JP4812060B2 - 防眩層付表示装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、防眩層を有する防眩フィルムを備えた表示装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示装置や、エレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置では、蛍光灯、太陽等の照明光や外部光線が画面に映り込むゴースト現象で視認性が阻害されることを防止するために、その表面に防眩層を設けることが一般的である。このような防眩層は、例えば特開平5−162261号公報や特開平10−219136号公報に示されるように、紫外線硬化樹脂中に粒子を配合した溶液を適当な基板上に塗工し、樹脂を硬化することにより、微細凹凸構造を表層に設けた防眩フィルムとして形成される。
【0003】
一方、表示画面の高精細化やカラー化に伴い、その表示素子の画素は小型化されている。このため、前記防眩フィルムをそのまま用いると、表示画面にモアレ縞を発生するという現象が確認されている。モアレ縞の発生は表示装置の画素の配列方向に対して、防眩層の微細凹凸構造の配列方向が重なることが原因である。即ち、画素が規則的に並んでいるのに対して、その規則に重なる様に微細凹凸構造が位置した場合に起きる傾向がある。
【0004】
一般的には、表示素子の画素の配列方向は、表示画面のフレームの辺方向に対して、平行(0°)又は垂直(90°)である。従って、この0°又は90°の方向に防眩層の微細凹凸構造の配列方向が重なるとモアレ縞を発生しやすい。また、液晶表示装置の中で主流になりつつあるTN型液晶表示装置の場合、偏光板と液晶表示セルの兼ね合いにより、偏光板の打抜き角度は通常フィルムのMD方向(吸収軸方向)に対して約45°である。また、偏光板に付設された防眩層は、塗工する際に用いられるグラビアロール等の賦型ロール版目の条方向による粒子の並びの方向性を完全になくすことは困難であるため、微細凹凸構造の配列方向は偏光板のMD方向となる。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、表示画面の画素の配列方向に対して45°となる。しかし、このような構成の液晶表示装置についてもモアレ縞の発生が明らかになっている。これは、表示素子の画素の配列方向が、防眩層の微細凹凸構造の配列方向に対して45°の場合でも干渉縞が生じてしまうためと推察される。このような、0°、45°、90°の方向のモアレ縞の発生については、表示画面の高精細化、カラー化により表示素子の画素がより小さくなると、その発生の確率がより高くなると考えられる。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来、防眩層の形成においては、多くの場合に防眩層の微細凹凸構造の方向性をなくすために、硬化樹脂と微細凹凸を形成する粒子の塗工の際の拡散性を高め、均一に塗布することを目的に改良が実施されてきた。しかしながら、塗工する際に用いられる、グラビアロール等の賦型ロール版目の条方向による粒子の並びの方向性を完全になくすことは困難であり、表示装置のモアレ縞を除去できないという問題があった。
【0006】
そこで、本発明は、前記従来の問題を解決するため、モアレ縞の発生を防止した防眩層付表示装置を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、防眩層の微細凹凸構造の配列方向と表示素子の画素の配列方向との関係について鋭意研究した結果、微細凹凸構造の配列方向と表示素子の配列方向を調整することで、容易に大面積のモアレ縞の発生しにくい防眩層付表示装置が得られることを見出して本発明に至った。
【0008】
前記目的を達成するため、本発明の防眩層付表示装置は、微細凹凸構造からなる防眩層を有する防眩フィルムと、画素の配列からなる表示素子との組み合わせからなる表示装置であって、前記防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、前記表示素子の画素の配列方向に対して、+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°及び−57.5°〜−77.5°からなる群から選択されるいずれかの範囲内であることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の防眩層付表示装置は、前記表示素子の画素の配列方向が、表示画面のフレームの辺方向に対して平行又は垂直である。
【0010】
また、本発明の防眩層付表示装置は、前記表示素子が、液晶表示素子であることが好ましい。
【0011】
