JP4816547B2 - マルチキャリア通信装置 - Google Patents

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本発明は、マルチキャリア通信信号が伝送される伝送路に接続されて通信を行うマルチキャリア通信装置に関するものである。
近年、デジタル通信の高速化に伴い、その通信方式として直交周波数多重方式(OFDM)が用いられている。このOFDM方式は、複数のサブキャリアにデータを割り当て、高効率の伝送を行う。サブキャリアに割り当てるデータは、1/0のビットを多値のシンボルにマッピングした、いわゆる多値変調されたデータが用いられ、変調方式(以下、一次変調方式と称す。一方、上記OFDM方式は二次変調方式である。)によって多値度が異なる。データの多値度が高い一次変調方式を用いると伝送効率は高くなるが、ビット誤り率(Bit Error Rate:以下、BER)も高くなる。
さらに、高速通信には強力な誤り訂正機能が用いられ、データの冗長度によって符号化率が変化し、符号化率が低いほど誤り訂正能力が高くなる。伝送路がよい状態のときは、符号化率が高く、高多値度のデータを用いることで高効率化を図ることができ、伝送路が悪い状態のときは、符号化率が低く、低多値度のデータを用いる。
つまり、伝送路毎に最も効率のよい通信を行うために、伝送路の状態によって符号化率、一次変調方式を選択している。(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−319900号公報
上記特許文献1は、マルチキャリア通信信号が伝送される伝送路に接続されて通信を行うマルチキャリア通信装置であって、受信したマルチキャリア通信信号から、複数のサブキャリアの各々について雑音レベルを測定する雑音レベル測定部と、測定された複数の雑音レベルの測定値について統計をとり、この統計に基づいて、複数の一次変調方式の各々に割り当てられる雑音レベルの閾値を設定する閾値設定部と、設定された閾値を用いて、サブキャリアの一次変調方式を、当該サブキャリアについて測定された雑音レベルに応じて決定する変調方式決定部とを備えている。
そして、閾値設定部は、一次変調方式の各々について所定のBERが得られる雑音レベルを初期閾値として保持し、初期閾値に、統計に基づいて求められる所定の変化量を加えることにより閾値を設定している。具体的には、初期閾値に基づいて決定される一次変調方式毎の雑音レベルに対応したBERについて、雑音レベルを有するサブキャリア数をウェイトとした加重平均を算出し、BERの加重平均の値と所定のBERとの差分に基づいて変化量を求めて閾値を設定する。
しかし、この構成では、一次変調方式毎に、BERの加重平均の値と所定のBERとの差分と、閾値の変化量とを対応付けたデータテーブルまたは換算式が必要となり、このデータテーブルまたは換算式を求めることは非常に煩雑であった。特に、誤り訂正において、符号化率が複数存在する場合、符号化率によって誤り訂正能力が異なり、さらに符号化率毎でもデータテーブルまたは換算式を求める必要があり、さらに煩雑になっていた。
また、閾値設定部は、変化量が加えられた閾値における加重平均を算出し、この加重平均が所定の範囲に収まるまで、変化量の算出および閾値の設定を繰り返し行うが、この所定の範囲の決定が煩雑であった。具体的には、所定の範囲を広くとると、伝送速度が最速化されず、所定の範囲を狭くとると、収束するまでの時間が長くなるか、または収束しない場合があった。
このように、従来のマルチキャリア通信を行う通信装置が、伝送路の状態によって一次変調方式を選択する場合、非常に煩雑な処理を行う構成となっていた。
本発明は、上記事由に鑑みてなされたものであり、その目的は、簡便な処理によって効率のよいマルチキャリア通信を行うことができるマルチキャリア通信装置を提供することにある。
請求項1の発明は、複数のサブキャリアを用いて、複数の変調方式からサブキャリア毎に設定された変調方式でマルチキャリア通信信号が伝送される伝送路に接続されて通信を行うマルチキャリア通信装置であって、受信したマルチキャリア通信信号から、サブキャリア毎の雑音レベルを測定する雑音レベル測定手段と、サブキャリア毎の雑音レベルに基づいて、サブキャリア毎のビット誤り率を変調方式に応じて導出するビット誤り率導出手段と、各変調方式におけるサブキャリア毎のビット誤り率のうち、小さい値から順に加算してその平均値を各々求める平均値算出手段と、算出された各平均値をビット誤り閾値と比較するビット誤り率比較手段と、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアを、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアに設定するサブキャリア設定手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、サブキャリア毎のビット誤り率の平均値に基づいて、各変調方式に用いるサブキャリアを設定することで、伝送路の状態によるサブキャリアの選択を従来に比べて簡便な処理で実現でき、さらにはサブキャリア毎に雑音レベルがどのように分布していても、全体として所望のビット誤り率を満たすように最大効率でのマルチキャリア通信を行うことができる。すなわち、簡便な処理によって効率のよいマルチキャリア通信を行うことができるのである。
請求項2の発明は、請求項1において、前記平均値算出手段は、最初に、最も伝送効率の高い変調方式におけるサブキャリア毎のビット誤り率のうち、小さい値から順に加算してその平均値を各々求め、前記ビット誤り率比較手段において当該平均値がビット誤り閾値を超えた場合は、前記サブキャリア設定手段が、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアを、最も伝送効率の高い変調方式を用いるサブキャリアに設定し、次に、平均値算出手段は、伝送効率が次に高い変調方式において、変調方式が未設定であるサブキャリア毎のビット誤り率のうち、小さい値から順に加算してその平均値を各々求め、ビット誤り率比較手段において当該平均値がビット誤り閾値を超えた場合は、サブキャリア設定手段が、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアを、伝送効率が次に高い変調方式を用いるサブキャリアに設定し、以降、当該動作を全ての変調方式について繰り返すことを特徴とする。
