JP4808082B2 - 炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法 - Google Patents

炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP4808082B2
JP4808082B2 JP2006153584A JP2006153584A JP4808082B2 JP 4808082 B2 JP4808082 B2 JP 4808082B2 JP 2006153584 A JP2006153584 A JP 2006153584A JP 2006153584 A JP2006153584 A JP 2006153584A JP 4808082 B2 JP4808082 B2 JP 4808082B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
carbon fiber
resin
carbon
group
fiber structure
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2006153584A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2007321303A (ja
Inventor
直茂 柳平
宗昭 柳平
Original Assignee
株式会社ニュープロド
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by 株式会社ニュープロド filed Critical 株式会社ニュープロド
Priority to JP2006153584A priority Critical patent/JP4808082B2/ja
Publication of JP2007321303A publication Critical patent/JP2007321303A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP4808082B2 publication Critical patent/JP4808082B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Reinforced Plastic Materials (AREA)
  • Moulding By Coating Moulds (AREA)
  • Treatments For Attaching Organic Compounds To Fibrous Goods (AREA)

Description

本発明は、炭素繊維とその使用に関し、さらに詳しく述べると、プラスチック成形品の強化に有用な表面処理された炭素繊維構造体とその製造方法、そしてその炭素繊維構造体を使用した強化プラスチック成形品とその製造方法に関する。
炭素繊維は、優れた機械的性質(例えば、高強度、高弾性等)及び化学的性質(例えば、低密度、低熱膨張率、耐熱性、化学的安定性等)を有しているので、いろいろな用途で幅広く使用されている。用途の一例を示すと、例えば炭素繊維強化プラスチック成形品(以下、「CFRP」ともいう)の場合には、自動車、船舶、航空機、ロケットなどの輸送関連分野、あるいはテニスラケット、ゴルフシャフト、釣竿などのスポーツ関連分野などを挙げることができる。
しかし、炭素繊維は、それを単独で強化材として使用してCFRPを製造した場合、マトリックスとして使用している有機樹脂と炭素繊維の間の化学的な結合力が非常に弱く、得られるCFRPに十分に高い強度を付与できないという問題がある。また、CFRPは、通常ラミネート成形法によって製造されているが、この方法の場合、得られるCFRPが曲げ応力に弱く、破損やクラックなどを生じることがしばしばであり、長期間にわたって安定に使用することができない。
このような従来のCFRPの製造上の問題を解決するため、従来、いろいろな改良が試みられている。例えば、CFRPの厚さを増加させたり三次元方向に対する設計的処方の改良が行われているが、いずれの方法も煩雑であったり別の欠点を伴い、問題の抜本的解決に至っていない。
また、炭素繊維をクロム酸、過酸化物などで処理して炭素繊維の表面に反応基を付与した後、その反応基をシラン系、ボラン系又はチタニウム系のカップリング剤で処理し、炭素繊維に曲げ強度などを付与することが行われている。しかし、この方法の場合、炭素繊維そのものの強度の低下や炭素繊維の減肉が発生し、満足し得る解決策とはなっていない。
その他に、エポキシ樹脂に並んで最近、ビニルエステル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂がCFRPの製造に使用されるようになった。しかし、これらの樹脂の場合、とりわけ接着力に乏しく、その使用可能範囲に限度があるばかりでなく、満足し得る性能も出すことができない。
特開平6−49362号公報(特許請求の範囲、段落0010〜0013) 特開2003−20542号公報(特許請求の範囲、段落0011) 特開2005−226193号公報(特許請求の範囲)
