JP4805472B2 - 電場発光ランプの製造方法およびそれにより得られる電場発光ランプ - Google Patents

電場発光ランプの製造方法およびそれにより得られる電場発光ランプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、分散型電場発光(エレクトロルミネッセンス(EL))素子を用いた電場発光ランプとその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
分散型電場発光素子は、銅やマンガンを付活した硫化亜鉛蛍光体(例えばZnS:CuやZnS:Cu,Mn)などの電場発光蛍光体粒子を、誘電体マトリックス中に分散含有させて発光層を形成し、この発光層の一方の面(発光面)に沿って透明電極シートを積層すると共に、発光層の他方の面(非発光面)に沿って反射絶縁層および背面電極を順に積層した素子構造を有している。このような分散型電場発光素子を用いて、液晶表示装置のバックライトや照明用ランプなどに使用される電場発光ランプが構成されている。
【0003】
ところで、銅付活硫化亜鉛蛍光体などの電場発光蛍光体は、空気中の水分と接触することにより発光特性が劣化するという難点を有することから、従来の分散型電場発光素子を用いた電場発光ランプでは、透明電極シート上に吸湿性フィルムを積層し、この積層体を表裏一対の防湿性フィルム(PCTFEフィルムなど)で封止したランプ構造(フィルムタイプと呼称する)が適用されている。
【0004】
一方、電場発光蛍光体粒子の表面をアルミナ、シリカ、チタニアなどからなる連続被膜(防湿被膜)で覆った電場発光蛍光体(カプセル蛍光体)が実用化されている(特開平4-230996号公報など参照)。このような防湿被膜を有するカプセル蛍光体を用いることによって、発光層自体に防湿性を持たせ、防湿性フィルムの使用を省いた電場発光ランプ(カプセルタイプと呼称する)が広く使用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上述したような電場発光ランプの用途としては、携帯電話やPDAなどの携帯情報端末、携帯ゲーム機、時計、各種機器の液晶表示部のバックライトをはじめとして、表示装置やアウトレジャー用ランプなどが挙げられる。このように、電場発光ランプは種々の分野で幅広く利用されており、特に携帯情報端末などの携帯機器の液晶用バックライトとして期待されている。
【0006】
電場発光ランプは、通常平面状に形成されるために均一な面発光が得られ、これにより拡散板を使用する必要がないことから省スペース性に優れ、さらに消費電力が少ない、質量が軽いなどの特徴に加えて、1つのデバイスあたりに1つの発光素子を使用すればよいため、電気的な接点が少なく、デバイス製造時のコストや歩留りに優れるというような利点を有している。このように、電場発光ランプは携帯情報端末などのバックライトとして有望な特徴を備えている反面、初期輝度や寿命が他のバックライト、例えばLEDや冷陰極管に比べて劣るという問題を抱えている。以下の表1に各種液晶用バックライトの特性をまとめて示す。
【0007】
【表1】
Figure 0004805472
【0008】
表1に示したように、従来の液晶用バックライト(分散型電場発光素子、LED、冷陰極管)はいずれも一長一短がある。さらに、高機能携帯電話やPDAなどの普及に伴って、バックライトなどに要求されるランプ特性も多様化しており、より高度な寿命特性や輝度特性などが要求されるようになってきている。さらに、電場発光ランプの適用範囲も多岐に渡っており、このような点からも特性の改善が求められている。
【0009】
ここで、従来のカプセルタイプの電場発光ランプにおいては、上述したカプセル蛍光体の防湿被膜(金属酸化物の連続被膜)が電場発光蛍光体粒子の初期輝度を低下させる一因となっており、輝度特性(初期輝度)の改善が求められている。一方、フィルムタイプの電場発光ランプは、初期輝度を低下させることはないものの、ランプに対する要求特性の多様化などに起因して、寿命特性をより一層改善することが求められるようになってきている。このように、上述した分散型電場発光素子の特徴を生かしつつ、より明るくかつ寿命の長い電場発光ランプが強く求められている。
【0010】