この発明によれば、サブキャリア毎のビット誤り率の平均値に基づいて、各サブキャリアの変調方式を設定することで、伝送路の状態による変調方式の選択を従来に比べて簡便な処理で実現できる。
請求項3の発明は、請求項2において、前記複数のサブキャリアはグループ化され、グループ毎に変調方式を設定することを特徴とする。
この発明によれば、変調方式の設定をグループ毎に行うことで、処理時の情報量が減少し、効率よく設定処理を行うことができる。
請求項4の発明は、請求項1において、前前記ビット誤り率導出手段、平均値算出手段、ビット誤り率比較手段、サブキャリア設定手段は全変調方式に対して各手段の動作を行って、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアを変調方式毎に導出し、変調方式毎に導出されたサブキャリアを用いたマルチキャリア通信の伝送速度を各々算出する伝送速度算出手段と、変調方式毎の伝送速度を互いに比較する伝送速度比較手段と、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアの変調方式を、最も伝送速度の高い変調方式に設定する変調方式設定手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアを全て同じ変調方式にして通信処理の簡略化を図りながら、伝送速度の高速化を実現できる。
請求項5の発明は、請求項1乃至4いずれかにおいて、送信信号に誤り訂正符号化を施す誤り訂正符号手段と、受信信号に誤り訂正復号化を施す誤り訂正復号手段と、誤り訂正符号手段および誤り訂正復号手段の符号化率をサブキャリア毎に設定する符号化率設定手段とを備えて、前記符号化率設定手段は、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアの通信に用いる符号化率を、当該ビット誤り閾値に応じて設定することを特徴とする。
この発明によれば、伝送路の状態によってサブキャリアの通信に用いる符号化率の設定を行うことができる。
請求項6の発明は、請求項1乃至5いずれかにおいて、変調方式に応じてサブキャリア毎の雑音レベルをビット誤り率に対応させたデータテーブル、または変調方式に応じてサブキャリア毎の雑音レベルからビット誤り率を算出する換算式を予め格納した記憶手段を備え、前記ビット誤り率導出手段は、記憶手段内のデータテーブルまたは換算式に基づいて、ビット誤り率を導出することを特徴とする。
この発明によれば、雑音レベルからビット誤り率を容易に導出できる。
請求項7の発明は、請求項1乃至6いずれかにおいて、通信中にビット誤り率を検出するビット誤り率検出手段と、検出したビット誤り率に応じてビット誤り閾値を設定するビット誤り閾値設定手段とを備えることを特徴とする。
この発明によれば、実際のビット誤り率を検出し、検出されたビット誤り率に基づいてビット誤り閾値を設定することで、ビット誤り率を低く抑えた上で、伝送速度の最速化を図ることができる。
請求項8の発明は、請求項1乃至7いずれかにおいて、前記ビット誤り率導出手段は、サブキャリア毎の雑音レベルとビット誤り率との対応を複数の1次線形関数によって近似した特性に基づいて、ビット誤り率を導出することを特徴とする。
この発明によれば、ビット誤り率の導出処理を単純化できる。
以上説明したように、本発明では、簡便な処理によって効率のよいマルチキャリア通信を行うことができるという効果がある。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(実施形態1)
図1は、本発明の実施形態に係るマルチキャリア通信装置100の構成を示すブロック図であり、受信装置1aと送信装置2とを備える。
図1において、受信装置1aは、A/D変換器11と、フーリエ変換器(FFT)またはウェーブレット変換器(DWT)等、所望の時間−周波数変換を行うためのマルチキャリア復調器12と、伝送路の影響をキャンセルするように受信信号を補正する等化器13と、パラレルデータをシリアルデータに変換するP/S変換器14と、マッピングされたシンボルデータを受信信号であるビットデータに変換するデマッパ15と、ビットデータに誤り訂正復号化を施す誤り訂正復号器16と、受信信号の雑音レベルから使用するサブキャリア、および各サブキャリアで使用する一次変調方式を決定する伝送路推定器17と、誤り訂正復号化を施された信号からビット誤り率を検出するビット誤り率検出部18と、検出したビット誤り率に基づいてビット誤り閾値を設定するビット誤り閾値設定部19とを備える。
送信装置2は、送信信号であるビットデータに誤り訂正符号化を施す誤り訂正符号器21と、誤り訂正符号化を施されたビットデータをシンボルデータに変換してシンボルマッピングを行うシンボルマッパ22と、シリアルデータをパラレルデータに変換するS/P変換器23と、逆フーリエ変換器(IFFT)や逆ウェーブレット変換器(IWFT)等、所望の周波数−時間変換を行うマルチキャリア変調器24と、D/A変換器25とを備える。
このような通信装置100の動作を、以下説明する。
まず、送信装置2では、誤り訂正符号器21によって送信するビットデータ(送信データ)に誤り訂正符号化を施した後、シンボルマッパ22によって送信データをシンボルデータに変換し、各シンボルデータに従って複素座標面にシンボルマッピング(PAM、QAM等の変調)を行う。そして、S/P変換器23でサブキャリアごとに実数値を与え、マルチキャリア変調器24で離散マルチキャリア信号に変換する。これによって時間軸波形のサンプル値を発生させ、伝送シンボルを表すサンプル値系列を生成する。次いで、不図示のP/S変換器によりシリアル変換した後、D/A変換器25により時間的に連続するベースバンド・アナログ信号波形の送信信号を生成する。