本発明の目的は、上述のような従来の技術の問題点を解決して、有機樹脂材料の分子と炭素繊維の炭素原子の間において強力な化学結合を形成することができ、したがって有機樹脂材料の強化に有用な炭素繊維とその製造方法を提供することにある。
また、本発明の目的は、表面処理を行っても、炭素繊維そのものの強度の低下や炭素繊維の減肉が発生することがない炭素繊維とその製造方法を提供することにある。
さらに、本発明の目的は、ラミネート成形法などによって製造したときに、得られるCFRPが曲げ応力に強く、したがって破損やクラックなどを生じることがなく、長期間にわたって安定に使用することができるような、CFRPの製造に有用な炭素繊維構造体とその製造方法を提供することにある。
さらにまた、本発明の目的は、輸送、スポーツ等を含めた各種の技術分野で有用な強化プラスチック成形品とその製造方法を提供することにある。
本発明のこれらの目的やその他の目的は、以下の詳細な説明から容易に理解することができるであろう。
本発明者らは、CFRPを製造する際に炭素繊維、すなわちグラファイトと樹脂材料の化学結合を高めるために、例えばガラス繊維、コンクリート、金属等の無機材料と例えばエポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂等の有機樹脂材料とを結合させるために従来常用のシランカップリング剤を使用したのでは、グラファイトの炭素原子とシランカップリング剤の官能基との間で反応性が乏しいところを、有機酸の金属塩からなる金属石鹸の存在において反応を行わせた場合、グラファイトの炭素原子とシランカップリング剤の官能基との間に強固な化学結合を構築できるということを発見し、本発明を完成した。
本発明は、1つの面において、炭素繊維と、有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液を用いた表面処理により炭素繊維の表面に結合せしめられた結合強化膜とからなり、かつ炭素繊維の炭素原子とシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、有機樹脂と反応し、結合可能な上記有機官能基が結合強化膜の表面に露出していることを特徴とする炭素繊維構造体にある。
また、本発明は、そのもう1つの面において、本発明による炭素繊維構造体と、この炭素繊維構造体によって強化された有機樹脂材料とからなり、炭素繊維構造体の有機官能基と樹脂材料の分子とが結合していることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品にある。
さらに、本発明は、そのもう1つの面において、有機樹脂と反応し、結合可能な有機官能基を有する結合強化膜を表面に有する炭素繊維構造体を製造する方法であって、
有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液に炭素繊維を浸漬して、炭素繊維の炭素原子とシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、かつ上記有機官能基が表面に露出している結合強化膜を形成することを特徴とする炭素繊維構造体の製造方法にある。
さらにまた、本発明は、そのもう1つの面において、炭素繊維強化プラスチック成形品を製造する方法であって、
有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液に炭素繊維を浸漬して、炭素繊維の炭素原子とシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、かつ上記有機官能基が表面に露出している結合強化膜を有する炭素繊維構造体を製造し、そして
得られた炭素繊維構造体を強化材として有機樹脂材料に組み込んで強化プラスチック成形品を製造すること
を特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品の製造方法にある。
本発明による炭素繊維構造体は、優れた機械的性質(例えば、高強度、高弾性等)及び化学的性質(例えば、低密度、低熱膨張率、耐熱性、化学的安定性等)を有するばかりでなく、その結合強化膜の表面有機官能基が露出しているために、CFRPの製造において強化材として使用したときに、炭素繊維の炭素原子に対して有機樹脂材料の分子を強固にかつ安定に結合させ、強度の顕著な増加を図ることができ、また、その際に炭素繊維の減肉などの不具合が発生することもない。
また、本発明によると、炭素繊維と有機樹脂材料を強固に結合させることができるとともに、得られるCFRPは曲げ応力に優れているので、破損やクラックなどの発生を防止し、長期間にわたって安定に使用することができる。本発明者らの試験結果によれば、従来のCFRPに比較して、曲げ強度を約60〜70%も高めることができ、また引張り強度でも、約20〜30%の増加を得ることができる。
本発明の炭素繊維構造体は、必要に応じて有機樹脂以外の材料において強化材として使用してもよいが、特にCFRPの製造に有利に使用することができる。すなわち、その優れた特性を活かして、従来強化材として一般的に使用されているガラス繊維(GF)やアラミド繊維(AF)に代えてFRPの製造に有利に使用することができる。また、本発明のCFRPは、上記しかつ以下に詳説するように特性にすぐれているので、例えば自動車、船舶、航空機、ロケット、風力発電機の羽根などの構築材料や部品として、あるいはテニスラケット、ゴルフシャフト、釣竿などの部品として有利に使用することができる。
