JP4815288B2 - プラスチックレンズ - Google Patents

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Description

本発明は、プラスチックレンズに関し、特に、耐光性、美観性、耐擦傷性、基材と硬化膜との密着性に優れたプラスチックレンズに関する。
従来、高屈折率、良好な加工性などの良好な特性を有する観点より、キシリレンジイソシアネートをポリイソシアネート成分とする屈折率1.66〜1.68程度のポリチオウレタンレンズは良く知られている(特許文献1)。また、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド、又はビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドなどのエピチオ基含有化合物を主成分として反応させて得られる屈折率1.70程度のプラスチックレンズに関してもよく知られている(特許文献2)。
これらのプラスチックレンズ基材について、眼鏡レンズとして提供する場合、ハードコートと呼ばれる硬化膜が施されるのが一般的である。かかるハードコートをこれらのプラスチックレンズ基材に塗布硬化した場合、耐候性、美観性、耐擦傷性及び密着性などの特性を充分に兼ね備えるプラスチックレンズを提供するには至っていなかった。
即ち、一般的に前述の高屈折率系のレンズは日常の装用状態での太陽光の暴露の環境下では、年月が経過するとアリル系のレンズに比べ経時変化を受けやすいといわれ、干渉縞が緩和された耐摩耗性機能を付与した高屈折率系のハードコート膜でも、特にチタン系ハードコートはチタンゾルの光活性作用により被膜の青色変色が見られ、その程度によっては眼鏡レンズとしては好ましくない状況になる場合がある。
また、経時変化によるハードコート膜と基材との密着性の低下は避けて通れない技術的課題として残されていた。
このようにこれらの高屈折率系のハードコート膜は特に総合的な膜物性において耐候性着色変化や密着性について課題を有していた。
特開平9-208651号公報 特開2001-330701号公報
本発明はかかる課題を解決するためになされたものであり、その目的は、キシリレンジイソシアネートと、ポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズ、またはエピチオ基を有する化合物を必須成分するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有レンズを基材とした場合に、良好な耐候性、美観性、密着性、耐擦傷性を有するプラスチックレンズを提供することを目的とする。
本発明者等は、前記目的を達成するために鋭意研究を重ねた結果、上記のような基材を用いた場合、下記(イ)、(ロ)及び(ハ)成分の有機ケイ素化合物と、(ニ)及び(ホ)成分のコロイド状金属酸化物を含有するコーティング組成物を塗布硬化させてなる硬化膜を施すことにより、良好な耐候性、美観性、密着性、耐擦傷性を有するプラスチックレンズが得られることを見出し、本発明を完成するに至ったものである。
すなわち、本発明は、キシリレンジイソシアネートとポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズ、又はエピチオ基を有する化合物を必須成分するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有レンズを基材とし、この基材上に、直接又は間接的に下記(イ)成分、(ロ)成分及び(ハ)成分の有機ケイ素化合物と、(ニ)成分及び(ホ)成分のコロイド状金属酸化物を含有するコーティング組成物を塗布硬化させてなる硬化膜を施したプラスチックレンズを提供するものである。
(イ)成分
下記一般式(1)で表されるグリシド基を有する有機ケイ素化合物、下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種
1 nSi(OR2)4-n ・・・(1)
(式中、R1はグリシド基を有する1価の炭素数3〜20の炭化水素基、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基、nは1又は2の整数を示し、R1が複数ある場合には複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
Figure 0004815288
(式中、R3及びR4は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアシル基であり同一でも異なっていてもよく、R5及びR6は、それぞれ官能基を有するもしくは有しない炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり同一でも異なっていてもよく、Yは炭素数2〜20の2価の炭化水素基、a及びbは、それぞれ0又は1の整数を示し、複数のOR3はたがいに同一でも異なっていてもよいし、複数のOR4はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
(ロ)成分
下記一般式(3)で表されるアミノ基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種
7 nSi(OR8)4-n ・・・(3)
(式中、R7はアミノ基を有する1価の炭素数1〜20の炭化水素基、R8は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基、nは1又は2の整数を示し、R7が複数ある場合には複数のR7はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR8はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
(ハ)成分
下記一般式(4)で表されるイソシアネート基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種
9 nSi(OR10)4-n ・・・(4)
(式中、R9はイソシアネート基を有する1価の炭素数1〜20の炭化水素基、R10は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基、nは1又は2の整数を示し、R9が複数ある場合には複数のR9はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR10はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
(ニ)成分
酸化ジルコニウムのコロイド粒子と酸化第二スズのコロイド粒子とがこれらの酸化物のモル比に基づいてSnO2/ZrO2として0.02〜0.4の比率に結合した構造と2.5〜100nmの粒子径を有する、アミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(A2)を核としてその表面が、0.1〜100のWO3/SnO2質量比と、0.1〜100のSiO2/SnO2質量比と2〜7nmの粒子径を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)で被覆され、且つ(B2)/(A2)の質量比がそれらの金属酸化物の質量比に基づき0.02〜1の割合であり、2.5〜100nmの粒子径を有する変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(C)
(ホ)成分
酸化チタンコロイド粒子及び/又は酸化チタンを含む複合体コロイド粒子
本発明のプラスチックレンズは、耐候性、美観性、耐擦傷性、プラスチックレンズ基材と硬化膜との密着性に優れている。
