JP4810345B2 - 変速機の操作装置 - Google Patents

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Description

本発明は、変速機における変速段の切り換え操作を行うための操作装置に関するものである。
自動車に搭載される手動式の変速機(マニュアルトランスミッション)においては、操作装置の作動を通じて変速段の切り換え操作が行われ、それによって1〜6速及びリバースといった各変速段のうちの任意の変速段が選択される。上記操作装置は、変速機における変速段の切り換え操作を行うべく軸線方向及び周方向に変位可能なセレクトシャフトと、そのセレクトシャフトが軸線方向及び周方向に変位したときに同シャフトに固定されたシフトインナーレバーにより押されて各変速段への切り換えを行うシフトフォークとを備えている。
図11は、シフトインナーレバー51,52とシフトフォーク53〜56との位置関係の具体例を示したものである。
同図において、シフトフォーク53はリバース用であり、シフトフォーク54は1速・2速用であり、シフトフォーク55は3速・4速用であり、シフトフォーク56は5速・6速用である。そして、セレクトシャフト57の軸線方向(図中の左右方向)への変位を通じて、シフトインナーレバー51,52が各シフトフォーク53〜56のうちのいずれかに対応して位置するようになる。なお、セレクトシャフト57は、軸線方向に移動可能な状態にあるときには、スプリング等により3速・4速用のシフトフォーク55に対応する位置(以下、ニュートラル位置という)に付勢されている。
そして、1〜6速及びリバースといった各変速段への切り換えは、各変速段毎に例えば以下のように行われる。
シフトインナーレバー52がシフトフォーク54に対応して位置した状態で、セレクトシャフト57を周方向一方側に変位させると、シフトインナーレバー52がシフトフォーク54を図中の上側に押し、変速段として1速が選択されて同1速への切り換え操作が行われる。逆に、セレクトシャフト57を周方向他方側に変位させると、シフトインナーレバー52がシフトフォーク54を図中の下側に押し、変速段として2速が選択されて同2速への切り換え操作が行われる。
シフトインナーレバー52がシフトフォーク55に対応して位置した状態で、セレクトシャフト57を周方向一方側に変位させると、シフトインナーレバー52がシフトフォーク55を図中の上側に押し、変速段として3速が選択されて同3速への切り換え操作が行われる。逆に、セレクトシャフト57を周方向他方側に変位させると、シフトインナーレバー52がシフトフォーク55を図中の下側に押し、変速段として4速が選択されて同4速への切り換え操作が行われる。
シフトインナーレバー51がシフトフォーク56に対応して位置した状態で、セレクトシャフト57を周方向一方側に変位させると、シフトインナーレバー51がシフトフォーク56を図中の上側に押し、変速段として5速が選択されて同5速への切り換え操作が行われる。逆に、セレクトシャフト57を周方向他方側に変位させると、シフトインナーレバー51がシフトフォーク56を図中の下側に押し、変速段として6速が選択されて同6速への切り換え操作が行われる。
シフトインナーレバー51がシフトフォーク53に対応して位置した状態で、セレクトシャフト57を周方向一方側に変位させると、シフトインナーレバー51がシフトフォーク53を図中の上側に押し、変速段としてリバースが選択されて同リバースへの切り換え操作が行われる。
以上のような変速段の切り換え操作に用いられるセレクトシャフトは、セレクトケーブル及びシフトケーブルを介して自動車の運転席に設けられた操作レバーと接続されており、その操作レバーの予め定められたシフトパターンに沿った操作に基づき軸線方向や周方向に変位する。
ここで、操作レバーのシフトパターンの一例を図12に示す。同図から分かるように、操作レバー58は、自動車の幅方向(図中の左右方向)であるセレクト方向に移動可能となっている。また、操作レバー58は、セレクト方向の移動範囲の所定位置、すなわちリバースに対応する位置、1速・2速に対応する位置、3速・4速に対応する位置、及び5速・6速に対応する位置にて、自動車の前後方向(図中の上下方向)であるシフト方向に移動可能となっている。
操作レバー58をセレクト方向に移動させると、そのセレクト方向への操作レバー58の移動がセレクトケーブルを介してセレクトシャフトに伝達され、同シャフトが軸線方向に変位する。そして、操作レバー58をセレクト方向の移動範囲におけるリバースに対応する位置、1速・2速に対応する位置、3速・4速に対応する位置、及び5速・6速に対応する位置のうちのいずれかに移動させると、同操作レバー58がシフト方向に移動可能となる。このとき、セレクトシャフトのシフトインナーレバーは、操作レバー58の位置に対応するシフトフォークに対応して位置することになる。
この状態にあって、操作レバー58をシフト方向に移動させると、そのシフト方向への操作レバー58の移動がシフトケーブルを介してセレクトシャフトに伝達され、同シャフトが周方向に変位する。その結果、セレクトシャフトのシフトインナーレバーがシフトフォークを押し、上記操作レバー58の位置に対応した変速段が選択されて同変速段への切り換え操作が行われる。
ところで、セレクトシャフトと操作レバーとをセレクトケーブルによって連結する際、操作レバーのセレクト方向の位置とセレクトシャフトの軸線方向の位置とが適正に対応していない状態で両者の連結が行われると、次のような問題が生じる。すなわち、操作レバーをセレクト方向の移動範囲におけるリバースに対応する位置、1速・2速に対応する位置、3速・4速に対応する位置、及び5速・6速に対応する位置のうちのいずれかに移動させたとき、セレクトシャフトのシフトインナーレバーが上記操作レバーの位置に対応するシフトフォークに対応して位置しなくなる。このため、操作レバーをセレクト方向の移動範囲におけるリバースに対応する位置、1速・2速に対応する位置、3速・4速に対応する位置、及び5速・6速に対応する位置のうちのいずれかからシフト方向に移動させようとしても、それができなくなって目的の変速段への切り換え操作もできなくなるおそれがある。
