本発明の実施形態を、図面を参照して説明する。図面において、同様の構成要素には同じ参照番号が付されている。
図1は、本発明の原理による、それぞれネットワーク50に接続された情報処理装置としての、サーバ10、共に同様の構成を有する情報処理端末20、・・・25、および携帯端末30で構成されたシステムの概略的な構成を示している。情報処理端末20は、例えば、社内、インターネットカフェおよびパブリックスペースに置かれたデスクトップ型パーソナル・コンピュータまたはノートブック型パーソナル・コンピュータであっても、ATM(現金自動預け入れ払い機)、CD(現金自動払い機)であってもよい。携帯端末30は、使用者によって携帯され、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistant)または通信機能付きのRF IDリーダであっても、RF IDタグであっても、RF IDタグを含む装置であっても、バーコード・リーダあってもよい。ネットワーク50は、例えばインターネットである。
サーバ10は、内部バス15を介して接続された、情報処理部101、情報処理端末20〜25から受け取ったアプリケーション状態情報を保存するアプリケーション状態情報保存部102、認証情報確認部104、利用者誘導部106、利用端末決定部108、利用者位置決定部110、無線送受信部112、およびネットワーク・インタフェース(NW I/F)150を具えている。サーバ10は、利用者管理データ・テーブルを格納している。この場合、利用者管理データ・テーブルは、情報処理端末の識別情報およびアドレスを含み、さらに、利用者のログイン名、利用者識別子、および各利用者についての情報処理端末の優先順位、等を含んでいる。サーバ10は、信頼性の高い厳重に管理されたサーバであり、現在の利用者の位置を特定する情報や、復元先の情報処理端末にインストールされているアプリケーションが、利用者が事前に保存しているアプリケーション状態情報を復元するためのアプリケーションとどの程度まで一致しているかに応じて利用者が使用すべき最寄りの(最も近い)情報処理端末上に利用者のアプリケーションの状態を復元し、利用者が使用した後のアプリケーションの状態情報を保存する機能を持つ。
情報処理端末20は、内部バス17を介して接続された、情報処理部201、複数のアプリケーション210、サーバ10から受け取ったアプリケーション状態情報に従ってアプリケーションの状態を復元し終了時のアプリケーション状態情報をサーバ10に保存するアプリケーション状態復元/保存部212、情報処理端末20に残されたアプリケーションの状態情報を削除するアプリケーション状態情報削除部214、認証情報処理部216、携帯端末30と交信可能な無線送受信部218、端末ロック部220、およびネットワーク・インタフェース(NW I/F)250、および図示されていない例えばキーボード、マウス、ディスプレイ、スピーカ等の入力装置および情報提示装置を具えている。無線送受信部218は、例えば、携帯端末30の携帯電話機用の送受信機または無線LAN送受信機であっても、携帯端末30に含まれるRF IDタグ・リーダ/ライタによって読み取られるRF IDタグであっても、携帯端末30に含まれるRF IDタグを読み取るRF IDタグ・リーダ/ライタであってもよい。
携帯端末30は、内部バス35を介して接続された、情報処理部301、表示部304、入力部306、情報処理端末20と交信可能な無線送受信部308、位置情報取得手段としての位置情報取得部310、認証情報処理部312、およびネットワーク・インタフェース(NW I/F)350を具えている。
サーバ10、情報処理端末20〜25および携帯端末30は、それぞれの無線送受信部112、218および312を介して無線で接続されるようにしてもよい。
図2は、本発明の原理による、それぞれネットワーク50に接続された情報処理装置としての、サーバ11、複数の情報処理端末20、・・・25、および携帯端末31で構成された別のシステムの概略的な構成を示している。
図2のシステムでは、サーバ11は図1のアプリケーション状態情報保存部102を具えておらず、その代わりに、携帯端末31が情報処理端末20〜25から受け取ったアプリケーション状態情報を保存するアプリケーション状態情報保存部302を具えている。この場合、情報処理端末20のアプリケーション状態復元/保存部212は、携帯端末31から受け取ったアプリケーション状態情報に従ってアプリケーションの状態を復元し終了時のアプリケーション状態情報を携帯端末31に保存する。
サーバ10および11は、さらに図示されていないメモリおよびプロセッサを含んでいる。そのメモリは図1および2のサーバ10または11の構成要素101〜112の諸機能に対応するプログラムを格納し、そのプロセッサは、そのプログラムに従って動作してもよい。情報処理端末20は、さらに図示されていないメモリおよびプロセッサを含んでいる。そのメモリは図1および2の情報処理端末20の構成要素211〜220の諸機能に対応するプログラムを格納し、そのプロセッサは、そのプログラムに従って動作してもよい。携帯端末30および31は、さらに図示されていないメモリおよびプロセッサを含んでいる。そのメモリは図1および2の携帯端末30または31の構成要素301〜312の諸機能に対応するプログラムを格納し、そのプロセッサは、そのプログラムに従って動作してもよい。
図4は、図1の本発明の原理に基づいた実施形態による、それぞれネットワーク50に接続された情報処理装置としての、サーバ12、共に同様の構成を有する複数の情報処理端末21、・・・25、携帯端末32および無線LANアクセスポイント(基地局AP)354で構成されたシステムの概略的な構成を示している。RF IDタグ52、54、...および56が、使用者が通過し得る様々な場所に配置され、RF IDタグ238が情報処理端末21〜25に組み込まれており、利用者の携帯端末30に搭載されたRF IDリーダ328によって読み取られる。無線LANアクセスポイント354は無線LAN周波数帯域の電波51を介して携帯端末32と通信する。
サーバ12は、図1のサーバ10の実施形態であり、内部バス15を介して接続された、アプリケーション状態情報データベースを含むアプリケーション状態情報保存部102、認証情報確認部としての指紋情報確認部134、利用者誘導部としてのナビゲーション・システム136、利用情報処理端末決定部108、利用者位置決定部110、およびネットワーク・インタフェースとしてのLANカード152を具えている。
情報処理端末21〜25の各々は、図1の情報処理端末20〜25の実施形態であり、様々なアプリケーション・ソフトウェアおよびユティリティ・アプリケーション等の複数のアプリケーション210を具え、さらに内部バス17を介して接続された、アプリケーション状態復元/保存部212、アプリケーション状態情報削除部214、認証情報処理部216、無線送受信部としてのRF ID238、端末ロック部220、およびネットワーク・インタフェースとしてのLANカード252を具えている。RF ID238は、携帯端末30のRF IDリーダ328によって読み取られる。
携帯端末32は、図1の携帯端末30の実施形態であり、内部バス35を介して接続された、表示部としてのディスプレイ324、入力部としてのキーボード326、無線送受信部としてのRF IDリーダ328、認証情報処理部312、およびネットワーク・インタフェースとしての無線LANカード352を具えている。RF IDリーダ328は、使用者が携帯する携帯端末32の現在の位置を検出するために用いられ、街頭の外壁、ビルの入り口、店舗入り口、交通機関ゲート等、様々な場所に配置されたRF ID52〜56および情報処理端末20〜25のRF ID238を読み取るためのものである。携帯端末32は、その携帯端末を所持した利用者がそのようなRF ID52〜56および238付近を無意識にまたは意図的に通過したり、そのようなRF ID52〜56および238に携帯端末32を近づけることにより、携帯端末32のRF IDリーダ328を通じて、そのRF ID52〜56および238に書き込まれている場所を表す環境情報(例えば、住所データ、住所を表す符号化データ、ID、情報処理端末ID、通信相手の登録番号、通信相手からの電波の強度、通信相手の通信方位)を取得する。
利用者が携帯端末32におけるキーボード324を用いて、例えば会社や学校のような移動先の適当な情報処理端末の利用希望を表すメッセージをサーバ12へ送信する操作を予め行い、それによって、上述のように携帯端末32が取得した環境情報がサーバ12に送信されるようになる。携帯端末32は、環境情報を取得する度にそれをサーバ12へ送信してもよいし、読み取った環境情報に応じて情報処理部301によって判定した後でサーバ12へ送信してもよい。それに使用される通信媒体は、例えば、赤外線通信、無線通信、有線通信、等である。
上述の携帯端末30〜32の位置情報を取得する別の方法として、携帯端末30〜32を一意的に識別する識別情報(タグID)を含むRF IDタグを携帯端末30〜32に組み込んでおいて、上述のような様々な場所に配置されたRF IDタグ・リーダ装置にその携帯端末30〜32のRF IDタグを読み取らせ、そのリーダ装置がネットワーク50を介してその携帯端末30〜32の識別情報をサーバ10〜12へ通知し、サーバ10〜12が、その携帯端末30〜32の識別情報とそれを読み取ったリーダ装置の位置情報または識別情報とから携帯端末30〜32の位置を特定するようにしてもよい。この場合には、利用者が情報処理端末20または21を利用したい場合には、携帯端末30〜32のキーボード326により、サーバ10〜12へ情報処理端末20または21の利用依頼を送信し、利用者の位置はサーバ10〜12で処理することとなる。
