JP4817911B2 - 中空管製品の鍛造成形方法 - Google Patents

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Description

本発明は、例えば、ラックピニオン式車両操舵装置の中空ラックバーに好適に適用される中空管製品の鍛造成形方法に関する。
車両操舵装置のギヤボックスには、ステアリングシャフト側のピニオンギヤと、左右の車輪を接続するタイロッド側に、ラックが形成されたラックバーとが備えられており、これらのピニオンギヤとラックとにより、ハンドルから伝達される回転操舵力をギヤボックスで左右の横力に変換してこれを車輪に伝達し、キングピン回りの回動力を車輪に作用させるようになっている。そして、運転者の操舵力をアシストするために、従来の油圧式パワーステアリングに代わって、電動モータによる駆動システムが上記ギヤボックスに付設されるようになり、電動モータの駆動力を電子制御により最適で且つ最小限のパワーアシストとなる制御を行って、高いエネルギ効率の実現を図っている。
ところで、上記ラックバーは、車両全体の軽量化と共に、電動モータによるアシスト力を可能な限り最適で且つ最小限に留めるためにも軽量化が要求されており、このような要請を満たす中空パイプの使用が知られている(例えば、特許文献1参照)。
このような中空パイプの外表面の一部にラックを鍛造により成形する方法としては、例えば、特許文献2に開示される製造方法が知られている。特許文献2に開示される製造方法は、中空パイプ素材を上下の保持ダイスで保持して、上半部と下半部の両側面(外表面)を拘束しておき、ポンチにより上半部のラック形成面を圧下することにより、所望のラック歯形を所望位置に形成させるものである。そして、中空パイプ素材の内部空洞に芯金を挿入しておくことにより、芯金とポンチに挟まれた中空パイプ部分を、ポンチの転写ラック歯形内に充満させるように食い込ませ、精密なラック歯形の成形を可能にしている。
実開昭57−80757号公報 特開平4−28582号公報
ところで、中空パイプ素材にラック歯形を要求形状(ニアネットシェイプ)とおりに鍛造成形するためには、冷間、或いは少なくとも温間で鍛造する必要があり、冷間或いは温間鍛造における大きな加圧力が芯金を介して、ラック歯形形成部位と反対側の背面部(芯金と受け側の下金型に挟まれた歯裏部)に作用して背面部を塑性変形させ、その部分の管厚が細る(薄くなる)という問題がある。そのため、中空パイプ素材にスエージや平つぶし加工等の予備成形や、素材と成形型との間の摩擦抵抗を少なくするための潤滑被膜成形処理(ボンデ処理)の工程が必要になる。また、1回の鍛造成形で要求形状に成形することが難しく、実際には、形状の異なる多数の芯金を準備しておき、鍛造成形工程を多段に分けて実施されており、そのために、それぞれの鍛造工程に対して成形金型が必要になるばかりか、工程数が多い分タクトタイムが増加し、コスト削減の要求も解決できないという問題がある。
このような問題は、上述のラックピニオン式車両操舵装置の中空ラックバーに限らず、中空管素材の外表面の一部を所望形状に鍛造成形して中空管製品を加工するものに広く生じる問題である。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、その目的は、付随する前処理工程(予備工程)や後処理工程を極力廃し、少ない鍛造工程、出来れば1回の鍛造工程で要求形状に近い形状(ニアネットシェイプ)を得ることができ、タクトタイムの減少、従って製造コストを低減できる中空管製品の鍛造成形方法を提供することにある。
