JP4807314B2 - ディーゼル機関 - Google Patents

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本発明は、ディーゼル機関に関する。
特開2003−148152号公報には、スワールを生成するスワールポートと、その吸気導入量が多くなるほどスワールを抑制する方向に働くスワール調整ポートと、スワール調整ポートに設けられた絞り弁とを備え、高回転高負荷時には、低回転低負荷時に比べ、上記絞り弁の開度を大きくするエンジンの吸気装置が開示されている。
特開2003−148152号公報 特開平5−306637号公報
上記従来の装置では、低回転低負荷時、スワール調整ポートに設けられた絞り弁の開度を小さくするので、スワール調整ポートの吸気量が少なくなり、スワールポートからの吸気量が多くなる。その結果、強いスワールが生成される。低回転低負荷時にスワールが強いと、燃料が筒内で過拡散し、燃料が希薄になり過ぎて、不完全燃焼し易くなる。このため、HC排出量が増大するという問題がある。
また、上記従来の装置では、低回転低負荷時、スワール調整ポートに設けられた絞り弁の開度を小さくするので、ポンプ損失が増大し、燃費が悪化するという問題もある。
この発明は、上記の点に鑑みてなされたものであり、HC排出量を低減するとともに、燃費も低減することのできるディーゼル機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、ディーゼル機関であって、
第1吸気弁と、
第2吸気弁と、
前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
所定の運転領域において、前記第1吸気弁が閉じた後、ピストンの上昇に伴って気筒内の空気の一部を前記第2吸気弁を通して前記第2吸気ポートへ逆流させてから前記第2吸気弁が閉じるように、両吸気弁の作動を制御する吸気弁制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記第2吸気ポート単独でのスワール比が、前記第1吸気ポート単独でのスワール比より大きいことを特徴とする。
また、第3の発明は、ディーゼル機関であって、
第1吸気弁と、
第2吸気弁と、
前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
所定の運転領域において、前記第2吸気弁の作用角が前記第1吸気弁の作用角より大きくなるように、両吸気弁の作動を制御する吸気弁制御手段と、
を備え、
前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きいことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記所定の運転領域において、排気弁の開弁期間と、前記第1吸気弁および/または前記第2吸気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を設けることにより、内部EGRを行う内部EGR手段を備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおいて、
前記所定の運転領域は、機関負荷が所定負荷より低い領域であることを特徴とする。
第1の発明によれば、所定の運転領域において、第1吸気弁が閉じた後、ピストンの上昇に伴って気筒内の空気の一部を第2吸気弁を通して第2吸気ポートへ逆流させてから第2吸気弁を閉じることができる。このとき、気筒内から第2吸気ポートへ逆流しようとする空気は、吸気行程で筒内に形成されたスワールの旋回方向と逆方向に旋回しながら第2吸気ポートへ流入していくので、筒内のスワールを打ち消すように作用する。このため、スワールを十分に抑制することができるので、燃料の過拡散を確実に防止することができる。その結果、不完全燃焼を少なくすることができ、HC排出量を確実に低減することができる。更に、第1の発明によれば、上記所定の運転領域において第2吸気弁の閉じ時期を遅くするので、ポンプ損失を低減することができる。このため、燃費の低減にも寄与する。
第2の発明によれば、第2吸気ポート単独でのスワール比が第1吸気ポート単独でのスワール比より大きいので、筒内から第2吸気ポートへ逆流する空気が作る逆旋回のスワールがより強く生ずる。このため、吸気行程で筒内に形成されたスワールをより一層打ち消すことができるので、スワールをより確実に抑制することができる。よって、HC排出量を更に低減することができる。
第3の発明によれば、所定の運転領域において、第2吸気弁の作用角を第1吸気弁の作用角より大きくすることができるので、スワール比の小さい第2吸気ポートを通って筒内に流入する空気量の比率を大きくし、スワール比の大きい第1吸気ポートを通って筒内に流入する空気量の比率を小さくすることができる。このため、スワールを十分に抑制することができるので、燃料の過拡散を確実に防止することができる。その結果、不完全燃焼を少なくすることができ、HC排出量を確実に低減することができる。更に、第3の発明によれば、上記所定の運転領域において第2吸気弁を大作用角とするので、ポンプ損失を低減することができる。このため、燃費の低減にも寄与する。
第4の発明によれば、上記所定の運転領域において、内部EGR量を多くすることにより、筒内温度を高めることができる。その結果、不完全燃焼を更に少なくすることができ、HC排出量を更に低減することができる。
第5の発明によれば、HC排出量の多くなり易い軽負荷領域において、HC排出量を十分に低減することができる。
以下、図面を参照してこの発明の実施の形態について説明する。なお、各図において共通する要素には、同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
実施の形態1.
