JP4812435B2 - 光コネクタ用工具、及び前記光コネクタ用工具を取り付けた工具付き光コネクタ - Google Patents

光コネクタ用工具、及び前記光コネクタ用工具を取り付けた工具付き光コネクタ Download PDF

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この発明は、光コネクタ用工具、及び前記光コネクタ用工具を取り付けた工具付き光コネクタに関し、特に突き合わせ接続した光ファイバの対をクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持する機構を具備した光コネクタに適用される光コネクタ用工具、及び前記光コネクタ用工具を取り付けた工具付き光コネクタに関する。
近年、光ファイバ先端への組立作業を、工場以外の接続現場にて行うことができる光コネクタとして、予め光ファイバを内装固定して先端面に研磨を施したフェルールと、このフェルールの後部(先端面と対向する位置)に配置したクランプ部とを具備し、このクランプ部においてフェルール側の光ファイバと、この光ファイバに突き当てた別の接続用の光ファイバとを、前記クランプ部の半割りの素子にクランプすることで突き合わせ接続状態を維持し、短時間で光コネクタの組立を行うことができるものが知られている。ここで、クランプ部はサイズが小さいために、特許文献1及び特許文献2に示されているように、素子の開閉操作を行う専用の工具(光コネクタ組立工具)が提案されている。
ところが、上記の特許文献1及び特許文献2の構造の光コネクタ組立工具では、光コネクタのクランプ部の操作を実現するために、サイズの小さい素子の間に、高精度に加工された楔を正確に挿脱できるように精密に構成される必要があり、低コスト化が困難であるといった問題があった。また、サイズに関しては、例えば装置筐体内などの狭隘な作業空間に挿入できないといったケースもあり、また、装置筐体の外に設置した光コネクタ組立工具にて、光ファイバ先端へのコネクタ付けを行う場合には、装置筐体から光ファイバを引き出すための引き出し余長が確保される必要があるので、小型化、低コスト化が困難であるといった問題もあった。
そこで、特許文献3に示される光ファイバ接続用工具が開発されている。すなわち、この光ファイバ接続用工具は、上記の光コネクタの前記クランプ部の外側から前記素子の間に割り込ませることによって前記素子間を押し開いて、素子間への前記別の光ファイバの挿脱が可能な状態を維持する介挿部材と、前記クランプ部の素子間に割り込ませた介挿部材を前記クランプ部から引き抜くためのリング状の介挿部材駆動部と、この介挿部材駆動部の周方向の一部に介在させるようにして設けられ、前記光コネクタの前記クランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ壁とを有している。
さらに、前記介挿部材は、前記介挿部材駆動部の前記ストッパ壁とは逆の側の端部である可動端部から前記ストッパ壁に形成されている介挿部材用窓を貫通して前記ストッパ壁の外面側に突出されている。
また、前記介挿部材駆動部は、前記ストッパ壁と前記可動端部との間に位置する部分に対向する両側から作用させた側圧によって、前記ストッパ壁と前記可動端部との間の距離が増大するように変形されることで、前記介挿部材を前記ストッパ壁からの突出量が減少又は前記ストッパ壁からの突出が解消するように移動させるものである。
加えて、上記の光ファイバ接続用工具を取り付けた工具付き光コネクタが提案されている。
特開2002−23006号公報 特開2002−55259号公報 特開2005−99706号公報
ところで、従来の特許文献3に示される工具付き光コネクタは、予め、光ファイバ接続用工具が光コネクタに取り付けられて出荷される。すなわち、光コネクタのクランプ部の外側から前記素子の間に割り込ませた光ファイバ接続用工具の介挿部材によって前記素子間が押し開かれ、素子間への前記別の光ファイバの挿脱が可能な状態が維持されて出荷される。
現場では、光ファイバ接続時には、前記別の光ファイバを前記素子間に挿入して光ファイバ同士を突き合わせた状態で、介挿部材駆動部を両側から作用させた側圧によって前記介挿部材を素子の間から抜き出す操作を行うことにより、光ファイバがクランプ部の半割りの素子でクランプされることで光ファイバ同士の突き合わせ接続状態が維持される。
上記の光ファイバ同士を突き合わせた状態で介挿部材が前記素子の間から抜き出されることが必要であり、このタイミングがずれてしまうと、光ファイバ同士の突き合わせ接続が外れるという問題点があった。例えば、前記介挿部材が素子の間から十分に抜け切っていない状態で、光ファイバの後方側の処理などの次の作業が行われると、上記の素子の間における光ファイバ同士の突き合わせ接続状態が不十分になるので接続不良等が発生する。
しかし、光ファイバ接続用工具は、介挿部材と介挿部材駆動部が一体的に設けられており、前記介挿部材が前記素子の間から十分に抜け切っているかどうかを目視確認することができない場合が生じるために、上記のような接続不良等が発生するという問題点があった。
なお、前記介挿部材が前記素子の間から十分に抜け切っているかどうかを確認するために、前記介挿部材が抜け切ったところで検知音を発生せしめる構造として例えば、前記介挿部材の側面に突起部を設け、前記介挿部材が移動するときに前記突起部に接触して変形される弾性片を例えば前記ストッパ壁に設け、前記介挿部材が移動して前記素子の間から抜け切ったところで前記弾性片が突起部から外れて復帰する際に検知音を発生する構造とすることができるが、この構造では検知音を確認できないような騒がしい環境では不十分である。
この発明は上述の課題を解決するためになされたものである。