特に、高屈折率プラスチックレンズ基材との密着性ではプライマーを使用せずその効果を奏する。また、本発明で用いられる複合コロイドゾルは、耐光性がよく、膜劣化が少ないZrリッチの(ニ)成分に、基材の紫外線からのプロテクト性のあるチタン系の複合ゾルの(ホ)成分を加えた相乗効果により、日常の眼鏡の装用状態で晒される環境下において、チタン系ハードコートが受ける青色変色作用を受けながらもその基材とのバランスを保ちながら、眼鏡レンズのトータルとしての色変化を最小限に抑制させることができる。
本発明のプラスチックレンズは、キシリレンジイソシアネートとポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズ、又はエピチオ基を有する化合物を含有するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有レンズを基材とし、この基材上に、直接又は間接的に下記(イ)成分、(ロ)成分及び(ハ)成分の有機ケイ素化合物と、(ニ)成分及び(ホ)成分のコロイド状金属酸化物を含有するコーティング組成物を塗布硬化させてなる硬化膜を施したプラスチックレンズを提供するものである。
以下、(イ)成分、(ロ)成分及び(ハ)成分について説明する。
まず、(イ)成分について説明する。
本発明における(イ)成分は、下記一般式(1)で表されるグリシド基を有する有機ケイ素化合物、下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種である。
1 nSi(OR2)4-n ・・・(1)
一般式(1)において、R1はグリシド基を有する1価の炭素数3〜20の炭化水素基であり、例えば、グリシドキシメチル基、α−グリシドキシエチル基、β−グリシドキシエチル基、α−グリシドキシプロピル基、β−グリシドキシプロピル基、γ−グリシドキシプロピル基、α−グリシドキシブチル基、β−グリシドキシブチル基、γ−グリシドキシブチル基、δ−グリシドキシブチル基などが挙げられる。
一般式(1)において、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基である。
前記R2の炭素数1〜8のアルキル基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよく、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基などが挙げられ、アリール基としては、例えば、フェニル基、トリル基などが挙げられ、アラルキル基としては、例えば、ベンジル基、フェネチル基などが挙げられ、アシル基としては、例えばアセチル基などが挙げられる。
一般式(1)において、nは1又は2の整数であり、R1が複数ある場合、複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよく、また、複数のOR2はたがいに同一であっても異なっていてもよい。
一般式(1)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリフェノキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジフェノキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルフェニルジエトキシシランなどが挙げられる。
これらの中でも、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシランが好ましく、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシランのγ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましい。
Figure 0004815288
一般式(2)において、R3及びR4は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアシル基であり同一でも異なっていてもよく、R5及びR6は、それぞれ官能基を有するもしくは有しない炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり同一でも異なっていてもよい。
前記R3及びR4のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基などが挙げられ、炭素数2〜4のアシル基としては、例えばアセチル基などが挙げられる。
5及びR6の炭化水素基としては、例えば、炭素数1〜5のアルキル基及び炭素数2〜5のアルケニル基などが挙げられる。これらは直鎖状、分岐状のいずれであってもよく、アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基などが挙げられ、アルケニル基としては、例えば、ビニル基、アリル基、ブテニル基などが挙げられる。
前記炭化水素基の官能基としては、例えば、ハロゲン原子、グリシドキシ基、エポキシ基、アミノ基、メルカプト基、シアノ基、(メタ)アクリロイルオキシ基などが挙げられる。
一般式(2)において、Yは炭素数2〜20の2価の炭化水素基であり、炭素数2〜10のアルキレン基及びアルキリデン基が好ましく、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基、エチリデン基、プロピリデン基などが挙げられる。
一般式(2)において、a及びbは、それぞれ0又は1の整数を示し、複数のOR3はたがいに同一でも異なっていてもよいし、複数のOR4はたがいに同一でも異なっていてもよい。
一般式(2)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、ビス(トリエトキシシリル)オクタンなどが挙げられ、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)エタンが好ましい。
次に、(ロ)成分について説明する。
本発明における(ロ)成分は、下記一般式(3)で表されるアミノ基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種である。
7 nSi(OR8)4-n ・・・(3)
一般式(3)において、R7はアミノ基を有する1価の炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えば、γ−アミノプロピル基、N−β(アミノエチル)−γ−アミノプロピル基、N−フェニル−γ−アミノプロピル基などが挙げられる。
一般式(3)において、R8は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基であり、これら各基の例としては、前記R2と同様の例が挙げられる。
一般式(3)において、nは1又は2の整数を示し、R7が複数ある場合には複数のR7はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR8はたがいに同一でも異なっていてもよい。
一般式(3)で表される有機ケイ素化合物の具体例としては、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β(アミノエチル)γ−アミノプロピルジエトキシメチルシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルジエトキシメチルシランなどが挙げられる。
これらの中でも、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルジメトキシメチルシラン、γ−アミノプロピルジエトキシメチルシランが好ましく、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリアルコキシシランがさらに好ましい。