受信装置1aでは、通信線または電力線などの伝送路を介して受信されたアナログ信号(受信信号)をA/D変換器11により送信装置2と同じサンプルレートでサンプリングしてディジタル・ベースバンド信号に変換し、不図示のS/P変換器によりパラレルのサンプル値系列に変換する。そして、このサンプル値系列をマルチキャリア復調器12に入力し、不図示の同期回路で受信信号に同期させながら周波数軸上へ離散マルチキャリア変換し、等化器13において予め割り当てられた既知データと比較して等化量を求め等化する。その後、P/S変換器14によりシリアル信号に変換し、デマッパ15でシンボルマッパと逆の処理(復調)を行った後、誤り訂正復号器16によって誤り訂正復号化を施して受信データを得る。
ここで、マルチキャリア通信では、図2に示すように、各サブキャリアのS/N比(以下、SNR)が高いほど、ビット誤り率(Bit Error Rate:以下、BER)が低くなり(すなわち、雑音レベルが低いほど良好な通信を行うことができる)、SNRが閾値K10以下のサブキャリアは伝送路の状態が悪いと判断して使用しない。したがって、SNRが閾値K10以下のサブキャリアは有効に活用されることなく、伝送速度の向上を阻む要因となっていた。また、閾値K10を、加法的白色ガウス雑音(Additive White Gaussian Noise : AWGN)下で求めた閾値とした場合、周波数ダイバーシティ効果を活かせないでいた。
一方、本実施形態では、伝送路の状態等によって発生する誤りを訂正するための誤り訂正機能の考え方に注目した。誤り訂正としては、ターボ符号を用いた方式や、リードソロモン符号および畳み込み符号を用いた方式等があり、これらの誤り訂正の考え方は、「あるブロック内のエラーが所定数までなら完全に訂正できる」であり、つまり均一なバラツキを持つエラーと考えた場合、誤り訂正可能かどうかは、誤り訂正無しの状態(誤り訂正復号器16に入力されるデータ)でのBERによって決まる。そこで、本実施形態では、伝送路推定器17によって、サブキャリア毎に誤り訂正無しでのBERを見積もり、その平均が誤り訂正能力を超えないように、サブキャリアを選択することで、サブキャリアをできるだけ有効に活用して、伝送速度の向上を図っている。
以下、伝送路推定器17の動作について、図3のフローチャートで説明する。
伝送路推定器17は、雑音レベル測定部17aと、ソート部17bと、ビット誤り率導出部17cと、記憶部17dと、平均値算出部17eと、ビット誤り率比較部17fと、設定部17gとで構成され、設定部17gは、サブキャリア設定部17h、変調方式設定部17i、符号化率設定部17jを有する。
まず、雑音レベル測定部17aが、P/S変換器14の出力に基づき、各サブキャリアの雑音レベルとしてS/N比の逆数(以下、EVM:Error Vector Magnitude)を測定し、図4(a)に示すようにサブキャリアのindex番号に各EVMを対応付ける(ステップS1)。なお、図4では参考のためにEVMをSNRに換算した値も記す。そして、ソート部17bが、図4(b)に示すように、各サブキャリアのEVMを小さい順(伝送路の状態が良好な順)に並べ(ステップS2)、ビット誤り率導出部17cが、図4(c)に示すように、サブキャリア毎の誤り訂正なし時のBERをEVMに基づいて見積もる(ステップS3)。
本実施形態では、複数の一次変調方式として、伝送効率の低いものから順に、QAM(Quadrature AM)の16QAM、64QAM、256QAMの3パターンを選択可能に構成され、記憶部17dには、一次変調方式に応じてサブキャリア毎のEVMをBERに対応させたデータテーブル、または一次変調方式に応じてサブキャリア毎のEVMからBERを算出する換算式が予め格納されており、ビット誤り率導出部17cは、各サブキャリアのEVMを上記データテーブルまたは換算式に適用して、16QAM、64QAM、256QAMの各一次変調方式でのBERを見積もる。一次変調方式毎にEVMに対するBERの特性は異なるが、いずれの一次変調方式においても、EVMが大きい(雑音特性が悪い)ほど、BERが高くなる(受信データ中の誤りが多くなる)傾向が認められるが、伝送効率が低い一次変調方式ほど、大きいEVMで良好なBERが得られる。すなわち、雑音特性と伝送効率とは相反する関係にある。なお、図4(c)では、一次変調方式が256QAMの場合におけるBERのみを示す。
図5(a)は、一次変調方式が256QAMの場合におけるEVMとBERとの関係を示し、EVMが大きくなるにつれてBERも大きくなる曲線Yaで表され、この曲線Yaから上記データテーブルまたは換算式が作成される。
また、EVMが大きい場合には通信自体が不能となるので、実用上、EVMが小さい領域のみを考えればよく、この領域の曲線Yaは、EVMが0.0042以下では[BER=8.2084・EVM−0.0087]で表される直線Yb1(図5(b)参照)に近似され、EVMが0.0042以上では[BER=9.744・EVM−0.0151]で表される直線Yb2(図5(a)参照)に近似され、この2つの近似式に基づいて上記データテーブルまたは換算式を簡易的に作成してもよい。この直線Yb1,Yb2は、曲線Yaより大きい値をとるので、BERは大きめに見積もられており、したがって、記憶部17dに格納される上記データテーブルまたは換算式を単純化しながら、通信品質を維持することができる。
ここで、本実施形態では、通信品質を保つために要求されるBER(以下、所望BERという)を、誤り訂正後のデータ(誤り訂正復号器16から出力されるデータ)で10−6以下とする。そして、この誤り訂正後の所望BERを満たすために、誤り訂正前のデータ(誤り訂正復号器16に入力されるデータ)に求められるBERの閾値K(以下、ビット誤り閾値K)は、誤り訂正復号器16の誤り訂正能力によって決まり、誤り訂正能力は、符号化方式と符号化率とによって決定される。
