本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、回線状態に応じて最適な通信を成立させる通信カラオケ装置を提供することにある。
斯かる目的を達成するために、本第1発明の要旨とするところは、所定のセンタ装置から通信回線を介して情報を取得できる通信カラオケ装置であって、前記センタ装置との間の通信の品質が前記情報を取得するのに十分であるか否かを判定する通信品質判定手段と、その通信品質判定手段による判定結果に基づいて、予め定められた複数の通信規格のうちから所定の通信規格を選択して設定する通信規格設定手段とを、含むことを特徴とするものである。
また、前記目的を達成するために、本第2発明の要旨とするところは、所定のセンタ装置から通信回線を介して情報を取得できる通信カラオケ装置であって、前記センタ装置との間の通信の品質が前記情報を取得するのに十分であるか否かを判定する通信品質判定手段と、その通信品質判定手段による判定結果に基づいて、前記センタ装置との間の通信速度を設定する通信速度設定手段とを、含むことを特徴とするものである。
このように、前記第1発明によれば、前記センタ装置との間の通信の品質が前記情報を取得するのに十分であるか否かを判定する通信品質判定手段と、その通信品質判定手段による判定結果に基づいて、予め定められた複数の通信規格のうちから所定の通信規格を選択して設定する通信規格設定手段とを、含むことから、前記センタ装置との間の過去の通信実績を反映した通信規格の設定が可能とされ、回線状態に応じて最適な通信を成立させる通信カラオケ装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記通信品質判定手段による判定結果を記憶する記憶装置を含み、前記通信規格設定手段は、その記憶装置に記憶された前記通信品質判定手段による判定結果を読み出して前記通信規格の設定を行うものである。このようにすれば、前記センタ装置との間の複数回に渡る通信実績を参照して通信規格を設定できるという利点がある。
また、好適には、前記通信規格設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のm回連続して否定された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも低速の通信規格を選択して設定するものである。このようにすれば、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、好適には、前記通信規格設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のn回連続して肯定された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも高速の通信規格を選択して設定するものである。このようにすれば、前記センタ装置との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
また、好適には、前記通信規格設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のk回行われてそのうち所定のl回否定された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも低速の通信規格を選択して設定するものである。このようにすれば、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、好適には、前記通信規格設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のi回行われてそのうち所定のj回肯定された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも高速の通信規格を選択して設定するものである。このようにすれば、前記センタ装置との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
また、前記第2発明によれば、前記センタ装置との間の通信の品質が前記情報を取得するのに十分であるか否かを判定する通信品質判定手段と、その通信品質判定手段による判定結果に基づいて、前記センタ装置との間の通信速度を設定する通信速度設定手段とを、含むことから、前記センタ装置との間の過去の通信実績を反映した通信速度の設定が可能とされ、回線状態に応じて最適な通信を成立させる通信カラオケ装置を提供することができる。
ここで、好適には、前記通信品質判定手段による判定結果を記憶する記憶装置を含み、前記通信速度設定手段は、その記憶装置に記憶された前記通信品質判定手段による判定結果を読み出して前記通信速度の設定を行うものである。このようにすれば、前記センタ装置との間の複数回に渡る通信実績を参照して通信速度を設定できるという利点がある。
また、好適には、前記通信速度設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のm’回連続して否定された場合には、前記センタ装置との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも低速に設定するものである。このようにすれば、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、好適には、前記通信速度設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のn’回連続して肯定された場合には、前記センタ装置との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも高速に設定するものである。このようにすれば、前記センタ装置との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