本発明による炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法は、それぞれ、いろいろな形態で有利に実施することができる。以下、本発明の典型的な実施の形態を説明するが、本発明はこれらの形態に限定されるものではないことを理解されたい。
本発明による炭素繊維構造体は、炭素繊維と、その表面領域に含浸によって結合せしめられた結合強化膜とからなる。炭素繊維は、例えば強度、弾性等の機械的性質及び例えば密度、熱膨張率、耐熱性、化学的安定性等の化学的性質に優れるので、有機樹脂材料やその他の材料の強化材として有用であるばかりでなく、機能付与材料としてもまた有用である。
しばしばグラファイト、グラファイト繊維あるいはグラファイト系炭素繊維とも呼ばれる炭素繊維は、本発明の実施において特に限定されるものではなく、従来強化材として一般的に使用されている炭素繊維をそのまま、あるいは任意に表面処理を施した後に使用することができる。
炭素繊維は、例えばそれを機械的性質において分類すると、低弾性率タイプ、標準弾性率タイプ、中弾性率タイプ、高弾性率タイプ及び超高弾性率タイプに分けることができるが、本発明は、特に高弾性率タイプの炭素繊維において有用である。すなわち、本発明で使用される炭素繊維、好ましくは、高弾性カーボンからなる。高弾性カーボンは、通常、引張弾性率が約350〜600GPaの範囲であり、かつ引張強度が約2.5〜5.0GPaの範囲である。
また、炭素繊維は、その種類や製造方法によって制限されるものではなく、したがって、本発明の炭素繊維構造体の場合、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維及びレーヨン系炭素繊維のいずれも、有利に使用することができる。必要ならば、これらの炭素繊維を組み合わせて使用してもよい。本発明では特に、例えばグラファイト系炭素繊維のようなその分子中に反応基(あるいは反応性基)を有しない構造をもった炭素繊維がとりわけ有用である。なお、反応基及びそれに準ずる基は、必要ならば、本発明の作用効果に悪影響を及ぼさない範囲で存在することも可能である。例えば、シランカップリング剤の官能基と反応しないような反応基であるならば、存在していても支障がない。
さらに、炭素繊維は、入手可能ないろいろな形態で使用することができる。適当な形態として、以下に列挙するものに限定されないが、フィラメント、トウ、ロービング、ステープルヤーン、チップドストランド、ミルドファイバー、ナノファイバー、クロス、マット、ブレード、チューブ、リング、ディスク、フレーク、粉末などの形態を挙げることができる。必要ならば、異なる形態の炭素繊維を組み合わせて使用してもよい。本発明の炭素繊維構造体では、特にフィラメントやロービングの形態が有用である。これらの炭素繊維は、その形態に応じて、いろいろなサイズや厚さなどを有することができる。例えば、炭素繊維フィラメントのあるものは、単繊維の直径が約7〜7.5μm、繊度は、フィラメントの本数に応じて、約200〜1500texである。
本発明の炭素繊維構造体では、炭素繊維の表面領域に結合強化膜が結合せしめられている。この結合強化膜は、従来の表面処理法では炭素繊維の炭素原子と反応させ、結合させることが困難であるとされてきたシランカップリング剤に由来するものであり、したがって、炭素繊維の炭素原子とシランカップリング剤の加水分解基が化学的に結合しており、かつ有機官能基が結合強化膜の表面に露出している。ここで、加水分解基は、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、塩素原子、メトキシ基、エトキシ基等を包含する。また、有機官能基は、以下に列挙するものに限定されないが、例えば、エポキシ基、イソシアネート、アリル基等を包含する。さらに、これらの有機官能基は、CFRPの製造においてマトリックス(母材)として使用される有機樹脂材料と反応し、その樹脂材料の有機官能基(例えば、塩素原子、ビニル基、アミノ基、エポキシ基、メタクリロキシ基、メルカプト基等)と結合する機能を有している。
本発明の炭素繊維構造体において、炭素繊維の炭素原子にシランカップリング剤の官能基を上述のように結合できたことは、正確なメカニズムは未だ解明されるにいたっていないが、カーボンあるいはグラファイトの吸着性によるところが大であると考えられ、また、結合強化膜の形成において有機酸の金属塩からなる金属石鹸の存在が影響しているとも考えられる。すなわち、本発明に従い有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液を用いて炭素繊維を表面処理したことにより、今まで予想することができなかったことであるが、シランカップリング剤に由来する結合強化膜を炭素繊維の表面に強固に結合せしめることが可能となったものと考えられる。本発明者らの考察によれば、かかる結合強化膜の形成は、シランカップリング剤のシラノール基のカップリング機能や、金属石鹸の金属の吸着機能などが相乗的に組み合わさって実現されたものであると考えられる。