[システム構成の説明]
図1は、本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態のシステムは、4サイクルのディーゼル機関10を備えている。ディーゼル機関10は、複数気筒を有しており、図1には、そのうちの1気筒の断面が示されている。
ディーゼル機関10の各気筒には、燃料を筒内に直接噴射するインジェクタ12と、吸気弁14と、排気弁16と、ピストン18とが設置されている。
ディーゼル機関10は、1気筒当たり二つの吸気弁14を備えている。この二つの吸気弁14を区別するため、以下、一方を第1吸気弁14aと呼び、他方を第2吸気弁14bと呼ぶ。
ディーゼル機関10には、第1吸気弁14aを駆動する第1動弁機構20と、第2吸気弁14bを駆動する第2動弁機構22と、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開弁位相を可変とする位相可変機構24とを有している。これらの機構については、後に説明する。また、排気弁16は、その開弁特性を可変とする可変動弁機構で駆動されるものでも、開弁特性が固定の通常の動弁機構で駆動されるものでも、どちらでもよい。
本実施形態のシステムは、更に、ディーゼル機関10のクランク軸26の回転角度を検出するクランク角度センサ28と、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ30と、ECU(Electronic Control Unit)50とを備えている。ECU50には、上述した各種のセンサおよびアクチュエータが接続されている。ECU50は、各センサの出力に基づき、所定のプログラムに従って各アクチュエータを作動させることにより、ディーゼル機関10の運転状態を制御する。
図2は、図1に示すシステムにおけるディーゼル機関10の吸気ポートを説明するための模式的な平面図である。図2に示すように、ディーゼル機関10には、1気筒当たり、第1吸気ポート32aおよび第2吸気ポート32bの二つの吸気ポートを備えている。第1吸気ポート32aは、第1吸気弁14aにより開閉され、第2吸気ポート32bは、第2吸気弁14bにより開閉される。
このようなディーゼル機関10は、第2吸気ポート32b単独でのスワール比が、第1吸気ポート32a単独でのスワール比より大きくなるように構成されている。すなわち、第2吸気ポート32bのみから筒内に空気を流入させた場合のスワール比が、第1吸気ポート32aのみから筒内に空気を流入させた場合のスワール比より大きくなるようにされている。
図3は、第2動弁機構22を示す側面図である。第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの作用角およびリフト量(以下単に「作用角」という)を連続的に変化させることのできる作用角可変機構である。ディーゼル機関10には、クランク軸26によりベルトを介して回転駆動される吸気カム軸34が設けられている。第2動弁機構22は、この吸気カム軸34に形成されたカム36と、第2吸気弁14bとの間に設けられている。なお、吸気カム軸34は、図3中で時計回りに回転する。
一方、第1動弁機構20は、同じ吸気カム軸34と、第1吸気弁14aとの間に設けられており、第1吸気弁14aを固定の作用角で駆動する機構である。つまり、第1動弁機構20は、吸気カム軸34に設けられたカムのプロフィールに応じた固定作用角で第1吸気弁14aを駆動する、通常の動弁機構である。よって、第1動弁機構20については、その詳細な図示を省略する。
以下、図3を参照して、第2動弁機構22について詳細に説明する。第2動弁機構22は、吸気カム軸34と平行に配置された制御軸38と、この制御軸38を所定角度範囲内で回転させることのできる制御軸駆動機構(図示せず)とを有している。この制御軸駆動機構の構成は、特に限定されないが、例えば、制御軸38の一端側に固定されたウォームホイールと、このウォームホイールに噛み合うウォームギヤと、このウォームギヤを回転駆動するサーボモータとで構成することができる。この場合、そのサーボモータの回転方向および回転量を制御することにより、制御軸38の回転位置(回転角度)を制御することができる。