本発明はこのような課題に対処するためになされたもので、初期輝度を劣化させることなく、寿命特性を大幅に改善した電場発光ランプおよびその製造方法を提供することを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明の電場発光ランプの製造方法は、誘電体マトリックス中に分散含有された蛍光体粒子を有する発光層と、前記発光層の発光側主面に沿って配置された透明電極層と、前記発光層の非発光側主面に沿って配置された背面電極層とを有する分散型電場発光素子と、前記分散型電場発光素子が収容される素子収容部と、前記素子収容部内を真空排気する排気管を備える封止部とを有し、前記素子収容部内が10-2Pa以下の真空雰囲気に保持されている厚さが0.5〜5mmのガラス外囲器とを具備する電場発光ランプの製造方法であって、
前記分散型電場発光素子を前記ガラス外囲器の素子収容部に収容し真空接着剤を用いて前記ガラス外囲器を接合する工程と、前記ガラス外囲器に設けられた排気管を、ゲッタ材が配置された真空容器と真空ポンプとが直列に接続された高真空発生装置に接続し、前記ガラス外囲器内を前記真空ポンプで排気する工程と、前記真空容器の前記真空ポンプ側の一端を封止した後、前記ゲッタ材を加熱して前記真空容器内に飛散させ、その状態で30分以上放置することにより、前記ガラス外囲器内を高真空状態とする工程と、前記真空容器に接続された前記ガラス外囲器の排気管を封着し、前記素子収容部内を10 -2 Pa以下の真空雰囲気に保持しつつ前記ガラス外囲器を真空封止する工程を有し、前記高真空発生装置に接続した後、前記ガラス外囲器を真空封止するまでの間に、分散型電場発光素子を所定の時間点灯させるおよび/または加温することを特徴としている。
【0013】
本発明の電場発光ランプは、上記本発明の製造方法により得られる電場発光ランプであって、前記分散型電場発光素子を100V,400Hzの条件で点灯した際に、初期輝度から半分の輝度値になるまでの寿命時間が5000時間以上であることを特徴とする。
本発明の電場発光ランプにおいては、分散型の電場発光素子を厚さが0.5〜5mmのガラス外囲器内に収容し、このガラス外囲器内を真空封止している。このように、分散型電場発光素子をガラス外囲器で真空封止することによって、分散型電場発光素子の寿命特性を大幅に改善することができる。特に、ガラス外囲器内を10-2Pa以下の真空雰囲気とすることによって、素子寿命を従来の電場発光ランプに比べて大幅に高めることが可能となる。
【0014】
本発明の電場発光ランプにおいて、前記ガラス外囲器の排気管は、前記分散型電場発光素子が収容された前記素子収容部内を真空排気する高真空発生装置に接続され、かつ真空排気後に封着される。このような構成を採用することによって、10-2Pa以下というような高真空雰囲気を容易に実現することが可能となる。
【0016】
本発明の電場発光ランプの製造方法においては、電場発光素子が収容されたガラス外囲器内を真空ポンプで排気した後、ガラス外囲器に接続された真空容器内にゲッタ材を飛散させ、この真空容器内に被着させたゲッタ膜のガス吸着作用(ゲッタ作用)によって、前記ガラス外囲器内を高真空状態としている。このように、ゲッタ材のガス吸着作用を利用することによって、ガラス外囲器内をより高度の真空状態とすることができる。さらに、ガラス外囲器内に直接ゲッタ材を飛散させることは難しいが、ガラス外囲器に接続された真空容器を使用することによって、ゲッタ材のガス吸着作用を容易に利用することが可能となる。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を実施するための形態について説明する。
【0018】
図1は本発明の一実施形態による電場発光ランプの構造を模式的に示す図であり、図1(a)は電場発光ランプの要部構造を模式的に断面図、図1(b)はその平面図である。同図において、1は分散型の電場発光素子であり、この分散型電場発光素子1はガラス外囲器2の素子収容部2a内に収容されている。分散型電場発光素子1が収容されたガラス外囲器2は真空封止されており、このような状態で電場発光ランプ3が構成されている。
【0019】
分散型電場発光素子1は、図2に示すように、電場発光用の蛍光体粒子を例えばシアノエチルセルロースのような高誘電率を有する有機高分子バインダ(有機誘電体)中に分散含有させた発光層11を有している。電場発光(EL)用の蛍光体粒子1としては、硫化亜鉛蛍光体(ZnS)などの各種の電場発光蛍光体が用いられる。特に、銅付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu)、銅およびマンガン付活硫化亜鉛蛍光体(ZnS:Cu,Mn)などの高発光効率の電場発光蛍光体を用いることが好ましい。
【0020】
