JP4803256B2 - ブラシレスモータ - Google Patents

Description

本発明は、ブラシレスモータに関し、特にロータ位置を磁気的に検出する磁気検出装置の構成に関する。

図７は従来のブラシレスモータを示し、ステータ１１０とロータ１２０と磁気検出装置としてのホール素子１３０とを有する。ステータ１１０は、ステータ鉄心のティース１１３に巻線された複数のコイル１１５を有する。コイル１１５は、互いに結線されて３相ステータ巻線を構成する。ロータ１２０は、ロータ鉄心１２１と複数のロータ磁石１２３とを有する。ロータ１２０は、ステータ１１０の内側に回転自在に保持される。

ホール素子１３０は、ティース１１３の中央線とほぼ同じ角度位置で、ロータ磁石１２３の下に配置される。ホール素子１３０は、ロータ磁石１２３の漏れ磁束を検知してロータ位置を検知する。

図８は、ロータ磁石１２３と、ロータ磁石１２３のホール素子１３０に作用する漏れ磁束とを示す。図中の、ＢｏｐとＢｒｐはホール素子１３０が漏れ磁束を検知する閾値であり、ａとｂはホール素子１３０が漏れ磁束を検知する際の不感帯である。不感帯が大きいとロータ位置検知が精度よく実施できず、モータの振動、騒音の原因となる。したがって、ブラシレスモータの磁気検知装置は、不感帯が小さいことが望まれる。

ブラシレスモータの磁気検知装置については、例えば特許文献１を参照されたい。
日本特許出願特開２００６−１４５２１号公報

本発明のブラシレスモータは、環状のヨークと環状のヨークの外側に突出する外側ティースと環状のヨークの内側に突出する内側ティースとを有するステータコアと、ステータコアに巻線されたステータ巻線とを有するステータを含む。本発明のブラシレスモータはさらに、内側ティースに対面する内側ロータと、外側ティースに対面する外側ロータと、内側ロータの外側面に配置されたロータ磁石と、外側ロータの内側面に配置されたロータ磁石を有するロータを含む。本発明のブラシレスモータはさらに、外側ロータのロータ磁石の軸方向に配置されて、外側ロータのロータ磁石の漏れ磁束を検知する磁気検出装置を含む。そして、磁気検出装置は、隣り合う２つの外側ティースの間の中心線と同じ角度位置で配置され、磁気検出装置と外側ロータのロータ磁石との軸方向距離が、磁気検出装置と外側ロータのロータコアとの軸方向距離と同等またそれよりも短く、かつ、磁気検出装置とステータコアとの軸方向距離よりも短くなるようにロータ磁石が配置される。

この構成により、本発明のブラシレスモータは、漏れ磁束検出の不感帯を小さくし、モータの振動、騒音を低減する。

以下、本発明の実施形態について、図面を用いて説明する。

図１は、本実施の形態のブラシレスモータを示し、ステータ１０とロータ２０と磁気検出装置としてのホール素子３０とを有する。ステータ１０は、ステータコア１４と、ステータ巻線である複数のトロイダルコイル１５とを有する。ステータコア１４は、環状のヨーク１１と、ヨーク１１の外側と内側にそれぞれ突出する外側ティース１２と内側ティース１３とを有する。外側ティース１２と内側ティース１３は同数でかつ同角度位置にある。

ヨーク１１に複数のトロイダルコイル１５が巻線される。トロイダルコイル１５は、互いに結線されて３相ステータ巻線を構成する。

ロータ２０は、ステータ１０に対し回転自在に保持される。ロータ２０は、外側ティース１２と対面する外側ロータ２１と、内側ティース１３と対面する内側ロータ２２とを有する。ロータ磁石２３が外側ロータ２１の内側面に配置され、ロータ磁石２４が内側ロータ２２の外側面に配置される。ロータ磁石２３とロータ磁石２４は、外側ロータ２１と内側ロータ２２の磁束が、同じ角度分布をするように配置される。従って、外側ロータ２１と内側ロータ２２のどちらか一方の漏れ磁束を検知すればよいことになる。本実施の形態では、ホール素子３０は外側ロータ２１の漏れ磁束を検知する。

ホール素子３０は配線基板３１に実装される。ホール素子３０は、隣り合う２つの外側ティース１２の間の中央線とほぼ同じ角度位置で、ロータ磁石２３の下に配置される。

図２は、外側ロータ２１のロータ磁石２３と、ロータ磁石２３のホール素子３０に作用する漏れ磁束とを示す。Ｂｏｐ，Ｂｒｐはホール素子３０が漏れ磁束を検知する閾値である。ａとｂはホール素子３０が漏れ磁束を検知する際の不感帯である。

図２と図８を比較すると、不感帯は図２の方が小さい。すなわち、隣り合う２つのティースの間の中央にホール素子を配置することにより、不感帯は小さくなり、モータの振動、騒音は低減する。

