JP4808338B2 - コーティング剤組成物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ゴム、プラスチックなどの成形品に均一に塗布できるコーティング剤組成物、特にこれらの成形品同士のくっつき防止剤として有用なコーティング剤組成物に関するものである。また、本発明のコーティング剤組成物は、これら成形品の成形時の離型剤としても有用である。
【0002】
【従来の技術】
従来、ゴム、プラスチックなどの成形時の離型剤、及び成形品同士やその周辺との固着、くっつき、まとわりつきを防止する防止剤、更に製品のフィード、分別、取り出しの際の製品同士やその周辺との装着時の引っかかりの防止をするための潤滑剤として、ポリオルガノシロキサンが用いられている。
【0003】
一般的には、ポリシロキサンが高粘度であるため、溶剤もしくはエマルジョンとして希釈して用いられているが、溶剤で希釈した場合では、基材でのソルベントクラックや塗布工程での安全性が問題となるため、現在は水系であるジメチルシリコーンエマルジョン等が多く用いられている(特開昭57−111394号公報、特開昭60−179211号公報、特開昭62−275711号公報、特開昭62−3908号公報、特開平8−188744号公報、特公昭63−62538号公報)。
【0004】
しかしながら、従来提案されているコーティング剤は、離型剤として用いる場合、塗布した際に、撥水性の成形型及び未加硫ゴム材料表面で弾きや液寄りが発生し、未コーティング部が生じたり塗り斑が発生し、それが原因で離型性の低下や製品外観を損なうという問題があった。また、くっつき防止剤として用いる場合にも、その成形品の表面が極めて疎水性のために、未コート部や塗布斑が発生し、成形品にした場合に外観不良をきたし、また、未コート箇所でくっつきが発生するという問題があった。
【0005】
更に、合成樹脂フィルムのコーティング剤としては、上記特開平8−188744号公報で提案されているコーティング剤が知られているが、疎水性の更に高いフィルムやゴムに対してはその効果が十分でなかった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、ゴムやプラスチックなどの成形品及び未加硫ゴムの表面に対する濡れ性を改善することにより、弾きや液寄りの発生、およびそれによる未コート部の発生や塗り斑の問題がなく、成形品のくっつき防止をすると共に、離型性、装着性に優れたコーティング剤を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、上記した目的を達成するべく鋭意検討した結果、ポリジオルガノシロキサンを含有するシリコーンエマルジョンに対し、炭素数が8〜12である1価のアルコールを配合することが極めて有効であり、前記の問題点が解決された優れた性能を有するコーティング剤が得られることを見出し、本発明を完成するに至った。
【0008】
即ち本発明は、
(A) 25℃における粘度が50〜100,000mPaのポリジオルガノシロキサンを含有するシリコーンエマルジョン(シリコーン含有量0.5〜60重量%)に対し、
(B) 炭素数が8〜12である1価のアルコール
を配合してなるコーティング剤組成物である。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。本発明で用いられる(A) 成分のポリジオルガノシロキサンは、離型作用及びくっつき防止作用を与える成分である。このようなポリジオルガノシロキサンの粘度は、25℃において50〜100,000mPa であり、好ましくは 100〜10,000mPaである。50mPa 未満では離型及びくっつき防止効果が十分でなく、また100,000mPa を超えると成形品にくっつき易さやべたつき感が出る。
【0010】
使用するポリジオルガノシロキサンは、25℃における粘度が上記範囲内であればよく、その1種類を単独で用いても2種以上混合して用いても良い。
【0011】
また使用するポリジオルガノシロキサンは、直鎖状のポリジオルガノシロキサンであることが好ましいが、部分的に分岐や網構造があっても差し支えない。またポリジオルガノシロキサンの末端の官能基としては特に制限はないが、好ましくはメチル基、水酸基、またはメトキシ基であることが好ましい。
【0012】
ポリジオルガノシロキサン中のケイ素原子に結合した有機基は、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基のようなアルキル基:ビニル基、プロペニル基のようなアルケニル基;フェニル基のようなアリール基;フェネチル基のようなアラルキル基;およびこれらの炭化水素基の水素原子の一部がハロゲン原子、ニトリル基などで置換されたものが例示されるが、合成のしやすさなどから、メチル基が好ましい。
【0013】
(A) 成分のエマルジョン中のシリコーン含有量は0.5〜60重量%である。0.5重量%未満では塗布効率やコーティング性が十分でなく、60重量%を超えると薄膜塗布性や取扱いが不便である。
【0014】
(B) 成分は本発明の特徴的成分であり、本組成物の弾きや液寄りの発生を防止するものである。(B) 成分の1価のアルコールは炭素数が8〜12であることが必要であり、特に炭素数12のものが好ましく使用される。炭素鎖については、直鎖のものでも部分的に分岐していても差し支えない。