上記したZnS:Cu蛍光体において、Cuの含有量(付活量)は0.01〜0.15質量%の範囲とすることが好ましい。Cuの付活量を上記した範囲内に制御することによって、特に高発光効率が得られる。同様に、ZnS:Cu,Mn蛍光体において、Cuの含有量は0.01〜0.15質量%の範囲、Mnの含有量は0.1〜3質量%の範囲とすることが好ましい。
【0021】
発光層11の一方の主面(非発光面)上には、例えばTiO2やBaTiO3などの高反射性無機酸化物粉末をシアノエチルセルロースなどの高誘電率を有する有機高分子バインダ中に分散含有させた反射絶縁層12が積層形成されている。Al箔のような金属箔、あるいはAlやカーボンなどの塗布層からなる背面電極層13は、反射絶縁層12を介して、発光層11の一方の主面上に一体的に配置されている。
【0022】
発光層11の他方の主面(発光面)上には、ポリエステル(PET)フィルムのような透明絶縁フィルム上にITO膜などを被着形成した透明電極層(透明電極シート)14が一体的に配置されている。透明電極シート14は電極膜(ITO膜)が発光層11と対向するように配置されている。
【0023】
そして、これら透明電極層14、発光層11、反射絶縁層12および背面電極層13を例えば熱圧着することによって、分散型電場発光素子1が構成されている。なお、図2では図示を省略したが、背面電極層13および透明電極層14からはそれぞれ電極が引き出されており、これら電極から発光層12に交流電圧が印加されるように構成されている。
【0024】
ガラス外囲器2は容器形状の下部構造体4を有し、この下部構造体4の上面開放部を上部蓋体(蓋用ガラス基板)5で気密封止することによって、素子収容部2aが形成される。下部構造体4と上部蓋体5とは、素子収容部2aの真空封止状態を維持し得る接合材(例えば真空接着剤)により接合される。この接合部は封止部の一部を構成している。
【0025】
これらガラス外囲器2の下部構造体4および上部蓋体5は、いずれも厚さが0.5〜5mmの範囲の高強度ガラス板により構成されている。高強度ガラス板の厚さが0.5mm未満であると、ランプ製造工程などにおいて破損などが生じやすくなり、電場発光ランプ3の製造歩留りの低下などを招くおそれがある。一方、高強度ガラス板の厚さが5mmを超えると、電場発光ランプ3の全体としての厚さが厚くなりすぎて、例えば電場発光ランプ3を液晶表装置のバックライトなどとして用いる際の省スペース性などが損なわれることになる。
【0026】
また、ガラス外囲器2の下部構造体4には予め外部引出し用リード6、7が設けられており、これら外部引出し用リード6、7は素子収容部2aの真空封止状態を維持し得るように下部構造体4に設置されている。外部引出し用リード6、7は、例えば下部構造体4に溶着される。さらに、ガラス外囲器2の下部構造体4には、素子収容部2a内を真空排気する排気管8が設けられおり、この排気管8は素子収容部内2aを真空排気した後に溶融・封着される。そして、ガラス外囲器2の封止部を主として構成する排気管8を溶融・封着することによって、素子収容部内2aは高真空状態に維持されるものである。
【0027】
分散型電場発光素子1は、まず容器形状の下部構造体4内に配置され、この状態で分散型電場発光素子1のリード端子1a、1bとガラス外囲器2の外部引出し用リード6、7とがそれぞれ電気的に接続される。次いで、上部蓋体5で下部構造体4の上面開放部を気密封止することによって、分散型電場発光素子1はガラス外囲器2内に収容された状態となる。そして、後に詳述するように、排気管8を利用して素子収容部内2aを真空排気し、さらに排気管8を溶融・封着することによって、分散型電場発光素子1をガラス外囲器2により真空封止した電場発光ランプ3が得られる。
【0028】
上述したような構成を有する電場発光ランプ3においては、分散型電場発光素子1をガラス外囲器2で真空封止しているため、分散型電場発光素子1の寿命特性を大幅に改善することができる。図3はこのような電場発光ランプ3のガラス外囲器2内の真空状態(真空圧)と分散型電場発光素子1の寿命特性(寿命時間)との関係の一例を示す図である。なお、寿命時間は分散型電場発光素子1を100V,400Hzの条件で点灯した際に、初期輝度(素子点灯1時間後の輝度)から半分の輝度値になるまでの時間で示す。
【0029】