この発明の光コネクタ用工具は、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備した光コネクタを保持するコネクタホルダ部と、このコネクタホルダ部に保持された前記光コネクタの前記素子間を押し開いて前記光ファイバを挿脱可能に維持すべく前記素子の間に割り込ませる介挿部材と、この介挿部材を前記クランプ部の素子間に挿脱せしめるために前記介挿部材を駆動すると共に前記コネクタホルダ部が周方向の一部に設けられたリング状の介挿部材駆動部と、を備えた光コネクタ用工具において、
前記介挿部材駆動部は、前記コネクタホルダ部の一部をなすと共に前記光コネクタのクランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ壁部と、このストッパ壁部に形成されていると共に前記介挿部材を通過可能な介挿部材用窓部と、当該介挿部材駆動部のリング状の内部空間を介して前記ストッパ壁部とは反対側に位置する可動端部と、この可動端部に設けられていると共に前記介挿部材を保持する介挿部材保持部と、を備え、
前記介挿部材は、前記介挿部材用窓部を通過して前記ストッパ壁部の外面側に突出する先端に設けられていると共に前記素子間に挿入される先端部と、前記介挿部材保持部に保持されると共に前記先端部が前記素子間に挿入される第1方向にスライドして係止可能に設けた基部と、この基部が前記介挿部材保持部に対して相対的に前記第1方向にスライドしたときに前記介挿部材保持部との間に形成される隙間部と、を備え、
前記介挿部材駆動部は、前記可動端部を押圧する前の原位置に前記可動端部及び前記介挿部材保持部を配置しているとき、前記隙間部を解消する第2方向に前記介挿部材を付勢する付勢手段をさらに備え、前記可動端部を前記原位置から前記第1方向に押圧した後にこの押圧力を解除したとき、前記可動端部及び前記介挿部材保持部を前記原位置に復帰せしめる復帰力を備えていることを特徴とする光コネクタ用工具。
また、この発明の光コネクタ用工具は、前記光コネクタ用工具において、前記介挿部材保持部に、複数の介挿部材がそれぞれ独立してスライド可能に設けられていることが好ましい。
また、この発明の光コネクタ用工具は、前記光コネクタ用工具において、前記介挿部材保持部が前記介挿部材に対応する係合穴部を有し、前記介挿部材の基部が前記係合穴部に挿通してスライド可能なスライド部と、このスライド部の後端に設けられて前記係合穴部に係止する係止部と、を有していることが好ましい。
また、この発明の光コネクタ用工具は、前記光コネクタ用工具において、前記隙間部を形成する介挿部材保持部と介挿部材の基部との相対面の近傍に、前記隙間部を識別する識別マークを設けていることが好ましい。
また、この発明の光コネクタ用工具は、前記光コネクタ用工具において、前記隙間部に、識別用の着色を付していることが好ましい。
この発明の光工具付き光コネクタは、突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備した光コネクタの外側に上述したこの発明の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材の先端部を割り込ませており、前記介挿部材駆動部の復帰力により前記介挿部材と介挿部材保持部との間に隙間部が形成されていることを確認できる構成であることを特徴とするものである。
以上のごとき課題を解決するための手段から理解されるように、この発明の光コネクタ用工具によれば、光コネクタをコネクタホルダ部に保持した後に、介挿部材駆動部の原位置にある可動端部を押圧し、介挿部材保持部に保持されている介挿部材を移動せしめて、介挿部材の先端部を前記光コネクタのクランプ部の一対の素子間に挿入する。もし、前記介挿部材の先端部が前記素子間に挿入される場合は、前記可動端部の押圧を解除すると、前記介挿部材駆動部がそれ自体の復帰力により原位置へ復帰するが、前記介挿部材は復帰しないので、前記介挿部材保持部と基部の間に隙間部を形成できる。
一方、前記介挿部材の先端部が前記素子間に挿入されない場合は、前記可動端部の押圧を解除すると、前記介挿部材駆動部がそれ自体の復帰力により原位置へ復帰し、且つ前記介挿部材も前記隙間部を解消する方向の付勢力によって復帰し、前記隙間部が解消される。
これにより、光コネクタ用工具の使用者が前記隙間部を目視確認することで、前記介挿部材の先端部がクランプ部の素子間に挿入されたことを確実に確認できる。その結果、光ファイバ同士を前記素子間で確実に突き合わせ接続でき、この状態で、介挿部材駆動部の可動端部とコネクタホルダ部との間の距離を増大せしめるように介挿部材駆動部を作動して、介挿部材保持部の介挿部材を前記素子間から抜き出し、前記素子間の光ファイバ同士をクランプ部でクランプ固定できる。したがって、介挿部材の素子間からの不完全な抜き出しがなくなるので光ファイバの接続不良の発生をなくすることができる。
また、この発明の工具付き光コネクタによれば、上述した光コネクタの外側にこの発明の光コネクタ用工具を取り付けているので、前記介挿部材と介挿部材保持部との間に隙間部が形成されていることを目視確認することで、前記光コネクタ用工具の介挿部材の先端部が前記光コネクタのクランプ部の素子間に挿入されていることを確実に確認できる。上述した光コネクタ用工具の効果と同様である。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
図1〜図4を参照するに、この実施の形態に係る工具付き光コネクタ1は光コネクタプラグである光コネクタ3の外側に、この実施の形態に係る光コネクタ用工具5を装着した構成のものである。
