JP4809333B2 - 塩化ビニル−エチレン−混合重合体を建築材料の疎水化のために用いる使用 - Google Patents

塩化ビニル−エチレン−混合重合体を建築材料の疎水化のために用いる使用 Download PDF

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Description

本発明は、塩化ビニル−エチレン−混合重合体を、建築材料の疎水化のために、特にスキムコート、単層コート(Monocouche−Coating)及び目地材のような表面被覆剤のために用いる使用に関する。
ビニルエステル、塩化ビニル、(メタ)アクリレートモノマー、スチレン、ブタジエン及びエチレンを基礎とする重合体は、とりわけ、その水性分散液の形又は水中に再分散可能なポリマー粉末の形で、多岐にわたる用途で、例えば種々異なる基体用の被覆剤又は接着剤として使用される。前記の重合体の安定化のために、保護コロイド又は低分子の界面活性化合物が使用される。保護コロイドとしては、一般にポリビニルアルコールが使用される。これらの生成物は、特に水硬性接着剤、例えばタイル用接着剤、プラスター又はセメントもしくは石膏を基礎とする中塗り材料におけるバインダーとして使用される。
スキムコートもしくは単層コート並びに目地材は、それぞれ完成した部材の耐水性もしくは撥水性に非常に高い要求が課される用途である。スキムコートとは、この場合に、一般に1〜2mmの厚さを有する非常に薄い上塗り又は平滑へら塗りを意味する。単層コートとは、一度塗りであって、同時に装飾塗りであるものを指す。前記の用途に必要となる撥水性に関する要求を満たすために、その配合物を相応して疎水性に変性させねばならない。
DE−A2341085号、EP−A342609号、EP−A717016号並びにEP−A1193287号から、石灰又はセメント結合されたプラスターに疎水化剤として脂肪酸エステルを添加することが知られている。その際の欠点は、しばしばまさに、この添加剤の疎水性特性である。かかる疎水化剤を含有する乾燥プラスターを水と混ぜ合わせた場合に、該材料は、むしろ濡れ性が悪いにすぎないので、加工性は明らかに低下する。
水中に再分散可能な、エチレン性不飽和モノマーの単独重合体又は共重合体を基礎とする粉末は、建築分野において、バインダーとして、水硬性バインダー、例えばセメントと組み合わせて使用される。例えば、これらは、建築用接着剤、プラスター、モルタル及びペイントにおいて機械的強度及び付着性の改善に用いられる。WO−A95/20627号、WO−A02/31036号及びDE−A10233933号から、疎水化作用を有する添加剤、例えば有機ケイ素化合物及び脂肪酸エステルを、乾燥モルタル中の再分散粉末の成分として使用することが知られている。それにより、粗悪な濡れ性と加工性の問題が避けられる。しかしながら、疎水化効果は、再分散粉末中の疎水化剤の割合に依存するので、それを任意に変更することができない。
EP−A149098号及びEP−A224169号から、塩化ビニル−エチレン−コポリマーを、機械的強度、特に圧縮強さ、耐摩耗性、曲げ引っ張り強度及び付着引張強度を改善するために、水硬性材料中の添加剤として使用することが知られている。
本発明の課題は、非常に高い撥水性作用が必要となる建築材料中で使用するのに適したポリマー組成物であって、その水性分散液の形で又は水中に再分散可能な粉末の形のものを提供することであった。目地材であって、乾燥質量に対して1質量%のポリマーが補われた目地材については、EN12808による3時間後の吸水性は≦5mlであることが望まれる。スキムコートプラスターであって、乾燥質量に対して1質量%のポリマーが補われたスキムコートプラスターでは、カルステン法(Karsten)による吸水性は300分後に≦2mlであることが望ましい。
本発明の対象は、ポリマー組成物を、水性分散液の形で又は水中に再分散可能な粉末の形で、建築材料の疎水化のために用いる使用であって、該組成物が