上述した目的を達成するために、請求項1記載の本発明に係る中空管製品の鍛造成形方法は、中空管素材の外表面の一部を所望形状に成形する中空管製品の鍛造成形方法であって、中空管素材を準備する工程と、該中空管素材の、前記所望形状を成形する外表面部分に対する背面部を焼き入れ硬化させる工程と、背面部を焼き入れ硬化させた中空管素材の内部空洞に芯金を挿入した状態で、前記所望形状に対応する転写型面を有する鍛造型を用いて前記所望形状を鍛造成形する工程とを備えることを特徴とする。
本発明の鍛造成形方法に供される中空管素材は、全体として硬さが鍛造成形に好適な加熱焼鈍処理がなされており、或いは焼鈍処理された状態と同等の硬さを有しており、このような中空管素材の背面部に限定して焼き入れ硬化させると、前記所望形状を成形する外表面は、鍛造成形に好適な均質な硬さを有する一方、背面部は、その部分を硬化させることにより強度が増し、大きな加圧力が加わっても背面部の管厚みの細り(薄肉化)を抑えることができる。
請求項2に記載の本発明方法は、前記背面部を高周波加熱により焼き入れ硬化させることを特徴とする。
高周波加熱による加熱方法は、ラックバー等の中空管製品の長手方向に沿う管半部といった限られた領域(背面部)の加熱に好適であり、背面部の均一な加熱を可能にする。
請求項3に記載の本発明方法は、中空管素材を冷間状態で鍛造成形することを特徴とする。
冷間鍛造は、素材の加熱工程を省略することができるほか、寸法精度に優れ、ラックバーのラック歯形の成形等、鍛造成形によるニアネットシェイプ製品の製造を可能にする。尚、本明細書でいう冷間状態とは、鍛造前に素材を積極的に加熱処理することなく、素材が有する温度状態をいい、素材が常温(20℃程度)である状態は勿論のこと、乾燥や焼戻し後の放冷等で未だ100℃程度の温度を有している状態をも含む。
請求項4に記載の本発明方法は、中空管素材の、所望形状を成形する外表面部分を100℃以上600℃以下の温度に加熱した状態で鍛造成形することを特徴とする。
歯裏が焼入れされない状態で歯成形部を加熱(100℃以上600℃以下)しても十分な歯を成形することができず、歯裏だけでなく全体を焼き入れした後、歯成形部を加熱(100℃以上600℃以下)しても十分な歯を成形できない。したがって、歯裏が焼入れされておれば、歯成形部は加熱されない常温での冷間鍛造も可能であるが、100℃以上600℃以下の好適な加熱温度範囲で、寸法精度に悪影響を及ぼすことなく歯成形鍛造が可能である。
600℃以上になると、素材の焼き鈍し温度(変態点温度)に近づき、折角焼入した歯裏部の強度を損なうことになり、鍛造加工に好ましくない。また、加工寸法精度や酸化皮膜の発生を抑えることからも、600℃以下が好ましい。
本発明方法は、請求項5に記載の、ラックピニオン式車両操舵装置の中空ラックバーの製造成形に、特に好適であり、中空管素材の外表面の一部にラック歯形が鍛造成形される。
請求項1乃至4記載の本発明に係る中空管製品の鍛造成形方法に依れば、大きな加圧力での鍛造成形が可能になるので、余分で付随的な加工工程を省いて、少ない鍛造工程、例えば1回の鍛造成形工程で寸法精度のよい(ニアネットシェイプ)中空管製品の鍛造成形が可能になり、製品製造のタクトタイムを大幅に減少させることができ、それに伴う製造コストの削減ができる。
本発明に係る中空管製品の鍛造成形方法は、その適用製品を特に限定するものではないが、例えば、ラックピニオン式車両操舵装置の中空ラックバーの製造に好適である。以下、本発明方法の好適な実施態様の一つとして、中空ラックバーの鍛造成形方法を例に説明する。
