンを引き出してTOF12内のイオン飛行空間に導くための引き出し電極13と、イオン飛行空間で質量分離されたイオンを検出する検出器14とを備える。
微生物判別部20の実体は、ワークステーションやパーソナルコンピュータ等のコンピュータであり、中央演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)21にメモリ22、LCD(Liquid Crystal Display)等から成る表示部23、キーボードやマウス等から成る入力部24、ハードディスクやSSD(Solid State Drive)等の大容量記憶装置から成る記憶部30が互いに接続されている。記憶部30には、OS(Operating System)31、スペクトル作成プログラム32、種決定プログラム33、及び血清型決定プログラム35(本発明に係るプログラム)が記憶されると共に、第1データベース34及び第2データベース36が格納されている。微生物判別部20は、更に、外部装置との直接的な接続や、外部装置等とのLAN(Local Area Network)などのネットワークを介した接続を司るためのインターフェース(I/F)25を備えており、該インターフェース25よりネットワークケーブルNW(又は無線LAN)を介して質量分析部10に接続されている。
図1においては、血清型決定プログラム35に係るように、スペクトル取得部37、m/z読み取り部38、及び血清型判定部39が示されている。これはいずれも基本的にはCPU21が血清型決定プログラム35を実行することによりソフトウェア的に実現される機能手段である。なお、血清型決定プログラム35は必ずしも単体のプログラムである必要はなく、例えば種決定プログラム33や、質量分析部10を制御するためのプログラムの一部に組み込まれた機能であってもよく、その形態は特に問わない。なお、種決定プログラム33としては、例えば、従来のフィンガープリント法による微生物識別を行うプログラム等を利用することができる。
また、図1では、ユーザが操作する端末にスペクトル作成プログラム32、種決定プログラム33、及び血清型決定プログラム35、第1データベース34、及び第2データベース36を搭載する構成としたが、これらの少なくとも一部又は全部を前記端末とコンピュータネットワークで接続された別の装置内に設け、前記端末からの指示に従って前記別の装置内に設けられたプログラムによる処理及び/又はデータベースへのアクセスが実行される構成としてもよい。
記憶部30の第1データベース34には、既知微生物に関する質量リストが多数登録されている。この質量リストは、ある微生物細胞を質量分析した際に検出されるイオンの質量電荷比を列挙したものであり、該質量電荷比の情報に加えて、少なくとも、前記微生物細胞が属する分類群(科、属、種など)の情報(分類情報)を含んでいる。こうした質量リストは、予め各種の微生物細胞を前記質量分析部10によるものと同様のイオン化法及び質量分離法によって実際に質量分析して得られたデータ(実測データ)に基づいて作成することが望ましい。
前記実測データから質量リストを作成する際には、まず、前記実測データとして取得されたマススペクトルから所定の質量電荷比範囲に現れるピークを抽出する。このとき、前記質量電荷比範囲を4,000~30,000程度とすることにより、主にタンパク質由来のピークを抽出することができる。また、ピークの高さ(相対強度)が所定の閾値以上のものだけを抽出することにより、不所望のピーク(ノイズ)を除外することができる。そして、抽出されたピークの質量電荷比(m/z)を細胞毎にリスト化し、前記分類情報等を付加した上で第1データベース34に登録する。なお、培養条件による遺伝子発現のばらつきを抑えるため、実測データの採取に用いる各微生物細胞は、予め培養環境を規格化しておくことが望ましい。
記憶部30の第2データベース36には、既知微生物を種よりも下位の分類である血清型で識別するためのマーカータンパク質に関する情報が登録されている。該マーカータンパク質に関する情報としては、少なくとも既知微生物における該マーカータンパク質の質量電荷比(m/z)の情報が含まれる。なお、第2データベース36には、血清型以外の下位の分類(例えば亜種、病原型、株)などで識別するためのマーカータンパク質に関する情報が登録されていてもよい。
