JP4808388B2 - 入力装置および電子機器 - Google Patents

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Description

この発明は、入力装置および電子機器に関し、特に、ユーザに触覚を与える入力装置および電子機器に関する。
従来、ディジタルスチルカメラ、携帯電話機、PDA(Personal Digital Assistants)などの比較的小型の電子機器には、ユーザ用の入力装置として、メンブレンスイッチ、タクティールスイッチなどのメカスイッチが使用されている。
図23に、ドーム付きメンブレンスイッチの構成の一例を示す。メンブレンスイッチ100は、化粧面101側からアーチ状のドーム部材102を押圧して撓ませ、ドーム部材102の内側に設けられている導電体を、フィルム103上の回路パターンと電気的に接続することでオンとなる構造を有している。ドーム部材102は、ユーザに触覚を与え、スペーサ104は、ユーザに強いクリック感を与える。すなわち、メンブレンスイッチ100は、ユーザによって、ドーム部材102上のスペーサ104が押されると、機器へのトリガ入力をすると共に、ユーザにスイッチを押したことを触感させることができる。
また、タッチパネルをユーザ用の入力装置として使用するものがある。タッチパネルは、指などで触れるだけで機器へのトリガ入力が可能なものであり、駅の切符の販売機、カーナビゲーション用のディスプレイなどで利用されている。下記の特許文献1には、タッチパネル式ディスプレイに力覚デバイスを埋設させ、ユーザの指先にフィードバックを与えることができる携帯型機器が記載されている。
特開2003−288158号公報
しかしながら、上述したような従来のメカスイッチには、以下のような問題点があった。
(1)薄型化が困難である。例えば、ドーム付きメンブレンスイッチでは、化粧面+スペーサ+ドームなどの厚みで、0.5mm程度の厚みが必要とされる。
(2)筐体面にスイッチ用の切り欠きを必要とするため、ごみ、水等が筐体内部に浸入し易い。
(3)筐体外面にメカスイッチを配置する場所が必要なため、デザインと設計の自由度が少なくなる。
(4)スイッチの押し感がメカ的に決定されるため、ユーザの好みに合わせた触覚のカスタマイズや、同じスイッチで状況に応じて触覚を変更することが困難である。
(5)スイッチの数、サイズ、配置などを変更する場合、新たに設計、製作する必要があり、短期間で安価に変更することが困難である。
また、機器の小型化が進む中で、以下のような問題点がある。
(6)スイッチスペースの確保が難しくなりつつある。
(7)筐体部においてスイッチの占める割合が大きくなり、デザインの自由度が少なくなる。
これら問題点の解決策として、上述したようなタッチパネルがある。しかしながら、タッチパネルは、指紋によりパネルが汚れるため、特にディジタルスチルカメラなどの写真画質並の表示が要求されるディスプレイに使用する場合、特許文献1に記載されているような触感付きのタッチパネルであっても、必ずしも最適な解決方法ではない。また、タッチパネルは、機器筐体の表面にパネルを配置する必要があり、上述した問題点を十分に解決するものではなかった。
したがって、この発明の目的は、薄型化が可能で、配置性およびデザイン性に優れ、ユーザに適切な触覚を与えることで、入力を受け付けたことを知らせることができる入力装置および電子機器を提供することにある。
上記目的を達成するために、請求項1に係る発明は、接触により発生する信号を入力する入力装置において、スイッチが配置された操作面を有する筺体における、操作面の内面に取り付けられ、接触を検出するシート状のセンサーと、センサーからの検出信号を受け取るコントローラと、筐体の操作面の内面に取り付けられ、筐体を振動させるシート状のアクチュエータと、センサーによって接触を検出した場合に、コントローラがアクチュエータに駆動信号を供給する駆動手段とを有し、アクチュエータは、ンサーに対して並列的に配置され、少なくとも一部がスイッチ直下の操作面の内面に固定されるとともに、固定されていない箇所の変位によって筐体を振動させる入力装置である。
請求項に係る発明は、接触により発生する信号を操作信号とする電子機器において、スイッチが配置された操作面を有する筺体における、操作面の内面に取り付けられ、接触を検出するシート状のセンサーと、センサーからの検出信号を受け取るコントローラと、筐体の操作面の内面に取り付けられ、筐体を振動させるシート状のアクチュエータと、センサーによって接触を検出した場合に、コントローラがアクチュエータに駆動信号を供給する駆動手段とを有し、アクチュエータは、ンサーに対して並列的に配置され、少なくとも一部がスイッチ直下の操作面の内面に固定されるとともに、固定されていない箇所の変位によって筐体を振動させる電子機器である。