更に、第2動弁機構22は、揺動アーム40を有している。揺動アーム40は、制御軸38を中心として揺動可能に設置されている。揺動アーム40には、カム36に対向する側に、スライダー面42が形成されている。
揺動アーム40とカム36との間には、スライダーローラ44が配置されている。スライダーローラ44は、同軸上に配置された大ローラおよび小ローラで構成されており、そのうちの大ローラがカム36の周面と接触し、小ローラがスライダー面42と接触している。
スライダーローラ44は、支持アーム46の先端部に、自由に回転可能に設置されている。支持アーム46は、制御軸38の外周に沿う円弧状をなしている。制御軸38には、図3中で左方向に突出する制御アーム48が固定されている。つまり、制御アーム48は、制御軸38と一体となって回転する。この制御アーム48の先端部と、支持アーム46の基端部とが、ピン52により、回動可能に連結されている。
このような構成により、制御軸38を回転させることで、スライダーローラ44を移動させることができる。すなわち、図3に示す状態から制御軸38を反時計回りに回転させると、スライダーローラ44は、支持アーム46に押されて、揺動アーム40の先端方向へ移動する。その状態から制御軸38を時計回りに回転させると、スライダーローラ44は、制御軸38に近づく。図3は、スライダーローラ44を制御軸38に最も近づけた状態を示している。
スライダー面42は、揺動アーム40の先端側に行くほど、カム36の中心との距離が徐々に大きくなるような曲面(例えば円弧面)をなしている。
揺動アーム40の、スライダー面42と反対側には、揺動カム面54が形成されている。揺動カム面54は、揺動アーム40の揺動中心62、つまり制御軸38の中心からの距離が一定となるように形成された非作用面(基礎円部)54aと、この非作用面54aに続いて設けられ、揺動中心62からの距離が次第に大きくなるように形成された作用面54bとで構成されている。
このような揺動アーム40は、図示しないロストモーションスプリングにより、図3中の反時計回りに付勢されている。この付勢力により、揺動アーム40のスライダー面42はスライダーローラ44に押し当てられており、また、スライダーローラ44はカム36に押し当てられている。
第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの弁軸端を押圧するロッカーアーム56を更に備えている。ロッカーアーム56には、揺動カム面54に接触するロッカーローラ58が設置されている。ロッカーローラ58は、ロッカーアーム56の中間部に回転自在に取り付けられている。ロッカーアーム56の一端は、第2吸気弁14bの弁軸端に当接されており、ロッカーアーム56の他端は、油圧式ラッシュアジャスタ60に支持されている。第2吸気弁14bは、図示しないバルブスプリングによって、閉方向、すなわち、ロッカーアーム56を押し上げる方向に付勢されている。ロッカーローラ58は、この付勢力と油圧式ラッシュアジャスタ60とによって、揺動アーム40の揺動カム面54に押し当てられている。
このような第2動弁機構22では、カム36が回転すると、カム36のカムリフトがスライダーローラ44を介して揺動アーム40に伝達することにより、揺動アーム40が揺動する。揺動アーム40が揺動すると、揺動カム面54とロッカーローラ58との接触点は、非作用面54aと作用面54bとの間を行き来する。ロッカーローラ58が非作用面54aに接触しているときには、第2吸気弁14は、リフトせず、閉じている。ロッカーローラ58が作用面54bに接触しているときには、第2吸気弁14は、リフトし、開いている。
第2吸気弁14bの作用角を変化させる場合には、制御軸38を回転させてスライダーローラ44を移動させる。図3に示す状態、つまり、スライダーローラ44が揺動中心62に最も近い位置にある状態では、揺動アーム40の振れ幅が最大となるため、第2吸気弁14bの作用角は、最大となる。
これに対し、制御軸38を図3中の反時計回りに回転させてスライダーローラ44を揺動アーム40の先端側に移動させるほど、揺動アーム40の振れ幅は小さくなる。このことは、第2吸気弁14bの作用角を小さくさせる理由の一つとなる。
