JP5879409B2 - フランジ付長軸部品の鍛造加工方法 - Google Patents

フランジ付長軸部品の鍛造加工方法 Download PDF

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本発明は、フランジ付長軸部品の鍛造加工方法に係り、特に従来の軸直角方向の割型を用いた機械式横型アプセッタを用ず、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより予め高周波炉で変態点以上に局部加熱された要鍛造箇所をフランジ形状に成形する鍛造加工方法であって、従来では不可避であった「完成品の表面の軸方向の縦筋」が出ない、きれいな製品が得られると共に、従来の非常に大型かつ高価な機械式横型アプセッタに比べてはるかに安価な縦型のアプセッタである動圧又は静圧のスクリュープレスを用いることにより、材料の移動装置が不要でその分装置のコストダウンが可能で、金型は上型と下型に割ってあればよく下型は一体型で軸直角方向には割る必要がなく、金型費が安価で、型締装置が不要で、段取時間が短く、しかも機械装置がはるかに安価となり、とりわけ車輛用のアクスルシャフトの製造に非常な効率化と、コストダウンをもたらすことができる画期的なフランジ付長軸部品の鍛造加工方法に関する。
従来、フランジ付長軸部品の一例として、極めて大きな強度、靱性及び耐衝撃性が要求される耐高荷重長軸部品かつ保安部品である車輛用のアクスルシャフトは、熱間鍛造加工により製造されており、この鍛造加工方法は、例えば特許文献2に示すように、車輛用のアクスルシャフトのフランジ部の鍛造加工においては、素材は未加工の単なる丸棒の状態から、第1工程、第2工程、第3工程及び第4工程の順で、次第にフランジ部の形状に近づくように予備的形状(プリフォーム)の鍛造加工を行い、仕上げ工程である第5工程及び第6工程の順でフランジフランジ部の形状に仕上げ鍛造加工をするのであるが、この鍛造加工は、素材の軸直方向に2つに割られた割型を使用し、プレス装置はすべて極めて大規模かつ高価な機械式横型アプセッタが使用され、素材の移動は移動装置(トランスファ)を用いて加工されていた。
このような従来のフランジ付長軸部品の鍛造加工方法においては、金型の分割線(パーティングライン)が原因で、完成品となったアクスルシャフトに軸方向の縦筋が現れるのが不可避であり、この縦筋を除去するための仕上げ工程が必要になるという欠点があった。
また素材が1m以上と長いため、素材の移動装置(トランスファ)が複雑で高価となり、型締装置が必要で、金型費が高く、段取時間が長くかかり、機械装置及びその保守費用が高額になるなど多くの欠点があった。
特開平5−277616 特開平5−277617 特開2009−6338
本発明は、上記した従来技術の欠点を除くためになされたものであって、その目的とするところは、金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより局部加熱された要鍛造箇所を金属軸用素材の軸部を保持する下型が一体型である金型を用いてフランジ形状に成形することによって、従来不可避とされていた素材の軸直角方向の割型を不要とすることであり、またこれによって鍛造加工時に軸方向の割線が原因の縦筋がフランジ付長軸部品の完成品に全く出ないようにすることであり、また該縦筋を除去するための仕上げ工程を不要として、その分のコスト低減を図ることである。
また他の目的は、上記構成によって、材料の移動装置を不要としてその分装置のコストダウンを可能とし、金型のうち軸部を保持する下型は軸直角方向には割ることなく一体型としているため金型費を安価とし、型締装置を不要とし、段取時間が短くて済むようにし、しかも機械装置が従来よりはるかに安価(従来の横型のアプセッタの2分の1程度)で済むようにし、とりわけ車輛用のアクスルシャフトの製造に非常な効率化と、コストダウン(従来の製造コストに比べて30%減)をもたらすようにすることである。
また他の目的は、金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレスにより局部加熱された要鍛造箇所を金属軸用素材の軸部を保持する下型が一体型である金型を用いて2乃至3工程の鍛造加工で完成前の予備的形状に成形し、しかる後にアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスによりフランジ形状に成形することによって、小径の素材から相当大きい直径のフランジ部までの鍛造加工を無理なく実施できるようにすることであり、またこれによってとりわけ車輛用のアクスルシャフトの製造効率を飛躍的に向上させ、鍛造加工の大幅なコストダウン(従来の製造コストに比べて30%減)を達成することである。また特にフランジ形状の成形を静圧スクリュープレスにより行うことで、動圧スクリュープレスによる場合よりも装置のフレームの強度が小さくて済むようにし、またこれによってプレス装置の更なるコストダウンを可能とすることである。
