JP4817484B2 - 非水電解液およびそれを含む非水電気化学装置 - Google Patents

非水電解液およびそれを含む非水電気化学装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、非水溶媒および溶質としての特定のホウ酸塩からなる非水電解液ならびにそれを含む非水電気化学装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
非水電解液を含む非水電気化学装置は、広範な電気・電子機器の分野で使用されている。非水電気化学装置には、例えばリチウムイオン電池等の非水電解液電池、電気二重層キャパシタ等の非水電解液電解コンデンサ等が含まれる。非水電気化学装置は、非水電解液を含んでおり、非水電解液は、非水溶媒およびその中に溶解した溶質からなっている。非水電解液における溶質の濃度は、1モル/リットル程度である。
【0003】
非水電気化学装置に用いられる非水電解液は、高いイオン伝導度を有することが望ましい。そのような非水電解液を得るには、比誘電率が高く、粘度の低い非水溶媒が必要となる。しかし、高い比誘電率を有する非水溶媒は強い極性を有するため、粘度も高い。そこで、現在の実用電池では、炭酸エチレン(比誘電率:90)に代表される高誘電率を有する非水溶媒と、炭酸ジメチル(比誘電率:3.1)、炭酸エチルメチル(比誘電率:2.9)等に代表される低誘電率を有する非水溶媒とを併用した非水電解液が用いられている。
【0004】
溶質としては、過塩素酸リチウム(LiClO4)、四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)、トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSO3CF3)、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)等が用いられている。これらのうちでは、非水溶媒中で高いイオン伝導度を示し、広い電位窓を有することから、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)が多く用いられている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
六フッ化リン酸リチウムを含有する非水電解液は、室温で8.5mS/cm程度の高いイオン伝導度を有するものの、熱安定性が乏しい。また、六フッ化リン酸リチウムは、極めて鋭敏に水分と反応し、分解するという問題を有する。
【0006】
トリフルオロメタンスルホン酸リチウム(LiSO3CF3)、ビストリフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)等の使用も検討されているが、これらの有機アニオンを含む溶質の多くは非水電解液電池の正極に用いられるアルミニウムの集電体を腐食させるため、実用化が進んでいない。
【0007】
一方、リチウム一次電池で一般に用いられている四フッ化ホウ酸リチウム(LiBF4)は、六フッ化リン酸リチウム(LiPF6)に比べて熱安定性が高く、六フッ化リン酸リチウムと同程度の電位窓を有する。しかし、四フッ化ホウ酸リチウムを非水溶媒に溶解しても、室温で2.9mS/cm程度の低いイオン伝導度を有する非水電解液しか得られないため、リチウム二次電池には用いられていない。
【0008】
四フッ化ホウ酸リチウムのイオン伝導度が六フッ化リン酸リチウムに比べて低いのは、電子吸引性を有するフッ素がリンには6個結合しているのに対し、ホウ素には4個しか結合していないことに起因する。結合しているフッ素の数に対応してBF4アニオン部の電気陰性度はPF6アニオン部のそれよりも小さいため、四フッ化ホウ酸リチウムはイオン解離しにくいと考えられる。また、BF4アニオンはアニオン径が小さいため、会合を起こして電解液のイオン伝導度を低下させやすいと考えられる。
【0009】
電解コンデンサの非水電解液においても、イオン解離してBF4アニオンを生じる溶質が多く用いられる。電解コンデンサにおいては、陽極箔上に形成されたアルミニウムやタンタル等の酸化物からなる誘電体層と陰極箔との間に非水電解液が介在している。従って、非水電解液のイオン伝導度は電解コンデンサの誘電損失に大きな影響を及ぼす。誘電損失が大きくなると、電解コンデンサの周波数特性が低下し、充放電特性も低下する。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、非水溶媒および一般式:MBR1234(Mはアルカリ金属またはアンモニウム基、R1〜R4は電子吸引基であり、R1〜R4は同時にフッ素原子となることはない)で表される溶質からなることを特徴とする非水電解液に関する。
溶質は、通常、アニオンとカチオンからなり、両者間にはイオン結合が形成されているため、一般式:MBR1234は、例えば一般式:M+・(BR1234-と表すこともできる。
【0011】
前記電子吸引基の少なくとも1つは、一般式:Cn2n+1(nは1〜4の整数)またはCm2m+1SO2(mは1〜4の整数)で表される。さらに、残りの基はフッ素原子であることが好ましい。また、前記アンモニウム基としては、一般式:NR5678(R5〜R8は、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基)で表されるものが好ましい。
本発明は、また、前記非水電解液を含む非水電気化学装置に関する。
【0012】