また、前述したように、カム36の中心とスライダー面42との距離は、揺動中心62から遠ざかるほど小さくなる。このため、スライダーローラ44を揺動中心62から遠ざけると、揺動アーム40の揺動開始位置は、図3中の時計回り側に移動する。よって、カム36のカム山がスライダーローラ44に接触し始めて揺動アーム40が揺動し始めてから、ロッカーローラ58と揺動カム面54との接触点が非作用面54bに移行するまで、つまり第2吸気弁14bがリフトし始めるまでに要する揺動アーム40の回転量は、スライダーローラ44が揺動中心62から遠ざかるほど、大きくなる。このことも、第2吸気弁14bの作用角を小さくさせる理由の一つとなる。
このようにして、第2動弁機構22では、上記二つの理由により、図3の状態から制御軸38を反時計回りに回転させることによってスライダーローラ44を揺動アーム40の先端側に移動させるほど、第2吸気弁14bの作用角が小さくなる。
ところで、カム36は図3中で時計回りに回転しているので、スライダーローラ44を揺動アーム40の先端側に移動させるほど、カム36のカム山がスライダーローラ44に接触し始めるタイミングは早くなる。つまり、第2吸気弁14bの作用角を小さくするほど、揺動アーム40が揺動し始めるタイミングが早くなる。その一方で、前述したように、第2吸気弁14bの作用角を小さくするほど、揺動アーム40が揺動し始めてから第2吸気弁14bがリフトし始めるまでに要する揺動アーム40の回転量は大きくなる。よって、本実施形態の第2動弁機構22では、第2吸気弁14bの作用角を小さくした場合、揺動アーム40が揺動し始めるタイミングが早くなるものの、揺動アーム40が揺動し始めてから第2吸気弁14bがリフトし始めるまでに要する時間は長くなるので、それらが相殺され、第2吸気弁14bの開き時期は変化しないようになっている。すなわち、本実施形態の第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの作用角を変化させた場合に、その開き時期は変化せず、閉じ時期だけが変化するようになっている。
図4は、本実施形態における第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bのリフトカーブを模式的に示す図である。図4に示すように、本実施形態では、第1吸気弁14aの開き時期と、第2吸気弁14bの開き時期とがほぼ同じになるように構成されている。また、第1吸気弁14aの固定作用角は、標準的な大きさとされている。そして、第2吸気弁14bの作用角は、上述した第2動弁機構22により、第1吸気弁14aの固定作用角より小さい最小作用角と、第1吸気弁14aの固定作用角より大きい最大作用角との間で、連続的に変化させることができる。このとき、第2吸気弁14bの開き時期は変化しないので、第1吸気弁14aの開き時期と、第2吸気弁14bの開き時期とは、常にほぼ同じである。
次に、位相可変機構24について説明する。位相可変機構24は吸気カム軸34の端部に設けられたプーリ(図示せず)と吸気カム軸34との間に設けられており、このプーリに対して吸気カム軸34を回転させることにより、プーリに対する吸気カム軸34の相対位相を変化させることのできるバルブタイミング可変機構である。このような機構は公知であるので、その詳細についての図示および説明は省略する。
位相可変機構24によれば、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開弁期間の位相を変化(進角あるいは遅角)させることができる。前述したように、吸気カム軸34は、第1吸気弁14aと第2吸気弁14bとに共通である。よって、位相可変機構24によって吸気カム軸34の相対位相を変化させると、第1吸気弁14aの開弁期間の位相と、第2吸気弁14bの開弁期間の位相とが、一体となって(全体的に)変化する。
なお、上述した図4は、位相可変機構24を基準位相状態とした場合の図である。
図5は、第2吸気弁14bの作用角を大作用角(第1吸気弁14aの作用角より大きい作用角)とし、位相可変機構24を進角状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
