JP4817018B2 - 車両用操舵装置 - Google Patents

車両用操舵装置 Download PDF

Info

Publication number
JP4817018B2
JP4817018B2 JP2007128259A JP2007128259A JP4817018B2 JP 4817018 B2 JP4817018 B2 JP 4817018B2 JP 2007128259 A JP2007128259 A JP 2007128259A JP 2007128259 A JP2007128259 A JP 2007128259A JP 4817018 B2 JP4817018 B2 JP 4817018B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
steering
cable
pulley
hydraulic
cables
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP2007128259A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2008280001A (ja
Inventor
良平 葉山
賢司 東
真悟 前田
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
JTEKT Corp
Original Assignee
JTEKT Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by JTEKT Corp filed Critical JTEKT Corp
Priority to JP2007128259A priority Critical patent/JP4817018B2/ja
Publication of JP2008280001A publication Critical patent/JP2008280001A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4817018B2 publication Critical patent/JP4817018B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Steering Control In Accordance With Driving Conditions (AREA)

Description

この発明は、自動車等の車両に用いられる車両用操舵装置に関するものである。
車両用操舵装置には、ケーブルによって、操舵部材に入力された操舵トルクを転舵機構に伝達するものがある(例えば、特許文献1参照)。
特許文献1では、操舵部材側に配置された第1のプーリと、転舵機構側に配置された第2のプーリと、第1および第2のプーリを動力伝達可能に連結する一対のケーブルとを含む車両用操舵装置が開示されている。
一対のケーブルは、それぞれ、アウターケーブルとインナーケーブルとを含む。インナーケーブルは、アウターケーブル内を移動可能である。各インナーケーブルの一端部は、第1のプーリに互いに逆方向に螺旋状に巻き付けられている。また、各インナーケーブルの他端部は、第2のプーリに互いに逆方向に螺旋状に巻き付けられている。
操舵部材が操舵されると第1のプーリが回転し、この回転によって、一方のインナーケーブルの一端部が第1のプーリにさらに巻き付けられる。これにより、上記一方のインナーケーブルに張力が付与される。そして、この張力によって、上記一方のインナーケーブルの他端部が第2のプーリから巻き出されて第2のプーリが回転する。このとき、インナーケーブルは、アウターケーブル内を移動する。アウターケーブルは、インナーケーブルの移動経路を区画している。
特開2002−225733号公報
一対のケーブルは、通常、車体の内部において他の部材に沿うようにして配設されている。そのため、一対のケーブルには、それぞれ湾曲部が形成されている。
一方、インナーケーブルがアウターケーブル内を移動する際、インナーケーブルによってアウターケーブルが押されて上記湾曲部が変形する場合がある。湾曲部が変形するとインナーケーブルの移動経路が変わるので、第1および第2のプーリ間での回転の伝達に、伝達遅れが生じる場合がある。すなわち、操舵部材の操舵に対する転舵機構の応答性が悪化する場合がある。
この発明は、かかる背景のもとになされたものであり、転舵機構の応答性の悪化を防止することができる車両用操舵装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するための本発明は、少なくとも1つの湾曲部(26)を有するアウターケーブル(36,38)およびアウターケーブル内に収容された動力伝達用のインナーケーブル(37,39)を有するケーブル(21,22)を含み、操舵部材(2)と転舵機構(3)とを機械的に連結可能な伝達機構(18)と、上記アウターケーブルの湾曲部に係合することにより上記湾曲部の変形量を抑制可能な抑制部材(33,51)と、この抑制部材を駆動するためのアクチュエータ(32,52)と、を備えた車両用操舵装置(1,1a)である。
