JP4816178B2 - トラクションドライブ機構 - Google Patents

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Description

本発明は、ローラ間に生じるトラクション力によってトルクを伝達することが可能なトラクションドライブ機構に関する。
トラクションドライブ機構においては、ローラ同士の油膜を介した接触部に押圧力(法線方向の力)を作用させることで生じる油膜のせん断力(接線方向のトラクション力)によってトルク伝達を行うことが可能である。こうしたトラクションドライブ機構では、ローラ同士の接触部において過大滑り(マクロスリップ)が生じないように、トルク伝達に必要な押圧力(法線力)を接触部に作用させる必要がある。例えば遊星ローラ機構を焼き嵌め方式で組み立てることにより法線力を各接触部に発生させる構成が下記特許文献1に開示されている。焼き嵌め方式等の接触部に一定の法線力を作用させる押圧方式では、接触部の面圧が過大にならないように最大負荷に合わせて接触部の法線力が調整される。さらに、特許文献1には、負荷トルクに応じて接触部の法線力を変化させることができる可変押圧機構を備える遊星ローラ機構も開示されている。
その他にも、下記特許文献2による遊星ローラ機構が開示されている。
特開2004−116670号公報 特開平5−245738号公報
トラクションドライブ機構においてローラ同士の接触部に適切なトラクション力を安定して発生させるためには、接触部に適切な法線力を作用させる他に、ローラ同士の法線まわりの相対回転を抑制することも要求される。そのため、この法線まわりの相対回転を抑制するように、ローラが回転自在に支持される。しかし、ローラに作用する外力が増大して法線まわりのモーメントが増大した場合は、ローラ同士の法線まわりの相対回転が生じやすくなり、ローラ同士の接触部に適切なトラクション力を安定して発生させることが困難となり、効率低下を招くことになる。
本発明は、適切なトラクション力を安定して発生させることができ、高効率化を実現することができるトラクションドライブ機構を提供することを目的とする。
本発明に係るトラクションドライブ機構は、上述した目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明に係るトラクションドライブ機構は、第1ローラに形成された第1ローラ面と第2ローラに形成された第2ローラ面との接触部に生じるトラクション力によって、第1ローラと第2ローラとの間でトルク伝達が行われるトラクションドライブ機構であって、前記接触部の接線方向及び該接触部の法線方向の両方と垂直方向である回転中心軸方向における第2ローラ面の長さが、該回転中心軸方向における第1ローラ面の長さよりも長く、前記回転中心軸方向における第1ローラ面の両端部が、第2ローラ面と接触しており、第2ローラ面には、第1ローラ面と接触しない非接触部が、前記回転中心軸方向において該接触部間に挟まれて形成されていることで、該接触部が該回転中心軸方向に関して分割されており、第1ローラと第2ローラとの間における前記回転中心軸方向の相対変位が許容されていることを要旨とする。
本発明においては、第1ローラと第2ローラとの間でトルク伝達が行われる際に、第1ローラと第2ローラとの間にこれらの接触部の法線まわりの相対回転が発生した場合でも、この相対回転を元に戻す力を接触部に発生させることができるので、ローラ同士の相対回転を抑制することができる。したがって、本発明によれば、ローラ同士の接触部に適切なトラクション力を安定して発生させることができ、高効率化を実現することができる。
本発明の一態様では、第1ローラと第2ローラとの間に前記回転中心軸方向の相対変位が発生して、前記分割された一方の接触部に生じるトラクション力が、該分割された他方の接触部に生じるトラクション力よりも大きくなることで、第1ローラに前記法線まわりのモーメントが作用すると、該モーメントによって第1ローラが第2ローラに対して該法線まわりに回転することで、該相対変位を元に戻す力が該接触部に作用することが好適である。本発明の一態様では、前記非接触部が、前記回転中心軸方向における第1ローラ面の中央部と対向配置されていることが好適である。
本発明の一態様では、第2ローラ面には、前記非接触部として窪み部が形成されていることが好適である。この態様では、前記窪み部の縁部に、面取り部または曲面が形成されていることが好適である。
