JP4816837B2 - スラーゲージ - Google Patents
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Description
【発明が属する技術分野】
本発明は、オフセット印刷機の印刷障害である、印刷ダブリを、容易に識別ができるスラーゲージに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
印刷機械の精度、若しくは印刷資材の不適合によって、印刷画像が二重になってしまう印刷ダブリ(Dubling)や、網点に尾や髭状の汚れがつくスラー、等の印刷障害が発生する。ダブリが発生すると、肉眼には絵柄の濃淡の変化として感じられ、印刷見本と調子加減の差異を生じ、印刷品質面での大きな障害となる。従来は、このダブリを検出するのには、作業者の経験を頼りに識別を行うか、若しくはルーペやマイクロスコープ等の機器を用いて網点を観察して識別していた。
【0003】
ダブリの原因としては、例えば、印刷用紙に起因するもの、回転数に起因するもの、用紙供給機(フィーダー部) に起因するもの、印刷機の機構に起因するもの等々と、実にさまざまなものがある。しかも作業者にとって、ダブリがいったん発生してしまうと、ダブリを抑えるためには、作業者の経験に基づいて調整を行うか、若しくは印刷機を止めて調整をしなくてはならないため生産性にも大きく影響してくる。そのため、作業者は常に印刷機の状態を把握しておき、前もって対策を講じることがダブリに対してもっとも効果的な対処法であるといえる。
【0004】
印刷機の状態を把握するには、その印刷機で刷られた、数枚の印刷物だけでは判断できないため、より多くの印刷物を観察することが必要となる。しかし、実際に作業者が印刷物の網点をルーペやマイクロスコープを用いて作業するには負荷が大きく、多くの印刷物の網点を観察することは事実上不可能であるといえる。またここで、作業者が印刷機の状態を把握するのに、厳密な値のダブリ量やダブリ方向を必ずしも必要とはしないことを明記しておく。
【0005】
スラーゲージとはルーペやマイクロスコープ等を用いずにダブリの識別を容易にするものであって、作業者は印刷物のスラーゲージを眺めるだけで、印刷物におけるダブリを、識別可能とするものである。代表的なスラーゲージとして、図1に示す(a)の一般的なスラーゲージ以外にも、(b)のGAFTのスラーゲージやLITHOSのシグナルストリップ等が知られている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
一般的なスラーゲージの構成を図1(a)に示す。図1(a)に示すスラーゲージは、万線部1,2のみから構成されたゲージである。いま、図2に示すようにダブリが万線部1とθだけ成す方向に、ダブリ量Sだけ発生した場合を考える、すると、図3に示すようにそれぞれ万線部1,2が、結果としてゲージ全体の濃淡が変化するため、万線部1,2との濃度差からダブリを識別できる。
【0007】
前記GAFTのスラーゲージやLITHOSのシグナルストリップを代表とする多くのダブリを識別可能とするスラーゲージの概略を図1(b)に示す。図1(b)に示すものは、いずれも互いに垂直な縦線と横線の万線部3,4から構成されており、ダブリの識別を容易にするため、文字と背景がその縦、横の万線部で構成されている。ここでまた、図2のようにダブリ量Sのダブリが、万線3に対して方向θへ発生すると、図3に示されるように、万線部3,4が各々太くなるので、文字と背景に濃度差が生じる。その結果として文字が認識でき、ダブリが容易に識別できる。
【0008】
しかし、上述した一般的なスラーゲージやGAFT、LITHOS等の多くのスラーゲージには、次の問題がある。その問題とは、横万線1又は3と縦万線2又は4のいずれに対しても、θが約45度を成す方向に発生するダブリには、縦と横の万線がほとんど同様に太くなる。結果として万線部自体の濃度は変化するものの、互いの万線部の濃度に差がないため、ダブリを識別することが困難となってしまう。
【0009】
本発明は、前記の問題点に鑑みなされたもので、その目的とするところは、およそのダブリ量および方向を容易に識別することが可能で、しかもダブリの発生方向により識別が困難となることのないスラーゲージを提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
斯かる目的を達成する本発明の構成は、互いに垂直な万線の組み合わせを一組のゲージ部とすると、傾きの異なる2組のゲージ部から構成されており、発生したダブリの方向に依存せずに、およそのダブリ量とその方向を、容易に識別することができることを特徴としたスラーゲージ。請求項1において、「互いに垂直な」とは完全に90度である場合だけでなく、60度〜120度でも充分使用可能なので、「互いに垂直な」とはこの場合も含む。また、そのスラーゲージを印刷した印刷物である。
【0011】
<作用>本発明のスラーゲージによれば、傾きの異なる2組のゲージ部より構成されており、ダブリがいかなる方向に発生しても、いずれかのゲージ部の万線の濃度差が現れ、その万線が浮かび上がってくるので、ダブリに対して容易に識別が可能となる。しかもおおよその方向や、ダブリ量も容易に知ることができる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について図面を参照にして詳細に説明する。図1(C)、図4に本発明の例を示す。図1(C)は本発明のスラーゲージの概略図を示したものである。また、図4は、印刷物9において、とんぼ10の外側の余白に各色ごとに、図1(C)に示した本発明のスラーゲージ11が印刷されている様子を示したものである。ここで、ゲージ部の万線部は、ダブリを識別する上で適当な、例えば線巾0.25mm、線数2本/mm程度で、また図1(C)におけるのゲージ1とゲージ部2の成す角度は45度程度を有する。