本発明によれば、アクチュエータによって抑制部材を駆動することにより、上記湾曲部の変形量を抑制部材によって抑制することができる。具体的には、抑制部材からアウターケーブルに、上記湾曲部が変形する方向と反対方向の力を加えさせることにより、上記湾曲部の変形量を抑制することができる。これにより、インナーケーブルの移動経路の変化を防止することができるので、転舵機構の応答性の悪化を防止することができる。
また、本発明において、上記抑制部材は、インナーケーブルに張力が負荷されているときに、上記湾曲部の湾曲内側への変形量を抑制するようにしてある場合がある。この場合、インナーケーブルの張力が作用している上記湾曲部に対して、当該張力の作用する方向と反対向きの力を抑制部材から加えることで、当該湾曲部が湾曲内側へ変形することを抑制することができる。
また、本発明において、上記抑制部材は油圧プランジャ(33)を含み、上記アクチュエータは転舵に伴って油圧プランジャに油圧を供給可能な油圧シリンダ(32)を含む場合がある。
この場合、転舵輪(5)の転舵に伴って油圧シリンダ内で油圧が発生し、この油圧が油圧プランジャに伝達されることで、当該油圧プランジャが駆動される。これにより、油圧プランジャから上記湾曲部に、当該湾曲部が変形させられる方向と反対向きの力を加えることができる。
また、本発明において、上記転舵機構は、転舵に伴って軸方向(X1)に移動する転舵軸(10)を含み、上記油圧シリンダは、転舵軸と軸方向に同行移動するピストン(45)と、このピストンによって仕切られた一対の油室(46)とを含む場合がある。
この場合、転舵軸とともにピストンが軸方向に移動することで、一方の油室内で作動油が圧縮されて油圧が発生し、この油圧によって油圧プランジャが駆動される。これにより、上記湾曲部の変形が抑制される。ピストンを転舵軸と軸方向に同行移動させることで、転舵軸の軸方向移動量に応じた大きさの油圧を発生させることができる。
また、本発明において、上記伝達機構は、異常発生のときに、上記ケーブルを介して操舵部材と転舵機構とを機械的に連結するように機能し、通常のときに、操舵部材と転舵輪との機械的な連結を解除するように機能し、上記通常のときに、上記油圧プランジャと油圧シリンダとの間の油路(34)を遮断する弁(35)が設けられている場合がある。
この場合、上記通常のときに、油圧プランジャと油圧シリンダとの間の油路が弁によって遮断されるので、油圧シリンダから油圧プランジャへの油圧の伝達が停止される。すなわち、上記通常のときは、伝達機構による動力の伝達が行われないので、抑制部材による上記湾曲部の変形の抑制を停止してもよい。
また、本発明において、上記抑制部材は電磁プランジャ(51)を含む場合がある。この場合、アクチュエータとしての電力供給源(52)によって電磁プランジャを駆動することにより、上記湾曲部の変形量を当該電磁プランジャによって抑制することができる。
なお、上記において、括弧内の英数字は、後述の実施形態における対応構成要素の参照符号を表すものであるが、これらの参照符号により特許請求の範囲を限定する趣旨ではない。
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置1の概略構成を示す模式図である。
図1を参照して、本実施形態に係る車両用操舵装置1は、操舵部材と転舵機構とが機械的に連結されていないステアバイワイヤ式の車両用操舵装置であり、ステアリングホイール等の操舵部材2と、ラックアンドピニオン機構等の転舵機構3とを備えている。
操舵部材2は、車体(図示せず)に対して回転可能に支持されたステアリングシャフト4の一端に連結されている。また、ステアリングシャフト4の途中部には、反力用の電動モータ6が連結されている。この反力用の電動モータ6によって、操舵部材2の操舵角等に応じた操舵反力が操舵部材2に付与される。
また、ステアリングシャフト4に沿う電動モータ6と操舵部材2との間には、操舵角センサ7と、トルクセンサ8とが配置されている。操舵角センサ7によって、操舵部材2の操舵角および操舵方向を検出することができる。また、トルクセンサ8によって、操舵部材2に加えられた操舵トルクを検出することができる。操舵角センサ7およびトルクセンサ8によって検出された検出値は、ECU9(Electronic Control Unit:電子制御ユニット)に入力されるようになっている。
転舵機構3は、車両の左右方向に延びる転舵軸としてのラック軸10と、このラック軸10と対をなすピニオン軸11と、ラック軸10に転舵力を付与するための転舵アクチュエータ12とを含む。ラック軸10の軸方向X1の所定範囲には、ラック13が形成されている。ピニオン軸11の先端部(図1では下端)には、上記ラック13と噛み合うピニオン14が連結されている。
ラック軸10は、車体に固定された図示しないハウジング内で軸方向移動可能に支持されている。ラック軸10の両端部にはそれぞれタイロッド15が結合されている。各タイロッド15にはナックルアーム(図示せず)を介して転舵輪5が連結されている。ラック軸10を軸方向X1に移動させることにより、転舵輪5を転舵させることができる。また、転舵輪5の転舵角の大きさは、ラック軸10の軸方向移動量に比例するようになっている。
転舵アクチュエータ12は、電動モータ16と、電動モータ16の回転をラック軸10の軸方向移動に変換するための変換機構(図示せず)とを含む。ラック軸10は、転舵アクチュエータ12からの転舵力を受けて軸方向X1に移動する。