a)塩化ビニル−エチレン−混合重合体と、
b)5〜30質量%の1種又は複数種の保護コロイドと、
c)粉末形で、更に5〜30質量%の1種又は複数種の粘着防止剤と、
場合により更なる添加剤と
(その際、質量%の表記は、ポリマー粉末組成物の全質量に対するものであり、かつそれぞれ加算して100質量%とする)を含有する、使用である。
塩化ビニル−エチレン−混合重合体は、有利には50〜95質量%の塩化ビニル単位、5〜30質量%のエチレン単位、特に有利には75〜90質量%の塩化ビニル単位、10〜25質量%のエチレン単位を、それぞれ混合重合体の全質量に対して含有する。
場合により、更に20質量%までの更なるコモノマーが共重合されていてよい。このための例は、ビニルエステル、(メタ)アクリル酸エステル、ビニル芳香族化合物を含む群からのモノマーである。好適なビニルエステルは、1〜12個の炭素原子を有するカルボン酸のビニルエステルである。ビニルアセテート、1−メチルビニルアセテート、9〜11個の炭素原子を有するα−分枝したモノカルボン酸のビニルエステル、例えばVeoVa9(登録商標)又はVeoVa10(登録商標)(Resolution社の商標名)が好ましい。アクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルの群からの好適なモノマーは、1〜15個の炭素原子を有する非分枝鎖状又は分枝鎖状のアルコールのエステルである。有利なメタクリル酸エステル又はアクリル酸エステルは、メチルアクリレート、メチルメタクリレート、n−ブチルアクリレート、t−ブチルアクリレート及び2−エチルヘキシルアクリレートである。ビニル芳香族化合物としては、スチレンが好ましい。場合により、モノマー混合物の全質量に対して0.1〜5質量%の補助モノマーが更に共重合されてよい。エチレン性不飽和のモノカルボン酸及びジカルボン酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸;エチレン性不飽和カルボン酸アミド及びカルボン酸ニトリル、例えばアクリルアミド及びアクリルニトリル;エチレン性不飽和のスルホン酸もしくはそれらの塩、有利にはビニルスルホン酸、2−アクリルアミド−2−メチル−プロパンスルホン酸が好ましい。更なる例は、予備架橋性コモノマー、例えば多エチレン性不飽和のコモノマー、例えばジビニルアジペート、ジアリルマレエート、アリルメタクリレート又はトリアリルシアヌレート又は後架橋性コモノマー、例えばN−メチロールアクリルアミド(NMA)、アルキルエーテル、例えばイソブトキシエーテル又はN−メチロールアクリルアミドのエステルである。更なる例は、ケイ素官能性コモノマー、例えば(メタ)アクリルオキシプロピルトリ(アルコキシ)シランである。
他のコモノマー単位を有さない塩化ビニル−エチレン−共重合体が最も好ましい。
好適な保護コロイドは、部分鹸化及び完全鹸化されたポリビニルアルコール;ポリビニルピロリドン;ポリビニルアセタール;水溶性形の多糖類、例えばデンプン(アミロース及びアミロペクチン)、セルロース及びそのカルボキシメチル誘導体、メチル誘導体、ヒドロキシエチル誘導体、ヒドロキシプロピル誘導体;タンパク質、例えばカゼイン又はカゼイン塩、大豆タンパク質、ゼラチン;リグニンスルホネート;合成ポリマー、例えばポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリレートとカルボキシ官能性のコモノマー単位との共重合体、ポリ(メタ)アクリルアミド、ポリビニルスルホン酸及びその水溶性コポリマー;メラミンホルムアルデヒドスルホネート、ナフタリンホルムアルデヒドスルホネート、スチレンマレイン酸コポリマー及びビニルエーテルマレイン酸コポリマーを含む群からの水溶性ポリマーである。
部分鹸化又は完全鹸化された、加水分解度80〜100モル%を有するポリビニルアルコール、特に部分鹸化された、加水分解度80〜95モル%を有し、かつヘップラー粘度(4%の水溶液中)1〜30mPas、有利には3〜15mPas(ヘップラーによる20℃での方法、DIN53015)を有するポリビニルアルコールが好ましい。