符号化率とは、情報ビットの長さと符号長との比で表され、符号化率が高いほど冗長度は小さくなる。冗長度を小さくすると、伝送効率は上がるが、誤り訂正能力は低くなる。よって、ビット誤り閾値Kは、符号化方式、符号化率によって異なる値となる。例えば、畳み込み符号化されたデータは、符号化率が1/2の場合、情報ビット:冗長ビットが1:1となる。このデータに対し、規則的にビットを削るパンクチャード処理を行うことで、符号化率を高くすることができ、伝送効率は上がるが、誤り訂正能力は低くなる。
本実施形態では、誤り訂正復号器16および誤り訂正符号器21の誤り訂正機能は、符号化率設定部17jによって、その符号化率を「3/4」、「1/2」の2パターンから選択可能に構成されており、符号化率「3/4」のときはビット誤り閾値K1に設定され、符号化率「1/2」のときはビット誤り閾値K2に設定され、K1<K2の関係にある。
次に、平均値算出部17eは、図4(d)に示すように、256QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に1番目(以下、何番目という表現は、このEVMの小さい順に並べた番号を示す)から加算してその平均値(以下、平均BER)を求める(ステップS4)。
そして、ビット誤り率比較部17fは、256QAMの一次変調方式を用いた場合の平均BERを、まず、大きいほうの符号化率「3/4」のときのビット誤り閾値K1と比較する(ステップS5)。平均BERがビット誤り閾値K1以下であれば、上記平均BERに次のBERを加算して次の平均BERを求め(ステップS4)、ビット誤り率比較部17fは、新しい平均BERをビット誤り閾値K1と比較する(ステップS5)。すなわち、1番目の平均BERは最小BERであり、2番目の平均BERは1番目および2番目のBERの平均値であり、3番目の平均BERは1番目〜3番目のBERの平均値であり、以降、256QAMの一次変調方式を用いた場合のBERを最小値から順に1個づつ加算した平均値を求めて、符号化率「3/4」のときのビット誤り閾値K1と比較するのである。
そして、a+1番目の平均BERがビット誤り閾値K1を超えたとすると、この時点でステップS4,S5の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「3/4」で256QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS4,S5でビット誤り閾値K1を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜a番目のサブキャリアを設定する(ステップS6)。
次に、平均値算出部17eは、256QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に並べられたa+1番目のBER(すなわち、符号化率が未設定であるサブキャリアのBER)から平均BERの算出を開始し(ステップS7)、ビット誤り率比較部17fは、256QAMの一次変調方式を用いた場合の平均BERを、小さいほうの符号化率「1/2」のときのビット誤り閾値K2と比較する(ステップS8)。平均BERがビット誤り閾値K2以下であれば、上記平均BERに次のBERを加算して次の平均BERを求め(ステップS8)、ビット誤り率比較部17fは、新しい平均BERをビット誤り閾値K2と比較する(ステップS7)。すなわち、a+1番目の平均BERはa+1番目のBERであり、a+2番目の平均BERはa+1番目およびa+2番目のBERの平均値であり、a+3番目の平均BERはa+1番目〜a+3番目のBERの平均値であり、以降、256QAMの一次変調方式を用いた場合のBERをa+1番目から順に1個づつ加算した平均値を求めて、符号化率「1/2」のときのビット誤り閾値K2と比較するのである。
そして、b+1番目の平均BERがビット誤り閾値K2を超えたとすると、この時点でステップS7,S8の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「1/2」で256QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS7,S8でビット誤り閾値K2を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応するa+1〜b番目のサブキャリアを設定する(ステップS9)。
次に、平均値算出部17eは、64QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に並べられたb+1番目のBER(すなわち、一次変調方式が未設定であるサブキャリアのBER)から平均BERの算出を開始し(ステップS10)、ビット誤り率比較部17fは、64QAMの一次変調方式を用いた場合の平均BERを、まず、大きいほうの符号化率「3/4」のときのビット誤り閾値K1と比較する(ステップS11)。以降、64QAMの平均BERがビット誤り閾値K1を超えるまで上記平均BERの算出、比較処理を繰り返し、c+1番目の平均BERがビット誤り閾値K1を超えたとすると、この時点でステップS10,S11の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「3/4」で64QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS10,S11でビット誤り閾値K1を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応するb+1〜c番目のサブキャリアを設定する(ステップS12)。
次に、平均値算出部17eは、64QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に並べられたc+1番目のBER(すなわち、符号化率が未設定であるサブキャリアのBER)から平均BERの算出を開始し(ステップS13)、ビット誤り率比較部17fは、64QAMの一次変調方式を用いた場合の平均BERを、小さいほうの符号化率「1/2」のときのビット誤り閾値K2と比較する(ステップS14)。以降、64QAMの平均BERがビット誤り閾値K2を超えるまで上記平均BERの算出、比較処理を繰り返し、d+1番目の平均BERがビット誤り閾値K2を超えたとすると、この時点でステップS13,S14の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「1/2」で64QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS13,S14でビット誤り閾値K2を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応するc+1〜d番目のサブキャリアを設定する(ステップS15)。