例えば非水電解液電池に含まれる非水電解液を得る場合、前記溶質は、LiB(CF34、LiBF(CF33、LiBF2(CF32、LiBF3(CF3)、LiB(C254、LiBF(C253、LiBF2(C252、LiBF3(C25)、LiB(CF3SO24、LiBF(CF3SO23、LiBF2(CF3SO22、LiBF3(CF3SO2)、LiB(C25SO24、LiBF(C25SO23、LiBF2(C25SO22およびLiBF3(C25SO2)よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。
本発明は、また、正極、負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータおよび前記非水電解液からなる非水電解液電池に関する。
【0013】
例えば電解コンデンサに含まれる非水電解液を得る場合、前記溶質は、(CH34NB(CF34、(CH34NBF(CF33、(CH34NBF2(CF32、(CH34NBF3(CF3)、(CH34NB(C254、(CH34NBF(C253、(CH34NBF2(C252、(CH34NBF3(C25)、(C254NB(CF34、(C254NBF(CF33、(C254NBF2(CF32、(C254NBF3(CF3)、(C254NB(C254、(C254NBF(C253、(C254NBF2(C252、(C254NBF3(C25)、((CH33C)4NB(CF34、((CH33C)4NBF(CF33、((CH33C)4NBF2(CF32、((CH33C)4NBF3(CF3)、((CH33C)4NB(C254、((CH33C)4NBF(C253、((CH33C)4NBF2(C252、((CH33C)4NBF3(C25)、(CH34NB(CF3SO24、(CH34NBF(CF3SO23、(CH34NBF2(CF3SO22、(CH34NBF3(CF3SO2)、(CH34NB(C25SO24、(CH34NBF(C25SO23、(CH34NBF2(C25SO22、(CH34NBF3(C25SO2)、(C254NB(CF3SO24、(C254NBF(CF3SO23、(C254NBF2(CF3SO22、(C254NBF3(CF3SO2)、(C254NB(C25SO24、(C254NBF(C25SO23、(C254NBF2(C25SO22、(C254NBF3(C25SO2)、((CH33C)4NB(CF3SO24、((CH33C)4NBF(CF3SO23、((CH33C)4NBF2(CF3SO22、((CH33C)4NBF3(CF3SO2)、((CH33C)4NB(C25SO24、((CH33C)4NBF(C25SO23、((CH33C)4NBF2(C25SO22および((CH33C)4NBF3(C25SO2)よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなることが好ましい。
本発明は、また、誘電体層を有する陽極箔、陰極箔、前記陽極箔と陰極箔との間に介在するセパレータおよび前記非水電解液からなる非水電解液電解コンデンサに関する。
【0014】
【発明の実施の形態】
本発明では、四フッ化ホウ酸リチウムと同程度の熱安定性を有し、アニオン部の電気陰性度が高く、非水溶媒中でイオン解離しやすいホウ酸塩を用いる。前記ホウ酸塩は、例えば四フッ化ホウ酸塩のホウ素に結合したフッ素の一部又は全部をパーフルオロアルキル基(Cn2n+1)またはパーフルオロアルキルスルホン酸基(Cm2m+1SO2)で置換したものである。パーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキルスルホン酸基は強力な電子吸引性を有するため、これらの基を有するホウ酸塩は非水溶媒中でイオン解離しやすくなる。従って、前記ホウ酸塩を用いれば、熱安定性が高く、六フッ化リン酸リチウムに比べて高いイオン伝導度を有する非水電解液を得ることができ、高率充放電を良好に行い得る非水電気化学装置を提供することが可能になる。
【0015】
溶質のアニオン部の電気陰性度は、ホウ素に結合する電子吸引性基の数が多いほど大きくなり、溶質はイオン解離しやすくなる。また、ホウ素に結合する電子吸引性基の数が多いほどアニオン径が大きくなるため、アニオンの会合も起こりにくくなると考えられる。
【0016】
実施の形態1
本実施の形態では、リチウム一次電池、リチウム二次電池、リチウムイオン電池、ポリマー電池等の電池に好適な非水電解液について説明する。本実施の形態の非水電解液は、以下の溶質を以下の非水溶媒に溶解すれば得られる。
【0017】
(i)溶質
本実施の形態の非水電解液は、一般式:M’BR1234(M'はLi、Na、K等のアルカリ金属、R1〜R4は電子吸引基であり、R1〜R4は同時にフッ素原子となることはない)で表される溶質を含んでいる。
前記電子吸引基の少なくとも1つは、一般式:Cn2n+1(nは1〜4の整数)またはCm2m+1SO2(mは1〜4の整数)で表される。また、一般式:Cn2n+1で表される基を有するアニオンは、一般式:Cm2m+1SO2で表される基を有するアニオンよりも小さいため、前者を含む非水電解液のイオン伝導度の方が高くなる。従って、一般式:Cn2n+1(nは1〜4の整数)で表される基の方がより好ましい。
【0018】
フッ素以外の電子吸引基の数は、1個以上あればよいが、合成が容易である点などから、2〜3個が好ましい。例えば、一般式:M’B(Cn2n+122で表される溶質や一般式:M’B(Cn2n+13Fで表される溶質が好ましい。
n、mは、1〜4の整数であればよいが、n、mが小さすぎると電子吸引基の電子吸引効果が小さくなり、大きすぎるとアニオン径が大きくなってしまうことから、特に2であることが好ましい。
【0019】
