JP4802431B2 - 膜厚測定方法及び光ディスクにおける膜厚測定方法 - Google Patents

膜厚測定方法及び光ディスクにおける膜厚測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、レーザフォーカス変位計を用いた薄膜の膜厚測定方法に関し、より詳しくは、光記録媒体を構成する層の膜厚をレーザフォーカス変位計を用いて測定する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
光記録媒体の製造において、媒体を構成する層の膜厚を測定し管理することは重要である。例えば、CD、DVD等の光ディスクにおいては、膜厚2μm〜20μm程度の保護層が光硬化性樹脂から形成され、この保護層の膜厚を測定し管理することが必要である。
【0003】
光ディスクの製造において、インラインで膜厚を測定するためには、生産効率上、短時間で測定を行わなければならない。このため、レーザフォーカス変位計が有効な測定手段である。
【0004】
レーザフォーカス変位計は、例えば、特開平8−320208号公報に記載のように、図1に示される概略構成とされる。
図1において、LDドライバ(51)の制御によってレーザダイオード(52)から発せられた出射レーザ光は、ビームスプリッタ(53)、レンズ(54)及びレンズ(55)を順次通り、測定対象物(56)に照射されるようになっている。測定対象物(56)で反射したレーザ光はレンズ(55)及びレンズ(54)を通ってビームスプリッタ(53)で反射し、光絞り部(57)に形成されたピンホール(57a) を通ってホトダイオード(58)へ入射するようになっている。ホトダイオード(58)で光電変換された信号は増幅器(59)へ入力され、その出力信号Xは処理回路(P) へ入力されるようになっている。
【0005】
U字状をした音叉(61)の一側長寸部の先端にはレンズ(55)の周縁部が取付けられている。レンズ(55)は、音叉(61)の振動により、レーザダイオード(52)からの出射レーザ光の光軸方向に所定振幅で振動させられるようになっている。音叉(61)の一側長寸部の先端側の側方には、例えば磁気、光又は静電容量を利用したセンサ(62)が配設され、音叉(61)の位置を測定するようになっている。センサ(62)が測定した位置信号は増幅器(63)へ入力され、その出力信号Yは処理回路(P) へ入力されるようになっている。音叉(61)の他側長寸部の先端側の側方には、音叉(61)を振動させるためのソレノイド(64)が配設されている。ソレノイド(64)には音叉振幅制御回路(65)からの制御電流が供給され、音叉振幅制御回路(65)には増幅器(63)の出力信号が与えられて音叉(61)の振幅を一定になすべく制御されるようになっている。
【0006】
なお、上記の構成要素のうち、少なくともレーザダイオード(52)、ビームスプリッタ(53)、レンズ(54)、レンズ(55)、光絞り部(57)及びホトダイオード(58)は、センサーヘッド部(H) として一体化されている。
【0007】
音叉振幅制御回路(65)からソレノイド(64)に電流を供給し、ソレノイド(64)により磁界を発生させ、この磁界により音叉(61)を所定振幅で振動させる。音叉(61)の振動によって、レンズ(55)は出射レーザ光の光軸方向に振動させられる。センサ(62)は音叉(61)の振幅位置すなわちレンズ(55)の振幅位置を検出し、その正弦波信号を出力する。この正弦波信号を増幅器(63)で増幅し、増幅器(63)から出力される出力信号Yを処理回路(P) へ入力させる。
【0008】
一方、LDドライバ(51)の制御によってレーザダイオード(52)に駆動電流を供給し、レーザダイオード(52)からレーザ光を出射する。出射レーザ光はビームスプリッタ(53)、レンズ(54)及びレンズ(55)を通って測定対象物(56)を照射する。測定対象物(56)で反射した反射光の一部はレンズ(55)とレンズ(54)を通ってビームスプリッタ(53)で反射して、ピンホール(57a) を通過しホトダイオード(58)へ入射する。ピンホール(57a) を通過した反射光のみがホトダイオード(58)へ入射する。この際、ホトダイオード(58)には、測定対象物(56)に生じた合焦点の光のみが入射する。ホトダイオード(58)で光電変換された信号を増幅器(59)で増幅し、増幅器(59)から出力される出力信号Xは処理回路(P) へ入力させる。
【0009】
処理回路(P) では、出力信号X及び出力信号Yに基づいて、測定対象物までの距離が求められる。透明薄膜の膜厚は、レンズ(55)が光軸方向に振動させられ、薄膜の上側の界面までの距離及び下側の界面までの距離の双方が求められることにより、測定される。以上、レーザフォーカス変位計の概略について説明した。
【0010】