また、本発明の防眩層付表示装置は、前記表示素子が、エレクトロルミネッセンス表示素子であることが好ましい。
【0012】
また、本発明の防眩層付表示装置は、タッチパネルを有することもできる。
【0013】
また、本発明の防眩層付表示装置は、前記防眩フィルムが、前記表示装置の最表面に一体化されて設けられていることが好ましい。
【0014】
また、本発明の防眩層付表示装置は、前記防眩フィルムの防眩層が、第1の防眩層と第2の防眩層の二つの防眩層を有している場合、前記第1の防眩層の微細凹凸構造の配列方向と、前記第2の防眩層の微細凹凸構造の配列方向との角度が、40°〜50°又は85°〜95°であることが好ましい。
【0015】
【発明の実施の形態】
本発明に用いる防眩フィルムは、基材フィルムと、前記基材フィルム上に設置された微細凹凸構造からなる防眩層を有し、前記防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、表示素子の画素の配列方向に対して、+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°、−57.5°〜−77.5°のいずれかの範囲内であることを特徴とする。
【0016】
前記防眩層を形成する硬化樹脂としては、紫外線硬化型樹脂、熱硬化型樹脂等が用いられる。紫外線硬化型樹脂として、例えば、ポリエステル系、アクリル系、ウレタン系、アミド系、シリコーン系やエポキシ系等の樹脂を形成しうるモノマーやオリゴマーに紫外線重合開始剤を配合して、紫外線照射による硬化処理で樹脂皮膜を形成しうるようにしたものなど適宜なものが用いられ、特に紫外線硬化型樹脂としては、例えば紫外線重合性の官能基を3〜6個有するアクリル系のモノマーやオリゴマーが好ましく用いられる。一方、熱硬化型樹脂としては、フェノール樹脂、メラミン樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂、ポリシロキサン樹脂、グアナミン樹脂等があり、硬化剤、重合開始剤、粘度調整剤、溶媒等を必要に応じて加え、オーブン等により硬化処理で樹脂皮膜を形成しうるようにしたものなど適宜なものを用いる。このような硬化樹脂の中でも、良好な皮膜特性や製造の際の簡便性から、紫外線硬化型樹脂が特に好ましく用いられる。
【0017】
前記樹脂中には粒子を配合してあり、樹脂が硬化することにより表層に微細凹凸構造が形成される。樹脂中に分散保持させて微細凹凸構造を形成し、且つ光の拡散性を付与させる粒子としては、樹脂中に分散させた場合に透明性を示す、セラミック等の無機物や、プラスチック等の有機物からなる適宜なものを用いる。例えば、シリカやチタニア、アルミナ、ジルコニアなどからなる無機粒子、アクリル系ポリマーやカーボネート系ポリマー、スチレン系ポリマーや塩化ビニル系ポリマーなどからなる有機系粒子がある。また、粒子に導電性を有するものを用いて、防眩フィルムに帯電防止効果を付与することも出来る。その導電性微粒子の例としては、酸化錫、アンチモンやフッ素をドープした酸化錫、酸化インジウム、錫をドープした酸化インジウム、酸化アンチモンの如き導電性の金属酸化物の微粒子等が挙げられる。
【0018】
また、防眩層表面に反射防止層を設けても構わない。反射防止層としては、防眩層の屈折率より低い材質が好ましく用いられ、また、高屈折材と低屈折材とを積層して用いることもできる。反射防止層の材料としては、主に金属酸化物や、その金属酸化物をアクリル、ウレタン等に分散させたものが利用される。高屈折材としてはTiO2、ZrO2、ITO等が使用でき、低屈折材としてはSiO2、MgF等が使用できる。反射防止層は、一般的にスパッタリング、蒸着、イオンプレーティング、コーティング法等の適宜な方法で形成される。
【0019】
一般に防眩フィルムは液晶表示装置を始め多くの表示装置の最表面側に用いられている。その中では、偏光板と組み合わせる場合がある。液晶表示装置の中で主流に成りつつあるTN型液晶表示装置の場合、偏光板と液晶表示セルの兼ね合いにより、偏光板の打抜き角度は通常フィルムのMD方向に対して約45°である。一方、表示装置の画素の並び方は一般的には、表示画面のフレームの水平方向又は垂直方向に対して連続に並んでいる。従って、本発明に従えば、表示画面のフレームの辺方向に対して、防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°、−57.5°〜−77.5°のいずれかになるように打ち抜き、偏光板と貼り合せることによって、防眩層の微細凹凸構造の配列方向と表示装置の表示素子の画素の配列方向が重なったり、干渉したりすることがなくなり、結果としてモアレ縞を防止することが可能となる。
【0020】