図1における光コネクタ3は、所謂SC2形光コネクタであり、SC形光コネクタから、当該SC形光コネクタのプラグフレーム3C(図9及び図13参照)の外側に装着されるつまみを省略したものである。なお、上記のSC形光コネクタ(SC:Single fiber Coupling optical fiber Connector)は、JIS C 5973に制定されるF04形光コネクタ(光コネクタプラグ)などをいう。また、上記の光コネクタ3としては、前述したSC2形光コネクタに限定されず、単心あるいは多心の各種の光コネクタプラグを採用可能である。
図9及び図10を参照するに、この光コネクタ3は、フェルール3Aと、このフェルール3Aの先端面の接合端面3A1に対向する後端側に配置されたクランプ部3Bと、フェルール3Aを収納するようにしてその外側にフェルール3Aの軸回りの回転を規制して装着されるスリーブ状のプラグフレーム3Cと、プラグフレーム3Cの図10において右側の後端に係合して取付けられると共に前記クランプ部3Bを収容するストップリング3Dと、このストップリング3D内に内装されたスプリング3Eとを備えている。
なお、上記のストップリング3Dにおいて符号3D1、3D2 は、図1に示される光コネクタ用工具5の介挿部材7を差し込む差込口を示すものであり、符号3Fは、ストップリング3Dの後端に装着されるブーツを示すものである。但し、ブーツ3Fは、光コネクタ3の図10において右側の後端側からクランプ部3Bに光ファイバ9を挿入する際に、前記光ファイバ9に予め通しておき、クランプ部3Bへの光ファイバ9の挿入完了後にストップリング3Dに装着される。
上記のクランプ部3Bは、複数の部材がフェルール3Aのフランジ部3A2から光コネクタ3の後端側へ向かって延びる延出部3A3に組み付けられた構成であり、フェルール3Aと一体となっている。以下、クランプ部3Bを組み立てたフェルール3Aは、「クランプ部付きフェルール3G」と称して説明する場合がある。
上記のクランプ部付きフェルール3Gのクランプ部3Bは、スリーブ状のストップリング3Dの軸方向に移動自在としてストップリング3Dに収納されている。スプリング3Eは、ストップリング3Dの後端部に反力を取ってクランプ部3Bを光コネクタ3の図10において左側の先端側に押圧することにより、クランプ部付きフェルール3Gの全体を光コネクタ3の先端側に付勢するものである。例えば、光コネクタ3を図示しない光コネクタアダプタ等に挿入して図示しない別の光コネクタと接続する時に、フェルール3Aに対して接続の相手側の光コネクタとの間の突き合わせ力を与える機能を果たすものである。
なお、クランプ部付きフェルール3Gは、フェルール3Aのフランジ部3A2がプラグフレーム3C内に突設されているストッパ突起3C1に当接することにより、ストップリング3Dの付勢力に対する光コネクタ3の先端側に向けてそれ以上の移動、すなわちストップリング3Dに対する相対的な移動が規制される。
図10〜図12を参照するに、クランプ部3Bは、フェルール3Aのフランジ部3A2から延びる延出部3A3と、この延出部3A3の合わせ面3I3上に配置された蓋側素子3H1、3H2が、断面C形のスリーブ状のバネ3J(C形バネ)の内側に収容された構造になっている。なお、図12では、図11におけるクランプ部付きフェルール3Gのクランプ部3Bを構成する2つの蓋側素子3H1、3H2と、ベース側素子3H3(延出部3A3)との合わせ面が示されている。
また、上記の延出部3A3は、クランプ部3Bを構成する半割りの素子の一方を構成するものであり、以下、分かり易く「3H3」と称することもある。2つの蓋側素子3H1、3H2(この2つを合わせて「素子3H」という)は、クランプ部3Bを構成する半割りの素子の他方を構成している。つまり、クランプ部3Bは、一対の半割りの素子3Hと素子3H3との間で光ファイバをクランプする構造になっている。
また、上記の2つの蓋側素子3H1、3H2は、一方の素子3H1が他方の素子3H2よりもフェルール3Aの側となるように、光コネクタ3の前後方向、すなわち図10の左右方向に配列されている。また、バネ3Jは、2つの蓋側素子3H1、3H2の間の境界付近でバネ3Jに形成されているスリット3J1によって、当該バネ3Jの弾性が2つの蓋側素子3H1、3H2に別個に作用するように構成されている。つまり、一方の蓋側素子3H1と延出部3A3の組、並びに他方の蓋側素子3H2と延出部3A3の組は、それぞれ独立のクランプ部としても機能できる構成である。なお、バネ3Jの形状は断面コ字形状のように各種採用可能である。
また、上記のフェルール3Aには光ファイバ11が内挿固定されている。この実施の形態では前記光ファイバ11は裸光ファイバであり、以下、「フェルール側光ファイバ」ともいう。このフェルール側光ファイバ11は、フェルール3Aの後端から突出されている。このフェルール後端から突出された部分である突出部11Aは、クランプ部3Bの一対の素子3H、3H3の間に挿入されており、クランプ部3Bの一対の素子3H、3H3の一方又は両方の合わせ面に形成されている調心溝3Kに収納されて精密に位置決め調心される。なお、この実施の形態では、上記の調心溝3Kは図12に示されているように素子3H3の合わせ面3I3のみに形成されている。
また、クランプ部3Bには、当該クランプ部3Bの後端部から一対の素子3H、3H3の間に挿入される光ファイバ9の先端を調心溝3Kに導く溝3K1、3K2が形成されている。なお、この実施の形態では、光ファイバ9は単心の光ファイバ心線である。前記溝3K1、3K2は、調心溝3Kよりもクランプ部3Bの後端側にずれた位置で、クランプ部3Bの一対の素子3H、3H3の一方又は両方の合わせ面に形成されている。さらに、前記溝3K1、3K2は、クランプ部3Bの後端部に開口する開口部3K3を有しており、この開口部3K3からフェルール3Aに向かって延在するように形成されている。