有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液を用いた炭素繊維の表面処理は、いろいろな手法に従って実施することができる。一般的には、金属石鹸の溶液とシランカップリング剤の溶液を合して表面処理液を調製し、得られた表面処理液に炭素繊維(例えば、カーボンフィラメント)を浸漬し、加熱乾燥させるのが有利である。
金属石鹸の溶液の調製において、金属石鹸は、特に限定されないが、有機酸が、例えばオクテン酸、ナフテン酸、ステアリン酸、ラウリン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、ベヘン酸、モンタン酸などであり、また金属が、例えばニッケル、コバルト、鉄、カルシウム、亜鉛、マグネシウム、アルミニウムなどであるものが好ましい。金属石鹸の具体例として、例えば、オクテン酸コバルト、ナフテン酸コバルトなどを挙げることができる。
このような金属石鹸は、通常、約0.1〜8重量%、好ましくは約1〜3重量%の濃度で溶剤に溶解して十分に混合する。溶剤としては、例えばスチレン、ミネラルターペンなどの有機溶剤が有用である。
シランカップリング剤の溶液の調製において、シランカップリング剤は、上記したような有機官能基及び加水分解基を有する限りにおいて特に限定されるものではない。シランカップリング剤の具体例として、例えば、オルガノシラン、アミノシラン、ビニルシラン、エポキシシラン、クロロシラン、メタクリロキシプロピルシラン、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシランなどを挙げることができる。これらのシランカップリング剤は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
このようなシランカップリング剤は、通常、約0.1〜10重量%、好ましくは約0.2〜2重量%の濃度で溶剤に溶解して十分に混合する。溶剤としては、例えば蒸留水や、酢酸等の酸、アルコール類、ケトン類、エーテル類などが有用である。例えばシランカップリング剤をこれらの溶剤に5〜10重量%の濃度で溶解した後、酸やアルカリ等を微量添加し、スタチックミキサー等で撹拌下に加水分解するのが好適である。
本発明の表面処理液は、モノマー成分をさらに含むことが好ましい。適当なモノマー成分としては、例えば、アクリル系モノマーやスチレン系モノマーなどを挙げることができる。このようなモノマーは、例えばミネラルターペンのような適当な溶剤に溶解してモノマー溶液を調製した後、金属石鹸の溶液及びシランカップリング剤の溶液と混合してもよいけれども、工程の短縮化のため、金属石鹸の溶液の調製時に他の出発物質と一緒に混合することが推奨される。
本発明による炭素繊維構造体は、原料とした使用して炭素繊維とほぼ同じ形態を有することができ、よって、そのような形態のまま、各種の複合材料において強化材として有利に使用することができる。本発明の炭素繊維構造体は、特に有機樹脂材料の強化材として有用であり、したがって、本発明の炭素繊維構造体と、この炭素繊維構造体によって強化された有機樹脂材料とからなり、炭素繊維構造体の有機官能基と樹脂材料の分子とが結合していることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品(CFRP)が提供される。
本発明のCFRPにおいて、マトリックスとして使用する有機樹脂材料は、以下に列挙するものに限定されないが、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)樹脂、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキル(PFA)樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体(ABS)樹脂、エチレンプロピレンジエン三元共重合体(EPDM)樹脂などを包含する。
また、本発明は、炭素繊維構造体及び炭素繊維強化プラスチック成形品(CFRP)の製造方法にある。有機樹脂と反応し、結合可能な有機官能基を有する結合強化膜を表面に有する炭素繊維構造体を製造する方法は、有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液に炭素繊維を浸漬して、炭素繊維の炭素原子とシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、かつ上記有機官能基が表面に露出している結合強化膜を形成することを特徴とする。
この炭素繊維構造体の製造方法は、炭素繊維構造体の構成についての上述の説明から容易に理解することができるであろう。例えば、本製造方法は、所定の形態をもった炭素繊維を用意した後、その炭素繊維を押圧ローラー間を通過させた後に表面処理液の容器(例えば、バット)に案内して炭素繊維に表面処理液を含浸させる。炭素繊維の含浸時間は、炭素繊維の種類や形態、表面処理液の組成などのファクターによって広い範囲で変更することができるが、通常、約30秒間〜約5分間である。含浸処理の完了後、表面処理後の炭素繊維を容器から取り出して、所定の温度で加熱乾燥する。加熱乾燥は、例えば加熱炉を用いて実施することができ、その際の加熱温度は、通常、約120〜150℃であり、また、加熱時間は、通常、約30〜60秒間である。もちろん、この条件は、加熱炉の性能などに応じて任意に変更することができる。