前記溶質の具体例としては、LiB(CF34、LiBF(CF33、LiBF2(CF32、LiBF3(CF3)、LiB(C254、LiBF(C253、LiBF2(C252、LiBF3(C25)、LiB(CF3SO24、LiBF(CF3SO23、LiBF2(CF3SO22、LiBF3(CF3SO2)、LiB(C25SO24、LiBF(C25SO23、LiBF2(C25SO22、LiBF3(C25SO2)などが挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
【0020】
非水電解液は、さらにLiClO4 、LiBF4 、LiPF6 、LiAlCl4、LiSbF6、LiSCN、LiCF3SO3 、LiCF3CO2、Li(CF3SO22、LiAsF6 、LiB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸リチウム、LiCl、LiBr、LiI、クロロボランリチウム、ビス(1,2−ベンゼンジオレート(2−)−O、O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,3−ナフタレンジオレート(2−)−O、O’)ホウ酸リチウム、ビス(2,2’−ビフェニルジオレート(2−)−O、O’)ホウ酸リチウム、ビス(5−フルオロ−2−オレート−1−ベンゼンスルホン酸−O、O’)ホウ酸リチウム等のホウ酸塩、ビステトラフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)、テトラフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO2)(C49SO2))、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C25SO22NLi)等のイミド塩等を含有してもよい。
【0021】
(ii)非水溶媒
非水溶媒としては、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレンといった環状炭酸エステルやその誘導体、炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、炭酸エチルメチル等の鎖状炭酸エステルやその誘導体、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトンといった環状カルボン酸エステルやその誘導体、ギ酸メチル、酢酸メチル、プロピオン酸メチル、プロピオン酸エチル等の脂肪族カルボン酸エステルやその誘導体、ジメトキシメタン、ジエチルエーテル、1,2―ジメトキシエタン、1,2−ジエトキシエタン、エトキシメトキシエタン、1,3−ジメトキシプロパン等の鎖状エーテルやその誘導体、テトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン、1,3−ジオキソラン等の環状エーテルやその誘導体、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0022】
溶質の非水電解液における濃度は、特に限定されないが0.2〜2モル/リットルが好ましく、特に0.5〜1.5モル/リットルが好ましい。
【0023】
実施の形態2
本実施の形態では、実施の形態1の非水電解液を含む非水電解液電池について説明する。非水電解液電池は、正極、負極、前記正極と負極の間に介在するセパレータおよび非水電解液から構成されている。
【0024】
(i)負極
負極は、例えば負極活物質、導電剤、結着剤等を含む負極合剤を集電体の表面に塗着して作製される。
負極活物質としては、金属リチウム、リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な材料等を使用する。
リチウムイオンを吸蔵・放出することが可能な材料としては、熱分解炭素、コークス(ピッチコークス、ニードルコークス、石油コークス等)、グラファイト、ガラス状炭素、有機高分子化合物焼成体(フェノール樹脂、フラン樹脂等を適当な温度で焼成し炭素化したもの)、炭素繊維、活性炭素等の炭素材料、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリアセン等のポリマー、Li4/3Ti5/34、TiS2等のリチウム含有遷移金属酸化物あるいは遷移金属硫化物、アルカリ金属と合金化するAl、Pb、Sn、Bi、Si等の金属、アルカリ金属を格子間に挿入することのできる立方晶系の金属間化合物(AlSb、Mg2Si、NiSi2)やリチウム窒素化合物(Li3-xxN(M:遷移金属))等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、アルカリ金属イオンを吸蔵・放出できる炭素材料が主流である。
【0025】
負極用導電剤は、電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカーボンブラック、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維、フッ化カーボン、銅、ニッケル等の金属粉末、ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、人造黒鉛、アセチレンブラック、炭素繊維が特に好ましい。
導電剤の使用量は特に限定されないが、負極活物質100重量部に対して、1〜50重量部が好ましく、特に1〜30重量部が好ましい。また、負極活物質は電子伝導性を有するため、導電剤を用いなくてもよい。
【0026】