次に、(ハ)成分について説明する。
本発明における(ハ)成分は、下記一般式(4)で表されるイソシアネート基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種である。
9 nSi(OR10)4-n ・・・(4)
一般式(4)において、R9はイソシアネート基を有する1価の炭素数1〜20の炭化水素基であり、例えば、イソシアネートメチル基、α−イソシアネートエチル基、β−イソシアネートエチル基、α−イソシアネートプロピル基、β−イソシアネートプロピル基、γ−イソシアネートプロピル基などが挙げられる。
一般式(4)において、R10は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基であり、これら各基の例としては、前記R2と同様の例が挙げられる。
一般式(4)において、nは1又は2の整数を示し、R9が複数ある場合には複数のR9はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR10はたがいに同一でも異なっていてもよい。
一般式(4)で表される化合物の例としては、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルジメトキシメチルシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルジエトキシメチルシランなどが挙げられ、γ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランのγ−イソシアナトプロピルトリアルコキシシランが好ましい。
本発明で用いるコーティング組成物において、前記有機ケイ素化合物のモル比割合は、有機ケイ素化合物の全量(モル)を基準にして、通常(イ)成分:(ロ)成分:(ハ)成分=99:0.5:0.5〜10:45:45であり、99:0.5:0.5〜50:25:25の比率であると好ましい。
このような3成分の有機ケイ素化合物をコーティング組成物に混合することにより本発明で目的とする効果を得ることが可能になる。
次に、(ニ)成分について説明する。
本発明の(ニ)成分は、酸化ジルコニウムのコロイド粒子と酸化第二スズのコロイド粒子とがこれらの酸化物のモル比に基づいてSnO2/ZrO2として0.02〜0.4の比率に結合した構造と2.5〜100nmの粒子径を有する、アミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(A2)を核としてその表面が、0.1〜100のWO3/SnO2質量比と、0.1〜100のSiO2/SnO2質量比と2〜7nmの粒子径を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)で被覆され、且つ(B2)/(A2)の質量比がそれらの金属酸化物の質量比に基づき0.02〜1の割合であり、2.5〜100nmの粒子径を有する変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(C)である。
(ニ)成分のコロイド粒子を用いることにより、本発明で用いるレンズを基材にコーティング膜を施した場合、良好な耐光性を有する。
(ニ)成分の複合体コロイド粒子(C)の製造方法としては、例えば、以下の方法((a)〜(e)工程)が挙げられる。
(a)工程:第4級アンモニウムの炭酸塩を含む水性媒体中で、SnO2/ZrO2モル比に換算して0.02〜0.4の比率のジルコニウム化合物とスズ化合物を60〜110℃で加熱し、得られた水性媒体を110〜300℃で水熱処理を行い酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子(A)を含むゾルを生成する工程、
(b)工程:(a)工程で得られた酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A)を含むゾルの粒子表面を、0.02〜4.00のM/Sb25のモル比(ただしMはアミン分子を示す。)を有するアミン含有Sb25コロイド粒子、そのオリゴマー、又はそれらの混合物(B1)で、その金属酸化物に換算した(B1)/(A)の質量比に基づいて、0.01〜0.50の割合に被覆し、得られた水性媒体を20〜100℃で0.1〜50時間熟成し、アミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子(A1)を含むゾルを得る工程、
(c)工程:(b)工程で得られたアミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子(A1)を含むゾルを、200〜350℃の温度で0.1〜50時間の水熱処理を行い、アミン含有Sb25が被覆された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子(A2)を含むゾルを得る工程、
(d)工程:タングステン酸塩、スズ酸塩及び珪酸塩をWO3/SnO2質量比として0.1〜100、SiO2/SnO2質量比として0.1〜100の比率に含む水溶液を調製し、その水溶液中に存在する陽イオンを除去して得られる酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)を含むゾルを準備する工程、
(e)工程:(c)工程で得られたアミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子(A2)を含むゾルと、(d)工程で得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)を含むゾルとを、その金属酸化物に換算した(B2)/(A2)の質量比で0.02〜1の比率に混合し、得られた水性媒体を20〜100℃で0.1〜50時間の熟成を行う工程を含む製造方法。
次に、(ホ)成分について説明する。
本発明の(ホ)成分は、酸化チタンコロイド粒子及び/又は酸化チタンを含む複合体コロイド粒子である。
(ホ)成分として酸化チタンを用い、前記(ニ)成分と混合させることにより良好な美観性、耐擦傷性を有するプラスチックレンズを得ることができる。(ホ)成分の具体的なコロイド粒子として、特開平8-113760号公報、特開平7-168002号公報、特開平11-310755号公報、特開平4-214028号公報に開示された酸化チタンコロイド粒子を用いた複合体コロイド粒子が挙げられる。
前記(ニ)及び(ホ)成分の重量比は、前記(ニ)成分及び(ホ)成分の合計の重量を1としたとき、0.01〜0.99が好ましい。
本発明におけるコーティング組成物には、所望により、反応を促進するために硬化剤、基材となるレンズとの屈折率を合わせるための微粒子状金属酸化物、又はコーティング組成物塗布時における濡れ性を向上させ、硬化膜の平滑性を向上させる目的で各種の有機溶剤や界面活性剤を含有させることもできる。さらに、紫外線吸収剤、酸化防止剤、光安定剤等も硬化膜の物性に影響を与えない限り添加することも可能である。
前記硬化剤の例としては、特に限定されないが、アリルアミン、エチルアミンなどのアミン類、またルイス酸やルイス塩基を含む各種酸や塩基、例えば有機カルボン酸、クロム酸、次亜塩素酸、ホウ酸、過塩素酸、臭素酸、亜セレン酸、チオ硫酸、オルトケイ酸、チオシアン酸、亜硝酸、アルミン酸、炭酸などを有する塩又は金属塩、さらにアルミニウム、ジルコニウム、チタニウムを有する金属アルコキシド又はこれらの金属キレート化合物などが挙げられる。これらの中でも、特に好ましい硬化剤は、耐擦傷性の観点から、アセチルアセトネート金属塩である。このアセチルアセトネート金属塩としては、例えば、M1(CH3COCHCOCH3 )n1(OR)n2(式中、M1 はZn(II)、Ti(IV)、Co(II)、Fe(II)、Cr(III) 、Mn(II)、V(III) 、V(IV)、Ca(II)、Co(III) 、Cu(II)、Mg(II)又はNi(II)、Rは炭素数1〜8の炭化水素基、n1+n2 はM1の価数に相当する値で2,3又は4であり、n2 は0,1又は2である。)で表わされる金属錯体化合物が挙げられる。Rとしては、前記一般式(1)〜(4)の示す各基において炭素数1〜8のものを挙げることができる。