本実施形態における第2データベース36には、被検微生物がサルモネラ属菌である場合にその血清型が6種類の血清型(Enteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistan)のいずれであるかを判定するための12種類のマーカータンパク質(gns、YaiA、YibT、PPI、L25、L21、S8、L17、L15、S7、YciF、SodA)に由来するピークとして、上記マーカータンパク質がイオン化して生じる1価イオンに由来するピークの質量電荷比の値(非特許文献1参照)が記憶されている。また、12種類のマーカータンパク質の一つであるSodAについては、該SodAがイオン化して生じる2価又は3価のイオンに由来するピークの質量電荷比の値が記憶されている。
第2データベース36に記憶されるマーカータンパク質の質量電荷比の値としては、各マーカータンパク質の塩基配列をアミノ酸配列に翻訳することにより求められた計算質量と、実測により検出される質量電荷比を比較して選別することが望ましい。なお、マーカータンパク質の塩基配列は、シークエンスによって決定するほか、公共のデータベース、例えばNCBI(国立生物工学情報センター:National Center for Biotechnology Information)のデータベース等から取得したものを用いることもできる。前記アミノ酸配列から計算質量を求める際には、翻訳後修飾としてN-末端メチオニン残基の切断を考慮することが望ましい。具体的には、最後から2番目のアミノ酸残基がGly, Ala, Ser, Pro, Val, Thr, 又はCysである場合に、N-末端メチオニンが切断されるものとして前記理論値を算出する。また、MALDI-TOF MSで実際に観測されるのはプロトンが付加した分子であるため、そのプロトンの分も加味して前記計算質量(すなわち各タンパク質をMALDI-TOF MSで分析した場合に得られるイオンの質量電荷比の理論値)を求めることが望ましい。
次に、上記の微生物分析システムを用いたサルモネラ属菌の血清型の分析手順についてフローチャートを参照しつつ説明を行う。
まず、ユーザは被検微生物の構成成分を含む試料を調製し、質量分析部10にセットして質量分析を実行させる。このとき、前記試料としては、細胞抽出物、又は細胞抽出物からリボソームタンパク質等の細胞構成成分を精製したものの他、菌体や細胞懸濁液をそのまま使用することもできる。
スペクトル作成プログラム32は、質量分析部10の検出器14から得られる検出信号をインターフェース25を介して取得し、該検出信号に基づいて被検微生物のマススペクトルを作成する(ステップ101)。
次に、種決定プログラム33が、前記被検微生物のマススペクトルを第1データベース34に収録されている既知微生物の質量リストと照合し、被検微生物のマススペクトルに類似した質量電荷比パターンを有する既知微生物の質量リスト、例えば被検微生物のマススペクトル中の各ピークと所定の誤差範囲で一致するピークが多く含まれている質量リストを抽出する(ステップ102)。種決定プログラム33は、続いてステップ102で抽出した質量リストと対応付けて第1データベース34に記憶された分類情報を参照することで、該質量リストに対応した既知微生物が属する生物種を特定する(ステップ103)。そして、この生物種がサルモネラ属菌でなかった場合(ステップ104でNoの場合)は、該生物種を被検微生物の生物種として表示部23に出力し(ステップ109)、分析処理を終了する。一方、前記生物種がサルモネラ属菌であった場合(ステップ104でYesの場合)は、続いて血清型決定プログラム35による分析処理に進む。なお、あらかじめ他の方法で、試料中にサルモネラ属菌が含まれることが判定されている場合は、マススペクトルを用いた種決定プログラムを利用せずに、血清型決定プログラム35に進めばよい。
血清型決定プログラム35では、被検微生物のマススペクトル上のピークの質量電荷比を第2データベースに収録されている12種類のタンパク質(gns、YaiA、YibT、PPI、L25、L21、S8、L17、L15、S7、YciF、SodA)に由来する1価イオンの質量電荷比の値と照合し、被検微生物の血清型を判別する(ステップ105)。具体的には、まず血清型判定部39がマーカータンパク質である12種類のタンパク質(gns、YaiA、YibT、PPI、L25、L21、S8、L17、L15、S7、YciF、SodA)に由来する1価イオンの質量電荷比範囲をそれぞれ第2データベース36から読み出す。続いてスペクトル取得部37が、ステップ101で作成された被検微生物のマススペクトルを取得する。そして、m/z読み取り部38が、該マススペクトル上において、前記の各マーカータンパク質に関連付けて第2データベース36に記憶された1価イオンの質量電荷比範囲に現れるピークを各マーカータンパク質に対応するピークとして選出し、その質量電荷比を読み取る。