また、好適には、前記通信速度設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のk’回行われてそのうち所定のl’回否定された場合には、前記センタ装置との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも低速に設定するものである。このようにすれば、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、好適には、前記通信速度設定手段は、前記通信品質判定手段の判定が所定のi’回行われてそのうち所定のj’回肯定された場合には、前記センタ装置との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも高速に設定するものである。このようにすれば、前記センタ装置との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
以下、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施例である通信カラオケ装置12及びその通信カラオケ装置12にコンテンツを配信するための配信システム10について説明する図である。カラオケボックス、スナック、旅館等の店舗、或いは一般家庭等にそれぞれ設置された複数の通信カラオケ装置12は、公衆電話回線等による通信回線14を介してカラオケサービス提供会社のセンタ装置16に接続されており、相互に情報の通信が可能とされている。このセンタ装置16は、後述するカラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等のデジタルコンテンツ(Digital Content)の保管や入出力管理等を行うサーバであり、上記通信回線14を介して複数の通信カラオケ装置12に定期的にコンテンツの配信を行うものである。
図2は、上記通信カラオケ装置12の構成を例示するブロック線図である。この図2に示すように、上記通信カラオケ装置12は、CRT等の映像表示装置20と、映像情報デコーダ22と、ビデオミキサ24と、アンプミキサ26と、スピーカ28と、マイクロフォン30と、操作パネル32と、中央演算処理装置であるCPU34と、ROM36と、RAM38と、記憶装置であるハードディスク40と、モデム42と、CRTコントローラ44と、上記操作パネル32等からの入力信号を処理する入出力インターフェイス46と、音源であるシンセサイザ48と、リモコン装置54や電子早見本装置56等の入力装置からのリモコン信号を受信するためのリモコン受信部50と、その電子早見本装置56等との間で無線LAN通信を行うための無線LAN通信部52とを、備えて構成されている。
上記CPU34は、上記RAM38の一時記憶機能を利用しつつ上記ROM36に予め記憶された所定のプログラムに基づいて電子情報を処理・制御する所謂コンピュータであり、上記リモコン装置54や電子早見本装置56等により所定のカラオケ演奏曲が選曲された場合、その選曲されたカラオケ演奏曲を上記RAM38に設けられた予約曲リストに登録したり、その予約曲リストの演奏順に従って上記ハードディスク40から上記RAM38に選曲されたカラオケ演奏曲の演奏情報及び歌詞情報等を読み出したり、カラオケ演奏曲の演奏が進行するのに応じてそのRAM38から上記シンセサイザ48へ演奏情報を送信したり、歌詞情報に基づいて歌詞文字映像を生成して上記CRTコントローラ44へ送ったり、選曲時には曲名文字映像を生成して上記CRTコントローラ44へ送ったり、上記映像情報デコーダ22を制御して所定の背景映像を再生させたり、前記通信回線14を介した前記センタ装置16との間の情報通信制御等の基本的な制御を実行する。
前記操作パネル32は、前記通信カラオケ装置12の利用者が歌いたいカラオケ演奏曲を選択したり、演奏曲の音程を調整したり、演奏と歌との音量バランスを調整したり、その他、エコー、音量、トーン等の各種調整を行うための操作ボタン(スイッチ)或いはつまみを備えた入力装置である。また、前記通信カラオケ装置12には、前記操作パネル32の一部機能を遠隔で実行するための入力装置として機能するリモコン装置54及び電子早見本装置56が備えられており、前記リモコン受信部50は、それら入力装置から送信されるリモコン信号を受信して前記CPU34へ供給する。また、前記無線LAN通信部52は、前記電子早見本装置56との間で無線LAN通信を行うことによりその電子早見本装置56からの選曲入力を受け付けたり、前記通信カラオケ装置12から電子早見本装置56へ所定の処理を実行させるための指令を送信したりというように、電波を介して前記通信カラオケ装置12と電子早見本装置56との間における相互の情報のやりとりを行う。
前記映像情報デコーダ22は、利用者が歌詞を参照しながら歌を歌う際に前記ハードディスク40に記憶された背景映像情報に基づいて所定の背景映像を再生(デコード)する背景映像再生装置である。この背景映像情報は、例えば、MPEG(Moving Picture Experts Group)形式のデータであり、そのMPEGデータに基づいて前記映像情報デコーダ22により再生された背景映像は、前記ビデオミキサへ送られる。また、前記CRTコントローラ44は、前記CPU34において生成された歌詞文字映像等の文字映像(テロップ)を出力する文字映像出力装置であり、前記ビデオミキサ24は、前記CPU34において生成され且つ前記CRTコントローラ44から出力される文字映像と、前記映像情報デコーダ22により再生される背景映像とを合成して前記映像表示装置20に表示させる映像合成装置である。
前記シンセサイザ48は、前記ハードディスク40から読み出されて送られて来るカラオケ演奏曲の演奏情報に基づいて楽器の演奏信号等の音楽信号を生成する音源である。この演奏情報は、例えば、MIDI(Musical Instrument Digital Interface)形式のデータであり、そのMIDIデータに基づいて前記シンセサイザ48により生成された音楽信号は、アナログ信号に変換されて前記アンプミキサ26へ送られる。そのアンプミキサ26では、送られてきた音楽信号と前記マイクロフォン30を介して入力される利用者の歌声とがミキシングされ、それらの信号が電気的に増幅されて前記スピーカ28から出力される。