操舵部材2が操舵(回転)されると、操舵部材2の操舵角および操舵トルクがそれぞれ操舵角センサ7およびトルクセンサ8によって検出される。また、車速センサ17によって車速が検出される。そして、これらのセンサ7,8,17によって検出された検出値は、ECU9に入力される。ECU9は、入力された検出値に基づいて電動モータ16を制御する。これにより、操舵角等に応じた大きさの転舵力が転舵アクチュエータ12からラック軸10に付与される。これにより、転舵輪5の転舵が達成される。
一方、ECU9は、転舵アクチュエータ12の制御とともに、反力用の電動モータ6の制御を行う。具体的には、ECU9が、操舵角センサ7により検出された操舵部材2の操舵角等に基づいて電動モータ6を制御する。これにより、操舵部材2の操舵角等に応じた大きさの操舵反力が、操舵部材2を介して、運転者に付与される。すなわち、この車両用操舵装置1では、操舵部材と転舵機構とが機械的に連結された車両用操舵装置と同様の操舵フィーリングが運転者に付与されるようになっている。
本実施形態に係る車両用操舵装置1は、当該車両用操舵装置1の異常時、例えば、転舵アクチュエータ12やこれに関連する構成の故障によって、ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置として機能しなくなったときに、操舵部材2と転舵機構3とを機械的に連結して、転舵輪5を転舵できるようになっている。すなわち、車両用操舵装置1は、操舵部材2と転舵機構3とを機械的に連結するための伝達機構18を備えている。
伝達機構18は、操舵部材2と転舵機構3とを機械的に連結するとともに、操舵部材2に入力された操舵トルクを転舵機構3に伝達することができる。伝達機構18は、車両用操舵装置1に異常が発生したときに、操舵部材2と転舵機構3とを機械的に連結するように機能し、通常のときに、操舵部材2と転舵機構3との機械的な連結を解除するように機能する。
具体的には、伝達機構18は、操舵部材2と転舵機構3との間において操舵部材2側に配置された第1のプーリ19と、転舵機構3側に配置された第2のプーリ20と、この第1のプーリ19および第2のプーリ20を動力伝達可能に連結する一対のケーブル21,22(第1のケーブル21および第2のケーブル22)と、操舵部材2と転舵機構3との機械的連結および連結解除を実行する連結機構23とを含む。
第1のプーリ19は、第1のハウジング24内に収容されている。また、第2のプーリ20は、第2のハウジング25内に収容されている。一対のケーブル21,22の一端は、それぞれ第1のハウジング24に固定されている(具体的には、後述するアウターケーブル36,38の一端がそれぞれ第1のハウジング24に固定されている)。また、一対のケーブル21,22の他端は、それぞれ第2のハウジング25に連結されている(具体的には、アウターケーブル36,38の他端がそれぞれ第2のハウジング25に固定されている)。
各ケーブル21,22は、その両端のみが固定されており、その中間部は拘束されていない。すなわち、各ケーブル21,22の中間部は、車体の内部において他の部材(図示せず)に沿うようにして配設されている。各ケーブル21,22の中間部には、少なくとも1つの湾曲部26が形成されている。湾曲部26は、各ケーブル21,22の配設状態に応じた所定の位置に形成されている。湾曲部26の位置は、車体の内部のレイアウトによって概ね特定される。本実施形態では、湾曲部26が一対のケーブル21,22に1つずつ形成されている例について説明する。
第2のプーリ20は、ピニオン軸11に同行回転可能に連結されている。第1のプーリ19は、ステアリングシャフト4と同行回転可能に連結されるようになっている。すなわち、第1のプーリ19とステアリングシャフト4とは、連結機構23によって機械的に連結されるようになっている。連結機構23は、第1のプーリ19とステアリングシャフト4との機械的連結および連結解除を実行することができる。
連結機構23は、ステアリングシャフト4と同軸に配置された第1の軸27および第2の軸28と、第1の軸27と第2の軸28との間で互いに対向する第1の部材29および第2の部材30とを含む。第1の軸27は、ステアリングシャフト4の他端(操舵部材2が連結された側と反対側の端部)に同行回転可能に連結されている。第2の軸28は、第1のプーリ19に同行回転可能に連結されている。第1の部材29は第1の軸27に固定されている。第2の部材30は第2の軸28に固定されている。
第1の部材29および第2の部材30の一方に対して他方を押圧させることにより、第1のプーリ19とステアリングシャフト4とを機械的に連結することができる。連結機構23による第1のプーリ19とステアリングシャフト4との機械的連結および連結解除は、ECU9によって制御される。連結機構23としては、例えば、電磁クラッチ、摩擦クラッチ、噛み合いクラッチ等が挙げられる。
第1のプーリ19とステアリングシャフト4とが機械的に連結された状態で、操舵部材2が操舵されると、操舵部材2とともに、ステアリングシャフト4および第1のプーリ19が回転する。そして、この第1のプーリ19の回転は、一対のケーブル21,22によって第2のプーリ20に伝達される。第2のプーリ20が回転すると、ピニオン軸11が第2のプーリ20と同行回転する。ピニオン軸11の回転は、ピニオン14およびラック13によって、ラック軸10の軸方向移動に変換される。これにより、転舵輪5の転舵が達成される。