この発明では、ユーザの指などによる接触をセンサーが検出し、信号の入力がなされる。センサーにより接触が検出され、コントローラが信号の入力を受け付けた場合に、アクチュエータに駆動信号を供給することで、筐体が振動し、ユーザに振動が伝わる。これにより、ユーザは、入力が受け付けられたことを触覚できる。
この発明の入力装置および電子機器によれば、シート状のセンサーとシート状のアクチュエータとを用いているため、ユーザに触覚を与える構造であっても薄型化できる。また、センサーとアクチュエータとを筐体の内部に配置することで、筐体面に入力装置の設置のための切り欠きを無くし、ごみ、水等が筐体の内部に侵入することを防止できる。また、機器筐体の外面に設置場所を必要としないため、デザインと設計の自由度を高くすることができる。
信号の入力が受け付けられることによって筐体を振動させるため、ユーザは、確実に入力されたことを判断できる。
センサーによって、ユーザの指の位置、押圧力、移動速度、加速度などを検出し、検出結果に応じて、アクチュエータによる振動を制御することで、ユーザの好みに合った触覚のカスタマイズや、同じスイッチで状況に応じて触覚を変更することができる。また、スイッチの数、サイズ、配置などが変更になった場合でも、筐体に関しては、表面処理の変更のみで済むなど、変更箇所を最小限に抑えることができる。
また、センサーが可撓性を備えることで、曲面形状の筐体に設置することができる。さらに、アクチュエータは、接触部の筐体を振動させる任意の場所に設置すれば良いため、入力装置に要するスペースが小さくて済む。これにより、筐体部においてスイッチの占める割合が小さくなり、デザインの自由度を向上できる。
以下、この発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は、この発明の一実施形態による入力装置を備えた電子機器の概略構成の一例である。また、図2は、図1中の矢印A方向から見た断面を示す。参照符号1は、アルミニウム、ステンレスなどの金属、または合成樹脂などから構成される比較的薄くて硬い電子機器の筐体である。機器筐体1の内部には、センサー2とアクチュエータ3とが配置されている。
センサー2は、筐体1越しにユーザの指4の接触を検出するものである。センサー2は、薄い(例えば厚さ0.1mm)シート形状をなし、筐体1内に両面テープ、接着剤などの接着部材で取り付けられている。また、センサー2は、可撓性を有しており、筐体1が曲面形状であってもその曲面に沿って隙間なく貼着することができる。
センサー2を薄いシート形状とすることで、入力装置の厚みを薄くすることができ、電子機器の薄型化を図ることができる。また、曲面形状に変形可能な構造とすることで、電子機器のデザインの自由度を向上することができる。また、センサー2を筐体1に内蔵することで、筐体1の表面をフラットにし、合わせ目を無くし、見た目のスイッチ数を削減することができ、電子機器のデザイン性を向上することができる。さらに、防塵防水効果を上げることができる。
センサー2としては、例えば、静電容量式センサーを適用することができる。静電容量式センサーは、人体の指などが持つ導電性を利用するものである。図3および図4を参照して、静電容量式センサーについて説明する。静電容量式センサーは、二つの電極XおよびYを有している。図3に示すように、操作面5上に何も接近していない場合には、電気力線は、電極Xから電極Yへと向かう。図4に示すように、操作面5に指4が接近すると、電極Xの操作面5側から回り込んで電極Yへと向かっていた電気力線の一部が指4に吸収され、容量値が減少する。この容量値の変化を感知することで、指4の位置を検出できる。また、静電容量式センサーをセンサー2として筐体1の内面に貼った場合、容量値は、指4が筐体1を押す力に応じて変化することから、指4による操作力、すなわち押圧力を検出することができる。また、接触位置の変化から、移動速度、加速度などの指の動きを測定することができる。
アクチュエータ3は、圧電材料を用いたアクチュエータであり、電圧の印加により変形し屈曲する。アクチュエータ3は、薄いシート形状をなし、少なくとも指4の接触部を含む筐体1に任意の振動を与えるように筐体1の内部に固定されている。
アクチュエータ3を薄いシート形状とすることで、入力装置の厚みを薄くすることができ、電子機器の薄型化を図ることができる。また、アクチュエータ3を筐体1に内蔵することで、筐体1の外表面をフラットにし、合わせ目を無くし、見た目のスイッチの数を削減することができ、電子機器のデザイン性を向上することができる。さらに、防塵防水効果を上げることができる。
