JP4811959B2 - スクータ型自動二輪車 - Google Patents

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Description

本発明は、水冷式エンジンを搭載したスクータ型自動二輪車に関するものである。
従来、自動二輪車のラジエータに接続されるリザーバータンクは、車体フレームに取付けられることが多い(例えば、特許文献1参照)。この特許文献1に示されているリザーバータンクは、リヤアームを支持するピボット軸の下方に配設され、このピボット軸の下方で車幅方向へ延びるように設けられた車体フレームのクロスメンバにブラケットを介して取付けられている。このブラケットは、前記クロスメンバから下方に突出するように形成されており、リザーバータンクに車体の後方に向けて突設された取付用の突片が取付用ボルトによって取付けられている。
本発明に係るスクータ型自動二輪車は、車体フレームと、前輪と後輪との間に位置する低床な足載せ台と、クランク軸を有し、シリンダの軸線が車体の前後方向を指向し、前記車体フレームに上下方向に揺動自在に支持され水冷式のエンジンと、前記クランク軸の車体右側の端部に設けられたファンと、前記エンジンの車体右側の端部且つ前記ファンの右方に設けられたラジエータと、前記足載せ台の内部に配設され、前記ラジエータよりも前方に位置し、前記車体フレームに取付けられリザーバータンクと、前記ラジエータから前方に延び、前記ラジエータと前記リザーバータンクとを接続するリザーバーパイプと、を備え、前記ラジエータは、上部タンクと下部タンクとを備え、前記上部タンクから前記下部タンクへ冷却水が流れる構造を有し、前記リザーバーパイプは、前記上部タンクに接続されているものである。
本発明に係るリザーバータンクを装備したスクータ型自動二輪車の側面図である。 足載せ台を拡大して示す平面図である。 要部を拡大して示す側面図である。 要部を拡大して示す平面図である。 図3におけるV−V線断面図である。 アンダーカバーのパイプホルダーを示す図である。 貯水量視認用の開口を示す側面図である。
以下、本発明に係るスクータ型自動二輪車の一実施の形態を図1ないし図7によって詳細に説明する。
図1は本発明に係るリザーバータンクを装備したスクータ型自動二輪車の側面図、図2は足載せ台を拡大して示す平面図、図3は要部を拡大して示す側面図、図4は同じく平面図、図5は図3におけるV−V線断面図である。図6はアンダーカバーのパイプホルダーを示す図で、同図(a)は平面図、同図(b)は(a)図におけるB−B線断面図、同図(c)は(a)図におけるC−C線断面図である。図7は貯水量視認用の開口を示す側面図である。
これらの図において、符号1で示すものは、この実施の形態によるスクータ型自動二輪車(以下、単にスクータという)を示す。このスクータ1は、前輪2と後輪3との間に足載せ台4が低い床を構成するように設けられ、ユニットスイング式動力ユニット5によって後輪3を駆動して走行するものである。
前記動力ユニット5は、水冷式4サイクル単気筒型のエンジン6を備え、後述する車体フレーム7に上下方向に揺動自在に支持されている。このエンジン6は、シリンダ8の軸線が車体の前後方向を指向するように構成され、図示していないが、クランク軸の車体右側の端部にファンが設けられるとともに、車体左側の端部に後輪駆動用のVベルト式無断変速機が設けられている。前記ファンの側方、すなわちこのエンジン6の車体右側の端部には、ラジエータ9(図3参照)が設けられている。このラジエータ9は、上部タンク9aから下部タンク9bへ冷却水が流れる構造のもので、図示していない冷却水ホースによってエンジン6の冷却水通路に接続されている。このラジエータ9の上部タンク9aには、リザーバーパイプ10を介してリザーバータンク11が接続されている。
図1において、12はフロントフォークを示し、13は操向ハンドル、14はシートを示す。
前記車体フレーム7は、フロントフォーク12を操舵自在に支持するヘッドパイプ15と、このヘッドパイプ15から足載せ台4まで延びる1本のダウンチューブ16と、このダウンチューブ16の後端部に接続された左右一対の後部フレーム17(図2および図4参照)などによって構成されている。前記ダウンチューブ16の後端部は、後述する足載せ台4の下方まで延設されている。前記後部フレーム17の前端部は、図3に示すように、足載せ台4の内方で車体の前後方向に延び、足載せ台4の後端部の近傍で屈曲して後上がりに傾斜するように形成されている。
前記足載せ台4は、図1および図5に示すように、乗員の足を載せるためのフートボード21と、このフートボード21を下方から覆うアンダーカバー22と、これら両部材の両側部を側方から覆うサイドモール23などによって構成されている。この足載せ台4の内部には、前記ダウンチューブ16の後端部と、前記後部フレーム17の前端部および後述するリザーバータンク11などを収容するための空間が形成されている。