そこで、特許文献1に示されるように、セレクトシャフトの近傍に向けて突出可能なピンを設けるとともに、同シャフトと軸線方向に一体移動可能なインタロックプレートに上記ピンと接触可能な規制部を形成することが考えられる。この場合、セレクトシャフトがニュートラル位置とは異なる位置である基準位置にあるとき、上記ピンを規制部におけるニュートラル位置側の部分に接触させた状態で固定するようにすれば、ニュートラル位置に向けて付勢されている同シャフトのニュートラル位置側への変位が規制され、セレクトシャフトが基準位置で位置決めされる。そして、セレクトシャフトを上記ピン及び規制部により基準位置で位置決めした状態で、操作レバーをセレクト方向における上記基準位置に対応する位置に固定し、その操作レバーとセレクトシャフトとをセレクトケーブルにより連結する。こうした連結作業を行うことにより、操作レバーのセレクト方向の位置とセレクトシャフトの軸線方向の位置とを適正に対応させた状態で、操作レバーとセレクトシャフトとをセレクトケーブルにより連結することが可能になり、上述した不具合の発生を回避することが可能になる。
特開平6−45164公報
ところで、基準位置にあるセレクトシャフトと同基準位置に対応した位置にある操作レバーとをセレクトケーブルで連結しようとするとき、作業者がセレクトシャフトを同シャフトに働く付勢力に抗してニュートラル位置から離れる方向に押してしまうことがある。この場合、ピンと接触していたインタロックプレートの規制部が同ピンに対しニュートラル位置と反対側に離れてしまい、セレクトシャフトが基準位置からニュートラル位置と反対方向にずれる。そして、この状態でセレクトシャフトと操作レバーとをセレクトケーブルによって連結してしまうと、操作レバーのセレクト方向の位置とセレクトシャフトの軸線方向の位置とが適正に対応していない状態で両者の連結が行われることになり、上述したように目的の変速段への切り換え操作ができなくなるという不具合が生じる。
本発明はこのような実情に鑑みてなされたものであって、その目的は、セレクトシャフトの軸線方向の位置と操作レバーのセレクト方向の位置とを適切に対応させた状態で、それらセレクトシャフトと操作レバーとのセレクトケーブルによる連結を行うことのできる変速機の操作装置を提供することにある。
以下、上記目的を達成するための手段及びその作用効果について記載する。
上記目的を達成するため、請求項1記載の発明では、変速機における変速段の切り換え操作を行うべく軸線方向及び周方向に変位可能なセレクトシャフトを備え、このセレクトシャフトは、同シャフトの軸線方向においてニュートラル位置に付勢されており、セレクトケーブルを介して連結される操作レバーのセレクト方向への操作によって前記ニュートラル位置から軸線方向に変位する変速機の操作装置において、前記セレクトシャフトとその軸線方向について一体移動可能なインタロックプレートと、前記セレクトシャフトが前記ニュートラル位置とは異なる位置に設定された基準位置にあるとき、前記インタロックプレートにおける前記ニュートラル位置側に突出可能な位置決めピンと、を備え、前記インタロックプレートには、前記セレクトシャフトが基準位置に位置した状態で前記位置決めピンが突出したとき、その位置決めピンに接して前記セレクトシャフトの同シャフトの軸線方向一方側と他方側との両方への変位を規制する規制部が形成されており、前記規制部は、前記セレクトシャフトが基準位置に位置した状態で前記位置決めピンが突出したとき、その位置決めピンにおける前記ニュートラル位置側と反対側の部分が接する第1規制部、及び、前記位置決めピンにおける前記ニュートラル位置側の部分が接する第2規制部を備えてなり、前記第1規制部における前記セレクトシャフトから離れる側の端面は、前記第2規制部における前記セレクトシャフトから離れる側の端面よりも、前記セレクトシャフト寄りに位置していることを要旨とした。
セレクトシャフトと操作レバーとのセレクトケーブルによる連結を行う際には、セレクトシャフトを基準位置に位置させた状態で位置決めピンを突出させ、セレクトシャフトとその軸線方向について一体移動可能なインタロックプレートの規制部に対し上記位置決めピンを接触させる。上記構成によれば、このように位置決めピンを突出させたとき、インタロックプレートの規制部によって位置決めピンに対するセレクトシャフトの軸線方向一方側と他方側との両方への変位が規制される。従って、基準位置にあるセレクトシャフトがニュートラル位置から離れる方向に押されたとしても、同シャフトが基準位置からニュートラル位置と反対方向にずれることはない。そして、上述したように基準位置にセレクトシャフトを位置決めした状態で、操作レバーを上記基準位置に対応する位置に移動させ、それら操作レバーとセレクトシャフトとがセレクトケーブルによって連結される。以上により、セレクトシャフトの軸線方向の位置と操作レバーのセレクト方向の位置とを適切に対応させた状態で、それらセレクトシャフトと操作レバーとのセレクトケーブルによる連結を行うことができる。
また、上記構成によれば、第1及び第2規制部によるセレクトシャフトの軸線方向についての変位の規制が次にように行われる。すなわち、セレクトシャフトを基準位置よりもわずかにニュートラル位置側寄りの位置に移動させた後、位置決めピンを突出させて第規制部のセレクトシャフトから離れる側の端面に突き当てる。この状態でセレクトシャフトを基準位置へと変位させると、位置決めピンにおけるニュートラル位置側の部分に第規制部が接触し、位置決めピンを更に突出させることが可能になる。そして、この状態から位置決めピンを更に突出させると、位置決めピンにおけるニュートラル位置と反対側の部分が第規制部に接触する。以上により、セレクトシャフトが基準位置にある状態で位置決めピンにおけるニュートラル位置側の部分に第規制部が接し、ニュートラル位置と反対側の部分に第規制部が接することから、それら第1及び第2規制部によりセレクトシャフトの軸線方向一方側への変位と他方側への変位との両方が規制される。