先ず、ラックピニオン式車両操舵装置の中空ラックバーについて、図1を参照して説明すると、車両(例えば、乗用車)の左右の前車輪WR、WLは、それぞれタイロッド2R、2Lを介してラックバー4に接続され、これらのタイロッド2R、2L、及びラックバー4の車幅方向の移動により、前車輪WR、WLは連動して図示しないキングピン回りに回動可能である。
操舵装置SDは、ステアリングホイール12、このホイールに連結されたステアリングシャフト14,16及びステアリングギヤボックス10から構成され、ギヤボックス10は、ラック4aが形成された前述のラックバー4と、ピニオンギヤ6aが形成され、シャフト16と自在継ぎ手により連結されるピニオン軸6とを備えている。また、ギヤボックス10には、電動モータ8が付設されており、モータ8は、ピニオン軸6の先端に形成されたギヤホイール及びピニオンギヤ6aを介して、その回転駆動力をラックバー4に伝達する。
上述のとおり、ラックバー4は、ピニオン軸6と噛合して、ステアリングホイール12の回動駆動力を左右の横力に変換してこれを車輪WR、WLに伝達すると共に、運転者の操舵力を補助する電動モータ8の補助回転駆動力を横力に変換して車輪に伝達する機能を有している。
図2は、ラック歯形形成面から見たラックバー4の平面図であり、形成される歯形4aは、本発明では特に限定されるものではないが、本実施形態のラックバー4は、その歯形中央を基準に左右対称にして、歯形4aが不等ピッチ且つ異形歯形が順次配列されるように形成されており、ステアリングホイール12の回動角度と車輪WR、WLの操舵角との関係が非線形的に変化するように設定されている。
ラックバー4は、図4および図5に示すように、軽量中空パイプ素材4Aから成形され、その長さ、外径、パイプ厚み等は、特に限定されるものではなく、要求仕様により適宜設定される。
中空パイプ素材4Aに使用される鋼種も特に限定されるものではないが、冷間或いは温間鍛造に適し、焼入性が保証された鋼種、例えばJIS G 4052に規定される構造用マンガン鋼材などが例示できる。この鋼種は、素材焼鈍処理により均質な組織が得られ、鍛造加工に中空パイプ素材4Aの歯形成形部にHv150程度の好適な硬さが得られる。そして、加熱焼入処理によって焼入部4bにHv400程度の硬さが得られ、鍛造時の加圧力に耐える強度(耐圧縮力)を中空パイプ素材4Aの焼入部4bに与えることが出来る。
ここで、本発明に係る鍛造成形方法において、中空管素材が「焼鈍された状態」、「焼入された状態」とは、それぞれ加熱放冷により得られる状態、および加熱急冷により得られる状態を意味し、各状態は、使用する素材(鋼種)の硬さによって峻別できる。上記構造用マンガン鋼の熱処理例であれば、「焼鈍された状態」の硬さは上述のHv150程度であり、「焼入された状態」では上述のHv400程度の硬さであり、硬さでの峻別は明確である。また、「焼鈍された状態」における硬さは、鍛造成形に好適な硬さを意味し、「焼入された状態」のそれは、鍛造時の加圧力に耐える強度(耐圧縮力)を得るに好適な硬さを意味している。
次に、ラックバー4の鍛造成形方法を工程順に説明する。
1)中空パイプ素材4Aを準備する工程
先ず、中空パイプ素材を焼鈍炉に通して加熱した後放冷して、上述した鍛造加工に好適な硬さが得られる焼鈍処理を行う。素材準備の際に、必要に応じて引き抜きダイスに通して外径調整、曲がり矯正等の整形を行うことも出来る。そして、適宜長さに切断して所定の長さ、肉厚の中空パイプ素材4Aを得る。なお、この焼鈍処理工程は、素材4Aの入手時に、素材4Aの硬さが既に焼鈍された状態にある場合には、不要である。
なお、鍛造工程前の予備成形として、製品仕様等、必要に応じ、中空パイプ素材4Aの長手方向の一部に縮径部を形成するスエージ加工等を施してもよい。また、従来行われている、鍛造時の成型品と成形金型との間の摩擦抵抗をなくすための潤滑被膜成形処理(ボンデ処理)を必要に応じて加えてもよいが、本発明方法では、1回の鍛造工程で鍛造成形を終わらせることができるので、このボンデ処理を省略することも可能である。
