JP7310694B2 - 微生物分析方法 - Google Patents
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Description
微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種類の血清型であるエンテリティディス(Enteritidis)、リッセン(Rissen)、プローラム ガリナルム(Pullorum_Gallinarum)、アボニー(Abony)、コレレスイス(Choleraesuis)、パキスタン(Pakistan)のいずれの菌を含むかを識別するステップを有し、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークであるものである。
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanのいずれの菌を含むかを識別するステップを有しており、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークであることを特徴とする。
図1は、微生物分析システムの概略的な全体構成を示している。このシステムは、大別して質量分析部10と微生物判別部20とから成る。質量分析部10は、マトリックス支援レーザ脱離イオン化法(MALDI)によって試料中の分子や原子をイオン化するイオン化部11と、イオン化部11から出射された各種イオンを質量電荷比に応じて分離する飛行時間型質量分離器(TOF)12を備える。
また、予め他の方法で試料に含まれるサルモネラ属菌が6種類の血清型のいずれかであると判定されている場合は、ステップ105-107、あるいはステップ110の処理を省略しても良い。
以下に示す6種類の血清型を含むサルモネラ属菌(Salmonella enterica)等、非特許文献1および表1に示される22種類の血清型からなる105菌株のサルモネラ属菌を、LB寒天培地を用いて37℃で20時間培養した。105菌株は、非特許文献1に示される115菌株のうち血清型unknownの株を除く菌株にあたる。
S. Enteritidis、
S. Rissen、
S. Pullorum_Gallinarum、
S. Abony、
S. Choleraesuis、
S. Pakistan
以下の2種類のマトリックス溶液を作製した。
(2-1) エタノールにマトリックス物質であるシナピン酸(SA)を25mg/mL含むように溶解して、マトリックス溶液(飽和溶液)を作製した。このマトリックス溶液を「SA-1」とする。
(2-2) 50%のアセトニトリル(ACN)及び0.6%のトリフルオロ酢酸(TFA)を含む水溶液に、SAを25mg/mL、メチレンジホスホン酸(MDPNA)を1%、界面活性剤であるデシル-β-D-マルトピラノシド(decyl-β-D-maltopyranoside、DMP)を1mM、それぞれ含むように溶解して、マトリックス溶液を作製した。このマトリックス溶液を「SA-2」とする。
マトリックス溶液SA-1及びSA-2に用いたSAは富士フイルム和光純薬工業株式会社製、MDPNA及びDMPはシグマ アルドリッチ ジャパン合同会社製のものを用いた。
(3-1) LB寒天培地で培養した105菌株のサルモネラ属菌をそれぞれ約1mgずつ微量天秤で秤量してチューブに入れ、そこにマトリックスSA-2溶液を加えて菌濃度が1mg/0.075mL(1×107個/ L)になるように調製し、それをニードルで懸濁した。
(3-2) チューブに1分間、超音波振動を与え、得られた懸濁液を遠心分離(12000rpm、5min)して遠心上清液を得た。
(4-1) MALDI用サンプルプレートの各ウェルにマトリックス溶液SA-1を0.5μLずつ滴下した(プリコート)。
(4-2) 続いて、マトリックス溶液SA-1がプリコートされた各ウェルに、上記の遠心上清液を1μLずつ滴下し、自然乾燥させた。
(4-3) (4-2)で得られたMALDI用サンプルプレートを、MALDI-MS(AXIMA Performance, 株式会社島津製作所製)に挿入し、リニアモード(ポジティブイオンモード)で測定した。各血清型について4個の試料を用意し(n=4)、それぞれの試料について得られた測定データは全てラスター分析により取得した。ラスター分析は、上述の質量分析装置が備える自動測定機能であり、サンプルプレートの各ウェル内の試料に対して、予め設定されたポイント数、ショット数でレーザ照射し、マススペクトルデータを取得する手法である。
測定データに対してサルモネラ属菌の自己キャリブレーションを適用し(具体的には、サルモネラ自身の幾つかの帰属済みのピークを内部標準として用いてキャリブレーションを行い)、得られたマススペクトルについて、非特許文献1で示される12種類のマーカータンパク質に由来するピークの質量電荷比の値を読み取り、それらの値から該試料に含まれる微生物がサルモネラ属菌の血清型のいずれであるかを判別した。このとき、12種類のマーカータンパク質のうちSodAにおいては、6種の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanに対し、上記の表1に示す多価イオン(主に2価イオン)のピークの質量電荷比を読み取った。
上記6種の血清型を含む22種類の血清型の菌株に対し、12種類のマーカータンパク質中のSodAの1価およびに2価イオンのピーク検出状況を確認すると、表1の検出状況が確認された。表2は、表1に示されている血清型のうち1価イオン、2価イオン及び/または3価イオンのピークの質量精度を示している。この結果、2価イオン及び3価イオンのピークは1価イオンのピークに比べると質量精度が高いことが確認された。
図3の(a)、(b)は、同じ株(GTC00131)のS. Enteritidisを含む4個(n=4)の試料のうち2個の試料について得られたマススペクトルである。図3(a)、(b)は、いずれもSodA由来の1価イオンのピークを示しているが、それらのピークから読み取られた質量電荷比m/zの値が異なっていた。具体的には、図3(a)に示されるピークから読み取られた質量電荷比はS. PakistanのSodA由来の1価イオンピークの理論質量値に近かったため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって同定された血清型はS. Enteritidis、または、S. Pakistanとなった(同率一位)。
図5の(a)、(b)は、同じ株(NBRC100797)のS. Abonyを含む4個の試料のうち2個の試料について得られたマススペクトルである。図5(a)、(b)は、いずれもSodA由来の1価イオンのピークを示しているが、それらのピークから読み取られた質量電荷比m/zの値が異なっていた。具体的には、図3(a)に示されるピークから読み取られた質量電荷比はS. Enteritidis等のSodA由来の1価イオンピークの理論質量値に近かったため、SodAを含む12種類のマーカータンパク質(gns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodA)に由来するピークの質量電荷比m/zによって同定された血清型はS. Enteritidis、または、S. Abonyとなった(同率一位)。
上述した複数の例示的な実施形態は、以下の態様の具体例であることが当業者により理解される。
(第1項)一態様の微生物分析方法は、
微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanのいずれの菌を含むかを識別するステップを有し、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークである。
前記多価イオンが2価イオン又は3価イオンである。
Claims (3)
- 微生物を含む試料を質量分析して得られたマススペクトルから、12種類のタンパク質であるgns, YaiA, YibT, PPI, L25, L21, S8, L17, L15, S7, YciF, SodAのそれぞれに由来するピークの質量電荷比m/zを読み取るステップと、
前記12種類のタンパク質に由来するピークの質量電荷比m/zに基づいて、前記試料に含まれる微生物が、サルモネラ(Salmonella)属菌の6種類の血清型であるEnteritidis、Rissen、Pullorum_Gallinarum、Abony、Choleraesuis、Pakistanのいずれの菌を含むかを識別するステップを有し、
前記SodAに由来するピークが、該SodAがイオン化して生じる多価イオンに由来するピークである、微生物分析方法。 - 請求項1に記載の微生物分析方法において、
前記多価イオンが2価イオン又は3価イオンである、微生物分析方法。 - コンピュータに請求項1又は2に記載の各ステップを実行させるためのプログラム。
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