また、本発明におけるプラスチックレンズの製造方法において、上述した物性を損なわない範囲で、他成分の微粒子状金属酸化物を添加することができる。特に、他成分の微粒子状金属酸化物としては、特に限定はなく、例えば、酸化アルミニウム、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、酸化ケイ素、酸化セリウム、酸化鉄、変成された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体ゾルなどの微粒子が挙げられる。
次に、本発明において、プラスチックレンズの基材となる材料について説明する。
本発明のプラスチックレンズの基材は、キシリレンジイソシアネートとポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズ、又はエピチオ基を有する化合物を含有するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有レンズからなる。
前記キシリレンジイソシアネートとポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズは、例えば屈折率(nd又はne:ndは測定基準波長がヘリウム、neは測定基準波長が水銀による屈折率)が1.65〜1.69程度のものが好ましく用いられ、ポリチオール化合物として、メルカプトメチル−ジチアン−オクタンジチオール及び/又はビス(メルカプトメチル)−トリチアウンデカンジチオールを成分として用いられることが好ましい。
前記キシリレンジイソシアネートの他に、他の物性を損なわない程度において、他のポリイソシアネート化合物(例えば、ジ(イソシアナトメチル) ビシクロヘプタン、ビス(イソシアナトメチル) −1,4−ジチアン及びジシクロヘキシルメタンジイソシアナ−ト等)を添加することができる。ポリイソシアネートの化合物全体におけるキシリレンジイソシアネートの含有モル率は、50モル%以上が好ましい。
また、ポリチオール化合物においても、レンズの物性を損なわない範囲において、メルカプトメチル−ジチアン−オクタンジチオール及び/又はビス(メルカプトメチル)−トリチアウンデカンジチオールの他に、他のポリチオール化合物(例えば、メタンジチオール、1,2−エタンジチオール、1,1−プロパンジチオール等の脂肪族チオール、ジチオジグリコール酸ビス(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ジチオジプロピオン酸(2,3−ジメルカプトプロピルエステル)、ビス(1,3−ジメルカプト−2−プロピル)スルフィド等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する脂肪族チオール、3,4−チオフェンジチオール、テトラヒドロチオフェン−2,5−ジメルカプトメチル等のメルカプト基以外に硫黄原子を含有する複素環化合物等)を添加することができる。
また、前記エピチオ基を有する化合物を必須成分するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有レンズは、例えば、屈折率(nd又はne)が1.69〜1.72程度のものが好ましく用いられ、エピチオ基を有する化合物としては、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド及び/又はビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドが挙げられる。さらに、前述したエピチオ基を有する化合物に、物性を損なわない範囲において、公知のポリイソシアネート化合物、ポリチオール化合物を加えてもよい。このポリイソシアネート化合物及びポリチオール化合物の例としては前記と同様のものか挙げられる。
また、前記硫黄含有レンズにおいて、エピチオ基を有する化合物が、前記レンズ原料モノマー全量を基準にして60重量%〜90重量%であると好ましい。
本発明において前記コーティング組成物を用い、その硬化膜を基材上に形成する方法としては、コーティング組成物を基材に塗布する方法が挙げられる。塗布手段としてはディッピング法、スピンコーティング法、スプレー法など通常行われる方法が適用できるが、面精度の面からディッピング法、スピンコーティング法が特に望ましい。
本発明において、前記コーティング組成物の反応、硬化は、通常熱風乾燥又は活性エネルギー線照射によって行われ、硬化条件としては、通常70〜200℃の熱風中にて行い、90〜150℃が好ましい。なお活性エネルギー線としては遠赤外線などが挙げられ、熱による損傷を低く抑えることができる。
さらに、前記コーティング組成物を基材に塗布する前に、レンズ基材に、酸、アルカリ、各種有機溶剤による化学的処理、プラズマ、紫外線などによる物理的処理、各種洗剤を用いる洗剤処理、サンドブラスト処理、さらには各種樹脂を用いたプライマー処理を施すことによって、基材と硬化膜との密着性などを向上させることができる。
また、前記コーティング組成物をレンズ基材に塗布して、硬化膜を形成した後、硬化膜の上に真空蒸着法やスパッタリングなどの物理気相蒸着法等にて、無機酸化物、有機化合物を原料とした反射防止膜を施すことができる。また、例えば、更に反射防止膜上に、例えば撥水性、帯電防止性、防曇性等の種々の機能性膜を間接的、直接的に、また組み合わせて付与することもできる。
本発明におけるプラスチックレンズは、眼鏡レンズとして好ましく用いられる。
また、その場合には、レンズ基材と硬化膜との屈折率差を調整することが好ましく、その屈折率差は好ましくは±0.3以内で±0.5以上は超えないことが望ましい。
次に、本発明を実施例により、さらに詳しく説明するが、本発明は、これらの実施例によって制限されるものではない。
なお、実施例及び比較例の物性評価は以下のようにした。
<評価方法>
(1)密着性の評価
硬化膜又は反射防止膜に1.5mm間隔で100目クロスカットし、このクロスカットしたところに粘着テープ(商品名:セロファンテープ ニチバン(株)製品)を強く貼り付けた後、粘着テープを急速に剥がした後の硬化膜の剥離の有無を調べた。判断基準は以下の通りである。
◎・・・剥離無し
○・・・剥離数1〜10目
△・・・剥離数11〜50目
×・・・剥離数51〜100目
(2)耐擦傷性の評価
スチールウール#0000で硬化膜又は反射防止膜の表面を2kgの荷重をかけて前後に20往復擦り、傷のつきにくさを目視で判断した。判断基準は以下の通りである。
◎・・・ほとんど傷がつかない
○・・・5本未満の傷が入る
△・・・5本以上10本未満の傷が入る
×・・・10本以上〜光学基盤と同等の傷が入る
(3)クラックの評価
蛍光灯下で硬化膜を有する光学部材を目視で判断した。判断基準は以下の通りである。
◎・・・クラックの発生が無い
○・・・レンズの端より、1mm未満の短いクラックが1もしくは2本ある。
△・・・レンズの端もしくは中央部より、1mm以上のクラックが5本未満ある。
×・・・レンズの端もしくは中央部より、1mm以上のクラックが5本以上ある。
(4)透明性の評価
暗室内、蛍光灯下で硬化膜に曇りがあるかどうかを目視で調べた。判断基準は以下の通りである。
◎・・・・・・曇りが見えない
○・・・・・・曇りがほとんど見えない
△・・・・・・曇りが少し見える
×・・・・・・曇りがかなり見える
(5)干渉縞の評価