また他の目的は、縦型の動圧スクリュープレス及び静圧スクリュープレスにサーボモータ駆動のものを用いることによって、横型アプセッタ方式の欠点をほとんど解消することであり、またこれによってプレスの保守費用をほとんど不要とし、フランジ付長軸部品の製造コストを大幅に低減(従来の製造コストに比べて30%減)させることである。
また他の目的は、静圧スクリュープレスに、サーボモータを駆動源とする油圧モータ駆動の歯車式静圧スクリュープレスを用いることによって、上記目的達成のほかに、電動モータ駆動よりも静圧スクリュープレスのスクリューのトルクの制御を容易化することであり、またこれによってより容易、かつ効率的にフランジ付長軸部品の鍛造加工ができるようにすることである。
要するに本発明方法(請求項1)は、金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより前記局部加熱された要鍛造箇所を前記金属製軸用素材の軸部を上下方向に挿通して保持する下型が一体型である金型を用いてフランジ形状に成形することを特徴とするものである。
また本発明方法(請求項2)は、金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレスにより前記局部加熱された要鍛造箇所を前記金属製軸用素材の軸部を上下方向に挿通して保持する下型が一体型である金型を用いて2乃至3工程の鍛造加工で完成前の予備的形状に成形し、しかる後に縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより前記予備的形状に成形された要鍛造箇所を前記金属製軸用素材の軸部を上下方向に挿通して保持する下型が一体型である金型を用いてフランジ形状に成形することを特徴とするものである。
また本発明方法(請求項3)は、前記静圧スクリュープレスにより前記予備的形状に成形された要鍛造箇所を前記フランジ形状に成形することを特徴とするものである。
また本発明方法(請求項)は、前記動圧スクリュープレス及び静圧スクリュープレスは、サーボモータ駆動のものであることを特徴とするものである。
また本発明方法(請求項)は、サーボモータを駆動源とする油圧モータ駆動の歯車式静圧スクリュープレスであることを特徴とするものである。
また本発明(請求項)は、前記フランジ付長軸部品は、車輛用のアクスルシャフトであることを特徴とするものである。
本発明は、上記のように、金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより局部加熱された要鍛造箇所を金属軸用素材の軸部を保持する下型が一体型である金型を用いてフランジ形状に成形するようにしたので、従来不可避とされていた素材の軸直角方向の割型を不要とすることができ、またこの結果鍛造加工時に軸方向の割線が原因の縦筋がフランジ付長軸部品の完成品に全く出ないようにすることができ、また該縦筋を除去するための仕上げ工程が不要となる効果があり、その分のコスト低減を図ることができる効果がある。
また上記構成によって、材料の移動装置が不要となり、その分装置のコストダウンが可能となり、金型のうち軸部を保持する下型は軸直角方向には割ることなく一体型としているため金型費が安価となり、型締装置も不要となり、段取時間が短くて済み、しかも機械装置が従来よりはるかに安価(従来の横型のアプセッタの2分の1程度)で済むため、とりわけ車輛用のアクスルシャフトの製造に非常な効率化と、コストダウン(従来の製造コストに比べて30%減)をもたらすことができる効果がある。