前記モデム42は、前記通信カラオケ装置12を公衆電話回線等による通信回線14に接続するための装置であり、前記CPU34から出力されるディジタル信号をアナログ信号に変換して前記通信回線14に送り出すと共に、その通信回線14を介して伝送されるアナログ信号をディジタル信号に変換して前記CPU34に供給する処理を行う。前記モデム42では、予め定められた複数の通信規格のうちから所定の通信規格を選択して設定できるようになっている。この通信規格とは、「V.34」や「V.90」等といったモデムの仕様を定める標準規格であり、複数の通信可能速度を選択可能に規定するものである。図5は、斯かる通信規格の一例である「V.34」及び「V.90」それぞれに規定された通信可能速度を示す図である。この図5に示すように、通信規格「V.34」では、「33600」、「31200」、「28800」、「26400」、「24000」、「21600」、「19200」、「16800」、「14400」、「12000」、「9600」、「7200」、「4800」、及び「2400」のうち何れかの通信速度(bps)が回線状態に応じて選択可能に規定されており、その最高通信速度は「33600」である。また、通信規格「V.90」では、「56000」、「54667」、「53333」、「52000」、「50667」、「49333」、「48000」、「46667」、「45333」、「44000」、「42667」、「41333」、「40000」、「38667」、「37333」、「36000」、「34667」、「33333」、「32000」、「30667」、「29333」、及び「28000」のうち何れかの通信速度(bps)が回線状態に応じて選択可能に規定されており、その最高通信速度は「56000」である。すなわち、通信規格「V.90」の方が、通信規格「V.34」よりも高速の通信規格である。
図3は、前記ハードディスク40に設けられた各種データベースを説明する図である。この図3に示すように、前記ハードディスク40には、カラオケ演奏曲を出力させるための多数のカラオケ情報を記憶するカラオケデータベース58と、背景映像を出力させるための複数の背景映像情報を記憶する背景映像データベース60と、曲間情報を出力させるための複数の曲間情報を記憶する曲間情報データベース62と、前記モデム42を介したセンタ装置16との通信実績を記憶する通信実績データベース64とが設けられている。カラオケボックス等の店舗にそれぞれ備えられた複数の通信カラオケ装置12は、前記モデム42を介して前記通信回線14に接続されており、前記通信カラオケ装置12によって常に新しい曲が演奏可能とされるように、或いは所定の背景映像や曲間情報が出力可能とされるように、随時新たなカラオケ情報、背景映像情報、曲間情報等が前記センタ装置16から前記通信回線14を介して配信され、前記ハードディスク40のカラオケデータベース58、背景映像データベース60、曲間情報データベース62等に記憶される。また、前記センタ装置16との通信に用いられた通信規格、通信速度、通信の成否(後述する通信品質判定手段70の判定結果)等を表す情報が通信実績データベース64に記憶されるようになっている。
前記カラオケ情報は、演奏音を生成するための演奏情報及び歌詞文字映像(歌詞テロップ)を生成するための歌詞情報から成るものであり、コンテンツIDである各演奏曲に固有の選曲番号により識別される。上記カラオケデータベース58には、例えば、選曲番号により識別される各演奏曲のカラオケ情報すなわち曲名、歌手名、及びジャンル等を含むタイトル情報、MIDI形式の演奏情報、及び歌詞情報等が記憶されるようになっている。
前記背景映像情報は、前記背景映像を出力させるための映像情報であり、例えば、MPEG形式の映像データである。この背景映像情報は、それぞれ前記演奏曲のジャンルと対応付けられており、前記通信カラオケ装置12による演奏曲の出力に際して、その演奏曲のジャンルと対応付けられた背景映像情報が前記背景映像データベース60から読み出されて前記映像情報デコーダ22に送られ、その映像情報デコーダ22により復号された後、前記ビデオミキサ24において歌詞文字映像と合成されて前記映像表示装置20に表示される。
前記曲間情報は、新譜情報及び選曲ランキング等の文字情報(テロップ)や、映像及び音声から成る広告、或いは前記通信カラオケ装置12の起動が行われてからカラオケ演奏曲の出力が開始されるまでの間に前記映像表示装置20に表示される初期情報等であり、コンテンツIDであるファイル名により識別される。この曲間情報は、カラオケ演奏曲の出力が行われていない曲間に前記曲間情報データベース62から読み出され、前記CRTコントローラ44や映像情報デコーダ22等を介して前記映像表示装置20に表示される。
図4は、前記CPU34に備えられた制御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。この図4に示す通信品質判定手段70は、前記センタ装置16との間の通信の品質が、そのセンタ装置16から情報を取得するのに十分であるか否かを判定する。この判定は、前記センタ装置16との間で正常な通信が行われ、所定量の情報を滞りなく取得することにより肯定される一方、その所定量の情報を取得しないうちにノイズの増加や通信速度の低下等を原因として前記センタ装置16との間の通信が失敗(切断)することにより否定される。この通信品質判定手段70による判定結果は、記憶装置である前記ハードディスク40に設けられた通信実績データベース64に逐次記憶される。
通信制御手段72は、前記通信回線14を介しての前記センタ装置16との間の情報の通信を制御する。具体的には、前記モデム42における通信規格及び通信速度を設定する。このために、通信規格設定手段74及び通信速度設定手段76を備えている。
