以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。
[1.カラオケネットワークシステム1の構成の説明]
図1は、インターネット200を利用したカラオケネットワークシステム1の概略構成を示すブロック図である。
図1に示すように、カラオケネットワークシステム1は、ホストサーバ2に対して、カラオケサービスを提供するカラオケ店舗の各カラオケルーム(本事例では、部屋A,B)に設置されるカラオケ装置4及びリモコン端末5がLAN100を介して接続された店舗内のネットワークが、インターネット200を介して接続されることによって形成されている。なお、図1においては、説明の便宜上、1つのカラオケ店舗内の部屋A,Bにそれぞれ一台ずつ、計2台のカラオケ装置4がカラオケネットワークシステム1に接続されている構成を示しているが、同一店舗内に更に多くのカラオケ装置4が接続されていてもよい。また、複数の店舗内のネットワークがホストサーバ2に接続されていてもよい。
ホストサーバ2は、各カラオケルームに1台ずつ設置されているカラオケ装置4に対して、ホストサーバ2内に格納されているカラオケの楽曲データやCMや映画、ドラマ等の各種コンテンツデータを配信するためのカラオケサービス用のサーバ装置である。ホストサーバ2は、ホストサーバ側のルータ140とカラオケ店舗側のルータ120との間でインターネット200上に形成されるVPN(virtual private network)を介して、カラオケ店舗側のLAN100に接続されている。つまり、ホストサーバ2と、各カラオケ装置4及びリモコン端末5との間の通信は、インターネット200上のVPN及びカラオケ店側のLAN100を介して行われる。なお、ホストサーバ2からカラオケ装置4へのコンテンツの配信は、ホストサーバ2が個々のカラオケ装置4に対して個別にデータを送信するユニキャストによって行われる。また、ホストサーバ2は、ユーザが所有する携帯電話6等の携帯情報端末に対してインターネット200を介して情報の送信をする機能も有する。
さらに、本カラオケネットワークシステム1において、本システムへログインしてこれを利用する権限を有するユーザに関する登録情報を蓄積するユーザ登録データベース2c(詳細は後述する)や、登録されているユーザのカラオケ歌唱に関する情報及び当該ユーザから提供される情報等をインターネット200上で公開するための個人用Webページのデータを蓄積する個人用Webページデータベース2d(詳細は後述する)等を有するデータベース2bを備えている。
そして、ホストサーバ2が備えるWebサーバ2aは、このデータベース2bと連携しており、カラオケ店舗側のカラオケ装置4やリモコン端末5、携帯電話6等からの要求に応じて、カラオケネットワークシステム1を利用するためにログインしようとするユーザに対する認証や、ログインしたユーザに対する個人用Webページの配信・更新サービスを行う。すなわち、ここでいう連携とは、ユーザ認証及び個人用Webページの配信をWebサーバ2aが行うために、データベース2b内に格納されたユーザ登録データベース2cや個人用Webページデータベース2dを参照したり、Webサーバ2aが受け付けた個人用Webページ更新のデータをデータベース2b内に格納された個人用Webページデータベース2dに反映させたりすることで、Webサーバ2aが行う前記サービスに利用するためのデータと、データベース2bに格納されているデータとが対応していることを指す。
また、ホストサーバ2が備えるWebサーバ2aは、本発明の特徴的な処理として、各カラオケ装置4に対してカラオケ楽曲以外のコンテンツ(例えば、CM等)を配信する際に、次のような「配信制御処理」を実行する。Webサーバ2aは、各カラオケ装置4に対応付けてログインしている(以下、このような状態を「括り付け」とも称する。詳細は後述する)人数を比較し、この「括り付け」されているユーザの人数がより多い(すなわち、当該カラオケ装置4を利用しているユーザがより多い)カラオケ装置4に対して優先的に送信レートの高いコンテンツを送信する。この「配信制御処理」の詳細な内容については後述する。
携帯電話6は、携帯電話事業者が提供するアクセスポイントや通信回線を介してインターネット200に接続可能ないわゆる第3世代以降の携帯電話であり、電話をかける・受けるといった通話機能以外に、インターネット200を介して受信したWebページを画面で閲覧したり、ユーザが画面上で情報や操作指示を入力したり、アニメーション等を表示するためのアプリケーションを動作させたりするための、いわゆるWebブラウザ機能を有するアプリケーションや、IrDA(登録商標)規格等の赤外線通信を行う赤外線通信機能を備えている。さらに、この赤外線通信機能を用いて、ユーザが使用するカラオケ装置4に対してログイン時の「括り付け」を行うためのアプリケーションも備えている。また、携帯電話6は、インターネット200を介してホストサーバ2内のWebサーバ2aへアクセスし、システムの利用を新規に開始するユーザをホストサーバ2に登録するためのユーザ登録処理や、Webサーバ2aから受信したデータに基づいて個人用Webページの閲覧・更新を行う処理等の各種を実行する。
カラオケ装置4は、ホストサーバ2から配信されるカラオケ楽曲や、映画、バラエティ番組、ドラマ、CMといったコンテンツ等の再生を行うための装置である。
カラオケ装置4は、全体の作動を制御する制御部、LAN100に接続し外部と通信を行うための通信インタフェース、ホストサーバ2から配信されるカラオケ用の楽曲データや映像データ等のコンテンツデータやプログラム等の各種データを記憶するハードディスク(HDD)、複数のキースイッチからなる操作部、リモコン端末5及び携帯電話6と通信を行うための赤外線通信部、マイクロフォン、演奏データに基づく演奏再生を行うMIDI音源、MIDI音源から生成されたオーディオ信号及びマイクロフォンから入力されたオーディオ信号をスピーカへ出力する音声制御部、画像データに基づく映像の再生を制御する映像再生部、映像を表示するためのモニタ等を備える。
リモコン端末5は、カラオケルーム内で使用されるためのものであり、ユーザが再生を希望するコンテンツの予約を行うための操作等の各種操作をユーザから受け付け、その操作信号を赤外線通信によってカラオケ装置4に送信する機能や、赤外線通信機能を用いて、ユーザが使用するカラオケ装置4に対してログイン時の「括り付け」を行うためのアプリケーションを備えている。また、リモコン端末5は、無線LAN規格に従った無線通信によりアクセスポイント110経由でLAN100及びインターネット200上のVPNを介してホストサーバ2へアクセスし、システムの利用を新規に開始するユーザをホストサーバ2に登録するためのユーザ登録処理や、ホストサーバ2から受信したデータに基づいて個人用Webページの閲覧・更新を行うための処理を実行する。なお、リモコン端末5は、複数のユーザのアカウントごとに並行してシステムにログイン可能に構成されている。