さらに、本発明は、CFRPの製造方法にある。この製造方法は、下記の工程:
有機酸の金属塩からなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するシランカップリング剤を含む表面処理液に炭素繊維を浸漬して、炭素繊維の炭素原子とシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、かつ上記有機官能基が表面に露出している結合強化膜を有する炭素繊維構造体の製造する工程、及び
得られた炭素繊維構造体を強化材として有機樹脂材料に組み込んで強化プラスチック成形品(CFRP)を製造する工程
を含むことを特徴とする。
本製造方法において、炭素繊維構造体の製造する工程は、上記したようにして実施することができる。また、それに続くCFRPの製造工程は、CFRPの製造に一般的に使用されている技法を使用することができ、本発明の実施に限って特別な処理や加工が求められることはない。
CFRPの製造工程は、例えば、ハンドレイアップ法、スプレーアップ法、フィラメントワインデング法、連続成形法、遠心成形法等の無加圧成形法、コールドプレス法、レジンインジェクション法(RI法)、引き抜き成形法等の低圧成形法あるいはマッチドダイ法(MMD法)等の中高圧成形法を使用して実施することができる。また、必要ならば、化粧板などの製造に用いられている技法、例えば、フローコーター法、フイルム法、光硬化法などを使用してもよい。
一例を示すと、本発明のCFRPは、例えば本発明の炭素繊維構造体を必要に応じて所定の長さに切断した後、マトリックスとしての有機樹脂材料と混練し、ペレットなどの形に成形することができる。混練には、例えば押出機などを使用することができる。さらに、得られたペレットを圧縮成形、射出成形、押出し成形などによって所望の形状を有するCFRPに成形することができる。なお、有機樹脂材料には、CFRPの製造に一般的に行われているように、各種の添加剤、例えば着色剤、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、充填剤などを任意に併用することができる。
引き続いて、本発明をその実施例を参照して説明する。なお、本発明は、これらの実施例によって限定されるものでないことは言うまでもない。
実施例1
下記の手法に従って表面処理液1〜3を調製した。
(1)シランカップリング剤の基準溶液(以下、「溶液A」という)の調製
下記の成分をスタチックミキサーで20分間にわたって攪拌したところ、発熱しながら加水分解反応が進行した。
蒸留水 99g
アミノプロピルトリエトキシシラン 1g
酢酸(5%溶液) 0.2ml
(2)金属石鹸の基準溶液(以下、「溶液B」という)の調製
下記の成分を約30分間にわたって入念に混合した。
スチレン(50%ミネラルターペン溶液) 90g
ナフテン酸コバルト(6%ミネラルスピリット溶液) 10g
(3)金属石鹸の基準混合溶液(以下、「溶液C」という)の調製
60gの金属石鹸の基準溶液(溶液B)を140gのイソプロピルアルコール(試薬一級)に溶解し、基準混合溶液(溶液C)を調製した。
(4)表面処理液1〜3の調製
表面処理液1:
10gの溶液A+40gの溶液C
表面処理液2:
5gの溶液A+45gの溶液C
表面処理液3:
3gの溶液A+47gの溶液C
それぞれの調製工程において、上記した量の溶液A及び溶液Cを予め用意したビーカーにて混合し、スタチックミキサー上で30分間にわたって撹拌した。目的とする表面処理液1〜3が得られた。
実施例2
前記実施例1に記載の手法と同様な手法に従って表面処理液4〜6を調製した。本例では、溶液Aに代えて、N−(β−アミノエチル)γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(以下、「シラン化合物I」という)を下記の量で使用した。
表面処理液4:
10gのシラン化合物I+40gの溶液C
表面処理液5:
5gのシラン化合物I+45gの溶液C
表面処理液6:
3gのシラン化合物I+47gの溶液C
30分間にわたって撹拌後、目的とする表面処理液4〜6が得られた。
実施例3(参考例)
本例では、参考に供するため、下記のシラン化合物のみからなる表面処理液7〜10を調製した。
表面処理液7:
ビニルトリクロロシラン
表面処理液8:
γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン
表面処理液9:
γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
表面処理液10:
γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン
実施例4
下記の手法に従って、下記の第1表において「サンプル」として記載する合計21種類の炭素繊維構造体を作製した。なお、本例で使用した炭素繊維は、下記の第1表に記載するように厚さ及び幅を異にするカーボンロービング(10本):東レ(株)製の高弾性カーボンロービング「トレカ(登録商標)T−300」(ポリアクリロニトリル(PAN)系の高強度炭素繊維であり、サイジング剤で表面処理する前の無処理品)及びテイジンテナックス(株)製のカーボンロービング「P500(品番)」(無処理品)であった。なお、サンプル19〜21では、いずれの表面処理液も使用しなかった。