さらに、前記溝3K1、3K2のフェルール3Aの側の端部は調心溝3Kに連通されている。この実施の形態の光コネクタ3では、図10及び図12に示されているように溝3K1、3K2が素子3H3の合わせ面3I3と、素子3H2の合わせ面3I2の両方に形成されている。この溝3K1、3K2は、一対の素子3H、3H3の間で丁度対面する位置に、具体的には、素子3H3と素子3H2の丁度対面する位置に形成されている。
例えば、光コネクタ用工具5の介挿部材7が素子3H、3H3間に挿入された状態とすることにより、予め、バネ3Jの弾性に抗してクランプ部3Bの一対の素子3H、3H3間を押し広げておき、光ファイバ9の裸光ファイバ9Aを露出した先端がストップリング3Dの後端部の開口部3D3に挿入されていくと、前記光ファイバ9は開口部3D3からクランプ部3Bの後端部に開口する開口部3K3に、すなわち溝3K1、3K2の開口部に挿入できる。
さらに、光ファイバ9は、フェルール3Aの側へ押し込まれることによって、クランプ部3Bの後端部の開口部3K3から溝3K1、3K2に押し込まれる。さらに押し込まれることによって、光ファイバ9の先端の裸光ファイバ9Aが溝3K1、3K2から調心溝3Kに押し込まれてフェルール側光ファイバ11に突き合わせ接続できる。
上記のフェルール側光ファイバ11は調心溝3Kのフェルール3Aの側の端部から長手方向の中央部までの範囲に収納されており、光ファイバ9の先端の裸光ファイバ9Aが調心溝3Kに挿入されることにより、前記裸光ファイバ9Aの先端は調心溝3Kの調心精度によって精密に位置決め調心した状態で、フェルール側光ファイバ11(詳綱には突出部11Aの先端)に対して突き合わせ接続できる。
なお、光ファイバ9は、裸光ファイバ9Aの口出し長の設定によって、裸光ファイバ9Aが調心溝3K内でフェルール側光ファイバ11に突き当てられた際に、溝3K1、3K2のほぼ全長にわたって被覆部分が収納されるようにしておかれる。
上述したように光ファイバ9の先端の裸光ファイバ9Aとフェルール側光ファイバ11との突き合わせが保たれた状熊で、一対の素子3H、3H3間の押し広げが解除されると、例えば、素子3H、3H3間に挿入されている介挿部材7が素子3H、3H3間から引き抜かれると、バネ3Jの弾性によって素子3H、3H3間が開じられ、フェルール側光ファイバ11と光ファイバ9が一対の素子3H、3H3間にクランプ固定される。
その結果、光ファイバ9の先端の裸光ファイバ9Aとフェルール側光ファイバ11との突き合わせ状態が維持される。また、光ファイバ9の被覆部分が溝3K1、3K2内にクランプ固定され、クランプ部3Bからの光ファイバ9の引き抜きが規制される。なお、溝3K1、3K2は、光ファイバ9の被覆部分を収納し、かつ、バネ3Jの弾性のクランプ力によってクランプ固定するための被覆収納溝を構成するものである。
なお、前述したフェルール側光ファイバ11としては、例えば石英系光ファイバが採用されている。また、前述した光ファイバ9としては、光ファイバ心線に限定されず、例えば光ファイバ素線、光ファイバコード等も採用可能である。この別の光ファイバ(詳細には裸光ファイバ9A)としては、例えば石英系光ファイバが採用されている。
また、前述した調心溝3Kは、この実施の形態では図4に示されているようにV溝であるが、例えば、U溝、丸溝(断面半円形の溝)等、各種構成が採用可能である。
次に、光コネクタ用工具5について図面を参照して説明する。
図1〜図6を参照するに、光コネクタ用工具5は、光コネクタ3の外側に組み付けられるコネクタホルダ部13と、このコネクタホルダ部13に組み付けられた前記光コネクタ3のクランプ部3Bの素子3H、3H3の間を押し開いて前記光ファイバ9、11を挿脱可能に維持すべく前記素子3H、3H3の間に割り込ませる先端部7Cを有する介挿部材7と、この介挿部材7の先端部7Cを前記クランプ部3Bの素子3H、3H3間に挿脱せしめるために前記介挿部材7を駆動すると共に前記コネクタホルダ部13が周方向の一部に設けられたリング状の介挿部材駆動部15と、が備えられている。
なお、この実施の形態では、上記の介挿部材7は介挿部材駆動部15に複数本(ここでは2本)が設けられている。各介挿部材7(7A、7B)の介挿部材駆動部15における設置位置は、リング状の介挿部材駆動部15の軸線方向にずらされている。
上記のコネクタホルダ部13について詳しく説明すると、コネクタホルダ部13は、前記光コネクタ3のクランプ部3Bから介挿部材7を引き抜く際に前記光コネクタ3が押し当てられるストッパ壁部の一部である底壁13Dと、この底壁13Dから介挿部材駆動部15の外側に向けて突設された一対の側壁13B、13Cと、この側壁13B、13Cの間に設けた収容凹所13Aとを有しており、断面コ字状に形成されている。前記収容凹所13Aは、光コネクタ3を取り出し可能に収容する溝状になっている。また、一対の側壁13B、13Cの先端には前記光コネクタ3を底壁13Dへ押さえて保持するための保持爪部13E、13Fが設けられている。
また、コネクタホルダ部13は、溝状の収容凹所13Aの延在方向中央部にて、左右に分離した形態で底壁13Dから収容凹所13A内に突出する突壁状のコネクタ受け台13G、13Hを有している。このコネクタ受け台13G、13Hには、光コネクタ3のストップリング3Dを両側から嵌め込む凹形のコネクタ嵌合凹部13Iが形成されている。なお、収容凹所13Aの延在方向は、リング状の介挿部材駆動部15の中心軸線に沿うように向きを揃えてある。
したがって、一対の側壁13B、13Cには、光コネクタ3のプラグフレーム3Cの前記底壁13Dと対面される側の側面が押し当てられる。さらに収容凹所13A内に保持される光コネクタ3は、ストップリング3Dがコネクタ受け台13G、13Hのコネクタ嵌合凹部13Iにより両側から押し当てられることで、介挿部材駆動部15の中心軸線に対して所望の姿勢で支持される。