LAN100にはアクセスポイント110が接続されている。このアクセスポイント110は、無線LAN規格(例えば、IEEE802.11a/b/g規格,HomeRF規格,Bluetooth規格など)に従った無線通信で端末間を接続するための電波中継機であり、複数の端末と同時に通信を行う機能を有する。リモコン端末5とホストサーバ2とは、このアクセスポイント110を中継することによって、LAN100及びインターネット200上のVPNを介して互いにデータ通信を行うことができる。
ルータ120,140は、インターネット200等の外部ネットワーク上の通信経路を暗号化して、仮想的に専用回線で接続されている状態を作り出すVPN技術を利用するためのいわゆるVPNゲートウェイである。ルータ120,140は、外部ネットワークであるインターネット200と、内部ネットワークであるLAN100及びホストサーバ2側のネットワークとの接続点にそれぞれ置かれ、内部ネットワークからの通信を暗号化してインターネット200側に送出する。また、インターネット200側からの通信を復号化して内部ネットワークへ送出する。
[2.リモコン端末5及び携帯電話6から行う「ユーザ登録」の説明]
本実施形態のカラオケネットワークシステム1では、ユーザは、予め登録された当該ユーザのアカウントによってシステムにログインすることで、個々のユーザに対応付けしたコンテンツの再生予約、個人用Webページの配信・編集等といった各種サービスを利用することが可能になる。ここでは、ユーザがリモコン端末5や携帯電話6を利用して、上述のような各サービスを利用するためのアカウントを取得する「ユーザ登録」の手順について説明する。
図2は、リモコン端末5及び携帯電話6によって「ユーザ登録」を行う際の画面表示例を示す説明図である。
まず、ユーザからの指示入力に基づいて、図2(a)に示すようなネットワークメニュー画面71が、リモコン端末5及び携帯電話6が備えるモニタ等の表示デバイスに表示される。なお、このネットワークメニュー画面71や後述の各種画面は、リモコン端末5や携帯電話6が備えるユーザ登録用のアプリケーションソフトウェア等として予め格納されているデータに基づいて表示されるように構成することが考えられる。あるいは、インターネット200を介して、リモコン端末5又は携帯電話6からホストサーバ2内のWebサーバ2aへそれぞれ接続し、Webサーバ2aから配信されるWebページに基づいて表示されるような構成であってもよい。
図2(a)に示すネットワークメニュー画面71は、個人用Webページの閲覧・更新サービスを利用するための操作メニューを表示する画面であり、既に登録済みのユーザがシステムにログインするためのログイン画面へ移行するための「ログイン」ボタン82や、新規のユーザがアカウントを取得するための「新規ユーザ登録」ボタン83等が表示されている。ここで、タッチパネル、キースイッチやポインティングデバイス等を介して「新規ユーザ登録」ボタン83が押下されると、図2(b)に示すようなユーザ登録画面72が表示される。
図2(b)に示すユーザ登録画面72は、新規のユーザがアカウントを取得するために、システム上でのユーザの呼称となるニックネーム及びユーザ認証用のパスワードの入力をユーザ対して要求するための画面である。ここで、ユーザからの操作によってユーザ登録画面72内の入力ボックス内にニックネーム及びパスワードが入力された後「OK」ボタン84aが押下されると、ユーザ登録を要求するための登録要求情報と共に、ユーザによって入力されたニックネーム及びパスワードを示すデータが当該端末に対応するホストサーバ2内のWebサーバ2aへインターネット200を介して送信される。
リモコン端末5又は携帯電話6から送信された登録要求情報、当該ユーザのニックネーム及びパスワードを受信したホストサーバ2内のWebサーバ2aは、まず、ユーザごとに固有の識別情報であるユーザIDを生成する。そして、受信した内容に基づいて各ホストサーバ2内のデータベース2b内に設けられたユーザ登録データベース2c(詳細は後述)に当該ユーザのニックネーム、ユーザID、パスワード等の所定の情報を新たに登録する。
つぎに、ユーザ登録が完了した旨の情報とユーザIDとをユーザに対して通知するための登録完了情報を生成し、この登録完了情報を登録要求情報の送信元であるリモコン端末5又は携帯電話6に対して返信する。なお、携帯電話6から送信される登録要求情報と共に、電話番号や電子メールアドレスが送信された場合は、登録完了情報を電子メール等で当該携帯電話6へ送信してもよい。
リモコン端末5又は携帯電話6がホストサーバ2から登録完了情報を受信すると、この受信した登録完了情報に基づいて、図2(c)に示すようなユーザ登録完了画面73が表示される。ここでは、ユーザ登録完了画面73にユーザ「Mike06」のユーザ登録が完了した旨を通知する旨のメッセージ、「Mike06」のユーザID等が表示されている。
ホストサーバ側が発行するユーザIDは、ユーザがリモコン端末5又は携帯電話6からシステムにログインする際にパスワードと共に入力が必要となる認証用の識別情報である。したがって、ユーザは、このユーザ登録完了画面73によって自身に割り当てられたユーザIDを確認する。
そして、ユーザ登録完了画面73において、ユーザによって「OK」ボタン84bが押下されると、「ユーザ登録」が完了する。
[3.ユーザ登録データベース2c、個人用Webページデータベース2dの説明]
ここで、ホストサーバ2内のデータベース2bに格納されているユーザ登録データベース2c及び個人用Webページデータベース2dの具体的な内容について説明する。
図3(a)は、ユーザ登録データベース2cの具体的内容を模式的に示す説明図である。このユーザ登録データベース2cは、上記「ユーザ登録」を経て登録された各ユーザのニックネーム、ユーザID、パスワード、及び当該ユーザの個人用Webページデータの格納先を示すパス等の各種情報を含むユーザ登録データのテーブルである。