前記実施例1〜3で調製した表面処理液をバットに入れた後、それぞれの表面処理液に炭素繊維T−300又はP−500を浸漬させた。次いで、表面処理液から引き出されたサンプルをウレタンローラー間を通過させ、サンプルの各フィラメントに表面処理液が均一に含浸されるようにしごいた。この処理によって、余分に付着した表面処理液がサンプルから取り除かれた。次いで、処理後のサンプルを約130〜150℃の乾燥炉に導き、約30秒間にわたって加熱乾燥した。各ロービング3本をオルソフタール酸系不飽和ポリエステル樹脂で固着し、ロッドを製作した。
次いで、得られたロッド状の炭素繊維構造体の曲げ強さ及び弾性率をJIS K−6911に記載の指針に従い、フルスケール:1000kg及びクロスヘッドの移動速度:2mm/分で測定したところ、下記の第1表に記載の測定結果が得られた。
Figure 0004808082
上記第1表に記載の測定結果から理解されるように、本発明にしたがって炭素繊維の表面処理を実施した場合には、曲げ強さ及び弾性率を顕著に改善することができる。換言すると、第1表の測定結果は、本発明の炭素繊維構造体をCFRPの製造において強化材として使用した場合、得られるCFRPは曲げに対する強度が優れるためにクラックや破損などの欠陥を生じることがなく、炭素繊維そのものの強度も低下することがないことを示している。また、表面処理液は、希薄溶液で使用したとしても、十分に効果があることも判明した。
実施例5
炭素繊維構造体に有機樹脂材料を結合させた場合の有機樹脂材料の接合力を評価するため、下記の手順に従って「マイクロドロップレット試験」を実施した。
本発明の処理剤:PYS−103A,PYS−103B,PYS−001A又はPYS−003B(それぞれ、表面処理液1〜4に対応)を用いて前記実施例4に記載の手順で表面処理した炭素繊維構造体(炭素繊維:トレカ(登録商標)T−300の、サイジング剤で表面処理する前の無処理品)から1本の炭素繊維(カーボンフィラメント;直径=約7μm)を抜き出し、各3本をサンプルとして用意した。なお、比較に供するため、本発明の処理剤で表面処理を施す前の市販の炭素繊維(トレカ(登録商標)T−300;サイジング処理品)からなるサンプルも用意した。
また、有機樹脂材料として使用するため、下記の3種類の市販品を用意した。
ビニルエステル樹脂、商品名「リポキシR804」(昭和高分子製)
イソフタル酸系樹脂、商品名「ユピカ5524」(日本ユピカ製)
オルソフタル酸系樹脂、商品名「ユピカ4183」(日本ユピカ製)
なお、それぞれの樹脂の溶液にはすでに重合促進剤が混入されているが、組成についての詳細は不明である。
サンプルのカーボンフィラメントを試験機にセットした。用意しておいた樹脂溶液に樹脂25gにつき0.5gのCHPO(キュメンハイドロパーオキサイト;ビニルエステル樹脂用)又はMEKPO(メチルエチルケトンパーオキサイト;イソフタル酸系樹脂及びオルソフタル酸系樹脂用)を添加してすばやく攪拌した後、カーボンフィラメントのほぼ中央部に樹脂溶液をパスツールピペットで1滴ずつ滴下した。図1に模式的に示すように、カーボンフィラメント1と結合強化膜2とからなる炭素繊維構造体10に樹脂ドロップレット3が付着した。次いで、樹脂ドロップレット3を硬化させるため、50℃で2時間、80℃で2時間、そして120℃で3時間、サンプルの加熱を順次実施した。約1週間にわたってサンプルを放置した。
次いで、得られたサンプルの樹脂ドロップレットについてマイクロドロップレット試験を実施した。なお、それぞれの樹脂ドロップレットは、カーボンフィラメントに完全に付着しており、硬度的にも十分で、測定中に固まりが壊れるような不具合はなかった。
得られた測定結果から、単位面積当たりの最大荷重(=界面強度)を求め、プロットしたところ、図2〜図4に示すようなグラフが得られた。図中、◆はトレカ(市販のサイジング処理品で、本発明に従う表面処理なし)のサンプルA、□はPYS−103Aで処理したトレカ(無処理品)のサンプルB、△はPYS−103Bで処理したトレカ(無処理品)のサンプルC、●はPYS−001Aで処理したトレカ(無処理品)のサンプルD、そして▽はPYS−003Bで処理したトレカ(無処理品)のサンプルEである。また、図2は、ビニルエステル樹脂(リポキシR804)/炭素繊維界面の界面強度を示し、図3は、イソフタル酸系樹脂(ユピカ5524)/炭素繊維界面の界面強度を示し、図4は、オルソフタル酸系樹脂(ユピカ4183)/炭素繊維界面の界面強度を示している。
図2〜図4に示した樹脂/炭素繊維界面の界面強度データについて分散検定及び有意差検定を行ったところ、本発明に従って表面処理を行った場合には、いずれの場合においても界面強度の向上を達成しうるということが明らかになった。
特性評価に使用されたマイクロドロップレット試験の概略を示す模式図である。 ビニルエステル樹脂/炭素繊維界面の界面強度を示したグラフである。 イソフタル酸系樹脂/炭素繊維界面の界面強度を示したグラフである。 オルソフタル酸系樹脂/炭素繊維界面の界面強度を示したグラフである。
符号の説明
1 カーボンフィラメント
2 結合強化膜
3 樹脂ドロップレット
10 炭素繊維構造体