次に、平均値算出部17eは、16QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に並べられたd+1番目のBER(すなわち、一次変調方式が未設定であるサブキャリアのBER)から平均BERの算出を開始し(ステップS16)、ビット誤り率比較部17fは、16QAMの一次変調方式を用いた場合の平均BERを、まず、大きいほうの符号化率「3/4」のときのビット誤り閾値K1と比較する(ステップS17)。以降、16QAMの平均BERがビット誤り閾値K1を超えるまで上記平均BERの算出、比較処理を繰り返し、e+1番目の平均BERがビット誤り閾値K1を超えたとすると、この時点でステップS16,S17の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「3/4」で16QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS16,S17でビット誤り閾値K1を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応するd+1〜e番目のサブキャリアを設定する(ステップS18)。
次に、平均値算出部17eは、16QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に並べられたe+1番目のBER(すなわち、符号化率が未設定であるサブキャリアのBER)から平均BERの算出を開始し(ステップS19)、ビット誤り率比較部17fは、16QAMの一次変調方式を用いた場合の平均BERを、小さいほうの符号化率「1/2」のときのビット誤り閾値K2と比較する(ステップS20)。以降、16QAMの平均BERがビット誤り閾値K2を超えるまで上記平均BERの算出、比較処理を繰り返し、f+1番目の平均BERがビット誤り閾値K2を超えたとすると、この時点でステップS19,S20の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「1/2」で16QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS19,S20でビット誤り閾値K2を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応するe+1〜f番目のサブキャリアを設定する(ステップS21)。
次に、変調方式設定部17iは、上記1〜a〜b番目のサブキャリアに対して256QAMの一次変調方式を設定し、上記b+1〜c〜d番目のサブキャリアに対して64QAMの一次変調方式を設定し、上記d+1〜e〜f番目のサブキャリアに対して16QAMの一次変調方式を設定する(ステップS22)。なお、f+1番目以降のサブキャリアは通信に用いない。
そして、符号化率設定部17jは、誤り訂正復号器16および誤り訂正符号器21の誤り訂正機能として、上記1〜a番目、b+1〜c番目、d+1〜e番目のサブキャリアに対して符号化率「3/4」を設定し、上記a+1〜b番目、c+1〜d番目、e+1〜f番目のサブキャリアに対して符号化率「1/2」を設定する(ステップS23)。
すなわち、全てのサブキャリアのEVMから導出された256QAMの一次変調方式におけるBERに基づいて、伝送路の状態がよいサブキャリアから256QAMの一次変調方式、符号化率「3/4」に設定し、次に伝送路の状態がよいサブキャリアから256QAMの一次変調方式、符号化率「1/2」に設定する。次に、残ったサブキャリアのEVMから導出された64QAMの一次変調方式におけるBERに基づいて、伝送路の状態がよいサブキャリアから64QAMの一次変調方式、符号化率「3/4」に設定し、次に伝送路の状態がよいサブキャリアから64QAMの一次変調方式、符号化率「1/2」に設定する。さらに残ったサブキャリアのEVMから導出された16QAMの一次変調方式におけるBERに基づいて、伝送路の状態がよいサブキャリアから16QAMの一次変調方式、符号化率「3/4」に設定し、次に伝送路の状態がよいサブキャリアから16QAMの一次変調方式、符号化率「1/2」に設定する。すなわち、各サブキャリアは、雑音特性と伝送効率をバランスよく満足する一次変調方式および符号化率を選択することができる。
したがって、良好な(低い)EVMが得られたサブキャリアでは、より高速通信が可能な一次変調方式および符号化率が選択され、劣悪な(高い)EVMが得られたサブキャリアでは、低速の一次変調方式および符号化率が選択されて、全体として通信速度の効率化を図ることができる。
このように、サブキャリア毎のBERの平均値を用いる上述の方法は、伝送路の状態による一次変調方式およびサブキャリアおよび符号化率の選択を従来に比べて簡便な処理で実現でき、さらにはサブキャリア毎にEVMがどのように分布していても、全体として所望BERを満たすように最大効率でのマルチキャリア通信を行うことができる。
さらに、本実施形態では、ビット誤り率検出部18によって、誤り訂正復号化を施された信号から実際のBERを検出し、ビット誤り閾値設定部19は、検出されたBERが上述の所望BERを超えている場合(ビット誤り率が高い場合)は、ビット誤り閾値K1,K2を下げる方向に変動させることで、伝送路の状態がよりよいサブキャリアのみを用いて通信を行い、実際のBERを低下させる。