前記フートボード21とアンダーカバー22は、図2および図4に示すように、前記後部フレーム17に突設されたブラケット24,25に取付用ボルト26によって取付けられている。詳述すると、フートボード21は、前記ブラケット24,25の上に載せられた状態で取付用ボルト26によってブラケット24,25に取付けられている。アンダーカバー22は、図3に示すように、底壁27から上方へ延びるように取付用ステー28が一体に形成されており、この取付用ステー28の上端部の平板部分が前記ブラケット24,25とフートボード21との間に挟まれた状態でフートボード21とともに取付用ボルト26によって前記ブラケット24,25に取付けられている。
また、この実施の形態による前記フートボード21は、図2に示すように、後端部にバッテリー31を収納するバッテリーボックス32(図5参照)が一体に形成されている。このバッテリーボックス32は、上方へ向けて開放する箱状に形成されており、図2中に符号33で示すリッドによって上端部の開口が閉塞されている。このリッド33は、フートボード21に着脱可能に取付けられている。このリッド33によって本発明でいう蓋体が構成されている。
前記リザーバータンク11は、図3ないし図5に示すように、前記足載せ台4の内部であって車体右側の端部に配設され、車体前側の端部と車体後側の端部とが前記アンダーカバー22に取付けられている。リザーバータンク11をアンダーカバー22に取付ける部分は、図5に示すように、アンダーカバー22の底壁27に上方へ延びるように突設された支持片34の上に、リザーバータンク11に車体の前後方向に延びるように突設された突片35が重ねられ、取付用ボルト36によって取付けられる構造が採られている。
前記支持片34の上端部に形成された取付用座面34aと、前記突片35は、この実施の形態においては、車体の前方から見た状態で右下がりに傾斜するように形成されている。このように前記座面34aと突片35とを傾斜させているのは、アンダーカバー22を成形する射出成形用金型(図示せず)と、リザーバータンク11を成形するブロー成形用金型(図示せず)としてそれぞれ上下方向に離型する簡単な構造のものを用いるためである。
リザーバータンク11の貯水部分は、図5に示すように、断面L字状を呈するように成形され、下端部が車体右側の後部フレーム17の下方で車体内側へ延在するように形成されている。すなわち、このリザーバータンク11は、後部フレーム17とアンダーカバー22との間に形成されるデッドスペースを有効に使用して容量増大が図られている。
このリザーバータンク11の車体後側の上端部には、給水用パイプ37が上方へ突出するように一体に形成されている。この給水用パイプ37は、上端部の給水口37aにキャップ38が着脱可能に取付けられている。これらの給水用パイプ37とキャップ38は、図4および図5に示すように、前記フートボード21に形成されたトレイ39の貫通穴39aを通して足載せ台4の外側に導き出されている。前記トレイ39は、バッテリーボックス32の車体右側に隣接するように形成され、バッテリーボックス32とともに前記リッド33によって開閉される。
すなわち、リザーバータンク11の給水部分(給水用パイプ37とキャップ38)は、通常は車体の外観に現れることがないように、前記リッド33によって上方から覆われている。この実施の形態による前記トレイ39は、リザーバータンク11に冷却水を補給するときに冷却水がこぼれたとしても、この冷却水がバッテリーボックス32内に流れ込むようなことがないように、バッテリーボックス32との間に隔壁40が立設されている。
また、図3および図4に示すように、リザーバータンク11の上端部であって前記給水用パイプ37の前方近傍には、ブリーザーパイプ41が接続され、リザーバータンク11の下端部であって車体後側の端部には、前記ラジエータ9に一端部が接続された前記リザーバーパイプ10の他端部が接続されている。
前記ブリーザーパイプ41の他端部は、図3,4および図6に示すように、アンダーカバー22のパイプホルダー42に挿入されることによって保持されている。このパイプホルダー42は、アンダーカバー22の底壁28に一体に形成され、リザーバータンク11より車体の前方に配設されている。
また、このパイプホルダー42は、図6に示すように、前記支持片34と一体に上方へ延びるように形成されたパイプ部43と、このパイプ部43の下端部にパイプ内へ突出するように形成されたストッパー44とによって構成されている。前記パイプ部43は、断面C字状を呈するように形成されており、ブリーザーパイプ41をその外径が僅かに縮小されるように弾性変形させた状態で保持するように構成されている。