【0013】
以下に、ダブリが発生した際のスラーゲージの役割について説明する。まず図2に示すように、本来あるべき網点に対してダブリ量S、方向θが発生すると、それぞれの万線はダブリの影響を受けて太る。その様子を図3に示す。しかも、方向θによりその太り具合が変化してその太り具合の差が濃度差となる。したがって、その濃度差によりダブリが識別できるのである。
【0014】
ここで、2つ以上のゲージ部がそれぞれ異なる適当な傾きを持っていると、すべての方向のダブリに対しても、一定の識別能力を保つことができる。それを示しているのが図5である。図5は2組のゲージ部からなり、ゲージ部1とゲージ部2が45度の傾きを持っているときのスラーゲージにおける各万線の太り具合を示したものである。ただし、ダブリ量は一定で、方向のみが変化する場合を想定している。図6には、本発明のスラーゲージとGAFT、LITHOSのスラーゲージとの識別能力の比較したものを示す。図6では、一方のゲージ部の識別能力が低くなると、もう一方のゲージ部の識別能力が高くなるので、どの方向へダブリが生じても一定の識別能力を有していることが確認できる。
【0015】
図7に、およそ万線3および5に対して135度方向に発生したダブリを、前記GAFTのスラーゲージと本発明のスラーゲージで印刷した際の結果を示す。図7(a)によるとGAFTのスラーゲージでは識別できないダブリを、本発明のスラーゲージでは図7(b)のように、容易に識別が可能になっていることが確認できる。
【0016】
ダブリ量を把握する方法について述べる。前述したように、作業者に求められているダブリ量はそれほど厳密なものではなく、大まかな量でよい。ここで、ダブリは一定の方向のみに発生していて、ダブリ量のみが変化したとすると、本発明スラーゲージにおいて、ダブリ量の大きさは、万線部の濃度の差と比例してくるため、スラーゲージの万線部がはっきりと認識できるほど大きなダブリ量であるといえる。であるから、目安を設けておくことで大まかなダブリ量が把握できる。ただし、万線の線巾によりダブリの識別能力が異なってくるので、適当な線巾を設定する必要がある。例えば、ダブリ量0.1mm以上のダブリを識別したいときは線巾0.1mm以上の万線を用いないとダブリ量が線巾を超えてしまい、識別できなくなってしまう。
【0017】
次にダブリの方向を把握する方法について述べる。作業者に求められているダブリ方向もまた、大まかな方向でよい。ここで、ダブリ量は一定で方向のみが変化したとすると、本発明スラーゲージにおいては、ダブリの方向によってゲージ部の万線毎5、6又は7、8に太り具合が異なり、濃度差が生じる。すると、ダブリ方向に応じて万線の濃度が変化して現れる。つまり、いずれかのゲージ部の万線5、6又は7、8のどちらかが濃くなることでダブリ方向の識別できるため、万線で文字や矢印等の方向がわかりやすいものを構成すると、より識別が容易になる。ただし、スラーゲージを構成するゲージ部どうしの傾きが小さいと、識別能力が低下するため、少なくとも、45度程度傾いた2つ以上のゲージ部を用いることが望ましい。
【0018】
【発明の効果】
本発明のスラーゲージによれば、2組の傾きの異なる互いに垂直な万線部でスラーゲージを構成することで、従来では容易に識別できなかったダブリを容易に識別することが可能となった。しかも、従来のスラーゲージが持っていたダブリ量の識別能力はそのまま維持している。これにより、作業者は印刷物が印刷されると容易にダブリの識別が可能となり、作業負荷を増大することなく印刷機のダブリ状態を把握できるので、ダブリ発生前に対処ができ、万一発生したときも本発明スラーゲージを用いてダブリを識別しながら調整可能となる、そしてダブリ原因の早期解明にも役立てることが可能となる、等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】さまざまなスラーゲージの概略図を示している。(a)は一般的なスラーゲージ、(b)はGAFTのスラーゲージ(一部分のみ)の拡大図、(c)は本発明のスラーゲージであり、2つのゲージ部が傾き45度を有するときの実施例を示している。
【図2】ダブリの際の、網点の拡大図である。
【図3】ダブリの際の、万線の太りの概略図である。(a)は縦の万線について示しており(b)は横の万線について示している。
【図4】本発明のスラーゲージを用いて印刷された印刷物の概略図である。
【図5】本発明スラーゲージにてダブリが発生したときの各万線の太り具合を示した模式図である。
【図6】ゲージ部の傾き45度のスラーゲージのダブリ方向に対する、識別能力グラフ。
【図7】実際にスラーゲージを用いた実施例、方向θ=135度方向、ダブリ量は30μmのダブリ発生時、(a)はGAFTのスラーゲージ使用時の拡大写真、(b)は本発明スラーゲージを使用時の拡大写真。
【符号の説明】
1、2,3,4,5,6,7,8…万線部
9…スラーゲージ貼り付け印刷物
10…とんぼ
11…各色のスラーゲージ
Claims (2)
- 印刷画像が二重になってしまうダブリや網点に尾や髭状の汚れが発生するスラー、等の印刷障害(以降ダブリと称す)の発生を印刷物のスラーゲージを眺めるだけで容易に検出するスラーゲージであって、発生したダブリの方向に依存せず、およそのダブリ量とその方向を、容易に識別可能とするために、互いに垂直な万線の組み合わせを一組のゲージ部とすると、傾きの異なる2組のゲージ部から構成され、前記2組のゲージ部の成す角度は45度であり、前記万線は線巾0.25mm、線数2本/mm程度であることを特徴としたスラーゲージ。
- 請求項1記載のスラーゲージを印刷したことを特徴とした印刷物。
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