その後、血清型判定部39がこの質量電荷比と第2データベース36から読み出した各マーカータンパク質(1価イオン)の質量電荷比の値を照合し、6種類の血清型のいずれかであると判定する(ステップ106)。
続いて、血清型判定部39は12種類のマーカータンパク質に由来する2価又は3価イオンの質量電荷比を第2データベース36から読み出し、マススペクトル上において、これら2価又は3価イオンの質量電荷比範囲に現れるピークを選出し、その質量電荷比を第2データベース36から読み出した質量電荷比と照合する(ステップ107)。照合した結果、質量電荷比の値が6種類の血清型の質量電荷比の値のいずれかと一致した場合には、その一致状況に基づいて被検微生物の血清型が6種類の血清型のいずれであるか判定し(ステップ108)、その旨を被検微生物の識別結果として表示部23に出力する(ステップ109)。
なお、ステップ104において、被検微生物の生物種がサルモネラ属菌であると判定された後の照合処理として、第2データベースに収録されている12種類のタンパク質に由来する1価、あるいは2価又は3価の質量電荷比と、マススペクトル上のピークの質量電荷比を照合するようにしても良い(ステップ110)。そして、照合した結果、質量電荷比の値が6種類の血清型の質量電荷比の値のいずれかと一致した場合には、その一致状況に基づいて被検微生物の血清型が6種類の血清型のいずれであるかを判定し(ステップ108)、その旨を被検微生物の識別結果として表示部23に出力する(ステップ109)。この場合は、被検微生物の種の決定から帰属の決定までの工程を少なくすることができる。
また、予め他の方法で試料に含まれるサルモネラ属菌が6種類の血清型のいずれかであると判定されている場合は、ステップ105-107、あるいはステップ110の処理を省略しても良い。
以下、本発明に係る微生物分析方法の効果を実証するために行った実験について説明するが、これらは単なる例示であって、本発明はこれらに限定されるものではない。
1.サルモネラ属菌の培養
以下に示す6種類の血清型を含むサルモネラ属菌(Salmonella enterica)等、非特許文献1および表1に示される22種類の血清型からなる105菌株のサルモネラ属菌を、LB寒天培地を用いて37℃で20時間培養した。105菌株は、非特許文献1に示される115菌株のうち血清型unknownの株を除く菌株にあたる。
<6種類の血清型のサルモネラ属菌>
S. Enteritidis、
S. Rissen、
S. Pullorum_Gallinarum、
S. Abony、
S. Choleraesuis、
S. Pakistan
2.マトリックス溶液の作製
以下の2種類のマトリックス溶液を作製した。
(2-1) エタノールにマトリックス物質であるシナピン酸(SA)を25mg/mL含むように溶解して、マトリックス溶液(飽和溶液)を作製した。このマトリックス溶液を「SA-1」とする。
(2-2) 50%のアセトニトリル(ACN)及び0.6%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む水溶液に、SAを25mg/mL、メチレンジホスホン酸(MDPNA)を1%、界面活性剤であるデシル-β-D-マルトピラノシド(decyl-β-D-maltopyranoside、DMP)を1mM、それぞれ含むように溶解して、マトリックス溶液を作製した。このマトリックス溶液を「SA-2」とする。
マトリックス溶液SA-1及びSA-2に用いたSAは富士フイルム和光純薬工業株式会社製、MDPNA及びDMPはシグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製のものを用いた。
3.マトリックス・微生物懸濁液の調製
(3-1) LB寒天培地で培養した105菌株のサルモネラ属菌をそれぞれ約1mgずつ微量天秤で秤量してチューブに入れ、そこにマトリックスSA-2溶液を加えて菌濃度が1mg/0.075mL(1×10個/ L)になるように調製し、それをニードルで懸濁した。
(3-2) チューブに1分間、超音波振動を与え、得られた懸濁液を遠心分離(12000rpm、5min)して遠心上清液を得た。
4.MALDI-MSによる分析
(4-1) MALDI用サンプルプレートの各ウェルにマトリックス溶液SA-1を0.5μLずつ滴下した(プリコート)。
(4-2) 続いて、マトリックス溶液SA-1がプリコートされた各ウェルに、上記の遠心上清液を1μLずつ滴下し、自然乾燥させた。