本実施形態では、ディーゼル機関10の負荷が所定負荷より低い領域(以下「軽負荷領域」という)にあるとき、図5に示すような吸気弁開弁特性となるように制御する。これにより、HC排出量を低減することができる。その理由は次の通りである。
軽負荷領域においては、筒内のスワールが強いと、燃料がスワールによって過拡散するので、混合気が希薄になり過ぎて、不完全燃焼が生じ易くなり、HC排出量が増え易くなる。これに対し、図5に示すような吸気弁開弁特性とすると、第2吸気弁14bの閉じ時期が第1吸気弁14aの閉じ時期より遅くなるので、下死点を過ぎてピストン18が上昇し始めた後も第2吸気弁14bが開いている期間がある。このため、軽負荷領域においては、第1吸気弁14aが閉じてから第2吸気弁14bが閉じるまでの間に、筒内の空気が第2吸気ポート32bへ逆流するという現象が生ずる。このとき、筒内から第2吸気ポート32bへ逆流しようとする空気は、吸気行程で筒内に形成されたスワールの旋回方向と逆方向に旋回しながら第2吸気ポート32bへ流入していく。このため、吸気行程で筒内に形成されたスワールが打ち消されるので、スワールを十分に抑制することができる。その結果、HC排出量を低減することができる。
特に、本実施形態では、第2吸気ポート32b単独でのスワール比が第1吸気ポート32a単独でのスワール比より大きいので、筒内から第2吸気ポート32bへ逆流する空気が作る逆旋回のスワールがより強く生ずる。このため、吸気行程で筒内に形成されたスワールをより一層打ち消すことができるので、スワールをより確実に抑制することができる。よって、HC排出量を更に低減することができる。
更に、図5に示すような吸気弁開弁特性とした場合には、次のような理由から、筒内温度をアップすることができる。図5に示すような吸気弁開弁特性とすると、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開き時期が標準的な時期(上死点付近)より早くなる。これにより、排気弁16の開弁期間と、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの開弁期間とが重なる正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。軽負荷領域においては、この正のバルブオーバーラップにより、内部EGR量が多くなるので、筒内温度を高めることができる。筒内温度が高まると、不完全燃焼が少なくなり、HC排出量が減少する。
以上述べたように、軽負荷領域において図5に示すような吸気弁開弁特性とすると、内部EGRが増加して筒内温度がアップするとともに、スワールを十分に抑制することができるので、これらの相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
また、本実施形態では、軽負荷領域において第2吸気弁14bを大作用角とするので、ポンプ損失を低減することができる。このため、燃費の低減にも寄与する。
なお、本実施形態では、第2吸気ポート32b単独でのスワール比が第1吸気ポート32a単独でのスワール比より大きい場合について説明したが、本発明では、第2吸気ポート32b単独でのスワール比が第1吸気ポート32a単独でのスワール比より小さくても、あるいは、第2吸気ポート32b単独でのスワール比が第1吸気ポート32a単独でのスワール比と同じでもよい。これらの場合であっても、筒内から第2吸気ポート32bへ空気が逆流する際にスワールを抑制することができるので、HC排出量の低減が図れる。
また、本実施形態では、第1吸気弁14aの作用角が固定であるものとして説明したが、本発明では、第1吸気弁14aの作用角が可変であってもよい。
また、吸気弁を駆動する可変動弁機構も、図示の構成に限定されるものではなく、いかなる構成のものであってもよい。特に、本実施形態のような機械的な可変動弁機構に限らず、吸気弁を電磁的に駆動する電磁駆動弁を用いるものであってもよい。
また、上述した実施の形態1においては、ECU50が、軽負荷領域において図5に示すような吸気弁開弁特性となるように第2動弁機構22および位相可変機構24の作動を制御することにより、前記第1の発明における「吸気弁制御手段」および前記第4の発明における「内部EGR手段」が実現されている。
実施の形態2.