光ディスクの製造ラインにおいて、光ディスクを水平台上に載せ、順次、レーザフォーカス変位計のセンサーヘッド部(H) が設置された検査位置まで搬送する。検査位置において、センサーヘッド部(H) は、光軸が垂直方向となるように設置されている。すなわち、検査位置において、水平台上に載せられた光ディスクの垂直上方から、レーザ光が照射される。
【0011】
ところが、順次搬送されて検査位置に来る光ディスクは、必ずしも水平状態であることはなく、水平面からある程度傾いていることもある。例えば、実際の装置においては、水平台そのものが必ずしも正確に水平であるとは限らず、また、光ディスクにも反りなどの変形が生じていることが少なからずある。傾いた状態の光ディスクに、垂直上方からレーザ光が照射されると、膜厚の測定値には誤差が生じることになる。
【0012】
図2は、レーザフォーカス変位計を用いた従来の膜厚測定を説明するための図である。図2において、水平状態にある測定対象光ディスクの膜厚を測定したい層(31)(例えば、保護層)が実線で示されている。水平から傾いた状態にある測定対象光ディスクの膜厚を測定したい層(32)(例えば、保護層)が破線で示されている。層(31)又は層(32)以外の光ディスクの各層は、図示が省略されている。
【0013】
センサーヘッド部(H) から、光ディスクに向けて、垂直下方(矢印A)にレーザ光が照射される。光ディスクが水平状態にある場合、層(31)の膜厚測定値は矢印t31に相当する値となり、実際の膜厚tと等しい。一方、光ディスクが水平から傾いた状態にある場合、層(32)の膜厚測定値は矢印t32に相当する値となり、実際の膜厚tよりもeだけ大きな値となる。t32=t31+e
【0014】
このように、レーザフォーカス変位計を用いた従来の膜厚測定では、光ディスクが水平から傾いていると、膜厚測定値には誤差が生じていた。
【0015】
ところで、最近、高品位の動画像を長時間記録するために、DVDよりもさらに記録・再生レーザ光の波長λを400nm程度まで短くし、開口数(NA)を0.85まで大きくすることにより、DVDの4倍以上の記録容量となる高記録容量(20GB/面以上)を達成しようとするシステムの開発が行われている。
【0016】
このシステムで使用される光ディスクは、チルトマージンを確保するために、厚さ100μm程度の光透過層を有し、前記光透過層を通して記録又は再生のためのレーザ光が入射される。
【0017】
このシステムの光ディスクを製造するに際しては、100μm程度の厚さに設定された光透過層の膜厚について非常に厳しい管理が要求される。例えば、中心膜厚が100μmに設定された場合には、1枚の光ディスク内の膜厚ばらつきは、100±1.5μm(±1.5%)の範囲内で膜厚管理されることが望ましい。
【0018】
しかし、前記レーザフォーカス変位計を用いた膜厚測定において、光ディスクが水平面から10°傾いた場合には、膜厚100μmの光透過層の膜厚測定において、測定誤差1.5μmが生じてしまう。
【0019】
【発明が解決しようとする課題】
このような背景から、膜厚を測定すべき光ディスクが水平面から傾いた状態であっても、精度良く、かつ製造のインラインにて短時間で膜厚を測定し得る方法の開発が要望されている。
そこで、本発明の目的は、レーザフォーカス変位計を用いた透明体(厚膜)の膜厚測定方法を提供することにある。とりわけ、本発明の目的は、レーザフォーカス変位計を用いた光ディスクにおける膜厚測定方法を提供することにある。
【0020】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討した結果、レーザフォーカス変位計を2つ使用し、主たる膜厚測定値に補正を加えることによって、精度良く、かつ製造のインラインにて短時間で膜厚を測定できることを見いだし、本発明に至った。
【0021】
本発明は、一のレーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を水平面に対して略垂直な方向に設定し、一方、他の一のレーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を前記略垂直方向とは所定の角度を成すように設定し、
これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれ、膜厚測定対象物にレーザ光を照射し、測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて測定対象物の膜厚を算出し、2つの膜厚測定値を得て、
2つの膜厚測定値から、測定対象物の水平面からの傾斜角度を算出し、傾斜角度に基づいて正確な膜厚を算出する、膜厚測定方法である。
予め、標準となる膜厚測定対象物について、傾斜補正標準線を作成し、補正係数Fを求めておく。膜厚測定対象物についての上記2つの膜厚測定値と、この傾斜補正標準線(補正係数F)とから、測定対象物の水平面からの傾斜角度を算出する。
