JP4805436B2 - 伸縮性複合仮撚糸 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、伸縮性が高く且つ風合、外観的にも品位の優れた布帛を創出することの出来る伸縮性複合仮撚糸に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、伸縮性に優れたスパナイズ布帛を得る方法として、
(1)ウレタン等の弾性糸を利用する方法、(2)捲縮力を高めた仮撚捲縮糸を利用する方法、(3)サイドバイサイド型コンジュゲート糸を利用する方法などが知られている。
【0003】
この内、(1)の弾性糸を利用する方法は、30〜200%の超高伸縮性能が出せる反面、染色堅牢性や耐薬品性、熱セット性などの点で劣り且つコストが高くなる、という問題があることから、主として水着や下着、スポーツなどの分野で特に高い伸縮性が要求される用途に限定されて用いられている。
【0004】
また、(2)の仮撚捲縮糸を利用する方法は、コストが安いことから広く使用されている反面、単繊維のクリンプ形態がランダムになるため伸縮性と共に高いバルキー性が併発する。そして、この高いバルキー感によるふかつき感やゴム状感のある風合は基本的に受け容れられないので、その風合改良が多くの用途で渇望されている。勿論その対策として、撚糸などによるバルキー性の拘束も試みられているが、これに伴うバルキー性の低下が伸縮性の低下も招くため未だ満足される域には至っていない。
【0005】
さらに、(3)のコンジュゲート糸を利用する方法は、一般に単繊維のクリンプ形態が同サイズのため、ヤーン全体としてスパイラル状に集束し易く、単繊維同志のランダムな乱れも少ないので、フラットヤーン風でスパナイズ感に欠ける欠点があった。
【0006】
そこで、上述の不利益を克服するため、特公平2−55534号公報では、固有粘度の異なるポリエチレンテレフタレートのホモポリマーをサイドバイサイド型に複合したコンジュゲート糸を芯糸として採用すること、さらに特公昭62−49376号公報では、ポリブチレンテレフタレートとポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に複合したコンジュゲート糸を芯糸として採用することが提案されている。
【0007】
しかし、前者については、芯糸自身の熱水中での捲縮発現力が低く、したがって、複合糸構造は勿論布帛構造から受ける拘束力に打ち克って捲縮(伸縮性)を発現できない欠点がある。また、後者については、異種のポリマーを用いた芯糸であることから、染色堅牢性や熱セット性、さらには風合が低下する欠点がある。
【0008】
そして、両者に共通する不利益は、鞘糸との間の染着差に起因して染斑が生じることは避けられないことである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の課題は、サイドバイサイド型コンジュゲート糸の伸縮能が複合仮撚糸並びに撚糸等の製織準備および織編物組織並びに染色仕上げ工程等による拘束力やヒートセットに打ち克って発揮され、且つ芯糸・鞘糸間の染着差が可及的に軽減されて布帛外観が均一で、しかもふかつき感やゴム状感のない高品位のスパナイズ布帛を与える伸縮性複合仮撚糸を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、少なくとも2種のポリエステル系フィラメント糸からなり、その際、一方を芯糸として、その周りに他方のフィラメント糸が鞘糸として芯糸と部分的に混繊・交絡しながら交互反転状に捲付いてなる芯鞘型2層構造糸において、芯糸がイソフタル酸および/または、ビスフェノールA化合物を8〜15モル%共重合した高収縮性ポリエチレンテレフタレートと、[η]f(繊維固有粘度)が0.36〜0.47の低収縮性ポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に複合した、伸度25〜45%のコンジュゲート糸の延伸糸からなり、該サイドバイサイド型複合コンジュゲート延伸糸の高収縮性ポリエチレンテレフタレートの領域内には中空部が形成されており、他方、鞘糸が紡速2000〜3500m/minで紡糸した、伸度90〜180%のポリエステル系高配向未延伸糸からなることを特徴とする伸縮性複合仮撚糸が提供される。
【0011】
ここで、本発明の背景について触れておく。先ず、伸縮性複合仮撚糸全体として、上述した各種拘束力や熱セットに抗して捲縮(伸縮)発現力を確保するには、芯糸としてやはりコンジュゲート糸を用いた方が得策である。但し、その場合でも該コンジュゲート糸を構成する2種のポリマーとして、イソフタル酸および/または、ビスフェノールA化合物を8〜15モル%を共重合したポリエチレンテレフタレートと、[η]fが0.36〜0.47のポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に貼り合わせ複合した、伸度25〜45%の延伸糸を用いることが不可欠となる。
【0012】
また、染斑の無い外観およびふかつき感やゴム状感の少ない高品位の風合を得るためには、上記コンジュゲート糸を芯糸として、2000〜3500m/minの紡糸速度の下に得られた伸度90〜180%のポリエステル系高配向未延伸糸を鞘糸として配することが有用であることを確認た。
【0013】
【発明の実施の形態】
図1には本発明に係る伸縮性複合仮撚糸(以下、“複合仮撚糸”と称することがある)の側面形態の一例示されている。
【0014】
該図において、Aは主として複合仮撚糸全体としての伸縮性能に寄与する芯糸(コンジュゲート糸)、Bは主として複合糸全体の外観、風合、特性に寄与する鞘糸(ポリエステル系高配向未延伸)である。ここに、複合仮撚糸の形態としては、芯糸の囲りを鞘糸が交互撚糸状に捲付きながら、図示していないが、両糸のフィラメントの一部同志が混繊・交絡した芯鞘型の2層構造をとっている。
【0015】
肝要なことは、上述したように芯糸Aがイソフタル酸および/またはビスフェノールA化合物を全酸成分を基準として8〜15モル%共重合した高収縮性のポリエチレンテレフタレートと、[η]fが0.36〜0.47の低収縮性のポリエチレンテレフタレートをサイドバイサイド型に貼り合わせ複合した、伸度25〜45%の延伸されたコンジュゲート糸を前提とすることである。
【0016】
前掲の特公昭62―49376号公報に示された高収縮性ポリブチレンテレフタレートでは、高収縮力が得られる反面、染色堅牢性、熱セット性等が低下し、更にヤング率もポリエチレンテレフタレート繊維に比べかなり低下するため腰反撥風合が悪くなるなど、一般衣料用としては、実用上問題があった。これに対し、本発明では上記特定の要件を満足する高収縮性のポリエチレンテレフタレートを採用するので、従来の問題が解消される。
【0017】
一般に、芯糸Aはその延伸倍率を大きくして伸度をより小さくされる程、他方低収縮側ポリマーの[η]fを低くする程、更に高い捲縮性が得られる。ただ、延伸工程および紡糸工程の安定性へ面から伸度が25〜45%の延伸糸を用いると、仮撚加工を施した場合、単繊維の断面変形の程度が図2−(1)のように小さくなり、捲縮性能の維持の面で有効である。因みに、図2−(2)は、前掲の特公昭62―49376号公報に示されたポリブチレンテレフタレート(P)繊維の断面変形の例である。
【0018】
また、本発明の複合仮撚糸の伸縮性を更に高めるには、上記以外に芯糸Aの単繊維デニールを太くする程、また該糸に占める芯糸Aの占める割合(重量)を多くする程その効果が増加してくる。しかし、製品布帛の外観、風合の面からその単繊維デニールは3.0〜8.0デニール、芯糸A:鞘糸Bの比率は3:7〜5:5の範囲が好ましい。
【0019】
さらに、芯糸Aの繊維断面形状を図2−(1)、図3−(2)〜(3)に示すように中空断面にすると、同じデニールでも捲縮率や収縮力が更に高まるという利点が生じる。この際、中空部Hの位置を図3−(3)に示すように高収縮側ポリマーP1内に配置すると、該高収縮側ポリマーが収縮した際に低収縮側ポリマーP2の屈曲を阻害しないので高い捲縮性能が得られ、同時に仮撚加工やその他の取扱いにおいて屈曲や伸張変形を受けた際にも両ポリマーの接合界面の剥離等も防止される。この中空率は、大きい方がコンジュゲート糸全体としての捲縮率や捲縮力を高める傾向にあるが、大き過ぎると仮撚加工の際に撚の締め付け力で潰れることもあるので、一般には1〜10%程度が好ましい。