本発明の一態様では、前記トラクションドライブ機構は、サンローラとリングローラとの間にピニオンローラがこれらと接触して挟持され、ピニオンローラがキャリアに回転自在に支持された遊星ローラ機構であり、サンローラ、リングローラ、及びキャリアのいずれか1つの回転が固定されており、第1ローラがピニオンローラであり、第2ローラがリングローラであることが好適である。また、本発明の一態様では、前記トラクションドライブ機構は、サンローラとリングローラとの間にピニオンローラがこれらと接触して挟持され、ピニオンローラがキャリアに回転自在に支持された遊星ローラ機構であり、サンローラ、リングローラ、及びキャリアのいずれか1つの回転が固定されており、第1ローラがピニオンローラであり、第2ローラがサンローラであることが好適である。本発明の一態様では、前記非接触部によって、前記接触部が前記回転中心軸方向に関して2分割されていることが好適である。
以下、本発明を実施するための形態(以下実施形態という)を図面に従って説明する。
図1,2は、本発明の実施形態に係るトラクションドライブ機構の概略構成を示す図である。本実施形態に係るトラクションドライブ機構は、サンローラ21と、サンローラ21の外周を取り囲むリングローラ22と、サンローラ21とリングローラ22との間にこれらと接触して挟持(挟圧保持)された複数のピニオンローラ(遊星ローラ)23と、各ピニオンローラ23を回転自在に支持するキャリア24と、を有する遊星ローラ機構12である。ここで、図1はサンローラ21(リングローラ22)の回転中心軸に平行な方向から見た図を示し、図2はサンローラ21(リングローラ22)の回転中心軸と直交する方向から見た図を示す。そして、図1,2は、遊星ローラ機構12がシングルピニオン遊星ローラ機構である例を示している。サンローラ21、リングローラ22、及びキャリア24の回転中心軸は一致しており、ピニオンローラ23が自転するときの回転中心軸はサンローラ21の回転中心軸と平行である。
トラクションドライブ機構(遊星ローラ機構12)においては、ローラ同士の油膜を介した接触部に押圧力(法線方向の力)を作用させることで生じる油膜のせん断力(接線方向のトラクション力)によってトルク伝達を行うことが可能である。例えば遊星ローラ機構12を焼き嵌め方式で組み立てることにより、サンローラ21に形成された外周面(ローラ面)31と各ピニオンローラ23に形成された外周面(ローラ面)33との接触部27、及び各ピニオンローラ23に形成された外周面33とリングローラ22に形成された内周面(ローラ面)32との接触部28に押圧力(法線力)を付加することが可能となる。また、サンローラ21の外周面31と各ピニオンローラ23の外周面33との接触部27、及び各ピニオンローラ23の外周面33とリングローラ22の内周面32との接触部28に押圧力(法線力)を付加する既知の押圧力付加機構を設けることもできる。このように、接触部27,28に法線力を付加することで、接触部27,28にトラクション力を発生させることができ、ローラ間でトルク伝達を行うことができる。
本実施形態では、遊星ローラ機構12を変速機構として用いることができる。例えば図2に示すようにリングローラ22を図示しないケーシングに固定してその回転をロックすることで、サンローラ21とキャリア24との間で動力を変速して伝達することができる。その場合に、サンローラ21からキャリア24へ動力を伝達するときは、遊星ローラ機構12は、サンローラ21からキャリア24へ動力を減速して伝達する減速機構として機能する。一方、キャリア24からサンローラ21へ動力を伝達するときは、遊星ローラ機構12は、キャリア24からサンローラ21へ動力を増速して伝達する増速機構として機能する。また、図3に示すようにキャリア24を図示しないケーシングに固定してその回転をロックすることで、サンローラ21とリングローラ22との間で動力を変速して伝達することもできる。また、図4に示すようにサンローラ21を図示しないケーシングに固定してその回転をロックすることで、キャリア24とリングローラ22との間で動力を変速して伝達することもできる。
本実施形態では、図5の接触部28の拡大図に示すように、接触部(接触面)28の接線方向及び法線方向と垂直方向におけるリングローラ22の内周面32の長さXrが、この垂直方向(接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向)における各ピニオンローラ23の外周面33の長さXpよりも長く設定されている。そして、接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向における各ピニオンローラ23の外周面33の両端部が、リングローラ22の内周面32と(油膜を介して)接触している。ここで、接触面28の接線方向は、接触面28の法線方向(法線力の方向)と垂直であり、各ピニオンローラ23からリングローラ22へトルク伝達を行うために接触面28に生じるトラクション力の方向(トルク伝達方向)と一致する。