通信規格設定手段74は、前記通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、予め定められた複数の通信規格のうちから所定の通信規格を選択して設定する。好適には、前記ハードディスク40の通信実績データベース64に記憶された前記通信品質判定手段70による判定結果を読み出して、前記センタ装置16との間の複数回に渡る通信実績を参照して前記通信規格の設定を行う。すなわち、好適には、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のm回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば15回)の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して否定された(1回も肯定されていない)ことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも低速の通信規格を選択して設定する。例えば、その時点において通信規格「V.90」が設定されている場合には、より低速の通信規格である「V.34」を選択して設定する。また、好適には、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のn回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば15回)の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して肯定された(1回も否定されていない)ことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも高速の通信規格を選択して設定する。例えば、その時点において通信規格「V.34」が設定されている場合には、より高速の通信規格である「V.90」を選択して設定する。
通信速度設定手段76は、前記通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、それぞれの通信規格において予め定められた複数の通信可能速度のうちから所定の通信速度を選択して設定する。好適には、前記ハードディスク40の通信実績データベース64に記憶された前記通信品質判定手段70による判定結果を読み出して、前記センタ装置16との間の複数回に渡る通信実績を参照して前記通信速度の設定を行う。すなわち、好適には、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のm’回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば15回)の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して否定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出された場合には、その時点において設定されている通信速度よりも低速の通信速度を選択して設定する。例えば、その時点における通信規格が「V.34」であり、通信速度「26400」が設定されている場合には、より低速の通信速度である「24000」を選択して設定する。また、好適には、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のn’回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば15回)の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して肯定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出された場合には、その時点において設定されている通信速度よりも高速の通信速度を選択して設定する。例えば、その時点における通信規格が「V.34」であり、通信速度「26400」が設定されている場合には、より高速の通信速度である「28800」を選択して設定する。
図12は、前記通信規格設定手段74及び通信速度設定手段76による通信速度設定制御の好適な具体例を説明する図である。この図12に示すように、前記通信速度設定手段76による通信速度の変更により所定の通信規格(図12では通信規格「V.34」)における通信可能速度の上限に達した場合には、前記通信規格設定手段74によりその時点における通信規格よりも高速の通信規格(図12では通信規格「V.90」)を選択して設定する。また、前記通信速度設定手段76による通信速度の変更により所定の通信規格(図12では通信規格「V.90」)における通信可能速度の下限に達した場合には、前記通信規格設定手段74によりその時点における通信規格よりも低速の通信規格(図12では通信規格「V.34」)を選択して設定する。また、前記通信速度設定手段76は、前記通信規格設定手段74により異なる通信規格に変更された場合、先ず、その時点の通信速度と略等しい通信速度に設定する。
図6は、前記通信カラオケ装置12のCPU34による通信制御を説明するフローチャートであり、所定の周期で繰り返し実行されるものである。
先ず、図7に詳述するステップ(以下、ステップを省略する)SAにおいて、前記モデム42における通信規格設定処理が行われる。次に、図8に詳述するSBにおいて、前記モデム42における通信速度設定処理が行われる。次に、図9に詳述するSCにおいて、前記モデム42等を介して前記センタ装置16との間で情報通信処理が行われる。次に、SDにおいて、SCにおける通信結果が前記ハードディスク40の通信実績データベース64に記憶された後、本ルーチンが終了させられる。以上の制御において、SAが前記通信規格設定手段74の動作に、SBが前記通信速度設定手段76の動作に、SA、SB、及びSCが前記通信制御手段72の動作に、それぞれ対応する。