代替構成として、その他、移動電話網やPHSのような通信網の基地局から電波を送信し、携帯端末30〜32によって受信したその電波の強度、受信電波の方位、等に関する情報を基地局情報(基地局の位置等)とともにサーバ10〜12に通知することによって、携帯端末30〜32の位置情報を取得してもよい。
別の代替構成として、携帯端末30〜32に移動電話機能、またはPHS機能を搭載し、基地局と携帯端末30〜32との間で行われるセンシングと基地局の位置情報から携帯端末30の位置情報を取得してもよい。
代替構成として、携帯端末30〜32にGPS装置を組み込んで、携帯端末30〜32が自己の位置情報を取得してサーバ10〜12へ通知してもよい。
図5は、アプリケーションの状態情報保持部102におけるアプリケーションの状態情報のデータベースのデータ構造の例を示している。アプリケーション状態情報(コンテキスト)は、個人を示す利用者IDまたは識別情報または識別子、各アプリケーションの状態情報名、保存日、保持フラグ(アプリケーションをサーバ側で保持しているか否かを確認するフラグ。その利用者が編集中のアプリケーションが存在する場合、別の情報処理端末上でそのアプリケーションを復元すると、編集中の内容は反映されないので、それを防止する働きをする。)、アプリケーション・カテゴリ(例えば、メディア/音声、テキスト、HTML、Calc(計算)、CAD)、アプリケーション名(インストールパスも含む場合がある)、情報処理端末におけるアプリケーションに関する各項目に関する状態情報を含んでいる。アプリケーション・カテゴリは代替可能なアプリケーションの検索に使用し、例えば「Word」というアプリケーションで作成されたテキストを別の情報処理端末上で復元する際、その情報処理端末に「Word」が存在しなければ、同じカテゴリに属する「メモ帳」というアプリケーションを使用して復元する。同じ利用者に対して、複数の作業名を設定することもできる。図5での利用者は、「自宅」と「会社」の2つの状態情報をサーバ10〜12に保存している。アプリケーション状態情報の保存には、アプリケーション毎にその状態情報を記述したテキストファイル、1つのアプリケーションとその状態をカンマ区切りで記述したCSVファイル、XMLファイルおよびデータベースなどが用いられる。
図6は、携帯端末30〜32、サーバ10〜12、情報処理端末20および21との間の通信で使用されるデータ・パケットのフォーマットの例を示している。データ・パケットは、シーケンス番号(SQN)、ID、データ番号(DataNum)、データおよびCRCの各フィールドを含んでいる。各データ・フィールドは、フラグ、サイズ、データを含んでいる。
図7Aおよび7Bは、図4のシステムにおける利用者によって使用された或る情報処理端末のアプリケーション状態を別の情報処理端末21において復元するためのシーケンスを示している。
図4と図7Aおよび7Bを参照すると、手順702において、利用者は携帯端末32に情報処理端末を利用するための手続を実行するよう指示する。携帯端末32のRF IDリーダ328は、手順704において、利用者の移動に伴って所定の場所に配置されたRF IDタグ52〜56、238等から現在の位置情報を環境情報として取得する。携帯端末32は、手順706においてサーバ10に利用者の識別子と携帯端末32の現在の環境情報を送信し、サーバ10はその受信確認を携帯端末32に通知し、サーバ12の利用者位置決定部110は手順740においてその利用者の識別子と環境情報に基づいて利用者の地理的、地域的および空間的な現在の位置を決定する。その際、利用者位置決定部110は、環境情報と地理的、地域的および空間的な位置との間の対応関係を表すデータを格納した利用者位置決定部110のデータベースDBにアクセスして、環境情報を位置情報に変換する。ここで環境情報とは、住所を現す符号化データ、ID、情報処理端末ID、通信相手の登録番号、相手からの電波強度などを有する。一方、位置情報は、端末ID、緯度と経度、住所と建物名と階層など、位置を特定できる必要十分な情報を有する。
手順742において、利用者位置決定部110は、携帯端末32の現在の位置を決定し、手順742において、その位置情報に基づいて利用端末決定部108を用いて利用者が利用可能な情報処理端末21〜25を選択または決定する。その際、利用端末決定部108は、利用者の位置情報に基づいて、上述のデータベースDBを検索することによって、例えば現在の位置に最も近い情報処理端末、即ち、携帯端末からの電波を最も強く受信している情報処理端末および/または利用者の利用アプリケーションに最も適した(コンパチブルな)利用可能な情報処理端末21〜25を決定する。データベースDBには、情報処理端末21〜25にインストール済みのアプリケーション210の識別情報(アプリケーション名)が付加されていてもよい。それによって、復元すべきアプリケーション状態に対応するアプリケーションの種類および数に最も適合する情報処理端末を選択することができる。利用端末決定部108は、アプリケーション状態情報保存部102における利用者のアプリケーションの状態情報(図5)を参照して、利用者が利用するのにより適したまたは最適な情報処理端末を選んでもよい。ここで、最適なアプリケーションとは、利用者が使用したものと同じアプリケーションであるか、またはそれがない場合には代替可能なより近いアプリケーションをいう。手順746において、利用端末決定部108は、予め複数の情報処理端末を選択し、利用者はその中の幾つかを選択できるようにしてもよい。その際、利用端末決定部108は、利用者のアプリケーション状態情報に基づいて、かつ利用者誘導部106(例えばその端末の位置情報等)を用いて、利用者が複数の情報処理端末に到着した時点でできるだけ直ぐに(最短時間で)利用可能であるようにかつアプリケーションの状態を最も(より)最適に復元できるようなその中の1つまたは幾つかの情報処理端末を決定してもよい。この場合、手順744において、利用端末決定部108は、利用可能な複数の情報処理端末に関する情報と、その中のどれを利用するかを決定するよう依頼するメッセージを携帯端末32に送信する。手順710において、携帯端末32は、その複数の情報処理端末とそのメッセージをディスプレイ324に表示する。手順712において、利用者は表示された1つ以上の情報処理端末の中から1つ以上の端末を選択する。手順714において、携帯端末32は、利用者識別子と、利用者が選択し決定した情報処理端末の選択情報とをサーバ12に送信する。
利用者が複数の情報処理端末21〜25のいずれか1つを選択した場合は、サーバ12は、選択した情報処理端末の位置情報を携帯端末32へ送信する。携帯端末32は、取得した情報処理端末の位置情報をそのディスプレイ324に表示する。この複数の情報処理端末21〜25を選択するイベントを利用者へ通知する方法として、サーバ12から通知が来た時点でディスプレイ324上にポップアップを行って通知したり、ディスプレイ324の画面全体をフラッシュしたりしてもよい。また、携帯端末32が音声出力装置を有する場合には、音響または音声で通知してもよい。利用者はキーボード326を用いて利用する情報処理端末21を選択する。ここで携帯端末32の入力装置として、キーボード326の代わりに、マウス、スイッチ、ボタンおよびテンキーなどを用いてもよい。携帯端末32は、この選択された情報処理端末21〜25の位置情報をサーバ12へ送り返す。
利用する情報処理端末21が一意的に決定されると、手順750において、サーバ12は、その利用者個人のアプリケーション状態情報保存部102のデータベースDBを参照し、その利用者用に複数の状態情報が格納されていないかをチェックする。
手順750において、サーバ12のアプリケーション状態保持部102は、利用者の利用アプリケーションに関する情報を取得する。アプリケーション状態保持部102は、手順754において、利用者に対して複数のアプリケーション状態情報が存在するかどうかをチェックする。複数のアプリケーション状態情報が存在する場合には、サーバ12は、その状態情報名とアプリケーションをリスト化し、手順752において通信手段を介してそのリストを復元アプリケーション情報として携帯端末32に送信する。携帯端末32は、手順714において、そのアプリケーション情報中のアプリケーションのリストを取得し、次にディスプレイ324にそのリストを表示し、どのアプリケーションのどの状態情報を復元するのかを利用者に問い合わせる。当該利用者のアプリケーション状態情報が存在しない場合は、最寄りの情報処理端末を決定し、当該情報処理端末のアプリケーション状態は復元出来ないためそのまま使用し、利用者がアプリケーションを使用した後に、当該利用者のアプリケーション状態情報を生成して、自動的にアプリケーション状態保持部102に追加する。
利用者は、手順720において携帯端末32のキーボード326を用いて、必要な1つのアプリケーション状態情報のリストを選択して、手順722において通信手段を介して携帯端末32からサーバ12へその状態情報のリストを復元アプリケーション情報として通知する。このアプリケーション情報は、サーバ12が、情報処理端末21を選択した時点、または利用可能な複数の情報処理端末21〜25を選択した時点で、チェックおよび作成を行い、その情報処理端末の情報とともに携帯端末32へ送信してもよい。
代替構成として、図2の場合、利用者は、手順720において携帯端末32のキーボード326を用いて、アプリケーション状態保存部302に保存されている1つのアプリケーション状態情報を選択して、手順722において通信手段を介して携帯端末32からサーバ12へその状態情報を送信してもよい。
図7Bの手順758において、サーバ12は、アプリケーション状態保存部102または302から取得した利用者個人のアプリケーション状態情報を、復元するアプリケーション状態情報として利用者識別情報とともに、その選択された情報処理端末21〜25へネットワーク50を介して送信する。この場合、通信媒体として、有線通信、赤外線通信、無線通信(Bluetooth、無線LAN、UWBなど)、などが用いられる。