また、検出されたBERが上述の所望BERを大幅に下回っている場合(ビット誤り率が低すぎる場合)は、伝送速度が遅くなってしまうことになる。そこで、ビット誤り閾値設定部19は、検出されたBERが上述の所望BERを一定値以上、下回っている場合、ビット誤り閾値K1,K2を上げる方向に変動させることで、使用するサブキャリアを増やして通信を行い、伝送速度の高速化を図っている。
このように、実際のBERを検出し、検出されたBERに基づいてビット誤り閾値K1,K2を設定することで、所望BER以下のBERを実現した上で、伝送速度の最速化を図ることができる。
なお、本実施形態では、複数の一次変調方式として、QAM(Quadrature AM)の16QAM、64QAM、256QAMの3パターンを用いているが、そのパターン数は3パターンに限定されない。さらに、一次変調方式として他に、QPSK(Quadrature PSK)、BPSK(Binary PSK)を用いてもよい。
また、本実施形態では、1つのサブキャリア毎に誤り訂正なし時のBERを求めているが、周波数の低いほうから順に複数本(例えば4本)のサブキャリアを1つのグループにして、グループ内の各サブキャリアのEVMの平均をグループのEVMとし、このEVMに基づいて、各グループのBERを求め、以降の一次変調方式およびサブキャリアおよび符号化率の設定をグループ毎に行うことで、処理時の情報量が減少し、効率よく設定処理を行うことができる。
(実施形態2)
図6は、本発明の実施形態に係るマルチキャリア通信装置100の構成を示すブロック図であり、受信装置1bと送信装置2とを備える。
図6において、受信装置1bは、実施形態1の伝送路推定器17の設定部17gに伝送速度比較部17k、伝送速度算出部17lを設け、送信装置2は実施形態1と同様であり、実施形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明は省略する。
本実施形態では、伝送路推定器17によって、全てのサブキャリアの一次変調方式および符号化率を同一に設定した上でサブキャリア毎に誤り訂正無しでのBERを見積もり、その平均が誤り訂正能力を超えないように、一次変調方式および符号化率毎にサブキャリアを選択した後、当該一次変調方式および符号化率において選択されたサブキャリアを用いた場合の伝送速度を互いに比較して、伝送速度が最も速い一次変調方式および符号化率、当該一次変調方式および符号化率において選択されたサブキャリアを通信に用いる。すなわち、通信に用いるサブキャリアを全て同じ一次変調方式および符号化率に設定するものである。
また、誤り訂正復号器16および誤り訂正符号器21の誤り訂正機能は、符号化率設定部17jによって、その符号化率を「3/4」、「1/2」の2パターンから選択可能に構成されており、符号化率「3/4」のときはビット誤り閾値K1に設定され、符号化率「1/2」のときはビット誤り閾値K2に設定され、K1<K2の関係にある。
以下、伝送路推定器17の動作について、図7のフローチャートで説明する。
まず、雑音レベル測定部17aが、P/S変換器14の出力に基づき、各サブキャリアの雑音レベルとしてS/N比の逆数(以下、EVM)を測定し、図4(a)に示すようにサブキャリアのindex番号に各EVMを対応付ける(ステップS31)。そして、ソート部17bが、図4(b)に示すように、各サブキャリアのEVMを小さい順(伝送路の状態が良好な順)に並べ(ステップS32)、ビット誤り率導出部17cが、図4(c)に示すように、サブキャリア毎の誤り訂正なし時のBERをEVMに基づいて見積もる(ステップS33)。
本実施形態では、複数の一次変調方式として、伝送効率の低いものから順に、QAM(Quadrature AM)の16QAM、64QAM、256QAMの3パターンを選択可能に構成され、記憶部17dには、一次変調方式に応じてサブキャリア毎のEVMをBERに対応させたデータテーブル、または一次変調方式に応じてサブキャリア毎のEVMからBERを算出する換算式が予め格納されており、ビット誤り率導出部17cは、各サブキャリアのEVMを上記データテーブルまたは換算式に適用して、16QAM、64QAM、256QAMの各一次変調方式でのBERを見積もる。各一次変調方式毎に、EVMに対するBERの特性は異なるが、いずれの一次変調方式においても、EVMが大きい(雑音特性が悪い)ほど、BERが高くなる(受信データ中の誤りが多くなる)傾向が認められるが、伝送効率が低い一次変調方式ほど、大きいEVMで良好なBERが得られる。すなわち、雑音特性と伝送効率とは相反する関係にある。なお、図4(c)では、一次変調方式が256QAMの場合におけるBERのみを示す。
次に、平均値算出部17eは、図4(d)に示すように、256QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に1番目から加算してその平均値(平均BER)を求め(ステップS34)、ビット誤り率比較部17fは、平均BERを、まず、大きいほうの符号化率「3/4」のときのビット誤り閾値K1と比較する(ステップS35)。平均BERがビット誤り閾値K1以下であれば、上記平均BERに次のBERを加算して次の平均BERを求め(ステップS34)、ビット誤り率比較部17fは、新しい平均BERをビット誤り閾値K1と比較する(ステップS35)。すなわち、1番目の平均BERは最小BERであり、2番目の平均BERは1番目および2番目のBERの平均値であり、3番目の平均BERは1番目〜3番目のBERの平均値であり、以降、256QAMの一次変調方式を用いた場合のBERを小さい値から順に1個づつ加算した平均値を求めて、符号化率「3/4」のときのビット誤り閾値K1と比較するのである。
そして、a+1番目の平均BERがビット誤り閾値K1を超えたとすると、この時点でステップS34,S35の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「3/4」で256QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS34,S35でビット誤り閾値K1を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜a番目のサブキャリアを選択する(ステップS36)。