なお、コネクタホルダ部13の側壁13B、13C並びにコネクタ受け台13G、13Hは底壁13Dで連結されている部分を除いて介挿部材用窓部17を介して2分されているので、保持爪部13E、13Fの側が左右に開かれる構成である。
なお、図示例の光コネクタ用工具5では、収容凹所13Aに嵌め込んだ光コネクタ3のクランプ部3Bの中心軸線(調心溝3Kの調心軸線)と、介挿部材駆動部15の中心軸線との向きが揃うようにされている。
さらに、光コネクタ3の構造によっては、光コネクタ3の前記コネクタホルダ部13の収容凹所13A内に嵌め込む部分が、必ずしもプラグフレーム3Cに限定されない。いわゆるプラグフレームとは異なるハウジングであっても良い。この点、光コネクタ用工具5は、例えば、いわゆるプラグフレームを有していない構造の光コネクタや、プラグフレームの外側に装着されたハウジングを具備する光コネクタにも適用可能である。コネクタホルダ部13は、光コネクタ3を介挿部材駆動部15の中心軸線に対して所望の姿勢でガタ付かせること無く安定に支持できる構造であれば良く、適宜設計変更可能である。
また、光コネクタ3の軸方向(クランプ部3Bの中心軸線方向、並びに調心溝3Kの調心軸線)における光コネクタ用工具5の位置決めは、プラグフレーム3Cの後端面3C2へのコネクタ受け台13G、13Hの当接に限定されない。要するに、光コネクタ3の側部の突部又は凹所が光コネクタ用工具5に当接されることで、光コネクタ3の軸方向における位置決めを実現するための位置決め用当接部が設けられていることが好ましい。なお、位置決め用当接部としては、前述のコネクタ受け台13G、13H以外に様々な構成を採用できる。
なお、前記底壁13Dは、前記介挿部材7が通過して収容凹所13Aに突出可能な介挿部材用窓部17を介して2分されている。その他の介挿部材用窓部17としては、例えばコネクタホルダ部13の両側壁13B、13C間を連結する構成の底壁13Dに穿孔した小孔等であっても良い。なお、介挿部材用窓部17は、後述するように介挿部材駆動部15が変形しても、介挿部材用窓部17を貫通して配置されている介挿部材7の移動を妨げないものである。
次に、前記介挿部材駆動部15について詳しく説明する。
介挿部材駆動部15は、前記コネクタホルダ部13の底壁13Dの一部をなすストッパ壁部15Aと、このストッパ壁部15Aに形成されている前述した介挿部材用窓部17と、当該介挿部材駆動部15のリング状の内部空間Sを介して前記ストッパ壁部15Aとは反対側に位置する可動端部15Bと、この可動端部15Bに一体的に内部空間Sの側に突出するように設けられて前記介挿部材7を保持するための介挿部材保持部19と、上記の可動端部15Bとコネクタホルダ部13との間を連結する一対の側部15C、15D(以下、連結壁部)を有して構成されている。
上記の連結壁部15C、15Dは、互いに対向するプレート状の連結プレート部15Eを含んで全体として略「く」字形であり、しかも、各連結壁部15C、15Dは、「く」字の屈曲部の連結プレート部15Eが互いに対面する向き、すなわち、コネクタホルダ部13と可動端部15Bとの間にて、前記屈曲部の連結プレート部15Eが両側に張り出す向きでコネクタホルダ部13と可動端部15Bとの間を連結している。つまり、一対の連結壁部15C、15Dは、前記コネクタホルダ部13の底壁13Dから側壁13B、13Cとは逆向きに突出されており、その突出先端がそれぞれ前記可動端部15Bに連結されている。
可動端部15Bはプレート状であり、連結壁部15C、15Dのコネクタホルダ部13からの突出先端は、可動端部15Bの対向する両側に連結されており、可動端部15Bは一対の連結壁部15C、15Dによってコネクタホルダ部13のプレート状の底壁13Dとほぼ平行となるように支持されている。
したがって、上記の介挿部材駆動部15は、前記コネクタホルダ部13の底壁13Dを含んでほぼ断面八角形状(あるいは六角形状)のスリーブである駆動用構造体を構成している。
ここで、介挿部材駆動部15は、具体的には、介挿部材保持部19を除いてコネクタホルダ部13から突出する概略C字状になっているが、この実施の形態において、介挿部材駆動部15の形状を指す「リング状」とは、円形、楕円形、菱形、C字形等、コネクタホルダ部13から膨出した形状全般を指すものである。また、介挿部材駆動部15とコネクタホルダ部13(具体的には底壁13D)とによって構成される駆動用構造体としても、円形、楕円形、菱形、C字形等の「リング状」である。
但し、介挿部材駆動部15の構成としては、コネクタホルダ部13と可動端部15Bとの間を連結する両側部(この実施の形態における連結壁部)が、両側に張り出すように形成されており、対向する両側からの押圧力(側圧)により両側部(連結壁部)を互いに接近させることにより、コネクタホルダ部13と可動端部15Bとの間の距離が増大して、介挿部材7が収容凹所13Aへの突出寸法を減少(あるいは突出を解消)する方向に駆動されるようになっている構成を採用する。また、介挿部材駆動部15の形状としては、スリーブ状であることも含むものである。
なお、この実施の形態における介挿部材駆動部15は、図3、図4に示されているように、介挿部材保持部19に装着される介挿部材7を中心に左右対称に形成されているが、必ずしも、介挿部材7を中心に左右対称に形成されていることに限定されない。
次に、上記の介挿部材保持部19及びこの介挿部材保持部19に保持される介挿部材7について詳しく説明する。
図5及び図6を参照するに、この実施の形態では、前記介挿部材保持部19には2つの介挿部材7A、7Bに対応する係合穴部19Aが介挿部材駆動部15の軸線方向にずらして設けられている。係合穴部19Aの上部には図6(A)に示されているように介挿部材7のスライドを係止するための段付形状のスライド係止部19Bが設けられている。