Claims (13)

  1. 炭素繊維と、ナフテン酸コバルトからなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するアミノシランカップリング剤を含む表面処理液を用いた表面処理により前記炭素繊維の表面に結合せしめられた結合強化膜とからなり、かつ前記炭素繊維の炭素原子と前記アミノシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、有機樹脂と反応し、結合可能な前記有機官能基が前記結合強化膜の表面に露出していることを特徴とする炭素繊維構造体。
  2. 前記炭素繊維が高弾性カーボンからなることを特徴とする請求項1に記載の炭素繊維構造体。
  3. 前記高弾性カーボンは、引張弾性率が350〜600GPaの範囲であり、かつ引張強度が2.5〜5.0GPaの範囲であることを特徴とする請求項2に記載の炭素繊維構造体。
  4. 前記炭素繊維は、ポリアクリロニトリル系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維又はレーヨン系炭素繊維であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の炭素繊維構造体。
  5. 前記炭素繊維は、フィラメント、トウ、ロービング、ステープルヤーン、チョップドストランド、ミルドファイバー、ナノファイバー、クロス、マット、ブレード、チューブ、リング、ディスク、フレーク又は粉末の形態であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の炭素繊維構造体。
  6. 前記アミノシランカップリング剤において、前記有機官能基は、アミノ基、エポキシ基、イソシアネート基又はアリル基であり、かつ前記加水分解基が、塩素原子、メトキシ基又はエトキシ基であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の炭素繊維構造体。
  7. 前記アミノシランカップリング剤は、アミノシラン、アミノプロピルトリエトキシシラン又はその混合物であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の炭素繊維構造体。
  8. 前記表面処理液がさらにモノマーを含むことを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の炭素繊維構造体。
  9. 前記モノマーは、アクリル系モノマー又はスチレンモノマーであることを特徴とする請求項に記載の炭素繊維構造体。
  10. 請求項1〜のいずれか1項に記載の炭素繊維構造体と、該炭素繊維構造体によって強化された有機樹脂材料とからなり、かつ前記炭素繊維構造体の有機官能基と前記樹脂材料の分子とが結合していることを特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品。
  11. 前記樹脂材料は、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ポリテトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキル樹脂、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリエステル樹脂、ポリプロピレン樹脂、メラミン樹脂、塩化ビニル樹脂、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合体樹脂又はエチレンプロピレンジエン三元共重合体樹脂であることを特徴とする請求項10に記載の炭素繊維強化プラスチック成形品。
  12. 有機樹脂と反応し、結合可能な有機官能基を有する結合強化膜を表面に有する炭素繊維構造体を製造する方法であって、
    ナフテン酸コバルトからなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するアミノシランカップリング剤を含む表面処理液に炭素繊維を浸漬して、前記炭素繊維の炭素原子と前記アミノシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、かつ前記有機官能基が表面に露出している結合強化膜を形成することを特徴とする炭素繊維構造体の製造方法。
  13. 炭素繊維強化プラスチック成形品を製造する方法であって、
    ナフテン酸コバルトからなる金属石鹸及び有機官能基及び加水分解基を有するアミノシランカップリング剤を含む表面処理液に炭素繊維を浸漬して、前記炭素繊維の炭素原子と前記アミノシランカップリング剤の官能基とが化学的に結合しており、かつ前記有機官能基が表面に露出している結合強化膜を有する炭素繊維構造体を製造し、そして
    前記炭素繊維構造体を強化材として有機樹脂材料に組み込んで強化プラスチック成形品を製造すること
    を特徴とする炭素繊維強化プラスチック成形品の製造方法。
JP2006153584A 2006-06-01 2006-06-01 炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法 Active JP4808082B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006153584A JP4808082B2 (ja) 2006-06-01 2006-06-01 炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2006153584A JP4808082B2 (ja) 2006-06-01 2006-06-01 炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2007321303A JP2007321303A (ja) 2007-12-13
JP4808082B2 true JP4808082B2 (ja) 2011-11-02