また、表示装置がエレクトロルミネッセンス表示素子を用いる場合、一般的に反射防止及びコントラストを上げるために、波長板と偏光板を組み合わされたものが使用されている。その際には、防眩層は偏光板に直接形成されてもよいし、別の防眩フィルムと偏光板を貼り合せて防眩層付偏光板としてもよい。ただし、エレクトロルミネッセンス表示装置と組み合す際にも、防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、表示素子の画素の配列方向に対して+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°、−57.5°〜−77.5°になるようする。その際には、表示のコントラストを考慮して、偏光板の吸収軸と波長板の遅相軸の角度は反射防止として最適となるよう調整する。
【0021】
また、本発明の防眩層付表示装置には、タッチパネルを備えることもできる。通常、タッチパネルは表示装置最表面に位置し、タッチパネルの上側可撓基板は透明性に優れるものが望ましく、その例としては、ポリカーボネート系高分子、ポリエステル系高分子、ポリスルホン系高分子、ポリエーテル系高分子、ポリスチレン系高分子、ポリオレフィン系高分子、ポリビニルアルコール系高分子、酢酸セルロース系高分子、ポリ塩化ビニル系高分子、ポリメチルメタクリレート系高分子、ノルボルネン系高分子フィルムなどが挙げられる。
【0022】
同様にタッチパネルの下側基板には、上側可撓基板と同様、又は可撓性のないガラス基板などが用いられる。それらの基板に、酸化インジウム・スズ(ITO)に代表される透明導電層を付与し、透明導電層が対向するようにスペーサを介して貼り合されて形成される。その場合、防眩層はその上側可撓基板側表面に形成されている。タッチパネルの上側可撓基板は、タッチパネルの生産性、歩留り、抵抗値分布の均一性等の理由により、通常MD方向が表示部長辺に対して平行になるよう打抜かれる。
【0023】
よって、本発明によれば、防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、表示素子の画素の配列方向に対して、+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°、−57.5°〜−77.5°のいずれかとなり、結果としてモアレ縞を防止することが可能となる。
【0024】
また、表示装置に複数の防眩層を有する場合、各々の防眩層の微細凹凸構造の配列方向の角度を40°〜50°又は85°〜95°となるようにすることが好ましい。これにより、各々の防眩層同士が干渉してモアレ縞を発生することを防止できる。
【0025】
【実施例】
以下、図面を参照しながら本発明を詳細に説明する。
【0026】
(実施例1)
紫外線硬化型ポリエステルアクリレートモノマー90部にウレタンアクリレートモノマー10部とベンゾフェノン系光重合開始剤3部からなる紫外線硬化型樹脂組成物に、粒径1〜8μmの不定形シリカ粒子8部を加え、粘度調整用溶剤としてトルエンを添加し、高速攪拌により固形分濃度が50質量%の塗工溶液を作成した。次に、厚さ50μmのトリアセテートフィルムの片面に上記塗工溶液を賦型ロールを用いて塗工した。この時の塗工条件は、賦型ロールの条線の角度がロール回転方向に対して平行であり、賦型ロールの直経が100mm、賦型ロールの回転速度が30.0rpm、フィルムの加工速度が10m/分であった。続いて、溶剤を揮発させた後、紫外線を照射して厚さ8μmの防眩フィルムを作成した。
【0027】
また、ヨウ素にて染色して一軸延伸された30μmのポリビニルアルコールフィルムによる偏光子を、厚さ50μmのトリアセテートフィルムによりサンドイッチ状に積層してなる偏光板フィルムを作成した。
【0028】
次に、図1に示すように、偏光板フィルム1を液晶セルの大きさに合せ、フィルムのMD方向(吸収軸方向)2に対して右45°の角度となるよう打抜いて偏光板3を得た。また、図2に示すように、上記防眩フィルム4も偏光板フィルム1と同様に、表示装置の大きさに合せ、フィルムのMD方向(防眩層条方向)5に対して22.5°の角度となるように打抜いた。6は打抜かれた防眩フィルムである。また、粘着材を介して偏光板3に防眩フィルム6の防眩層の反対面を貼り合せて上側偏光板7を得た。この時、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、偏光板3のMD方向2に対して22.5°である。次に、図3に示すように、下側偏光板8として、偏光板フィルム1より表示装置の大きさに合せ、フィルムのMD方向2に対して左45°の角度となるよう打抜いた。図4に示すように、得られた防眩層付きの上側偏光板7と、表示画素の配列方向が画面フレームに対して水平及び垂直方向である薄膜トランジスタ(TFT)液晶表示素子9と下側偏光板8を順に粘着材を介して一体化し、防眩層付液晶表示装置を得た。
