JP4811419B2 - ゲート装置 - Google Patents

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この発明は、通路における利用者の通行を制限するゲート装置に関する。
従来、鉄道の駅の改札口では、駅構内に入場する利用者や、駅構内から出場する利用者に対する改札処理を自動改札機で行っている。自動改札機は、利用者が所持しているキップ、定期券、プリペイド券等の乗車券を受け付け、この乗車券に記録されている乗車券情報を読み取り、読み取った乗車券情報に基づいて、その利用者に対する改札通路の通行可否を判定する。自動改札機は、利用者に対して改札通路の通行を許可すると判定すると、改札通路の出口側に位置する扉を開し、反対に、利用者に対して改札通路の通行を許可しないと判定すると、改札通路の出口側に位置する扉を閉する。
また、適正な乗車券を所持せずに、改札通路に進入し、閉された扉を飛び越える等して改札通路を故意に突破する不正通行者がいる。このような不正通行者の不正行為を抑制するために、改札通路を通行する利用者を撮像するカメラを設置しておき、改札通路を故意に突破した不正通行者を検知すると、そのときのカメラの撮像画像を記録保存することが提案されている(特許文献1、2等参照)。
特許第3617127号公報 特許第3389029号公報
しかしながら、従来の自動改札機は、利用者の有無を検出するセンサを、改札通路に沿って複数配置し、これらのセンサの出力により、改札通路を通行している利用者の位置を追跡している。また、1つのセンサが利用者を検知しつづけている間は、このセンサの検知領域を通行している利用者を1人と判断している。このため、従来の自動改札機は、複数人の利用者が改札通路をくっついて通行すると、これら複数人の利用者を1人の利用者と判断することがあった。したがって、複数人の利用者が改札通路をくっついて通行すると、これら複数人の利用者が1枚の乗車券で改札通路を不正に通行することができるという問題があった。言い換えれば、複数人の利用者が改札通路をくっついて通行する不正行為を検知し、これらの利用者に対して改札通路の通行を禁止することができなかった。
以下、複数人の利用者が改札通路をくっついて通行する不正行為を、重なり通行と言う。
また、自動改札機は、上述したように、重なり通行を行っている複数人の利用者を1人の利用者として判断しているので、重なり通行が行われていること自体を検知することができない。このため、上記特許文献1、および2で提案されている自動改札機のように、改札通路を通行する利用者を撮像するカメラを設置しても、重なり通行を行っている複数人の利用者の撮像画像を記録保存することができなかった。したがって、上記特許文献1、および2で提案されている自動改札機でも、重なり通行を行う不正通行者に対する抑制効果が得られない。
なお、不正通行を検出したときだけでなく、常時、カメラの撮像画像を記録保存する構成とすれば、重なり通行が行われているときの撮像画像を記録保存することはできるが、係員等が記録保存された撮像画像を確認し、この重なり通行が行われているときの撮像画像があれば、その部分の撮像画像を重なり通行が行われているときの撮像画像として保存する作業を行わなければならず、非常に手間がかかり、現実的ではない。
この発明の目的は、複数人の利用者が1枚の通行券で通路をくっついて通行する不正行為を精度よく検出し、このような不正行為が行われるのを防止することができるゲート装置を提供することにある。
この発明のゲート装置は、上記課題を解決し、その目的を達するために、以下の構成を備えている。
このゲート装置では、券情報読取手段が、通路に進入した利用者が所持する通行券を受け付け、その通行券に記録されている券情報を読み取る。また、判定手段が、前記券情報読取手段が読み取った券情報に基づいて、その利用者に対する前記通路の通行可否を判定する。そして、通行制限手段が、前記判定手段の判定結果に応じて、前記通路における利用者の通行を制限する。
また、検知手段が、受付位置よりも前記通路内に入った無札検知位置に達したことを検知すると、人数検出手段が、この無札検知位置を撮像しているカメラの撮像画像を取り込んで処理し、その撮像画像に撮像されている利用者の人数を検出する。人数検出手段は、例えば、撮像画像に撮像されている各利用者の顔を抽出し、ここで抽出した顔の総数を、利用者の人数として検出する。そして、人数判定手段が、前記人数検出手段が検出した利用者の人数が適正であるかどうかを判定する。前記人数判定手段は、通路内における利用者の人数を、例えば、前記券情報読取手段が券情報を読み取った通行券の枚数に基づいて決定すればよい。したがって、通路をくっついて通行している複数人の利用者を1人の利用者と判断していても、前記人数検出手段によって、これら複数人の利用者の人数を正確に検出できる。このため、前記人数判定手段によって、前記人数検出手段が検出した利用者の人数が通路内における利用者の人数として適正でないと判定される。前記通行制限手段は、前記人数判定手段が通路内における利用者の人数として不適正であると判定した場合、前記通行可否判定手段の判定結果にかかわらず、前記通路における利用者の通行を制限する。