さらに、ビット誤り率比較部17fは、小さいほうの符号化率「1/2」のときのビット誤り閾値K2に対しても、上記256QAMの平均BERがビット誤り閾値K2を超えるまで(ステップS37)、上記平均BERの算出、比較処理を繰り返し、b+1番目の平均BERがビット誤り閾値K2を超えたとすると、この時点でステップS34,S37の処理を終了し、サブキャリア設定部17hは、符号化率「1/2」で256QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS34,S37でビット誤り閾値K2を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜b番目のサブキャリアを選択する(ステップS38)。
次に、平均値算出部17eは、64QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に1番目から加算してその平均BERを求め(ステップS39)、ビット誤り率比較部17fは、平均BERをビット誤り閾値K1,K2と各々比較し(ステップS40,S42)、64QAMの平均BERがビット誤り閾値K1,K2を各々超えるまで、上記平均BERの算出、比較処理を繰り返す。そして、c+1番目の平均BERがビット誤り閾値K1を超えたとすると、サブキャリア設定部17hは、符号化率「3/4」で64QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS39,S40でビット誤り閾値K1を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜c番目のサブキャリアを選択する(ステップS41)。さらに、d+1番目の平均BERがビット誤り閾値K2を超えたとすると、サブキャリア設定部17hは、符号化率「1/2」で64QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS39,S42でビット誤り閾値K2を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜d番目のサブキャリアを選択する(ステップS43)。
次に、平均値算出部17eは、16QAMの一次変調方式を用いた場合のサブキャリア毎のBERのうち、EVMの小さい順に1番目から加算してその平均BERを求め(ステップS44)、ビット誤り率比較部17fは、平均BERをビット誤り閾値K1,K2と各々比較し(ステップS45,S47)、16QAMの平均BERがビット誤り閾値K1,K2を各々超えるまで、上記平均BERの算出、比較処理を繰り返す。そして、e+1番目の平均BERがビット誤り閾値K1を超えたとすると、サブキャリア設定部17hは、符号化率「3/4」で16QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS44,S45でビット誤り閾値K1を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜e番目のサブキャリアを選択する(ステップS46)。さらに、f+1番目の平均BERがビット誤り閾値K2を超えたとすると、サブキャリア設定部17hは、符号化率「1/2」で16QAMの一次変調方式を用いるサブキャリアとして、ステップS44,S47でビット誤り閾値K2を超えない平均BERを算出する際に用いたBERに対応する1〜f番目のサブキャリアを選択する(ステップS48)。
伝送速度算出部17lは、256QAMの一次変調方式および符号化率「3/4」の通信を1〜a番目のサブキャリアで行った場合の伝送速度、256QAMの一次変調方式および符号化率「1/2」の通信を1〜b番目のサブキャリアで行った場合の伝送速度、64QAMの一次変調方式および符号化率「3/4」の通信を1〜c番目のサブキャリアで行った場合の伝送速度、64QAMの一次変調方式および符号化率「1/2」の通信を1〜d番目のサブキャリアで行った場合の伝送速度、16QAMの一次変調方式および符号化率「3/4」の通信を1〜e番目のサブキャリアで行った場合の伝送速度、16QAMの一次変調方式および符号化率「1/2」の通信を1〜f番目のサブキャリアで行った場合の伝送速度を各々算出し、伝送速度比較部17kは、算出された6つの伝送速度を比較して、伝送速度が最も速い一次変調方式および符号化率、当該一次変調方式において選択されたサブキャリアを採用する(ステップS49)。
次に、変調方式設定部17iは、上記採用されたサブキャリアに対して、採用された一次変調方式を設定し(ステップS50)、符号化率設定部17jは、誤り訂正復号器16および誤り訂正符号器21の誤り訂正機能として、上記採用された符号化率を設定する(ステップS51)。
すなわち、通信に用いるサブキャリアの一次変調方式および符号化率を同一に設定し、誤り訂正能力を超えない範囲で、伝送速度が最も早い設定を採用することで、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアの一次変調方式および符号化率を全て同じ設定にして通信処理の簡略化を図りながら、伝送速度の高速化を実現している。
また、サブキャリア毎のBERの平均値を用いる上述の方法は、伝送路の状態による一次変調方式およびサブキャリアの選択を簡便な処理で実現でき、さらにはサブキャリア毎にEVMがどのように分布していても、全体として所望BERを満たすように最大効率でのマルチキャリア通信を行うことができる。
さらに、本実施形態では、ビット誤り率検出部18によって、誤り訂正復号化を施された信号から実際のBERを検出し、ビット誤り閾値設定部19は、検出されたBERが上述の所望BERを超えている場合(ビット誤り率が高い場合)は、ビット誤り閾値K1,K2を下げる方向に変動させることで、伝送路の状態がよりよいサブキャリアのみを用いて通信を行い、実際のBERを低下させる。