【0029】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して22.5°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して22.5°であることがわかる。得られた表示装置を、バックライトユニット上に置き、モアレ縞の観察を行なったところ、モアレ縞の発生も無く良好であった。
【0030】
(実施例2)
実施例1と同様の方法で防眩フィルムを作成した。また、ヨウ素にて染色して一軸延伸された30μmのポリビニルアルコールフィルムによる偏光子を、前記方法にて得られた防眩フィルムと厚さ50μmのトリアセテートフィルムによりサンドイッチ状に積層してなる防眩層付偏光板フィルムを作成した。
【0031】
図5に示すように、防眩層付偏光板フィルム10を液晶セルの大きさに合せ、フィルムのMD方向11に対して22.5°の角度で打ち抜いて防眩層付偏光板12を得た。
【0032】
次に、厚さ100μmのノルボルネン系高分子フィルムを170℃で70%一軸延伸処理し、複屈折光に基づいて波長550nmの光に対して1/2波長の位相差を与える1/2波長板を得た。また、厚さ50μmのノルボルネン系高分子フィルムを170℃で70%一軸延伸処理し、波長550nmの光に対して1/4波長の位相差を与える1/4波長板を得た。続いて、前記防眩層付偏光板の吸収軸に対し1/2波長板の光学軸が15°、1/4波長板の光学軸が75°となるように貼り合わせて波長板と防眩層を備えた偏光板(円偏光板)を得た。この円偏光板は表示素子の反射防止のために用いられる。
【0033】
次に、図6に示すように、エレクトロルミネッセンス表示素子13の画素に対して前記円偏光板の吸収軸が22.5°となるように貼り合せて防眩層付エレクトロルミネッセンス表示装置を得た。なお、図6で、14は1/2波長板、15は1/4波長板である。
【0034】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、エレクトロルミネッセンス表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して22.5°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、エレクトロルミネッセンス表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して22.5°であることがわかる。得られた表示装置の電源を入れ、発光させたところ、モアレ縞の発生も無く良好であった。
【0035】
(実施例3)
実施例1と同様の方法で塗工溶液を作成した。次に、厚さ180μmのポリエステルフィルムの片面に上記塗工溶液を、賦型ロールの条線の角度がロール回転方向に対して平行であり、賦型ロールの直径が100mm、賦型ロールの回転速度が30.0rpm、フィルムの加工速度が10m/分の条件にて、塗布して溶剤を揮発させた後、紫外線を照射して厚さ8μmの防眩フィルムを作成した。
【0036】
上記防眩フィルムの防眩層の反対面を、Ar雰囲気中でプラズマ処理を施し、酸化インジウム・スズ(ITO)薄膜をスパッタリングにて形成し、タッチパネル用の透明電極フィルムを作成した。図7に示すように、得られた防眩層付透明電極フィルム16を液晶セルの大きさに合せ、フィルムのMD方向17に対し67.5°の角度で打抜き、タッチパネル用の上側透明電極18とした。また、同様にタッチパネル用の下側透明電極として、液晶セルと同じ大きさの厚さ1.1mmのガラス板に酸化インジウム・スズ(ITO)薄膜をスパッタリングにて形成し、タッチパネル用の下側電極を作成した。得られたタッチパネル用の上下透明電極のITO面に銀電極を印刷した後、スペーサを介して上下透明電極の電極側を対向させて配置し、タッチパネルを作成した。次に、図8に示すように、前記タッチパネル19と、実施例1と同様の偏光板3、TFT液晶表示素子9、下側偏光板8とを組み合せてタッチパネル付液晶表示装置を作成した。
【0037】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して67.5°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して67.5°であることがわかる。得られた表示装置を、バックライトユニット上に置き、モアレ縞の観察を行なったところ、モアレ縞の発生も無く良好であった。
【0038】
(実施例4)
図9に示すように、実施例1と同様の方法で得られた防眩層付液晶表示装置20と、実施例3で得られた防眩層付タッチパネル21を積層して、タッチパネル付液晶表示装置を作成した。なお、22は防眩層条方向である。