伝達機構18に関連して、車両用操舵装置1は、一対のケーブル21,22の湾曲部26の変形量(湾曲部26の湾曲状態の変化の大きさ)を抑制するための抑制機構31を備えている。抑制機構31は、抑制部材としての一対の油圧プランジャ33と、この一対の油圧プランジャ33を駆動するアクチュエータとしての油圧シリンダ32とを含む。一対の油圧プランジャ33と一対のケーブル21,22とは、一対一で対応している。各油圧プランジャ33が対応するケーブル21,22の湾曲部26に、当該湾曲部26が変形する方向と反対向きの力を加えることで、当該湾曲部26の変形量を抑制することができる。
各油圧プランジャ33と油圧シリンダ32とは、それぞれ配管34によって連結されている。各油圧プランジャ33の内部空間と油圧シリンダ32の内部空間とは、配管34の内部空間を含む油路を介して連通している。各配管34には、バルブ35が介装されている。また、一方の配管34と、他方の配管34とは連結配管34aによって連結されている。連結配管34aには、バルブ35aが介装されている。
バルブ35aを閉じた状態で、一対のバルブ35を開くことにより、油圧シリンダ32から一方の油圧プランジャ33に作動油を供給することができる。また、一対のバルブ35を閉じた状態で、バルブ35aを開くことにより、油圧シリンダ32から送り出された作動油を、連結配管34aを介して油圧シリンダ32に還流させることができる。
油圧シリンダ32から一対の油圧プランジャ33への作動油の供給は、上記異常のときに行われる。すなわち、抑制機構31による一対のケーブル21,22の湾曲部26の変形量の抑制は、操舵部材2と転舵機構3とが機械的に連結される上記異常のときに行われる。各バルブ35,35aの開閉は、ECU9によって制御される。
次に、第1のプーリ19および第2のプーリ20間での動力の伝達について詳しく説明する。
図2は、第1のプーリ19、第2のプーリ20、一対のケーブル21,22およびこれらに関連する構成の模式的な断面図である。
図1および図2を参照して、第1のプーリ19には、連結機構23の第2の軸28が同軸的に連結されている。第1のプーリ19とステアリングシャフト4とが機械的に連結された状態で、操舵部材2が操舵されると、第1のプーリ19は、その中心軸線まわりに回転する。また、第2のプーリ20には、ピニオン軸11が同軸的に連結されている。一対のケーブル21,22(第1のケーブル21および第2のケーブル22)を介して第1のプーリ19から第2のプーリ20に回転が伝達されると、第2のプーリ20は、その中心軸線まわりに回転する。第1のプーリ19および第2のプーリ20の外周には、それぞれ螺旋状の巻き溝が形成されている。
図2を参照して、第1のケーブル21は、筒状の第1のアウターケーブル36と、この第1のアウターケーブル36内を挿通する第1のインナーケーブル37とを含む。第2のケーブル22は、筒状の第2のアウターケーブル38と、この第2のアウターケーブル38内を挿通する第2のインナーケーブル39とを含む。
第1のアウターケーブル36および第2のアウターケーブル38は、それぞれ例えば合成樹脂等の可撓性のある材料で形成されている。第1のインナーケーブル37および第2のインナーケーブル39は、それぞれ例えば金属製のワイヤーにより構成されている。第1のインナーケーブル37は、第1のアウターケーブル36内を移動可能である。第2のインナーケーブル39は、第2のアウターケーブル38内を移動可能である。
第1のインナーケーブル37の一端部は、第1のハウジング24に形成された筒状のガイド部40を通じて第1のハウジング24内に導入されている。また、第1のインナーケーブル37の他端部は、第2のハウジング25に形成された筒状のガイド部42を通じて第2のハウジング25内に導入されている。
同様に、第2のインナーケーブル39の一端部は、第1のハウジング24に形成された筒状のガイド部41を通じて第1のハウジング24内に導入されている。また、第2のインナーケーブル39の他端部は、第2のハウジング25に形成された筒状のガイド部43を通じて第2のハウジング25内に導入されている。
各インナーケーブル37,39の一端部は、互いに重なり合わないように、巻き溝に沿って互いに逆方向に第1のプーリ19に巻き付けられている。また、各インナーケーブル37,39の他端部は、互いに重なり合わないように、巻き溝に沿って互いに逆方向に第2のプーリ20に巻き付けられている。
第1のアウターケーブル36の一端は、第1のハウジング24に固定されており、他端は、第2のハウジング25に固定されている。また、第2のアウターケーブル38の一端は、第1のハウジング24に固定されており、他端は、第2のハウジング25に固定されている。
第1のプーリ19が右回りに回転すると、第1のインナーケーブル37の一端部が第1のプーリ19にさらに巻き付けられて、第1のインナーケーブル37に張力が付与される。そして、この張力によって、第1のインナーケーブル37の他端部が第2のプーリ20から巻き出される。これにより、第2のプーリ20に回転力が与えられ、第2のプーリ20が回転する。
一方、第2のインナーケーブル39の一端部は、第1のプーリ19が回転することにより、第1のプーリ19から巻き出される。また、第2のインナーケーブル39の他端部は、第2のプーリ20が回転することにより第2のプーリ20にさらに巻き付けられる。