図3から明らかなように、ガラス外囲器2内の真空度が10-1Pa程度の場合には、分散型電場発光素子1の寿命時間は1000時間程度であるが、ガラス外囲器2内の真空度を10-1.5Paまで上げることによって、従来の電場発光ランプと同等(3000時間程度)となる。そして、ガラス外囲器2内を10-2Pa以下とすることによって、5000時間以上という寿命特性が得られることが分かる。
従って、本発明の電場発光ランプ3においては、ガラス外囲器2(素子収容部2a)内を10-2Pa以下の真空雰囲気に保持することが好ましい。
【0030】
このように、ガラス外囲器2内を10-2Pa以下の真空雰囲気に保持することによって、従来の電場発光ランプでは3000時間程度であった寿命特性を大幅に改善し、5000時間以上という寿命時間を得ることが可能となる。さらに、図3からはガラス外囲器2内の真空度をさらに高める(圧力を下げる)ことによって、分散型電場発光素子1の寿命時間がより一層向上することが分かる。例えば、ガラス外囲器2内の真空度を10-3Paまで高めることによって、分散型電場発光素子1の寿命時間は7500時間まで向上し、さらに10-5Paでは10000時間というような寿命時間を得ることが可能となる。すなわち、本発明によれば電場発光ランプ3の大幅な寿命特性の改善効果を得ることができる。
【0031】
本発明の電場発光ランプ3を作製するにあたって、分散型電場発光素子1が収容されたガラス外囲器2内の真空排気は、通常の真空ポンプのみによって実施してもよいが、以下に詳述するように、ゲッタ材を併用して高真空状態を形成することが好ましい。上述したように、本発明の電場発光ランプ3においては、ガラス外囲器2内の真空度を高めることが重要であるため、高真空状態を形成する上でゲッタ材を併用することが好ましい。
【0032】
すなわち、分散型電場発光素子1が収容されたガラス外囲器2の排気管8に、図4に示すように高真空発生装置21を接続する。高真空発生装置21はゲッタ材22が配置された真空容器(密閉容器)23と真空ポンプ24とを有し、これらを直列に接続して構成されている。ゲッタ材22には一般的なゲッタ材、例えばBa−Al合金粉末とNi粉末との混合物などが用いられる。高真空発生装置21は真空容器23が電場発光ランプ3の排気管8に接続されるように配置する。真空容器23にはガラスバルブなどを用いることができる。真空容器23と真空ポンプ24との間には、真空バルブ25が介挿されている。
【0033】
このような高真空発生装置21を用いて、以下のようにしてガラス外囲器2内を高真空状態とする。まず、真空ポンプ24を作動させて、ガラス外囲器2内および真空容器23内の排気する。真空ポンプ24のレベルに応じた真空状態まで排気した後、真空バルブ25を閉めることによって、ガラス外囲器2内と真空容器23内をこれらの間だけで繋がった閉鎖空間とする。なお、真空バルブ25の使用に代えて、真空容器23と真空ポンプ24との間を繋ぐ管を溶融して封止し、これにより閉じられた空間を形成するようにしてもよい。
【0034】
次いで、真空容器23の周囲に配置した高周波発生装置(図示せず)によりゲッタ材22を加熱し、真空容器23内にゲッタ材22を飛散させる。このゲッタ材22の飛散(ゲッタフラッシュ)によって、ガス吸着作用(ゲッタ作用)を有するゲッタ膜が真空容器23内に形成される。真空容器23内にゲッタ膜を形成した後に、例えば30分以上放置することによって、ガラス外囲器2内に残存しているガス成分はゲッタ膜に吸着され、これによりガラス外囲器2内を高真空状態とすることができる。
【0035】
この後、真空容器23に接続されている排気管8を溶融・封着することによって、分散型電場発光素子1が収容されたガラス外囲器2を真空封止する。なお、電場発光ランプ3内の脱ガスを促進するために、真空バルブ25を閉じる前に、あるいは排気管8を封着する前に、分散型電場発光素子1をしばらくの間点灯させるようにしてもよい。これによって、分散型電場発光素子1内に吸着しているガス成分をより確実に除去することができる。
【0036】
上述したような真空ポンプ24による排気工程とゲッタ材22による真空工程とを実施することによって、確実にガラス外囲器2内を10-2Pa以下の真空雰囲気とすることができる。特に、10-3Pa以下というような高真空雰囲気についても、ゲッタ材22を併用することで容易に実現することが可能となる。
【0037】
さらに、ガラス外囲器2内に直接ゲッタ材22を飛散させることは難しいが、ガラス外囲器に接続された真空容器23を使用し、この真空容器23内にゲッタ材22を飛散(ゲッタフラッシュ)させることによって、ゲッタ材23のガス吸着作用を容易に利用することができる。これによって、ガラス外囲器2内を高真空雰囲気とした電場発光ランプ3、言い替えると高寿命の電場発光ランプ3を確実にかつ容易に得ることが可能となる。