図7に示す通信規格設定制御では、先ず、SA1において、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のm回の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して否定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出されたか否かが判断される。このSA1の判断が肯定される場合には、SA2において、その時点において設定されている通信規格よりも低速の通信規格が選択されて設定された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SA1の判断が否定される場合には、SA3において、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のn回の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して肯定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出されたか否かが判断される。このSA3の判断が肯定される場合には、SA4において、その時点において設定されている通信規格よりも高速の通信規格が選択されて設定された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SA3の判断が否定される場合には、通信規格の変更は行われず、それをもって図6に示すメインルーチンに復帰させられる。
図8に示す通信速度設定制御では、先ず、SB1において、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のm’回の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して否定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出されたか否かが判断される。このSB1の判断が肯定される場合には、SB2において、その時点において設定されている通信速度よりも低速の通信速度が選択されて設定された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SB1の判断が否定される場合には、SB3において、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のn’回の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が連続して肯定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出されたか否かが判断される。このSB3の判断が肯定される場合には、SB4において、その時点において設定されている通信速度よりも高速の通信速度が選択されて設定された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SB3の判断が否定される場合には、通信速度の変更は行われず、それをもって図6に示すメインルーチンに復帰させられる。
図9に示す通信制御では、先ず、前記通信品質判定手段70の動作に対応するSC1において、前記センタ装置16との間の通信の品質が、そのセンタ装置16から情報を取得するのに十分であるか否かが判断される。このSC1の判断が肯定される場合には、SC2において、前記通信回線14を介して前記センタ装置16から所定の情報が取得(ダウンロード)された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SC1の判断が否定される場合には、SC3において、前記センタ装置16との間の通信が切断されて通信失敗とされた後、図6に示すメインルーチンに復帰させられる。
このように、本実施例によれば、前記センタ装置16との間の通信の品質が前記情報を取得するのに十分であるか否かを判定する通信品質判定手段70(SC1)と、その通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、予め定められた複数の通信規格のうちから所定の通信規格を選択して設定する通信規格設定手段74(SA)とを、含むことから、前記センタ装置16との間の過去の通信実績を反映した通信規格の設定が可能とされ、回線状態に応じて最適な通信を成立させる通信カラオケ装置12を提供することができる。
また、前記通信品質判定手段70による判定結果を記憶する記憶装置であるハードディスク40を含み、前記通信規格設定手段74は、そのハードディスク40に記憶された前記通信品質判定手段70による判定結果を読み出して前記通信規格の設定を行うものであるため、前記センタ装置16との間の複数回に渡る通信実績を参照して通信規格を設定できるという利点がある。
また、前記通信規格設定手段74は、前記通信品質判定手段70の判定が所定のm回連続して否定された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも低速の通信規格を選択して設定するものであるため、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、前記通信規格設定手段74は、前記通信品質判定手段70の判定が所定のn回連続して肯定された場合には、その時点において設定されている通信規格よりも高速の通信規格を選択して設定するものであるため、前記センタ装置16との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
また、前記通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、前記センタ装置16との間の通信速度を設定する通信速度設定手段76(SB)を含むことから、前記センタ装置16との間の過去の通信実績を反映した通信速度の設定が可能とされ、回線状態に応じて最適な通信を成立させる通信カラオケ装置12を提供することができる。