一方、サーバ12のナビゲーション・システム136は、手順760において、利用情報処理端末21までの案内または道順を示すナビゲーション情報を作成し、手順762においてそれを情報処理端末への案内情報として携帯端末32へ送信する。ここでいうナビゲーション・システム136は、例えば、カーナビゲーション・システムや携帯電話における誘導システムであり、現在地から目的地までの地図データと、最短で移動するための移動データ情報を提供する。手順724において、携帯端末32は受信したナビゲーション情報をディスプレイ324に表示し、利用者に利用情報処理端末21〜25までの道順を通知する。利用者はこの情報によって迷うことなく利用可能な情報処理端末21〜25まで移動することができる。
情報処理端末21がアプリケーション状態情報を受信すると、手順782において、情報処理端末21の端末ロック部220は、情報処理端末21をロックする。端末ロック部220は、サーバ12から受け取ってアプリケーション状態情報を受け取って使用するアプリケーションの状態が復元されるまでは、アプリケーション状態情報を利用者に対して不動作(操作不可能)状態に維持しており、アプリケーション状態情報を受け取って使用するアプリケーションが復元された後で認証情報入力画面を表示して認証情報の入力を可能にする。この場合、その情報処理端末21に利用者情報がなかった場合には、利用者情報を新規に作成する。
手順784において、アプリケーション状態復元/保存部212はサーバ12から取得したアプリケーション状態情報に基づいてアプリケーションの状態を復元する。そのために、アプリケーション状態復元/保存部212は、まず、最適なアプリケーションを決定するために、復元可能なアプリケーションのチェックを行う。具体的には、アプリケーション状態情報データベースDBに記述されているアプリケーションが復元先の情報処理端末(210:アプリケーション1,2...X)上にインストールされているか否かのチェックを行う。手順786において該当するアプリケーションがインストールされていないと判定された場合は、手順788においてアプリケーション状態復元/保存部212が代替可能なアプリケーションを決定する。そのために、アプリケーション状態復元/保存部212は、そのアプリケーションのカテゴリ情報に基づいて、代替可能なアプリケーションを検索し、代替可能なアプリケーションを用いてアプリケーション状態の復元作業を行う。例えば、マイクロソフト社のOSウィンドウズ(登録商標)では拡張子に対応したアプリケーションが規定されているので、その情報に基づいて代替可能なアプリケーションを検索すればよい。ファイル・フォーマットへの対応は、利用するアプリケーションによって対応する。例えば、マイクロソフト社のワープロソフトであるワード2000で作成されたデータ・ファイルをワード2003で開く場合には、ワード2003に備えられたバージョン吸収機能を用いてそれを実行する。
復元不可能なアプリケーションについては、アプリケーション状態復元/保存部212は、情報処理端末21上で復元できなかったアプリケーションを記憶しておき、利用者が情報処理端末21の利用を開始した直後に、次回の情報処理端末の利用の際にそれを復元するか復元しないかを問い合わせ、利用者が継続して復元を行うことを決定した場合には、後でアプリケーション状態情報を保存する時にそれを一緒に過去のアプリケーション状態情報として保存処理を行う。「Word」で作成したデータを「メモ帳」で復元、編集する操作を例に挙げると、「メモ帳」でデータを開いた直後に「このデータはWordで作成されたデータです。以前の書式を保存しますか?(YES/NO)」というポップアップが出る。ここでYESを選択すると、後でアプリケーション状態情報を保存する時に、データを「Word」として保存する。逆に、NOを選択した場合、データを「メモ帳」として保存するため、書式などのデータは失われる。
情報処理端末21の端末ロック部220は、取得した利用者情報に基づいて情報処理端末21へのログイン処理を実行する。そのログイン処理の終了後に、手順790において端末ロック部220がスクリーンロックの認証画面を表示し、正規の利用者以外の者が復元中に情報を盗み見たり、復元後に不正利用したりすることを防止する。
手順792において、端末ロック部220は、利用者が情報処理端末21へ到着した時点で、認証情報処理部216によって利用者個人を認証して、認証に成功した場合は、手順794において端末ロック部220のロックを解除してその利用が可能な状態となる。その個人認証の方式として、利用者識別子とパスワードを入力するパスワード方式、指紋認証、てのひら静脈認証などのバイオメトリックスによる認証方式、RF IDタグ、ICカードやスマートカードによる認証方式が用いられる。情報処理端末21において個人認証をするだけではなく、携帯端末32でも、接触型または非接触型のICカードリーダを用いた利用者認証機能、あるいは、指紋センサおよび指紋認証機能などのバイオメトリックス認証機能、あるいはそれらの組み合わせの機能を設け、携帯端末32上で取得した情報をサーバ12に暗号通信路を経由して通知し、サーバ12で認証を行ってもよい。その結果、手順796において、サーバ12から情報処理端末21のロックを解除するようにしてもよい。
このようにして、利用者は、移動先の最も近い情報処理端末に効率よく到達してそれを即座に使用できるようになる。また、前回のアプリケーションの使用状態を復元することによってアプリケーションを用いた仕事の作業効率が向上する。また、携帯端末32にアプリケーション状態情報を保存すれば、情報処理端末とサーバを管理する会社が複数あっても、それに関係なく、利用者個人のアプリケーション状態情報を異なる会社の情報処理端末でも利用できる。
図8は、図4のシステムにおけるアプリケーション状態に関する情報を保存するためのシーケンスを示している。
利用者が情報処理端末21上での作業を終了させた後、手順802において利用者が情報処理端末21上のアプリケーション状態情報をサーバ12に保存する操作を行うと、手順804において、アプリケーション状態情報復元/保存部212は、終了処理としてその保存処理を行い、手順806において情報処理端末21上で動作しているアプリケーションのリストとその状態情報(利用者ID、セッション名、アプリケーション種別、利用URL、どのファイルを使用しているか、画面位置、画面サイズ、日本語入力システムの状態(オン/オフ)、音楽メディアの再生済み時間、カーソルの位置など)を取得し、手順808においてそのリストとその状態情報を利用者識別子とともにサーバ12に送信する。代替構成として、アプリケーション状態情報復元/保存部212は、そのリストとその状態情報を携帯端末32のアプリケーション状態情報保存部302にネットワーク50を介して送信してもよい。
また、代替構成として、利用者が情報処理端末21での操作を一定時間行わなかった場合や、携帯端末32の位置情報から情報処理端末21から或る一定の距離を超えて離れた場合には(例えば、RF IDタグがタグ・リーダによって読みとれなくなった場合)、自動的に手順802の利用終了指示が実行されるようにしてもよい。
手順822において、サーバ12のアプリケーション状態情報保存部102は、その状態情報を利用者識別子に対応付けてそのデータベースDBに保存する。アプリケーション状態情報保存部102は、手順824において前のアプリケーション状態情報と新しいアプリケーション状態情報をマージ処理し、手順826においてそのマージ処理の結果を保存し、手順828において処理を終了する。
代替構成として、手順822において、図2の、サーバ12の情報処理部101は、その状態情報を携帯端末31に送信してそのアプリケーション状態情報保存部302に保存してもよい。この場合、手順824〜828は携帯端末32のアプリケーション状態情報保存部302によって実行される。
代替構成として、図8のサーバ12の処理を携帯端末31で行ってもよい。この場合、手順808において図2の情報処理端末20は、その状態情報を無線送受信部218で携帯端末31の無線送受信部308を利用したり、または、ネットワーク・インタフェース250と350を介して携帯端末31のアプリケーション状態情報保存部302に保存してもよい。この場合、手順824〜828は携帯端末31のアプリケーション状態情報保存部302によって実行される。
手順809において、利用者が情報処理端末21上での利用を終了したとき、アプリケーション状態復元/保存部212が情報処理端末21の終了を検知し、手順810においてアプリケーションの終了処理を行う。その際、アプリケーション状態復元/保存部212は、情報処理端末21の環境を復元した後で1度でも動作中のアプリケーション状態情報を取得してサーバ12へ保存する処理を行ったかどうかをアプリケーション状態情報データベースDBの保持フラグの状態、または保存日時と端末起動日時との比較などによってチェックする。保存処理を行っていない場合には、情報処理端末21の終了処理を中断し、利用者にアプリケーション状態情報を保存するかどうか問い合わせる。その問い合わせの方法として、情報処理端末21上でダイアログを表示したり、音響や音声によって通知を行ったり、携帯端末32を経由して通知すればよい。
代替構成として、利用者が事前に手順809の通知を抑制できるようにしてもよい。また、上述のように手順802の利用終了指示が情報処理端末21で自動的に実行された場合にも手順809の通知を抑制するようにしてもよい。
その保存処理の確認の後、アプリケーションの状態保存部212は、手順812において情報処理端末21における利用者の個人のアプリケーション状態情報を全て消去し、利用者の個人情報に関する全ての情報を情報処理端末21上から消去し、手順814において情報処理端末21の終了を行う。また、図7Bの手順784における復元処理に先立って、アプリケーション状態削除部214が、これから使用する使用前の情報処理端末のアプリケーション環境を退避(セーブ)しておき、使用後の利用者のアプリケーションの状態情報の保存処理後に、退避していたアプリケーション環境を復元することによって、使用前のアプリケーション環境に戻すようにしてもよい。