一方、各介挿部材7A、7Bは、ストッパ壁部15Aの介挿部材用窓部17を通過して前記ストッパ壁部15Aの外面側に突出する先端に設けられて光コネクタ3のクランプ部3Bの一対の素子3H、3H3の間に挿入される先端部7Cと、前記介挿部材保持部19に保持されて前記先端部7Cが前記素子3H、3H3の間に挿入される第1方向に所定距離だけスライドして係止可能に設けた基部7Dが備えられている。また、前記介挿部材7の基部7Dには、前記介挿部材保持部19の係合穴部19Aに挿通するスライド部7Eが設けられており、このスライド部7Eが二股状に分かれており、この二股状の後端には前記係合穴部19Aのスライド係止部19Bに係止する係止用突部7Fが設けられている。
なお、楔状の先端部7Cとしては、例えば、図14(A)、(B)に示されているように、先端が鋭く尖った形状のもの(先端部7C1、7A2)であっても良い。また、先端部7Cの形状は図示例のものに限定されない。例えば、一対の素子3H、3H3の間からの引き抜きのみを考慮する場合は、介挿部材7としては、一対の素子3H、3H3の間に割り込ませることにより、一対の素子3H、3H3をバネ3Jの弾性に抗して若干押し開かれた状熊に保持できれば良い。この点、介挿部材7の先端部7Cは、例えば、単純な板状、ピン状等、他の形状であってもよい。
また、上記の介挿部材保持部19に装着された介挿部材7は、当該介挿部材7の基部7Dが前記介挿部材保持部19に対して相対的に前記第1方向にスライドして係止用突部7Fが前記係合穴部19Aのスライド係止部19Bに係止したときに、前記介挿部材保持部19と基部7Dの間に隙間部21が形成されるように構成されている。
また、前記介挿部材駆動部15の原位置においては前記隙間部21を解消する第2方向に前記介挿部材7を付勢する構成である。例えば、図6(A)、(B)に示されているように、介挿部材7の基部7Dの側面に接触突部7Gが突設されており、介挿部材駆動部15のストッパ壁部15A(底部13D)には前記接触突部7Gに係合して、原位置にある介挿部材駆動部15の介挿部材保持部19と基部7Dの間に隙間部21が生じないように、介挿部材7を介挿部材保持部19の方向に常時付勢して付勢力を有する弾性片23が突設されている。
また、前記介挿部材駆動部15は、前記介挿部材7の先端部7Cが前記素子3H、3H3の間に挿入される方向に前記可動端部15Bを前記原位置から押圧した後に前記可動端部15Bに対する押圧力を解除したとき、前記可動端部15B及び介挿部材保持部19を原位置に復帰せしめる復帰力を備えている。
なお、上記の隙間部21を解消する構造の他の実施の形態としては、前述した弾性片23に変えて、例えば図7(A)、(B)に示されているように前記係合穴部19Aの段付形状のスライド係止部19Bにスプリング装着用穴部25を設け、このスプリング装着用穴部25と介挿部材7の係止用突部7Fとの間に装着して前記係止用突部7Fを介して介挿部材7を常時前記第2方向へ付勢せしめるスプリング27等の弾性部材を設けても良い。あるいは、図示していないが、介挿部材駆動部15の下面に設けた第1フック部と、介挿部材7の基部7Dの側面に設けた第2フック部との間に介挿部材7を常時前記第2方向へ付勢せしめる引張スプリングを設けても良い。
ここで、光コネクタ用工具5は、介挿部材駆動部15がコネクタホルダ部13を含んで、全体が合成樹脂で一体成形された1部品になっている。但し、この発明においては、これに限定されず、例えば、介挿部材駆動部15に、これとは別体のコネクタホルダ部13を組み付けたもの等、複数部品によって形成されたものであっても構わない。また、介挿部材駆動部15自体、コネクタホルダ部13自体も、それぞれ、1部品によって形成されたものに限定されず、複数部品で組み立てたものであっても良い。
次に、この発明の実施の形態に係る工具付き光コネクタ1及び光コネクタ用工具5の作用について説明する。
工具付き光コネクタ1は、前述したように、光コネクタ3の外側に光コネクタ用工具5を装着した構成のものである。すなわち、工具付き光コネクタ1においては、光コネクタ用工具5の収容凹所13Aに光コネクタ3を収容し、さらに、介挿部材7をクランプ部3Bの素子3H、3H3の間に割り込ませた状態とすることで、光コネクタ3に組み付けられて出荷され、所謂、工具付き光コネクタ1の一部を構成するものになっている。
そこで、光コネクタ用工具5を光コネクタ3の外側に装着した後に光コネクタ3に光ファイバを接続するときの作用について説明する。
図8(A)を参照するに、コネクタホルダ部13の側壁13B、13C並びにコネクタ受け台13G、13Hが左右に開かれる。この開かれた収容凹所13A内に光コネクタ3のプラグフレーム3Cが収容されるように、且つ光コネクタ3のストップリング3Dがコネクタ受け台13G、13Hのコネクタ嵌合凹部13Iにより両側から押し当てられるように側壁13B、13C並びにコネクタ受け台13G、13Hを閉じることにより、さらには、光コネクタ3が保持爪部13E、13Fで底壁13Dのストッパ壁部15Aへ押さえられることにより、光コネクタ3が介挿部材駆動部15の中心軸線に対して所望の姿勢で支持されるように装着される。
このとき、介挿部材駆動部15は原位置にあり、図6(A)に示されているように介挿部材7は弾性片23の付勢力により介挿部材7の基部7Dに設けた接触突部7Gを介して介挿部材保持部19へ押し付けられているので、介挿部材保持部19と基部7Dの間には隙間部21が生じていない。
