JP4808007B2 - アンテナ - Google Patents

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本発明はアンテナに関し、特に、生産効率に優れるアンテナに関する。
アンテナの種類や形状は利用目的等に応じて様々である。たとえば、導体棒をループ状とし、その両端の間に給電した放射器(以下、ループ放射器とも称する)を備えたアンテナが知られている。
ループ放射器を備えるアンテナの例として、実開昭48−049930号公報(特許文献1)には、導波器、放射器、および反射器が環状に形成され、これらの素子が水平に置かれた金属管に吊り下げられるように取り付けられた送受信アンテナが開示される。このアンテナは機械的強度を安定させることによって強風による変形や破損を防ぐことを可能にする。
ループ放射器ではループの全周の長さ(周囲長)を変えることにより周波数帯域特性を調整することができる。このような性質を利用した従来のアンテナとして、周囲長が互いに異なる2つのループ放射器を備え、2つのループ放射器に位相差給電を行なうことで帯域を広げることが可能なアンテナが存在する。
実開昭48−049930号公報
複数のループ放射器の周囲長が互いに異なる場合、アンテナを生産するに際して様々な課題が生じる。まず部品の種類が増える。また、ループ放射器を形成する際には導体の棒や管を曲げる必要があるが、そのための治具もループの径ごとに必要となる。これらの点がアンテナを生産する際の効率を低下させる要因となりうる。
しかしながら、単に複数のループ放射器の径を互いに等しくしても帯域を広げることができない。よって従来のアンテナでは生産効率よりも性能が優先されていた。
本発明の目的は、生産効率に優れるとともに広帯域であるアンテナを提供することである。
本発明は要約すれば、アンテナであって、第1の放射器と、第2の放射器と、平行線路と、整合器と、整合調整素子とを備える。第1の放射器はループ状に形成される。第2の放射器は、第1の放射器と同一形状であり、電波の送受信方向に沿って電波の中心波長の4分の1の距離を隔てて第1の放射器と並列配置される。平行線路は、第1および第2の放射器を接続する。整合器は、第1の放射器に対応して設けられる。整合調整素子は、第1の放射器に装荷される。
好ましくは、平行線路は、互いに等しい径を有する第1および第2の導線を含む。平行線路のインピーダンスは、径に対する第1および第2の導線の間隔の比に応じて変化する。比は、8から15の間になるように定められる。
より好ましくは、比は、10から12の間になるように定められる。
好ましくは、第1の放射器は、第1および第2の給電点を有する。第2の放射器は、第3および第4の給電点を有する。平行線路は、第1の導線と、第2の導線とを含む。第1の導線は、第3の給電点から第1の給電点を通過して延伸するように設けられる。第2の導線は、第4の給電点から第2の給電点を通過して延伸するように設けられる。整合調整素子は、第1の導線のうち、第1の給電点の位置から第3の給電点と反対側の端までの部分である第1の先端部と、第2の導線のうち、第2の給電点の位置から第4の給電点と反対側の端までの部分である第2の先端部とを含む。
好ましくは、第1の放射器および整合器は、導線により構成される。整合器の線径は、第1の放射器の線径よりも細い。
さらに好ましくは、上述のいずれかのアンテナは、反射器をさらに備える。
さらに好ましくは、アンテナは、少なくとも1つの導波器をさらに備える。
さらに好ましくは、電波は、UHF(Ultrahigh Frequency)帯の電波である。
本発明のアンテナによれば、ループ状に形成された2つの放射器の各々が同じ大きさ(同一周囲長)であるため、生産効率を高めることができる。
以下において、本発明の実施の形態について図面を参照して詳しく説明する。なお、図中同一符号は同一または相当部分を示す。
[実施の形態1]
図1は、実施の形態1のアンテナの基本構成を示す概略図である。
図1を参照して、アンテナ1はUHF(Ultrahigh frequency)帯の電波を送信するアンテナである。電波WV1はアンテナ1から送信される電波を示す。なおアンテナ1は受信アンテナであってもよい。また、電波WV1はVHF(Very high frequency)帯の電波でもよい。
アンテナ1は、放射器2,3、放射器2,3を接続する平行線路LN、T整合器6を備える。これらの素子は「導線」により構成される。なお本発明における「導線」は金属のワイヤや棒や管等を含むものとする。