以上の実施形態では、アプリケーション状態情報をサーバ12のアプリケーション状態復元/保存部102のデータベースDBに保存したが、図2に示されているように、携帯端末31のアプリケーションの状態復元/保存部302のデータベースDBに保存してもよい。アプリケーション状態保存部302は、アプリケーション状態保存部102と同様に、無線送受信部308またはネットワーク50を介して情報処理端末20と通信してアプリケーション状態保存部212で取得したアプリケーション状態情報を受信して保存する。また、アプリケーション状態保存部302は、利用する情報処理端末20の要求に応じて、または利用者が携帯端末31を操作することによって、アプリケーションの状態の復元のためにそのデータベースに保存されていたアプリケーション状態情報を無線送受信部308またはネットワーク50を介して送信してもよい。
図9Aおよび9Bは、携帯端末32による基本的処理のフローを示している。
図7Aの手順704の現在の位置情報を取得する処理が開始すると、図9のステップ902〜904において、携帯端末32の情報処理部301は、利用者による端末利用指示の入力の有無を監視する。端末利用指示の入力があると、ステップ906〜908においてRF IDリーダ328はRF IDタグ52〜56から位置情報を携帯端末32の現在の位置情報として取得するよう処理を行う。位置情報が取得できたときは、ステップ910〜912において情報処理部301はその位置情報を端末IDおよび利用者識別子とともに無線LAN部352を介してサーバ12に送信する。情報処理部301は、ステップ914においてサーバ12からの受信確認の通知およびその他の通知の受信を監視し、ステップ916において受信確認の通知等を受け取らなかった場合はステップ918〜920において送信から所定のX秒が経過したかどうかタイムアウトをチェックする。X秒経過していないとき、手順はステップ916に戻る。X秒が経過したときは、手順はステップ902に戻る。
ステップ916において受信確認の通知およびその他の通知を受信したときは、図9Bのステップ932において、情報処理部301は受信した通知の判別処理を開始し、ステップ934においてその通知種別フラグを判別する。その通知フラグが端末選択フラグであった場合は、ステップ936において情報処理部301は情報処理端末選択画面をディスプレイ324に表示する。情報処理部301はステップ938において利用者の選択を待って、ステップ940においてサーバ12から受信した選択された情報処理端末21の位置情報を保存する。情報処理部301はステップ960においてその選択情報を一時保存する。ステップ962において情報処理部301は通知フラグが他にあるかどうかを判定する。他のフラグがある場合は、手順はステップ934に戻る。ない場合は、手順はステップ964に進む。
ステップ934において、その通知フラグがアプリケーション選択フラグであった場合は、ステップ944において情報処理部301はアプリケーション選択画面をディスプレイ324に表示する。情報処理部301はステップ946において利用者の選択を待って、ステップ960において情報処理部301はその選択情報を一時保存する。ステップ962において情報処理部301は通知フラグが他にあるかどうかを判定する。
ステップ934においてその通知フラグが情報処理端末誘導フラグであった場合は、情報処理部301は、ステップ956においてサーバ12から受信した端末誘導情報をディスプレイ324に表示し、ステップ958において誘導情報受信完了フラグを立てる。次いで、手順はステップ962に進む。
ステップ962において他のフラグがない場合は、情報処理部301はステップ964〜966において誘導情報完了フラグをチェックする。誘導情報受信完了フラグがない場合は、手順は図9Aの巣916に戻る。誘導情報受信完了フラグがあった場合は、ステップ968において、情報処理部301は、RF IDリーダ328が取得した現在の位置情報を取り出し、ステップ970において携帯端末32の現在の位置と情報処理装置21の位置とが一致するかどうかを判定する。一致しない場合は、情報処理部301は、現在の位置に応じて現在位置から情報処理端末21の位置までの誘導画面を更新する。
ステップ970において携帯端末32の現在の位置と情報処理装置21の位置とが一致した場合は、ステップ974において誘導終了画面を表示して手順はステップ902に戻る。ここでは、ナビゲーションすることにより誘導したが、単純に、場所情報を通知するだけでもよい。
図10Aおよび10Bは、サーバ12における処理フローを示している。
サーバ12の情報処理部101は、ステップ1002においてシステムの初期化処理を行い、ステップ1004〜1006において受信の有無を監視する。ステップ1006において受信が有った場合は、情報処理部101は、ステップ1008において受信種別と利用者識別を確認し、ステップ1010において通知フラグの種別を判定する。
ステップ1010において、通知フラグとして端末利用要求フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101はステップ1012において利用者端末決定部108に利用者識別子および利用者位置に基づいて情報処理端末決定処理を行わせる。ステップ1014において、情報処理部101は、選択された適当な情報処理端末の数が複数かどうかを判定する。それが複数であると判定された場合は、ステップ1016において、情報処理部101は、携帯端末32に情報処理端末決定依頼を含むメッセージを送信する。その後、手順はステップ1006に戻る。
ステップ1010において、通知フラグとして端末選択結果通知フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101は、ステップ1022において利用者識別子および決定端末情報を保存する。情報処理部101は、ステップ1024において利用者誘導情報(次に利用する情報処理端末のIDおよび位置情報、現在の情報処理端末との位置関係およびそれらを図示した地図など)を作成し、ステップ1026において携帯端末32に誘導情報を送信するための処理を行う。ステップ1012において、情報処理部101は、利用者のアプリケーション状態情報に基づいて、かつ利用者誘導部110(例えばその情報処理端末の位置情報等)を用いて、利用者が複数の情報処理端末に到着した時点でできるだけ直ぐに(短時間で)利用可能であるようにかつアプリケーションの状態を最も(より)最適に復元できるようにその中の1つまたは幾つかの情報処理端末を決定してもよい。そのために、複数の情報処理端末の中から、例えば、距離および移動方法を考慮して利用者の現在の位置から最も短時間で行ける位置にある幾つかの情報処理端末の中で、利用者のアプリケーションの状態情報を復元するのに最も適した最も近いアプリケーションがインストールされた1つの情報処理端末が、選択される。その後、手順はステップ1006に戻る。
図10Bのステップ1010(図10Aの1010と同じ)において、通知フラグとして誘導情報受信完了フラグが存在すると判定され、または通知フラグとしてアプリケーション選択結果通知フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101は、ステップ1032〜1034において利用者識別子およびアプリケーションの状態情報を確認し、複数のアプリケーション状態情報が保存されている場合は、ステップ1036において携帯端末32にアプリケーション状態情報を選択するよう依頼する処理を行う。その後、手順は図10Aの素1006へ戻る。
ステップ1034においてアプリケーションが1つしか保存されていないと判定された場合は、情報処理部301は、ステップ1038において復元アプリケーション情報(復元したアプリケーション識別)を利用者識別子に対応付けて保存し、ステップ1040において情報処理端末21へアプリケーション状態情報を送信する。その後、手順はステップ1006に戻る。
ステップ1010において、通知フラグとして保存依頼フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101は、ステップ1042においてアプリケーション状態情報を利用者識別子に対応付けて保存する処理を行い、それと並行してステップ1038〜1040を実行する。その後、手順はステップ1006に戻る。
図11Aおよび11Bは、情報処理端末21のアプリケーションの状態を復元するための処理フローを示している。
情報処理端末21の情報処理部201は、ステップ1102においてシステムの初期化処理を行い、ステップ1104〜1106においてサーバ12からの受信の有無を監視する。ステップ1106において受信が有った場合は、端末ロック部220は、ステップ1108において受信した利用者識別子(ID)に基づいてログイン処理を行い、ステップ1110において情報処理端末21をロックする。ステップ1112において、アプリケーション状態復元/保存部212は、サーバ12から受信したアプリケーション状態情報をアプリケーション毎に分離し、ステップ1114においてそれらのアプリケーションに該当するアプリケーションが情報処理端末21のアプリケーション210の中に存在するかどうかを判定する。