ここで、仮に第1規制部のセレクトシャフトから離れる側の端面と、第2規制部のセレクトシャフトから離れる側の端面とが、セレクトシャフトから同一の距離にあったとすると、セレクトシャフトの軸線方向についての変位を規制するためには、次のような精密な作業を行う必要が生じる。すなわち、セレクトシャフトを精度良く基準位置に変位させ、第1規制部と第2規制部との間の部分が正確に位置決めピンに対応して位置するようにした状態で、位置決めピンを第1規制部と第2規制部との間を通すように突出させなければならなくなる。しかし、上記構成によれば、位置決めピンを第1規制部と第2規制部との間に挿入するうえで、上述したようなセレクトシャフトの基準位置への高精度な位置合わせが必要になることはないため、位置決めピンの第1規制部と第2規制部との間への挿入を簡単に行うことができる。
以下、本発明を具体化した一実施形態を図1〜図10に従って説明する。
図1に示される操作装置1は、自動車に搭載された手動式の変速機(マニュアルトランスミッション)の変速段の切り換え操作、例えば1〜6速及びリバースといった変速段の切り換え操作を行うものである。
操作装置1は、そのハウジング2に挿入されて軸線方向及び周方向に変位可能なセレクトシャフト3と、同シャフト3の径方向の側方に位置するとともに上記セレクトシャフト3の軸線方向及び周方向への変位に基づき変速機の各変速段への切り換えを行うシフトフォーク4〜7とを備えている。
これらシフトフォーク4〜7のうち、シフトフォーク4はリバース用であり、シフトフォーク5は1・2速用であり、シフトフォーク6は3・4速用であり、シフトフォーク7は5・6速用である。上記シフトフォーク5,6は、セレクトシャフト3の一端(図中の上端)寄りに位置し、セレクトシャフト3と直交する方向に延びるフォークシャフト5a,6aの軸線方向にそれぞれ移動可能となっている。また、シフトフォーク4,7は、セレクトシャフト3の他端(図中の下端)寄りに位置し、上記フォークシャフト5a,6aと平行に延びるフォークシャフト4a,7aの軸線方向に移動可能となっている。これらシフトフォーク4〜7においては、セレクトシャフト3の軸線方向及び周方向への変位を通じて、いずれか一つが選択的にフォークシャフト4a〜7aの軸線方向に移動される。そして、こうしたシフトフォーク4〜7のうちのいずれか一つの移動により、変速機の1〜6速及びリバースといった各変速段のうちのいずれか一つが選択され、選択された変速段への切り換えが行われる。
セレクトシャフト3においては、その外周面のハウジング2内に位置する部分に、パイプ状のシフトインナーレバー8が嵌め込まれて固定されている。このシフトインナーレバー8の長手方向一端部(図中の上端部)には、シフトフォーク5,6側に突出する突起9が形成されている。また、シフトフォーク5,6には突起9の近傍に向けて延びる腕部5b,6bがそれぞれ形成されている。そして、この腕部5b,6bをセレクトシャフト3の軸線方向及び周方向への変位を通じて上記突起9によりセレクトシャフト3の周方向に押すことにより、シフトフォーク5,6がフォークシャフト5a,6aの軸線方向に移動する。一方、シフトインナーレバー8の長手方向他端部(図中の下端部)には、シフトフォーク4,7側に突出する突起10が形成されている。また、シフトフォーク4,7には突起10の近傍に向けて延びる腕部4b,7bが形成されている。そして、この腕部4b,7bをセレクトシャフト3の軸線方向及び周方向への変位を通じて上記突起10によりセレクトシャフト3の周方向に押すことにより、シフトフォーク4,7がフォークシャフト4a,7aの軸線方向に移動する。
セレクトシャフト3に関しては、突起9が3・4速用のシフトフォーク6の腕部6bをセレクトシャフト3の周方向に押すことの可能な位置(以下、ニュートラル位置という)にスプリング等によって付勢されている。また、セレクトシャフト3は、セレクトケーブル11及びシフトケーブル12を介して、自動車の運転席に設けられた操作レバー13と接続されており、その操作レバー13の予め定められたシフトパターンに沿った操作に基づき軸線方向や周方向に変位する。
図2(a)は、操作レバー13のシフトパターンを示したものである。同図から分かるように、操作レバー13は、自動車の幅方向(図中の左右方向)であるセレクト方向に移動可能となっている。また、操作レバー13は、セレクト方向の移動範囲における所定位置、すなわちリバースに対応する位置、1・2速に対応する位置、3・4速に対応する位置、及び5・6速に対応する位置では、自動車の前後方向(図中の上下方向)であるシフト方向に移動可能となっている。そして、操作レバー13の上記シフトパターンに沿った操作に基づき、変速機の各変速段のうちのいずれかが選択され、選択された変速段への切り換えが行われる。
具体的には、操作レバー13をセレクト方向に移動させると、その移動が図1に示されるセレクトケーブル11を介してセレクトシャフト3に伝達され、同シャフト3が軸線方向に変位する。そして、操作レバー13(図2(a))をセレクト方向の移動範囲におけるリバースに対応する位置、1・2速に対応する位置、3・4速に対応する位置、5・6速に対応する位置のうちのいずれかに移動させると、シフトインナーレバー8の突起9,10のうちの一方がシフトフォーク4〜7の腕部4b〜7bのうちのいずれかに対応して位置する。
この状態にあって、操作レバー13をシフト方向に移動させると、その移動がシフトケーブル12を介してセレクトシャフト3に伝達され、同シャフト3が周方向に変位する。その結果、シフトインナーレバー8の突起9,10のうちの一方が、対応して位置する腕部4b〜7bをセレクトシャフト3の周方向に押し、その腕部4b〜7bに繋がるシフトフォーク4〜7がフォークシャフト4a〜7aの軸線方向に移動する。これにより、操作レバー13のシフト方向への操作後の操作位置に対応した変速段が選択され、選択された変速段への切り換えが行われる。