さらに、図2〜5に示すように、リングローラ22の内周面32には、窪み部(凹部)26が接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向において接触部28間に挟まれて形成されている。ここでの窪み部26は、リングローラ22の内周面32の全周に渡って形成されている。この窪み部26によって、接触部28間に挟まれ且つピニオンローラ23の外周面33と接触しない非接触部が、リングローラ22の内周面32の全周に渡って形成される。また、窪み部(非接触部)26は、接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向におけるリングローラ22の内周面32の中央部に形成されており、さらに、この垂直方向(接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向)におけるピニオンローラ23の外周面33の中央部と対向配置されている。そのため、窪み部(非接触部)26によって、接触部28がその接線方向及び法線方向と垂直方向に関して2等分割される(図5においてL1=L2が成立する)。
また、図1〜5は、サンローラ21の外径、各ピニオンローラ23の外径、及びリングローラ22の内径がいずれもサンローラ21(リングローラ22)の回転中心軸方向(回転中心軸に平行な方向)に関して一定である例を示している。つまり、サンローラ21の回転中心軸方向に対する接触部27,28の距離が、いずれも回転中心軸方向に関して一定である。そのため、図1〜5に示す例では、接触部28の法線方向は遊星ローラ機構12の径方向に一致し、接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向はサンローラ21の回転中心軸方向に一致する。
トラクションドライブ機構(遊星ローラ機構12)においてローラ同士の接触部に適切なトラクション力を安定して発生させるためには、ローラ同士の回転軸方向の相対変位やローラ同士の法線まわりの相対回転を抑制することが望ましい。そのため、この相対変位及び相対回転を抑制するように、ローラ(サンローラ21、各ピニオンローラ23、及びリングローラ22)が回転自在に支持される。しかし、遊星ローラ機構12に作用する外力が増大して回転軸方向の力や法線まわりのモーメントが増大した場合は、ローラ同士(例えばピニオンローラ23とリングローラ22)の回転軸方向の相対変位やローラ同士の法線まわりの相対回転が生じやすくなる。
本実施形態では、リングローラ22の内周面32に窪み部(非接触部)26を形成することで、外力によってリングローラ22とピニオンローラ23との間にリングローラ22の回転中心軸方向(接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向)の相対変位が発生した場合でも、この相対変位を元に戻す力(セルフアライメント力)を接触部28に発生させることができる。また、外力によってリングローラ22とピニオンローラ23との間に接触部28の法線まわりの相対回転が発生した場合でも、この相対回転を元に戻す力(セルフアライメント力)を接触部28に発生させることができる。以下、このセルフアライメント力を接触部28に発生させることができる理由について説明する。
図6に示すように、ピニオンローラ23が図の反時計まわりに回転駆動することで、ピニオンローラ23に伝達されたトルクがリングローラ22に作用するものとする。リングローラ22の回転が許容されている場合(図3,4に示す場合)は、リングローラ22が図6の反時計まわりに回転駆動する。一方、リングローラ22の回転が固定されている場合(図2に示す場合)は、ピニオンローラ23が図6の反時計まわりに回転(自転)しながらリングローラ22の内周面32に沿って図6の時計まわりに転動(公転)する。