本実施形態のカラオケネットワークシステム1では、ホストサーバ2内のWebサーバ2aがこのユーザ登録データベース2cを参照することにより、ログインを要求してきたユーザに対する認証や、ユーザとニックネームとの対応付け、ユーザと当該ユーザの個人用Webページとの対応付けを行う。
図3(b)に示す個人用Webページデータベース2dは、ユーザ登録データベースに登録されている各ユーザの個人用Webページのデータを格納している。個人用Webページのデータは、個人用Webページを所定の様式でリモコン端末5や携帯電話6が備えるWebブラウザによって表示するためのデータのまとまりで、テキストデータやHTMLによるレイアウト情報、画像・音声・動画データ等から構成される。
このような個人用Webページのデータは、上述の「ユーザ登録」が行われた際に、新規登録されたユーザのための個人用Webページの雛形のデータを自動的に生成し、この雛形のデータを個人用Webページデータベース2dに格納すると共に、この個人用Webページの雛形のデータの格納先のパスをユーザ登録データベース2cの当該ユーザのユーザ登録データに登録しておくことが考えられる。このようにすることで、後にこのユーザが個人用Webページの雛形に基づいて簡単に自身の個人用Webページを編集することができる。個人用Webページは、カラオケ装置4を利用したユーザのログイン履歴や歌唱履歴、十八番の楽曲、歌唱に対する採点結果等に関する情報である「カラオケ情報」や、ユーザから提供される公開情報である「プロフィール」、「メッセージ」といった情報をコンテンツとして有する。
このうち「カラオケ情報」は、システムにログインしたユーザがカラオケ装置4を利用してカラオケ歌唱を行うことで、当該ユーザが歌唱した楽曲の楽曲名、歌唱したときの音高キー、歌唱回数や時間等を含む歌唱履歴、十八番の楽曲、採点結果等を示すデータがカラオケ装置4からホストサーバ2へアップロードされるように構成されている。また、「カラオケ情報」に含まれる歌唱履歴や十八番の楽曲等を示すデータは、個人用Webページとして表示する以外に、カラオケ装置4に対して演奏楽曲を予約するときに、選曲リストとしてリモコン端末5や携帯電話6でダウンロードすることで、このダウンロードした歌唱履歴や十八番の楽曲のリスト中から演奏楽曲を選択できるように構成されている。
本実施形態のカラオケネットワークシステム1では、上述の「ユーザ登録」において登録済みのユーザであれば、リモコン端末5又は携帯電話6からシステムにログインすることで、ユーザが利用するサービスを当該ユーザのアカウントに対応付けることができる。例えば、ユーザが、利用するコンテンツとしてカラオケ楽曲の演奏を指定して歌唱を行った場合、当該ユーザに対応する歌唱履歴等のカラオケ歌唱情報を当該カラオケ装置4からホストサーバ2へ送信することで、当該ユーザのカラオケ歌唱に関する情報をホストサーバ2のデータベース2bに蓄積できる。また、ユーザが、リモコン端末5又は携帯電話6からシステムへログインする際、これらの端末とユーザの目の前にあるカラオケ装置4、すなわちログインするユーザが使用するカラオケ装置4との間で赤外線通信を行うことによって、当該ユーザが使用するカラオケ装置4を特定し、これらを対応付けてホストサーバ2へ登録する「括り付け」が行われる。
[4.カラオケネットワークシステム1へのログインの説明]
つぎに、上述の「ユーザ登録」によって登録されたユーザがシステムにログインするための手順の概要について説明する。図4は、リモコン端末5又は携帯電話6によってユーザがログインの手続を行う際の、各端末における画面表示例等を示す説明図である。
まず、図4(a)のネットワークメニュー画面71において「ログイン」ボタン82が押下されることで、図6(b)のログイン画面74が表示される。このログイン画面74には、ユーザID及びパスワードを入力するための入力ボックスがそれぞれ表示されている。
このログイン画面74において、ユーザによってユーザID及びパスワードがそれぞれの入力ボックスに入力された後、「OK」ボタン84cが押下されることで、入力されたユーザID、パスワード、及びシステムへのログインとカラオケ装置4との括り付けとを要求するための情報を赤外線通信によってユーザが入室したカラオケルームに設置されているカラオケ装置4へ送信する。
カラオケ装置4は、リモコン端末5又は携帯電話6から受信した情報を、ユーザ認証及び括り付けを要求する情報と共にLAN100及びインターネット200を介してホストサーバ2へ送信する。
ホストサーバ2内のWebサーバ2aは、送信されてきたユーザID及びパスワードを、データベース2bに格納されているユーザ登録データベース2c(図3(a)参照)に登録されているユーザID及びパスワードと照合することで、ログイン要求してきたユーザの認証を行う。ここで、送信されてきたユーザID及びパスワードが、ユーザ登録データベース2cに登録されているユーザID及びパスワードと適合すると判定した場合、当該ユーザのログインを許可する旨の情報をユーザ認証要求元のカラオケ装置4へ送信する。また、認証したユーザとユーザ認証要求元のカラオケ装置4との括り付けに関する情報をデータベース2bへ登録する。
カラオケ装置4は、ユーザのログインを許可する旨の情報をWebサーバ2aから受信すると、受信した情報に基づき、ログインが完了した旨の通知を赤外線通信によってログイン要求元の端末へ送信する。
携帯電話6がカラオケ装置4からログイン完了の通知を受信した場合、携帯電話6の表示デバイスには、図4(c)に示すようなユーザTOPメニュー画面75表示される。このユーザTOPメニュー画面75は、ログインしたユーザが利用したいサービスを選択するための画面である。ここでは、ログインしたユーザのニックネーム「Mike06」、各ユーザの個人用Webページの閲覧を選択するための「Webページ閲覧」ボタン86、当該ユーザの個人用Webページの更新を選択するための「Webページ更新」ボタン87、システムからのログアウトを選択するための「ログアウト」ボタン88等が表示されている。
一方、リモコン端末5がカラオケ装置4からログイン完了の通知を受信した場合、リモコン端末5の表示部には、図4(d)に示すようなユーザTOPメニュー画面76表示される。このユーザTOPメニュー画面76は、ログインしたユーザが利用したいサービスを選択するための画面であるが、「Mike06」、「Alex」、「Joe」といった、ログイン中の複数のユーザそれぞれに対応するユーザTOPメニュー画面76を選択的に表示可能に構成されている。ここで、操作を行うユーザの選択は、各ユーザのニックネームが表示されたユーザ選択タブ90を押下することで行うことができ、現在選択中のユーザに対応するユーザTOPメニュー画面76がポップアップ表示される。
リモコン端末5におけるユーザTOPメニュー画面76が、携帯電話6におけるユーザTOPメニュー画面75と異なり、ログイン中の複数のユーザそれぞれに対応するユーザTOPメニュー画面76を選択的に表示可能に構成されているのは、次のような理由による。すなわち、リモコン端末5は、カラオケルームにおいて複数のユーザによって共用されることが想定されている。したがって、1台のリモコン端末5を共用する全てのユーザに対して個人用Webページの閲覧・更新サービスを利用可能にするために、リモコン端末5は、携帯電話6とは異なり、複数のユーザが並行してログイン可能に構成されている。
ユーザTOPメニュー画面76には、現在選択中のユーザのニックネーム「Mike06」、当該ユーザユーザ又は他のユーザの個人用Webページの閲覧を選択するための「Webページ閲覧」ボタン86、当該ユーザの個人用Webページの更新を選択するための「Webページ更新」ボタン87、当該ユーザがシステムからのログアウトを選択するための「ログアウト」ボタン88等の他に、既にユーザがログイン中であっても、新たなユーザがログインしたり、新規ユーザに対する上述の「ユーザ登録」を行えるように、図6(a)のネットワークメニュー画面71へ戻るための「ネットワークTOPメニューへ」ボタン89が表示されている。
[5.ログインユーザの集計とコンテンツ配信の流れの説明]
つぎに、カラオケネットワークシステム1へ複数のユーザがログインし、ホストサーバ2がこのログインユーザとカラオケ装置4との括り付けに関する情報を登録する手順から、括り付けされているユーザの人数が多いカラオケ装置4に対して優先的に送信レート(以下、ビットレートとも称する)の高いコンテンツを送信する手順までの一連の流れを、図5のラダーチャートに基づいて説明する。
図5に示すように、まず、カラオケネットワークシステム1に接続されたカラオケ装置4のうちの1台であるカラオケ装置Aに対して、カラオケ装置Aと同じカラオケルームに備えられたリモコン端末5からシステムへのログイン及びカラオケ装置Aとの括り付けを要求する情報が赤外線通信を介して送信されたとする(S10)。このとき、リモコン端末5からカラオケ装置Aへ送信される情報には、ユーザの認証のために必要なユーザID及びパスワードや、送信元のリモコン端末5を識別するための識別情報(例えば、端末ごとに固有のIDや製造番号等)が含まれる。
カラオケ装置Aは、リモコン端末5から受信した情報に基づき、ユーザ認証及びカラオケ装置Aと当該ユーザとの括り付けを要求する情報をLAN100及びインターネット200を介してホストサーバ2へ送信する(S11)。このとき、カラオケ装置Aからホストサーバ2へ送信される情報には、ユーザID、パスワード、リモコン端末5の識別情報、カラオケ装置Aの識別情報であるカラオケ装置ID等が含まれる。
ホストサーバ2は、カラオケ装置Aから受信したユーザID及びパスワードに基づいてユーザの認証を行い、認証結果を認証要求元のカラオケ装置Aへ送信する(S12)。つづいて、ユーザID、カラオケ装置ID、リモコン端末5の識別情報に基づき、当該ユーザとカラオケ装置Aとの括り付けに関する情報を、ホストサーバ2のデータベース2bに格納されている括り付け情報管理テーブル2e(図6参照)へ登録する(S13)。これでリモコン端末5からの当該ユーザのログインが完了する。
カラオケ装置Aは、ホストサーバ2から受信した認証結果に基づき、当該ユーザのログイン及び括り付けの成否を赤外線通信によってログイン要求元のリモコン端末5へ送信する(S14)。
ここで、上記括り付け情報管理テーブル2eの詳細な内容について、図6に基づき説明する。図6は、括り付け情報管理テーブル2eの記述様式の一例を模式的に示す説明図である。括り付け情報管理テーブル2eは、個々のカラオケ装置4ごとに、各カラオケ装置4に括り付けされてシステムにログイン中のユーザの人数を集計するためのテーブルである。
図6に示すように、括り付け情報管理テーブルには、カラオケ装置IDごとに、このカラオケ装置4に対して括り付け要求を行った端末(リモコン端末5又は携帯電話6)の名称、これらの端末を介してカラオケ装置4に括り付けされたユーザのID、各ユーザのログイン開始時間、端末ごとのログイン人数、及びカラオケ装置4ごとのログイン人数の合計が記録されている。
例えば、図6に示す事例では、カラオケ装置A(カラオケ装置ID:A)には、現在、リモコン端末A−1から10人、リモコン端末A−2から8人、携帯電話A−1,A−2からそれぞれ1人ずつの合計20人のユーザが括り付けされた状態でログイン中である。また、カラオケ装置B(カラオケ装置ID:B)には、現在、リモコン端末B−1から9人、携帯電話B−1から1の合計10人のユーザが括り付けされた状態でログイン中である。
このような括り付け情報管理テーブル2eにおいて、ユーザが新たにログインするたびに、そのユーザの括り付けに関する情報がテーブルに追加され、ユーザがログアウトすることで、そのユーザの括り付けに関する情報がテーブルから削除される。
図5の説明に戻る。つぎに、カラオケ装置Aに対して、カラオケ装置Aと同じカラオケルームにいるユーザが所有する携帯電話6からシステムへのログイン及びカラオケ装置Aとの括り付けを要求する情報が赤外線通信を介して送信されたとする(S15)。このとき、携帯電話6からカラオケ装置Aへ送信される情報には、ユーザの認証のために必要なユーザID及びパスワードや、送信元の携帯電話6を識別するための識別情報(例えば、電話番号や固体識別情報等)が含まれる。
カラオケ装置Aは、携帯電話6から受信した情報に基づき、ユーザ認証及びカラオケ装置Aと当該ユーザとの括り付けを要求する情報をLAN100及びインターネット200を介してホストサーバ2へ送信する(S16)。このとき、カラオケ装置Aからホストサーバ2へ送信される情報には、ユーザID、パスワード、携帯電話6の識別情報、カラオケ装置Aのカラオケ装置ID等が含まれる。
ホストサーバ2は、カラオケ装置Aから受信したユーザID及びパスワードに基づいてユーザの認証を行い、その認証結果を認証要求元のカラオケ装置Aへ送信する(S17)。つづいて、ユーザID、カラオケ装置ID、携帯電話6の識別情報に基づき、当該ユーザとカラオケ装置Aとの括り付けに関する情報を、ホストサーバ2のデータベース2bに格納されている括り付け情報管理テーブル2e(図6参照)へ登録する(S18)。これで、携帯電話6からの当該ユーザのログインが完了する。
カラオケ装置Aは、ホストサーバ2から受信した認証結果に基づき、当該ユーザのログイン及び括り付けの成否を赤外線通信によってログイン要求元の携帯電話6へ送信する(S19)。
一方、リモコン端末5からは、複数のユーザが並行してログインが可能に構成されている。よって、同じリモコン端末5から、別のユーザのシステムへのログイン及びカラオケ装置Aとの括り付けを要求する情報が再び送信された場合(S20)、カラオケ装置Aは、ユーザ認証及びカラオケ装置Aと当該ユーザとの括り付けを要求する情報をホストサーバ2へ送信する(S21)。
ホストサーバ2は、カラオケ装置Aから受信したユーザID及びパスワードに基づいてユーザの認証を行い、認証結果を認証要求元のカラオケ装置Aへ送信する(S22)。つづいて、当該ユーザとカラオケ装置Aとの括り付けに関する情報を括り付け情報管理テーブル2e(図6参照)へ登録する(S23)。これでリモコン端末5からの当該ユーザのログインが完了する。カラオケ装置Aは、ホストサーバ2から受信した認証結果に基づき、当該ユーザのログイン及び括り付けの成否をログイン要求元のリモコン端末5へ送信する(S24)。
以上のように、カラオケネットワークシステム1へログインしたユーザの括り付けに関する情報を順次括り付け情報管理テーブル2eへ登録することで、ホストサーバ2側で個々のカラオケ装置4を使用しているユーザの人数を把握することができるようになる。そして、所定のタイミングでホストサーバ2からCM等のコンテンツをストリーミングで個別に各カラオケ装置4へ配信する際に、ホストサーバ2は、まず、各カラオケ装置4に括り付けされたユーザの人数を比較し(S31)、ユーザの人数に応じて送信レートの優先度を決定する(S32)。そして、決定された優先度に応じたビットレートのコンテンツを該当のカラオケ装置4に対して配信する(S33)。
以下、このS31〜S33の処置に該当する「コンテンツ配信制御処理」の詳細な内容について、図7のフローチャート及び図8〜図11の説明図に基づいて説明する。
[6.コンテンツ配信制御処理の説明]
図7は、ホストサーバ2のWebサーバ2aが実行する上述の「コンテンツ配信制御処理」の手順を示すフローチャートである。
Webサーバ2aは、まず、ホストサーバ2のデータベース2bに格納されている括り付け情報管理テーブル2e(図6参照)を参照し、各カラオケ装置4に括り付けされたログインユーザの人数を取得する(S310)。そして、この取得した各カラオケ装置4のログインユーザの人数を比較してログインユーザの多い順に優先順位を決定し、複数のカラオケ装置4の間でログインユーザの人数(以下、ログイン人数)が同数であるものが存在するか否かを判定する(S320)。
ここで、全てのカラオケ装置4の間でログイン人数が異なると判定した場合(S320:順位異なる)、このログイン人数による優先順位に基づいて各カラオケ装置4に対してコンテンツを配信する際のビットレートの高低度合を決定し、この決定したビットレートよってコンテンツを該当のカラオケ装置4へそれぞれ配信する(S330)。なお、ここでは、カラオケ装置4に対する優先順が高い程、当該カラオケ装置4に対して配信するコンテンツのビットレートを相対的に高くする。
ここで、ログイン人数による優先順に基づいて各カラオケ装置4へ配信するコンテンツのビットレートを決定する具体的な方法について、図8(その1)及び図9(その2)に基づき説明する。
図8は、ログイン人数による優先順に基づいて配信するコンテンツのビットレートを決定する方法(その1)の手順を模式的に示す説明図である。ここでは、図8(a)に示すように、同じ内容のコンテンツに対して予め複数のビットレートのデータを用意しておくものとする。例えば、図8(a)の例1に示すように、同一内容のコンテンツとして、ビットレートが10Mbpsの高品質版の動画データと、ビットレートが5Mbpsの通常版の動画データと、ビットレートが1Mbpsの低品質版の動画データを用意することが考えられる。あるいは、例2に示すように、同一内容のコンテンツとして、ビットレートが8Mbpsの高品質版の動画データと、ビットレートが4Mbpsの通常版の動画データと、10秒ごとに画像が切り替わる静止画である低品質版の静止画データを用意するといった具合に、動画と静止画とを併用することも考えられる。ここで、低品質版の静止画には、高品質版又は通常版の動画データからフレーム画像を抽出したものを用いることが考えられる。
各カラオケ装置4のログイン人数を集計し、ログイン人数が多い順に優先順位を決定した結果、図8(b)に示すように、A〜Dのカラオケ装置4が優先順位の高い(すなわち、ログイン人数の多い)ものからA,B,C,Dの順に並んだものと想定する。ここでは、ログイン人数がbより多い範囲にカラオケ装置Aが属している(これを多数グループと称する)。また、ログイン人数がa以上b未満の範囲にカラオケ装置B,Cが属している(これを普通グループと称する)。また、ログイン人数がa未満のグループにカラオケ装置Dが属している(これを少数グループと称する)。そして、各カラオケ装置4へコンテンツを配信する際には、多数グループに属するカラオケ装置Aに対しては高品質版のコンテンツを選択し、普通グループに属するカラオケ装置B,Cに対しては通常版のコンテンツを選択し、少数グループに属するカラオケ装置Dに対しては低品質版のコンテンツを選択する。
以上のように、異なる品質(ビットレート)による複数のコンテンツデータを予め用意しておき、この中から各カラオケ装置4のログインユーザの人数に応じて送信するコンテンツを選択することで、ログイン人数に応じて配信するコンテンツのビットレートを変更できる。
つぎに、図9は、ログイン人数による優先順に基づいて配信するコンテンツのビットレートを決定する方法(その2)の手順を模式的に示す説明図である。ここでは、図9(a)に示すように、1つのコンテンツに対して1ファイルのコンテンツデータのみを用意しておくものとする。このコンテンツデータは、エンコードによる圧縮を行う前のデータであり、そのビットレートは5Mbpsである。また、ここでは、ホストサーバ2が各カラオケ装置4に対してコンテンツを配信する際のデータ転送能力の上限が10Mbpsであると想定する。