【0020】
また、この中空断面糸は、中実断面糸に比べ細かくて強い表面凹凸効果を呈し、変化に富んだ新規な外観の商品を与える特徴もある。
【0021】
一方、鞘糸Bは2000〜3500m/minの紡糸速度の下に得られ、伸度90〜180%のポリエステル系高配未延伸糸からなっている。即ち、通常のポリエステル延伸糸に比べ濃染性である。これに呼応して本発明で採用する芯糸は延伸糸であるにも拘らずイソフタル酸および/またはビスフェノールA化合物を8〜15モル%共重合したポリエチレンテレフタレートと、[η]fが0.36〜0.47の低[η]fポリエチレンテレフタレートをサイドバイサイド型に複合したコンジュゲート糸であることから、これまた通常のポリエステル延伸糸に比べて濃染する。したがって、芯糸と鞘糸の染色濃度が近接して均一な染色・外観が得られる。この点、前掲の特公平2―55534号公報の場合は、芯糸がポリエステルの[η]f差のみのポリエチレンテレフタレートからなるコンジュゲート糸のための伸度を45%以下にまで延伸すると、淡染化して、鞘糸の伸度が90〜180%のポリエステル高配向未延伸糸とは染色濃度差が拡大し均一な染色外観を得るのが極めて難しくなる。
【0022】
本発明の複合仮撚糸に腰反撥のある高風合のスパナイズ布帛を付与するためには芯糸の単繊維デニールを太く且つ鞘糸の単繊維デニールを細かくした上で更に鞘糸を芯糸の周りに配する必要がある。これについては、既に述べたように、芯糸に高収縮性能を発揮させるために、その単繊維デニールを太目に設定しているため、ここでは鞘糸の単繊維デニールを、3.5デニール以下に細かくすればよい。
【0023】
勿論この3.5デニールという値自体は一般的には細いデニールとは言えないが、本発明では延伸糸に比べて分子配向の低い、いわゆる高配向未延伸糸を用いるので、この値でも十分ソフトタッチが得られる。また、芯糸が伸度25〜45%の延伸糸であり、他方鞘糸が伸度90〜180%の伸度を有するので、仮撚時には、前記伸度差に因る芯糸と鞘糸との間で糸長差が、ほぼ15〜30%の範囲で発生し、スパン調の風合が得られる。
【0024】
ここで、仮撚加工温度を変えると芯糸と鞘糸の捲縮率が調節出来、また、この捲縮率はヒーター長や加工速度等の条件によっても変化するが、加工温度を約110℃以上160℃以下に設定すると、鞘糸の捲縮率が芯糸の捲縮率より低くなり、ストレッチ性能を有したままふかつき感やゴム状感の風合が大幅に改善される。
【0025】
最後に、図4を参照しつつ、本発明に係る伸縮性複合仮撚糸の製造工程の一例について説明する。既に述べた、コンジュゲート糸(芯糸A)と高配向未延伸糸(鞘糸B)とは、それぞれのパッケージから解舒され、引揃え状態で第1供給ローラー1と第2供給ローラー3との間で、定長ないし1〜3%程度の弛緩状態で空気交絡ノズル3に導入されて、混繊・交絡処理に付される。次いで、得られる交絡糸はヒーター4、仮撚具5、取出しローラー6を通過する間に仮撚加工を施された後、巻取装置7に至る。
【0026】
【実施例】
以下の例における各評価項目は、以下の定義に従う。
【0027】
・捲縮率;
糸条に0.3mg/dの荷重を掛け、沸水中で20分間捲縮・発現処理した後1日放置して乾燥し、糸長L0を測定する。次いで0.2g/dの重荷重を掛け2分後に糸長L1を測定し、次式で捲縮率を算出する。
捲縮率=[(L1−L0)/L1]×100(%)
【0028】
・ストレッチ率(ST)
5cm×20cmの試験片を、自動記録装置付き引張試験機を用いて初荷重20gをかけてつかみ間隔が10cmになるように試験片をつかみ、引張速度30cm/minで1.5kg定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとの位置に戻し、荷重―伸長曲線を描く。ここで、STは、上記の1.5kg定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとの位置に戻す寸前の、伸長距離をLcm(0.01cmまで)とするとき、次式で表わされる。