また、人数検出手段は、通行可否判定手段が前記通路の通行を許可しないと判定した利用者であれば、カメラの撮像画像に対する処理を行わない、構成としてもよい。
したがって、複数人の利用者が1枚の通行券で通路をくっついて通行する不正行為を精度よく検出し、このような不正行為が行われるのを防止することができる。
この発明によれば、複数人の利用者が1枚の通行券で通路をくっついて通行する不正行為を精度よく検出し、このような不正行為が行われるのを防止することができる。
以下、この発明の実施形態である自動改札機について説明する。
図1は、この発明の実施形態である自動改札機の主要部の構成を示す図であり、図2は、この自動改札機の外観を示す概略図である。この自動改札機1は、駅の改札口に設置され、適正な乗車券(キップや定期券等)を所持していない利用者が改札通路を通行して、駅構内に入場したり、駅構内から出場するのを制限する。この自動改札機1は、制御部2と、乗車券処理部3と、利用者検知部4と、表示部5と、扉開閉部6と、報知部7と、撮像画像処理部8と、カメラ9と、を備えている。
制御部2は、自動改札機1本体各部の動作を制御する。乗車券処理部3は、改札通路を通行する利用者が所持している乗車券を受け付け、受け付けた乗車券に記録されている乗車券情報の読み取りや、書き込みを行う。乗車券には、乗車券情報を磁気データで記録している磁気券や、無線通信機能を有し、乗車券情報を内蔵メモリに記録している非接触ICカード等がある。乗車券処理部3は、磁気券に記録されている乗車券情報の読み取りや、書き込みを行う磁気ヘッドを有するとともに、非接触ICカードとの間で無線通信を行う無線通信部等を有している。これらの構成については、公知であるので、ここでは説明を省略する。乗車券が、この発明で言う通行券に相当し、乗車券情報が、この発明で言う券情報に相当する。
利用者検知部4は、改札通路に沿って設けた複数のセンサにより、利用者の有無を検知することで、改札通路における利用者の位置を検知する。また、これらのセンサの出力により、改札通路を通行している利用者の追跡も行える。表示部5は、改札通路の出口側付近に設けた表示器5aに、改札通路を通行している利用者に対する案内メッセージ等を表示する。また、扉開閉部6は、改札通路の出口側付近に設けた扉6aを開閉することにより、改札通路における利用者の通行を制限する。報知部7は、改札通路に進入した利用者が適正な乗車券を所持していなければ、その旨を報知する。利用者検知部4、表示部5、扉開閉部6、および報知部7については、公知であるので、ここでは詳細な説明を省略する。
さらに、撮像画像処理部8は、カメラ9で撮像された利用者の撮像画像を処理し、撮像されている利用者の人数を検出する。カメラ9は、改札通路の入口側に向け、改札通路を通行している利用者を正面よりも、少し斜め方向から撮像する位置に取り付けている。これにより、ある利用者の後ろに別の利用者がくっついて改札通路を通行していても、この2人の利用者の顔がそれぞれ撮像できるようにしている。言い換えれば、前の利用者が影になって、この前の利用者に後ろにくっついている別の利用者の顔が撮像されないことがないように、カメラ9を取り付けている。カメラ9は、自動改札機1本体に内蔵してもよいし、自動改札機1の設置場所の天井等に取り付けてもよい。図2では、カメラ9を、改札通路の入口側に向け、自動改札機1本体に取り付けた場合を例示している。撮像画像処理部8は、カメラ9の撮像画像から、撮像されている各利用者の顔を抽出し、抽出できた顔の個数を、撮像されている利用者の人数として検出する。撮像画像処理部8は、公知のパターンマッチング等で、カメラ9の撮像画像から、撮像されている利用者の顔を抽出する。
この自動改札機1は、1枚の乗車券で、複数人の利用者がくっついて改札通路を通行する不正行為(以下、この不正行為を、重なり通行と言う。)を精度よく検出し、重なり通行を行っている利用者に対して改札通路の通行を禁止する。以下、この自動改札機1の動作について詳細に説明する。
図3は、この自動改札機の動作を示すフローチャートである。自動改札機1は、この図3に示す処理を、改札通路に進入する利用者毎に行う。自動改札機1は、乗車券処理部3が利用者の乗車券を受け付けるか(s1)、利用者検知部4が改札通路の入口側に設定した無札検知位置に利用者が達したことを検知するのを待っている(s2)。自動改札機1は、s1で乗車券を受け付けると、その乗車券に記録されている乗車券情報を読み取る(s3)。自動改札機1は、s3で読み取った乗車券情報に基づいて、その利用者に対する改札通路の通行可否を判定する(s4)。s4では、s3で読み取った乗車券情報が示す乗車券の有効期間や有効区間に基づいて、その利用者に対する改札通路の通行可否を判定する。このs4にかかる通行可否の判定は、乗車券が適正かどうかによる判定である。