前記ストッパー44は、ブリーザーパイプ41をパイプホルダー42より下方へ突出することがないように挿入量を規制するためのもので、前記パイプ部43内に挿入されたブリーザーパイプ41の先端が当接するように形成されている。このストッパー44によってブリーザーパイプ41の先端の位置が規制されることにより、ブリーザーパイプ41を組付けるときにその挿入量を測る必要が無くなり、装着作業の作業性が向上する。これとともに、ブリーザーパイプ41がアンダーカバー22の下方に突出することがなくなるから、スクータ1の外観を損なうようなことがない。
この実施の形態によるブリーザーパイプ41の下端は、図6(b)に示すように、アンダーカバー22に下方へ向けて開放するように形成された空間45の内方に開口している。この空間45内にブリーザーパイプ41の下端を位置付けることによって、ブリーザーパイプ41の下端の開口に泥が詰まり難くなる。
リザーバータンク11の車体内側の内側壁46には、図5に示すように、メインハーネス47を保持する凹溝48が形成され、車体外側の外側壁49には、図3および図7に示すように、レベルゲージ50が形成されている。前記凹溝48は、メインハーネス47が嵌合できるように断面半円状を呈するように形成されている。このようにリザーバータンク11にメインハーネス47を保持させることによって、メインハーネス保持用のクランプやホルダーの数を低減することができるから、部品数と作業工数が低減してコストダウンを図ることができる。
前記レベルゲージ50は、リザーバータンク11内の冷却水の貯留量が許容し得る最小限度の量になった状態での水面の位置と、冷却水の貯留量が許容し得る最大限度の量になった状態での水面の位置とを示すもので、リザーバータンク11を成形する金型を用いて成形時に形成されている。図7に示すように、前記レベルゲージ50と対向するアンダーカバー22の側壁51には、貯水量視認用の開口52が形成されている。この実施の形態によるリザーバータンク11は、冷却水の水面が透けて見えるような合成樹脂材料によって形成されており、前記開口52を通して前記レベルゲージ50と水面とを見比べることができる。
上述したように構成されたスクータ1において、リザーバータンク11を車体に装着するためには、アンダーカバー22に予め組付けた状態で行う。すなわち、リザーバータンク11をアンダーカバー22に予め取付けておき、このアンダーカバー22を車体フレーム7のブラケット24,25に取付けることによって、リザーバータンク11を車体フレーム7に対して取付けることができる。
したがって、このリザーバータンク11の取付作業を行うに当たって、作業者は相対的に大きいアンダーカバー22を持って容易に行うことができる。
また、この実施の形態によるスクータ1においては、リザーバータンク11と、取付用ボルト26は、前記アンダーカバー22とフートボード21とによって覆われ、リザーバータンク11の給水部分(給水用パイプ37とキャップ38)は、前記リッド33によって覆われる。このため、このスクータ1は、この種の車両には必ず設けられる足載せ台4と、給水部分を覆う前記リッド33とによって、リザーバータンク11が車体の外観に現れるのを阻止することができる。前記取付用ボルト26が車体の外側に露出するのを阻止するに当たって、アンダーカバー22の他に別体の小型カバーは不必要であるから、この小型カバーを用いる場合に較べてコストダウンを図ることができる。
この実施の形態によるリザーバータンク11は、取付用の突片35が車体の前後方向に突設され、アンダーカバー22の底壁に上方へ突出するように形成された支持片34に前記突片35を介して取付けられているから、前記突片35と支持片34とがリザーバータンク11と略等しい高さに位置付けられる。このため、足載せ台4を上下方向にコンパクトに形成しながら、足載せ台4の内方にリザーバータンク11を収納することができる。
この実施の形態においては、前記突片35と、前記支持片34の取付用座面34aとが車体の左右方向に傾斜しているから、リザーバータンク11とアンダーカバー22とを、離型方向が上下方向となる金型によってそれぞれ成形することができる。このため、前記金型にスライドコアなどを使用する場合に較べて構造が簡単な金型によって前記両者を成形することができる。
この実施の形態によるアンダーカバー22は、リザーバータンク11と対向する側壁51に貯水量視認用の開口52が形成されているから、リザーバータンク11のレベルゲージ50(被視認部)を貯水量視認用開口52に対して高い精度で位置決めすることができる。これは、貯水量視認用の開口52は、リザーバータンク11を取付けるアンダーカバー22に形成されており、前記開口52とリザーバータンク11の取付部分との位置は金型によって精度よく決められるからである。