負極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。好ましい結着剤としては、例えばポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、スチレンブタジエンゴム、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体を挙げることができる。これらは単独又は2種以上の混合物として用いることができる。これらのうちでは、スチレンブタジエンゴム、ポリフッ化ビニリデン、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体が特に好ましい。
【0027】
負極用集電体としては、電池の内部において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてはステンレス鋼、ニッケル、銅、チタン、炭素、導電性樹脂、銅やステンレス鋼の表面に炭素、ニッケル、チタン等を付着または被膜させたもの等が用いられる。これらのうちでは、特に銅または銅を含む合金が好ましい。また、これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。集電体の形状としては、フォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群の成形体等があげられる。集電体の厚さは、特に限定されないが一般に1〜500μmである。
【0028】
(ii)正極
正極は、例えば正極活物質、導電剤、結着剤等を含む正極合剤を集電体の表面に塗着して作製される。
正極活物質としては、例えばLixCoO2 、LixNiO2、LixMnO2 、LixCoyNi1-y2、LixCoy1-yz、LixNi1-yyz、LixMn24 、LixMn2-yy4 (ここで、M=Na、Mg、Sc、Y、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zn、Al、Cr、Pb、SbおよびBよりなる群から選ばれた少なくとも1種、0≦x≦1.2、0≦y≦0.9、2.0≦z≦2.3)が挙げられる。上記x値は、電池の充放電により増減する。また、遷移金属カルコゲン化物、リチウムを含んでいてもよいバナジウム酸化物やニオブ酸化物、共役系ポリマーからなる有機導電性物質、シェブレル相化合物等の正極活物質を用いることも可能である。複数の異なった正極活物質を混合して用いることも可能である。正極活物質粒子の平均粒径は、特に限定はされないが1〜30μmであることが好ましい。
【0029】
正極用導電剤は、用いる正極活物質の充放電電位において、化学変化を起こさない電子伝導性材料であれば何でもよい。例えば、天然黒鉛(鱗片状黒鉛等)、人造黒鉛等のグラファイト、アセチレンブラック、ケッチェンブラック、チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック、サーマルブラック等のカ−ボンブラック、炭素繊維、金属繊維等の導電性繊維、フッ化カーボン、銅、ニッケル、アルミニウム、銀等の金属粉末、酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性ウィスカー、酸化チタン等の導電性金属酸化物、ポリフェニレン誘導体等の有機導電性材料等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。これらのうちでは、人造黒鉛、アセチレンブラック、ニッケル粉末が特に好ましい。導電剤の使用量は、特に限定されないが、正極活物質100重量部に対して1〜50重量部が好ましく、特に1〜30重量部が好ましい。ただし、カーボンブラックやグラファイトの場合、正極活物質100重量部に対して2〜15重量部が特に好ましい。
【0030】
正極用結着剤としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のいずれであってもよい。本発明において好ましい結着剤は、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、フッ化ビニリデン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、エチレン−テトラフルオロエチレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、フッ化ビニリデン−ペンタフルオロプロピレン共重合体、プロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−クロロトリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−ヘキサフルオロプロピレン−テトラフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン−パーフルオロメチルビニルエーテル−テトラフルオロエチレン共重合体、エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸メチル共重合体、エチレン−メタクリル酸メチル共重合体を挙げることができる。これらのうちでは、特にポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレンが好ましい。
【0031】
正極用集電体としては、用いる正極活物質の充放電電位において化学変化を起こさない電子伝導体であれば何でもよい。例えば、材料としてはステンレス鋼、アルミニウム、チタン、炭素、導電性樹脂、アルミニウムやステンレス鋼の表面に炭素、チタン等を付着または被膜させたものが用いられる。特に、アルミニウムまたはアルミニウムを含む合金が好ましい。これらの材料の表面を酸化して用いることもできる。また、集電体表面に凹凸を付けることが望ましい。集電体の形状は、フォイル、フィルム、シート、ネット、パンチングされたもの、ラス体、多孔質体、発泡体、繊維群、不織布体の成形体等が用いられる。集電体の厚さは 、特に限定されないが一般に1〜500μmである。