放射器2はループ状に形成され、給電点2A,2Bを有する。放射器3は放射器2と同一の形状を有する。つまり放射器3の周囲長は放射器2と同一である。放射器3は電波WV1の送信方向に沿って、電波WV1の中心波長λの約4分の1(λ/4)の距離を隔てて放射器2と並列配置される。放射器3は給電点3A,3Bを有する。
放射器2,3の各々の周囲長はたとえば中心波長λの1波長分の長さにほぼ等しくなるよう設定される。周囲長が1波長であるループ放射器は半波長ダイポールアンテナを2個並べた構造に近似できるため、1つの半波長ダイポールアンテナよりも利得等の特性において優れている。
平行線路LNは放射器2,3に給電するために設けられる。平行線路LNは、互いに等しい径を有する導線4,5を備える。導線4,5の方向は電波WV1の送受信方向に平行である。
導線4は給電点2A,3Aを電気的に接続する。導線5は給電点2B,3Bを電気的に接続する。これにより放射器2,3は同相で給電されて放射器3の前方すなわち電波WV1の送信方向に指向性が強くなる。
放射器2,3は同一の周囲長を有しているため、各々のインピーダンスは同じである。また、その周囲長は約1波長であるためインピーダンスは一般的に約120Ω程度となる。本実施の形態では導線4,5により構成される平行線路LNの線径および間隔を調整して平行線路のインピーダンス(特性インピーダンス)を高くする。平行線路LNのインピーダンスを高くすることによって給電点2A,2Bでのインピーダンスが高くなり、VSWR(Voltage Standing Wave Ratio:電圧定在波比)を下げることができる。
T整合器6は放射器2に対応して設けられる。T整合器6は平行線路LNのインピーダンスに対する放射器2のインピーダンスの整合を行なう。これによりアンテナ1の損失を下げることができる。T整合器6の線径、長さ、および放射器2とT整合器6との距離を変えることで整合が可能になる。
アンテナ1を設置した状態において、T整合器6はその両端部が放射器2のループの中心点を通る水平軸と、放射器2のループとの交点に接続される。T整合器6の両端部は図1のX1方向と平行になるように設けられる。T整合器6において両端部以外の部分は給電点2A,2Bのほうに折り返される。
アンテナ1は、さらに、放射器2に装荷される整合調整素子8を備える。整合調整素子8は本発明の「整合調整素子」に相当する。整合調整素子8はT整合器6による上述の整合を調整してアンテナ1の損失をさらに下げる働きをする。これによりアンテナ1の利得およびVSWRが最適になるよう調整される。
整合調整素子8は、導線4の先端部4Aと導線5の先端部5Aとを含んで構成される。導線4は給電点3Aから給電点2Aを通過して延伸するように設けられる。導線5は給電点3Bから給電点2Bを通過して延伸するように設けられる。
先端部4Aは導線4のうち給電点2Aの位置から給電点3Aと反対側の端までの部分である。先端部5Aは導線5のうち給電点2Bの位置から給電点3Bと反対側の端までの部分である。これら先端部4A,5Aのインダクタンス成分あるいはキャパシタンス成分によって放射器2のインピーダンスが調整される。具体的な調整方法としては先端部4A,5Aの間隔を変える(先端部4A,5Aの間隔を広げたり狭めたりする)方法や、先端部4A,5Aの長さを変える方法などがある。
なお、整合調整素子8は図1に示す構成に限定されず、容量素子やコイルであってもよい。しかしながら、導線の先端部が整合調整素子8に用いられることで部品点数を削減することができるとともにアンテナの構造を簡単にすることができる。
ループ放射器を複数備える従来のアンテナは一般的にループ放射器の周囲長を互いに変えて帯域を広げている。これに対し、アンテナ1はループの大きさが同一である放射器2,3を備える。これにより部品を共通化できるとともに放射器2,3を形成する際に導体の棒や管を曲げるための治具も1種類で足りる。よって、アンテナの生産効率を高めることができる。また、平行線路LNの線径および間隔を調整して平行線路LNのインピーダンスを高くし、かつ、放射器2にT整合器6を接続することによって、広帯域でVSWRの低下と利得の向上を図ることができる。さらに、整合調整素子8によってVSWRおよび利得を調整することが可能になる。以上のことから、本実施の形態によれば生産効率に優れるとともに広帯域であるアンテナを提供することが可能になる。
次にアンテナ1の具体例を示す。以下において図1のX1方向およびX2方向をアンテナ1の「背面方向」および「側面方向」とそれぞれ称する。なおX1方向およびX2方向は電波WV1の送信方向に対する平行方向および垂直方向をそれぞれ示す。
図2は、実施の形態1のアンテナを背面方向から見た図である。なお、図2は図1の給電点2A,2Bを通り、かつX2方向に平行な面でのアンテナの断面を示す。
図3は、図2の部分Aを拡大した図である。
図2および図3を参照して、アンテナ1Aは、UHFローチャネル帯の電波を送受信可能なアンテナを示す。ここでは「UHFローチャネル帯」は470〜596MHzの周波数帯を意味する。
アンテナ1Aは図1に示すアンテナ1に接続金具11,12、絶縁部13Aおよび金属棒14をさらに備えた構成を有する。放射器2の直径は約195mmである。導線4,5の間隔は約46mmである。
導線4,5の各々は接続金具11,12によって絶縁部13Aに取り付けられる。放射器2は接続金具12により絶縁部13Aに取り付けられる。これにより導線4,5は放射器2と電気的に接続される。絶縁部13Aは金属棒14上に設置される。
接続金具12はたとえばリベットや金属ネジなどである。2つの接続金具12は放射器2の給電点2A,2Bをそれぞれ通るように設けられ、その間隔は約30mmである。
なお、図2において中心点Mは放射器2のループの中心点である。また、水平軸Hはアンテナ1を設置した状態における水平方向の軸であり、中心点Mを通る。T整合器6の両端部はこの水平軸Hと放射器2との交点上に設けられる。
図4は、図2のアンテナ1Aを側面方向から見た図である。
図5は、図4の部分Bを拡大した図である。
図4および図5を参照して、放射器2,3の各々の線径は約8mmである。また放射器2,3の間隔は約135mmである。
T整合器6と放射器2との間隔は約30mmである。導線4の線径は約4mmである。また、整合調整素子8を構成する先端部4Aの長さは約35mmである。図4,5には導線5が示されていないが、導線5の線径は約4mmであり、導線5の先端部5Aの長さは約35mmである。
図2および図3と同様の接続形態により導線4,5は放射器3の2つの給電点(図1の給電点3A,3B)にそれぞれ接続される。また、放射器3および導線4,5は絶縁部13Bに取り付けられる。絶縁部13Bは金属棒14上に設置される。
次に、導線4,5の線径と間隔との関係について説明する。
アンテナ1Aの場合、放射器2,3のインピーダンスが約120Ωであることを考慮すると、平行線路LNの好ましいインピーダンスの範囲は約330〜約400Ωであり、より好ましい範囲は約360〜約380Ωである。このような範囲に平行線路のインピーダンスを設定することで、470〜590MHzの周波数帯域の全域でVSWRを良好にすることが可能になる。
また、このときの給電点2A,2Bにおける給電点インピーダンスは約200Ωになるので、図示しない送受信回路から同軸ケーブルを介してアンテナ1Aに給電する際に同軸ケーブルとの整合が容易になる。
導線4,5の線径をdとし、導線4,5の間隔をDとすると、平行線路LNのインピーダンスは一般的に276×log10(2D/d)と示される。このように平行線路のLNのインピーダンスは線径dに対する間隔Dの比(=D/d)に応じて変化する。D/dが8〜15の間であればインピーダンスは約330〜約400Ωの間となる。またD/dが10〜12の間であればインピーダンスは約360〜約380Ωの間となる。図2〜図5に示すアンテナではD/d=46/4=11.5に設定されている。
なお上述のD/dの条件を満たすように線径dおよび間隔Dを設定するに際しては、アンテナの設置条件を考慮する必要がある。特に降雪量の多い地域にアンテナを設置する可能性がある場合には、導線4,5の線径を大きくして導線4,5の間隔を広げるほうがよい。その理由は、導線4,5にまたがって雪が積もる可能性が低くなるので、破損の問題や電気的特性の劣化の問題を防ぐことが可能になるためである。
しかし、導線4,5の線径や間隔が大きくなるとアンテナが大型化するという問題が発生する。逆に導線4,5の線径dが小さいと導線4,5の間に雪が積もりにくくなるが、アンテナの強度自身が低下する。
これらの点を考慮してアンテナ1Aでは導線4,5の線径が4mmに設定されている。ただし、D/dが上述の範囲を満たすのであれば導線4,5の線径および間隔は必要に応じて適切に定めることができる。
また、同様にT整合器6への着雪による電気的特性の劣化を防ぐ必要がある。このためT整合器6の線径(約4mm)は放射器2の線径(約8mm)よりも小さく設定されている。
図6は、図2の絶縁部13Aを導線4,5が設置される面と直交する方向から見た図である。
図6を参照して、接続金具11,12には給電ケーブル15が接続される。給電ケーブル15は平行線路を構成し、バラン(balun:平衡不平衡変成器)16を介して同軸ケーブル17に接続される。バラン16の変成比は4:1(=200:50)に設定される。多くの場合、同軸ケーブル17のインピーダンスは50Ωである。よってアンテナ1Aと同軸ケーブル17とを整合させることができるので、送受信装置(図示せず)とアンテナ1Aとの間での電力の損失を小さくすることができる。バラン16はたとえば変成器や分岐導体等を用いて構成される。
続いて、アンテナ1Aによる効果の理解のため、アンテナ1Aの比較例、および比較例の特性を説明する。まず、複数のループ素子を備える従来型のアンテナの構成を示す。
図7は、従来型のアンテナを図2と同方向から見た図である。なお、図7は図2と同様に図1の給電点2A,2Bを通り、かつX2方向に平行な面でのアンテナの断面を示す。
図7および図2を参照して、アンテナ1Bは異なる大きさの放射器2,3を備える点で図2のアンテナ1Aと異なる。アンテナ1Bにおいて放射器2,3のループ径はそれぞれ約205mm,約185mmである。また、導線4,5の間隔はアンテナ1Bのほうがアンテナ1Aよりも狭く、約30mmとなっている。
図8は、図7のアンテナ1Bを図4と同方向から見た図である。
図8および図4を参照して、アンテナ1Bとアンテナ1Aとの相違点は導線4の線径、先端部4Aの有無、T整合器6の線径、およびT整合器6と放射器2との間隔である。これらの相違点を順に説明する。
まず、導線4の線径はアンテナ1Bでは8mm、アンテナ1Aでは4mmである。次に、先端部4Aはアンテナ1Bには設けられていない。また、T整合器6の線径はアンテナ1Bでは8mm、アンテナ1Aでは4mmである。最後に、T整合器6と放射器2との間隔はアンテナ1Bでは20mm、アンテナ1Aでは35mmである。
次に比較例の構成を説明する。比較例はアンテナ1Aの一部またはアンテナ1Bの一部を変更したものである。
図9は、アンテナ1Aの比較例を表形式で示す図である。
図9を参照して、従来型アンテナ(アンテナ1B)、本発明のアンテナ(アンテナ1A)、4つの比較例(比較例1〜4)の各々について、(1)放射器2,3のループ径、(2)導線4,5の線径、(3)導線4,5の間隔、(4)T整合器6の線径、(5)T整合器6と放射器2との間隔、(6)整合調整素子8の有無、が示される。
比較例1は、従来型アンテナに対して上記(1)が異なり、2つの放射器のループ径がともに約195mmである。
比較例2は、本発明のアンテナに対して上記(4),(5)が異なり、T整合器6の線径が約8mm、T整合器6と放射器2との間隔が約20mmである。
比較例3は、本発明のアンテナに対して上記(2),(3)が異なり、導線4,5の線径および間隔がそれぞれ約8mm,約30mmである(D/d=3.75)。
比較例4は、本発明のアンテナに対して上記(6)が異なり、整合調整素子8が設けられていない。
続いて、比較例1〜4およびアンテナ1Aのそれぞれについて利得およびVSWRを測定した結果を以下に示す。なお、アンテナの性能は、利得が高くなるほどよく、VSWRが低くなるほどよい。
図10は、比較例1の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。
図11は、比較例2の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。
図12は、比較例3の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。
図13は、比較例4の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。
図14は、アンテナ1Aの利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。
図10〜図14を参照して、各図の周波数範囲は上述のUHFローチャネル帯を含む470〜620MHzの範囲である。曲線G1〜G5は比較例1〜4およびアンテナ1Aの利得をそれぞれ示す曲線である。曲線V1〜V5は比較例1〜4およびアンテナ1AのVSWRをそれぞれ示す曲線である。
図10〜図14では特に、周波数が470MHzから500MHzの範囲において利得の変化およびVSWRの変化に違いが見られるので、この点について説明する。
図10では、利得の低下が大きく約5.6dBから約4.4dBに変化する。またVSWRの上昇が大きい。図10はループ放射器の大きさを単に揃えただけでは良好な特性が得られないことを示す。
図11および図12では、図10と同様に利得の低下とVSWRの上昇が見られる。ただし利得の低下は図10よりもやや緩やかである。図11および図12は平行線路LNのインピーダンスを所定の範囲内に設定すること、および放射器2のインピーダンスを平行線路LNのインピーダンスに整合させることが、良好な特性を得るために必要であることを示す。
図13では利得の変化がわずかになるとともにVSWRの変化も図12より小さくなる。また、図12と比較してVSWRは全体的に小さくなる。図14では利得の変化は図13と同程度であるがVSWRの変化が図13よりも小さくなっている。
図13と図14とを比較すると図14のほうが470〜560MHzでの利得が高くなるとともに470〜590MHzでのVSWRが低下している。このことは整合調整素子8がなくてもアンテナ1Aの特性はある程度良好なものとなるが、整合調整素子8によって、放射器2と平行線路LNの整合が調整された結果、アンテナ1Aの特性がより向上していることを示す。
以上のように実施の形態1によれば、2つのループ放射器の大きさを等しくすることによって部品を共通化できるのでアンテナの生産効率を高めることができる。
また、実施の形態1によれば、平行線路の線径および間隔を適切に設定して定めたインピーダンスに対して、放射器の給電点でのインピーダンスを整合させることで、広い周波数帯域でVSWRを低くできる。また、平行線路の線径を細くしながら間隔を広げることで、着雪によるアンテナの電気的特性の劣化を防止することができる。
また、実施の形態1によれば、T整合器の線径を適切に設定することで着雪による電気的特性の劣化を防止することができる。
また、実施の形態1によれば、平行線路を構成する2本の導線の各々の一部を放射器と平行線路との整合回路として利用することで、アンテナの特性を高めることができる。また部品点数を削減してアンテナの構造を簡単にすることができる。
[実施の形態2]
図15は、実施の形態2のアンテナの上面図である。
図16は、実施の形態2のアンテナの背面図である。
図17は、実施の形態2のアンテナの側面図である。
図15〜図17を参照して、アンテナ21は、さらに、反射器22と5つの導波器23とを備える点で図2〜図5に示すアンテナ1Aと異なる。なお、アンテナ21の他の部分はアンテナ1Aと同様の構成を有するので以後の説明は繰り返さない。
反射器22および導波器23は導線を用いてループ状に形成される。反射器22および導波器23のループ径はそれぞれ約217mm、約147mmである。
アンテナ21の全長は約1010mmである。放射器2と反射器22との間隔は約145mmである。放射器3と導波器23との間隔は約130mmである。複数の導波器23同士は約110mmの間隔で設けられる。ただし各寸法は一例を示すものであり、上述の値に限定されるものではない。
なお、図15〜図17は実施の形態2のアンテナの構成の一例を示すものである。よって、アンテナ21は反射器22と導波器23とのうちの反射器22のみを備えていてもよい。あるいはアンテナ21は反射器22と少なくとも1つの導波器23とを備えるよう構成されていてもよい。実施の形態2のアンテナはこのような構成を有することで実施の形態1よりも高利得、かつ低VSWRとすることができる。
アンテナ21は、マスト取付金具24をさらに備える。マスト取付金具24はアンテナ21をマスト(図示せず)に取り付けるために金属棒14に取り付けられる。
図18は、図15〜図17に示すアンテナ21の利得およびVSWRを示す図である。
図18を参照して、曲線G6は利得の変化を示し、曲線V6はVSWRの変化を示す。図18と図14とを比較すると、アンテナ21はアンテナ1Aよりも全体的に利得が高くなるとともにVSWRが低くなっている。
以上のように実施の形態2によれば、実施の形態1のアンテナに反射器、または反射器と少なくとも1つの導波器とを追加することによって、特性を向上させることが可能になる。