【0039】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して67.5°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して67.5°であることがわかる。得られた表示装置を、バックライトユニット上に置き、モアレ縞の観察を行なったところ、モアレ縞の発生も無く良好であった。
【0040】
(比較例1)
図10に示すように、防眩フィルム23の打抜き角度をMD方向5に対して0°にすること以外は実施例1と同様の方法で防眩層付液晶表示装置を作成した。また、図11に比較例1の液晶表示装置の構成を示す。
【0041】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して0°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して0°であることがわかる。得られた表示装置をバックライトユニット上に置き、モアレ縞の観察を行なったところ、モアレ縞が観察された。
【0042】
(比較例2)
図12に示すように、防眩層付偏光板24の打抜き角度をMD方向11に対して0°、前記偏光板24の吸収軸に対しそれぞれ1/2波長板の光学軸が15°、1/4波長板の光学軸が75°となるようにすること以外は実施例2と同様の方法で防眩層付エレクトロルミネッセンス表示装置を得た。また、図13に比較例2のエレクトロルミネッセンス表示装置の構成を示す。
【0043】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、エレクトロルミネッセンス表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して0°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、エレクトロルミネッセンス表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して0°であることがわかる。得られた表示装置の電源を入れ、発光させたところ、モアレ縞が観察された。
【0044】
(比較例3)
図14に示すように、防眩層付透明電極フィルム16の打抜き角度をMD方向17に対して0°にすること以外は実施例3と同様の方法でタッチパネル付液晶表示装置を作成した。また、図15に比較例3のタッチパネル付液晶表示装置の構成を示す。
【0045】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して0°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して0°であることがわかる。得られた表示装置を、バックライトユニット上に置き、モアレ縞の観察を行なったところ、モアレ縞が観察された。
【0046】
(比較例4)
図16に示すように、防眩層付透明電極フィルム16の打抜き角度をMD方向17に対して22.5°にすること以外は実施例4と同様の方法でタッチパネル付液晶表示装置を作成した。また、図17に比較例4のタッチパネル付液晶表示装置の構成を示す。
【0047】
次に、エドモン社製の正弦波テストパターン、ロンキールーリング、ウエッジターゲットにより、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して22.5°でモアレ縞が発生した。従って、防眩層の微細凹凸構造の配列方向は、液晶表示装置の表示素子の画素の配列方向に対して22.5°であることがわかる。得られた表示装置を、バックライトユニット上に置き、モアレ縞の観察を行なったところ、モアレ縞が観察された。
【0048】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、モアレ縞の発生の少ない防眩機能を有する液晶表示装置やエレクトロルミネッセンス表示装置等の表示装置を提供することができ、その工業的価値は大である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で用いる偏光板フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図2】本発明で用いる防眩フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図3】本発明で用いる偏光板フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図4】本発明の防眩層付表示装置の構成を示す図である。
【図5】本発明で用いる防眩層付偏光板フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図6】本発明の防眩層付表示装置の構成を示す図である。