Family

ID=38854369

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2006153584A Active JP4808082B2 (ja) 2006-06-01 2006-06-01 炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP4808082B2 (ja)

Families Citing this family (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2006117852A1 (ja) 2005-04-27 2006-11-09 Spansion Llc 半導体装置およびその製造方法
JP2013096539A (ja) * 2011-11-04 2013-05-20 Inoac Corp 導電性ロール
KR102529813B1 (ko) * 2021-12-09 2023-05-17 주식회사 한국폴리머 접착력과 기계적 물성이 향상된 에폭시 수지 조성물 및 그 제조방법

Family Cites Families (11)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000044636A (ja) * 1998-05-27 2000-02-15 Hitachi Chem Co Ltd 熱硬化性樹脂組成物及びこれを用いたコイルの製造法
JP3976415B2 (ja) * 1998-08-13 2007-09-19 帝人化成株式会社 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物
CN1261637C (zh) * 2001-07-31 2006-06-28 三菱丽阳株式会社 碳纤维用上浆剂、使用该上浆剂的碳纤维上浆方法、上浆剂处理过的碳纤维和使用该碳纤维的编织物
JP4058297B2 (ja) * 2002-05-29 2008-03-05 三菱レイヨン株式会社 炭素繊維用サイズ剤
JP3971664B2 (ja) * 2002-06-24 2007-09-05 東邦テナックス株式会社 炭素纖維ストランド
JP2004107474A (ja) * 2002-09-18 2004-04-08 Nippon Kayaku Co Ltd エネルギー線硬化型樹脂組成物及び感熱記録体
JP2003247128A (ja) * 2003-03-27 2003-09-05 Mitsubishi Rayon Co Ltd 樹脂との界面接着力に優れた高弾性炭素繊維
AU2004201002B2 (en) * 2003-08-26 2009-08-06 Rohm And Haas Company Curable aqueous composition and use as heat-resistant nonwoven binder
JP2005226193A (ja) * 2004-02-13 2005-08-25 Mitsubishi Rayon Co Ltd 強化繊維用サイジング剤、炭素繊維束、熱可塑性樹脂組成物及びその成形品
JP2006061039A (ja) * 2004-08-25 2006-03-09 Chisso Corp ジピコリン酸の製造法
JP2006124844A (ja) * 2004-10-26 2006-05-18 Toray Ind Inc 炭素繊維束の製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP2007321303A (ja) 2007-12-13

Similar Documents

Publication Publication Date Title
Nasser et al. Enhanced interfacial strength of aramid fiber reinforced composites through adsorbed aramid nanofiber coatings
Kim et al. Improvement in the mechanical properties of carbon and aramid composites by fiber surface modification using polydopamine
Jiang et al. Interfacially reinforced unsaturated polyester composites by chemically grafting different functional POSS onto carbon fibers
JP5371437B2 (ja) 複合材料およびその製造方法
Wood et al. Use of lignin as a compatibiliser in hemp/epoxy composites
Pan et al. A comparative study on mechanical properties of carbon fiber/PEEK composites
Li The effect of surface modification with nitric acid on the mechanical and tribological properties of carbon fiber‐reinforced thermoplastic polyimide composite
CN105694372B (zh) 一种碳纤维增强环氧树脂复合材料及其制备方法
Zhao et al. Si-Al hybrid effect of waterborne polyurethane hybrid sizing agent for carbon fiber/PA6 composites
Nasser et al. High strength fiber reinforced composites with surface fibrilized aramid fibers
Yao et al. Controlling of resin impregnation and interfacial adhesion in carbon fiber/polycarbonate composites by a spray-coating of polymer on carbon fibers
JP2015506292A (ja) 含浸性に優れた連続炭素繊維補強熱可塑性プラスチック複合材及びその製造方法
JP4808082B2 (ja) 炭素繊維構造体、炭素繊維強化プラスチック成形品及びそれらの製造方法
Zhang et al. Interfacial adhesion study on UHMWPE fiber-reinforced composites
Cho et al. Highly enhanced mechanical properties of polypropylene-long carbon fiber composites by a combined method of coupling agent and surface modification of long carbon fiber
Gnanavelbabu et al. Mechanical strengthening effect by various forms and orientation of glass fibre reinforced isopthalic polyester polymer composite
Pang et al. Interfacial shear strength and thermal properties of electron beam-treated henequen fibers reinforced unsaturated polyester composites
Zhang et al. Directly coating silanized nanocrystalline cellulose on carbon fiber for enhancing the interfacial adhesion of carbon fiber/epoxy resin composites
Paglicawan et al. Loofah fiber as reinforcement material for composite
Lu et al. Modified mechanical properties of carbon fiber/epoxy composite by silicone polymer
CN106633741A (zh) 一种碳纤维/不饱和树脂的界面改性方法
Chunzheng The effect of surface coating of CNTs on the mechanical properties of CF‐filled HDPE composites
CN106835695B (zh) 一种丙烯酰胺类有机溶液接枝改性碳纤维表面上浆剂的方法
Ashok Kumar et al. Characterization of light weight epoxy composites from short Sansevieria Cylindrica fibers
JP2009292865A (ja) 強化複合材料用プリプレグおよびその製造方法

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20090323

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20110415

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110426

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20110627

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20110719

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20110816

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20140826

Year of fee payment: 3

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 4808082

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250