次に、不感帯ａとｂを小さくするための、外側ロータ２１の改良を説明する。

（第１の改良例）図３は外側ロータ２１Ａの部分断面図である。ロータ磁石２３Ａの軸方向長さは、ホール素子３０の方向にロータコア３５より長い。

この構成により、ロータ磁石２３Ａとホール素子３０との間の距離が減少するので、ロータ磁石２３Ａのホール素子３０に作用する漏れ磁束が大きくなり、不感帯を小さくすることができる。

（第２の改良例）図４は外側ロータ２１Ｂの部分断面図である。ロータコア３５、ロータ磁石２３Ｂ、およびステータコア１４は、軸方向の長さは同じである。しかし、ロータコア３５とロータ磁石２３Ｂとは、ステータコア１４よりホール素子３０の方向に変位している。この構成により、ロータ磁石２３Ｂとホール素子３０との間の距離が減少するので、ロータ磁石２３Ｂのホール素子３０に作用する漏れ磁束が大きくなり、不感帯を小さくすることができる。

（第３の改良例）図５は外側ロータ２１Ｃの部分断面図である。ロータコア３５とロータ磁石２３Ｃとは、軸方向長さがホール素子３０の方向にステータコア１４より長い。この構成により、ロータ磁石２３Ｃとホール素子３０との間の距離が減少するので、ロータ磁石２３Ｃのホール素子３０に作用する漏れ磁束が大きくなり、不感帯を小さくすることができる。

本発明は複数個の磁気検出装置の内、少なくとも１つの磁気検出装置の極性をその他の磁気検出装置と反転させることを特徴とする。これにより図６に示すように磁気検出装置の配置スパンを短縮できる。

なお、本実施の形態においては、磁気検出装置を外側ロータのロータ磁石の漏れ磁束を検知するように配置したが、磁気検出装置は、外側ロータと内側ロータのいずれか一方の漏れ磁束を検知するように配置すればよい。

本発明のブラシレスモータは、低振動、低騒音を求める用途に好適である。

本発明の実施の形態のモータを示す図 ロータ磁石と、ロータ磁石の漏れ磁束とを示す図 外側ロータの第１の改良例を示す部分断面図 外側ロータの第２の改良例を示す部分断面図 外側ロータの第３の改良例を示す部分断面図 短縮配置スパンのホール素子を有するモータの図 従来のモータを示す図 従来のモータの、ロータ磁石と、ロータ磁石の漏れ磁束とを示す図

符号の説明

１０ ステータ
１１ ヨーク
１２ 外側ティース
１３ 内側ティース
１４ ステータコア
１５ ステータ巻線（トロイダルコイル）
２０ ロータ
２１ 外側ロータ
２２ 内側ロータ
２３ ロータ磁石
３０ 磁気検出装置（ホール素子）
３５ ロータコア

Claims (5)

1. 環状のヨークと前記環状のヨークの外側に突出する外側ティースと前記環状のヨークの内側に突出する内側ティースとを有するステータコアと、前記ステータコアに巻線されたステータ巻線とを有するステータと、
   前記内側ティースに対面する内側ロータと、前記外側ティースに対面する外側ロータと、前記内側ロータの外側面に配置されたロータ磁石と、前記外側ロータの内側面に配置されたロータ磁石とを有するロータと、
   前記外側ロータの前記ロータ磁石の軸方向に配置されて、前記外側ロータの前記ロータ磁石の漏れ磁束を検知する磁気検出装置とを有するブラシレスモータで、
   前記磁気検出装置は、隣り合う２つの前記外側ティースの間の中心線と同じ角度位置で配置され、前記磁気検出装置と前記外側ロータの前記ロータ磁石との軸方向距離が、前記磁気検出装置と前記外側ロータのロータコアとの軸方向距離と同等またそれよりも短く、かつ、前記磁気検出装置と前記ステータコアとの軸方向距離よりも短くなるように前記ロータ磁石を配置した、
   ブラシレスモータ。
2. 前記外側ロータの前記ロータ磁石の軸方向長さが、前記外側ロータのロータコアの軸方向長さより前記磁気検出装置の方向に長い請求項１記載のブラシレスモータ。
3. 前記外側ロータのロータコアと前記外側ロータの前記ロータ磁石と前記ステータコアとは同じ軸方向の長さを有し、前記外側ロータの前記ロータコアの軸方向中心位置が前記ステータコアの軸方向中心位置より前記磁気検出装置の方向にずれている請求項１記載のブラシレスモータ。
4. 前記外側ロータのロータコアと前記外側ロータの前記ロータ磁石とは同じ軸方向の長さを有し、前記外側ロータの前記ロータ磁石の軸方向の長さが、前記ステータコアの軸方向の長さより前記磁気検出装置の方向に長い請求項１記載のブラシレスモータ。
5. 複数個の前記磁気検出装置の内、少なくとも１つの前記磁気検出装置の極性がその他の前記磁気検出装置と反転している請求項１記載のブラシレスモータ。

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