該当するアプリケーションが存在する場合は、ステップ1115において、アプリケーション削除部214は、アプリケーションの状態を復元する前に情報処理端末21における現在のアプリケーションの状態情報を退避しそのアプリケーション状態情報を保存する。次いで、ステップ1116において、アプリケーション状態復元/保存部212は、その該当するアプリケーションを起動し、ステップ1118において該当するアプリケーションを起動する。次いでステップ1120において、アプリケーション状態復元/保存部212は、未だ復元していないアプリケーションがあるかどうかを判定する。復元していないアプリケーションがある場合は、手順はステップ1114に戻る。復元していないアプリケーションがない場合は、手順は図11Bのステップ1132へ進む。
ステップ1114において、該当するアプリケーションがないと判定された場合は、ステップ1122において、アプリケーション状態復元/保存部212は、アプリケーション210の中から代替可能なアプリケーションを検索する。代替可能なアプリケーションが存在する場合は、手順はステップ1115に進む。代替可能なアプリケーションが存在しない場合は、ステップ1126において、アプリケーション状態復元/保存部212は、存在しないアプリケーションに関する情報をそのまま保持する。その後、手順はステップ1120へ進む。
図11Bのステップ1132〜1134において、情報処理部201は、利用者の到着を待って例えば指紋センサのような認証情報処理部216を起動して認証処理を起動し、利用者が正しいかどうかを判定する。利用者が正しいと判定された場合は、ステップ1136において、端末ロック部220は、情報処理端末21の画面(スクリーン)のロックを解除する。アプリケーション状態復元/保存部212は、ステップ1138において、復元が不可能なアプリケーション状態情報をチェックし、ステップ1140において復元が不可能なアプリケーションがあるかどうかを判定する。復元が不可能なアプリケーションがない場合は、図11Aおよび11Bのルーチンを出る。
復元が不可能なアプリケーションがある場合は、ステップ1142において、アプリケーション状態復元/保存部212は、情報処理端末21上で、復元済みのアプリケーションと復元不可能なアプリケーションとを利用者に通知する。ステップ1144において、アプリケーション状態復元/保存部212は、復元不可能なアプリケーションの復元を今後も行うかどうかを使用者に質問する。使用者の回答が復元しないというものである場合は、手順はそのまま図11Aおよび11Bのルーチンを出る。使用者の回答が復元するというものである場合は、ステップ1146において、アプリケーション状態復元/保存部212は、復元不可能なアプリケーションの復元を今後も行うことを表す継続復元情報を保存し、図11Aおよび11Bのルーチンを出る。
図12Aおよび12Bは、情報処理端末21〜25のアプリケーションの状態を保存するための処理フローを示している。
ステップ1202〜1204において、情報処理端末21の情報処理部201は情報処理端末21の終了イベントを待ち受ける。終了イベントが生じた場合には、アプリケーション状態復元/保存部212は、ステップ1206においてアプリケーション210のリストを取得して、ステップ1208においてその中に使用したアプリケーションの状態情報の中で未だ保存されていないアプリケーション状態情報があるかどうかを判定する。保存されていないアプリケーション状態情報がない場合は、手順は図12Bのステップ1216に進む。保存されていないアプリケーション状態情報がある場合は、アプリケーション状態復元/保存部212は、ステップ1210においてアプリケーション状態情報を取得し、ステップ1212において一時的作成状態情報のリストにそのアプリケーション状態情報を加え、ステップ1208に戻る。
アプリケーション状態復元/保存部212は、図12Bのステップ1216において、サーバ10にアプリケーション状態情報のリストを送信し、ステップ1218〜1222においてサーバ12からの受信完了通知を待つ。受信完了通知を受信した場合は、アプリケーション状態復元/保存部212はステップ1242においてサーバ12へアプリケーション状態情報を保存したことを利用者に通知する。ステップ1222において受信完了通知の受信がタイムアウトした場合は、アプリケーション状態復元/保存部212は、ステップ1224においてサーバ12への再送をカウントアップし、ステップ1226において再送回数が所定値を超えたかどうかを判定する。再送回数が所定値を超えない場合は、手順はステップ1216に戻る。再送回数が所定値を超えた場合は、アプリケーション状態復元/保存部212はステップ1228においてサーバ12へのアプリケーション状態情報の保存エラーを利用者に通知する。
アプリケーション状態復元/保存部212は、ステップ1230において、画面上で利用者に終了処理を続行するかどうかを問い合わせる。利用者が終了処理を続行しないと回答した場合は、アプリケーション状態復元/保存部212は、終了処理を終了する。
利用者が終了処理を続行すると回答した場合は、アプリケーション状態復元/保存部212は、ステップ1244においてアプリケーションの終了処理を行い、ステップ1246においてアプリケーション削除部214がアプリケーション状態情報を削除する。次いで、アプリケーション削除部214は、利用者のアプリケーションの状態を復元する前に保存しておいた情報処理端末21における前のアプリケーションの状態情報に基づいて、その情報処理端末21のアプリケーションの状態を利用者が利用する前の状態へ戻す。ステップ1248において情報処理部201はログアウト処理を行う。
前述のように、携帯端末30の位置情報を取得する別の方法として、利用者によって携帯され利用者を一意的に識別する識別情報を含むRF IDタグを用いて、上述のような様々な場所に配置されたRF IDタグ・リーダにそのRF IDタグを読み取らせ、そのリーダがネットワーク50を介してその識別情報をサーバ10へ通知し、サーバ10が、そのRF IDタグのタグID(識別情報)とそれを読み取ったリーダの位置情報または識別情報とからRF IDタグの位置を特定するようにしてもよい。
図13は、図1の本発明の原理に基づいた別の実施形態による、それぞれネットワーク50に接続された情報処理装置としての、サーバ10、RF IDタグ・リーダ/ライタ(R/W)を含む複数の情報処理端末20、・・・25、RF IDタグ・リーダ/ライタを含む複数の位置情報処理端末40、・・・45、および非接触情報記憶装置として利用者によって携帯される利用者のRF IDタグ60、から構成されたシステムの概略的な構成を示している。サーバ10は、利用者管理データ・テーブルを格納している。この場合、利用者管理データ・テーブルは、情報処理端末の識別情報およびアドレスを含み、さらに、利用者のログイン名、利用者識別子、利用者のRF IDタグのタグID、および各利用者についての情報処理端末の優先順位、等を含んでいる。利用者のRF IDタグ60は、携帯電話機、携帯端末、PDAまたはIDカード等に組み込まれていてもよい。
サーバ10は、図1のものと同様の構成を有する。利用者誘導部106は、利用者の携帯電話機、携帯端末またはPDAに対して、例えば図4の実施形態に関連して説明したナビゲーション情報のような利用者誘導情報を提供してもよい。但し、この場合、利用者誘導部106および/または無線送受信部112はなくてもよい。
情報処理端末20〜25の各々は、図1のものと同様の構成を有する。この場合、無線送受信部218は、RF IDタグ60に対して情報の読み取りおよび書き込みを行うためのRF IDタグ・リーダ/ライタ(R/W)である。
位置情報処理端末40〜45の各々は、内部バス55を介して接続された、情報処理部401、RF IDタグ60に対して情報の読み取りおよび書き込みを行うためのRF IDタグ・リーダ/ライタ(R/W)である無線送受信部408、認証情報確認部412、およびネットワーク・インタフェース(NW I/F)450を具えている。位置情報処理端末40、・・・45は、RF IDタグ60を携帯する使用者が通過し得る様々な場所(例えば、ゲート)に配置される。
RF IDタグ60は、内部バス65を介して接続された、情報処理部601、通信可能範囲で情報処理端末20〜25および位置情報処理端末40〜45と通信可能な無線送受信部608、認証情報確認部612および情報格納部614を具えている。情報格納部614には、利用者のIDを表すRF IDタグ60のタグIDが格納されている。タグIDは、サーバ10の利用者管理データ・テーブルによって利用者識別子等と対応付けられている。情報処理端末20〜25および位置情報処理端末40〜45の無線送受信部218または408からシステムID、端末IDおよび時刻情報のような認証情報を含むタグID要求コマンドを無線送受信部608を介して受信したとき、認証情報確認部612は、その認証情報を処理してその端末を認証し、確認に成功した場合にそれらの端末にタグIDを送信するように構成してもよく、それによってRF IDタグ60のセキュリティが確保される。
例えば、情報処理端末20等が配置されたエリアのゲートに位置情報処理端末40が設置されており、情報処理端末25等が配置されたエリアのゲートに位置情報処理端末45が設置されており、利用者は、位置情報処理端末40および45付近を通って情報処理端末20と25の間を移動するよう構成されていてもよい。
図14Aおよび14Bは、図13のシステムにおける情報処理端末のアプリケーション状態を復元するためのシーケンスを示している。
図13と図14Aおよび14Bを参照すると、手順1406において、利用者が、RF IDタグ60を携帯して、ゲートに設置された位置情報処理端末40付近を通過すると、位置情報処理端末40の無線送受信部(リーダ/ライタ)408は、RF IDタグ60からタグIDを受信しRF IDタグ60の存在を確認する。無線送受信部408は、RF IDタグ60が位置情報処理端末40を通過したことを表す通過情報をRF IDタグ60(情報格納部614)に書き込んでもよい。その通過情報は、位置情報処理端末40のIDおよび位置情報、および通過の日付時刻情報を含んでいてもよい。手順1408において、位置情報処理端末40(情報処理部401)は、ネットワーク・インタフェース450を介してサーバ10に端末決定要求を送信する。その端末決定要求は、位置情報処理端末40のIDおよび位置情報、およびRF IDタグ60のタグIDを含み、通過の日付時刻情報を含んでいてもよい。手順1410において、サーバ10の利用者位置決定部110は、その端末決定要求に基づいて、RF IDタグ60の現在の位置を決定する。