また、部分鹸化又は完全鹸化された、疎水変性された、加水分解度80〜100モル%を有し、かつヘップラー粘度(4%の水溶液中)1〜30mPas、有利には3〜15mPasを有するポリビニルアルコールも好ましい。このための例は、ビニルアセテートと疎水性のコモノマー、例えばイソプロペニルアセテート、ビニルピバレート、ビニルエチルヘキサノエート、5又は9〜11個の炭素原子を有する飽和のα−分枝したモノカルボン酸のビニルエステル、ジアルキルマレイネート及びジアルキルフマレート、例えばジイソプロピルマレイネート及びジイソプロピルフマレート、塩化ビニル、ビニルアルキルエーテル、例えばビニルブチルエーテル、2〜12個の炭素原子を有するα−オレフィン、例えばエテン、プロペン及びデセンとの部分鹸化された共重合体である。疎水性単位の割合は、部分鹸化又は完全鹸化されたポリビニルアルコールの全質量に対して、有利には0.1〜10質量%である。特に、加水分解度95〜100モル%を有するビニルアセテートとイソプロペニルアセテートとの部分鹸化又は完全鹸化された共重合体が好ましい。また前記のポリビニルアルコールの混合物を使用することもできる。
加水分解度85〜94モル%と、4%水溶液中のヘップラー粘度3〜15mPa(ヘップラーによる20℃での方法、DIN53015)を有する部分鹸化されたポリビニルアルコール並びに加水分解度95〜100モル%を有するビニルアセテートとイソプロペニルアセテートとの部分鹸化又は完全鹸化された共重合体が最も好ましい。前記のポリビニルアルコールは、当業者に公知の方法によって得られる。
好適な粘着防止剤c)は、Ca炭酸塩、Mg炭酸塩、タルク、石膏、粘土粉、カオリン、例えばメタカオリン並びに微粉砕ケイ酸アルミニウム、珪藻土、コロイド状シリカゲル、熱分解法で製造された二酸化ケイ素であって、それぞれ有利には10nm〜10μmの範囲の粒度を有するものである。
場合により使用することができる他の添加剤は、有利には疎水化作用を有する添加剤d)である。このための例は、脂肪酸と、アルカリ条件下で脂肪酸又は相応の脂肪酸アニオンを遊離する脂肪酸誘導体である添加剤d1)及び/又は有機ケイ素化合物である添加剤d2)である。一般に、成分d)は、ポリマー組成物の全質量に対してそれぞれ1〜20質量%、有利には1〜10質量%の量で使用される。
成分d1)としては、一般的に脂肪酸と、アルカリ条件下、有利にはpH>8で脂肪酸もしくは相応の脂肪酸アニオンを遊離する脂肪酸誘導体が適している。8〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、その金属鹸化物、そのアミド並びに1〜14個の炭素原子を有する一価のアルコールと、グリコールと、ポリグリコールと、ポリアルキレングリコールと、グリセリンと、モノエタノールアミンと、ジエタノールアミンともしくはトリエタノールアミンと、単糖類とのそのエステルの群からの脂肪酸化合物が好ましい。
好適な脂肪酸は、それぞれ8〜22個の炭素原子を有する分枝鎖状及び非分枝鎖状の飽和及び不飽和の脂肪酸である。例は、ラウリン酸(n−ドデカン酸)、ミリスチン酸(n−テトラデカン酸)、パルミチン酸(n−ヘキサデカン酸)、ステアリン酸(n−オクタデカン酸)並びにオレイン酸(9−ドデセン酸)である。
好適な金属鹸化物は、前記の脂肪酸と、周期律表の第1主族〜第3主族もしくは第2副族の金属との並びにアンモニウム化合物NX [式中、Xは同一又は異なり、H、C〜C−アルキル基及びC〜C−ヒドロキシアルキル基を表す]との鹸化物である。リチウム、ナトリウム、カリウム、マグネシウム、カリウム、アルミニウム、亜鉛及びアンモニウム化合物との金属鹸化物が好ましい。
好適な脂肪酸アミドは、モノエタノールアミン又はジエタノールアミン及び上述のC〜C22−脂肪酸を用いて得られる脂肪酸アミドである。