また、検出されたBERが上述の所望BERを大幅に下回っている場合(ビット誤り率が低すぎる場合)は、伝送速度が遅くなってしまうことになる。そこで、ビット誤り閾値設定部19は、検出されたBERが上述の所望BERを一定値以上、下回っている場合、ビット誤り閾値K1,K2を上げる方向に変動させることで、使用するサブキャリアを増やして通信を行い、伝送速度の高速化を図っている。
このように、実際のBERを検出し、検出されたBERに基づいてビット誤り閾値K1,K2を設定することで、所望BER以下のBERを実現した上で、伝送速度の最速化を図ることができる。
実施形態1のブロック構成を示す図である。 同上のSNR、BER、サブキャリアの関係を示す図である。 同上の伝送路推定器の動作フローチャートを示す図である。 (a)〜(d)同上のEVM、BERの処理を示す図である。 (a)(b)同上のEVMに対するBERの特性を示す図である。 実施形態2のブロック構成を示す図である。 同上の伝送路推定器の動作フローチャートを示す図である。
符号の説明
1 受信装置
11 A/D変換器
12 マルチキャリア復調器
13 等化器
14 P/S変換器
15 デマッパ
16 誤り訂正復号器
17 伝送路推定器
17a 雑音レベル測定部
17b ソート部
17c ビット誤り率導出部
17d 記憶部
17e 平均値算出部
17f ビット誤り率比較部
17g 設定部
17h サブキャリア設定部
17i 変調方式設定部
2 送信装置

Claims (8)

  1. 複数のサブキャリアを用いて、複数の変調方式からサブキャリア毎に設定された変調方式でマルチキャリア通信信号が伝送される伝送路に接続されて通信を行うマルチキャリア通信装置であって、
    受信したマルチキャリア通信信号から、サブキャリア毎の雑音レベルを測定する雑音レベル測定手段と、
    サブキャリア毎の雑音レベルに基づいて、サブキャリア毎のビット誤り率を変調方式に応じて導出するビット誤り率導出手段と、
    各変調方式におけるサブキャリア毎のビット誤り率のうち、小さい値から順に加算してその平均値を各々求める平均値算出手段と、
    算出された各平均値をビット誤り閾値と比較するビット誤り率比較手段と、
    マルチキャリア通信に用いるサブキャリアを、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアに設定するサブキャリア設定手段と
    を備えることを特徴とするマルチキャリア通信装置。
  2. 前記平均値算出手段は、最初に、最も伝送効率の高い変調方式におけるサブキャリア毎のビット誤り率のうち、小さい値から順に加算してその平均値を各々求め、前記ビット誤り率比較手段において当該平均値がビット誤り閾値を超えた場合は、前記サブキャリア設定手段が、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアを、最も伝送効率の高い変調方式を用いるサブキャリアに設定し、
    次に、平均値算出手段は、伝送効率が次に高い変調方式において、変調方式が未設定であるサブキャリア毎のビット誤り率のうち、小さい値から順に加算してその平均値を各々求め、ビット誤り率比較手段において当該平均値がビット誤り閾値を超えた場合は、サブキャリア設定手段が、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアを、伝送効率が次に高い変調方式を用いるサブキャリアに設定し、以降、当該動作を全ての変調方式について繰り返す
    ことを特徴とする請求項1記載のマルチキャリア通信装置。
  3. 前記複数のサブキャリアはグループ化され、グループ毎に変調方式を設定することを特徴とする請求項2記載のマルチキャリア通信装置。
  4. 前記ビット誤り率導出手段、平均値算出手段、ビット誤り率比較手段、サブキャリア設定手段は全変調方式に対して各手段の動作を行って、マルチキャリア通信に用いるサブキャリアを変調方式毎に導出し、
    変調方式毎に導出されたサブキャリアを用いたマルチキャリア通信の伝送速度を各々算出する伝送速度算出手段と、
    変調方式毎の伝送速度を互いに比較する伝送速度比較手段と、
    マルチキャリア通信に用いるサブキャリアの変調方式を、最も伝送速度の高い変調方式に設定する変調方式設定手段と
    を備えることを特徴とする請求項1記載のマルチキャリア通信装置。
  5. 送信信号に誤り訂正符号化を施す誤り訂正符号手段と、受信信号に誤り訂正復号化を施す誤り訂正復号手段と、誤り訂正符号手段および誤り訂正復号手段の符号化率をサブキャリア毎に設定する符号化率設定手段とを備えて、
    前記符号化率設定手段は、ビット誤り閾値を超えない平均値を算出する際に用いたビット誤り率に対応するサブキャリアの通信に用いる符号化率を、当該ビット誤り閾値に応じて設定する
    ことを特徴とする請求項1乃至4いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  6. 変調方式に応じてサブキャリア毎の雑音レベルをビット誤り率に対応させたデータテーブル、または変調方式に応じてサブキャリア毎の雑音レベルからビット誤り率を算出する換算式を予め格納した記憶手段を備え、
    前記ビット誤り率導出手段は、記憶手段内のデータテーブルまたは換算式に基づいて、ビット誤り率を導出する
    ことを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  7. 通信中にビット誤り率を検出するビット誤り率検出手段と、検出したビット誤り率に応じてビット誤り閾値を設定するビット誤り閾値設定手段とを備えることを特徴とする請求項1乃至5いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
  8. 前記ビット誤り率導出手段は、サブキャリア毎の雑音レベルとビット誤り率との対応を複数の1次線形関数によって近似した特性に基づいて、ビット誤り率を導出することを特徴とする請求項1乃至7いずれか記載のマルチキャリア通信装置。
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