【0032】
正極合剤または負極合剤には、導電剤や結着剤の他にも各種添加剤を含ませることができる。
【0033】
セパレータとしては、大きなイオン透過度と、所定の機械的強度を有する絶縁性の微多孔性薄膜が用いられる。また、一定温度以上で孔を閉塞し、抵抗をあげる機能を有することが好ましい。耐有機溶剤性と疎水性の点から、ポリプロピレン、ポリエチレン等からなるオレフィン系ポリマーまたはガラス繊維等からなるシート、不織布または織布が用いられる。セパレータが有する細孔の孔径は、電極から脱離した正極活物質や負極活物質、結着剤、導電剤が透過しない範囲であることが望ましく、例えば0.01〜1μmが望ましい。セパレータの厚さは、一般的には10〜300μmである。また、空隙率は、一般的には30〜80%であることが望ましい。
【0034】
ポリマー材料に、非水電解液を保持させたゲルを正極合剤または負極合剤に含ませたり、非水電解液を保持するポリマー材料からなる多孔性のセパレータを正極または負極と一体化したりして、電池を構成することも可能である。前記ポリマー材料としては、非水電解液を保持できるものであればよいが、特にフッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンの共重合体が好ましい。
【0035】
非水電池の形状には、コイン形、ボタン形、シート形、積層形、円筒形、偏平形、角形、電気自動車等に用いる大形等がある。
本発明の非水電解液電池は、携帯情報端末、携帯電子機器、家庭用小型電力貯蔵装置、自動二輪車、電気自動車、ハイブリッド電気自動車等に用いることができるが、特にこれらに限定されるわけではない。
【0036】
実施の形態3
本実施の形態では、電解コンデンサに好適な非水電解液ついて説明する。本実施の形態の非水電解液は、以下の溶質を以下の非水溶媒に溶解すれば得られる。
【0037】
(i)溶質
本実施の形態の非水電解液は、一般式:M”BR1234(M”はアンモニウム基、R1〜R4は電子吸引基であり、R1〜R4は同時にフッ素原子となることはない)で表される溶質を含んでいる。
【0038】
前記電子吸引基の少なくとも1つは、一般式:Cn2n+1(nは1〜4の整数)またはCm2m+1SO2(mは1〜4の整数)で表される。また、一般式:Cn2n+1で表される基を有するアニオンは、一般式:Cm2m+1SO2で表される基を有するアニオンよりも小さいため、前者を含む非水電解液のイオン伝導度の方が高くなる。従って、一般式:Cn2n+1(nは1〜4の整数)で表される基の方がより好ましい。
フッ素以外の電子吸引基の数は、1個以上あればよいが、合成が容易である点などから、2〜3個が好ましい。例えば、一般式:M”B(Cn2n+122で表される溶質や一般式:M”B(Cn2n+13Fで表される溶質が好ましい。
n、mは、1〜4の整数であればよいが、n、mが小さすぎると電子吸引基の電子吸引効果が小さくなり、大きすぎるとアニオン径が大きくなってしまうことから、特に2であることが好ましい。
【0039】
アンモニウム基は、一般式:NR5678(R5〜R8はそれぞれ独立に水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基である)で表されるものが好ましい。なかでもR5〜R8の全てがアルキル基であることが好ましく、特に炭素数1〜4のアルキル基であることが好ましい。例えば、一般式:N(Ck2k+14(kは1〜4の整数)で表されるアンモニウム基が好ましい。
【0040】
前記溶質の具体例としては、(CH34NB(CF34、(CH34NBF(CF33、(CH34NBF2(CF32、(CH34NBF3(CF3)、(CH34NB(C254、(CH34NBF(C253、(CH34NBF2(C252、(CH34NBF3(C25)、(C254NB(CF34、(C254NBF(CF33、(C254NBF2(CF32、(C254NBF3(CF3)、(C254NB(C254、(C254NBF(C253、(C254NBF2(C252、(C254NBF3(C25)、((CH33C)4NB(CF34、((CH33C)4NBF(CF33、((CH33C)4NBF2(CF32、((CH33C)4NBF3(CF3)、((CH33C)4NB(C254、((CH33C)4NBF(C253((CH33C)4NBF2(C252、((CH33C)4NBF3(C25)、(CH34NB(CF3SO24、(CH34NBF(CF3SO23、(CH34NBF2(CF3SO22、(CH34NBF3(CF3SO2)、(CH34NB(C25SO24、(CH34NBF(C25SO23、(CH34NBF2(C25SO22、(CH34NBF3(C25SO2)、(C254NB(CF3SO24、(C254NBF(CF3SO23、(C254NBF2(CF3SO22、(C254NBF3(CF3SO2)、(C254NB(C25SO24、(C254NBF(C25SO23、(C254NBF2(C25SO22、(C254NBF3(C25SO2)、((CH33C)4NB(CF3SO24、((CH33C)4NBF(CF3SO23、((CH33C)4NBF2(CF3SO22、((CH33C)4NBF3(CF3SO2)、((CH33C)4NB(C25SO24、((CH33C)4NBF(C25SO23、((CH33C)4NBF2(C25SO22、((CH33C)4NBF3(C25SO2)等があげられる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。このような溶質を用いることにより、広い温度範囲で使用でき、誘電損失が少なく、充放電特性に優れた非水電解液電解コンデンサを得ることができる。