アクチュエータ3としては、例えば、バイモルフ型圧電アクチュエータを適用することができる。図5は、バイモルフ型圧電アクチュエータの構成の一例を示す。バイモルフ型圧電アクチュエータ6は、任意の金属などからなる弾性板7を挟んで2枚の圧電素子8および9が固着されたものである。バイモルフ型圧電アクチュエータ6は、図6Aに示すように、電圧の印加により、一方の圧電素子8が伸び、他方の圧電素子9が縮むように構成されている。これにより、電圧を印加すると、圧電素子8および9(以下、適宜素子と称する)がそれぞれ伸縮し、図6Bに示すように、素子が屈曲する。バイモルフ型圧電アクチュエータ6は、この屈曲による振動を用いる。
圧電素子8および9としては、特に、発生変位量/印加電圧の大きいチタン酸ジルコン酸鉛(通称:PZT)を用いることが望ましい。材料組成については、微量添加物などによりその特性を変えることが可能であるが、変位量/電圧の性能を示す定数として一般に知られている定数d31のPZTでは、100〜400(×10-12m/V)程度を得ることができる。
変位量/電圧の特性が十分に得られ、筐体1を振動させることができるのであれば、水晶、ニオブ酸リチウム、チタン酸バリウム、チタン酸鉛、メタニオブ酸鉛、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)などの圧電材料を圧電素子8および9として使用しても良い。
圧電素子8および9には各々電極が形成されており、各々の電極面は互いに絶縁されている。電極は、メッキ方法やスパッタ法、蒸着法、あるいは印刷、焼付けなどによって素子上に形成されている。なお、電極材料には、ニッケル、銀、金、銅などが用いられる。
アクチュエータ3には、積層バイモルフ型圧電アクチュエータを用いることが、より好ましい。図7は、積層バイモルフ型圧電アクチュエータの構造の一例を示す。積層バイモルフ型圧電アクチュエータ10は、圧電素子の変位量/電圧を改善する目的として、バイモルフ型圧電アクチュエータ6における圧電素子8および9をそれぞれ積層化させた構造を有する。圧電素子8および9をそれぞれ薄く形成し、正負の電圧が交互に印加されるように積層した構造とすることで、変位量を大きく、且つ変位に要する電圧を下げることができる。例えば、厚さが25μmの素子を積層することで、10V程度まで変位に要する電圧を下げることができる。
金属板13は、強度を保つために圧電素子8および9間に設けられている例えば厚さ0.3mmのプレートである。金属板13は、ステンレス合金系、ニッケル合金系など導電性を有する金属材料を用いることが主であるが、非導電性材料を用いても良い。
ここで、図8および図9を参照して、アクチュエータ3の固定方法の例について説明する。図8に示す例では、圧電素子8の長手方向の一端を筐体1に固定し、圧電素子8および9の伸縮によって、他端に、図8Aに示す矢印方向の振動を発生させる構造としている。発生した振動は、筐体1に伝わり、筐体1を振動させる。この場合、他端、すなわち自由端側を大きく変位させ、大きな振動を発生させることが可能である。また、図8Bに示すように、変位発生部に荷重を加えることで、片端支持のため容易に圧電素子8および9が変形し、その反力が筐体1との固定部から筐体1へと伝わり、効率良く筐体1を振動させることができる。
図9に示す例では、圧電素子9の長手方向の両端近傍を、筐体1内のフレームなどの雑物からなる支持体14で支持し、圧電素子8および9の伸縮による両端間の中央部の変位によって、素子の中央部に、図9Aに示す矢印方向の振動を発生させる構造としている。なお、支持体14は、筐体1であっても良い。発生した振動は、筐体1に伝わり、筐体1を振動させる。この場合、圧電素子9が2点でブリッジ状に支持されるため、変位発生部への荷重に対する変形は、図8に示した片端支持の場合と比べて小さくなる。よって、図9Aに示す矢印方向の変位発生部における振動量は、図8Aに示した片端支持の場合の振動量に対して小さくなる。
荷重印加による素子の変形は、ほぼ荷重印加方向に一致するため、この両端支持による固定は、ある程度の重量物を支え、かつ振動させるのに適する。筐体1を振動させる場合には、この両端を支持する場合の方が片端支持よりも大きなクリック感が得られる。特に、図9Bに示すように、素子の両端と中央部とを筐体1に固定するように、例えば、素子の略中央部に筐体1との接点となる荷重を設けることで、圧電素子8および9の伸縮によって、部分的にはっきりと筐体1を振動させることができる。
アクチュエータ3の固定方法および変位量などは、特に限定されるものではなく、筐体1の材質などの特性によって適切に設定する。例えば、アクチュエータ3の片面側を筐体1に固定し、圧電素子8および9の伸縮によって、筐体1を振動させるようにしても良い。