すなわち、第1のインナーケーブル37が引っ張られることで、第1のプーリ19から第2のプーリ20に回転が伝達される。一方、第2のインナーケーブル39は、第1のプーリ19および第2のプーリ20に従動する。第1のプーリ19の回転方向が変わると、第2のインナーケーブル39が引っ張られ、第1のインナーケーブル37が巻き出される。すなわち、第1のプーリ19の回転方向によって、引き側のケーブルと巻き出し側のケーブルが入れ替わるようになっている。
第1のプーリ19および第2のプーリ20が回転することにより、各インナーケーブル37,39は、対応するアウターケーブル36,38内を移動する。各アウターケーブル36,38は、対応するインナーケーブル37,39の移動経路を区画している。
続いて、抑制機構31の構成および機能について詳しく説明する。
図3は、抑制機構31を含む車両用操舵装置1の一部の模式図である。図3を参照して、油圧シリンダ32は、ラック軸10を取り囲むシリンダチューブ44と、このシリンダチューブ44内でラック軸10に固定された環状のピストン45とを含む。ラック軸10は、油圧シリンダ32のピストンロッドとして機能する。
シリンダチューブ44の両端部とラック軸10との間は封止されている。シリンダチューブ44とラック軸10との間には、ほぼ密閉された筒状の空間が形成されている。この筒状の空間には作動油が充填されている。また、この筒状の空間は、ピストン45によって、ラック軸10の軸方向X1に二つに仕切られている。すなわち、シリンダチューブ44とラック軸10との間には、ピストン45によって仕切られた一対の油室46が形成されている。一対の油圧プランジャ33の内部空間は、それぞれ、一対の油室46と連通している。
一対の油圧プランジャ33は、一対のケーブル21,22の湾曲部26に対応する位置で車体の一部100に固定されている。具体的には、各油圧プランジャ33は、湾曲部26が形成される上記所定の位置の近傍に配置されている。各油圧プランジャ33は、シリンダチューブ47と、このシリンダチューブ47から一端が突出するピストンロッド48と、シリンダチューブ47内においてピストンロッド48の先端に固定されたピストン49とを含む。各油圧プランジャ33の内部には、作動油が充填された油室50が形成されている。ピストンロッド48およびピストン49は、シリンダチューブ47に対して相対移動可能である。
ラック軸10が軸方向X1の一方側(図3では右側)に移動すると、ラック軸10とピストン45とが軸方向X1の一方側に同行移動する。これにより、ラック軸10の軸方向移動量に応じた量の作動油が、上記一方の油室46に対応する油圧プランジャ33(図3では上側の油圧プランジャ33。以下では「第1の油圧プランジャ33」ともいう。)に供給される。すなわち、ラック軸10の移動量に比例して作動油の供給量が多くなるように設定されている。第1の油圧プランジャ33は、作動油が供給されることで駆動される。
具体的には、第1の油圧プランジャ33のピストン49およびピストンロッド48が作動油の供給によって移動する(図3では、左に移動する)。ピストン49およびピストンロッド48の移動量は、作動油の供給量に比例して大きくなる。すなわち、ラック軸10の移動量に比例して、ピストン49およびピストンロッド48の移動量が大きくなる。
ピストンロッド48が所定量以上移動すると、ピストンロッド48の先端が第1のケーブル21の湾曲部26の湾曲内側に係合して、第1のケーブル21の湾曲部26が当該ピストンロッド48の先端によって押される。具体的には、第1のケーブル21の湾曲部26が、その湾曲内側への変形が抑制されるように押される。このとき、第1の油圧プランジャ33によって押されている第1のケーブル21は、引き側のケーブルとなっている。すなわち、抑制機構31は、引き側のケーブルの湾曲部26を押すようになっている。したがって、ラック軸10が軸方向X1の他方側に移動すると、第2のケーブル22の湾曲部26が押されるようになっている。
図1および図3を参照して、上述のように、一対のケーブル21,22を介して第1のプーリ19から第2のプーリ20に回転が伝達されるとき、引き側となるインナーケーブル(第1のインナーケーブル37または第2のインナーケーブル39)には、張力が付与される。このとき、引き側のインナーケーブルに対応するアウターケーブル(第1のアウターケーブル36または第2のアウターケーブル38)が、当該インナーケーブルに押されて変位または変形する場合がある。具体的には、湾曲部26の曲率半径が大きくなるように上記引き側のインナーケーブルに対応するアウターケーブルが変形する場合がある(図3中の二点鎖線参照)。転舵輪5の転舵角が大きくなると引き側のインナーケーブルに加わる張力が大きくなり易いので、湾曲部26の変形は、転舵輪5の転舵角が大きい場合に生じ易い。
しかしながら、インナーケーブル37,39の移動経路を区画するアウターケーブル36,38に変形が生じると、インナーケーブル37,39の移動経路が変わってしまう。これにより、第1のプーリ19および第2のプーリ20間での回転の伝達に、伝達遅れが生じる場合がある。すなわち、操舵部材2の操舵に対する転舵機構3の応答性が悪化する場合がある。
一方、本実施形態に係る車両用操舵装置1では、一対の油圧プランジャ33から一対のケーブル21,22に、アウターケーブル36,38の湾曲部26がその湾曲内側に変形させられる方向と反対向きの力を付与することができる。したがって、アウターケーブル36,38の湾曲部26の変形量を抑制することができる。これにより、転舵機構3の応答性の悪化を防止することができる。