また、前記通信速度設定手段76は、前記ハードディスク40に記憶された前記通信品質判定手段70による判定結果を読み出して前記通信速度の設定を行うものであるため、前記センタ装置16との間の複数回に渡る通信実績を参照して通信速度を設定できるという利点がある。
また、前記通信速度設定手段76は、前記通信品質判定手段70の判定が所定のm’回連続して否定された場合には、前記センタ装置16との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも低速に設定するものであるため、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、前記通信速度設定手段76は、前記通信品質判定手段70の判定が所定のn’回連続して肯定された場合には、前記センタ装置16との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも高速に設定するものであるため、前記センタ装置16との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
また、前記センタ装置16との間の通信が従量制(時間制)の課金を行うものである場合には、通信に失敗しても料金が発生してしまうことに加え、可及的高速の通信が求められるものであることから、回線状態に応じた通信が強く求められるため、本発明が特に好適に適用される。
続いて、本発明の他の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下の説明に関して、前述の実施例と重複する部分については、同一の符号を付してその説明を省略する。
図11は、前述した図6の制御の一部である通信速度設定制御の他の例を説明するフローチャートである。この制御では、先ず、SB5において、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のk’回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば20回)の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が所定のl’回(k’回よりも少ない任意の回数であり、例えば15回)否定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出されたか否かが判断される。このSB5の判断が肯定される場合には、SB2において、その時点において設定されている通信速度よりも低速の通信速度が選択されて設定された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SB5の判断が否定される場合には、SB6において、前記センタ装置16との間の最も新しい所定のi’回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば20回)の通信に関して前記通信品質判定手段70の判定が所定のj’回(i’回よりも少ない任意の回数であり、例えば15回)肯定されたことを示す通信実績が前記ハードディスク40の通信実績データベース64から読み出されたか否かが判断される。このSB6の判断が肯定される場合には、SB4において、その時点において設定されている通信速度よりも高速の通信速度が選択されて設定された後、図6に示すメインルーチンに復帰させられるが、SB6の判断が否定される場合には、通信速度の変更は行われず、それをもって図6に示すメインルーチンに復帰させられる。
このように、本実施例によれば、前記通信速度設定手段76は、前記通信品質判定手段70の判定が所定のk’回行われてそのうち所定のl’回否定された場合には、前記センタ装置16との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも低速に設定するものであるため、回線の悪化による通信の不成立を実用的な態様で防止できるという利点がある。
また、前記通信速度設定手段76は、前記通信品質判定手段70の判定が所定のi’回行われてそのうち所定のj’回肯定された場合には、前記センタ装置16との間の通信速度をその時点において設定されている通信速度よりも高速に設定するものであるため、前記センタ装置16との間で可及的高速の通信を成立させられるという利点がある。
以上、本発明の好適な実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、更に別の態様においても実施される。
例えば、前記通信規格設定手段74は、図7を用いて説明した制御と、図10を用いて説明した制御とを共に行うことにより通信規格の設定を行うものであってもよい。すなわち、前記通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、予め定められた複数の通信規格のうちから所定の通信規格を選択して設定するものであれば、その態様は問わない。
また、前記通信速度設定手段76は、図8を用いて説明した制御と、図11を用いて説明した制御とを共に行うことにより通信速度の設定を行うものであってもよい。また、前記ハードディスク40の通信実績データベース64に記憶された通信実績を読み出して、過去h回(判定の基準となる任意の回数であり、例えば20回)の平均速度より若干高速の通信速度に設定するものであってもよく、前記通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、前記センタ装置16との間の通信速度を設定するものであれば、その態様は問わない。
また、前述の実施例では、前記通信品質判定手段70による判定結果に基づいて、前記通信規格設定手段74による通信規格の設定及び通信速度設定手段76による通信速度の設定を共に行うものであったが、何れか一方のみの設定によっても本発明は一応の効果を奏するものであり、必ずしも両方の設定を行わなくともよい。
その他、一々例示はしないが、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲内において種々の変更が加えられて実施されるものである。