各カラオケ装置4のログイン人数を集計し、ログイン人数が多い順に優先順位を決定した結果、図9(b)の例1に示すように、A,Bの2台のカラオケ装置4においてログイン人数がそれぞれ2人と1人であった場合、カラオケ装置Aが優先順位1位、カラオケ装置Bが優先順位2位となる。しかしながら、この場合、コンテンツデータをエンコードによる圧縮を行わないままの5Mbpsでカラオケ装置A,Bへそれぞれ配信するとしても、配信時のビットレートの合計がホストサーバ2のデータ転送能力の10Mbpsを超えない。よってこの場合、各カラオケ装置A,Bのログイン人数に関わらず、各カラオケ装置A,Bに対してコンテンツデータをエンコードによる圧縮を行わない最大のビットレートで配信する。
一方、図9(b)の例2に示すように、A,B,Cの3台のカラオケ装置4においてログイン人数がそれぞれ2人、1人、7人であった場合、カラオケ装置Aが優先順位2位、カラオケ装置Bが優先順位3位、カラオケ装置Cが優先順位1となる。この場合、コンテンツデータをエンコードによる圧縮を行わないままの5Mbpsで各カラオケ装置A,B,Cへそれぞれ配信しようとすると、配信時のビットレートの合計がホストサーバ2のデータ転送能力の10Mbpsを超えてしまう。よってこの場合、各カラオケ装置A,B,Cのログイン人数に応じた圧縮率でコンテンツデータをエンコードし、配信時のビットレートの合計がホストサーバ2のデータ転送能力を超えないようにする。そして、エンコードにより圧縮したコンテンツデータをカラオケ装置A,B,Cへそれぞれ配信する。このとき、各カラオケ装置A,B,C向けのコンテンツデータのビットレートは、優先順位の高いものから順に以下のようにして決定する。
〈1〉・・・{(ホストサーバ2のデータ転送能力)−(対象のカラオケ装置4よりも優先順位が高いカラオケ装置4に対して配信するコンテンツのビットレートの合計)}×(対象のカラオケ装置4のログイン人数)/(対象のカラオケ装置4及び優先順位が対象のカラオケ装置4より低い全カラオケ装置4のログイン人数の合計)
〈2〉・・・コンテンツのエンコード前のビットレート
上記〈1〉,〈2〉の値のうち、どちらか小さい方を対象のカラオケ装置4に対して配信するコンテンツのビットレートの値とする。
具体的には、カラオケ装置Cに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈1〉から、(10Mbps−0)×7/(7+2+1)=7Mbpsとなるが、〈2〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、エンコードによる圧縮を行わない5Mbpsとなる。
つぎに、カラオケ装置Aに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈1〉から、(10Mbps−5Mbps)×2/(2+1)≒3.3Mbpsとなる。ここで、上記〈2〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、カラオケ装置Aに対してはエンコードによる圧縮によりビットレートを5Mbpsから3.3Mbpsまで圧縮してコンテンツを配信する。
つぎに、カラオケ装置Bに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈1〉から、{10Mbps−(5Mbps+3.3Mbps)}×1/1≒1.7Mbpsとなる。ここで、上記〈2〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、カラオケ装置Bに対してはエンコードによる圧縮によりビットレートを5Mbpsから1.7Mbpsまで圧縮してコンテンツを配信する。
図7のフローチャートの説明に戻る。S320で複数のカラオケ装置4の間でログイン人数が同数であるものが存在すると判定した場合(S320:順位同じ)、すなわち、複数のカラオケ装置4の間でログイン人数による優先順位が同じである場合、括り付け情報管理テーブル2e(図6参照)を参照し、同順位のカラオケ装置4の間で携帯電話6からログインしたユーザの人数を比較する。そして、同順位のカラオケ装置4の間で携帯電話6からのログイン人数の多い順に優先順位を決定し、これらのカラオケ装置4の間で携帯電話6からのログイン人数が同数であるものが存在するか否かを判定する(S340)。ここで、当該同順位のカラオケ装置4の間で携帯電話6からログインしたユーザの人数が全て異なると判定した場合(S340:順位異なる)、全カラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の総合的な優先順位を確定する(S350)。
S340〜S350の具体例として、図10(a)に示すように、A〜Dの4台のカラオケ装置4において、ログイン人数がそれぞれ5人、3人、3人、2人であった場合を想定する。この場合、カラオケ装置B,Cのログイン人数が同じで、ログイン人数による優先順位は同率の2位となる。ここで、カラオケ装置B,Cについて、携帯電話6からのログイン人数を参照した結果、カラオケ装置Bが2人、カラオケ装置Cが1人であった場合、カラオケ装置Bの優先順位がカラオケ装置Cよりも上位に設定される。その結果、A〜Dの4台のカラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の優先順位は、1位:カラオケ装置A、2位:カラオケ装置B、3位:カラオケ装置C、4位:カラオケ装置Dとなる。
図7のフローチャートに戻る。S340で同順位のカラオケ装置4の間で携帯電話6からのログイン人数が同数であるものが存在すると判定した場合(S340:順位同じ)、すなわち、携帯電話6からのログイン人数の比較を以ってしても複数のカラオケ装置4の間で優先順位が同じである場合、同順位のカラオケ装置4に括り付けされた全ユーザのカラオケ歌唱履歴を、個人用Webページデータベース2dに格納されている当該ユーザの個人用Webページデータから取得する(S360)。
つぎに、同順位のカラオケ装置4の間で、各カラオケ装置4に括り付けされたログインユーザによる過去のカラオケ楽曲の演奏回数(すなわちカラオケの歌唱回数)の合計をそれぞれ算出し、これを比較する。そして、当該同順位のカラオケ装置4の間でログインユーザによる過去の歌唱回数の多い順に優先順位を決定し、これらのカラオケ装置4の間でログインユーザによる過去の歌唱回数の合計が同数であるものが存在するか否かを判定する(S370)。ここで、当該同順位のカラオケ装置4の間でログインユーザによる過去の歌唱回数の合計が全て異なると判定した場合(S370:順位異なる)、全カラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の総合的な優先順位を確定する(S380)。