蛍光灯下で硬化膜を有する光学部材を目視で判断した。判断基準は以下の通りである。
◎・・・・・・干渉縞が見えない
○・・・・・・干渉縞がほとんど見えない
△・・・・・・干渉縞が少し見える
×・・・・・・干渉縞がかなり見える
(6)耐候性色変化の評価
硬化膜を有する光学部材をキセノンロングライフウエザーメーター(スガ試験機(株)製)中にて200時間照射を行い、分光光度計((株)日立製作所製)にてYellow
ness Index(YI値)を投入前と投入後で測定し色変化の程度を調べた。判断基準は以下の通りである。
◎・・・・・・YI値の変化が0〜0.5未満
○・・・・・・YI値の変化が0.5以上1.0未満
△・・・・・・YI値の変化が1.0以上1.5未満
×・・・・・・YI値の変化が1.5以上
製造例1
(a)工程:1m3のベッセルに、炭酸水素テトラメチルアンモニウム(多摩化学工業(株)製、水酸化テトラメチルアンモニウムに換算して42.4質量%を含有する。)水溶液251.85kgと、純水95.6kgとを投入し希釈水溶液とする。この水溶液を攪拌しながら、オキシ炭酸ジルコニウム粉末(ZrOCO3、AMR製、ZrO2として40.11質量%を含有する。)を水溶液中に徐々に添加し、トータル491.85kg投入した。添加終了後、85℃に加温後、メタスズ酸8.23kg(昭和化工(株)製、SnO2として7.08kg含有する。)を徐々に添加し、105℃にて5時間加温熟成を行った。この加熱熟成終了時点では混合液はゾル状であった。
更に145℃にて5時間の水熱処理を行った。水熱処理後に得られたものは、酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のコロイド粒子(A)を含有するゾルであり、(ZrO2+SnO2)濃度として12.86質量%、比重1.180、pH10.62であった。
ついでこのゾルを限外ろ過装置にて純水を添加しながら、ゾルを洗浄、濃縮したところ、濃度6.03質量%の比重1.052、pH9.43の酸化ジルコニウム−酸化スズ複合体コロイド(A)を含むゾル1040kgが得られた。得られた酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド(A)は、電子顕微鏡観察による粒子径が5〜15nmであった。
(b)工程:200リットルのベッセルに三酸化アンチモン(広東三国製、Sb23として99.5質量%を含有する。)を25kg、純水124kgおよび48%水酸化カリウム水溶液20.6kgを添加し、攪拌下で、35%過酸化水素を20kg徐々に添加した。得られたアンチモン酸カリウム水溶液はSb25として14.6質量%、水酸化カリウムとして5.2質量%、K2O/Sb25のモル比は1.0であった。
得られたアンチモン酸カリウムの水溶液を2.4質量%に希釈し、カチオン型イオン交換樹脂を充填したカラムに通液した。イオン交換後のアンチモン酸の溶液にジイソプロピルアミンを攪拌下で14.9kg添加し、アミン含有五酸化アンチモンコロイド(B1)の溶液を得た。濃度はSb25として1.58質量%、ジイソプロピルアミンとして0.90質量%、透過型電子顕微鏡観察された粒子径は1〜10nmであった。
アミン含有五酸化アンチモンコロイド(B1)のゾル384kg(Sb25として6.05kg)に、攪拌下に得られた酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A)のゾルを922kg(ZrO2+SnO2として55.0kg)を純水で738gに希釈した後、(Sb25/ZrO2+SnO2)質量比が0.11の割合で添加混合し、ついで95℃にて2時間加温熟成を行った。そして、アミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A1)を含むゾルを得た。得られたアミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A1)は電子顕微鏡観察された粒子径が5〜20nmであった。
(c)工程:(b)工程で得られたアミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A1)を含むゾルを、300℃、19.6MPaで流速660g/min(反応管4リットル)で連続的に水熱処理を行った。そして、アミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A2)を含むゾルを得た。得られたアミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A2)は電子顕微鏡観察された粒子径が5〜20nmであった。
(d)工程:珪酸ナトリウム水溶液(SiO2として14.6質量%含有する。)20.68kgを水157kgに溶解し、ついでタングステン酸ナトリウムNa2WO4・2H2O(WO3として69.5質量%含有する)2.17kgおよびスズ酸ナトリウムNaSnO3・H2O(SnO2として55.6質量%含有する)2.72kgを溶解する。次いでこれを水素型陽イオン交換樹脂(IR−120B)のカラムに通すことにより酸性の酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)を含むゾル(pH2.1、WO3として0.6質量%、SnO2として0.6質量%、SiO2として1.2質量%を含有し、WO3/SnO2質量比1.0、SiO2/SnO2質量比2.0)249kgを得た。得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)は電子顕微鏡観察された粒子径は2〜7nmであった。
(e)工程:(c)工程で得られたアミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(A2)を含むゾルに、(d)工程で得られた酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体コロイド粒子(B2)を含むゾル(WO3+SnO2+SiO2として2.4質量%)を攪拌下に、(WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2+Sb25)質量比が0.1の割合で徐々に添加混合しついで95℃にて2時間加温熟成を行い、変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(C)を含む水性ゾルを得た。得られた変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(C)は電子顕微鏡観察された粒子径は5〜20nmであった。
(f)工程:得られた変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(C)を含む水性ゾル(希薄液)を限外ろ過装置により濃縮し、高濃度の変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体水性ゾルを207kgを得た。このゾルは比重1.300、粘度5.0mPa・s、pH8.8、動的光散乱法による粒子径は28nm、電子顕微鏡観察された粒子径は5〜20nm、全金属酸化物濃度25.1質量%で安定であった。動的光散乱法ではゾル中の粒子の粒子径が観測され、粒子同士の凝集があるときはそれらの凝集粒子の平均粒子径が観測される。
