JP4726735B2 - アンテナ - Google Patents
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Description
この放射器においては,放射器本体単体で最もよい前後比が得られるように決定された同一規格の放射器本体を多数製作しておき,これに対してコイルを複数製作しておいて,特定周波数で良特性が得られる特別注文に対しては,放射器本体に適宜所望の周波数特性で良特性が得られるようなコイルをつけて製品化すると言う簡単な手段によって応じられ,その納期は非常に短くすることができると共に,価格も安くすることができる。
(例えば,特許文献1参照)
しかも,その導体棒はアンテナの軽量化のために金属パイプが用いられている場合が多く,その先端部の切断面から給電点に向かって雨水等が浸入するのを防止するために防水キャップ等を取付けたり,先端分をプレス加工等によって押しつぶしたりする必要があり,キャップの場合はその取付けに手間がかかるし,その耐久性にも問題があった。また,プレスの場合は生産工程が複雑になるといった問題があった。
また,放射器を細い導体棒を用いて構成しているので,更に電気的特性の改善をするためには,放射器を太い導体棒で構成して放射素子の面積を広くして最適化すればよいのであるが,これには放射器が大きくなったり,重くなったりし,延いては製品コストが高くなると言った問題があった。
そこで本願においては,こうした問題点を解決するためになされたものであり,
その目的は,簡単な構成で電気的特性のよいアンテナを提案することを課題とする。
他の目的は,広帯域に亘って特性のよいアンテナを提案することを課題とする。
他の目的は,小型でも高性能なアンテナを提供することを課題とする。
他の目的は,設置工事に際して簡単且つ安全なアンテナを提供することがある。
他の目的は,簡単な構成で組立て易くても耐久性の高いアンテナを提供することを課題とする。
また,従来のように導体棒で放射素子を形成するよりもループアンテナで構成することで放射素子が広い面積を有するようになり,これによって放射器の電気的特性が改善される。
更に,放射器のループアンテナの中をアンテナ支持杆が通過するように構成すると共に,放射器のケースの下方にアンテナ支持杆の取付に邪魔にならない位置に形成した収容部の収容空間に,例えば平衡不平衡変換部のようにその配設に所定のスペースが必要とする部品等を収納できるようになったので,ケースの前記空間を大きくすることがなく,アンテナの上方に突設する寸法を小さくすることができスマートなアンテナが提供できる。また,アンテナ出力端子の先端部が,前記アンテナ支持杆中心軸線上を通過し該中心軸線に略平行に形成される仮想平面と略同じか下方向に位置するように突設しているので,アンテナ支持杆の下方に突設するループアンテナの下辺にあたる下部素子やアンテナ支持杆が,アンテナ出力端子への引込線の接続作業性を損なうことのない,作業性に優れたアンテナを提供できる。
図1は本発明に係るアンテナの放射器の構成を示す概略斜視図である。図2は本発明に係るアンテナの導波器を示す概略構成図であり(a)は上面図であり,(b)は正面図であり,(c)は背面図であり,(d)は右側面図である。図(3)は本発明に係るアンテナを示す概略の構成図であり,(a)は上面図であり,(b)は側面図である。図4は図3(a)におけるA−A線断面図であり,(b)は図3(a)におけるB−B線断面図(反射器は省略した)である。図5は本発明のアンテナの電気的特性を示すデータである。
しかも,第1ループアンテナ11と第2ループアンテナとは,ループアンテナの配列方向に相対向する第1ループアンテナ11の元部11gの接続点11a,11a´と第2ループアンテナ12の元部12gの接続点12a,12a´との間に,夫々位相調整用の位相調整手段15,15が介設されている。
尚,本発明に実施例では放射素子としてのループアンテナの形状を矩形としたが,特にこの形状に限定されるものではなく必要に応じて他の形状となるように構成してもよい。
ここで,放射器のループアンテナの具体的な寸法を示す。第1のループアンテナ11は側部放射素子11b−11c間の長さW4=265mm,側部放射素子11b(11c)の長さH4=40.5mmであり,第2のループアンテナ12は側部放射素子12b−12c間の長さW5=235mm,側部放射素子の長さH5=40.5mmであり,第1のループアンテナ11と第2のループアンテナ12の間隔は52mmである。
このように構成された放射器10は第1ループアンテナ11,第2ループアンテナ12の配列方向に最大の指向特性を有するように構成される。
尚,本発明の実施例において,前記第1ループアンテナ11および前記第2ループアンテナ12は直径3mmの金属棒を所定長に折り曲げ形成したものであるが,金属パイプで形成してもよいし,導電材をプレス加工したものでもよいし,細い線材をループ状に形成したものを樹脂で一体成形してもよい等,導電材料であれば実施例に限定されるものではない。