2)中空パイプ素材4Aの加熱焼入工程
次に、準備した中空パイプ素材4Aの背面部(歯裏部)4bに加熱・焼入して硬化させる処理工程を実行する。図3および図5は、中空パイプ素材4Aに焼入を施す領域(歯裏部4b)を示す。なお、焼入領域は、図3および図5において梨地模様で示す領域であり、中空パイプ素材4Aの外表面に成形されるラック歯形4aに対して歯裏側に位置し、この領域が占める素材4Aの部分(歯裏部)4bを焼入領域と定義することができる。
素材4Aの長手方向(軸方向)の焼入領域(歯裏部)4bは、素材4Aの外表面にラック歯形4aを形成する領域よりそれぞれ軸方向外方にx1,x2だけ広い領域に設定され(図3を参照)、各長さx1,x2は、鍛造時の塑性変形領域を考慮すると、パイプ素材4Aの外径dを基準にして、塑性変形に影響がある0.2d(外径dの2割)程度に設定すれば充分である。
また、素材4Aの周方向の焼入領域4bについては、図5に示されるように、左右対称に、後述する芯金20を素材4Aの内部空洞4cに挿入したとき、芯金20が素材4Aの内周壁に当接する領域より充分に広い、略下半部領域に設定される。この領域4bは、芯金20からの圧下により素材4Aの管厚の変形(細り)を食い止めなければならない領域である。周方向焼入領域を上方にあまりにも広く設定すると、ラック歯形4aの成形時の塑性変形領域と干渉することになり、ラック歯形の盛り上がり(歯たけの形成)等に悪影響を及ぼす。
中空パイプ素材4Aの上記焼入領域(歯裏部)4bのみを局部的に焼入するための焼入装置としては、特に限定されないが、公知のヘアピン型コイル定置焼入方式や冷却水噴射ジャケットと共に鞍型コイルを移動させながら焼入を行う鞍型コイル移動焼入方式等の高周波焼入装置、焼入領域の両端に電極を当接してこれらの電極からパイプ素材に直接通電加熱して焼入する方式の通電加熱焼入装置、等を例示することができる。
図6Aおよび図6Bは、ヘアピン型コイル定置焼入方式の高周波焼入装置を模式的に表した概念図である。この焼入装置30は、中空銅パイプで作製されるコイル32と、高周波電源34と、冷却水ジャケット36で構成される。そして、コイル32の一部32aは、素材4Aの焼入領域4bを覆い、焼入領域を均一に加熱できる適宜形状(図6A参照)に引き回され、その位置に固定配置されている。コイル内部32bには冷却水が循環し、コイル32の過熱を防止している。素材4Aの焼入領域4bを覆うように引き回されたコイル32a間に冷却ジャケット36が配設される。この冷却ジャケット36は、加熱された焼入領域4bに向かって冷却水36aを噴射せることができる。
中空パイプ素材4Aを加熱・焼入するには、素材4Aの焼入領域4bをコイル32aに対向させる位置に素材4Aを搬入し、高周波電源34の電源を投入して素材4Aを加熱する。高周波加熱により素材4Aの焼入領域(歯裏部)4bを均一に加熱した後、冷却ジャケット36から冷却水36aを噴射させ、素材4Aを急冷して焼入硬化させ、鍛造成形の準備を終えた中空パイプ素材4Aを得る。
なお、焼入加熱温度、保持時間、冷却速度等の焼入条件は、製品の使用鋼種、形状、ポンチによる圧下量等により適宜に設定すればよいが、本発明のように、1回の鍛造工程で所要の形状に成形するためには、背面部の硬さHv360〜580、好ましくはHv410〜450を得ることができる焼入処理が必要である。
そして、素材鋼種は、焼き鈍し等により低い硬さ(低強度)を有し、焼入れにより高い硬さ(高い強度)になる材料であればよい。つまり、両状態(素材、焼入れ)で硬さ(強度)に差(好ましくは大きな差)が得られることが必要である。