次に、前記介挿部材駆動部15の原位置にある可動端部15Bが図8(B)に示されているように矢印の第1方向に押圧されると、介挿部材駆動部15の変形によって、介挿部材保持部19に保持されている介挿部材7が図6(A)において下方へ移動された際に、弾性片23は介挿部材7の基部7Dに設けた接触突部7Gによって下方へ押圧されて弾性変形される。図6(A)の2点鎖線に示されているように、さらなる介挿部材7の移動によって前記介挿部材7の先端部7Cが移動して図8(B)に示されているように前記素子3H、3H3の間に挿入される。このとき、弾性片23は図6(B)に示されているように接触突部7Gに係合している状態である。
前記介挿部材7の先端部7Cが前記素子3H、3H3の間に挿入されている場合は、前記可動端部15Bの押圧を解除すると、前記介挿部材駆動部15がそれ自体の復帰力により原位置へ復帰するが、前記介挿部材7はそのままの状態であるので、図6(B)及び図8(C)に示されているように前記介挿部材保持部19と基部7Dの間に隙間部21が形成されることになる。
しかし、前記介挿部材駆動部15の原位置にある可動端部15Bを押圧したが、例えば十分に押圧しきれない等の何らかの理由により前記介挿部材7の先端部7Cが前記素子3H、3H3の間に挿入されない場合は、前記可動端部15Bの押圧を解除すると、前記介挿部材駆動部15がそれ自体の復帰力により原位置へ復帰すると共に、前記介挿部材7も弾性片23の付勢力によって第2方向へ持ち上げられ、図6(A)及び図8(A)に示されているように前記介挿部材保持部19と基部7Dの間に生ずべき隙間部21が解消されることになる。
したがって、上記の隙間部21が形成されたときは、光コネクタ用工具5の使用者が、前記隙間部21が生じていることを目視確認することによって、介挿部材7の先端部7Cが前記クランプ部3Bの素子3H、3H3の間に挿入されたことを確実に確認ことができる。一方、上記の隙間部21が形成されないときは、再度、前記介挿部材駆動部15の原位置にある可動端部15Bを押圧して前記介挿部材7の先端部7Cが前記素子3H、3H3の間に挿入されたか否かを前記隙間部21の有無を目視確認することができる。
上述したように上記の隙間部21が形成されたことを確認した上で、前述した説明のように、図10に示されているように光ファイバ9の裸光ファイバ9Aを露出した先端をストップリング3Dの後端部の開口部3D3に挿入し、光ファイバ9をフェルール3Aの側への押し込むことによって、光ファイバ9の先端の裸光ファイバ9Aが溝3K1、3K2から調心溝3Kに押し込まれてフェルール側光ファイバ11に確実に突き合わせ接続できる。
この状態で、光コネクタ用工具5を光コネクタ3から離脱させる。この離脱操作は光コネクタ用工具5の両側壁13B、13Cの間の収容凹所13Aから光コネクタ3を取り出せば良い。
すなわち、介挿部材駆動部15は、前記可動端部15Bとコネクタホルダ部13との間に位置する両側の連結壁部15C、15Dに対して、図8(D)の矢印に示されているように対向する両側から押圧力(側圧)を作用させて前記連結壁部15C、15Dの間を接近させると、介挿部材駆動部15の全体の変形によって、前記可動端部15Bとコネクタホルダ部13との間の距離が増大する。これにより、介挿部材7が底壁13Dから収容凹所13A内への突出量を減少(あるいは、底壁13Dからの突出を解消)する方向に移動するため、介挿部材7は図6(B)及び図8(D)に示されているように介挿部材7のスライド部7Eの係止用突部7Fが介挿部材保持部19の係合穴部19Aのスライド係止部19Bに係止されて、前記介挿部材7が素子3H、3H3の間から抜き出されることになる。
このとき、前記介挿部材7は、素子3H、3H3の間から抜き出されたときに、弾性片23の付勢力により瞬時に第2方向へ持ち上げられて前記隙間部21が解消されることになる。つまり、前記介挿部材7が素子3H、3H3の間から完全に抜き切ったことが確認できる。
なお、図7のような隙間部21を解消する構造の場合は、介挿部材7が素子3H、3H3の間から抜き出されたときに、スプリング27等の弾性部材の付勢力により介挿部材7を瞬時に第2方向へ持ち上げて前記隙間部21が解消される。
なお、底壁13Dは光コネクタ3が介挿部材7と一緒に移動することを規制するストッパ壁部15Aとして機能することで、介挿部材7を素子3H、3H3の間から引き抜くことを円滑に実現できる。
上記のように介挿部材7を一対の素子3H、3H3の間から抜き出す離脱作業が完了すると、光ファイバ9、11がバネ3Jの弾性によって一対の素子3H、3H3の間に挟み込まれるようにしてクランプ固定される。これにより、光ファイバ9、11同士の接続状態が安定に維持される。これにより、光ファイバ9の先端に光コネクタ3が組み立てられることになる。
以上のように、光コネクタ用工具5の使用者が前記隙間部21の有無を目視確認することで、前記介挿部材7の先端部7Cが素子3H、3H3の間に挿入されたこと、並びに前記介挿部材7の先端部7Cが素子3H、3H3の間から完全に抜けきったことを確実に確認できる。したがって、介挿部材7の素子3H、3H3の間からの不完全な抜き出しがなくなるため、光ファイバ9、11同士の接続不良の発生をなくすることができる。
また、この発明の実施の形態に係る光コネクタ用工具5は、単独で、つまり光コネクタ3から分離した状態で現場等に供給され、必要に応じて光コネクタ3に組み付けて、光ファイバ先端への光コネクタ3の組み立てに利用することも可能である。あるいは、光コネクタ用工具5は、すでに光ファイバ先端に組み立てられている光コネクタに組み付けて、前記光コネクタを光ファイバから離脱させる作業等にも利用できる。すなわち、開放部材としても機能する。
また、前述した隙間部21を形成する介挿部材保持部19と各介挿部材7の基部7Dとの相対面7Hの近傍には、前記隙間部21を識別するために例えば図5に示されているように矢印などの識別マーク29を設けることができる。これにより、隙間部21の有無を容易に識別できる。
あるいは、前述した隙間部21には、例えば介挿部材7のスライド部7Eの隙間部21となる部分に、図5に示されているように識別用の着色部31を付すこともできる。これにより、隙間部21の有無を容易に識別できる。
この発明の実施の形態の光コネクタ用工具及び工具付き光コネクタを示す斜視図である。 図1の光コネクタ用工具を示す斜視図である。 図2の光コネクタ用工具を示す正面図である。 図1の工具付き光コネクタを示す正面図である。 図1の光コネクタ用工具の介挿部材7を示す斜視図である。 (A),(B)は、図1の光コネクタ用工具の介挿部材と介挿部材駆動部の介挿部材保持部との関係を示す側部断面図である。 (A),(B)は、図6に代わる他の実施の形態の構造の側部断面図である。 (A)〜(D)は、図1の工具付き光コネクタの介挿部材駆動部を加圧したときの、介挿部材駆動部の変形状態と介挿部材が光コネクタに挿脱される状態を示す動作説明図である。 図1の光コネクタ(光コネクタプラグ)の分解斜視図である。 図9の光コネクタ(光コネクタプラグ)の断面図である。 図9の光コネクタに内蔵されているクランプ部付きフェルールを示す斜視図である。 図11のクランプ部付きフェルールのクランプ部を構成する各素子の合わせ面を示す図である。 図9の光コネクタを示す平面図である。 (A)、(B)は、介挿部材の先端形状の別態様を示す側面図である。
符号の説明
1 工具付き光コネクタ
3 光コネクタ
3A フェルール
3B クランプ部
3C プラグフレーム
3G クランプ部付きフェルール
3H 素子
3H1、3H2 蓋側素子(素子3H)
3H3 ベース側素子(延出部3A3に該当)
3J バネ
5 光コネクタ用工具
7、7A、7B 介挿部材
7C、7C1、7C2 先端部
7D 基部
7E スライド部
7F 係止用突部
7G 接触突部
7H 相対面
9 光ファイバ(フェルール側の)
9A 裸光ファイバ
11 光ファイバ
13 コネクタホルダ部
13A 収容凹所
13B、13C 側壁
13D 底壁
13E、13F 保持爪部
15 介挿部材駆動部
15A ストッパ壁部
15B 可動端部
15C、15D 側部
15E 連結プレート部
17 介挿部材用窓部
19 介挿部材保持部
21 隙間部
23 弾性片
25 スプリング装着用穴部
27 スプリング
29 識別マーク
31 着色部

Claims (6)

  1. 突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備した光コネクタを保持するコネクタホルダ部と、このコネクタホルダ部に保持された前記光コネクタの前記素子間を押し開いて前記光ファイバを挿脱可能に維持すべく前記素子の間に割り込ませる介挿部材と、この介挿部材を前記クランプ部の素子間に挿脱せしめるために前記介挿部材を駆動すると共に前記コネクタホルダ部が周方向の一部に設けられたリング状の介挿部材駆動部と、を備えた光コネクタ用工具において、
    前記介挿部材駆動部は、前記コネクタホルダ部の一部をなすと共に前記光コネクタのクランプ部から介挿部材を引き抜く際に前記光コネクタが押し当てられるストッパ壁部と、このストッパ壁部に形成されていると共に前記介挿部材を通過可能な介挿部材用窓部と、当該介挿部材駆動部のリング状の内部空間を介して前記ストッパ壁部とは反対側に位置する可動端部と、この可動端部に設けられていると共に前記介挿部材を保持する介挿部材保持部と、を備え、
    前記介挿部材は、前記介挿部材用窓部を通過して前記ストッパ壁部の外面側に突出する先端に設けられていると共に前記素子間に挿入される先端部と、前記介挿部材保持部に保持されると共に前記先端部が前記素子間に挿入される第1方向にスライドして係止可能に設けた基部と、この基部が前記介挿部材保持部に対して相対的に前記第1方向にスライドしたときに前記介挿部材保持部との間に形成される隙間部と、を備え、
    前記介挿部材駆動部は、前記可動端部を押圧する前の原位置に前記可動端部及び前記介挿部材保持部を配置しているとき、前記隙間部を解消する第2方向に前記介挿部材を付勢する付勢手段をさらに備え、前記可動端部を前記原位置から前記第1方向に押圧した後にこの押圧力を解除したとき、前記可動端部及び前記介挿部材保持部を前記原位置に復帰せしめる復帰力を備えていることを特徴とする光コネクタ用工具。
  2. 前記介挿部材保持部に、複数の介挿部材がそれぞれ独立してスライド可能に設けられていることを特徴とする請求項1記載の光コネクタ用工具。
  3. 前記介挿部材保持部が前記介挿部材に対応する係合穴部を有し、前記介挿部材の基部が前記係合穴部に挿通してスライド可能なスライド部と、このスライド部の後端に設けられて前記係合穴部に係止する係止部と、を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の光コネクタ用工具。
  4. 前記隙間部を形成する介挿部材保持部と介挿部材の基部との相対面の近傍に、前記隙間部を識別する識別マークを設けてなることを特徴とする請求項1、2又は3記載の光コネクタ用工具。
  5. 前記隙間部に、識別用の着色を付してなることを特徴とする請求項1、2、3又は4記載の光コネクタ用工具。
  6. 突き合わせ接続した光ファイバの対を半割りの素子の間にバネの弾性によってクランプして光ファイバ同士の接続状態を維持するクランプ部を具備した光コネクタの外側に請求項1、2、3、4又は5に記載の光コネクタ用工具が取り付けられ、前記クランプ部の素子の間に、前記光コネクタ用工具の介挿部材の先端部を割り込ませており、前記介挿部材駆動部の復帰力により前記介挿部材と介挿部材保持部との間に隙間部が形成されていることを確認できる構成であることを特徴とする工具付き光コネクタ。
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