手順1412は図7Aの手順742と同様の処理である。手順1412において、利用端末決定部108は、利用者管理データ・テーブルから、タグIDに対応する利用者識別子を取得し、その位置情報および利用者識別子に基づいてエリア内において利用者が利用可能な1つまたは複数の情報処理端末20〜25を選択または決定する。手順1416において、利用端末決定部108は、利用可能な複数の情報処理端末がある場合は、優先順位の最も高いもの(例えば情報処理端末20)を決定するようにしてもよい。優先順位の最も高いものとは、例えば、現在の位置情報処理端末40または情報処理端末の位置に最も近いおよび/または利用者の利用アプリケーションに最も適合した情報処理端末である。これによって、利用者によって使用される情報処理端末が一意的に決定される場合は手順1450に進む。しかし、それによって利用者によって使用される情報処理端末が一意的に決定されない場合やその後利用者によって変更可能な場合は、手順1422〜1446を実行するよう構成してもよい。
手順1422において、利用者は、仮に決定されたまたは全員が利用可能な情報処理端末25に着席して操作して、利用を希望する特定の情報処理端末20(25でも可)を選択して利用するための手続を実行するよう指示することができる。情報処理端末25は情報処理端末20と同じ構成を有する。情報処理端末25の無線送受信部218はRF IDタグ60のタグIDを読み取る。手順1424において、無線送受信部218は、ネットワーク・インタフェース250を介してサーバ10に決定端末情報を送信する。決定端末情報は、決定した情報処理端末20のID、仮に決定された情報処理端末25のIDおよび位置情報、およびRF IDタグ60のタグIDを含み、タグID読み取りの日付時刻情報を含んでいてもよい。無線送受信部218は、通信可能な限りRF IDタグ60を周期的に(例えば、3秒の周期で)読み取り続ける。手順1430において、サーバ10の利用者位置決定部110は、その決定端末情報に基づいて、RF IDタグ60の現在の位置を決定する。手順1432において、利用端末決定部108は、その決定端末情報に基づいて、サーバ10の利用者管理データ・テーブルによってタグIDに対応する利用者識別子を取得して、利用者によって選択された情報処理端末20を確認し決定する。その際、利用端末決定部108は、先に手順1412において仮に決定した情報処理端末25が、利用者によって選択された情報処理端末20と異なる場合は、その決定端末を情報処理端末20に変更する。
手順1406の前に、利用者は、移動前のエリアにおける現在使用中の情報処理端末25において、移動先のエリアにおいて使用する情報処理端末20を予め選択することもできる。この場合、手順1402において、利用者は、情報処理端末25において、利用を希望する特定の情報処理端末20を選択して利用するための手続を実行するよう指示する。手順1404において、情報処理端末25の無線送受信部218は、ネットワーク・インタフェース250を介してサーバ10に決定端末情報を送信する。決定端末情報は、情報処理端末25のIDおよび位置情報、およびRF IDタグ60のタグIDを含み、日付時刻情報を含んでいてもよい。この場合、手順1412において、サーバ10の利用端末決定部108は、情報処理端末25において選択された情報処理端末20を選択または決定する。代替構成として、手順1402〜1404の後、手順1406〜1432を実行することなく、手順1450以降の手順を実行するようにしてもよい。
このようにして利用者によって利用される情報処理端末20が決定されると、手順1450において、サーバ10は、対応する利用者識別情報に基づいてその利用者個人のアプリケーション状態情報保存部102のデータベースDBを参照し、その利用者用に複数の状態情報が格納されていないかをチェックする。
手順1450において、サーバ10のアプリケーション状態保持部102は、利用者の利用アプリケーションに関する情報を取得する。アプリケーション状態保持部102は、手順1454において、利用者に対して複数のアプリケーション状態情報が存在するかどうかをチェックする。複数のアプリケーション状態情報が存在する場合には、サーバ10は、優先順位の最も高いアプリケーション状態情報を選択して決定する。
図14Bの手順758〜796では、サーバ10および利用する情報処理端末20について、図7Bのサーバ12とおよび利用する情報処理端末21と同様の処理が行われる。この場合、図7Bにおける手順760〜724は存在しない。また、手順758において、サーバ10は、アプリケーション状態保存部102から取得した利用者のアプリケーション状態情報(利用者識別子を含む)およびRF IDタグのタグIDを情報処理端末20に送信する。手順792において、認証情報処理部216は、無線送受信部218を介してRF IDタグ60から利用者の認証情報(タグID)を取得して認証を行う。認証情報処理部216は、さらに例えばパスワード等を用いた別の認証をも行ってもよい。
このようにして、前回のアプリケーションの使用状態(コンテキスト)を復元することによってアプリケーションを用いた仕事の作業効率が向上する。また、図2のシステムにおける携帯端末31の場合のように、RF IDタグ60(情報格納部614)にアプリケーション状態情報を保存すれば、情報処理端末とサーバを管理する会社が複数あっても、それに関係なく、利用者個人のアプリケーション状態情報を異なる会社の情報処理端末でも利用できる。
図15は、図13のシステムにおけるアプリケーション状態に関する情報を保存するためのシーケンスを示している。手順802は図8ものと同様である。また、利用者が、情報処理端末20上のアプリケーション状態情報をサーバ10に保存する操作を行わずに情報処理端末25から離れた場合、手順803において、情報処理端末20の無線送受信部(リーダ/ライタ装置)218は、RF IDタグ60のタグIDを検出できなくなる。所定時間以上そのRF IDタグ60が検出されないとき、情報処理部201は、情報処理端末21上のアプリケーション状態情報をサーバ12に保存する終了処理を開始する。そして、図8のものと同様に、手順804〜828が行われる。手順808において、アプリケーション状態情報復元/保存部212は、リストとその状態情報を、利用者識別子およびタグIDとともに送信してもよい。
図16は、RF IDタグ60による基本的処理のフローを示している。
ステップ1602において、RF IDタグ60の情報処理部601は、送受信部608によって受信したコマンドを含むデータの受信の有無を監視する。ステップ1616において、情報処理部601はコマンドを受信したかどうかを判定する。コマンドを受信するまで、ステップ1616は繰り返される。コマンドを含むデータを受信したと判定された場合、ステップ1618において、情報処理部601はコマンドを含むデータの受信処理を行う。その受信処理において、認証情報確認部612は、位置情報処理端末40〜45または情報処理端末20〜25から受信したコマンドと共に受信した端末IDおよび認証情報の認証処理を行ってもよい。認証に成功した場合は、ステップ1620において、情報処理部601はタグIDを含む応答データを送信する。認証に成功した場合、さらにそのコマンドが書き込みコマンドであった場合、情報処理部601は、所要の受信データを情報格納部614に格納する。
図17Aおよび17Bは、サーバ10における処理フローを示している。ステップ1002〜1008、1012〜1014、1032〜1034、および1038〜1042は、図10Aおよび10Bのものと同様である。ステップ1008の後、手順はステップ1710に進む。
ステップ1710において、通知フラグとして端末利用要求フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101はステップ1012において情報処理端末決定処理を行う。ステップ1014において、情報処理部101は、選択された適当な情報処理端末の数が複数かどうかを判定する。それが複数であると判定された場合は、ステップ1716において情報処理部101は、優先順位の最も高い情報処理端末を決定する。その後、手順はステップ1006に戻る。それが複数でなく1つであると判定された場合は、手順はステップ1006に戻る。
ステップ1710において通知フラグ(図14A、手順1424)として使用端末要求通知フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101は、ステップ1022において決定端末情報を保存する。その後、手順はステップ1006に戻る。
図17Bのステップ1710(図17Aの1710と同じ)において、通知フラグとして利用端末決定フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101は、ステップ1032〜1034においてアプリケーションの状態情報を確認し、複数のアプリケーション状態情報が保存されている場合は、ステップ1736において最も優先順位の高いアプリケーション状態情報を選択し、ステップ1038において復元アプリケーション情報を保存し、ステップ1040において情報処理端末20へアプリケーション状態情報を送信する。その後、手順はステップ1006に戻る。
ステップ1034においてアプリケーションが1つしか保存されていないと判定された場合は、手順はステップ1038〜1040へ進む。その後、手順はステップ1006に戻る。