【図7】本発明で用いる防眩層付透明電極フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図8】本発明の防眩層付表示装置の構成を示す図である。
【図9】本発明のタッチパネル付液晶表示装置の構成を示す図である。
【図10】比較例1で用いる防眩フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図11】比較例1の液晶表示装置の構成を示す図である。
【図12】比較例2で用いる防眩層付偏光板フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図13】比較例2のエレクトロルミネッセンス表示装置の構成を示す図である。
【図14】比較例3で用いる防眩層付透明電極フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図15】比較例3のタッチパネル付液晶表示装置の構成を示す図である。
【図16】比較例4で用いる防眩層付透明電極フィルムを打抜いている状態を示す斜視図である。
【図17】比較例4のタッチパネル付液晶表示装置の構成を示す図である。
【符号の説明】
1 偏光板フィルム
2 フィルムのMD方向(吸収軸方向)
3 偏光板
4 防眩フィルム
5 フィルムのMD方向(防眩層条方向)
6、23 打抜かれた防眩フィルム
7 上側偏光板
8 下側偏光板
9 TFT液晶表示素子
10 防眩層付偏光板フィルム
11 フィルムのMD方向(吸収軸方向、防眩層条方向)
12、24 防眩層付偏光板
13 エレクトロルミネッセンス表示素子
14 1/2波長板
15 1/4波長板
16 防眩層付透明電極フィルム
17 フィルムのMD方向
18、25、27 上側透明電極
19、26 タッチパネル
20 防眩層付液晶表示装置
21、28 防眩層付タッチパネル
22、29 防眩層条方向
Claims (12)
- 一層のみの防眩フィルムと表示装置とからなる防眩層付表示装置であって、
前記防眩フィルムが、微細凹凸構造からなる一層のみの防眩層を有し、
前記表示装置が、画素の配列からなる表示素子と偏光板を含み、
前記偏光板のMD方向(吸収軸方向)が、前記表示素子の画素の配列方向に対して45°であり、
前記防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、前記表示素子の画素の配列方向に対して、+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°及び−57.5°〜−77.5°からなる群から選択されるいずれかの範囲内であることを特徴とする防眩層付表示装置。 - 前記表示素子の画素の配列方向が、表示画面のフレームの辺方向に対して平行又は垂直である請求項1に記載の防眩層付表示装置。
- 前記表示素子が、液晶表示素子である請求項1又は2に記載の防眩層付表示装置。
- 前記表示素子が、エレクトロルミネッセンス表示素子である請求項1又は2に記載の防眩層付表示装置。
- タッチパネルを有する請求項1〜4のいずれかに記載の防眩層付表示装置。
- 前記防眩フィルムが、前記表示装置の最表面に一体化されて設けられている請求項1〜5のいずれかに記載の防眩層付表示装置。
- 一層のみの防眩フィルムと表示装置とからなる防眩層付表示装置であって、
前記防眩フィルムが、微細凹凸構造からなる二層のみの防眩層を有し、
前記表示装置が、画素の配列からなる表示素子と偏光板を含み、
前記偏光板のMD方向(吸収軸方向)が、前記表示素子の画素の配列方向に対して45°であり、
二層の防眩層のそれぞれについて、前記防眩層の微細凹凸構造の配列方向が、前記表示素子の画素の配列方向に対して、+12.5°〜+32.5°、+57.5°〜+77.5°、−12.5°〜−32.5°及び−57.5°〜−77.5°からなる群から選択されるいずれかの範囲内であり、
一層の防眩層の微細凹凸構造の配列方向と、もう一層の防眩層の微細凹凸構造の配列方向との角度が、40°〜50°又は85°〜95°であることを特徴とする防眩層付表示装置。 - 前記表示素子の画素の配列方向が、表示画面のフレームの辺方向に対して平行又は垂直である請求項7に記載の防眩層付表示装置。
- 前記表示素子が、液晶表示素子である請求項7又は8に記載の防眩層付表示装置。
- 前記表示素子が、エレクトロルミネッセンス表示素子である請求項7又は8に記載の防眩層付表示装置。
- タッチパネルを有する請求項7〜10のいずれかに記載の防眩層付表示装置。
- 前記防眩フィルムが、前記表示装置の最表面に一体化されて設けられている請求項7〜11のいずれかに記載の防眩層付表示装置。
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