【0022】
本発明は、主レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を水平面に対して略垂直な方向に設定し、一方、他の補正用レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を前記略垂直方向とは所定の角度θc を成すように設定し、
予め、標準となる膜厚測定対象物を水平面に対してある傾斜角度θa1にセットして、傾斜角度θa1にセットされた標準測定対象物に、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、標準測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて標準測定対象物の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚標準測定値tm1と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚標準測定値tc1とを得て、両測定値の比tm1/tc1を求め、さらにこの一連の操作を異なる傾斜角度θa2, θa3, ...,θak(kは、2以上の整数)について繰り返し行い、それぞれの傾斜角度θakについて、主膜厚標準測定値tmkと補正用膜厚標準測定値tckとを得て、両測定値の比tmk/tckを求め、得られたk個の傾斜角度θakに対するtmk/tckの値をプロットすることにより、補正係数F:
tmk/tck=F×θak+C (ここで、Cは定数)
を求めておき、
次に、膜厚測定対象物に、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて測定対象物の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚測定値Tm と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚測定値Tc とを得て、両測定値の比Tm /Tc を求め、
Tm /Tc =F×θ+C
の式から、膜厚測定対象物の水平面に対する傾斜角度θを算出し、
主膜厚測定値Tm と傾斜角度θとから、補正された正確な膜厚T:
T=Tm ×cosθ
を求める、膜厚測定方法である。
【0023】
本発明は、表面にレーザ光に対して透明な層を有する光ディスクの前記透明層の膜厚をレーザフォーカス変位計を用いて測定する方法であって、
主レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を水平面に対して略垂直な方向に設定し、一方、他の補正用レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を前記略垂直方向とは所定の角度θc を成すように設定し、
予め、標準となる光ディスクを水平面に対してある傾斜角度θa1にセットして、傾斜角度θa1にセットされた標準光ディスクに、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、標準光ディスクからの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて標準光ディスクの前記透明層の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚標準測定値tm1と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚標準測定値tc1とを得て、両測定値の比tm1/tc1を求め、さらにこの一連の操作を異なる傾斜角度θa2, θa3, ...,θak(kは、2以上の整数)について繰り返し行い、それぞれの傾斜角度θakについて、主膜厚標準測定値tmkと補正用膜厚標準測定値tckとを得て、両測定値の比tmk/tckを求め、得られたk個の傾斜角度θakに対するtmk/tckの値をプロットすることにより、補正係数F:
tmk/tck=F×θak+C (ここで、Cは定数)
を求めておき、
次に、膜厚測定対象光ディスクに、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、測定対象光ディスクからの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて測定対象光ディスクの前記透明層の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚測定値Tm と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚測定値Tc とを得て、両測定値の比Tm /Tc を求め、