次に、一実施形態による入力装置の動作について説明する。図10は、一実施形態による入力装置における信号の流れを示すブロック図の一例である。一実施形態による入力装置では、電子機器内に配置されているA/Dコンバータドライバ(ADC)15、CPU(Central Processing Unit)16、メモリ17およびD/Aコンバータドライバ(DAC)18が使用される。
センサー2は、ユーザの指4の接触による容量値の変化から指4の位置を検出し、A/Dコンバータドライバ15を介して、検出信号をコントローラであるCPU16に供給する。A/Dコンバータドライバ15は、センサー2からのアナログ信号を、CPU16が読み取れるディジタル信号に変換するものである。この接触により発生した検出信号は、電子機器内において操作信号として入力される。
CPU16は、A/Dコンバータドライバ15を介して、センサー2から供給される検出信号に対応した振動波形データを、メモリ17から取り出し、D/Aコンバータドライバ18に供給する。振動波形データは、アクチュエータ3を駆動するためのデータである。メモリ17は、振動波形データが記憶されているROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)などの半導体メモリである。複数の振動波形データを予めメモリ17に登録しておき、CPU16がD/Aコンバータドライバ18に供給する振動波形データを制御することで、入力装置によるスイッチ操作時の機器の状況に応じて、任意の波形による振動を出力することができる。
D/Aコンバータドライバ18は、CPU16から供給されるディジタル信号による振動波形データを、アクチュエータ3を駆動するアナログ信号に変換するものである。D/Aコンバータドライバ18で変換された駆動信号は、アクチュエータ3に供給される。アクチュエータ3は、D/Aコンバータドライバ18からの駆動信号による電圧の印加によって振動する。アクチュエータ3が振動することによって、筐体1が振動する。依って、この入力装置は、ユーザの指4の接触により発生し、入力される操作信号を、CPU16が受け付けた場合に、アクチュエータ3による振動の出力が行われる。
このため、指4が筐体1に触れることで、指4が筐体1から振動フィードバックをもらうという筐体入出力機能が実現する。
CPU16が駆動信号の振幅、周波数および出力タイミングの少なくとも1つを制御可能とすることで、様々な触覚をユーザに与えることができる。例えば、後述する「なぞり」入力などに対しては、アナログ的な振動を出力することで、恰もスイッチをなぞっているかのような擬似触感をユーザに与えるようにすることができる。
ここで、図11を参照して、ディジタルスチルカメラを例に、一実施形態による入力装置での入力について説明する。ディジタルスチルカメラの筐体1の外表面には、スイッチ用の部材は、何も設けられておらず、フラットな形状とされている。
通常、ディジタルスチルカメラは、片手または両手で筐体1の端を掴んで使用する。このディジタルスチルカメラは、一例として、右手で掴む部分に入力スイッチが設けられている。ユーザが右手で筐体1を掴んだ状態で操作可能な各指の位置には、それぞれセンサー2が配置されており、筐体1の後面(自分側を前面、その反対面を後面とする)にセンサー領域19,20,21が設けられ、上面にセンサー領域22が設けられ、前面にセンサー領域23が設けられている。センサー領域19〜23は、それぞれの指下に配置されているセンサー2が指の接触を検出可能な領域である。
センサー領域19,20,21は、右手で筐体1を掴んだ状態で、それぞれ、右手中指、薬指および小指で操作可能な範囲に設けられている。センサー領域22は、右手人差し指で操作可能な範囲に設けられている。センサー領域23は、右手親指で操作可能な範囲に設けられている。センサー領域19,20および21では、点入力が可能であり、センサー領域22では、線入力が可能であり、センサー入力23では、面入力が可能である。
図12を参照して、点入力について説明する。図12Aに示すように、中指、薬指、小指の触れる筐体部分の直下には、それぞれセンサー2によるスイッチが1個づつ配置されている。これら3本の指のオン/オフ動作により、図12Bに示すように、7パターン(パターンA〜G)のファンクション設定が可能である(図中、斜線部は指位置を示す)。スイッチが4個の場合には、15パターン、5個の場合には、31パターン、n本の場合には、(2n−1)パターンのマルチファンクション機能のスイッチ入力が可能である。依って、このディジタルカメラでは、センサー2によって複数箇所の接触を検出し、検出された接触の組み合わせに対応する複数種類の入力が可能とされている。