また、各油圧プランジャ33から対応するアウターケーブル36,38に加わる押し付け圧は、ラック軸10の移動量、すなわち、転舵輪5の転舵角が大きくなるにしたがって大きくなるように設定されている。したがって、転舵輪5の転舵角が大きくなって引き側のインナーケーブルに加わる張力が大きくなっても、この張力に対応した押し付け圧で当該インナーケーブルに対応するアウターケーブルの湾曲部26を押すことができる。これにより、湾曲部26の変形を確実に抑制することができる。また、ラック軸10の移動量に応じて押し付け圧が変化するので、油圧シリンダ32に対して付加的な制御を行うことなく、効率的に湾曲部26の変形を抑制することができる。
さらに、油圧を用いて一対の油圧プランジャ33を駆動することで、アウターケーブル36,38が一対の油圧プランジャ33によって勢いよく押されることを防止することができる。これにより、インナーケーブル37,39とアウターケーブル36,38とが擦れて、これらのケーブル36〜39が損傷することを防止することができる。すなわち、アウターケーブル36,38に急激な力が加わると、アウターケーブル36,38が対応するインナーケーブル37,39に押し付けられて、インナーケーブル37,39とアウターケーブル36,38とが過度に摩擦接触する場合がある。しかしながら、本実施形態のように、油圧により一対の油圧プランジャ33を駆動することでアウターケーブル36,38をゆっくりと押すことができる。これにより、ケーブル36〜39が損傷することを防止することができる。
図4は、本発明の他の実施形態に係る車両用操舵装置1aの概略構成を示す模式図である。この図4において、上述の図1に示された各部と同等の構成部分については、図1と同一の参照符号を付してその説明を省略する。
図4を参照して、この図4に示す実施形態が、図1に示す実施形態と主に相違するのは、抑制部材として一対の電磁プランジャ51が用いられていることにある。
一対の電磁プランジャ51と一対のケーブル21,22とは、一対一で対応している。各電磁プランジャ51には、アクチュエータとしての電力供給源52から電力が供給されるようになっている。各電磁プランジャ51は、電力供給源52からの電力供給を受けて駆動される。各電磁プランジャ51は、そのロッド53によって対応するケーブル21,22を押すことで、湾曲部26の変形量を抑制することができる。
電力供給源52から各電磁プランジャ51への電力の供給は、ECU9によって制御される。ECU9は、転舵輪5の転舵角が大きくなるにつれて、電力供給源52から各電磁プランジャ51に供給される電力が大きくなるように電力供給源52を制御する。したがって、各電磁プランジャ51は、転舵輪5の転舵角が大きくなるにつれて、より大きな力で湾曲部26を押すようになっている。これにより、湾曲部26の変形を確実に抑制することができる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。例えば、上述の実施形態では、車両用操舵装置として、ステアバイワイヤ式の車両用操舵装置を例示したが、これに限らず、その他の形式の車両用操舵装置に本発明を適用してもよい。
また、上述の実施形態では、一対の油圧プランジャ33または一対の電磁プランジャ51によって、一対のケーブル21,22を押すことにより、アウターケーブル36,38の湾曲部26の変形量を抑制する例について説明したが、これ以外の方法によって当該湾曲部26の変形を抑制してもよい。例えば、上記プランジャ33,51によって、アウターケーブル36,38の湾曲部26が変形させられる方向と反対方向に一対のケーブル21,22を引くことで、当該湾曲部26の変形量を抑制してもよい。
また、上述の実施形態では、一対のケーブル21,22に湾曲部26が1つずつ形成されている例について説明したが、湾曲部26が複数形成されている場合にも、本発明を適用することができる。この場合、湾曲部26毎に抑制部材を設けることが好ましい。
本発明の一実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。 第1のプーリ、第2のプーリ、一対のケーブルおよびこれらに関連する構成の模式的な断面図である。 抑制機構を含む車両用操舵装置の一部の模式図である。 本発明の他の実施形態に係る車両用操舵装置の概略構成を示す模式図である。
符号の説明
1,1a・・・車両用操舵装置、2・・・操舵部材、3・・・転舵機構、10・・・ラック軸(転舵軸)、18・・・伝達機構、21・・・第1のケーブル(ケーブル)、22・・・第2のケーブル(ケーブル)、26・・・湾曲部、31・・・抑制機構、32・・・油圧シリンダ(アクチュエータ)、33・・・油圧プランジャ(抑制部材)、34・・・配管(油路)、35・・・バルブ(弁)、36・・・第1のアウターケーブル(アウターケーブル)、37・・・第1のインナーケーブル(インナーケーブル)、38・・・第2のアウターケーブル(アウターケーブル)、39・・・第2のインナーケーブル(インナーケーブル)、45・・・ピストン、46・・・油室(一対の油室)、51・・・電磁プランジャ(抑制部材)、52・・・電力供給源(アクチュエータ)、X1・・・軸方向