なお、操作レバー13の上記シフトパターンに沿った操作では、自動車の前進走行中に操作レバー13をセレクト方向の移動範囲における1・2速に対応する位置からリバースに対応する位置に向けて誤って移動させてしまうおそれがある。このため、操作レバー13がセレクト方向の移動範囲における1・2速に対応する位置に達したとき、図2(b)に示される操作レバー13に形成された係合部13aのリバース側の部分(図中左側の部分)に接触するストッパ14が設けられ、このストッパ14により操作レバー13のそれ以上のリバース側への移動を規制するようにしている。また、操作レバー13は、スイッチ15の操作に基づき上方に移動してストッパ14に対する係合部13aの相対位置を上方に変位させ、そのストッパ14による操作レバー13のリバース側への移動規制を解除可能となっている。
従って、自動車の前進走行中など通常時には、操作レバー13のセレクト方向への移動範囲における1・2速に対応する位置からリバース側への移動がストッパ14により規制されるため、操作レバー13を誤ってリバース側に移動させてしまうことを抑制できる。なお、変速機の変速段としてリバースを選択するときには、操作レバー13のスイッチ15を操作してストッパ14による操作レバー13の移動規制を解除すれば、操作レバー13のセレクト方向への移動範囲におけるリバースに対応する位置への移動が可能になるため、上記ストッパ14によりリバースへの切り換え操作が行えなくなることはない。
図1に示される操作装置1は、セレクトシャフト3の軸線方向への変位を案内するための構造を有している。
より詳しくは、シフトインナーレバー8の外周面にはボール16がコイルスプリング17によってセレクトシャフト3の径方向に押しつけられており、当該外周面におけるボール16に対応する位置にはセレクトシャフト3の軸線方向に延びる溝18が形成されている。そして、操作レバー13をセレクト方向に移動可能なとき、この溝18にボール16が挿入されて転動可能な状態となるようにされる。この状態にあっては、セレクトシャフト3の軸線方向への変位がボール16の溝18内での転動によって許容されるのに対し、セレクトシャフト3の周方向への変位は溝18内のボール16がコイルスプリング17の弾性力に抗して溝18からセレクトシャフト3の周方向にはみ出すことによって可能になる。従って、セレクトシャフト3の周方向への変位には上記コイルスプリング17の弾性力が抵抗となり、その抵抗の付与を通じてセレクトシャフト3の軸線方向への変位が案内される。また、運転者が操作レバー13のシフト方向への操作に基づきセレクトシャフト3の周方向に変位させようとする際には、コイルスプリング17の弾性力が抵抗として運転者に作用するため、運転者がある程度の節度感を感じつつ操作レバー13をシフト方向に操作することになる。
更に、操作装置1は、セレクトシャフト3の周方向への変位を案内するための構造も有している。
より詳しくは、シフトインナーレバー8の外周面に複数の案内片19を備えた案内板20が固定されるとともに、操作装置1のハウジング2には先端に突部21を備えたボルト22を当該突部21が上記各案内片19の間に挿入するよう取り付けられている。図3は、上記突部21及び案内板20を図1の左方から見た図であって、その突部21と案内板20の各案内片19との位置関係を示したものである。同図から分かるように、各案内片19においては、操作レバー13(図2(a))のセレクト方向への移動に伴い案内板20がセレクトシャフト3とともに同シャフト3の軸線方向(図中の左右方向)に変位するとき、突部21と干渉しないよう当該突部21を挟んだセレクトシャフト3の周方向(図中の上下方向)両側に三つずつ設けられている。これら案内片19は、案内板20から突出するとともに、セレクトシャフト3の周方向に延びている。なお、各案内片19におけるセレクトシャフト3の軸線方向についての位置は、操作レバー13のシフト方向への移動に伴うセレクトシャフト3の周方向への変位時、上記突部21がいずれかの案内片19のセレクトシャフト3の軸線方向についての測面と接触した状態で案内板20がセレクトシャフト3の周方向に変位するよう設定されている。そして、上述した突部21と案内片19との接触を通じて、セレクトシャフト3の軸線方向への変位が規制されるとともに、同シャフト3の周方向への変位が案内されることとなる。
次に、セレクトシャフト3と一体移動するシフトインナーレバー8(図1)の突起9,10と、シフトフォーク4〜7(図1)の腕部4b〜7bとの位置関係について、図4を参照して詳しく説明する。
図4に示されるように、シフトフォーク4〜7の腕部4b〜7bには、セレクトシャフト3の軸線方向への変位に伴う突起9,10の移動軌道を挟むように分岐した二股部23〜30がそれぞれ形成されている。そして、操作レバー13(図2(a))のセレクト方向への移動に伴いセレクトシャフト3が軸線方向に変位すると、突起9,10が腕部4b〜7bにおける一方の二股部23,25,27,29と他方の二股部24,26,28,30の間を通過する。
そして、変速機の1〜6速及びリバースといった各変速段への切り換えは、各変速段毎に以下のように行われる。
操作レバー13をセレクト方向への移動範囲における1・2速に対応する位置に移動させると、その移動に基づくセレクトシャフト3の軸線方向への変位を通じて、突起9が腕部5bに対応して位置するようになる。この状態で、操作レバー13をシフト方向一方側である1速側(図2(a)の上側)に移動させると、突起9が腕部5bの一方の二股部25を図4の上側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク5のフォークシャフト5a(図1)の軸線方向への変位により、変速機の変速段として1速が選択されて同1速への切り換え操作が行われる。また、突起9が腕部5bに対応して位置した状態で、操作レバー13をシフト方向他方側である2速側(図2(a)の下側)に移動させると、突起9が腕部5bの他方の二股部26を図4の下側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク5のフォークシャフト5a(図1)の軸線方向への変位により、変速機の変速段として2速が選択されて同2速への切り換え操作が行われる。
操作レバー13をセレクト方向への移動範囲における3・4速に対応する位置に移動させると、その移動に基づくセレクトシャフト3の軸線方向への変位を通じて、突起9が腕部6bに対応して位置するようになる。この状態で、操作レバー13をシフト方向一方側である3速側(図2(a)の上側)に移動させると、突起9が腕部6bの一方の二股部27を図4の上側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク6のフォークシャフト6a(図1)の軸線方向への変位により、変速機の変速段として3速が選択されて同3速への切り換え操作が行われる。また、突起9が腕部6bに対応して位置した状態で、操作レバー13をシフト方向他方側である4速側(図2(a)の下側)に移動させると、突起9が腕部6bの他方の二股部28を図4の下側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク6のフォークシャフト6aの軸線方向への変位により、変速機の変速段として4速が選択されて同4速への切り換え操作が行われる。
操作レバー13をセレクト方向への移動範囲における5・6速に対応する位置に移動させると、その移動に基づくセレクトシャフト3の軸線方向への変位を通じて、突起10が腕部7bに対応して位置するようになる。この状態で、操作レバー13をシフト方向一方側である5速側(図2(a)の上側)に移動させると、突起10が腕部7bの一方の二股部29を図4の上側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク7のフォークシャフト7a(図1)の軸線方向への変位により、変速機の変速段として5速が選択されて同5速への切り換え操作が行われる。また、突起10が腕部7bに対応して位置した状態で、操作レバー13をシフト方向他方側である6速側(図2(a)の下側)に移動させると、突起10が腕部7bの他方の二股部30を図4の下側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク7のフォークシャフト7a(図1)の軸線方向への変位により、変速機の変速段として6速が選択されて同6速への切り換え操作が行われる。
操作レバー13をセレクト方向への移動範囲におけるリバースに対応する位置に移動させると、その移動に基づくセレクトシャフト3の軸線方向への変位を通じて、突起10が腕部4bに対応して位置するようになる。この状態で、操作レバー13をシフト方向一方側であるリバース側(図2(a)の上側)に移動させると、突起10が腕部4bの一方の二股部23を図4の上側に押す。そして、それに基づくシフトフォーク4のフォークシャフト4a(図1)の軸線方向への変位により、変速機の変速段としてリバースが選択されて同リバースへの切り換え操作が行われる。
ところで、操作レバー13のセレクト方向への移動に基づきセレクトシャフト3の軸線方向に変位させることは、両者をセレクトケーブル11で連結することによって実現されている。ただし、こうした連結を操作レバー13のセレクト方向の位置とセレクトシャフト3の軸線方向の位置とが適正に対応した状態で行わないと、次のような問題が生じることが確認されている。
すなわち、操作レバー13のセレクト方向への移動範囲におけるリバースに対応する位置、1・2速に対応する位置、3・4速に対応する位置、及び5・6速に対応する位置に移動させたとき、突起9,10が上記操作レバー13のセレクト方向の位置に対応する腕部4b〜7bに対応して位置しなくなる。このときには、図3に示される案内片19が突部21に対しセレクトシャフト3の径方向の側方に位置した状態になる可能性がある。この場合、操作レバー13をシフト方向に移動させようとしても、突部21が案内片19に当たってセレクトシャフト3を周方向に変位させることができないため、突起9,10により腕部4b〜7bを押して変速機の変速段を目的の変速段に切り換えることもできなくなる。
こうした問題が生じないようにするため、セレクトシャフト3と操作レバー13をセレクトケーブル11により連結する際、セレクトシャフト3及び操作レバー13を次のように位置決めすることが考えられる。すなわち、ニュートラル位置に向けて付勢されているセレクトシャフト3を、当該ニュートラル位置とは異なる位置である基準位置にてニュートラル位置側への変位を規制する。これによりセレクトシャフト3が基準位置で位置決めされることとなる。更に、操作レバー13をセレクト方向における上記基準位置に対応する位置で位置決めした状態で、基準位置にて位置決めされたセレクトシャフト3と上記操作レバー13とをセレクトケーブル11によって連結する。このように連結作業を行うことにより、セレクトシャフト3の軸線方向の位置と操作レバー13のセレクト方向の位置とが適正に対応した状態で両者が連結される。
なお、この実施形態での上記基準位置としては、例えば、シフトインナーレバー8の突起9が1・2速用のシフトフォーク5における腕部5bに対応して位置するときのセレクトシャフト3の位置が用いられる。この場合、操作レバー13におけるセレクト方向の上記基準位置に対応した位置は、同操作レバー13のセレクト方向における1・2速に対応する位置ということになる。そして、操作レバー13に関しては、セレクト方向における1・2速に対応する位置に移動させて図2(b)に示されるように係合部13aをストッパ14に突き当てることで、その位置での位置決めがなされる。
図1に示される操作装置1は、セレクトシャフト3を上述した基準位置で位置決めする構造を有している。以下、セレクトシャフト3を基準位置で位置決めするための具体的な構造について、図1及び図5を併せ参照して説明する。
図1に示されるように、セレクトシャフト3と一体移動するシフトインナーレバー8において、その長手方向一端部(図中の上端部)には、シフトフォーク5,6側とは逆の方向に突出するインタロックプレート31が形成されている。また、操作装置1のハウジング2には、セレクトシャフト3に向けて突出可能であり、且つハウジング2側に没入な位置決めピン37が設けられている。この位置決めピン37においては、セレクトシャフト3が基準位置にあるとき、インタロックプレート31におけるニュートラル位置側(図中上側)に突出し、同インタロックプレート31におけるニュートラル位置側の部分に接触することが可能となっている。
図5(a)は、ハウジング2における上記位置決めピン37周りの詳細な構造、及びシフトインナーレバー8における上記インタロックプレート31周りの詳細な構造を示す拡大図である。
同図に示されるように、位置決めピン37は、ハウジング2に対しセレクトシャフト3の軸線方向(図中の上下方向)に往復移動可能に設けられた可動ブロック32を、セレクトシャフト3の径方向(図中の左右方向)に貫通している。この可動ブロック32における位置決めピン37が貫通する部分には、その位置決めピン37の軸線に向けて同位置決めピン37の径方向に突出する突部33が形成されている。また、可動ブロック32は、コイルスプリング34の弾性力により上記突部33を位置決めピン37の軸線に向けて突出させる方向に付勢されている。
可動ブロック32を貫通する位置決めピン37は、ハウジング2に対しセレクトシャフト3の径方向に往復移動可能となっており、その往復移動によりハウジング2に没入してインタロックプレート31から離れた状態になる没入位置(実線)と、インタロックプレート31側に突出した状態である突出位置(二点鎖線)との間を移動可能となっている。なお、上記没入位置は位置決めピン37の通常時の位置であり、上記突出位置はセレクトシャフト3を基準位置で位置決めするための位置決めピン37の位置である。この位置決めピン37における可動ブロック32の突部33側の部分には、その突部33を挿入可能な二つの穴35,36が位置決めピン37の軸線方向に並べて形成されている。これら二つの穴35,36のうち、位置決めピン37の突出方向側の穴35に関しては同位置決めピン37の突出位置への到達時に可動ブロック32の突部33が挿入される位置に形成されており、位置決めピン37の没入方向側の穴36に関しては同位置決めピン37の没入位置への到達時に上記突部33が挿入される位置に形成されている。また、穴36の内側面における穴35側の部分は、その穴35側に近づくほど突部33の基端に近づくよう傾斜する斜面36aとされ、穴35の内側面に繋がるように当該穴35側に延びている。
そして、可動ブロック32の突部33が位置決めピン37の穴35に挿入された状態にあっては、位置決めピン37が没入位置に固定された状態となる。この状態にあって、作業者が可動ブロック32をコイルスプリング34の弾性力に抗して移動させると、可動ブロック32の突部33が上記穴35から抜き出され、位置決めピン37が没入位置から突出位置へと移動可能になる。また、位置決めピン37を突出位置に移動させた状態で作業者が可動ブロック32を解放すると、コイルスプリング34の弾性力により突部33が穴36に挿入されるよう可動ブロック32が移動する。この穴36への突部33の挿入により、位置決めピン37のそれ以上のシフトインナーレバー8側への突出が規制される。なお、この状態にあって位置決めピン37を没入方向側に移動させると、穴36の内側面における穴35側の斜面36aが突部33に当たり、その斜面36aが突部33(可動ブロック32)をコイルスプリング34の弾性力に抗して押しつつ位置決めピン37が没入位置側に移動する。従って、位置決めピン37が突出位置にあるときには、同位置決めピン37を没入位置側に移動させることは可能となっている。そして、位置決めピン37が没入位置に到達すると、突部33が穴35に挿入されるよう可動ブロック32がコイルスプリング34の弾性力によって移動される。
一方、インタロックプレート31においては、その図中の上面に規制片38が固定されている。インタロックプレート31の規制片38が固定される面は、セレクトシャフト3(図1)が基準位置にある状態にあっては、ニュートラル位置側の面ということになる。なお、この規制片38は、インタロックプレート31と別体で形成されて同プレート31に溶接等によって固定されるものでもよいし、インタロックプレート31と一体形成されるものでもよい。
図5(b)は、同規制片38の矢印A−A方向から見た断面図である。
図5(a)及び(b)に示されるように、規制片38には、セレクトシャフト3が基準位置にあるときのインタロックプレート31のニュートラル位置側(図中上側)の面からニュートラル位置に向けて突出する直立部39が形成されている。更に、規制片38には、直立部39から位置決めピン37の径方向に垂直に延びてインタロックプレート31のニュートラル位置側の面と平行になる平行部40が形成されている。この平行部40におけるセレクトシャフト3から離れる側の端面40aと、インタロックプレート31におけるセレクトシャフト3から離れる側の端面31aとは図5(a)に示される位置関係を有している。すなわち、インタロックプレート31の端面31aが平行部40の端面40aよりもセレクトシャフト3寄り(図中右寄り)に位置している。
そして、セレクトシャフト3が基準位置にある状態で位置決めピン37を突出位置(二点鎖線)に移動させると、その位置決めピン37がインタロックプレート31のニュートラル位置側の面と規制片38の平行部40との間に挟まれた状態となる。これにより、セレクトシャフト3の軸線方向一方側と他方側との両方への変位が規制され、セレクトシャフト3が基準位置で位置決めされる。また、上記突出位置にある位置決めピン37を没入位置(図5(a)の実線)に移動させると、その位置決めピン37がインタロックプレート31のニュートラル位置側の面と規制片38の平行部40との間から抜き出され、セレクトシャフト3の軸線方向一方側と他方側との両方への変位が規制された状態が解除される。