ステップ1710において、通知フラグとして保存依頼フラグが存在すると判定された場合、情報処理部101は、ステップ1042においてアプリケーション情報を保存する処理を行い、それと並行してステップ1038〜1040を実行する。その後、手順はステップ1006に戻る。
図11Aおよび11Bの処理フローは、図13のシステムにおける情報処理端末20におけるアプリケーションの状態の復元にも適用できる。但し、図11Bのステップ1132の認証処理は、無線送受信部218がRF IDタグ60のタグIDを読み取ることによって自動的に行われる。これに加えて、さらに他の認証方式を実行してもよい。
図18Aおよび18Bは、情報処理端末20のアプリケーションの状態(コンテキスト)を復元するための処理フローを示している。
図18Aのステップ1802〜1804において、情報処理端末20の情報処理部201は保存イベントを待ち受ける。保存イベントとは、アプリケーション状態情報の保存の要求の発生を表す。保存イベントが生じた場合には、手順はステップ1206に進む。ステップ1206〜1242、および1244〜1248は、図12Aおよび12Bのものと同様である。
図18Bのステップ1230において、アプリケーション状態復元/保存部212は、利用者に処理を続行するかどうかを問い合わせる。ステップ1230において利用者が処理を続行すると回答した場合は、手順はステップ1843に進む。ステップ1230において利用者が終了処理を続行しないと回答した場合は、手順はステップ1202に戻る。
ステップ1843において、情報処理部201は図15の手順802(終了指示)の発生かまたは手順803(離席によるRF IDタグの不検出)による終了イベントがあるかどうかを判定する。あると判定された場合は、手順はステップ1244に進む。ないと判定された場合は、手順はステップ1202に戻る。
図19は、図13の実施形態の応用例を示している。図において、最初、利用者は、或るエリア(室)内において情報処理端末20上でアプリケーションを利用している。利用者が、使用していた情報処理端末20からその無線送受信機であるリーダ/ライタ218の通信可能範囲を超えて離れると、RF IDタグ60が検出されなくなったことに応答して(図15、手順803)、情報処理端末20のアプリケーション状態復元/保存部214は、情報処理端末20におけるアプリケーションの状態(コンテキスト)の情報をサーバ10に送信してそのアプリケーション状態情報保存部104のデータベースDBに保存させる(手順804〜814)。利用者が、そのエリアのゲートに配置された位置情報処理端末40を通過してエリアを出ると、位置情報処理端末40の無線送受信機であるリーダ/ライタ408は、RF IDタグ60が通過したことを検出し、利用者が退室したことをサーバ10に通知する。次いで、サーバ10(情報処理部101)は、情報処理端末20にその電源をオフ状態にするよう命令する。
利用者が、別のエリア(室)のゲートに配置された位置情報処理端末45を通過して入室すると、位置情報処理端末45の無線送受信部であるリーダ/ライタ408は、RF IDタグ60が通過したことを検出し、利用者が入室したことをサーバ10に通知する。次いで、サーバ10は、その入室情報に応答して、利用者が利用すべき情報処理端末25にその電源をオン状態にするよう命令し、その利用者によって情報処理端末25において利用可能なアプリケーションを準備し、待機させる(図14Aおよび14B、手順1402〜1416、1450〜790)。この場合、情報処理端末25において、情報処理端末20で用いられたアプリケーションの保存された作業状態に最も近いアプリケーションの状態が復元される。利用者が情報処理端末25の前に着席したとき、情報処理端末25のリーダ/ライタ218は、RF IDタグ60を検出する。また、RF IDタグ60を携帯した利用者が着席し、認証情報を入力すると(手順792)、情報処理端末25はRF IDタグ60の認証を行った後で、画面のロックを外す(手順794〜796)。但し、手順792の認証情報の入力はタグの認証で代替することで自動化してもよい。
この応用例では、利用者が情報処理端末25に接近している間にアプリケーション状態の復元の準備を行うことによって、着席してから情報処理端末25の使用開始までの時間を短縮することができる。
図20は、図13の実施形態の別の応用例を示している。図において、利用者は、位置情報処理端末40、45、情報処理端末25等の付近を順に通過して情報処理端末20の前に着席する。位置情報処理端末40および45のリーダ/ライタ408、および情報処理端末20、25のリーダ/ライタ218によって、利用者のRF IDタグ60がそれぞれの端末に近づくことによってそれらの端末によってRF IDタグ60が検出される。
位置情報処理端末40、45によってRF IDタグ60が検出されときは、位置情報処理端末40は、RF IDタグ60のタグID、および位置情報処理端末40、45のIDまたは位置を表す情報をサーバ10に通知する。利用者が利用可能な情報処理端末20から遠くに位置するときは、サーバ10は、RF IDタグ60が通過した位置情報処理端末40のIDまたは位置およびそのタグIDのみを記録する。利用者が利用可能な情報処理端末20の近くに位置する所定の位置情報処理端末45または所定の情報処理端末25を通過したとき、位置情報処理端末45または情報処理端末25は、RF IDタグ60のタグID、および位置情報処理端末45または情報処理端末25のIDと位置を表す情報をサーバ10に通知し、サーバ10は、その受信に応答して利用者が利用すべき情報処理端末20にその電源をオン状態にするよう命令し、その利用者によって情報処理端末20において利用可能なアプリケーションを準備し、待機させる(図14Aおよび14B、手順1402〜1416、1450〜790)。利用者が情報処理端末20の前に着席したとき、情報処理端末20のリーダ/ライタ218は、RF IDタグ60を検出する。また、RF IDタグ60を携帯した利用者が着席し、認証情報を入力すると情報処理端末20はRF IDタグの認証を行った後で、画面のロックを外す。但し、認証情報の入力はタグの認証で代替することで自動化してもよい。
図21は、図13の実施形態のさらに別の応用例を示している。図において、最初、利用者は、或るエリア内の情報処理端末25上でアプリケーションを利用している。情報処理端末25上で移動先の情報処理端末20を指定し、サーバ10に送信する(図14A、手順1402〜1404)。利用者が情報処理端末20から離席すると、その情報処理端末25の無線送受信機であるリーダ/ライタ218はRF IDタグ60が検出されなくなったことに応答して、情報処理端末25はアプリケーション状態をサーバ10に保存し、利用者が離席したことをサーバ10に通知する。次いで、サーバ10(情報処理部101)は、情報処理端末25にその電源をオフ状態にするよう命令する。
次いで、サーバ10は、情報処理端末20の電源をオン状態に設定する。利用者が情報処理端末20へと移動している間に、サーバ10は情報処理端末20において利用可能なアプリケーションを準備し、待機させる(図14Aおよび14B、手順1450、758〜790)。RF IDタグ60を携帯した利用者が着席し、認証情報を入力すると(手順792)、情報処理端末20はRF IDタグの認証を行った後で、画面のロックを外す(手順794〜796)。但し、認証情報の入力はタグの認証で代替することで自動化してもよい。
図22は、図13の実施形態のさらに別の応用例を示している。RF IDタグ60を携帯した利用者がゲートの位置情報処理端末45を通過したときに、RF IDタグ60(認証情報確認部612)は位置情報処理端末45(認証情報確認部412)を介してサーバ10との間で相互認証を行う。認証に成功したとき、位置情報処理端末45の情報処理部401は、RF IDタグ60が通過したことを検出し、利用者が入室したことをサーバ10に通知する。次いで、サーバ10(情報処理部101)は、その入室情報に応答して、利用者が利用すべき情報処理端末20にその電源をオン状態にするよう命令し、その利用者によって情報処理端末20において利用可能なアプリケーションを準備し、待機させる(図14Aおよび14B、手順1402〜1416、1450〜790)。
利用者が情報処理端末20の前に着席したとき、情報処理端末20のリーダ/ライタ218は、RF IDタグ60を検出する。また、RF IDタグ60を携帯した利用者が情報処理端末20の前に着席すると(手順792)、情報処理端末20(情報処理部201)はRF IDタグの認証を行った後で、利用者が着席したことをサーバ10に通知する。サーバ10(情報処理部101)は、その着席の通知に応答して、情報処理端末20の利用許可を情報処理端末20に送信する。その際、パスワード入力などの他の認証方法と組み合わせて認証を行ってもよい。情報処理端末20は、利用許可を受信すると、RF IDタグ60の認証を行った後で、画面のロックを外す(手順794〜796)。この場合、利用者は利用権限の無い情報処理端末25を利用できない。利用者は、利用情報処理端末の変更操作を行うことによって、サーバ10によって決定された情報処理端末20ではなくて、その利用者が利用可能な他の情報処理端末22または全ての利用者が使用可能な情報処理端末22を利用することができる(手順1422〜1432)。
以上説明した実施形態は典型例として挙げたに過ぎず、その各実施形態の構成要素を組み合わせること、その変形およびバリエーションは当業者にとって明らかであり、当業者であれば本発明の原理および請求の範囲に記載した発明の範囲を逸脱することなく上述の実施形態の種々の変形を行えることは明らかである。
以上の実施例を含む実施形態に関して、さらに以下の付記を開示する。
(付記1) サーバと、前記サーバと通信可能な複数の情報処理端末と、前記サーバと通信可能な携帯端末とからなるアプリケーション状態情報転送システムであって、