Claims (6)

  1. 少なくとも1つの湾曲部を有するアウターケーブルおよびアウターケーブル内に収容された動力伝達用のインナーケーブルを有するケーブルを含み、操舵部材と転舵機構とを機械的に連結可能な伝達機構と、
    上記アウターケーブルの湾曲部に係合することにより上記湾曲部の変形量を抑制可能な抑制部材と、
    この抑制部材を駆動するためのアクチュエータと、を備えた車両用操舵装置。
  2. 請求項1において、上記抑制部材は、インナーケーブルに張力が負荷されているときに、上記湾曲部の湾曲内側への変形量を抑制するようにしてあることを特徴とする車両用操舵装置。
  3. 請求項1または2において、上記抑制部材は油圧プランジャを含み、
    上記アクチュエータは転舵に伴って油圧プランジャに油圧を供給可能な油圧シリンダを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
  4. 請求項3において、上記転舵機構は、転舵に伴って軸方向に移動する転舵軸を含み、
    上記油圧シリンダは、転舵軸と軸方向に同行移動するピストンと、このピストンによって仕切られた一対の油室とを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
  5. 請求項3または4において、上記伝達機構は、異常発生のときに、上記ケーブルを介して操舵部材と転舵機構とを機械的に連結するように機能し、通常のときに、操舵部材と転舵輪との機械的な連結を解除するように機能し、
    上記通常のときに、上記油圧プランジャと油圧シリンダとの間の油路を遮断する弁が設けられていることを特徴とする車両用操舵装置。
  6. 請求項1または2において、上記抑制部材は電磁プランジャを含むことを特徴とする車両用操舵装置。
JP2007128259A 2007-05-14 2007-05-14 車両用操舵装置 Expired - Fee Related JP4817018B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007128259A JP4817018B2 (ja) 2007-05-14 2007-05-14 車両用操舵装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007128259A JP4817018B2 (ja) 2007-05-14 2007-05-14 車両用操舵装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2008280001A JP2008280001A (ja) 2008-11-20
JP4817018B2 true JP4817018B2 (ja) 2011-11-16