自動改札機1は、s4で通行を許可すると判定すると、その利用者が無札検知位置に達するのを待つ(s5)。この無札検知位置は、改札通路を通行する利用者が乗車券の乗車券情報を乗車券処理部3に読み取らせる位置よりも、少し改札通路内に入った位置である。改札通路における利用者の位置は、利用者検知部4において検知されている。自動改札機1は、s4で通行を許可すると判定した利用者が無札検知位置に達すると、画像処理部8がカメラ9の撮像画像を取り込み(s6)、撮像されている利用者の人数を検出する(s7)。s7では、カメラ9の撮像画像に撮像されている利用者の顔を抽出し、ここで抽出した顔を無札検知位置にいる利用者の人数として検出する。
自動改札機1は、s7で検出した利用者の人数が、1人であれば、扉6aを開し(s8、s9)、この利用者が改札通路を通行するのを許可する。一方、s7で検出した利用者の人数が2人以上であれば、重なり通行であると判断し、扉6aを閉する(s8、s10)。また、自動改札機1は、報知部7において警報報知を行う(s11)。
なお、自動改札機1は、s4で改札通路の通行を許可しないと判定したときや、s2で乗車券を受け付けなかった利用者が無札検知位置に達したときには、s10で扉6aを閉するとともに、s11で報知部7において警報報知を行う。
このように、この自動改札機1は、カメラ9の撮像画像を処理して、無札検知位置に達した利用者の人数を検知するので、重なり通行を行っている利用者を精度よく検知することができる。したがって、自動改札機1は、重なり通行を行っている利用者に対して改札通路の通行を禁止できる。
また、上記例では、s8でカメラ9の撮像画像から検出された利用者が1人であるかどうかにより、重なり通行を行っているかどうかを判定するとしたが、乗車券処理部3が受け付けた乗車券の枚数を用いて、重なり通行を行っているかどうかを判定するようにしてもよい。具体的には、s8にかかる判定を、s7で検出した利用者の人数と、この時点で、まだ無札位置に達していない乗車券を受け付けた利用者の人数と、が一致しているかどうかを判定する処理に置き換えればよい。このようにすれば、つづけて2人の利用者から適正な乗車券を受け付けた場合にも、この2人の利用者を無札検知位置で重なり通行を行っている利用者と誤判定するのを防止できる。
また、重なり通行を行っている利用者を検知したときのカメラ9の撮像画像を記録保存するようにしてもよい。
なお、上記説明では、本願発明を駅の改札口に設置される自動改札機1に適用した場合を例にしたが、本願発明は、遊園地やテーマパーク等の施設の出入口に設置されるゲート装置等にも適用できる。
自動改札機の主要部の構成を示す図である。 自動改札機の外観を示す概略図である。 自動改札機の動作を示すフローチャートである。
符号の説明
1−自動改札機
2−制御部
3−乗車券処理部
4−利用者検知部
5−表示部
6−扉開閉部
7−報知部
8−撮像画像処理部
9−カメラ

Claims (4)

  1. 受付位置で利用者が所持する通行券を受け付け、その通行券に記録されている券情報を読み取る券情報読取手段と、
    前記券情報読取手段が読み取った券情報に基づいて、その利用者に対する通路の通行可否を判定する通行可否判定手段と、
    前記通行可否判定手段の判定結果に応じて、前記通路における利用者の通行を制限する通行制限手段と、を備えたゲート装置であって、
    利用者が前記受付位置よりも前記通路内に入った無札検知位置に達したことを検知する検知手段と、
    利用者が前記無札検知位置に達したことを前記検知手段が検知すると、この無札検知位置を撮像しているカメラの撮像画像を取り込んで処理し、その撮像画像に撮像されている利用者の人数を検出する人数検出手段と、
    前記人数検出手段が検出した利用者の人数が適正であるかどうかを判定する人数判定手段と、を備え、
    前記通行制限手段は、前記人数判定手段が通路内における利用者の人数として不適正であると判定した場合、前記通行可否判定手段の判定結果にかかわらず、前記通路における利用者の通行を制限する手段である、ゲート装置。
  2. 前記人数検出手段は、前記通行可否判定手段が前記通路の通行を許可しないと判定した利用者であれば、前記カメラの撮像画像に対する処理を行わない、請求項1に記載のゲート装置。
  3. 前記人数検出手段は、前記通路を通行している利用者を撮像した撮像画像から、抽出した利用者の顔の総数を、その撮像画像に撮像されている利用者の人数として検出する手段である、請求項1、または2に記載のゲート装置。
  4. 前記人数判定手段は、前記券情報読取手段が券情報を読み取った通行券の枚数に基づいて、前記人数検出手段が検出した利用者の人数が適正であるかどうかを判定する手段である、請求項1〜3のいずれかに記載のゲート装置。
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