上記規制片38をインタロックプレート31に設けることにより、セレクトシャフト3が基準位置に位置した状態で位置決めピン37が突出位置に移動したとき、その位置決めピン37に接してセレクトシャフト3の同シャフト軸線方向一方側と他方側との両方への変位を規制するための規制部がインタロックプレート31に形成されることになる。こうした規制部として、インタロックプレート31の図中の上面は上述した位置決めピン37の突出位置への移動時に同位置決めピン37のニュートラル位置側とは反対側の部分と接する第1規制部の機能を有し、規制片38の平行部40は上述した位置決めピン37の突出位置への移動時に同位置決めピン37のニュートラル位置側の部分と接する第2規制部の機能を有する。
次に、セレクトシャフト3と操作レバー13とをセレクトケーブル11によって連結する際にセレクトシャフト3を基準位置で位置決めするための位置決め作業手順について、図6〜図9を併せ参照して詳しく説明する。
この位置決め作業においては、位置決めピン37が没入位置で固定されており、セレクトシャフト3の軸線方向についての変位が可能とされている状況のもとで、同セレクトシャフト3が基準位置よりもわずかにニュートラル位置側寄りの位置に変位させられる。このときのシフトインナーレバー8の位置を図6に示す。この状態にあって、可動ブロック32が作業者によりコイルスプリング34の弾性力に抗して移動され、可動ブロック32の突部33が位置決めピン37の穴35から抜き出される。そして、突部33の穴35からの抜き出しによって固定の解除された位置決めピン37は、作業者によりシフトインナーレバー8側に押し出され、図7に示されるようにインタロックプレート31の端面31aに突き当てられる。作業者は、このように位置決めピン37を端面31aに突き当てた後、可動ブロック32を解放する。
続いて、セレクトシャフト3が図7の状態からニュートラル位置側と反対側に変位される。これにより、シフトインナーレバー8が図中の矢印方向に移動し、規制片38の平行部40が図8に示されるように位置決めピン37におけるニュートラル位置側の部分に接触する。この状態にあっては、位置決めピン37を更に突出させることが可能になる。そして、作業者が位置決めピン37を更に突出させることにより、同位置決めピン37が図9に示されるように突出位置まで移動し、インタロックプレート31のニュートラル位置側の面に位置決めピン37のニュートラル位置側と反対側の部分が接触する。なお、位置決めピン37が突出位置まで移動すると、可動ブロック32の突部33のコイルスプリング34の弾性力による位置決めピン37側への変位を通じて、突部33が穴36に挿入される。
上述したように位置決めピン37を突出位置まで移動させることにより、位置決めピン37のニュートラル位置側の部分が規制片38の平行部40に接するとともに、位置決めピン37のニュートラル位置と反対側の部分がインタロックプレート31のニュートラル位置側の面と接する。これにより、セレクトシャフト3の軸線方向一方側への変位と他方側への変位の両方、言い換えればニュートラル位置側への変位とニュートラル位置とは反対側への変位との両方が規制され、その状態でセレクトシャフト3が基準位置にて位置決めされる。このようにセレクトシャフト3を基準位置に位置決めした状態で、操作レバー13(図2(a))がセレクト方向における当該基準位置に対応した位置に位置決めされ、その後にセレクトシャフト3と操作レバー13とがセレクトケーブル11によって連結される。
次に、本実施形態におけるセレクトシャフト3の基準位置での位置決めを採用することの利点について、従来のセレクトシャフトの基準位置での位置決めと比較しつつ、図9及び図10を参照して説明する。
セレクトシャフト3が基準位置に変位したときには、シフトインナーレバー8の突起9,10が図9に実線で示されるように位置し、突起10に関しては1・2速用のシフトフォーク5の腕部5bに対応して位置する。従って、通常は、この状態でセレクトシャフト3と操作レバー13とのセレクトケーブル11による連結が行われることとなる。
ところで、セレクトシャフト3の基準位置での位置決めを従来のように行った場合、当該セレクトシャフト3のニュートラル位置側への変位は規制されるものの、同シャフト3のニュートラル位置側と反対側への変位は許容される。このため、基準位置にあるセレクトシャフト3と当該基準位置に対応して位置する操作レバー13とをセレクトケーブル11により連結しようとするとき、作業者がセレクトシャフト3をニュートラル位置側と反対側に押してしまい、同シャフト3が基準位置からずれることがある。この場合、セレクトシャフト3の基準位置に対するニュートラル位置側と反対側へのずれに対応して、突起9,10が図10の白抜き矢印方向に二点鎖線で示される位置へとずれる。そして、この状態でセレクトシャフト3と操作レバー13とのセレクトケーブル11による連結が行われると、操作レバー13のセレクト方向の位置とセレクトシャフト3の軸線方向の位置とが適正に対応していない状態で両者の連結が行われることになる。その結果、変速段の切り換えのために操作レバー13を操作しても、目的の変速段への切り換えを行えないおそれがある。
この点、本実施形態のセレクトシャフト3の基準位置での位置決めを採用すれば、その位置決め時には、図10に示されるように位置決めピン37におけるニュートラル位置側の部分に平行部40が接し、位置決めピン37におけるニュートラル位置側とは反対側の部分にインタロックプレート31が接する。これにより、位置決めピン37に対するセレクトシャフト3の軸線方向一方側と他方側との両方への変位が規制され、セレクトシャフト3が基準位置に対しニュートラル位置側及びそれと反対側のいずれの方向にもずれないようにされる。このため、図10の白抜き矢印で示されるセレクトシャフト3の基準位置からのずれが生じることはない。従って、基準位置に的確に位置決めされたセレクトシャフト3を、当該基準位置に対応して位置する操作レバー13とセレクトケーブル11を介して連結することができる。その結果、セレクトシャフト3の軸線方向の位置と操作レバー13のセレクト方向の位置とが適正に対応した状態で両者が連結されるようになり、上述した不具合が生じることを回避できるようになる。
以上詳述した本実施形態によれば、以下に示す効果が得られるようになる。