Family

ID=40141172

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007128259A Expired - Fee Related JP4817018B2 (ja) 2007-05-14 2007-05-14 車両用操舵装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4817018B2 (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130005577U (ko) * 2012-03-14 2013-09-25 엘에스산전 주식회사 가스절연개폐장치

Family Cites Families (7)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH0168285U (ja) * 1987-10-23 1989-05-02
JP3850078B2 (ja) * 1996-10-07 2006-11-29 中央発條株式会社 自動車用パワーステアリング装置
JP2002225733A (ja) * 2001-01-29 2002-08-14 Koyo Seiko Co Ltd 車両用操舵装置
JP4066779B2 (ja) * 2002-10-22 2008-03-26 トヨタ自動車株式会社 操舵装置
JP4193636B2 (ja) * 2003-08-18 2008-12-10 株式会社ジェイテクト 車両用操舵装置
JP2006159965A (ja) * 2004-12-02 2006-06-22 Nissan Motor Co Ltd ケーブル式操舵装置
JP2006306169A (ja) * 2005-04-26 2006-11-09 Jtekt Corp 車両用操舵装置

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20130005577U (ko) * 2012-03-14 2013-09-25 엘에스산전 주식회사 가스절연개폐장치
KR200482204Y1 (ko) 2012-03-14 2016-12-29 엘에스산전 주식회사 가스절연개폐장치

Also Published As

Publication number Publication date
JP2008280001A (ja) 2008-11-20

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US7308964B2 (en) Vehicle steering apparatus
CN100480115C (zh) 车辆转向控制装置
JP5019104B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2010143241A (ja) 操舵制御装置
US7604083B2 (en) Steering apparatus for a vehicle
JP2010188930A (ja) 操舵入力装置および操舵制御装置
JP4817018B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2007038893A (ja) スタビライザ制御装置
JP2006327425A (ja) 車両用操舵装置
JP5120603B2 (ja) 車両用操舵装置
JP4115286B2 (ja) 電動パワーステアリング装置
JP4774947B2 (ja) 可変舵角操舵装置、自動車、操舵系の収縮方法及び遊星ローラ機構
JP4178320B2 (ja) 車両用操舵装置
KR20160014800A (ko) 스티어 바이 와이어 시스템
JP2008280003A (ja) 車両用操舵装置
JP2020029233A (ja) 車両の動力伝達装置
JP4066779B2 (ja) 操舵装置
JP2010132060A (ja) 電動パワーステアリング装置
KR20060124923A (ko) 레이저와 실린더를 이용한 조향 장치
JP2008302894A (ja) 車両用操舵装置
JP6729116B2 (ja) ステアバイワイヤ方式の操舵装置
JP4594129B2 (ja) 車両の操舵装置
JP4349103B2 (ja) 車両用操舵装置
JP2005082007A (ja) パワーステアリング装置
JP2007261507A (ja) 油圧パワーステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100414

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110727

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110804

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110817

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140909

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees