JP2004120933A - ブラシレスモータ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ロータコア1aの外周近傍にマグネット1bを埋め込んだマグネット内装型ロータ1と、ステータ巻線2bを有しマグネット内装型ロータ1と周方向にギャップを介して対向するステータ2と、ステータ2の端部に配設したエンドブラケット4と、マグネット1bの磁束を検出する磁気センサ5を搭載した配線基板6とを備え、磁気センサ5をマグネット内装型ロータ1の外径より外側に配設し、磁気センサ5が検出するロータ主磁束の変化からロータ1の磁極位置信号を得るブラシレスモータ。
【選択図】 図1
Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロータの磁極位置を検出する磁気センサを備えたブラシレスモータに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
近年、産業用機器の駆動源として汎用モータから高効率なブラシレスモータ化が進んでおり、大出力化と省スペースを実現するための薄型化および高性能化が求められている。
【0003】
大出力を得るため、ロータには高磁束密度のマグネットを用いるとともに、ステータコアを分割し集中巻線を施して巻線の占積率を高めている。また、応答性を良くするためにインナーロータ型ブラシレスモータが一般的である。
【0004】
このブラシレスモータを回転駆動するには、ロータマグネットの磁極位置を検出してステータ巻線の励磁タイミングを決定する必要があり、3個の磁気センサを電気角で120°位相が異なるように精度よく取り付ける必要があった。
【0005】
このため、配線基板や樹脂成形品を用いて、磁気センサ間の位置を規制した状態でステータ側あるいはエンドブラケット側から位置検出用マグネットと対向するように固定し、ロータの磁極位置信号を得ている。
【0006】
【特許文献1】
特開平10−322999号公報
【特許文献2】
特開平8−23666号公報
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、ブラシレスモータの薄型化において、界磁マグネットとは別に位置検出用マグネットを設けると軸方向に寸法が長くなるという問題があった。
【0008】
また、ブラシレスモータの高性能化には、ステータ巻線の誘起電圧を正弦波に限りなく近づけ、タイミングよくステータ巻線に通電する必要があり、それには高精度なロータの磁極位置信号が不可欠である。具体的にはロータの磁極位置信号およびステータ巻線の誘起電圧は、0°および180°でゼロクロスする電気的ズレがない出力信号が理想となる。
【0009】
ロータの磁極位置信号の電気的なズレが発生する要因の一つに、磁気センサの機械的な位置精度のバラツキがあり、ステータ側に磁気センサを取り付けた場合、ロータを組み込んだ後、磁気センサの位置調整ができず、また、エンドブラケット側に磁気センサを取り付けると、ステータ巻線との位置調整ができないという問題があった。すなわち、磁気センサの機械的位置の累積誤差を吸収できず、その結果、ロータの磁極位置信号に電気的なズレが生じていた。
【0010】
もう一つの要因として、マグネット磁束のバラツキが考えられる。磁気センサの機械的な位置精度が確保できても、特に円周方向に分割したマグネットを用いると、マグネット固着時の円周方向のピッチ精度およびマグネットの厚み方向のバラツキがロータの磁極位置信号の電気的なズレに大きな影響を与える。
【0011】
したがって分割したマグネットから高精度のロータの磁極位置信号を得るには、高い加工精度と組立精度が求められ、高価なものになった。
【0012】
本発明はこのような従来の問題を解決するものであり、高精度のロータの磁極位置信号が得られ、安価で薄型、高性能を実現できるブラシレスモータを提供することを目的とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するために本発明は、ロータコアの外周近傍にマグネットを埋め込んだマグネット内装型ロータと、巻線を有し前記マグネット内装型ロータと周方向にギャップを介して対向するステータと、前記ステータの端部に配設したエンドブラケットと、前記マグネットの磁束を検出する磁気センサを搭載した配線基板とを備え、前記磁気センサを前記マグネット内装型ロータの外周より外側に配設し、磁気センサが検出するロータ主磁束の変化からロータの磁極位置信号を得ることを特徴としたブラシレスモータである。
【0014】
【発明の実施の形態】
上記の課題を解決するために、本発明の請求項1記載のブラシレスモータは、ロータコアの外周近傍にマグネットを埋め込んだマグネット内装型ロータと、巻線を有し前記マグネット内装型ロータと周方向にギャップを介して対向するステータと、前記ステータの端部に配設したエンドブラケットと、前記マグネットの磁束を検出する磁気センサを搭載した配線基板とを備え、前記磁気センサを前記マグネット内装型ロータの外周より外側に配設し、磁気センサが検出するロータ主磁束の変化からロータの磁極位置信号を得るので、従来のマグネット外装型ロータのようにマグネット表面の磁束を直接検出せずに機械的精度が極めて高いロータコアを介してマグネット主磁束を検出するため、マグネットの取付精度や形状に起因する電気的なズレが少ないロータの磁極位置信号を得ることができる。
【0015】
また、請求項2に記載のブラシレスモータは、3つの磁気センサを搭載した配線基板をステータあるいはエンドブラケットに固定するもので、ロータの磁極位置信号間の電気的なズレを小さくできるとともに、設計の自由度を高くできる。
【0016】
また、請求項3に記載のブラシレスモータは、磁気センサが軸方向に通過し、回転方向に移動できる調整孔部と、前記磁気センサを搭載した配線基板を取り付ける台座部と、前記台座部に配線基板を固定するネジ孔部とをエンドブラケットに設け、前記配線基板をエンドブラケットの外側から台座部にネジ固定したもので、磁気センサとステータ巻線との位相(位置)のバラツキを外側から調整することで吸収できる。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の一実施例について図を参照しながら説明する。
【0018】
図1において、1はロータ、2はステータ、3はフレーム、4はエンドブラケット、5は磁気センサ、6は配線基板、7および8は軸受、9はネジ、10はリード線である。
【0019】
ロータ1はマグネット内装型ロータで、ロータコア1aの周方向にマグネット1bを埋め込み、ロータコア1aの中心に回転軸1cを備えている。そして、隣り合うマグネット1bは、互いに極性が異なるように配設している。
【0020】
ステータ2は、磁極ティース2aごとに集中巻装したステータ巻線2bを備えており、ステータ2の外周部はフレーム3の内周に焼きバメによって固定され、フレーム3の開口部側にエンドブラケット4を配設している。
【0021】
回転軸1cは、フレーム3とエンドブラケット4に配設した軸受7、軸受8によって回転自在に保持されており、ロータコア1aの外周部とステータ2の内周部とは周方向にギャップを介して対向し、ロータ1の少なくとも片端面がステータ2のコア端面よりコイルエンド側(軸方向)に突出するように設定する。
【0022】
この軸方向に突出させたロータコア1aの外周面とギャップを介して対向するように磁気センサ5を固定している。磁気センサの一例として、ホール素子(あるいはホールIC)、MR素子がある。
【0023】
このように、磁気センサ5をマグネット内装型のロータ1のロータコア1a外周と対向させる構成であり、磁気センサ5は、マグネット1bの表面磁束を直接検出せず、機械的精度が極めて高いロータコア1aを介してマグネット主磁束を検出することとなり、マグネット1bの取付精度や形状に起因する電気的なズレが少ない磁極位置信号を得ることができる。また、位置検出用マグネットを用いないため軸方向の寸法を短縮できる。
【0024】
また、エンドブラケット4は、図2に示すように、磁気センサ5が軸方向に通過し、回転方向に移動できる調整孔部4aと、配線基板6を取り付ける台座部4bと、台座部4bに配線基板6を固定するネジ孔部4cとを備えている。
【0025】
図3に示すように、3つの磁気センサ5は1つの配線基板6の裏面に搭載され、ロータコア1aの半径よりも大きな半径の同心円上に電気角120°の位相差を確保して、はんだ付けにより予め固定する。
【0026】
したがって、配線基板6を固定するときに、磁気センサ5とステータ巻線2bの位相を合わせながら、3つの磁気センサ5の中心と回転軸の中心を合わせるように配線基板6の位置を調整した後、配線基板6をエンドブラケット4の台座部4bにネジ9で固定する。
【0027】
このとき、エンドブラケット4の調整孔部4aを通過した磁気センサ5とロータコア1aの外周面とのギャップを確保する。そして、磁気センサ5には配線基板6に接続したリード線(図示せず)を介して電源が供給される。
【0028】
なお、配線基板6の内周部と磁気センサ5の取り付け位置を同心上に配置しておき、回転中心から台座部4bの壁部までの半径寸法と、配線基板5の内周部までの半径寸法をほぼ同じに設定すれば、配線基板6の内周部を台座部4bの壁部に沿わせるだけで磁気センサ間の芯ズレを吸収できる。また、配線基板5を台座部4bの壁部に沿わせて回転方向に移動するだけで位相調整が容易にできる。