【0038】
【実施例】
次に、本発明の具体的な実施例およびその評価結果について述べる。
【0039】
比較例1
まず、高誘電率の有機樹脂バインダをアセトンとメチルエチルケトンの混合溶媒に溶解したバインダ溶液200cc中に、ZnS:Cu蛍光体100gを分散させて蛍光体スラリーを作製した。これとは別に、同様のバインダ溶液300ccにチタン酸バリウム粉末100gを分散させてスラリーを作製した。
【0040】
次いで、厚さ100μmのアルミ箔(背面電極層)にチタン酸バリウムスラリーを塗布、乾燥した後、その上から蛍光体スラリーを塗布、乾燥した。得られた蛍光体膜(発光層)上に透明電極シート(透明電極層)を載置し、背面電極層と透明電極層の各エッジ部に導電性接着剤を付けた電極を配置した後、ラミネータを通して熱圧着した。この熱圧着物を乾燥機に入れ、80℃で10時間乾燥した後、発光部を50mm四方の正方形に切断した。
【0041】
このようにして作製した分散型電場発光素子を、PCTFE製防湿フィルムで挟んでラミネータで熱圧着することによって、従来のフィルムタイプの電場発光ランプを得た。これを後述する特性評価に供した。
【0042】
比較例2
酸化アルミニウムをベースとする防湿被膜でコーティングしたZnS:Cu蛍光体粉末100gを、高誘電率の有機樹脂バインダをアセトンとメチルエチルケトンの混合溶媒に溶解したバインダ溶液200cc中に分散させ、蛍光体スラリーを作製した。これとは別に、同様のバインダ溶液300ccにチタン酸バリウム粉末100gを分散させてスラリーを作製した。
【0043】
厚さ100μmのアルミ箔(背面電極層)にチタン酸バリウムスラリーを塗布、乾燥した後、その上から蛍光体スラリーを塗布、乾燥した。得られた蛍光体膜(発光層)上に透明電極シート(透明電極層)を載置し、背面電極層と透明電極層の各エッジ部に導電性接着剤を付けた電極を配置した後、ラミネータを通して熱圧着した。この熱圧着物を乾燥機に入れ、80℃で10時間乾燥した後、発光部を50mm四方の正方形に切断して、従来のカプセルタイプの電場発光ランプを得た。これを後述する特性評価に供した。
【0044】
実施例1
比較例1と同様にして作製した分散型電場発光素子1(発光部:50mm四方の正方形)を、ガラス外囲器2内に収容して電場発光ランプ3を作製した。なお、下部構造体4と上部蓋体5とは、真空接着剤(TORR SEAL BARIAN社製)を用いて接合した。
【0045】
次に、図4に示したように、上記した電場発光ランプ3の排気管8を高真空発生装置21に接続した。そして、まず真空ポンプ24を作動させて、ガラス外囲器2内および真空容器23内の10-3Paまで排気した後、真空バルブ25を閉じた。次いで、真空容器23の周囲に配置した高周波発生装置(図示せず)によりゲッタ材22を加熱し、真空容器23内にゲッタ材22を飛散させた後、1時間放置してガラス外囲器2内に残存しているガス成分を吸着した。
【0046】
この後、真空容器23に接続されている排気管8を溶融・封着することによって、分散型電場発光素子1が収容されたガラス外囲器2を真空封止した。このような真空工程によって、ガラス外囲器2内を10-3Paの真空雰囲気とした電場発光ランプ3を得た。これを後述する特性評価に供した。
【0047】
実施例2
上記した実施例1において、ガラス外囲器2内を真空ポンプで10-2Paまで排気する以外は、実施例1と同様にして電場発光ランプ3を作製した。このようにして得た電場発光ランプ3は、ガラス外囲器2内が10-2Paの真空雰囲気とされていた。これを後述する特性評価に供した。
【0048】
実施例3
上記した実施例1において、ガラス外囲器2内を真空ポンプで10-1Paまで排気する以外は、実施例1と同様にして電場発光ランプ3を作製した。このようにして得た電場発光ランプ3は、ガラス外囲器2内が10-1.5Paの真空雰囲気とされていた。これを後述する特性評価に供した。
【0049】
実施例4
上記した実施例1において、排気システム全体を70℃の恒温下においた状態で、ガラス外囲器2内を真空ポンプで10-3Paまで排気する以外は、実施例1と同様にして電場発光ランプ3を作製した。このようにして得た電場発光ランプ3は、ガラス外囲器2内が10-5Paの真空雰囲気とされていた。これを後述する特性評価に供した。
【0050】
実施例5