また金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレスにより局部加熱された要鍛造箇所を金属軸用素材の軸部を保持する下型が一体型である金型を用いて2乃至3工程の鍛造加工で完成前の予備的形状に成形し、しかる後にアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスによりフランジ形状に成形することによって、小径の素材から相当大きい直径のフランジ部までの鍛造加工を無理なく実施でき、またこの結果とりわけ車輛用のアクスルシャフトの製造効率を飛躍的に向上させ、鍛造加工の大幅なコストダウン(従来の製造コストに比べて30%減)を達成することができる効果がある。また特にフランジ形状の成形を静圧スクリュープレスにより行うことで、動圧スクリュープレスによる場合よりも装置のフレームの強度が小さくて済み、またこの結果プレス装置の更なるコストダウンを可能とし得る効果がある。
また縦型の動圧スクリュープレス及び静圧スクリュープレスにサーボモータ駆動のものを用いたので、横型アプセッタ方式の欠点をほとんど解消することができ、またこの結果プレスの保守費用をほとんど不要となり、フランジ付長軸部品の製造コストを大幅に低減(従来の製造コストに比べて30%減)させることができる効果がある。
また静圧スクリュープレスに、サーボモータを駆動源とする油圧モータ駆動の歯車式静圧スクリュープレスを用いたので、電動モータ駆動よりも静圧スクリュープレスのスクリューのトルクの制御を容易化することができ、またこの結果より容易、かつ効率的にフランジ付長軸部品の鍛造加工ができるという効果がある。
素材の斜視図である。 第1段階の予備的加工が施された素材の斜視図である。 第2段階の予備的加工が施された素材の斜視図である。 仕上げ加工が完了したフランジ付長軸部品の一例たる車輛用のアクスルシャフトの斜視図である。 図1に示すものの正面図である。 図2に示すものの部分縦断面正面図である。 図3に示すものの部分縦断面正面図である。 図4に示すものの部分縦断面正面図である。 金型の上型及び下型の部分縦断面正面図である。 下型に予備的加工が施された素材が取り付けられ、上型が下降を開始する状態を示す部分縦断面正面図である。 上型が下降して仕上げ鍛造加工が開始され状態を示す部分縦断面正面図である。 仕上げ鍛造加工の途中の状態を示す部分縦断面正面図である。 仕上げ鍛造加工が完了した状態を示す部分縦断面正面図である。 下型に予備的加工が施された素材が取り付けられ、上型が下降を開始する状態を示す縦型の静圧スクリュープレスの部分縦断面正面図である。 仕上げ鍛造加工の途中の状態を示す縦型の静圧スクリュープレスの部分縦断面正面図である。 仕上げ鍛造加工が完了した状態を示す縦型の静圧スクリュープレスの部分縦断面正面図である。
以下本発明を図面に示す実施例に基づいて説明する。図1から図8に示すように、本発明に係るフランジ付長軸部品の鍛造加工方法は、金属製軸用素材1の要鍛造箇所2を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき(図1、図5)、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス(図示せず)により局部加熱された要鍛造箇所2を、金属軸用素材1の軸部を保持する下型18が一体型である金型17を用いて2乃至3工程の鍛造加工で、完成前の第1の予備的形状1a(図2、図6)、第2の予備的形状1b(図3、図7)に順次成形し、しかる後に縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス(図示せず)又は静圧スクリュープレス3(図14から図16)によりフランジ形状1cに成形して、図4、図8に示すような軸部4aの一端にフランジ部4cが形成されてこれらが一体となった完成品としてのフランジ付長軸部品の一例たる車輛用のアクスルシャフト4に鍛造加工する方法である。
金属製軸用素材1は、車輛用のアクスルシャフト4が、車輛の駆動輪に用いられるため、車輛において保安上重要な部品であり、車輛の走行中には向きの異なる(正逆の)大きなトルクが作用するほかに、曲げ荷重や衝撃荷重が作用し、フランジ部4cには、車輪からの諸々の反力が作用し、金属疲労を起こし易い部品であるから、十分な強度と、特に靱性を有する耐高荷重の金属が用いられ、主として構造用圧延鋼材の丸棒が用いられる。
本発明で用いる金属製軸用素材1の寸法としては、直径が例えば40mmから120mm、長さが1m以上のものが用いられ、アクスルシャフト4としての製品段階でのフランジ部4cの直径は例えば140mmから400mmで、フランジ4cの厚さは例えば10mmから30mmで、全長は例えば500mmから1m以上のものとなる。
なお、金属製軸用素材1は、強度よりも軽量であること、錆に強いこと等の要望がある場合のフランジ付長軸部品では、材質は鋼には限定されず、真鍮、銅、アルミニュウム、チタン合金等の非鉄金属が用いられることもある。