上記高濃度の変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(C)を含む水性ゾル約205kgに、メタノール約5000リットルを連続的に加えながら水を留去することにより水性ゾルをメタノールで置換した変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体コロイド粒子(C)を含むメタノールゾル120kgを得た。この変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合体のメタノールゾルは、動的光散乱法による粒子径は25nm、電子顕微鏡観察された粒子径は5〜20nm、(WO3+SnO2+SiO2)/(ZrO2+SnO2+Sb25)質量比が0.1であり、比重1.221、粘度5.1mPa・s、pH7.2(水との等質量混合物)、金属酸化物に換算した濃度は40.1質量%、水分0.49質量%であった。このゾルはコロイド色を呈し、透明性が高く、冷蔵(約7℃)で3ヶ月放置後も沈降物の生成、白濁、増粘等の異常は認められず安定であった。
実施例1
(1)コーティング組成物の製造
5℃雰囲気下、溶媒として、ダイアセトンアルコール(DAA)30質量部と(ロ)成分であるγ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.7質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)を混合した。この混合液に(ハ)成分であるγ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3.0質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)を攪拌しながら滴下し、4時間攪拌させた。ついで(イ)成分であるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン69.8質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中92.4mol%)を混合した後、0.01mol/リットル濃度の塩酸を攪拌しながら滴下し、1昼夜攪拌した。これによりシランカップリング剤加水分解品を得た。
5℃雰囲気下、製造例1で作製した変性酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合メタノールゾル(日産化学工業株式会社製)180質量部を攪拌しながら、ダイアセトンアルコール(DAA)20質量部及びプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGM)80質量部を混合した。ついで、攪拌しながら変性酸化チタン−酸化スズ−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オプトレイク1120Z(商品名))62.5質量部を混合し、一時間攪拌した。その後、攪拌しながら先に作製したシランカップリング剤を滴下し、一昼夜攪拌した。ついで、シリコン系界面活性剤(東レ ダウコーニング株式会社製 Y−7006(商品名))0.25質量部及びアルミニウムトリスアセチルアセトネート5質量部を順次添加し、150時間攪拌した。得られた溶液を0.5μmのフィルターでろ過したものをコーティング組成物とした。尚、本実施例では基材との屈折率差の調整を行い、干渉縞を防止するようにした。
(2)硬化膜の形成
キシリレンジイソシアネートと、ビス(メルカプトメチル)−トリチアウンデカン−ジチオールを反応して得られるレンズ基材(屈折率(ne)1.67、−NCO/−SHのモル比(1:1)以下、「レンズ基材A」と記す)を60℃、10重量%水酸化ナトリウム水溶液中に300秒間浸漬し、その後、超音波28kHz印加の下イオン交換水を用いて300秒間洗浄した。最後に、70℃雰囲気下、乾燥させる一連の工程を基材前処理とした。
前処理を施したレンズ基材Aをディッピング法にてコーティング組成物に30秒間浸漬し、30cm/分にて引き上げた基材を110℃、60分間の条件にて硬化膜(屈折率(ne)1.65)を形成した。
その物性評価結果を表1に示す。
(3)反射防止膜の形成
硬化膜を施したプラスチックレンズ基材を蒸着装置に入れ、排気しながら65℃に加熱し、2.7mPaまで排気した後、電子ビーム加熱法にて蒸着原料を蒸着させて、ハードコート側よりSiO2からなるnd=1.46、nλ=0.08の第1層、Nb2O5、ZrO2、Y2O3からなるnd=2.21、nλ=0.04の第2層、SiO2からなるnd=1.46、nλ=0.55の第3層、Nb2O5、ZrO2、Y2O3からなるnd=2.21、nλ=0.12の第4層、SiO2からなるnd=1.46、nλ=0.09の第5層、Nb2O5、ZrO2、Y2O3からなるnd=2.21、nλ=0.17の第6層、SiO2からなるnd=1.46、nλ=0.28の第7層を形成して反射防止膜を施した。なお、ndは屈折率、nλは膜厚である。物性評価結果を表1に示す。
実施例2
実施例1において、変性酸化チタン−酸化スズ−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オプトレイク1120Z(商品名))の代わりに、変性酸化チタン−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オプトレイク1130Z(商品名))を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例3
実施例1において、変性酸化チタン−酸化スズ−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オプトレイク1120Z(商品名))の代わりに、変性酸化スズ−酸化チタン−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(日産化学工業株式会社製 HITシリーズ(商品名))を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例4
実施例1において、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.7質量部(イロハ成分中3.8mol%)の代わりにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン2.9質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中5.0mol%)を用い、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3.0質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)を4.1質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中5mol%)とした以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例5
実施例1において、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3.0質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)の代わりにγ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン2.6質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中4mol%)を用い、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.7質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)を2.8質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中4mol%)とした以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例6