次に、図6乃至図8を参照して、本発明の実施の形態2について説明するが、上述した実施の形態1との相違点を中心に説明し、同様の事項については、その説明を簡略化または省略する。
本実施形態において、第2動弁機構22は、第2吸気弁14bの作用角を変化させた場合に、その閉じ時期は変化せず、開き時期だけが変化するように構成されているものとする。なお、このような本実施形態の第2動弁機構22は、実施の形態1で説明した第2動弁機構22の各部品の配置やカム形状などを変更することによって実現することができるので、その詳細な図示および説明は省略する。
また、本実施形態においては、実施の形態1とは逆に、第1吸気ポート32a単独でのスワール比が、第2吸気ポート32b単独でのスワール比より大きくなるように構成されているものとする。
図6は、本実施形態における第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bのリフトカーブを模式的に示す図である。図6に示すように、本実施形態では、第1吸気弁14aの閉じ時期と、第2吸気弁14bの閉じ時期とがほぼ同じになるように構成されている。また、第1吸気弁14aの固定作用角は、標準的な大きさとされている。そして、第2吸気弁14bの作用角は、第2動弁機構22により、第1吸気弁14aの固定作用角より小さい最小作用角と、第1吸気弁14aの固定作用角より大きい最大作用角との間で、連続的に変化させることができる。このとき、第2吸気弁14bの閉じ時期は変化しないので、第1吸気弁14aの閉じ時期と、第2吸気弁14bの閉じ時期とは、常にほぼ同じである。
このような本実施形態のディーゼル機関10では、第2吸気弁14bの作用角を第1吸気弁14aの固定作用角より小さくするほど、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量が減少する一方で、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量は増加する。このため、筒内のスワールを強くすることができる。
これに対し、第2吸気弁14bの作用角を第1吸気弁14aの固定作用角より大きくするほど、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量が増加する一方で、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量は減少する。このため、筒内のスワールを弱くすることができる。
このように、本実施形態のディーゼル機関10では、第2吸気弁14bの作用角を変化させることにより、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量と、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量との比率を自由に変化させることができる。
図7は、第2吸気弁14bの作用角を大作用角(第1吸気弁14aの作用角より大きい作用角)とし、位相可変機構24を基準位相状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
本実施形態では、ディーゼル機関10が軽負荷領域で運転されているとき、図7に示すような吸気弁開弁特性となるように制御する。これにより、HC排出量を低減することができる。その理由は次の通りである。
図7に示すような吸気弁開弁特性とすると、第2吸気弁14bの作用角が第1吸気弁14aの固定作用角より大きいため、スワール比の小さい第2吸気ポート32bを通って筒内に流入する空気量の比率が大きく、スワール比の大きい第1吸気ポート32aを通って筒内に流入する空気量の比率が小さいので、スワールの強度を抑えることができる。
また、図7に示すような吸気弁開弁特性とすると、第2吸気弁14bの開き時期が標準的な時期(上死点付近)より早くなる。これにより、排気弁16の開弁期間と、第2吸気弁14bの開弁期間とが重なる正のバルブオーバーラップが大きく生ずる。軽負荷領域においては、この正のバルブオーバーラップにより、内部EGR量が多くなるので、筒内温度を高めることができる。
以上のように、軽負荷領域において図7に示すような吸気弁開弁特性とすると、内部EGRが増加して筒内温度がアップするとともに、スワールを十分に抑制することができる。このため、それらの相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
図8は、第2吸気弁14bの作用角を大作用角(第1吸気弁14aの作用角より大きい作用角)とし、位相可変機構24を進角状態とした場合の両吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