<その他の発明>
従来、自動二輪車のラジエータに接続されるリザーバータンクは、車体フレームに取付けられることが多い(例えば、特許文献1(特開平5−213252号公報)参照)。この特許文献1に示されているリザーバータンクは、リヤアームを支持するピボット軸の下方に配設され、このピボット軸の下方で車幅方向へ延びるように設けられた車体フレームのクロスメンバにブラケットを介して取付けられている。このブラケットは、前記クロスメンバから下方に突出するように形成されており、リザーバータンクに車体の後方に向けて突設された取付用の突片が取付用ボルトによって取付けられている。
このようにリザーバータンクが車体の最も低い位置の近傍に位置付けられることにより、車体の外観がリザーバータンクによって損なわれることは少なくなる。しかし、相対的に小型の部品であるリザーバータンクを車体の低い位置に取付けるために、取付作業時に作業者に無理な姿勢を強いることになり、この取付作業の作業性がよくないという不具合があった。車体の外観が損なわれるのを防ぎながらリザーバータンクを簡単に車体に取付けることができるようにするためには、例えば、特許文献2に開示されたスクータ型自動二輪車のように、タンクを車体カバーに予め取付けておき、この車体カバーを用いてタンクを車体側に取付ける構成を採ることが考えられる。
特許文献2(特開平11−227657号公報)に示されたスクータ型自動二輪車は、操向ハンドルとシートとの間に足載せ台が低い床を構成するように設けられ、前記シートの下方に収納ボックスが設けられている。このスクータ型自動二輪車には、リザーバータンクは装備されていないが、この構造によれば、車体カバーを使用してオイルタンクの取付作業を簡単に行うことができる。
前記オイルタンクは、収納ボックスを覆う車体カバーの前端部の内側に取付けられ、この車体カバーと収納ボックスの前端部との間の空間に収納されている。このオイルタンクは、上端部に給油用パイプが上方に突出するように設けられ、下端部に取付用の突片が下方へ突出するように設けられている。前記給油用パイプは、上端の給油口にキャップが着脱可能に取付けられており、前記シートの前端部によって上方から覆われている。前記シートは、前記給油用パイプの近傍に位置するヒンジを支点として上下方向に開閉するように構成されている。すなわち、オイルタンクの給油用パイプやキャップは、車体の外側に露出することがないようにシートによって覆われている。
オイルタンクの下端部に設けられた前記突片は、車体カバーの内面(収納ボックスと対向する面)に締結部材によって固定されている。この締結部材は、車体カバーに穿設された貫通孔と、前記突片に穿設された貫通孔とに車体の前方(車体カバーの外側)から挿入され、突片を車体カバー側へ押付けるようにして固定するものである。この締結部材によってオイルタンクを予め車体カバーに取付け、この車体カバーを車体フレームに取付けることによって、オイルタンクを車体フレームに車体カバーを介して取付けることができる。この取付作業を行うに当たって、作業者が手に持つ部品は相対的に大型の車体カバーであるから、オイルタンクを車体フレームに直接取付ける場合に較べると、取付作業を容易に行うことができる。
この特許文献2に示されたスクータ型自動二輪車においては、前記車体カバーに前記オイルタンクを取付けるための締結部材が車体カバーを外側から内側へ貫通しているから、この締結部材の外端部が車体カバーの外側に露出する。このスクータ型自動二輪車は、前記締結部材の露出部分によって車体の外観が損なわれることがないように、前記締結部材を外側から覆うように形成された相対的に小型のカバーが設けられている。この小型カバーは、オイルタンクの下方に位置する燃料タンクの給油用キャップをも覆っており、前記車体カバーに着脱可能に取付けられている。
なお、本出願人は、本明細書に記載した先行技術文献情報で特定される先行技術文献以外には、本発明に密接に関連する先行技術文献を出願時までに見付け出すことはできなかった。
特許文献2に示されたスクータ型自動二輪車は、タンク取付用の締結部材が車体外側に露出するのを阻止するために車体カバーとは別体の小型のカバーを使用しているから、部品数および組立工数が多くなる。このため、特許文献2に示されているタンク取付構造を用いてリザーバータンクを車体に装着すると、リザーバータンクの取付作業が容易になる反面、カバーの数が増大するためにコストアップになってしまう。
そこで、その他の発明は、このような問題点を解消するためになされたもので、車体カバーを用いてリザーバータンクの取付作業を容易に行えるようにするとともに、コストダウンを図りながら、リザーバータンクおよびその取付部分が車体の外側に露出するのを防ぐことを目的とする。