実施例1において、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン2.7質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)の代わりにγ−アミノプロピルトリメトキシシラン1.7質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.0mol%)を用い、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン3.0質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.8mol%)の代わりにγ−イソシアナトプロピルトリメトキシシラン1.9質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.0mol%)を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例7
実施例1において、溶媒としてPGMの代わりにイソプロパノール(IPA)を用いた以外は同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例8
実施例1において、溶媒としてPGMの代わりに1−ブタノールを用いた以外は同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例9
実施例1において、レンズ基材として、レンズ基材Aの代わりに、特開2001−330701号公報段落番号[0013]〜[0014]に記載されている要領で、ビス(イソシアナトメチル)−1,4−ジチアン9.30重量部、ビス(メルカプトメチル)−1,4−ジチアン25.70重量部、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド65.0重量部を反応させて得られるプラスチックレンズ基材(屈折率(ne)1.70、以下、「レンズ基材B」と記載する)を用いた以外は、全て同様にして硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例10
実施例1において、レンズ基材として、レンズ基材Aの代わりに、キシリレンジイソシアネートと、メルカプトメチル−ジチアン−オクタンジチオールを反応して得られるレンズ基材(屈折率(ne)1.67、以下、「レンズ基材C」と記載する)を用いた以外は全て同様にして硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例11
実施例1において、(イ)成分として一般式(1)で表されるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン66.45質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中89.4mol%)に加え、(イ)成分として一般式(2)で表されるビス(トリエトキシシリル)エタン3.35質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中3.0mol%)の2種を用いた以外は同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
実施例12
実施例1において、(イ)成分として一般式(1)で表されるγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン66.36質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中88.4mol%)に加え、(イ)成分として一般式(2)で表されるビス(トリメトキシシリル)エタン3.44質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中4.0mol%)の2種を用いた以外は同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例1
実施例1において、変性酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合メタノールゾル(日産化学工業株式会社製)の代わりに二酸化ケイ素メタノールゾル(日産化学工業株式会社 オルガノシリカゾル Snoetexシリーズ(商品名))を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例2
実施例1において、変性酸化チタン−酸化スズ−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製)の代わりに二酸化ケイ素メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オルガノシリカゾル OSCALシリーズ(商品名))を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例3
実施例1において、製造例1で作製した変性酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合メタノールゾルを使用せず、変性酸化チタン−酸化スズ−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オプトレイク1120Z(商品名))242.5質量部を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例4
実施例1において、変性酸化チタン−酸化スズ−酸化ケイ素−酸化ジルコニウム複合メタノールゾル(触媒化成工業株式会社製 オプトレイク1120Z(商品名))を使用せず、製造例1で作製した変性酸化ジルコニウム−酸化第二スズ複合メタノールゾル242.5質量部を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例5
実施例1において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランとγ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランを使用せず、シランカップリング剤としてγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン75.5質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中100mol%)を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例6
実施例1において、γ−アミノプロピルトリエトキシシランを使用せず、シランカップリング剤としてγ−イソシアナトプロピルトリエトキシシラン5.7質量部((イ)(ロ)及び(ハ)成分中7.2mol%)及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン69.8質量部(イロハ成分中92.8mol%)を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
比較例7
実施例1において、γ−イソシアナトプロピルトリエトキシシランを使用せず、シランカップリング剤としてγ−アミノプロピルトリエトキシシラン5.7質量部(イロハ成分中8.0mol%)及びγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン69.8質量部(イロハ成分中92.0mol%)を用いた以外は、同様にしてコーティング組成物を調製し、同様にしてレンズ基材Aに硬化膜及び反射防止膜を形成した。物性評価結果を表1に示す。