本実施形態では、ディーゼル機関10が軽負荷領域で運転されているとき、図7に示す吸気弁開弁特性に代えて、図8に示すような吸気弁開弁特性となるように制御してもよい。この場合にも、HC排出量を低減することができる。その理由は次の通りである。
図8に示すような吸気弁開弁特性とすると、排気弁16と、第2吸気弁14bとが共に開いた状態となる正のバルブオーバーラップが、図7の場合よりも更に大きく生ずる。このため、内部EGR量が更に多くなるので、筒内温度を更に高めることができる。更に、次のような理由からも、筒内温度がアップする。
図8に示すような吸気弁開弁特性とすると、第1吸気弁14aおよび第2吸気弁14bの閉じ時期を早めて、吸気下死点に近づけることができる。吸気慣性効果の少ない低速域においては、吸気下死点付近で両吸気弁を閉じることにより、実圧縮比がアップし、筒内温度を高くすることができる。
また、図8に示すような吸気弁開弁特性とすると、図7に示すような吸気弁開弁特性と同様に、スワールを十分に抑制することができる。
このようなことから、軽負荷領域において図8に示すような吸気弁開弁特性とすることにより、筒内温度を極めて有効にアップすることができ、また、スワールの強度を抑えることもできる。よって、筒内温度アップと、スワール抑制との相乗効果により、HC排出量を十分に低減することができる。
また、本実施形態では、軽負荷領域において第2吸気弁14bを大作用角とするので、ポンプ損失を低減することができる。このため、燃費の低減にも寄与する。
上述した実施の形態2においては、ECU50が、軽負荷領域において図7または図8に示すような吸気弁開弁特性となるように第2動弁機構22および位相可変機構24の作動を制御することにより、前記第3の発明における「吸気弁制御手段」および前記第4の発明における「内部EGR手段」が実現されている。
本発明の実施の形態1のシステム構成を説明するための図である。 図1に示すシステムにおけるディーゼル機関の吸気ポートを説明するための模式的な平面図である。 第2動弁機構を示す側面図である。 本発明の実施の形態1における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態1における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。 本発明の実施の形態2における第1吸気弁および第2吸気弁のリフトカーブを模式的に示す図である。
符号の説明
10 ディーゼル機関
12 インジェクタ
14a 第1吸気弁
14b 第2吸気弁
16 排気弁
18 ピストン
20 第1動弁機構
22 第2動弁機構
24 位相可変機構
26 クランク軸
28 クランク角度センサ
30 アクセル開度センサ
32a 第1吸気ポート
32b 第2吸気ポート
34 吸気カム軸
36 カム
38 制御軸
40 揺動アーム
42 スライダー面
44 スライダーローラ
46 支持アーム
48 制御アーム
50 ECU
54 揺動カム面
54a 非作用面
54b 作用面
56 ロッカーアーム
58 ロッカーローラ
62 揺動中心

Claims (4)

  1. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    機関負荷が所定負荷より低い軽負荷領域において、前記第1吸気弁が閉じた後、ピストンの上昇に伴って気筒内の空気の一部を前記第2吸気弁を通して前記第2吸気ポートへ逆流させてから前記第2吸気弁が閉じるように、両吸気弁の作動を制御する吸気弁制御手段と、
    を備えることを特徴とするディーゼル機関。
  2. 前記第2吸気ポート単独でのスワール比が、前記第1吸気ポート単独でのスワール比より大きいことを特徴とする請求項1記載のディーゼル機関。
  3. 第1吸気弁と、
    第2吸気弁と、
    前記第1吸気弁に通じる第1吸気ポートと、
    前記第2吸気弁に通じる第2吸気ポートと、
    機関負荷が所定負荷より低い軽負荷領域において、前記第2吸気弁の作用角が前記第1吸気弁の作用角より大きくなるように、両吸気弁の作動を制御する吸気弁制御手段と、
    を備え、
    前記第1吸気ポート単独でのスワール比が、前記第2吸気ポート単独でのスワール比より大きいことを特徴とするディーゼル機関。
  4. 前記軽負荷領域において、排気弁の開弁期間と、前記第1吸気弁および/または前記第2吸気弁の開弁期間とが重なるバルブオーバーラップ期間を設けることにより、内部EGRを行う内部EGR手段を備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載のディーゼル機関。
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