【0041】
非水電解液は、さらにMClO4 、MBF4 、MPF6 、MAlCl4、MSbF6、MSCN、MCF3SO3 、MCF3CO2 、M(CF3SO22、MAsF6 、MB10Cl10、低級脂肪族カルボン酸の4級アンモニウム塩、MCl、MBr、MI、クロロボランの4級アンモニウム塩、ビステトラフルオロメタンスルホン酸イミドリチウム((CF3SO22NLi)、テトラフルオロメタンスルホン酸ノナフルオロブタンスルホン酸イミドリチウム(LiN(CF3SO2)(C49SO2))、ビスペンタフルオロエタンスルホン酸イミドリチウム((C25SO22NLi)等のイミド塩等を含有してもよい。
【0042】
(ii)非水溶媒
非水溶媒としては、プロトン性の有機極性溶媒であるエタノール、プロパノール、ブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、シクロブタノール、シクロペンタノール、ベンジルアルコール等の1価アルコール、エチレングリコール、プロピレングリコール、グリセリン、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、メトキシプロピレングリコール、ジメトキシプロパノール等の多価アルコールおよびオキシアルコール化合物等が挙げられる。
また、非プロトン性の有機極性溶媒としては、N−メチルホルムアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−エチルホルムアミド、N,N−ジエチルホルムアミド等のアミド化合物、γ−ブチロラクトン、γ−バレロラクトン等の環状カルボン酸エステル、炭酸エチレン、炭酸プロピレン、炭酸ブチレン、炭酸ビニレンといった環状炭酸エステル、ジメチルスルホキシド、1,3−ジオキソラン、ホルムアミド、アセトアミド、ジメチルホルムアミド、ジオキソラン、アセトニトリル、プロピルニトリル、ニトロメタン、エチルモノグライム、リン酸トリエステル、トリメトキシメタン、ジオキソラン誘導体、スルホラン、メチルスルホラン、1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン、3−メチル−2−オキサゾリジノン、エチルエーテル、1,3−プロパンサルトン、アニソール、ジメチルスルホキシド、N−メチルピロリドン等を挙げることができる。これらは単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0043】
溶質の非水溶媒に対する量は、特に限定されないが、非水溶媒100重量部に対して0.1〜40重量部が好ましい。
【0044】
非水電解液には、ホウ酸、ホウ酸と多糖類(マンニット、ソルビット等)との錯化合物、ホウ酸と多価アルコール(エチレングリコール、グリセリン等)との錯化合物、界面活性剤、コロイダルシリカ等を添加することによって、耐電圧の向上を図ることができる。
さらに、漏れ電流の低減や水素ガスを吸収させる目的で、p−ニトロ安息香酸、p−ニトロフェノール等の芳香族ニトロ化合物、リン酸、亜リン酸、ポリリン酸、酸性リン酸エステル化合物等のリン含有化合物、オキシカルボン酸化合物等を電解液に添加してもよい。
【0045】
実施の形態4
本実施の形態では、実施の形態3の非水電解液を含む非水電解液電解コンデンサについて説明する。非水電解液電解コンデンサは、誘電体層を有する陽極箔、陰極箔、前記陽極箔と陰極箔の間に介在するセパレータおよび非水電解液から構成されている。
セパレータを介在させて積層した陽極箔と陰極箔を巻回してコンデンサ素子を形成し、このコンデンサ素子を非水電解液に含浸させ、非水電解液を含んだコンデンサ素子を外装ケースに収納し、封口体でケースを封口すると電解コンデンサが得られる。
【0046】
陽極箔としては、例えばアルミニウム箔が用いられる。陽極箔上に誘電体層を形成するには、例えば陽極箔に表面積を拡大するためのエッチング処理を施した後、ホウ酸中で300〜600Vの電圧を印加すればよい。このような工程により、誘電体となる酸化物の膜が陽極箔上に形成される。
陰極箔としては、例えばアルミニウム箔等が用いられる。
セパレータとしては、例えばクラフトパルプ繊維からなる不織布または織布が用いられる。
【0047】
【実施例】
以下、実施例に基づいて本発明を具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0048】
《実施例1》
表1に示す溶質を1.0モル/リットルの濃度で炭酸エチレンと炭酸エチルメチルの混合溶媒(体積比1:3)に溶解させた電解液A〜Rを調製した。ブリッジ型導電率計を用いて20℃で測定した各電解液のイオン伝導度の結果を表1に示す。なお、比較のためにLiBF4およびLiPF6を用いた同濃度の電解液についても測定を行った。
【0049】
【表1】
Figure 0004817484
【0050】
本実施例の結果から、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つをパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキルスルホン酸基に置換したホウ酸塩を用いると、LiBF4を用いた場合に比べて非水電解液のイオン伝導度が高まることがわかった。
【0051】
《実施例2》
実施例1で調製した電解液A〜Rの電位窓の測定を行った。
参照極および対極にはLi箔、試料極には白金板(表面積1cm2)を用いた。自然電位からアノード方向に速度10mV/秒で電位走査を行い、100μA/cm2の電流が流れた電位を酸化分解電位とした。一方、同様のセルで、自然電位から還元方向に速度10mV/秒で電位走査を行い、100μA/cm2の電流が流れた電位を還元分解電位とした。結果を表2に示す。
【0052】
【表2】
Figure 0004817484
【0053】
本実施例の結果によると、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つをパーフルオロアルキル基またはパーフルオロアルキルスルホン酸基に置換したホウ酸塩の電位窓は、LiBF4と同等またはそれ以上であることから、これらのホウ酸塩はリチウムイオン電池などの非水電解液電池に好適であることがわかる。
【0054】
《実施例3》
実施例1で調製した電解液A〜Rを用いて円筒形のリチウムイオン電池A〜Rをそれぞれ製造した。図1に製造した電池の縦断面図を示す。
正極板1は、コバルト酸リチウム粉末85重量部、導電剤である炭素粉末10重量部および結着剤であるポリフッ化ビニリデン5重量部を混合し、脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを調製し、アルミニウム箔の正極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延して作製した。
【0055】
負極板2は、人造黒鉛粉末75重量部、導電剤である炭素粉末20重量部および結着剤であるポリフッ化ビニリデン5重量部を混合し、脱水N−メチルピロリジノンに分散させてスラリーを調製し、銅箔の負極集電体上に塗布し、乾燥後、圧延して作製した。
【0056】
正極板1、負極板2および両者の間に介在するポリエチレン製のセパレータ3からなる積層体を複数回渦巻状に巻回して極板群を得、ステンレス鋼からなる電池ケース8内に収納した。そして、正極板1からはアルミニウムからなる正極リード4を引き出し、封口板9に接続した。負極板2からはニッケルからなる負極リード5を引き出し、電池ケース8の底部に接続した。6および7は絶縁リングであり、極板群の上下部にそれぞれ設けた。電解液A〜Rを電池ケースに注入してから最後に封口板9で電池ケース8を封口し、電池を得た。
【0057】
得られた電池は直径18mm、高さ65mm、公称容量1800mAhである。この電池を4.2Vの定電圧で充電した電池を360mAおよび3600mAの放電電流でそれぞれ放電して得られた放電容量を表3に示す。
また、360mAでの放電後、再度、4.2Vの定電圧で充電を行ってから60℃で1ヶ月間保存した電池を3600mAで放電したときの放電容量も表3に示す。
【0058】
【表3】
Figure 0004817484
【0059】
表3に示したように、本発明によれば、高率放電特性に優れ、高温保存特性に優れた信頼性の高いリチウムイオン電池を得ることができることがわかる。
【0060】
《実施例4》
表4に示す溶質を1.0モル/リットルの濃度で炭酸エチレンと炭酸エチルメチルの混合溶媒(体積比1:3)に溶解させた非水電解液1〜27を調製した。、ブリッジ型導電率計を用いて20℃で測定した各電解液のイオン伝導度の結果を表4に示す。なお、比較のために(CH34NBF4、(C254NBF4および((CH33C)4NBF4を用いた同濃度の電解液についても測定を行った。
【0061】
【表4】
Figure 0004817484
【0062】
本実施例の結果から、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つをパーフルオロアルキル基に置換したホウ酸塩を用いると、フッ素をパーフルオロアルキル基に置換していないホウ酸塩を用いた場合に比べて非水電解液のイオン伝導度が高くなることがわかる。
【0063】
《実施例5》
実施例4で調製した非水電解液1〜27の電位窓の測定を実施例2と同様に行った。結果を表5に示す。
【0064】
【表5】
Figure 0004817484
【0065】
本実施例の結果によると、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つをパーフルオロアルキル基に置換したホウ酸塩の電位窓は、フッ素をパーフルオロアルキル基に置換していないものと同等またはそれ以上であることから、これらのホウ酸塩は電解コンデンサに好適であるといえる。
【0066】
《実施例6》
実施例4で調製した電解液1〜27をそれぞれ駆動用電解液とした電解コンデンサを以下の要領で作製した。
まず、厚さ100μmのアルミニウム箔を準備し、その表面を電解によりエッチング処理した。次いで、アルミニウム箔をホウ酸中に浸漬し、500Vの電圧を印加して15分間放置した。その結果、アルミニウム箔の表面には、誘電体層となる酸化アルミニウムの膜が形成された。次いで、クラフトパルプ繊維からなるセパレータを介在させて積層した誘電体層を有する陽極箔とアルミニウム箔の陰極箔とを巻回してコンデンサ素子を形成した。このコンデンサ素子を非水電解液に含浸させ、非水電解液を含んだコンデンサ素子をアルミニウムの外装ケースに収納し、封口体でケースを封口して電解コンデンサを得た。
【0067】
得られた電解コンデンサの周波数特性を評価した。まず、図2に示すような回路に基づいて、直流電源11、電解コンデンサ(C)12、抵抗体(R)13、リレースイッチ14および電圧計15からなる充放電装置を組み立てた。直流電源の負極、電解コンデンサの陰極箔側および抵抗体はアースした。そして、リレースイッチをduty比0.5(50%)の60Hz(サイクル/秒)で切り替えて電解コンデンサにパルス電圧を印加した。ただし、印加電圧の上限を3.0Vに設定した。電解コンデンサにおける陰極箔の電位と陽極箔の電位との差の変化を図3に示す。ここで、それぞれの充電区間において、充電開始後1/240秒後の電解コンデンサの電圧値を記録した。10秒間測定を行い、その間に記録された電圧値の平均値を表6に示す。充電による陽極箔の電位の上昇が速いほど、充放電特性が優れていると言える。