【0015】
炭素数が8未満及び12を超える1価のアルコールは、十分な効果を示さず、また炭素数が12を超える1価のアルコールでは、安定なエマルジョンを得ることができない。
【0016】
(B) 成分の配合量は、本発明組成物に対し0.01〜5重量%になる量である。0.01重量%未満では弾きや寄りの発生を防止する効果がなく、5重量%を超えるとコーティング性が低下し、また安定なエマルジョンを得ることができないためである。
【0017】
本発明のコーティング剤組成物には、更にアルキルアミンオキサイド系化合物を配合することが好ましく、これにより疎水性の高いゴム及びプラスチック成形品に対してもより有効なコーティング性能を発現させることができる。
【0018】
(C) 成分のアルキルアミンオキサイド系化合物としては、ジメチルアルキルアミンオキサイド、ジエタノールアルキルアミンオキサイドが挙げられ、さらにそのアルキル基としてはデシル基、ラウリル基、ミリスチル基、ヤシ(ヤシ油等の天然油脂変性基)などが例示される。
【0019】
(C) 成分の配合量は、本発明組成物に対し0.01〜5重量%になる量である。0.01重量%未満ではより良い効果を示さず、5重量%を超えるとコーティング性が低下し、また安定なエマルジョンが得られないためである。また、その添加時期としては、エマルジョン調製時の最初から添加しても後から添加してもどちらでもよい。
【0020】
本発明の組成物は、塗布効率および塗布性から成分濃度が1〜50重量%になるよう水で調整することが好ましい。
【0021】
本発明の組成物には、必要に応じて消泡剤、顔料、無機粉体、増粘剤、界面活性剤等を適宜配合することは任意である。このように調製された本発明の組成物は、ゴムやプラスチックのコーティング剤として有用であり、これを使用するコーティング方法は、刷毛塗り、ロールコート、スプレーコート、ナイフコート、ディップコートなどの方法で成形型あるいは未加硫ゴム表面に塗布し常温あるいは加熱で乾燥させてから用いる。
【0022】
本発明の組成物はゴムやプラスチックのコーティング剤として有用であるが、特にブチルゴム、EPDMゴム、SBR、NBR、ニトリルゴム、アクリルゴム、フッ素ゴムなどの型成形において好適である。
【0023】
【発明の効果】
本発明のコーティング剤は、ゴムやプラスチックなどの成形品及び未加硫ゴムの表面に対する濡れ性を改善することにより、弾きや液寄りの発生、およびそれによる未コート部の発生や塗り斑の問題がなく、成形品のくっつき防止をすると共に、離型性、装着性に優れたコーティング剤として特に有用である。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を実施例によって説明する。実施例において、部は全て重量部を示す。
実施例1
25℃における粘度が1,000mPaであるポリジオルガノシロキサン60部に、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド;4mol)1.3部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル(エチレンオキサイド;23mol)1.7部、ラウリルアルコール1.5部、水5部を加えて均一に混合した後、コロイドミル型乳化機を用いて乳化し、更に水30.5部を加えて均一に混合し、乳化物を得た。その後、固形分として5%となるように水を用いて希釈し、本発明のコーティング剤組成物を得た。
【0025】
このコーティング剤組成物を用い、NBRゴムOリング(25mmφ)10個入りバケットにディップ方法を用いて塗布し、その時の弾きの有無、塗布後の流れ跡、塗り斑の発生の有無を調べた。また、その後、遠心分離で液切れをさせた後に、90℃にて熱風乾燥を行い、乾燥後の外観(斑、オイルスポット、重なり跡)を調べた。
実施例2〜5
表1に示すように、ラウリルアルコールに代えてオクチルアルコール、デシルアルコールを用いた場合、またラウリルジメチルアミンオキサイドを併用した場合について、実施例1と同様にしてコーティング剤組成物(固形分5%)を調製し、評価した。
比較例1〜7
表1に示すように、ラウリルアルコールを用いない場合、ラウリルアルコールに代えて炭素数16以上のアルコールやドデカン、トルエン、グリセリン、デカメチルシクロペンタシロキサンを用いた場合等について、実施例1と同様にしてコーティング剤組成物(固形分5%)を調製し、評価した。
【0026】
結果は表1の通りであった。これより本発明組成物は、ゴム上での濡れ性に優れることが明らかである。
【0027】
【表1】
Claims (3)
- (A) 25℃における粘度が50〜100,000mPaのポリジオルガノシロキサンを含有するシリコーンエマルジョン(シリコーン含有量0.5〜60重量%)に対し、
(B) 炭素数が8〜12である1価のアルコール
を配合してなるコーティング剤組成物。 - (B) 1価のアルコールの含有量が組成物中0.01〜5重量%である請求項1記載のコーティング剤組成物。
- 更に(C) 成分としてアルキルアミンオキサイド系化合物を組成物中に0.01〜5重量%配合してなる請求項1又は2記載のコーティング剤組成物。
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