(4-3) (4-2)で得られたMALDI用サンプルプレートを、MALDI-MS(AXIMA Performance, 株式会社島津製作所製)に挿入し、リニアモード(ポジティブイオンモード)で測定した。各血清型について4個の試料を用意し(n=4)、それぞれの試料について得られた測定データは全てラスター分析により取得した。ラスター分析は、上述の質量分析装置が備える自動測定機能であり、サンプルプレートの各ウェル内の試料に対して、予め設定されたポイント数、ショット数でレーザ照射し、マススペクトルデータを取得する手法である。
5.ピークの抽出
測定データに対してサルモネラ属菌の自己キャリブレーションを適用し(具体的には、サルモネラ自身の幾つかの帰属済みのピークを内部標準として用いてキャリブレーションを行い)、得られたマススペクトルについて、非特許文献1で示される12種類のマーカータンパク質に由来するピークの質量電荷比の値を読み取り、それらの値から該試料に含まれる微生物がサルモネラ属菌の血清型のいずれであるかを判別した。このとき、12種類のマーカータンパク質のうちSodAにおいては、6種の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanに対し、上記の表1に示す多価イオン(主に2価イオン)のピークの質量電荷比を読み取った。
6.結果
上記6種の血清型を含む22種類の血清型の菌株に対し、12種類のマーカータンパク質中のSodAの1価およびに2価イオンのピーク検出状況を確認すると、表1の検出状況が確認された。表2は、表1に示されている血清型のうち1価イオン、2価イオン及び/または3価イオンのピークの質量精度を示している。この結果、2価イオン及び3価イオンのピークは1価イオンのピークに比べると質量精度が高いことが確認された。
Figure 0007310694000002
以下に、6種の血清型のサルモネラ属菌のうちS. Enteritidis及びS. Abonyを含む試料について得られたマススペクトルに基づき血清型を識別した具体例について説明する。
(1) S. Enteritidis
図3の(a)、(b)は、同じ株(GTC00131)のS. Enteritidisを含む4個(n=4)の試料のうち2個の試料について得られたマススペクトルである。図3(a)、(b)は、いずれもSodA由来の1価イオンのピークを示しているが、それらのピークから読み取られた質量電荷比m/zの値が異なっていた。具体的には、図3(a)に示されるピークから読み取られた質量電荷比はS. PakistanのSodA由来の1価イオンピークの理論質量値に近かったため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって同定された血清型はS. Enteritidis、または、S. Pakistanとなった(同率一位)。
一方、図3(b)に示されるピークから読み取られた質量電荷比はS. EnteritidisのSodA由来の1価イオン由来のピークの理論質量値に近かったため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって、試料に含まれるサルモネラ属菌はS. Enteritidisであることが同定(単独一位で同定)された。
図4(a)、(b)は、それぞれ図3(a)、(b)に示されているピークを含むマススペクトルのうち、SodA由来の2価イオンのピーク付近を示している。2価イオンの場合は、1価イオンのピークに比べると高い質量精度でピークが検出された。また、図4(a)、(b)のいずれであっても、ピークから読み取られる質量電荷比はほぼ同じで且つ、S. EnteritidisのSodA由来の2価イオン由来のピークの理論質量値に近かった。このため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって、試料に含まれるサルモネラ属菌はS. Enteritidisであることが同定(単独一位で同定)された。
(2) S. Abony
図5の(a)、(b)は、同じ株(NBRC100797)のS. Abonyを含む4個の試料のうち2個の試料について得られたマススペクトルである。図5(a)、(b)は、いずれもSodA由来の1価イオンのピークを示しているが、それらのピークから読み取られた質量電荷比m/zの値が異なっていた。具体的には、図3(a)に示されるピークから読み取られた質量電荷比はS. Enteritidis等のSodA由来の1価イオンピークの理論質量値に近かったため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって同定された血清型はS. Enteritidis、または、S. Abonyとなった(同率一位)。