3)ラック歯形鍛造成形工程
次いで、鍛造装置によりラック歯形の鍛造成形を行う。鍛造方法は、従来公知の種々の方法を採用することができ、特に限定されるものではないが、ポンチで素材を一気に圧下して成形する方法や振動等を利用した鍛造成形方法等が好適である。
図7A及び7Bは、本発明に好適に使用できる鍛造装置40の概念図であり、図7Aは、鍛造機金型に素材4Aを装着した状態を示し、図7Bは、鍛造状態を模式的に示すものである。この鍛造装置40は、鍛造素材4Aを載置する下型42と、上型44に保持されたラック歯形成形用の転写歯形(型面)46aを有するポンチ46と、中空パイプ素材4Aの内部空洞4cに挿入される芯金(マンドレル)20とを含んで構成される。
上下の金型42,44は、いずれが移動型であってもよく、また、両者或いはいずれか一方をさらに分割する分割型で構成してもよい。下型42は、製品であるラックバー4の外形面に適合し、鍛造加工に要求される適宜な型面を備えておればよく、下型42と芯金20で中空パイプ素材4Aを保持して鍛造成形を行う。
素材内部空洞4cに挿入される芯金20は、鍛造加工の金敷に相当し、芯金下面20aの形状は、素材内周面4dと同じ曲率半径を有して、鍛造成形時には、芯金下面20aが素材内周面4dに密着当接して、ポンチ46による圧下力が素材背面部4bの全体に分散させる形状が好ましい。
芯金形状は、図5,7に示すように、芯金下面20aが素材内周面4dに密着当接しておればよいが、更に、図8(a)、(b)に示すように、芯金20A、20Bの下半部を素材内周面4dに沿って焼入領域内周面を覆うように迫り上げ、断面を弓形や半円形に形成させて、当接面積を増大させるようにしてもよい。芯金20A,20Bの下面(受け面)が大きいと、圧下力による素材歯裏部の面圧を減少させることができ、断面積が増えることで心金の曲げ強度を増すことができる。
芯金上面20bは、ポンチ46と協働して素材4Aのラック歯形成形領域を塑性変形させるに好適な形状に設定される。
なお、芯金20は、従来公知の鋼種である工具鋼、例えばJIS SKS3(冷間用)、SKD61(温間用)等が好適に使用される。ポンチ46はハイス鋼等、の焼入れ・焼戻しされた状態のものが好適に使用できる。また、金型42,44は、当然のことではあるが、ポンチ46の圧下力に耐える強度を有する。
中空パイプ素材4Aの鍛造は、冷間、温間鍛造のいずれでもよく、製品形状、使用鋼種によっても異なるが、ラック歯形成形領域の鍛造前の加熱温度は100℃以上600℃以下、好ましくは500℃前後、寸法精度が要求される製品については加熱なしの冷間鍛造がよい。なお、ラック歯形成形領域の鍛造前の加熱は、歯裏部と同様に高周波加熱等により行う。
また、鍛造荷重も特に限定されず、例えば300tonプレス程度の荷重でおこなう。
以上のとおり、本鍛造成形工程では、先ず必要に応じ素材Aのラック歯形成形領域を適当な温度に加熱した後、金型42,44にセットして型締めを行う。このとき、素材Aの焼入された背面部4bは、図7に示すように芯金20の下方にあって、芯金20と下金型42とで挟まれる位置にセットすることは、勿論のことである。
次いで、芯金20を素材Aの内部空洞4cに挿入した後、ポンチ46で素材Aを圧下して歯形46aを素材4Aの歯形成形部に転写し、1回の鍛造成形で成形を終わらせる。尚、図7Bに示すように、鍛造成形されるラックバー4の余肉やラックの歯たけは、上下の金型42,44の相対移動量で調整することができる。そして、上下の金型42,44を開いてラック歯形4aが成形された製品(ラックバー)4を取り出す。