尚,本発明の実施例では,前記位相調整手段15はプリント配線板に備えられた金属導体を所定の長さにエッチングすることによって形成したものでもよいし,金属板等を所定長に打ち抜き形成するなどして形成してもよい。
ここで,導波器の第3ループアンテナ30の具体的な寸法を示す。本発明の実施例では,導波器の幅WはそれぞれW1=110mm,W2=125mm,W3=140mmの3種類あり,夫々の導波器は長さH1=20mmが同じ長さの側部放射素子30b(30c)から構成されており,第3ループアンテナ30を相互に60mm離すように配設されて導波器3が構成されている。
尚,本発明の実施例では,前記第3ループアンテナ30は直径3mmの金属棒を所定長に折り曲げ形成したものであるが,この実施例に限定されるものではなく,金属パイプで形成してもよいし,導電材をプレス加工したものでもよいし,細い線材をループ状に形成したものを樹脂で一体成形してもよい等,導電材料であれば実施例に限定されるものではない。また,この実施例では第3のループアンテナ30が矩形をしている例を示したが,この実施例に限定されるものではなく適宜にその形状を変えてもよい。
そして,第5の導波器3Cの後方には,第2ループアンテナ12と第1ループアンテン11との前後の中心点と前記第6の導波器3Cとの間隔がL3となるように放射器10が配設され,放射器10の後方には間隔L4だけ離れて反射器20が配設されて全部で7エレメントのUHFアンテナを構成している。
ここで,各素子の間隔の具体的な寸法を示す。本発明に係る実施例においてはL1=100mm,L2=110mm,L3=70mm,L4=120mmである。
尚,この図に示されるように,第1,第2および第3の導波器3Aの幅がW1であり,第4および第5の導波器3Bの幅がW2であり,第6の導波器3Cの幅がW3である。これらの導波器の高さ(側部導波素子3b)は何れもH1である。
放射器10は,第2ループアンテナ12の幅がW5であり,第1ループアンテナ11の幅がW4であり,その高さはH4,H5で示されている。尚,本発明の実施例ではH4とH5は同じ寸法である。
このように構成されたアンテナの電気的特性を図5に示す。このデータは特にアンテナの前後比に注目したデータであり,従来の導体棒で構成したアンテナの場合とループアンテナで構成した場合を比較したものである。この結果によれば,本発明のループアンテナで構成したものが導体棒で構成したものに比べてほぼ全体域に渡って前後比の改善が見られる。
尚,本発明の実施例ではループアンテナの高さは導波器3がH1であり,放射器がH4(=H5)である2種類から構成されているが,特にこの実施例に限定されるものではなく,例えば,隣り合うループアンテナの,電波到来方向に対して前方に位置するループンテナの垂直方向の高さが,後方に位置するループアンテナの垂直方向の高さより僅かに小さくなるように構成してもよい。
つまり,反射器20の外形はW6×H6=280×100mmであるので,各エレメントの高さが,反射器20から最前列の導波器3に向かって徐々に小さく(即ち,ループアンテナの長さが短くなる)なるように構成してもよい。
導波器3(図では第6の導波器3C)をアンテナ支持杆2に取付ける手順を説明する。先ずアンテナ支持杆2を導波器3のループアンテナ支持台31に形成した挿通孔34に挿通する。アンテナ支持杆2には上述に示す第1の導波器3Aから第6の導波器3Cの配設間隔であるL1,L2,L3に対応する位置にアンテナ支持杆2を貫通するように導波器取付用の貫通孔23が形成されているので,この中から所定の導波器を,それに対応する導波器取付用の貫通孔23の軸線とループアンテナ支持台31の突設片32に形成された貫通孔33の軸線とを略一致するように位置させて,例えば突設片32の上方から貫通孔33,導波器取付用の貫通孔23を挿通するようにネジ21を備え,このネジ21をアンテナ支持杆2の下側に備えたナット22に螺合する事によって導波器3とアンテナ支持杆2を挟着保持すれば,導波器3はアンテナ支持杆2に対して所定の間隔で取付けられる。
尚,本発明の実施例ではアンテナ支持杆2は導波器の中心点(即ち,ループアンテナ支持台に形成された挿通孔)を通過するようにして導波器3を支持した例を示したが,図3(c)に示されるようにアンテナ支持杆2の上側(もしくは下側)に書くエレメントが配されるように構成してもよいなど特に限定されるものではない。
取付部8の略中央部には,前記ネジ25に螺合する雌ネジ部を有するナット9が備えられているので,このナット9にネジ25を螺合する事によって放射器10はアンテナ支持杆2に取付けられる。前記取付部8が形成されたケース本体7の底部には,放射器10にアンテナ支持杆2が取付けられたときに,アンテナ支持杆2の上側外周に当接するように形成された湾曲部17aを有する受片17が,取付部8を挟んでアンテナ支持杆2の軸方向に配列するようにケース本体7の前後に形成されており,放射器10がアンテナ支持杆2に対して安定して取付けられるように構成されている。この取付け状態を図4(b)に示す。