一方、図5(b)に示されるピークから読み取られた質量電荷比はS. AbonyのSodA由来の1価イオン由来のピークの理論質量値に近かったため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって、試料に含まれるサルモネラ属菌はS. Abonyであることが同定(単独一位で同定)された。
図6(a)、(b)は、それぞれ図5(a)、(b)に示されているピークを含むマススペクトルのうち、SodA由来の2価イオンのピーク付近を示している。2価イオンの場合は、1価イオンのピークに比べると高い質量精度でピークが検出された。また、図6(a)、(b)のいずれであっても、ピークから読み取られる質量電荷比はほぼ同じで且つ、S. AbonyのSodA由来の2価イオン由来のピークの理論質量値に近かった。このため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって、試料に含まれるサルモネラ属菌はS. Abonyであることが同定(単独一位で同定)された。
さらに、12種類のマーカータンパク質に由来するピークによるサルモネラ属菌の105菌株の判別率を評価した結果を表3及び表4に示す。表3及び表4は、サルモネラ属菌105菌株について、SodAの1価イオンを使用したとき、2価イオンを使用したときの判別率をそれぞれ示している。
Figure 0007310694000003
Figure 0007310694000004
これらの表より、4個の試料のうち3個(75%)以上の確率で単独同定される場合の判別率は1価イオンを用いた場合の79%に対し、SodAの2価イオンを用いた場合は83%、4個の試料のうち2個(50%)以上の確率で単独同定される場合の判別率は1価イオンを用いた場合の90%に対し、2価イオンを用いた場合は93%と、数%向上した。大幅な向上に至らなかった理由は、表1に示すように、多くの血清型でSodAの多価イオンのピークが、ピークの重複などの理由で未検出だったためであると思われる。SodAの多価イオンのピークを検出することさえできれば、SodAに由来する多価イオンは、確実に血清型の判別率の向上に寄与することが推測された。
[態様]
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様の微生物分析方法は、
微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanのいずれの菌を含むかを識別するステップを有し、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークである。
第1項に記載の微生物分析方法によれば、試料に含まれる微生物が、前記6種の血清型のいずれの菌を含むかをより精度良く識別することができる。
(第2項)第1項に記載の微生物分析方法において、
前記多価イオンが2価イオン又は3価イオンである。
第2項に記載の微生物分析方法によれば、前記6種の血清型のいずれの菌を含むかをより精度良く識別することができる。
(第3項)第2態様は、コンピュータに上述した第1項又は第2項に記載の各ステップを実行させるためのプログラムである。

Claims (3)

  1. 微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
    前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種類の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanのいずれの菌を含むかを識別するステップを有し、
    前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークである、微生物分析方法。
  2. 請求項1に記載の微生物分析方法において、
    前記多価イオンが2価イオン又は3価イオンである、微生物分析方法。
  3. コンピュータに請求項1又は2に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
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