(1)セレクトシャフト3を基準位置で位置決めしたとき、そのセレクトシャフト3の軸線方向一方側と他方側との両方への変位が規制される。このため、基準位置に位置決めしたセレクトシャフト3と当該基準位置に対応して位置する操作レバー13とをセレクトケーブル11により連結する際、セレクトシャフト3が基準位置からニュートラル位置側とは反対側にずれた状態で上記連結が行われることはなくなる。従って、操作レバー13のセレクト方向の位置とセレクトシャフト3の軸線方向の位置とが適正に対応していない状態で両者の連結が行われ、それに起因して目的の変速段への切り換え操作が行えなくなることを回避できるようになる。
(2)インタロックプレート31の端面31aは、平行部40の端面40aよりも、セレクトシャフト3寄りに位置している。このため、図6〜図9に基づき説明したセレクトシャフト3を基準位置で位置決めするための位置決め作業を行うことができるようになり、その作業中における位置決めピン37のインタロックプレート31と平行部40との間への挿入が簡単になる。ここで、仮にインタロックプレート31の端面31aと、平行部40の端面40aとが、セレクトシャフト3から同一の距離にあったとすると、セレクトシャフト3を基準位置での位置決めするための位置決め作業が難易度の高いものとなることは避けられない。すなわち、上記位置決め作業として、セレクトシャフト3を精度良くに基準位置に変位させ、インタロックプレート31と平行部40との間の部分が正確に位置決めピン37に対応して位置するようにした状態で、その間の部分を通すように位置決めピン37を突出させるという精密な作業を行わなければならなくなる。しかし、上述した図6〜図9に基づき説明した位置決め作業では、こうした精密な作業を行わなくても位置決めピン37をインタロックプレート31と平行部40との間に挿入でき、その挿入が簡単になる。
なお、上記実施形態は、例えば以下のように変更することもできる。
・必ずしもインタロックプレート31の端面31aを平行部40の端面40aよりもセレクトシャフト3寄りに位置させる必要はない。インタロックプレート31の端面31aと平行部40の端面40aとがセレクトシャフト3から同一の距離にあったり、端面31aが端面40aよりもセレクトシャフト3寄りに位置していたりしてもよい。
・インタロックプレート31と平行部40との同ピン37の径方向についての距離は、位置決めピン37の外径と同一であってもよいし、当該外径に対しセレクトシャフト3の基準位置での位置決めに影響を与えない程度に大きい値にしてもい。また、上記距離を上記外径よりも大きくする場合には、位置決めピン37をインタロックプレート31と平行部40との間に挿入するとき、それらのうちの一方に位置決めピン37の外周面が接触する程度にとどめておくことが好ましい。
本実施形態における変速機の操作装置全体を示す断面図。 (a)は操作レバーを操作するためのシフトパターンを示す略図であり、(b)は、操作レバー周りの構造を示す略図である。 ボルトの突部と案内板の各案内片との位置関係を示す略図。 シフトインナーレバーの突起とシフトフォークの腕部との位置関係を示す略図。 (a)はハウジングにおける位置決めピン周りの構造、及びシフトインナーレバーにおけるインタロックプレート周りの構造を示す拡大図であり、(b)は(a)の規制片を矢印A−A方向から見た断面図である。 セレクトシャフトの位置決め作業の手順を示す断面図。 セレクトシャフトの位置決め作業の手順を示す断面図。 セレクトシャフトの位置決め作業の手順を示す断面図。 セレクトシャフトの位置決め作業の手順を示す断面図。 セレクトシャフトの位置決め作業の手順を示す断面図。 シフトインナーレバーとシフトフォークとの位置関係を示す略図。 操作レバーを操作するためのシフトパターンを示す略図。
符号の説明
1…操作装置、2…ハウジング、3…セレクトシャフト、4〜7…シフトフォーク、4a〜7a…フォークシャフト、4b〜7b…腕部、8…シフトインナーレバー、9,10…突起、11…セレクトケーブル、12…シフトケーブル、13…操作レバー、13a…係合部、14…ストッパ、15…スイッチ、16…ボール、17…コイルスプリング、18…溝、19…案内片、20…案内板、21…突部、22…ボルト、23〜30…二股部、31…インタロックプレート、31a…端面、32…可動ブロック、33…突部、34…コイルスプリング、35,36…穴、36a…斜面、37…位置決めピン、38…規制片、39…直立部、40…平行部、40a…端面。

Claims (1)

  1. 変速機における変速段の切り換え操作を行うべく軸線方向及び周方向に変位可能なセレクトシャフトを備え、このセレクトシャフトは、同シャフトの軸線方向においてニュートラル位置に付勢されており、セレクトケーブルを介して連結される操作レバーのセレクト方向への操作によって前記ニュートラル位置から軸線方向に変位する変速機の操作装置において、
    前記セレクトシャフトとその軸線方向について一体移動可能なインタロックプレートと、
    前記セレクトシャフトが前記ニュートラル位置とは異なる位置に設定された基準位置にあるとき、前記インタロックプレートにおける前記ニュートラル位置側に突出可能な位置決めピンと、
    を備え、
    前記インタロックプレートには、前記セレクトシャフトが基準位置に位置した状態で前記位置決めピンが突出したとき、その位置決めピンに接して前記セレクトシャフトの同シャフトの軸線方向一方側と他方側との両方への変位を規制する規制部が形成されており、
    前記規制部は、前記セレクトシャフトが基準位置に位置した状態で前記位置決めピンが突出したとき、その位置決めピンにおける前記ニュートラル位置側と反対側の部分が接する第1規制部、及び、前記位置決めピンにおける前記ニュートラル位置側の部分が接する第2規制部を備えてなり、
    前記第1規制部における前記セレクトシャフトから離れる側の端面は、前記第2規制部における前記セレクトシャフトから離れる側の端面よりも、前記セレクトシャフト寄りに位置している
    ことを特徴とする変速機の操作装置。
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