【0029】
したがって、磁気センサ間の芯ズレおよび磁気センサとステータ巻線との位相(位置)のズレを外側からの調整によって吸収できる。
【0030】
また、磁気センサを搭載した配線基板をステータ側に固定しても同様に実施でき、ステータ巻線を絶縁する絶縁板を利用し、予め決めた位置関係で配線基板を固定すればよく、ステータ巻線と磁気センサの位相バラツキを抑制して一定の精度を確保できる。
【0031】
さらに、配線基板にステータ巻線の入力端子(預け端子)を設けてモータリード線を接続すれば、配線作業の合理化が可能になる。
【0032】
【発明の効果】
上記の実施例から明らかなように、請求項1に記載の発明によれば、マグネット内装型ロータの外周に磁気センサを配置することで、ロータマグネットに起因するロータの磁極位置信号の電気的なズレを小さくできる効果がある。
【0033】
また、請求項2に記載の発明によれば、磁気センサを搭載した配線基板をステータあるいはエンドブラケットに固定してもロータの磁極位置信号間の電気的なズレを小さくできるので、設計の自由度を高くできる効果がある。
【0034】
また、請求項3に記載の発明によれば、磁気センサ間の芯ズレおよび磁気センサとステータ巻線との位相(位置)のバラツキを外側から位置調整により吸収できるため、磁気センサおよびロータマグネットに起因するロータの磁極位置信号の電気的なズレを小さくでき、高精度のロータの磁極位置信号が得られる。
【0035】
このように、ロータ磁極の位置検出精度が高く、安価で薄型、高性能を実現できるブラシレスモータを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例におけるブラシレスモータの断面図
【図2】本発明の一実施例における要部断面図
【図3】本発明の一実施例における磁気センサの位置調整を説明する平面図
【符号の説明】
1 ロータ
1a ロータコア
1b マグネット
2 ステータ
2b ステータ巻線
4 エンドブラケット
4a 調整孔部
4b 台座部
4c ネジ孔部
5 磁気センサ
6 配線基板
9 ネジ
Claims (3)
- ロータコアの外周近傍にマグネットを埋め込んだマグネット内装型ロータと、巻線を有し前記マグネット内装型ロータと周方向にギャップを介して対向するステータと、前記ステータの端部に配設したエンドブラケットと、前記マグネットの磁束を検出する磁気センサを搭載した配線基板とを備え、前記磁気センサを前記マグネット内装型ロータの外周より外側に配設し、磁気センサが検出するロータ主磁束の変化からロータの磁極位置信号を得ることを特徴としたブラシレスモータ。
- 3つの磁気センサを搭載した配線基板をステータあるいはエンドブラケットに固定した請求項1に記載のブラシレスモータ。
- 磁気センサが軸方向に通過し、回転方向に移動できる調整孔部と、前記磁気センサを搭載した配線基板を取り付ける台座部と、前記台座部に配線基板を固定するネジ孔部とをエンドブラケットに設け、前記配線基板をエンドブラケットの外側から台座部にネジ固定した請求項1または請求項2に記載のブラシレスモータ。
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JP2002283160A JP2004120933A (ja) | 2002-09-27 | 2002-09-27 | ブラシレスモータ |
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WO2007129575A1 (ja) * | 2006-05-08 | 2007-11-15 | Panasonic Corporation | ブラシレスモータ |
CN105576932A (zh) * | 2015-12-29 | 2016-05-11 | 赵浩 | 一种轴套型测速发电机 |
JP7331542B2 (ja) | 2018-09-28 | 2023-08-23 | ニデックパワートレインシステムズ株式会社 | 電動ポンプ装置 |
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2002
- 2002-09-27 JP JP2002283160A patent/JP2004120933A/ja active Pending
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