【0068】
【表6】
Figure 0004817484
【0069】
本実施例の結果より、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つをパーフルオロアルキル基に置換したホウ酸塩を用いたコンデンサは、非水電解液のイオン伝導度の増大によって周波数特性が向上していることがわかる。
【0070】
また、充電電圧を上げて同様の測定を行った場合、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つ以上をパーフルオロアルキル基に置換したホウ酸塩を用いた電解コンデンサは、充放電特性の劣化がほとんど起こらなかった。なお、充放電特性の劣化は、耐酸化電圧の低いアニオンの分解が起こることに起因すると考えられる。この結果より、BF4アニオン部のフッ素の少なくとも1つをパーフルオロアルキル基に置換したホウ酸塩を用いることにより、電解コンデンサの耐電圧の向上が図れることがわかった。
【0071】
【発明の効果】
本発明によれば、四フッ化ホウ酸リチウムと同程度の熱安定性を有し、アニオン部の電気陰性度が高く、イオン解離しやすい溶質を用いているため、非水電解液のイオン伝導度が高められ、高率充放電特性等に優れた新規な非水系電気化学装置が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の円筒形非水電解液電池の一例の縦断面図である。
【図2】電解コンデンサの周波数特性を調べるために用いた充放電装置の回路を示す図である。
【図3】パルス電圧を印加した電解コンデンサの両側の電位差の変化を示す図である。
【符号の説明】
1 正極板
2 負極板
3 セパレータ
4 正極リード
5 負極リード
6、7 絶縁リング
8 電池ケース
9 封口板
11 直流電源
12 電解コンデンサ
13 抵抗体
14 リレースイッチ
15 電圧計

Claims (7)

  1. 非水溶媒および一般式:MBR1234(Mはアルカリ金属またはアンモニウム基、R1〜R4は電子吸引基)で表される溶質からなり、
    前記電子吸引基の少なくとも1つが、一般式:C n 2n+1 (nは1〜4の整数)またはC m 2m+1 SO 2 (mは1〜4の整数)で表されることを特徴とする非水電解液。
  2. 前記溶質が、LiB(CF34、LiBF(CF33、LiBF2(CF32、LiBF3(CF3)、LiB(C254、LiBF(C253、LiBF2(C252、LiBF3(C25)、LiB(CF3SO24、LiBF(CF3SO23、LiBF2(CF3SO22、LiBF3(CF3SO2)、LiB(C25SO24、LiBF(C25SO23、LiBF2(C25SO22およびLiBF3(C25SO2)よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなる請求項1記載の非水電解液。
  3. 前記アンモニウム基が、一般式:NR5678(R5〜R8はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アルケニル基またはアリール基)で表される請求項1記載の非水電解液。
  4. 前記溶質が、(CH34NB(CF34、(CH34NBF(CF33、(CH34NBF2(CF32、(CH34NBF3(CF3)、(CH34NB(C254、(CH34NBF(C253、(CH34NBF2(C252、(CH34NBF3(C25)、(C254NB(CF34、(C254NBF(CF33、(C254NBF2(CF32、(C254NBF3(CF3)、(C254NB(C254、(C254NBF(C253、(C254NBF2(C252、(C254NBF3(C25)、((CH33C)4NB(CF34、((CH33C)4NBF(CF33、((CH33C)4NBF2(CF32、((CH33C)4NBF3(CF3)、((CH33C)4NB(C254、((CH33C)4NBF(C253、((CH33C)4NBF2(C252、((CH33C)4NBF3(C25)、(CH34NB(CF3SO24、(CH34NBF(CF3SO23、(CH34NBF2(CF3SO22、(CH34NBF3(CF3SO2)、(CH34NB(C25SO24、(CH34NBF(C25SO23、(CH34NBF2(C25SO22、(CH34NBF3(C25SO2)、(C254NB(CF3SO24、(C254NBF(CF3SO23、(C254NBF2(CF3SO22、(C254NBF3(CF3SO2)、(C254NB(C25SO24、(C254NBF(C25SO23、(C254NBF2(C25SO22、(C254NBF3(C25SO2)、((CH33C)4NB(CF3SO24、((CH33C)4NBF(CF3SO23、((CH33C)4NBF2(CF3SO22、((CH33C)4NBF3(CF3SO2)、((CH33C)4NB(C25SO24、((CH33C)4NBF(C25SO23、((CH33C)4NBF2(C25SO22および((CH33C)4NBF3(C25SO2)よりなる群から選ばれた少なくとも1種からなる請求項1記載の非水電解液。
  5. 請求項1記載の非水電解液を含む非水電気化学装置。
  6. 正極、負極、前記正極と負極との間に介在するセパレータおよび請求項記載の非水電解液からなる非水電解液電池。
  7. 誘電体層を有する陽極箔、陰極箔、前記陽極箔と陰極箔との間に介在するセパレータおよび請求項記載の非水電解液からなる非水電解液電解コンデンサ。
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