成分d1)として適した脂肪酸エステルは、上述のC〜C22−脂肪酸のC〜C14−アルキルエステル及びC〜C14−アルキルアリールエステル、例えばメチルエステル、エチルエステル、プロピルエステル、ブチルエステル、エチルヘキシルエステル並びにベンジルエステルである。
好適な脂肪酸エステルは、またC〜C22−脂肪酸のモノグリコールエステル、ジグリコールエステル及びポリグリコールエステルである。
更なる適した脂肪酸エステルは、ポリグリコール及び/又は20個までのオキシアルキレン単位を有するポリアルキレングリコール、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールのモノエステル及びジエステルである。
また、グリセリンと上述のC〜C22−脂肪酸とのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル及びトリ脂肪酸エステル並びにモノエタノールアミン、ジエタノールアミン及びトリエタノールアミンと上述のC〜C22−脂肪酸とのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル及びトリ脂肪酸エステルが適している。
またソルビット及びマンニットの脂肪酸エステルも適している。
特に、ラウリン酸及びオレイン酸のC〜C14−アルキルエステル及びC〜C14−アルキルアリールエステル、ラウリン酸及びオレイン酸のモノグリコールエステル及びジグリコールエステル並びにグリセリンとラウリン酸及びオレイン酸とのモノ脂肪酸エステル、ジ脂肪酸エステル及びトリ脂肪酸エステルが好ましい。
成分d2)としては、ケイ酸エステルSi(OR′)、シラン、例えばテトラオルガノシランSiR及びオルガノオルガノオキシシランSiR(OR′)4−n[式中、n=1〜3]、有利には一般式RSi(SiRSiR[n=0〜500]を有するポリシラン、オルガノシラノールSiR(OH)4−n、一般式RSi(OR′)(OH)(4−c−d−e−f)/2[式中、c=0〜3、d=0〜1、e=0〜3、f=0〜3、そして合計は、1単位当たりc+d+e+fは高くても3.5である]の単位からなるジシロキサン、オリゴシロキサン及びポリシロキサンであり、その際、それぞれのRは、同一又は異なって、1〜22個の炭素原子を有する分枝鎖状又は非分枝鎖状のアルキル基、3〜10個の炭素原子を有するシクロアルキル基、2〜4個の炭素原子を有するアルキレン基並びに6〜18個の炭素原子を有するアリール基、アラルキル基、アルキルアリール基を意味し、かつR′は、同一又は異なり、それぞれ1〜4個の炭素原子を有するアルキル基及びアルコキシアルキレン基を意味し、有利にはメチル及びエチルを意味し、その際、基R及びR′は、ハロゲン、例えばClによって、エーテル基、チオエーテル基、エステル基、アミド基、ニトリル基、ヒドロキシル基、アミン基、カルボキシル基、スルホン酸基、無水カルボン酸基及びカルボニル基によって置換されていてよく、その際、ポリシランの場合にRはOR′の意味を有してよい。また、カルボシラン、ポリカルボシラン、カルボシロキサン、ポリカルボシロキサン、ポリシリレンジシロキサンも適している。
成分d2)としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリ(エトキシエトキシ)シラン、ビニルトリ(メトキシエトキシ)シラン、(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、(メタ)アクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、β−ニトリルエチルトリエトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、イソオクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、メチルフェニルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルビニルトリ(エトキシエトキシ)シラン、テトラメチルジエトキシジシラン、トリメチルトリメトキシジシラン、トリメチルトリエトキシジシラン、ジメチルテトラメトキシジシラン、ジメチルテトラエトキシジシラン、トリメチルシロキシ基で末端封鎖されたメチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシ基で末端封鎖された、ジメチルシロキサン単位及びメチルハイドロジェンシロキサン単位とからの混合ポリマー、ジメチルポリシロキサン並びに末端単位にSi−OH基を有するジメチルポリシロキサンが好ましい。