そして、ピニオンローラ23からリングローラ22にトルクが作用する際に、図7,8に示すように、外力によってピニオンローラ23がリングローラ22に対して図の右方向に変位することで、リングローラ22とピニオンローラ23との間にリングローラ22の回転中心軸方向の相対変位が発生したものとする。この相対変位によって、図8に示すように、窪み部26によって2分割された接触部28−1,28−2の長さL1,L2は、L1<L2となる。そのため、接触部28−2に発生するトラクション力FT2が接触部28−1に発生するトラクション力FT1よりも大きくなる(図7はピニオンローラ23に作用する力FT1,FT2を示す)ことで、リングローラ22に法線まわり(図7の時計まわり)のモーメントが作用し、その反作用としてピニオンローラ23に反対方向(図7の反時計まわり)のモーメントMP1が作用する。このモーメントによって、図9に示すように、ピニオンローラ23がリングローラ22に対して図の反時計まわりに回転(ヨー回転)する。その結果、接触部28−1,28−2に発生するトラクション力FT1,FT2(図9もピニオンローラ23に作用する力FT1,FT2を示す)は、接線方向(トルク伝達方向)の成分の他に、リングローラ22の回転中心軸方向(接触部28−1,28−2の接線方向及び法線方向と垂直方向)の成分FS1,FS2も有することになる。そして、リングローラ22の回転中心軸方向の成分FS1,FS2によって、リングローラ22に図9の右方向の力が作用し、その反作用としてピニオンローラ23に図9の左方向の力が作用する。つまり、リングローラ22とピニオンローラ23との間に発生したリングローラ22の回転中心軸方向の相対変位を元に戻す力(セルフアライメント力)が接触部28−1,28−2に作用することになる。このセルフアライメント力によって、リングローラ22の回転中心軸方向の相対変位が抑制される。この相対変位が抑制された後は、リングローラ22及びピニオンローラ23の支持力によって、リングローラ22及びピニオンローラ23に生じていた法線まわりの相対回転(ヨー回転)も抑制される。
また、ピニオンローラ23に伝達されたトルクがリングローラ22に作用する際に、図10に示すように、外力によってピニオンローラ23がリングローラ22に対して法線まわり(図の反時計まわり)に回転(ヨー回転)することで、リングローラ22とピニオンローラ23との間に法線まわりの相対回転が発生したものとする。ここでは、接触部28−1,28−2に発生するトラクション力FT1,FT2がピニオンローラ23に作用する(図10もピニオンローラ23に作用する力FT1,FT2を示す)ことで、接触部28−1,28−2の位置がピニオンローラ23の重心Gに対してトラクション力FT1,FT2の方向(図10の上方向)にずれたものとなる。そのため、ピニオンローラ23がリングローラ22に対して図10の反時計まわりにヨー回転すると、図10に示すように、接触部28−1,28−2の長さL1,L2は、L1>L2となり、接触部28−1に発生するトラクション力FT1が接触部28−2に発生するトラクション力FT2よりも大きくなる。これによって、リングローラ22に法線まわり(図10の反時計まわり)のモーメントが作用し、その反作用としてピニオンローラ23に反対方向(図10の時計まわり)のモーメントMP2が作用する。つまり、リングローラ22とピニオンローラ23との間に発生した法線まわりの相対回転を元に戻す力(セルフアライメント力)が接触部28−1,28−2に作用することになる。このセルフアライメント力によって、法線まわりの相対回転が抑制される。
また、リングローラ22とピニオンローラ23との間に法線まわりの相対回転が発生すると、接触部28−1,28−2に発生するトラクション力FT1,FT2は、図10に示すように、接線方向(トルク伝達方向)の成分の他に、リングローラ22の回転中心軸方向の成分FS1,FS2も有することになる。そして、リングローラ22の回転中心軸方向の成分FS1,FS2によって、リングローラ22に図10の右方向の力が作用し、その反作用としてピニオンローラ23に図10の左方向の力が作用する。この力によって、図11,12に示すように、ピニオンローラ23がリングローラ22に対して図の左方向に変位する。その結果、接触部28−1,28−2の長さL1,L2の差L1−L2がさらに増大し、接触部28−1に発生するトラクション力FT1と接触部28−2に発生するトラクション力FT2との差がさらに増大する(図11もピニオンローラ23に作用する力FT1,FT2を示す)。これによって、ピニオンローラ23に作用する法線まわり(図11の時計まわり)のモーメントMP2がさらに増大する。つまり、リングローラ22とピニオンローラ23との間に発生した法線まわりの相対回転を元に戻すセルフアライメント力がさらに増大する。このセルフアライメント力によって法線まわりの相対回転が抑制された後は、リングローラ22及びピニオンローラ23の支持力によって、リングローラ22及びピニオンローラ23に生じていたリングローラ22の回転中心軸方向の相対変位も抑制される。