かかる課題を達成するために、第1の他の発明は、スクータ型自動二輪車は、前輪と後輪との間にフートボードとアンダーカバーとを有する低床な足載せ台が設けられ、水冷式エンジンを搭載したスクータ型自動二輪車であって、前記足載せ台の内方にリザーバータンクを収納してなり、このリザーバータンクは、前記フートボードに開閉可能に設けられた蓋体によって給水部分が覆われる状態で前記アンダーカバーに取付けられているものである。
第2の他の発明は、上記に加え、リザーバータンクは、取付用の突片が車体の前後方向に突設され、アンダーカバーの底壁に上方へ突出するように形成された支持片に前記突片を介して取付けられているものである。
第3の他の発明は、上記に加え、突片と、支持片の取付用座面とを車体の左右方向に傾斜させたものである。
上記第1の他の発明によれば、リザーバータンクをアンダーカバーに予め取付けた状態でこのアンダーカバーを車体フレームに取付けることによって、リザーバータンクの車体フレームへの取付作業が終了する。したがって、この取付作業を行うに当たって、作業者が手に持つ部品は相対的に大型のアンダーカバーになるから、リザーバータンクを車体フレームのブラケットに直接取付ける場合に較べると、取付作業を容易に行うことができる。
また、上記第1の他の発明に係るスクータ型自動二輪車は、この種の車両には必ず設けられる足載せ台と、給水部分を覆う前記蓋体とによって、リザーバータンクが車体の外観に現れるのを阻止することができる。すなわち、リザーバータンクをアンダーカバーに取付けるためのボルトが車体の外側に露出するのを阻止するに当たってアンダーカバー(従来のスクータ型自動二輪車においては車体カバーに相当する)の他に別体の小型カバーを用いてはいないから、従来のスクータ型自動二輪車に較べると部品数および組立工数が少なくなり、コストダウンを図ることができる。したがって、車体カバーに相当するアンダーカバーを用いてリザーバータンクの取付作業を容易に行えるようにするとともに、コストダウンを図りながら、リザーバータンクおよびその取付部分が車体外側に露出するのを防ぐことができる。
上記第2の他の発明によれば、リザーバータンクをアンダーカバーに取付けるための突片と支持片とがリザーバータンクと略等しい高さに位置付けられるから、足載せ台を上下方向にコンパクトに形成しながら、足載せ台の内方にリザーバータンクを収納することができる。
上記第3の他の発明によれば、リザーバータンクとアンダーカバーとを、離型方向が上下方向となる金型によってそれぞれ成形することができる。このため、スライドコアなどを使用する場合に較べて前記金型の構造が簡単になるから、金型の製造コストを低減することができる。
さらに、他の発明によれば、貯水量視認用の開口は、リザーバータンクを取付けるアンダーカバーに形成されているから、リザーバータンクの被視認部を貯水量視認用開口に対して高い精度で位置決めすることができる。このため、リザーバータンクの被視認部を正しく視認することができる。
1…スクータ型自動二輪車、2…前輪、3…後輪、4…足載せ台4、6…エンジン、7…車体フレーム、11…リザーバータンク、21…フートボード、22…アンダーカバー、26…取付用ボルト、27…底壁、33…リッド、34…支持片、34a…取付用座面、35…突片、37…給水用パイプ、38…キャップ、51…側壁、52…貯水量視認用開口。

Claims (3)

  1. 車体フレームと、
    前輪と後輪との間に位置する低床な足載せ台と、
    クランク軸を有し、シリンダの軸線が車体の前後方向を指向し、前記車体フレームに上下方向に揺動自在に支持され水冷式のエンジンと、
    前記クランク軸の車体右側の端部に設けられたファンと、
    前記エンジンの車体右側の端部且つ前記ファンの右方に設けられたラジエータと、
    前記足載せ台の内部に配設され、前記ラジエータよりも前方に位置し、前記車体フレームに取付けられリザーバータンクと、
    前記ラジエータから前方に延び、前記ラジエータと前記リザーバータンクとを接続するリザーバーパイプと、を備え
    前記ラジエータは、上部タンクと下部タンクとを備え、前記上部タンクから前記下部タンクへ冷却水が流れる構造を有し、
    前記リザーバーパイプは、前記上部タンクに接続されている、スクータ型自動二輪車。
  2. 前記リザーバーパイプは、前記リザーバータンクの車体後側の端部に接続されている、請求項1に記載のスクータ型自動二輪車。
  3. 前記リザーバータンクは、車体右側に配置されている、請求項1に記載のスクータ型自動二輪車。
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