オルガノオルガノオキシシランSiR(OR′)4−n[式中、n=1〜3]、特にイソオクチルトリエトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、ヘキサデシルトリエトキシシランが最も好ましい。
該ポリマー組成物の製造は、自体公知のようにして、水性媒体中でラジカル的に開始される乳化重合と、それに引き続いてこうして得られた水性ポリマー分散液の噴霧乾燥によって実施される。例えばEP−A149098号に記載される方法が適している。乳化重合は、保護コロイド及び/又は乳化剤の存在下で実施される。有利には、主に保護コロイドで安定化させる。
こうして得られた水性ポリマー分散液は、一般に25〜70質量%、有利には45〜65質量%の固体含量を有する。
水中に再分散可能なポリマー粉末の製造のために、水性分散液を、例えば噴霧乾燥によって乾燥させる。噴霧乾燥は、一般に更なる保護コロイドを噴霧助剤として添加することにより行われる。粘着防止剤c)の添加は、有利には粉末がなおも乾燥ガス中に懸濁されていれば行う。粉末が更に他の添加剤d)を含有する場合には、その添加剤は、噴霧乾燥の前、間又はその後に添加される。有利には、ポリマー分散液への添加剤d)の添加は、再分散粉末の場合には、その噴霧乾燥前に行う。
塩化ビニル−エチレン−混合重合体を基礎とするポリマー組成物は、水硬性建築材料の疎水化のために適している。非常に高い疎水性が要求される用途に好ましい。
かかる用途は、特に単層被覆(プラスター)、例えばスキムコート又は単層コートであるが、また目地材でもある。スキムコートとは、この場合に、一般に1〜3mmの厚さを有する非常に薄い上塗り又は平滑へら塗りを意味する。単層コートとは、一度塗りであって、同時に装飾塗りであるものを指す。有利には、目地材の場合に、EN12808による吸水性は3時間後に≦5mlである。プラスター被覆の場合に、カルステン法により測定される吸水性は、それぞれ配合物の乾燥質量に対して1質量%のポリマーを有する配合物において300分後に≦2mlである。
乾燥モルタルに典型的な配合は、当業者に公知である。その配合は、5〜50質量%の無機バインダー、5〜80質量%の充填剤、0.1〜10質量%のポリマー、0〜30質量%の他の添加剤を含有し、その際、該配合中の質量%の表記は加算して100質量%とする。好適な無機バインダーは、セメント、石膏、水ガラス又は消石灰である。使用可能な充填剤のための例は、炭酸塩、例えば炭酸カルシウムであって、ドロマイト、カルサイト及びクレイドの形のものである。他の例は、ケイ酸塩、例えばケイ酸マグネシウムであって、タルク又はケイ酸アルミニウム、例えばローム及び粘土、石英粉、石英砂、高分散性ケイ酸、長石、重晶石及び軽晶石(Leichtspat)の形のものである。また繊維充填剤も適している。実際には、しばしば種々の充填物の混合物が使用される。
更なる添加剤のための例は、顔料、例えば無機顔料としての二酸化チタン並びに慣例の有機顔料である。更なる添加剤のための例は、一般に配合の全質量に対して0.1〜0.5の割合での湿潤剤である。このための例は、ポリリン酸ナトリウム及びポリリン酸カリウム、ポリアクリル酸及びそれらの塩である。添加剤としては、また、一般に配合の全質量に対して0.01〜2.0質量%の量で使用される増粘剤も挙げられる。慣例の増粘剤は、無機増粘剤の例として、セルロースエーテル、デンプン又はベントナイトである。更なる添加剤は、保存剤、消泡剤、気孔形成剤、流動化剤、遅延剤、促進剤、不凍剤である。