図13を参照して、線入力について説明する。筐体1の人差し指の触れる部分の直下には線状にセンサー2によるスイッチが2個以上配置されている(図13の例では3個配置)。これにより、ズーム操作などに適した「なぞり」入力が可能である。なお、この際、センサー2がスイッチ動作の速度、加速度などを感知することで、アナログ的な信号の入力が可能となる。
図14を参照して、面入力について説明する。筐体1の親指の触れる部分の直下には、面状に3個以上のセンサー2によるスイッチが配置されている(図14の例では十字に5個配置)。これにより、画面を見ながら、上下左右に位置する4個のセンサー2を触れることによって、メニューをスクロールし、中央部のセンサー2を触れることによって決定するような十字キー操作が可能となる。なお、この際、センサー2がスイッチ動作の速度、加速度などを感知することで、アナログ的な信号の入力が可能となる。
センサー2およびアクチュエータ3は、ユーザが筐体1を掴んだ状態で操作可能な指位置に設けられたスイッチの直下に配置することが好ましいが、スイッチへの接触の検出およびその接触部への振動の出力が適切に行えるのであれば、スイッチ、センサー2およびアクチュエータ3の配置は、これに限ったものではない。また、センサー2およびアクチュエータ3は、スイッチ毎に設けなくても良い。
筐体1の内部へのセンサー2とアクチュエータ3の配置例について、図15〜図19を参照して説明する。なお、図15〜図19に示す例では、スイッチ4個に対してセンサー2およびアクチュエータ3を、共に1個ずつ配置している。各図の操作面にあたる筐体1の外表面には、入力装置に関する部材は、何も配置されておらず、表面処理による絵、シボなどのスイッチイメージ(図15〜図19に示す例では、4個の○印)だけが記されている。この一実施形態では、このようなスイッチイメージによって指4が触れる部分のそれぞれをスイッチという。なお、スイッチイメージを特定箇所に限定せず、センサー領域内において、センサー2によるスイッチ位置を可動としても良い。
センサー2は、スイッチを示す○印に触れたユーザの指4の位置を検出し、アクチュエータ3が○印に触れているユーザの指4に触覚を与える。なお、図15〜図19中に示す破線部24および25は、それぞれセンサー2、アクチュエータ3の配置場所を示しており、破線部24および25に位置する筐体1の内壁には、適宜位置合わせ等のための凹部が設けられている。
図15Aは、筐体1のスイッチが配置された操作面を示し、図15Bは、図15Aに示すX−X´間の断面構成を示す。この例では、センサー2がスイッチ直下の筐体1の内面に貼着されており、アクチュエータ3が片端支持によって、センサー2の下に固定されている。
これにより、ユーザがスイッチに触れた場合に、センサー2が接触を検出し、CPU16がセンサー2からの検出信号を受け取った場合に、アクチュエータ3に駆動信号が供給され、アクチュエータ3が駆動する。アクチュエータ3の動きは、筐体1の内側から外側に振動として伝わり、スイッチに触れているユーザに触覚を与えることができる。スイッチの下に、アクチュエータ3を片端支持で固定しているため、振動を大きくすることができる。
図16Aは、筐体1のスイッチが配置された操作面を示し、図16Bは、図16Aに示すX−X´間の断面構成を示す。この例では、センサー2がスイッチ直下の筐体1の内面に貼着されており、アクチュエータ3が両端支持によって、センサー2の下に固定されている。なお、アクチュエータ3の中央部には、筐体1との接点となる荷重が設けられている。すなわち、アクチュエータ3は、両端部と中央部とが筐体1に固定されている。
これにより、ユーザがスイッチに触れた場合に、センサー2が接触を検出し、CPU16がセンサー2からの検出信号を受け取った場合に、アクチュエータ3に駆動信号が供給され、アクチュエータ3が駆動する。アクチュエータ3の動きは、筐体1の内側から外側に振動として伝わり、スイッチに触れているユーザに触覚を与えることができる。スイッチの下に、アクチュエータ3を両端支持で固定しているため、クリック感を向上することができる。
図17Aは、筐体1のスイッチが配置された操作面を示し、図17Bは、図17Aに示すX−X´間の断面構成を示し、図17Cは、図17Aに示すY−Y´間の断面構成を示す。この例では、センサー2がスイッチ直下の筐体1の内面に貼着されており、アクチュエータ3が片端支持によって、アクチュエータ3の近傍に固定されている。