S370〜S380の具体例として、図10(b)に示すように、A〜Dの4台のカラオケ装置4において、ログイン人数がそれぞれ5人、3人、3人、2人であり、さらに、携帯電話6からのログイン人数の比較(S340)を以ってしてもカラオケ装置B,Cの優先順位が同率の2位であった場合を想定する。ここで、カラオケ装置B,Cについて、これらに括り付けされてログイン中のユーザの過去のカラオケ楽曲の演奏回数(歌唱回数)の合計を算出した結果、カラオケ装置Bが40回、カラオケ装置Cが60回であった場合、カラオケ装置Cの優先順位がカラオケ装置Bよりも上位に設定される。その結果、A〜Dの4台のカラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の優先順位は、1位:カラオケ装置A、2位:カラオケ装置C、3位:カラオケ装置B、4位:カラオケ装置Dとなる。
図7のフローチャートの説明に戻る。S370で同順位のカラオケ装置4の間でログインユーザによる過去の歌唱回数の合計が同数であるものが存在すると判定した場合(S370:順位同じ)、すなわち、ログインユーザによる過去の歌唱回数の比較を以ってしても複数のカラオケ装置4の間で優先順位が同じである場合、括り付け情報管理テーブル2e(図6参照)を参照し、同順位のカラオケ装置4の間で、各カラオケ装置4に括り付けされたログインユーザのログイン開始時刻のうち、そのカラオケ装置4の中で最も時刻が早いもの同士を比較する。そして、当該同順位のカラオケ装置4の間でログイン開始時刻が早い順に優先順位を決定し、これらのカラオケ装置4の間でログイン開始時刻が同じであるものが存在するか否かを判定する(S390)。ここで、当該同順位のカラオケ装置4の間でログイン開始時刻が全て異なると判定した場合(S390:順位異なる)、全カラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の総合的な優先順位を確定する(S400)。
S390〜S400の具体例として、図10(c)に示すように、A〜Dの4台のカラオケ装置4において、ログイン人数がそれぞれ5人、3人、3人、2人であり、さらに、携帯電話6からのログイン人数の比較(S340)及びログインユーザによる過去の歌唱回数の比較(S370)を以ってしてもカラオケ装置B,Cの優先順位が同率の2位であった場合を想定する。ここで、カラオケ装置B,Cについて、これらに括り付けされたログインユーザのログイン開始時刻のうち最も時刻が早いもの同士を比較した結果、カラオケ装置Bにおけるログインユーザのログイン開始時刻の方が早かった場合、カラオケ装置Bの優先順位がカラオケ装置Cよりも上位に設定される。その結果、A〜Dの4台のカラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の優先順位は、1位:カラオケ装置A、2位:カラオケ装置B、3位:カラオケ装置C、4位:カラオケ装置Dとなる。
図7のフローチャートの説明に戻る。S390で同順位のカラオケ装置4の間でログイン開始時刻が同じであるものが存在すると判定した場合(S390:順位同じ)、すなわち、ログイン開始時刻の比較を以ってしても複数のカラオケ装置4の間で優先順位が同じである場合、当該同順位のカラオケ装置4の間で、カラオケ装置4に固有の優先順位同士を比較する。ここで、カラオケ装置4に固有の優先順位としては、例えば、当該カラオケ装置4が設置されたカラオケルームの使用料金が高い順に設定されたものや、カラオケ装置4の製造番号やシリアルナンバーの順に設定されたもの、カラオケネットワークシステム1の運営者側によって任意に設定されたもの等、種々のものが挙げられる。なお、各カラオケ装置4に固有の優先順位はホストサーバ2のデータベース2bに予め登録されているものとする。そして、当該同順位のカラオケ装置4の間でカラオケ装置4に固有の優先順位が高い順にコンテンツ配信時の優先順位を決定し、全カラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の総合的な優先順位を確定する(S410)。
S410の具体例として、図10(d)に示すように、A〜Dの4台のカラオケ装置4において、ログイン人数がそれぞれ5人、3人、3人、2人であり、さらに、携帯電話6からのログイン人数の比較(S340)、ログインユーザによる過去の歌唱回数の比較(S370)、及びログイン開始時刻の比較(S390)を以ってしてもカラオケ装置B,Cの優先順位が同率の2位であった場合を想定する。ここで、カラオケ装置B,Cに固有の優先順位を比較した結果、カラオケ装置Cに固有の優先順位がカラオケ装置Bに固有の優先順位よりも上位であった場合、コンテンツ配信時の優先順位はカラオケ装置C方がカラオケ装置Bよりも上位に設定される。その結果、A〜Dの4台のカラオケ装置4におけるコンテンツ配信時の優先順位は、1位:カラオケ装置A、2位:カラオケ装置C、3位:カラオケ装置B、4位:カラオケ装置Dとなる。
図7のフローチャートの説明に戻る。S350,S380,S400,S410の各ステップで確定したコンテンツ配信時の優先順位に基づいて各カラオケ装置4に対してコンテンツを配信する際のビットレートの高低度合を決定し、この決定したビットレートよってコンテンツを該当のカラオケ装置4へそれぞれ配信する(S420)。なお、ここでは、カラオケ装置4の優先順が高い程、当該カラオケ装置4に対して配信するコンテンツのビットレートを相対的に高くする。
ここで、S350,S380,S400,S410の各ステップで確定したコンテンツ配信時の優先順位に基づいて各カラオケ装置へ配信するコンテンツのビットレートを決定する具体的な方法について、図11に基づき説明する。
図11は、コンテンツ配信時の優先順に基づいて配信するコンテンツのビットレートを決定する方法の手順を模式的に示す説明図である。ここでは、図11(a)に示すように、1つのコンテンツに対して1ファイルのみを用意しておくものとする。このコンテンツデータは、エンコードによる圧縮を行う前のデータであり、そのビットレートは5Mbpsである。また、ここでは、ホストサーバ2が各カラオケ装置4に対してコンテンツを配信する際のデータ転送能力の上限が10Mbpsであると想定する。
例えば、コンテンツ配信時の優先順位を確定した結果、図11(b)に示すように、A〜Dの4台のカラオケ装置4について、1位:カラオケ装置A、2位:カラオケ装置B、3位:カラオケ装置CB、4位:カラオケ装置Dという優先順位になったとする。ここでは、各カラオケ装置A,B,C,Dの優先順位に応じてビットレートの高低度合を定義するための指標として、例えば1位に4ポイント、2位に3ポイント、3位に2ポイント、4位に1ポイントが割り当てられる。そして、各カラオケ装置A,B,C,D向けのコンテンツデータのビットレートは、優先順位の高いものから順に以下のようにして決定する。