前記携帯端末は、前記利用者の位置を特定する情報を取得する位置情報取得手段を具え、
前記サーバは、前記携帯端末から受信した位置を特定する情報に基づいて、前記利用者が利用可能な前記複数の情報処理端末の中で、前記利用者が最適なアプリケーションをすぐに利用することが可能な最寄りの1つの情報処理端末を決定する情報処理端末決定手段と、前記複数の情報処理端末の中のいずれかの情報処理端末上で前記利用者によって以前使用されたアプリケーションの状態情報を利用者識別子と対応づけて保存し、前記携帯端末から受信した利用者を特定する情報から前記利用者の前記アプリケーションの状態情報を特定して前記1つの情報処理端末に供給するアプリケーション状態情報保存手段と、を具え、
前記決定された情報処理端末は、前記サーバから受け取った前記アプリケーションの状態情報に基づいて対応するアプリケーションの状態を復元し、前記利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を生成して前記サーバに供給するアプリケーション状態復元および保存手段と、前記アプリケーションの状態情報の復元を行う前に現在のアプリケーションの状態情報を退避して保存し、前記復元の前のアプリケーションの状態へ戻すアプリケーション状態情報待避手段と、を具えるものであることを特徴とする、
アプリケーション状態情報転送システム。
(付記2) サーバと、前記サーバと通信可能な複数の情報処理端末と、前記サーバと通信可能な携帯端末とからなるアプリケーション状態情報転送システムであって、
前記サーバは、前記携帯端末から受信した位置を特定する情報に基づいて、利用者が利用可能な前記複数の情報処理端末の中で、前記利用者が最適なアプリケーションをすぐに利用することが可能な最寄りの1つの情報処理端末を決定する情報処理端末決定手段を具え、
前記携帯端末は、前記利用者によって前記複数の情報処理端末の中のいずれかの情報処理端末上で使用されたアプリケーションの状態情報を受信して保存し、前記アプリケーションの状態情報を前記1つの情報処理端末に供給するアプリケーション状態情報保存手段と、前記利用者の位置を特定する情報を取得する位置情報取得手段と、前記利用者によって操作可能な入力手段とを具え、
前記決定された情報処理端末は、前記携帯端末から受け取った前記アプリケーションの状態情報に基づいて対応するアプリケーションの状態を復元し、前記利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を生成して前記携帯端末に供給するアプリケーション状態復元および保存手段と、前記アプリケーションの状態情報の復元を行う前に現在のアプリケーションの状態情報を退避して保存し、前記復元の前のアプリケーションの状態へ戻すアプリケーション状態情報待避手段と、を具えるものであることを特徴とする、
アプリケーション状態情報転送システム。
(付記3) 前記サーバは、さらに、前記利用者が利用する情報処理端末が決定した時点で、その決定した情報処理端末まで誘導するための誘導情報を前記携帯端末に供給する利用者誘導手段を具え、前記携帯端末は、さらに、前記誘導情報を受信して表示する表示手段を具えることを特徴とする、付記1または2に記載のアプリケーション状態情報転送システム。
(付記4) 前記サーバまたは前記携帯端末の前記アプリケーション状態情報保存手段に保存された利用者の前記アプリケーションの状態情報を、前記サーバの前記情報処理端末決定手段が決定した時点で前記1つの情報端末に供給し、
前記複数の情報処理端末の各々の前記アプリケーション状態復元および保存手段は、前記利用者が前記情報処理端末の利用を終了した時点、または所定の時間を超えて端末を操作しなかった時点、または所定の距離を超えて前記情報処理端末から離れた時点で、前記複数の情報処理端末の中の1つの情報処理端末において使用されたアプリケーションの状態情報を生成してアプリケーション情報保存手段を具える前記サーバまたは前記携帯端末に供給することを特徴とする、付記1乃至3のいずれかに記載のアプリケーション状態情報転送システム。
(付記5) 前記サーバの前記情報処理端末決定手段が、前記利用者のアプリケーションの状態情報に基づいて、さらに前記利用者誘導手段を用いて、前記複数の情報処理端末に到着した時点ですぐに利用可能でかつアプリケーションの状態を最適に復元できるように前記1つの情報処理端末を決定することを特徴とする、付記3または4に記載のアプリケーション状態情報転送システム。
(付記6) 前記決定された情報処理端末は、さらに、前記アプリケーションの状態情報を前記サーバから受け取るまでは不動作状態を維持し、前記アプリケーションの状態情報を受け取った後で認証情報を入力可能にするロック手段を具えることを特徴とする、付記1乃至5のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記7) サーバと、前記サーバと通信可能な複数の情報処理端末と、利用者によって携帯可能であり前記複数の情報処理端末によって読み取り可能な前記利用者の情報記憶装置と、からなるアプリケーション状態情報転送システムであって、
前記情報記憶装置は、前記情報記憶装置の識別情報を格納し、
前記サーバは、前記複数の情報処理端末のいずれか1つの情報処理端末から受信した、前記情報記憶装置の識別情報と、前記いずれか1つの情報処理端末の識別情報とに基づいて、前記利用者が利用可能な前記複数の情報処理端末の中で、前記利用者が最適なアプリケーションを利用することが可能な1つの情報処理端末を決定する情報処理端末決定手段と、前記複数の情報処理端末の中のいずれかの情報処理端末上で前記利用者によって以前使用されたアプリケーションの状態情報を利用者識別子と対応づけて保存し、前記複数の情報処理端末のいずれか1つの情報処理端末から受信した利用者識別子または前記情報記憶装置の識別情報から前記利用者の前記アプリケーションの状態情報を特定して前記決定された情報処理端末に供給するアプリケーション状態情報保存手段と、を具え、
前記決定された情報処理端末は、前記情報記憶装置の識別情報を読み取る読取り手段と、前記サーバから受け取った前記アプリケーションの状態情報に基づいて対応するアプリケーションの状態を復元し、前記利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を生成して前記サーバに供給するアプリケーション状態復元および保存手段と、前記アプリケーションの状態情報を受け取る前は前記決定された情報処理端末を不動作状態にし、前記アプリケーションの状態情報を受け取った後で前記読取り手段によって前記識別情報が検出されなければ前記決定された情報処理端末を利用可能な状態にしないロック手段と、前記アプリケーションの状態情報の復元を行う前に現在のアプリケーションの状態情報を退避して保存し、前記復元の前のアプリケーションの状態へ戻すアプリケーション状態情報待避手段と、を具えるものであることを特徴とする、
アプリケーション状態情報転送システム。
(付記8) 前記アプリケーション状態情報待避手段は、前記アプリケーションの状態情報を前記サーバに供給した後で、前記利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を削除する手段を具える、付記1乃至7のいずれかに記載の情報処理装置。
(付記9) 前記複数の情報処理端末の中の少なくとも1つの情報処理端末は、前記情報記憶装置から識別情報を読み取って前記サーバへ送信する位置情報処理端末であり、前記いずれか1つの情報処理端末が前記位置情報処理端末であることを特徴とする、付記7に記載のアプリケーション状態情報転送システム。
(付記10) 前記決定された情報処理端末において、前記読取り手段によって前記情報記憶装置の識別情報が検出されなくなったとき、前記アプリケーション状態復元および保存手段は前記利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を生成して前記サーバに供給し、前記アプリケーション状態情報待避手段は前記利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を削除することを特徴とする、付記7または8に記載のアプリケーション状態情報転送システム。
(付記11) 複数の情報処理端末および利用者の携帯端末と通信可能な情報処理装置であって、
前記複数の情報処理端末の中の1つの情報処理端末において利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を保存し、前記アプリケーションの状態情報を前記複数の情報処理端末の中の1つの情報処理端末に供給するアプリケーション状態情報保存手段と、
前記携帯端末から受信した位置情報に基づいて、前記複数の情報処理端末の中から利用される1つの情報処理端末を決定する情報処理端末決定手段と、
前記利用者を前記利用される1つの情報処理端末まで誘導するための情報を前記携帯端末に供給する利用者誘導手段と、
を具えることを特徴とする情報処理装置。
(付記12) 複数の情報処理端末と通信可能な情報処理装置であって、
前記複数の情報処理端末の中の1つの情報処理端末において利用者によって使用されたアプリケーションの状態情報を保存し、前記複数の情報処理端末の1つの情報処理端末から受信した利用者識別子または前記情報記憶装置の識別情報から前記利用者の前記アプリケーションの状態情報を特定して前記複数の情報処理端末の1つの情報処理端末に供給するアプリケーション状態情報保存手段と、
前記複数の情報処理端末のいずれか1つの情報処理端末から受信した、前記情報記憶装置の識別情報と、前記いずれか1つの情報処理端末の識別情報とに基づいて、前記利用者が利用可能な前記複数の情報処理端末の中から利用される1つの情報処理端末を決定する情報処理端末決定手段と、
を具えることを特徴とする情報処理装置。