4)歯形鍛造成形後の後処理工程
ラック歯形4aが成形されたラックバー4は、後工程で種々の仕上げ加工が施され完成品となる。後工程の加工には、曲がり矯正、端部のねじ加工、ラック歯面や軸部の高周波焼入、研削・研磨加工、洗浄、完成検査、等を例示することができる。
上記のようにして、中空ラックバー4が1回の鍛造成形工程のみでラック歯形成形が行われ、タクトタイムの短縮が可能で、従って、製造コストの低減が可能になる。
尚、本発明は上述した実施形態に限定されるものではない。例えば、上述の実施態様では1回の鍛造成形工程のみでラック歯形成形を行ったが、必要に応じて鍛造成形工程を適宜段だけ追加してもよい。
本発明方法が適用可能な製品としては、中空ラックバーに限定されず、例えば、車両ドア補強パイプメンバ(ドアインパクトビーム)の取り付け部成形加工等、歯形成形以外の中空管製品にも広く適用可能である。
また、中空管製品としては、両端解放の製品でも片側だけが開口し、他端が閉塞された製品であってもよく、芯金が内部の空洞に挿入できれば鍛造成形が可能である。
本発明鍛造成形方法が好適に適用される中空ラックバーを備えた車両操舵装置の概略構成図。 鍛造成形されたラック歯形形成面から見た中空ラックバーの平面図。 中空パイプ素材4Aの焼入領域を示すための中空パイプ素材正面図。 中空パイプ素材4Aの内部空洞に芯金20が挿入された状態を示す縦断面図。 図4に示す状態の中空パイプ素材4A焼入部の断面図であり、挿入された芯金20と焼入領域との関係を示すための図。 中空パイプ素材4Aの焼入領域を焼入する高周波焼入装置の概念構成図。 図6Aに示す高周波焼入装置の一部と中空パイプ素材4Aの焼入部断面図。 中空パイプ素材4Aを鍛造装置40に装着した状態を示す、同鍛造装置40の部分断面模式図。 鍛造装置40により中空パイプ素材4Aの鍛造を完了した状態を示す、図7Aに類似の部分断面模式図。 芯金下半部形状の変形例を示し、図8(a)は断面弓形形状を有する芯金20Aを、図8(b)は断面半円形状を有する芯金20Bをそれぞれ示す、図5に類似の図である。
符号の説明
SD 車両用操舵装置
4 ラックバー
4A 中空パイプ素材
4a ラック歯形
4b 歯裏部(背面部、焼入領域)
10 ギヤボックス
20、20A,20B 芯金
30 高周波焼入装置
40 鍛造装置
42,44 金型
46 ポンチ

Claims (5)

  1. 中空管素材の外表面の一部を所望形状に成形する中空管製品の鍛造成形方法であって、
    中空管素材を準備する工程と、
    該中空管素材の、前記所望形状を成形する外表面部分に対する背面部を焼き入れ硬化させる工程と、
    背面部を焼き入れ硬化させた中空管素材の内部空洞に芯金を挿入した状態で、前記所望形状に対応する転写型面を有する鍛造型を用いて前記所望形状を鍛造成形する工程と
    を備えることを特徴とする中空管製品の鍛造成形方法。
  2. 前記背面部を高周波加熱により焼き入れ硬化させることを特徴とする、請求項1記載の中空管製品の鍛造成形方法。
  3. 中空管素材を冷間状態で鍛造成形することを特徴とする、請求項1記載の中空管製品の鍛造成形方法。
  4. 中空管素材の所望形状を成形する外表面部分を100℃以上600℃以下の温度に加熱した状態で鍛造成形することを特徴とする、請求項1記載の中空管製品の鍛造成形方法。
  5. 前記中空管製品は、ラックピニオン式車両操舵装置の中空ラックバーであり、中空管素材の外表面の一部にラック歯形を鍛造成形することを特徴とする、請求項1乃至4記載の中空管製品の鍛造成形方法。
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