Figure 0004815288
本発明のプラスチックレンズは、キシリレンジイソシアネートと、ポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズ、又はエピチオ基を有する化合物を必須成分するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有プラスチックレンズを基材とした場合に、耐候性、美観性、耐擦傷性、レンズ基材と硬化膜との密着性に優れている。

Claims (11)

  1. キシリレンジイソシアネートとポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズ、又はエピチオ基を有する化合物を必須成分するレンズ原料モノマーを反応して得られる硫黄含有レンズを基材とし、この基材上に、直接又は間接的に下記(イ)成分、(ロ)成分及び(ハ)成分の有機ケイ素化合物と、(ニ)成分及び(ホ)成分のコロイド状金属酸化物を含有するコーティング組成物を塗布硬化させてなる硬化膜を施したプラスチックレンズ。
    (イ)成分
    下記一般式(1)で表されるグリシド基を有する有機ケイ素化合物及びその加水分解物、又は、下記一般式(1)で表されるグリシド基を有する有機ケイ素化合物と下記一般式(2)で表される有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物
    1 nSi(OR2)4-n ・・・(1)
    (式中、R1はグリシド基を有する1価の炭素数3〜20の炭化水素基、R2は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基、nは1又は2の整数を示し、R1が複数ある場合には複数のR1はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR2はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
    Figure 0004815288
    (式中、R3及びR4は、それぞれ炭素数1〜4のアルキル基又は炭素数2〜4のアシル基であり同一でも異なっていてもよく、R5及びR6は、それぞれ官能基を有するもしくは有しない炭素数1〜5の1価の炭化水素基であり同一でも異なっていてもよく、Yは炭素数2〜20の2価の炭化水素基、a及びbは、それぞれ0又は1の整数を示し、複数のOR3はたがいに同一でも異なっていてもよいし、複数のOR4はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
    (ロ)成分
    下記一般式(3)で表されるアミノ基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種
    7 nSi(OR8)4-n ・・・(3)
    (式中、R7はアミノ基を有する1価の炭素数1〜20の炭化水素基、R8は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基、nは1又は2の整数を示し、R7が複数ある場合には複数のR7はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR8はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
    (ハ)成分
    下記一般式(4)で表されるイソシアネート基を有する有機ケイ素化合物及びそれらの加水分解物の中から選ばれる少なくとも1種
    9 nSi(OR10)4-n ・・・(4)
    (式中、R9はイソシアネート基を有する1価の炭素数1〜20の炭化水素基、R10は炭素数1〜8のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数7〜10のアラルキル基、又は炭素数2〜10のアシル基、nは1又は2の整数を示し、R9が複数ある場合には複数のR9はたがいに同一でも異なっていてもよく、複数のOR10はたがいに同一でも異なっていてもよい。)
    (ニ)成分
    酸化ジルコニウムのコロイド粒子と酸化第二スズのコロイド粒子とがこれらの酸化物のモル比に基づいてSnO2/ZrO2として0.02〜0.4の比率に結合した構造と2.5〜100nmの粒子径を有する、アミン含有Sb25を含む酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(A2)を核としてその表面が、0.1〜100のWO3/SnO2質量比と、0.1〜100のSiO2/SnO2質量比と2〜7nmの粒子径を有する酸化タングステン−酸化第二スズ−二酸化ケイ素複合体のコロイド粒子(B2)で被覆され、且つ(B2)/(A2)の質量比がそれらの金属酸化物の質量比に基づき0.02〜1の割合であり、2.5〜100nmの粒子径を有する変性された酸化ジルコニウム−酸化第二スズの複合体コロイド粒子(C)
    (ホ)成分
    酸化チタンコロイド粒子及び/又は酸化チタンを含む複合体コロイド粒子
  2. (イ)成分の一般式(1)で表される有機ケイ素化合物が、γ−グリシドキシプロピルトリアルコキシシランである請求項1記載のプラスチックレンズ。
  3. (ロ)成分の一般式(3)で表される有機ケイ素化合物が、γ−アミノプロピルトリアルコキシシランである請求項1記載のプラスチックレンズ。
  4. (ハ)成分の一般式(4)で表される有機ケイ素化合物が、γ−イソシアナトプロピルトリアルコキシシランである請求項1記載のプラスチックレンズ。
  5. 前記有機ケイ素化合物のモル比割合は、有機ケイ素化合物の全量を基準にして(イ)成分:(ロ)成分:(ハ)成分=99:0.5:0.5〜10:45:45である請求項1記載のプラスックレンズ。
  6. 前記(ホ)成分である酸化チタンコロイド粒子を含む複合体コロイド粒子が、酸化チタン−酸化ジルコニウム−酸化ケイ素−酸化スズの複合コロイド粒子である請求項1〜5のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
  7. 前記(ニ)成分の重量比が、前記(ニ)成分及び(ホ)成分の合計の重量を1としたとき、0.01〜0.99である請求項1〜6のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
  8. 前記硫黄含有レンズにおいて、エピチオ基を有する化合物が、ビス(β−エピチオプロピル)スルフィド及び/又はビス(β−エピチオプロピル)ジスルフィドである請求項1〜7のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
  9. 前記硫黄含有レンズにおいて、エピチオ基を有する化合物が、前記レンズ原料モノマー全量を基準にして60重量%〜90重量%である請求項1〜8のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
  10. キシリレンジイソシアネートとポリチオールとを反応して得られるポリチオウレタンレンズにおいて、ポリチオールとして、メルカプトメチル−ジチアン−オクタンジチオール及び/又はビス(メルカプトメチル)−トリチア−ウンデカンジチオールを成分として用いる請求項1〜9のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
  11. 前記ポリチオウレタンレンズの屈折率が1.65〜1.69、及び/又は前記硫黄含有レンズの屈折率が1.69〜1.72である請求項1〜10のいずれかに記載のプラスチックレンズ。
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