上記した実施例1において、排気システム全体を70℃の恒温下においた状態で、ガラス外囲器2内を真空ポンプで10-2Paまで排気する以外は、実施例1と同様にして電場発光ランプ3を作製した。このようにして得た電場発光ランプ3は、ガラス外囲器2内が10-4Paの真空雰囲気とされていた。これを後述する特性評価に供した。
【0051】
実施例6
上記した実施例1において、排気システム全体を70℃の恒温下においた状態で、ガラス外囲器2内を真空ポンプで10-3Paまで排気すると共に、ゲッタ材を飛散させた後に3時間放置する以外は、実施例1と同様にして電場発光ランプ3を作製した。このようにして得た電場発光ランプ3は、ガラス外囲器2内が10-6Paの真空雰囲気とされていた。これを後述する特性評価に供した。
【0052】
上述した比較例1、2による従来の電場発光ランプ、および実施例1〜6によるガラス外囲器を有する各電場発光ランプを、それぞれ100V,400Hzの条件で作動させた。そして、点灯1時間経過した後に輝度値(初期輝度)を測定し、この輝度が半分の値になるまでの時間(寿命時間)を測定、評価した。これらの測定結果を表2に示す。
【0053】
【表2】
Figure 0004805472
【0054】
表2から明らかなように、本発明の電場発光ランプは、従来の電場発光ランプ(フィルムタイプの電場発光ランプおよびカプセルタイプの電場発光ランプ)に比べて、寿命時間が大幅に向上していることが分かる。なお、初期輝度は比較例1のフィルムタイプの電場発光ランプと同等であった。
【0055】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の電場発光ランプによれば、従来の電場発光ランプに比べて寿命特性を大幅に改善することができる。従って、輝度特性および寿命特性が共に優れる電場発光ランプを提供することが可能となる。また、電場発光ランプの製造方法によれば、そのような電場発光ランプを容易にかつ確実に得ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態による電場発光ランプの概略構成を模式的に示す図である。
【図2】 図1に示す電場発光ランプに用いた分散型電場発光素子の構成例を示す断面図である。
【図3】 本発明の電場発光ランプにおけるガラス外囲器内の真空度と寿命時間との関係の一例を示す図である。
【図4】 本発明の電場発光ランプの作製工程における真空排気工程の構成例を示す図である。
【符号の説明】
1……電場発光蛍光体粒子,2……ガラス外囲器,3……電場発光ランプ,8……排気管,11……発光層,13……背面電極層,14……透明電極シート

Claims (2)

  1. 誘電体マトリックス中に分散含有された蛍光体粒子を有する発光層と、前記発光層の発光側主面に沿って配置された透明電極層と、前記発光層の非発光側主面に沿って配置された背面電極層とを有する分散型電場発光素子と、前記分散型電場発光素子が収容される素子収容部と、前記素子収容部内を真空排気する排気管を備える封止部とを有し、前記素子収容部内が10 -2 Pa以下の真空雰囲気に保持されている厚さが0.5〜5mmのガラス外囲器とを具備する電場発光ランプの製造方法であって、
    前記分散型電場発光素子を前記ガラス外囲器の素子収容部に収容し真空接着剤を用いて前記ガラス外囲器を接合する工程と、
    前記ガラス外囲器に設けられた排気管を、ゲッタ材が配置された真空容器と真空ポンプとが直列に接続された高真空発生装置に接続し、前記ガラス外囲器内を前記真空ポンプで排気する工程と、
    前記真空容器の前記真空ポンプ側の一端を封止した後、前記ゲッタ材を加熱して前記真空容器内に飛散させ、その状態で30分以上放置することにより、前記ガラス外囲器内を高真空状態とする工程と、
    前記真空容器に接続された前記ガラス外囲器の排気管を封着し、前記素子収容部内を10-2Pa以下の真空雰囲気に保持しつつ前記ガラス外囲器を真空封止する工程を有し、
    前記高真空発生装置に接続した後、前記ガラス外囲器を真空封止するまでの間に、前記分散型電場発光素子を所定の時間点灯させるおよび/または加温することを特徴とする電場発光ランプの製造方法。
  2. 請求項1記載の電場発光ランプの製造方法により得られる電場発光ランプであって
    前記分散型電場発光素子を100V,400Hzの条件で点灯した際に、初期輝度から半分の輝度値になるまでの寿命時間が5000時間以上であることを特徴とする電場発光ランプ。
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