高周波炉については、公知であるので説明は省略するが、高周波炉によれば高周波誘導加熱により、金属製軸用素材1の要鍛造箇所2を任意の範囲で任意の温度に短時間で加熱することができ、鋼の変態点は721℃であるから、金属製軸用素材1の要鍛造箇所2は、721℃以上、即ち鋼の熱間鍛造温度まで加熱され、赤熱状態となって鍛造加工されることになる。
縦型のアプセッタであるスクリュープレスについては、最初の2乃至3工程の荒地仕上げとしてのプリフォームのための鍛造加工では、静圧スクリュープレスは用いられず、縦型のアプセッタである下型上昇式の動圧スクリュープレスのみが用いられ、またフランジ部4cの仕上げ工程では静圧スクリュープレス3に加えて動圧スクリュープレス(図示せず)も使用できるが、動圧スクリュープレスについての詳細な説明は省略する。
縦型のアプセッタである静圧スクリュープレス3は、サーボモータで直接駆動するタイプの歯車式のもの(図示せず)を用いてもよく、また図14から図1に示すサーボモータ5を駆動源とする油圧モータ駆動の静圧スクリュープレス3を用いてもよい。
本実施例では、サーボモータ5を駆動源とし、油圧ポンプ6から供給される圧油により駆動される油圧モータ8駆動の歯車式の静圧スクリュープレス3を用いているので、これについて説明する。サーボモータ5の矢印A又はB方向の回転は、その回転軸5aに固着されたカップリング7により油圧ポンプ6の回転軸6aに伝達され、圧油は油圧配管9により油圧モータ8に供給されるようになっている。
なお、油圧モータ8は、これをサーボモータ5に置き換えて、サーボモータ5により直接ピニオン10を回転させ、該ピニオンを介して歯車11を回転させるようにしてもよい。この場合にはカップリング7、油圧ポンプ6、油圧配管9及び油圧モータ8等を省略することができ、図示の実施例よりも更に設備費を低減させることができる。
図14から図16において、油圧モータ8が矢印C又はDの如く回転すると、その回転軸8aに固着されたピニオン10が同方向に回転し、これに噛合したフライホイール11の外周の歯車11aを矢印E又はFの如く回転させ、このフライホイール11の回転が該フライホイールに固着されたリードスクリュー12に伝達され、該リードスクリュー12aがスライド13と一体のガイドスクリュー14に噛合しているため、フライホイール11が矢印Fの如く、上から見て時計方向に回転すると、スライド13は矢印Gの如くスライドガイドにより案内されて上昇し、フライホイール11が矢印Eの如く上から見て反時計方向に回転すると、矢印Hの如く下降する。
スライド13には、上型16が固着され、下型18はベース19に固着されているので、下型18に取り付けられた金属製軸用素材1は、スライド13の下降動作により上型16と下型18とに挟まれて鍛造加工されるようになっている。
また油圧モータ8が逆回転してフライホイール11が矢印Fの如く回転すると、スライド13を介して上型16が矢印Gの如く上昇して下型18から離脱し、鍛造加工が完了するようになっている。
金型17は、図9に示すように、使用するプレスが縦型の動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレス3であるため、金属製軸用素材1の軸直角方向には割る必要はなく、単に上型16と下型18に割ってあればよく、上型16はフランジ部4cの厚さの上半分の形状に合わせて形成された一体型であり、下型18も一体型でありフランジ部4cの厚さの下半分の形状に合わせて形成されている。そして両方が合わさることで鍛造加工がなされ、金属製軸用素材1にはフランジ部4cが形成されるようになっている。
本発明は、上記のように構成されており、以下のその作用について説明する。金属製軸用素材1は、まず要鍛造箇所2が部分的に高周波炉により鋼の変態点、即ち721℃以上に加熱され、赤熱状態となって、図示しない縦型の動圧スクリュープレスの上昇する下型に取り付けられ、上型との間で熱間鍛造加工がなされ、図1及び図5の単なる丸棒状態から図2及び図6に示すように要鍛造箇所2がやや膨らんだ団子形状の第1の予備的形状1aにプリフォームされる。
次いで、要鍛造箇所2を上記と同様に縦型の動圧スクリュープレスの次の下型に取り付けて2回目の熱間鍛造加工を行い、これによって図3及び図7に示すようなフランジ形に近い団子状の第2の予備的形状1bまでプリフォームされる。
なお、図示の実施例では、プリフォームは2工程として説明したが、これは3工程になることもある。