これにより、ユーザがスイッチに触れた場合に、センサー2が接触を検出し、CPU16がセンサー2からの検出信号を受け取った場合に、アクチュエータ3に駆動信号が供給され、アクチュエータ3が駆動する。アクチュエータ3の動きは、筐体1の内側から外側に振動として伝わり、スイッチに触れているユーザに触覚を与えることができる。センサー2とアクチュエータ3とを重ねて配置していないため、入力装置をより薄く構成することができる。なお、筐体1の内面には、センサー2とアクチュエータ3とを囲むように凹部26が設けられている。凹部26を設けることで、任意の場所に設けられたアクチュエータ3による振動を、スイッチ直下に効率的に伝達し、振動させることができる。
図18Aは、筐体1のスイッチが配置された操作面を示し、図18Bは、図18Aに示すX−X´間の断面構成を示す。この例では、アクチュエータ3がスイッチ直下の筐体1の内面に固定されており、その横に並列するようセンサー2が筐体1の内面に貼着されている。
これにより、ユーザがスイッチに触れた場合に、センサー2が接触を検出し、CPU16がセンサー2からの検出信号を受け取った場合に、アクチュエータ3に駆動信号が供給され、アクチュエータ3が駆動する。アクチュエータ3の動きは、筐体1の内側から外側に振動として伝わり、スイッチに触れているユーザに触覚を与えることができる。センサー2とアクチュエータ3とを重ねて配置していないため、入力装置をより薄く構成することができると共に、アクチュエータ3をスイッチの直下に配置しているため、振動を強くすることができる。
図19Aは、筐体1のスイッチが配置された操作面を示し、図19Bは、図19Aに示すX−X´間の断面構成を示す。この例では、センサー2がスイッチ直下の筐体1の曲面形状を有する内面に貼着されており、アクチュエータ3が片端支持によって、センサー2の下に固定されている。
これにより、ユーザがスイッチに触れた場合に、センサー2が接触を検出し、CPU16がセンサー2からの検出信号を受け取った場合に、アクチュエータ3に駆動信号が供給され、アクチュエータ3が駆動する。アクチュエータ3の動きは、筐体1の内側から外側に振動として伝わり、スイッチに触れているユーザに触覚を与えることができる。センサー2は、可撓性を有するため、このような3次元曲面の筐体であっても曲面に沿うように隙間無く貼り合わせることができる。
以上説明したように、この発明の一実施形態による入力装置および電子機器によれば、以下のような効果を奏する。電子機器の筐体1において、これまでマンマシンインターフェースとして必要とされてきたスイッチやボタンを、一実施形態による入力装置に置き換えることにより、電子機器をフラット感のあるデザインにすることができる。また、曲面筐体越しの指4による操作信号の入力も可能となる。また、アクチュエータ3は、センサー2と一体に配置する必要がないため、入力装置のレイアウトが容易となる。依って、デザインの自由度が増し、例えば、ティファニービーンズのようなアクセサリー感覚のユニークな商品を実現することができる。
また、押し感は、メカニカルに決定されるのではなく、メモリ17に記憶されている振動波形データに基づき決定されるため、振動波形データの変更によって、アクチュエータ3の振動を変えることができ、任意の押し感をユーザに与えることができる。そのため、押し感のカスタマイズをソフトウェアで行うことが可能となり、安価でユーザフレンドリーな機器を実現することができる。押し感のカスタマイズは、振動の振幅、周波数、出力タイミングなどを変更することで行うことができる。
また、入力装置を筐体1の内部に配置し、筐体1を介して操作信号の入力および振動の出力を行うことができるため、筐体1にスイッチ、ボタンなどの入力装置を配置するための穴加工などによる切り欠きを設ける必要がない。これにより、筐体1の外部から内部へのごみ、水などの浸入を防ぐことができる。
また、電子機器に配置されるスイッチの数、サイズ、配置などが変更になった場合でも、筐体1に関しては、表面処理の変更のみで済むなど、変更箇所を最小限に抑えることができる。これにより、設計コストを大幅に削減することができる。
例えば、ディジタルビデオカメラなどの音声の入出力が可能な撮像機器に適用した場合、マイクからの音声情報、カメラからの映像情報、一実施形態による入力装置からの触覚情報などと、データベースに登録されている情報とを基に、操作者のTPO(Time Place and Occasion)に合わせた感情を判別することができ、それに応じてスピーカから音声情報、ディスプレイから映像情報、一実施形態による入力装置から触覚情報を出力することにより、より木目の細かいマンマシンインターフェースが可能となる。
また、例えば、ディジタルスチルカメラなどの撮像機器に適用した場合、操作者の目が被写体に釘付けになっていて、さらに雑踏で耳がふさがれているような状態であっても、指先あるいは手のみで触覚を介して操作することが可能になる。また、ピアノの発表会など音を立ててはいけない状況下で撮影する場合に、音声出力を全てオフとしていても、操作時のフィードバックおよびシャッタータイミングのフィードバックをユーザに与えることができ、操作性が向上する。
また、例えば、ディジタルスチルカメラなどの撮像機器に適用した場合、筐体振動で撮影時に擬似シャッター振動を出力することにより、ユーザにシャッタータイミングを提供すると共に、ディジタルスチルカメラでありながら、高級一眼レフカメラのような心地よい操作感を提供することができる。また、振動の強弱を切り替えられるようにすることで、スキーやダイビングなどで手袋を着けた状態での使用であっても、強振動に切り替えることで強い触覚フィードバックを出力することができ、確実な操作感をユーザに与えることができる。
また、センサー2を、ユーザの個人差を網羅するエリアに配置しておくことにより、入力位置、すなわちセンサー2によるスイッチの位置の変更がソフト的に可能となり、手の小さい人、大きい人、指の短い人、長い人など、様々なユーザの指に合った位置での入力を可能とすることができる。
この発明は、上述したこの発明の一実施形態に限定されるものでは無く、この発明の要旨を逸脱しない範囲内で様々な変形や応用が可能である。例えば、上述した一実施形態でのセンサー2は、静電容量式センサーに限ったものではなく、筐体1越しに、指4による入力を検出できるならば、加圧抵抗変化型センサー、抵抗膜式センサーやSAW(Surface Acoustic Wave)式センサーなどであっても良い。センサー2を、加圧抵抗変化型センサーとした場合には、力をアナログ入力として検出でき、少ないスペースで多くのスイッチ入力を可能とすることができる。また、筐体1へのセンサー2の配置は、筐体1越しに、スイッチ部からの指4による入力を正常に検出できるならば、上述した実施形態で説明したものに限定されるものではない。
また、上述した一実施形態でのアクチュエータ3は、バイモルフ型圧電アクチュエータに限ったものではなく、筐体1に任意の振動を与えることができるならば、他の構造の圧電アクチュエータやボイスコイル式振動モータ、携帯電話機のバイブレータ等に使用される小型モータなどであっても良い。例えば、アクチュエータ3として、モノモルフ型圧電アクチュエータを用いることができる。
図20は、モノモルフ型圧電アクチュエータの構成の一例を示す。モノモルフ型圧電アクチュエータを上述の一実施形態に適用する場合には、筐体1に1枚の圧電素子31を固着させた構成を有するようにする。モノモルフ型圧電アクチュエータは、図21Aに示すように、電圧の印加により、例えば圧電素子31が縮むように構成されている。これにより、電圧を印加すると、図21Bに示すように、圧電素子31が屈曲する。モノモルフ型圧電アクチュエータは、この屈曲による振動を用いる。すなわち、圧電素子31の片面側を筐体1に固定することで、圧電素子31の伸縮によって、筐体1を振動させることができる。モノモルフ型圧電アクチュエータの固定方法は、圧電素子31の片面側を筐体1に固定することに限らず、上述した一実施形態で説明した片側支持、両端支持などで固定しても良い。
アクチュエータ3には、積層モノモルフ型圧電アクチュエータを用いることが、より好ましい。図22は、積層モノモルフ型圧電アクチュエータの構造の一例を示す。積層モノモルフ型圧電アクチュエータは、圧電素子31の変位量/電圧を改善する目的として、モノモルフ型圧電アクチュエータにおける圧電素子31を積層化させた構造を有する。圧電素子31を薄く形成し、正負の電圧が交互に印加されるように積層した構造とすることで、変位量を大きく、且つ変位に要する電圧を下げることができる。例えば、厚さが25μmの圧電素子31を積層により形成することで、10V程度まで変位に要する電圧を下げることができる。
また、上述の一実施形態における筐体1へのアクチュエータ3の配置は、筐体1の指4の接触部に任意の振動を与えることができるならば、上述した実施形態で説明したものに限定されるものではない。アクチュエータ3を筐体1内のデッドスペースに配置すれば、電子機器を小型化することができる。
また、上述した一実施形態では、右手で握る部分に入力装置を備えたディジタルスチルカメラについて説明したが、入力装置の配置は、これに限ったものではなく、左手で握る部分や両手で握る部分、または、その他スイッチの配置に適した部分に配置することができる。また、一実施形態による入力装置は、ディジタルスチルカメラに限らず、ディジタルビデオカメラ等の撮像機器や携帯電話機、PDAなどの電子機器の入力装置に適用することができる。
また、センサー2が感知する筐体1への接触は、ユーザの指4に限らず、スタイラスペンなどであっても良い。