このように、本実施形態では、ピニオンローラ23に伝達されたトルクがリングローラ22に作用する際に、リングローラ22とピニオンローラ23との間にリングローラ22の回転中心軸方向の相対変位が発生した場合でも、この相対変位を元に戻すセルフアライメント力を接触部28に発生させることができるので、相対変位を抑制することができる。また、リングローラ22とピニオンローラ23との間に接触部28の法線まわりの相対回転が発生した場合でも、この相対回転を元に戻すセルフアライメント力を接触部28に発生させることができるので、相対回転を抑制することができる。したがって、本実施形態によれば、接触部28に適切なトラクション力を安定して発生させることができ、高効率化を実現することができる。
また、リングローラ22に伝達されたトルクがピニオンローラ23に作用する際に、図13に示すように、外力によってピニオンローラ23がリングローラ22に対して法線まわり(図の反時計まわり)に回転(ヨー回転)することで、リングローラ22とピニオンローラ23との間に法線まわりの相対回転が発生したものとする。ここでは、接触部28−1,28−2に発生するトラクション力FT1,FT2がピニオンローラ23に作用する(図13もピニオンローラ23に作用する力FT1,FT2を示す)ことで、接触部28−1,28−2の位置がピニオンローラ23の重心Gに対してトラクション力FT1,FT2の方向(図13の下方向)にずれたものとなる。そのため、ピニオンローラ23がリングローラ22に対して図13の反時計まわりにヨー回転すると、図13に示すように、接触部28−1,28−2の長さL1,L2は、L1<L2となり、接触部28−2に発生するトラクション力FT2が接触部28−1に発生するトラクション力FT1よりも大きくなる。これによって、リングローラ22に法線まわり(図13の反時計まわり)のモーメントが作用し、その反作用としてピニオンローラ23に反対方向(図13の時計まわり)のモーメントMP2が作用する。つまり、リングローラ22とピニオンローラ23との間に発生した法線まわりの相対回転を元に戻す力(セルフアライメント力)が接触部28−1,28−2に作用することになる。このセルフアライメント力によって、法線まわりの相対回転が抑制される。
このように、本実施形態では、リングローラ22に伝達されたトルクがピニオンローラ23に作用する際に、リングローラ22とピニオンローラ23との間に接触部28の法線まわりの相対回転が発生した場合でも、この相対回転を元に戻すセルフアライメント力を接触部28に発生させることができるので、相対回転を抑制することができる。したがって、接触部28に適切なトラクション力を安定して発生させることができる。
また、リングローラ22の内周面32に窪み部(凹部)26を形成すると、接触部28の面圧が窪み部26の縁部(角部)36及びその近傍にて局部的に上昇しやすくなる。本実施形態では、窪み部26の縁部36及びその近傍での局部的な面圧上昇を抑えるために、図14に示すように、窪み部26の縁部36に面取り部37が形成されていることが好ましい。ここでは、図15に示すように、窪み部26の縁部36に曲面(凸曲面)38を形成することによっても、窪み部26の縁部36及びその近傍での局部的な面圧上昇を抑えることができる。また、本実施形態では、接触部28の接線方向及び法線方向と垂直方向におけるピニオンローラ23の外周面33の両端部(角部)に面取り部または曲面(凸曲面)を形成することもできる。これによって、ピニオンローラ23の外周面33の両端部及びその近傍での局部的な面圧上昇を抑えることができる。
また、本実施形態では、図16〜18に示すように、窪み部(凹部)26をサンローラ21の外周面31に形成することによっても、接触部27にセルフアライメント力を発生させることができる。図16は、リングローラ22の回転をロックすることでサンローラ21とキャリア24との間で動力を変速して伝達する例を示している。また、図17は、キャリア24の回転をロックすることでサンローラ21とリングローラ22との間で動力を変速して伝達する例を示している。また、図18は、サンローラ21の回転をロックすることでキャリア24とリングローラ22との間で動力を変速して伝達する例を示している。