〈3〉・・・{(ホストサーバ2のデータ転送能力)−(対象のカラオケ装置4よりも優先順位が高いカラオケ装置4に対して配信するコンテンツのビットレートの合計)}×(対象のカラオケ装置4のポイント数)/(対象のカラオケ装置4及び優先順位が対象のカラオケ装置4より低い全カラオケ装置4のポイント数の合計)
〈4〉・・・コンテンツのエンコード前のビットレート
上記〈3〉,〈4〉の値のうち、どちらか小さい方を対象のカラオケ装置4に対して配信するコンテンツのビットレートの値とする。
具体的には、カラオケ装置Aに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈3〉から、(10Mbps−0)×4/(4+3+2+1)=4Mbpsとなる。ここで、上記〈4〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、カラオケ装置Aに対してはエンコードによる圧縮によりビットレートを5Mbpsから4Mbpsまで圧縮してコンテンツを配信する。
つぎに、カラオケ装置Bに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈3〉から、(10Mbps−4Mbps)×3/(3+2+1)=3Mbpsとなる。ここで、上記〈4〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、カラオケ装置Bに対してはエンコードによる圧縮によりビットレートを5Mbpsから3Mbpsまで圧縮してコンテンツを配信する。
つぎに、カラオケ装置Cに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈3〉から、{10Mbps−(4Mbps+3Mbps)}×2/(2+1)=2Mbpsとなる。ここで、上記〈4〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、カラオケ装置Cに対してはエンコードによる圧縮によりビットレートを5Mbpsから2Mbpsまで圧縮してコンテンツを配信する。
つぎに、カラオケ装置Dに対して送信するコンテンツのビットレートは、上記式〈3〉から、{10Mbps−(4Mbps+3Mbps+2Mbps)}×1/1=1Mbpsとなる。ここで、上記〈4〉のコンテンツのエンコード前のビットレートが5Mbpsであるため、カラオケ装置Dに対してはエンコードによる圧縮によりビットレートを5Mbpsから1Mbpsまで圧縮してコンテンツを配信する。
[7.効果]
上記実施形態のカラオケネットワークシステム1によれば、以下のような効果を奏する。
(1)個々のカラオケ装置4に括り付けされたログインユーザの人数に応じて、ログイン人数が相対的に多いカラオケ装置4に対してはビットレートが相対的に高いコンテンツを配信し、ログイン人数が相対的に少ないカラオケ装置4に対してはビットレートが相対的に低いコンテンツを配信できる。このようにすることで、より多くのユーザが利用しているカラオケ装置4に対して、より高品質のコンテンツを配信することができる。よって、カラオケネットワークシステム1全体において、限られたデータ転送能力の範囲内でより多くのユーザが高品質のコンテンツを視聴可能になり、好適である。特に、CMコンテンツについては、多くの視聴者が高品質のコンテンツを視聴することができ、その結果、多くの視聴者の満足度が向上するだけでなく、高い宣伝効果も得られることになり、広告提供者にとっても有益である。
(2)複数のカラオケ装置4の間でログイン人数が同一である場合、携帯電話6からのログイン人数の比較や、ログインユーザによる過去の歌唱回数の比較、ログイン開始時刻の比較等の種々の基準によりコンテンツ配信時の優先順位を決定できる。
(3)カラオケルームに備えられたリモコン端末5ではなく、個人が所有する携帯電話6を介してカラオケネットワークシステム1にログインしたユーザは、個人が所有する携帯電話6によって頻繁にサービスを利用してくれるヘビーユーザであると想像できる。よって、携帯電話6からログインしたユーザがより多く利用しているカラオケ装置4を優先して高品質のコンテンツを配信することで、そのユーザを優遇する措置を採ることは、ヘビーユーザのカラオケサービスに対する利用意欲を更に促進することにつながると考えられ、好適である。
(4)ログインユーザによる過去の歌唱回数が多いということは、カラオケサービスを利用した回数の多い得意客であると考えられる。よって、カラオケの歌唱回数が多いユーザが利用するカラオケ装置4を優先して高品質のコンテンツを配信することで、そのユーザを優遇する措置を採ることは、得意客のカラオケサービスに対する利用意欲を更に促進することにつながると考えられ、好適である。
(5)ユーザのログイン開始時刻が早いということは、他のユーザよりも長い時間にわたって当該カラオケ装置4でカラオケサービスを利用してくれたことになり、やはりそのようなユーザも得意客であると考えられる。よって、ログイン開始時刻が早いユーザが利用するカラオケ装置を優先して高品質のコンテンツを配信することで、そのユーザを優遇する措置を採ることは、得意客のカラオケサービスに対する利用意欲を更に促進することにつながると考えられ、好適である。
[8.変形例]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に何ら限定されるものではなく、様々な態様にて実施することが可能である。
例えば、上記実施形態では「コンテンツ配信制御処理」(図7参照)のS370において、ログインユーザの過去のカラオケ歌唱回数を比較してコンテンツ配信時の優先順位を決定している。これに代えて、ユーザの過去のログイン回数を比較してコンテンツ配信時の優先順位を決定するような構成であってもよい。過去のログイン回数が多いユーザも、歌唱回数が多いユーザと同様にカラオケサービスを頻繁に利用してくれる得意客であると考えられ、コンテンツ配信時に優先するのに相応であると考えられる。
1…カラオケネットワークシステム、2…ホストサーバ、2a…Webサーバ、2b…データベース、4…カラオケ装置、5…リモコン端末、6…携帯電話、100…LAN、110…アクセスポイント、120,140…ルータ、200…インターネット(WAN)