更に収容部18は,アンテナ出力端子40の先端部が,前記アンテナ支持杆の中心軸線上を通過し該中心軸線に略平行に形成される仮想平面(図4(b)におけるH−H線)と略同じか下方向に位置するように形成されていることから,アンテナ出力端子40に対して引込線を接続する際に,アンテナ支持杆2やループアンテナ11,12が邪魔になって接続の容易性を損なうことがない。一例として図4(b)に示されるように,アンテナ出力端子40の先端部がほぼループアンテナの下部放射素子11e,12eが配列方向に形成する仮想平面上になるようにその高さが形成されていればよい。
また,平衡不平衡変換部45等の収容部18をアンテナ支持杆2が配設される側(即ち,下方に)でアンテナ支持杆2の取付けに邪魔にならない位置に突設したので,放射器10のケース5がアンテナ支持杆2の上方に突設する部分が小さくできる。
尚,本発明の実施例では,収容部18には平衡不平衡変換部45等を収納する例を示したが,平衡不平衡変換部45等ばかりでなく例えばこのUHFアンテナの出力信号と,図には示されていない例えば衛星アンテナのような外付けのアンテナからの信号を混合して一つのアンテナ出力端子40から出力する混合回路を収納してもよい。この場合,収容部18の下面には,外付けアンテナからの引込線を接続する外付けアンテナ用の外部アンテナ入力端子を備えさせればよい。
また,アンテナ支持杆2の取付けに邪魔にならない位置に形成した収容部の収容空間に,例えば平衡不平衡変換部のようにその配設に所定のスペースが必要とする部品等を収納できるようになったので,ケースの前記空間を大きくすることがなく,アンテナの上方に突設する寸法を小さくすることができスマートなアンテナが提供できる。更に,アンテナ出力端子の先端部が,前記アンテナ支持杆中心軸線上を通過し該中心軸線に略平行に形成される仮想平面と略同じか下方向に位置するように突設しているので,アンテナ支持杆の下方に突設するループアンテナの下辺にあたる下部素子が,アンテナ出力端子への引込線の接続作業を損なうことがなく,作業性のよいアンテナを提供できる。
また,放射器および導波器の各素子の面積を広くすることができるので,優れた電気的特性を有するアンテナを提供できる。
尚,本発明は上記実施の形態に限定されるものではなく,各部の構成を適宜に変更して実施することも可能である。
Claims (4)
- 放射器を挟んで前後に導波器と反射器を配置してなるアンテナにおいて,
前記放射器は,相互に離間して並列配置された1つの第1ループアンテナ及び1つの第2ループアンテナから構成され,該各ループアンテナは,それぞれのループ面が該各ループアンテナの配列方向に直交するように配置されており,
前記導波器は,一対の第3ループアンテナを互いに対称位置に離隔して配置した構成であり,
前記放射器は,前記第1ループアンテナ及び前記第2ループアンテナのループ内における水平方向の略中心を通過するアンテナ支持杆によって保持され,
前記導波器は,前記第3ループアンテナの相互間の略中心点を前記アンテナ支持杆によって保持され,
前記放射器は,
前記第1ループアンテナ及び前記第2ループアンテナの元部,及びアンテナの出力を不平衡出力にするための平衡不平衡変換部を内部に収納する空間を有するケースと,
該ケースの内部と外部とを接続するための同軸接栓座と,
を備え,
該ケースは,その底面における前記アンテナ支持杆の取付けに邪魔にならない位置に,底面から更に下方に突設して内部に前記空間と連設した収納空間を有する収容部を備え,
前記同軸接栓座は,前記収容部の底面から下方に向いて,その先端部が,前記アンテナ支持杆の中心軸線上を通過し該中心軸線に略平行に形成される仮想平面と略同じか下方向に位置するように突設した
ことを特徴としたアンテナ。 - 前記第1ループアンテナの長さは使用周波数における最小周波数に対応する波長λ1と略等しい長さであり,前記第2ループアンテナの長さは使用周波数における中心周波数に対応する波長λ2と略等しい長さであり,第1ループアンテナと第2ループアンテナ相互間の間隔は使用周波数における中心周波数に対応する波長λ2の略10分の1である
ことを特徴とした請求項1に記載のアンテナ。 - 電波到来方向に対して前後に隣り合う前記各ループアンテナのうち前方に位置するループアンテナの長さは,後方に位置するループアンテナの長さと同じ若しくは僅かに小さくなるように構成したことを特徴とした請求項1又は請求項2に記載のアンテナ。
- 前記放射器またはアンテナの使用周波数はUHF帯であることを特徴とした請求項1から請求項3の何れか一項に記載の放射器またはアンテナ。
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