なお、以上の説明では実施の形態1および形態2のアンテナの周波数帯域は470〜596MHzであるとした。この周波数帯域は日本における地上デジタル放送の13チャネルから33チャネルに相当する。よって実施の形態1および形態2のアンテナは地上デジタル放送用の送信アンテナ(または受信アンテナ)として適用可能である。ただし本発明のアンテナの周波数帯域はこのように限定されるものではなく、用途に応じて適切に定めることが可能である。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
実施の形態1のアンテナの基本構成を示す概略図である。 実施の形態1のアンテナを背面方向から見た図である。 図2の部分Aを拡大した図である。 図2のアンテナ1Aを側面方向から見た図である。 図4の部分Bを拡大した図である。 図2の絶縁部13Aを導線4,5が設置される面と直交する方向から見た図である。 従来型のアンテナを図2と同方向から見た図である。 図7のアンテナ1Bを図4と同方向から見た図である。 アンテナ1Aの比較例を表形式で示す図である。 比較例1の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。 比較例2の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。 比較例3の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。 比較例4の利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。 アンテナ1Aの利得およびVSWRを測定した結果を示す図である。 実施の形態2のアンテナの上面図である。 実施の形態2のアンテナの背面図である。 実施の形態2のアンテナの側面図である。 図15〜図17に示すアンテナ21の利得およびVSWRを示す図である。
符号の説明
1,1A,1B,21 アンテナ、2,3 放射器、2A,2B,3A,3B 給電点、4A,5A 先端部、4,5 導線、6 T整合器、8 整合素子、11,12 接続金具、13A,13B 絶縁部、14 金属棒、15 給電ケーブル、16 バラン、17 同軸ケーブル、22 反射器、23 導波器、24 マスト取付金具、H 水平軸、G1〜G6,V1〜V6 曲線、LN 平行線路、M 中心点、WV1 電波。

Claims (7)

  1. ループ状に形成される第1の放射器と、
    前記第1の放射器と同一形状であり、電波の送受信方向に沿って前記電波の中心波長の4分の1の距離を隔てて前記第1の放射器と並列配置される第2の放射器と、
    前記第1および第2の放射器を接続する平行線路と、
    前記第1の放射器に対応して設けられる整合器と、
    前記第1の放射器に装荷される整合調整素子とを備え
    前記第1の放射器は、第1および第2の給電点を有し、
    前記第2の放射器は、第3および第4の給電点を有し、
    前記平行線路は、
    前記第3の給電点から前記第1の給電点を通過して延伸するように設けられる第1の導線と、
    前記第4の給電点から前記第2の給電点を通過して延伸するように設けられる第2の導線とを含み、
    前記整合調整素子は、
    前記第1の導線のうち、前記第1の給電点の位置から前記第3の給電点と反対側の端までの部分である第1の先端部と、
    前記第2の導線のうち、前記第2の給電点の位置から前記第4の給電点と反対側の端までの部分である第2の先端部とを含む、アンテナ。
  2. 前記平行線路は、
    互いに等しい径を有する第1および第2の導線を含み、
    前記平行線路のインピーダンスは、前記径に対する第1および第2の導線の間隔の比に応じて変化し、
    前記比は、8から15の間になるように定められる、請求項1に記載のアンテナ。
  3. 前記比は、10から12の間になるように定められる、請求項2に記載のアンテナ。
  4. 前記第1の放射器および前記整合器は、導線により構成され、
    前記整合器の線径は、前記第1の放射器の線径よりも細い、請求項1に記載のアンテナ。
  5. 反射器をさらに備える、請求項1からのいずれか1項に記載のアンテナ。
  6. 少なくとも1つの導波器をさらに備える、請求項に記載のアンテナ。
  7. 前記電波は、UHF(Ultrahigh Frequency)帯の電波である、請求項1からのいずれか1項に記載のアンテナ。
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