この場合は、図19の接触部27の拡大図に示すように、接触部(接触面)27の接線方向及び法線方向と垂直方向におけるサンローラ21の外周面31の長さXsが、この垂直方向(接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向)における各ピニオンローラ23の外周面33の長さXpよりも長く設定されている。そして、接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向における各ピニオンローラ23の外周面33の両端部が、サンローラ21の外周面31と(油膜を介して)接触している。ここで、接触面27の接線方向は、接触面27の法線方向(法線力の方向)と垂直であり、各ピニオンローラ23からサンローラ21へトルク伝達を行うために接触面27に生じるトラクション力の方向(トルク伝達方向)と一致する。
図16〜19に示すように、窪み部(凹部)26は、接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向において接触部27間に挟まれて形成されている。ここでの窪み部26は、サンローラ21の外周面31の全周に渡って形成されている。この窪み部26によって、接触部27間に挟まれ且つピニオンローラ23の外周面33と接触しない非接触部が、サンローラ21の外周面31の全周に渡って形成される。また、窪み部(非接触部)26は、接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向におけるサンローラ21の外周面31の中央部に形成されており、さらに、この垂直方向(接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向)におけるピニオンローラ23の外周面33の中央部と対向配置されている。そのため、窪み部(非接触部)26によって、接触部27がその接線方向及び法線方向と垂直方向に関して2等分割される(図19においてL3=L4が成立する)。なお、図16〜19に示す例では、接触部27の法線方向は遊星ローラ機構12の径方向に一致し、接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向はサンローラ21の回転中心軸方向に一致する。
図16〜19に示す構成例では、ピニオンローラ23に伝達されたトルクがサンローラ21に作用する際に、サンローラ21とピニオンローラ23との間にサンローラ21の回転中心軸方向(接触部27の接線方向及び法線方向と垂直方向)の相対変位が発生した場合でも、図1〜5に示す構成例と同様に、この相対変位を元に戻すセルフアライメント力を接触部27に発生させることができるので、相対変位を抑制することができる。また、ピニオンローラ23に伝達されたトルクがサンローラ21に作用する際に、サンローラ21とピニオンローラ23との間に接触部27の法線まわりの相対回転が発生した場合でも、図1〜5に示す構成例と同様に、この相対回転を元に戻すセルフアライメント力を接触部27に発生させることができるので、相対回転を抑制することができる。また、サンローラ21に伝達されたトルクがピニオンローラ23に作用する際に、サンローラ21とピニオンローラ23との間に接触部27の法線まわりの相対回転が発生した場合でも、図1〜5に示す構成例と同様に、この相対回転を元に戻すセルフアライメント力を接触部27に発生させることができるので、相対回転を抑制することができる。したがって、接触部27に適切なトラクション力を安定して発生させることができる。
なお、図16〜19に示す構成例でも、サンローラ21の外周面31に形成された窪み部26の縁部及びその近傍での局部的な面圧上昇を抑えるために、窪み部26の縁部に面取り部または曲面(凸曲面)を形成することができる。
本実施形態では、窪み部(凹部)26をサンローラ21の外周面31及びリングローラ22の内周面32の両方に形成することもできる。これによって、接触部27,28の両方にセルフアライメント力を発生させることができ、接触部27,28の両方に適切なトラクション力を安定して発生させることができる。
本実施形態では、窪み部26の形状は、図2〜5に示す凹形状に限定されるものではなく、例えば図20に示す三角形状や、図21に示す曲面形状であってもよい。図20,21は、リングローラ22の内周面32に窪み部26を形成した場合を示しているが、サンローラ21の外周面31に窪み部26を形成する場合についても同様である。