使用可能な建築材料の製造のためには、再分散粉末が補われた乾燥モルタルを、工事現場で必要な量の水と混ぜ合わせる。乾燥モルタルを、工事現場でも、水性の、場合により希釈されたポリマー分散液の添加によって補うことができる。
以下の実施例を用いて、本発明を更に詳説する:
分散液:
分散液として、塩化ビニルとエチレンとからのコポリマーの水性のポリビニルアルコールで安定化された水性分散液を使用した。その製造は、乳化重合によって実施した。安定化のために、鹸化度88モル%及びヘップラーによる粘度4mPasを有するポリビニルアルコール10質量%を使用した。コポリマー組成は、80質量%の塩化ビニルと20質量%のエチレンである。
該分散液は、他の成分として、乾燥質量に対して0質量%(分散液1)、5質量%(分散液2)又は10質量%(分散液3)のドデカン酸メチルエステル(DME)を含有していた。
粉末:
粉末は、上述の分散液を、鹸化度88モル%及びヘップラーによる粘度13mPasを有するそれぞれ10質量%のポリビニルアルコールの存在下で製造し、その際、第1表に示される実施例においては、更にイソオクチルトリエトキシシラン(IOTS)及び場合によりドデカン酸メチルエステル(DME)が付加的に一緒に噴霧されている。次いで分散液を2成分ノズルを用いて噴霧した。噴霧成分としては、4バールに事前に圧縮された空気を用い、形成された小滴を125℃に加熱された空気を用いて並流で乾燥させた。得られた乾燥粉末を、商慣習の粘着防止剤(炭酸マグネシウムカルシウム及びハイドロケイ酸マグネシウムとの混合物)10質量%と混合した。
実施例8:
塩化ビニル/ビニルアセテート/エチレンのコポリマーを基礎とし、約10℃のTgを有し、かつ付加的に疎水化添加剤としてイソオクチルトリエトキシシランを有する再分散粉末
比較例V1:
ビニルアセテート/VeoVa10/ブチルアクリレートのコポリマーを基礎とし、約15℃のTgを有し、かつ付加的に疎水化添加剤としてドデカン酸メチルエステルを有する再分散粉末
第1表:
Figure 0004809333
スキムコート配合の試験:
配合1(スキムコート):
ポルトランドセメント42.5 300.0質量部
炭酸カルシウム 700.0質量部
セルロースエーテル 2.5質量部
再分散粉末 10.0質量部
合計 1012.5質量部
水要求量 38.0質量部
カルステン法による吸水性の測定:
この場合、試験体の規定時間(分)後の吸水性WAをmlで測定した。このために、カルステンによるガラス小管を好適な結合剤で、試験されるべき下地にDIN EN1323に記載されるように接着させる。水小管(Wasserroehrchen)を注入した後に、下地によって吸収された水量を規定の時間間隔で測定する。値が高ければ、試験体の疎水化は悪い。
付着引張強度の試験:
下地への付着性の試験のために、モルタルをステンシル(50mm直径、10mm厚)を用いてコンクリート板に塗布した。モルタルの硬化後に、27日後に、エポキシ樹脂接着剤で金属製の引張棒を、試験されるべきモルタル層に接着させて、付着試験を実施した。
付着引張値を、それぞれ23℃及び50%の空気湿度での14日の貯蔵後に、Herion社製の引張装置(Abzuggeraet)を用いて負荷増大速度250N/sで試験した。測定値(N/mm)は、5回の測定の平均値である。
第2表:
Figure 0004809333
目地材配合の調査:
配合2(目地材):
ポルトランドセメントCEM I 42.5 340.0質量部
砂 649.5質量部
セルロースエーテル 0.5質量部
再分散粉末 10.0質量部
合計 1000.0質量部
水要求量 22.0質量部
DIN EN12808による目地材についての吸水性の測定:
28日の規定の時間後の吸水性(g)を、通常気候で事前に貯蔵し、かつ側面を水密シールされた8×4×4cmのモルタル方柱で測定する。
値が高ければ、試験体の疎水化は悪い。