ST=[L/10]×100(%)
【0029】
・伸長回復率(EL)
上記ストレッチ率の測定時に得た荷重―伸長曲線において、1.5kg定荷重まで伸ばした後、直ちに同速度でもとの位置に戻したときの、初荷重20g負荷時の残留伸びをRcm(0.01cmまで)とするとき、ELは、次式で表わされる。
EL=[(L−R)/L]×100(%)
【0030】
[実施例1]
イソフタル酸を10モル%共重合したポリエチレンテレフタレートと、[η]fが0.43のポリエチレンテレフタレートとを重量比1:1で図3−(3)に示すような形状にサイドバイサイドに貼り合わせて紡糸したいわゆるサイドバイサイド型コンジュゲート未延伸糸を延伸熱処理して得た、50デニール/12フィラメント、伸度35%、沸水収縮率14%、中空率3%の延伸糸(芯糸A)を用意した。
【0031】
一方[η]fが0.62のポリエチレンテレフタレートを紡糸速度3000m/minの下で紡糸して得た80デニール、36フィラメント、伸度123%沸水収縮率42%の高配向未延伸糸(鞘糸B)を用意した。
【0032】
これらの両糸を引揃えて図4の第1供給ローラー1に供給し、次いで該ローラー1と第2供給ローラー3との間で該糸条を2%弛緩した状態で空気交絡ノズル2に通して1メーター当り53個の交絡を付与し、引続き該第2供給ローラー3と取出しローラー6との間で定長状態でヒーター4および仮撚具5を通して、いわゆる複合仮撚加工を施してから巻取り装置7に複合仮撚糸のチーズとして巻き取った。
【0033】
この際、ヒーター温度は130℃ヒーター長は1.5m、仮撚数は2500回/m、取出しローラー速度は180m/minを用いた。
【0034】
得られた複合仮撚糸は133デニール、48フィラメント、捲縮率24%、沸水収縮率4.2%、芯糸の捲縮率60%、鞘糸の捲縮率30%であった。また芯糸Aの周りに鞘糸Bが部分的に交絡しながら弛緩した状態でS撚部、無撚部、Z撚部を不規則形成しながら巻き付き抱合していた。
【0035】
次いで、該糸条に1メーター当り1800回撚を加え80℃で20分間スチームセットを施し、経糸密度276本/鯨、緯糸密度145本/鯨でトリコチン織物を作成し、これに常法により精練―リラックス―セット―アルカリ減量―染色―セットの仕上げ加工を施した。ここで、リラックス温度を普通より高目の120℃とし強めの捩み効果を付与することによりコンジュゲート糸の捲縮が良く発現し、特に高ストレッチ性が発現した。
【0036】
このようにして得られた織物は、経糸密度381本/鯨、緯糸密度182本/鯨で、経方向ストレッチ率19%、緯方向ストレッチ率22%と、良好なストレッチ性を有しており且つストレッチ回復率も経、緯方向共に90%以上と良好であった。また、風合も鞘糸の捲縮率が低いため従来仮撚糸に見られるようなふかつき感が少なく、それにもかかわらずふくらみ感があり、かつ腰反撥のある高品位の風合を有していた。更に、その外観も芯糸と鞘糸の染色濃度が近似しているため均染しており、且つ高い深色性を示しながら染色堅牢性も実用上問題ない水準であった。特にブラックに染色したものは着用感に優れたブラックフォーマル用素材として好適であった。
【0037】
一方、該複合仮撚糸に1メーター当り600回の撚を加え、経糸密度186本/鯨、緯糸密度130本/鯨でベネシャン織物を試織し、上述のトリコチン織物の場合と同条件にて染色を行ったところ、驚くべきことに600回の普通撚水準であるにもかかわらず強撚織物で見られるような細かい凹凸のしぼ外観が得られた。更にストレッチ性も経方向20%、緯方向27%有し、新規な織物であった。
【0038】
[比較例1]