最後に、再び金属製軸用素材1の要鍛造箇所2を、同様に縦形の動圧スクリュープレス(図示せず)、又は図10及び図14に示すように、静圧スクリュープレス3の仕上げ用の下型18に取り付け、サーボモータ5及び油圧ポンプ6を介して油圧モータ8を回転させ、そのピニオン10で歯車11aを介してフライホイール11を矢印Eの如く回転させて上型16を矢印Hの如く下降させ、下型18との間でフランジ形状に近い要鍛造箇所2を熱間鍛造加工し、図11、図12及び図15に示す中間的な鍛造工程を経て、図13及び図16に示すような完成状態まで上型を下降させて、金属製軸用素材1には、完成品としてのフランジ部4cが形成され、油圧モータ8が矢印矢印Dの方向に逆回転することによりフライホイール11も矢印F方向に逆回転してスライド13及び上型16が矢印Gの如く上昇して、図4及び図8に示すような車輛用のアクスルシャフト4が完成する。
このように最後の仕上げ鍛造加工工程で、縦型の動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレス3を用いるが、とりわけ静圧スクリュープレス3においては、上型の下降速度は非常に滑らかであり、かつ油圧モータ8を使用しているため、速度制御がし易く、理想的な鍛造条件で加工を行うことができ、従来に比べて少ない鍛造加工工程で大きなフランジ部4cのある車輛用のアクスルシャフト4の鍛造加工を無理なく行うことが可能である。
また静圧スクリュープレス3によると、動圧スクリュープレスよりもフレームの強度が小さくて済み、この点でも静圧スクリュープレス3が有利である。ただしフレームの強度を増せば動圧スクリュープレスでもフランジ部4cの仕上げ成形に十分対応することができる。
1 金属製軸用素材
1a 第1の予備的形状
1b 第2の予備的形状
1c フランジ形状
2 要鍛造箇所
3 静圧スクリュープレス
4 フランジ付長軸部品の一例たる車輛用のアクスルシャフト
4a 軸部
4c フランジ部
5 サーボモータ
5a 回転軸
6 油圧ポンプ
6a 回転軸
7 カップリング
8 油圧モータ
8a 回転軸
9 油圧配管
10 ピニオン
11 フライホイール
11a 歯車
12 リードスクリュー
13 スライド
14 ガイドスクリュー
15 スライドガイド
16 上型
17 金型
18 下型
19 ベース
A 矢印
B 矢印
C 矢印
D 矢印
E 矢印
F 矢印
G 矢印
H 矢印

Claims (6)

  1. 金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより前記局部加熱された要鍛造箇所を前記金属製軸用素材の軸部を上下方向に挿通して保持する下型が一体型である金型を用いてフランジ形状に成形することを特徴とするフランジ付長軸部品の鍛造加工方法。
  2. 金属製軸用素材の要鍛造箇所を予め高周波炉で変態点以上に局部加熱しておき、縦型のアプセッタである動圧スクリュープレスにより前記局部加熱された要鍛造箇所を前記金属製軸用素材の軸部を上下方向に挿通して保持する下型が一体型である金型を用いて2乃至3工程の鍛造加工で完成前の予備的形状に成形し、しかる後に縦型のアプセッタである動圧スクリュープレス又は静圧スクリュープレスにより前記予備的形状に成形された要鍛造箇所を前記金属製軸用素材の軸部を上下方向に挿通して保持する下型が一体型である金型を用いてフランジ形状に成形することを特徴とするフランジ付長軸部品の鍛造加工方法。
  3. 前記静圧スクリュープレスにより前記予備的形状に成形された要鍛造箇所を前記フランジ形状に成形することを特徴とする請求項2記載のフランジ付長軸部品の鍛造加工方法。
  4. 前記動圧スクリュープレス及び静圧スクリュープレスは、サーボモータ駆動のものであることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載のフランジ付長軸部品の鍛造加工方法。
  5. 前記静圧スクリュープレスは、サーボモータを駆動源とする油圧モータ駆動の歯車式静圧スクリュープレスであることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフランジ付長軸部品の鍛造加工方法。
  6. 前記フランジ付長軸部品は、車輛用のアクスルシャフトであることを特徴とする請求項1から請求項のいずれか1項に記載のフランジ付長軸部品の鍛造加工方法。
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