この発明の一実施形態による入力装置を備えた電子機器の構成の一例を示す略線図である。 電子機器の断面を示す略線図である。 接触を感知していない状態での静電容量式シートセンサーの状態を説明するための図である。 接触を感知した状態での静電容量式シートセンサーの状態を説明するための図である。 圧電バイモルフ素子の構成の一例を示す概略斜視図である。 圧電バイモルフ素子の屈曲を説明するための図である。 積層圧電バイモルフ素子の構成の一例を示す概略断面図である。 圧電バイモルフ素子の支持方法(片持ち支持)を説明するための図である。 圧電バイモルフ素子の支持方法(2点支持)を説明するための図である。 一実施形態による入力装置での信号の流れを説明するためのブロック図である。 一実施形態による入力装置を備えたディジタルスチルカメラによる入力を説明するための略線図である。 点入力を説明するための略線図である。 線入力を説明するための略線図である。 面入力を説明するための略線図である。 センサーおよびアクチュエータの配置例を示す略線図である。 センサーおよびアクチュエータの配置例を示す略線図である。 センサーおよびアクチュエータの配置例を示す略線図である。 センサーおよびアクチュエータの配置例を示す略線図である。 センサーおよびアクチュエータの配置例を示す略線図である。 圧電モノモルフ素子の構成の一例を示す概略斜視図である。 圧電モノモルフ素子の屈曲を説明するための図である。 積層圧電モノモルフ素子の構成の一例を示す概略断面図である。 ドーム付メンブレンスイッチの構造の一例を示す略線図である。
符号の説明
1・・・筐体
2・・・センサー
3・・・アクチュエータ
4・・・指
8,9,31・・・圧電素子
15・・・ADC
16・・・CPU
17・・・メモリ
18・・・DAC
26・・・凹部

Claims (10)

  1. 接触により発生する信号を入力する入力装置において、
    スイッチが配置された操作面を有する筺体における、上記操作面の内面に取り付けられ、接触を検出するシート状のセンサーと、
    上記センサーからの検出信号を受け取るコントローラと、
    上記筐体の上記操作面の内面に取り付けられ、上記筐体を振動させるシート状のアクチュエータと、
    上記センサーによって接触を検出した場合に、上記コントローラが上記アクチュエータに駆動信号を供給する駆動手段とを有し、
    上記アクチュエータは、上記センサーに対して並列的に配置され、少なくとも一部が上記スイッチ直下の上記操作面の内面に固定されるとともに、固定されていない箇所の変位によって上記筐体を振動させる入力装置。
  2. 上記アクチュエータは、片面が、上記筐体の上記操作面の内面に固定され、圧電素子の伸縮によって上記筐体を振動させる請求項1に記載の入力装置。
  3. 上記駆動信号の振幅、周波数および出力タイミングの少なくとも1つを上記コントローラが制御可能である請求項1に記載の入力装置。
  4. 接触により発生する信号を操作信号とする電子機器において、
    スイッチが配置された操作面を有する筺体における、上記操作面の内面に取り付けられ、接触を検出するシート状のセンサーと、
    上記センサーからの検出信号を受け取るコントローラと、
    上記筐体の上記操作面の内面に取り付けられ、上記筐体を振動させるシート状のアクチュエータと、
    上記センサーによって接触を検出した場合に、上記コントローラが上記アクチュエータに駆動信号を供給する駆動手段とを有し、
    上記アクチュエータは、上記センサーに対して並列的に配置され、少なくとも一部が上記スイッチ直下の上記操作面の内面に固定されるとともに、固定されていない箇所の変位によって上記筐体を振動させる電子機器。
  5. 上記アクチュエータは、片面が、上記筐体の上記操作面の内面に固定され、圧電素子の伸縮によって上記筐体を振動させる請求項に記載の電子機器。
  6. 上記駆動信号の振幅、周波数および出力タイミングの少なくとも1つを上記コントローラが制御可能である請求項に記載の電子機器。
  7. 上記センサーによる上記スイッチの位置が可動とされている請求項に記載の電子機器。
  8. 上記アクチュエータは、上記操作面における、ユーザが上記筐体を掴んだ状態で操作可能な指位置に対応する位置の内面に設けられている請求項に記載の電子機器。
  9. 上記アクチュエータの振動を伝達する凹部が、上記筺体の上記操作面の内面に設けられている請求項に記載の電子機器。
  10. 上記センサーによって複数箇所の接触を検出し、検出された接触の組み合わせに対応する複数種類の入力を可能とする請求項に記載の電子機器。
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