[η]fが0.64と0.43のポリエチレンテレフタレートを重量比1:1で図3−(1)に示すような形状にサイドバイサイドに貼り合わせて紡糸した、周知のサイドバイサイド型コンジュゲート未延伸糸を延伸熱処理して得た50デニール、12フィラメント、伸度36%、沸水収縮率15%の延伸糸aと、実施例1で用いた80デニール、36フィラメントの高配向未延伸糸Bとを引揃えて、実施例1と同様の条件にて複合仮撚糸を得た。
【0039】
この複合仮撚糸は132デニール、48フィラメント、捲縮率18%、沸水収縮率3.6%、芯糸の捲縮率48%、鞘糸の捲縮率28%で糸形態はほぼ実施例1の伸縮性複合仮撚糸と類似していた。
【0040】
次いで、該複合仮撚糸に実施例1と同様の条件にて撚糸―セット―製織―染色加工を施したところ、経糸密度336本/鯨、緯糸密度184本/鯨と染色工程による織物の収縮が低く、ストレッチ率も経方向12%、緯方向15%と低く且つストレッチ回復率も経、緯方向共に85%以下でへたり易い布帛しか得られなかった。また、風合も芯鞘共に捲縮率が低いため、ふくらみ感や腰反撥も低目で、伸縮性素材としては不可であった。
【0041】
更にその外観も芯糸が鞘糸に比べてかなり淡染しており霜降調の濃淡染斑や芯糸を鞘糸の交絡斑に起因していると思われる筋状の染斑も見られるなど品位の低いものであった。
【0042】
一方、該糸条に1メーター当り600回の撚を加え実施例1と同様の条件にてベネシャン織物を作成したところ、実施例1で得られた織物の様な細かくシャープなしぼ外観は現われず、粗くルーズな凹凸程度のものに過ぎなかった。実施例1との差違は主として染色時のリラックス工程と染色工程での織物の収縮率にあり、本発明の複合仮撚糸は、芯糸であるコンジュゲート糸の捲縮発現力が強いため、この収縮率が比較例1の場合より大きくなる特徴がある。また、実施例1で使用したコンジュゲート糸をフリー状態で沸水に浸して捲縮を発現させると、比較例1で使用したコンジュゲート糸の場合よりスパイラル状捲縮が細かく、且つ単繊維間並びに糸長方向でやや形態に大小の変動が見られ、これが捲縮発現時に微妙な捩れトルクのバラツキとなり、織物にしぼ効果を付与しているものと考えられる。
【0043】
【発明の効果】
本発明によれば、外観や風合の品位が優れた伸縮性を有するスパナイズ布帛が安価に得られその結果、水着、下着、スポーツウェアの分野のみならず、他の伸縮性を要求される分野へも安価且つ高品位の布帛を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る伸縮性複合仮撚糸の一例を示す側面図。
【図2】 本発明に係る伸縮性複合仮撚糸および従来の例で芯糸の断面変形を示す側面図。
【図3】 本発明に係る伸縮性複合仮撚糸の芯糸として配される原糸の例を示す断面図。
【図4】 本発明に係る伸縮性複合仮撚糸の製造工程を示す略線図。
【符号の説明】
A 芯糸
B 鞘糸
H 中空部
1 高収縮性ポリマー
2 低収縮性ポリマー

Claims (2)

  1. 少なくとも2種のポリエステル系フィラメント糸からなり、その際、一方を芯糸として、その周りに他方のフィラメント糸が鞘糸として芯糸と部分的に混繊・交絡しながら交互反転状に捲付いてなる芯鞘型2層構造糸において、芯糸がイソフタル酸および/または、ビスフェノールA化合物を8〜15モル%共重合した高収縮性ポリエチレンテレフタレートと、[η]f(繊維固有粘度)が0.36〜0.47の低収縮性ポリエチレンテレフタレートとをサイドバイサイド型に複合した、伸度25〜45%のコンジュゲート糸の延伸糸からなり、該サイドバイサイド型複合コンジュゲート延伸糸の高収縮性ポリエチレンテレフタレートの領域内には中空部が形成されており、他方、鞘糸が紡速2000〜3500m/minで紡糸した、伸度90〜180%のポリエステル系高配向未延伸糸からなることを特徴とする伸縮性複合仮撚糸。
  2. 芯糸のトータルデニールと鞘糸のトータルデニールが重量比で3:7〜5:5の範囲にあり、且つ芯糸の単繊維デニールが3.0〜8.0デニール、鞘糸の単繊維デニールが3.5デニール以下である請求項1記載の伸縮性複合仮撚糸。
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