加工特性の測定は、定質的に加工機によって行う。
曲げ引っ張り強度(BF)の試験:
DIN18555の教示における曲げ引っ張り強度の試験のために、種々のモルタルの16×4×4cm方柱を製造し、それを試験前に28日間通常気候で貯蔵した。
圧縮強さ(DF)の試験:
DIN18555の教示における圧縮強さの試験のために、種々のモルタルの16×4×4cmの方柱を製造し、それを試験前に28日間通常気候で貯蔵した。
耐摩耗性(AF)の試験:
耐摩耗性は、EN12808もしくはEN ISO10545−6に従って測定する。その場合に、回転している鋼製ディスクは、規定の圧力下で、研磨剤を施与しつつ試験体に作用する。鋼製ディスクの50回転後に、試験体の摩耗をmmで示す。値が高くなると、耐摩耗性は低い。
第3表:
Figure 0004809333
結果の議論:
これらのデータから、本発明によるスキムコートもしくは目地材は、明らかに低い吸水値を、少なくとも同値又はそれどころか改善された機械的値で示すことが確認されるべきである。

Claims (9)

  1. ポリマー組成物を、水性分散液の形で又は水中に再分散可能な粉末の形で、水硬性建築材料の疎水化のために用いる使用であって、該組成物が
    a)95質量%までの塩化ビニル単位と5〜30質量%のエチレン単位とから成る塩化ビニル−エチレン−混合重合体と、
    b)5〜30質量%の1種又は複数種の保護コロイドと、
    c)粉末形で、更に5〜30質量%の1種又は複数種の粘着防止剤と、
    場合により更なる添加剤と
    (その際、質量%の表記は、ポリマー粉末組成物の全質量に対するものであり、かつそれぞれ加算して100質量%とする)を含有する使用。
  2. 請求項1記載の使用であって、保護コロイドb)として、加水分解度85〜94モル%と、4%水溶液中のヘップラー粘度3〜15mPa(ヘップラーによる20℃での方法、DIN53015)を有する部分鹸化されたポリビニルアルコール並びに加水分解度95〜100モル%を有するビニルアセテートとイソプロペニルアセテートとの部分鹸化又は完全鹸化された共重合体を含む群からの1種又は複数種が含まれていることを特徴とする使用。
  3. 請求項1又は2記載の使用であって、更なる添加剤として、d1)脂肪酸と、アルカリ条件下で脂肪酸又は相応の脂肪酸アニオンを遊離する脂肪酸誘導体、及びd2)有機ケイ素化合物を含む群からの1種又は複数種が含まれていることを特徴とする使用。
  4. 請求項3記載の使用であって、成分d1)として、8〜22個の炭素原子を有する脂肪酸、その金属鹸化物、そのアミド並びに、1〜14個の炭素原子を有する一価のアルコールと、グリコールと、ポリグリコールと、ポリアルキレングリコールと、グリセリンと、モノエタノールアミンと、ジエタノールアミンともしくはトリエタノールアミンと、単糖類とのそのエステルを含む群からの1種又は複数種の脂肪酸化合物が含まれていることを特徴とする使用。
  5. 請求項3記載の使用であって、成分d2)として、ケイ酸エステル、シラン、ポリシラン、オルガノシラノール、ジシロキサン、オリゴシロキサン及びポリシロキサンの群からの1種又は複数種のケイ素化合物が含まれていることを特徴とする使用。
  6. 請求項1から5のいずれか1項記載の使用であって、スキムコート又は単層コートである単層被覆において用いる使用。
  7. 請求項1から5までの使用であって、目地材において用いる使用。
  8. 請求項6又は7記載の使用であって、5〜50質量%の無機バインダー、5〜80質量%の充填剤、0.1から10質量%のポリマー、0〜30質量%の他の添加剤を有する乾燥モルタル配合物(その際、該配合物中の質量%の表記は加算して100質量%とする)において用いる使用。
  9. 請求項1から8までのいずれか1項記載の使用であって、ポリマー組成物を水再分散可能な粉末の形で用いる使用。
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