以上の本実施形態の説明では、遊星ローラ機構12がシングルピニオン遊星ローラ機構であるものとした。ただし、本実施形態では、遊星ローラ機構12がダブルピニオン遊星ローラ機構であってもよい。さらに、遊星ローラ機構以外のトラクションドライブ機構に対しても本発明の適用が可能である。
以上、本発明を実施するための形態について説明したが、本発明はこうした実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
実施形態に係るトラクションドライブ機構の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の動作を説明する図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。 実施形態に係るトラクションドライブ機構の他の概略構成を示す図である。
符号の説明
12 遊星ローラ機構、21 サンローラ、22 リングローラ、23 ピニオンローラ、24 キャリア、26 窪み部、27,28 接触部。

Claims (8)

  1. 第1ローラに形成された第1ローラ面と第2ローラに形成された第2ローラ面との接触部に生じるトラクション力によって、第1ローラと第2ローラとの間でトルク伝達が行われるトラクションドライブ機構であって、
    前記接触部の接線方向及び該接触部の法線方向の両方と垂直方向である回転中心軸方向における第2ローラ面の長さが、該回転中心軸方向における第1ローラ面の長さよりも長く、
    前記回転中心軸方向における第1ローラ面の両端部が、第2ローラ面と接触しており、
    第2ローラ面には、第1ローラ面と接触しない非接触部が、前記回転中心軸方向において該接触部間に挟まれて形成されていることで、該接触部が該回転中心軸方向に関して分割されており、
    第1ローラと第2ローラとの間における前記回転中心軸方向の相対変位が許容されている、トラクションドライブ機構。
  2. 請求項1に記載のトラクションドライブ機構であって、
    第1ローラと第2ローラとの間に前記回転中心軸方向の相対変位が発生して、前記分割された一方の接触部に生じるトラクション力が、該分割された他方の接触部に生じるトラクション力よりも大きくなることで、第1ローラに前記法線まわりのモーメントが作用すると、該モーメントによって第1ローラが第2ローラに対して該法線まわりに回転することで、該相対変位を元に戻す力が該接触部に作用する、トラクションドライブ機構。
  3. 請求項1または2に記載のトラクションドライブ機構であって、
    前記非接触部が、前記回転中心軸方向における第1ローラ面の中央部と対向配置された、トラクションドライブ機構。
  4. 請求項1〜3のいずれか1に記載のトラクションドライブ機構であって、
    第2ローラ面には、前記非接触部として窪み部が形成されている、トラクションドライブ機構。
  5. 請求項に記載のトラクションドライブ機構であって、
    前記窪み部の縁部に、面取り部または曲面が形成されている、トラクションドライブ機構。
  6. 請求項1〜のいずれか1に記載のトラクションドライブ機構であって、
    前記トラクションドライブ機構は、サンローラとリングローラとの間にピニオンローラがこれらと接触して挟持され、ピニオンローラがキャリアに回転自在に支持された遊星ローラ機構であり、
    サンローラ、リングローラ、及びキャリアのいずれか1つの回転が固定されており、
    第1ローラがピニオンローラであり、第2ローラがリングローラである、トラクションドライブ機構。
  7. 請求項1〜5のいずれか1に記載のトラクションドライブ機構であって、
    前記トラクションドライブ機構は、サンローラとリングローラとの間にピニオンローラがこれらと接触して挟持され、ピニオンローラがキャリアに回転自在に支持された遊星ローラ機構であり、
    サンローラ、リングローラ、及びキャリアのいずれか1つの回転が固定されており、
    第1ローラがピニオンローラであり、第2ローラがサンローラである、トラクションドライブ機構。
  8. 請求項1〜7のいずれか1に記載のトラクションドライブ機構であって、
    前記非接触部によって、前記接触部が前記回転中心軸方向に関して2分割されている、トラクションドライブ機構。
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