Tm /Tc =F×θ+C
の式から、膜厚測定対象光ディスクの水平面に対する傾斜角度θを算出し、
主膜厚測定値Tm と傾斜角度θとから、補正された正確な膜厚T:
T=Tm ×cosθ
を求める、光ディスクにおける膜厚測定方法である。
【0024】
本発明は、光ディスクは、支持基体上に、少なくとも1層の記録層と記録層上の光透過層とを有するものである、前記の光ディスクにおける膜厚測定方法である。
【0025】
本発明は、前記光透過層の厚さは、40〜200μmである、前記の光ディスクにおける膜厚測定方法である。
【0026】
また、本発明は、照射レーザ光の光軸が水平面に対して略垂直な方向に設定された主たるレーザフォーカス変位計と、照射レーザ光の光軸が前記略垂直方向とは所定の角度を成すように設定された補正用のレーザフォーカス変位計と、
これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれ得られた2つの膜厚測定値から、予め設定された補正処理を行い、すなわち、測定対象物の水平面からの傾斜角度に基づいた補正処理を行い、正確な膜厚を算出する膜厚算出処理回路とを有する、膜厚測定装置である。
【0027】
【発明の実施の形態】
図面を参照して、光ディスクを例にして膜厚測定方法を説明する。
図3は、本発明の方法により膜厚測定される光ディスクの一例の概略断面図である。図3において、光ディスク(1) は、支持基体(2) のプリグルーブ等の微細凹凸が形成されている側の面上に、反射層(3) 、誘電体層(4) 、記録層(5) 、誘電体層(6) をこの順で有し、誘電体層(6) 上に光透過層(7) を有し、また中心孔(8) を有する。光ディスク(1) は、光透過層(7) を通して記録又は再生のためのレーザ光が入射するように使用される。光透過層(7) の厚さは、40〜200μmとされる。
【0028】
図4は、本発明の膜厚測定装置の概略構成を示す図であり、特に、表面にレーザ光に対して透明な層、例えば、図3に示した光透過層(7) を有する光ディスク(1) の前記透明層(7) の膜厚をレーザフォーカス変位計を用いて測定する本発明の方法の概略を説明する図である。
【0029】
図4において、製造ラインの光ディスク(1) は、例えば、図示されない水平台に載せられて紙面の手前側から向う側に搬送させられる。図示は省略されるが、光ディスク(1) の上表面には膜厚を測定すべき透明層(7) が形成されている。光ディスク(1) は、その一部が図示されている。
【0030】
本発明の膜厚測定装置には、膜厚測定の所定位置において、光ディスク(1) 上方に、主たるレーザフォーカス変位計(41)と補正用のレーザフォーカス変位計(42)とが設けられ、主たるレーザフォーカス変位計(41)のセンサーヘッド(41H) は、照射レーザ光の光軸Aが水平面に対して垂直な方向に設定され、補正用レーザフォーカス変位計(42)のセンサーヘッド(42H) は、照射レーザ光の光軸Bが前記垂直方向とは所定の角度θc を成すように設定されている。これら2つのレーザフォーカス変位計(41)(42)は、膜厚測定対象物たる光ディスク(1) に、レーザ光を照射し、光ディスク(1) からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて光ディスク(1) の透明層(7) の膜厚を算出するための処理回路(41P)(42P)を備えている。実際の測定において、処理回路(41P)(42P)で算出された2つの膜厚測定値から、予め設定された補正処理を行い、すなわち、測定対象物の水平面からの傾斜角度に基づいた補正処理を行い、正確な膜厚を算出する膜厚算出処理回路(43)が備えられている。
【0031】
上記の膜厚測定装置を用いて、予め、精度良く透明層(7) が形成された光ディスク(1) を標準ディスクとして、この標準ディスクについて種々のディスク傾斜角度での測定を行って、ディスク傾斜補正標準線を作成し、補正係数Fを算出する。
【0032】
まず、標準ディスク(1) を水平面に対してある傾斜角度θa1(図4においては、θa として示されている)にセットして、傾斜角度θa1にセットされた標準ディスク(1) に、これら2つのレーザフォーカス変位計(41)(42)からそれぞれレーザ光A,Bを照射し、標準ディスク(1) からの反射光を受光素子で受光し、処理回路(41P)(42P)において、受光信号に基づいて標準ディスク(1) の透明層(7) の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計(41)からの主膜厚標準測定値tm1と、補正用レーザフォーカス変位計(42)からの補正用膜厚標準測定値tc1とを得る。
【0033】
さらにこの一連の操作を異なる傾斜角度θa2, θa3, ...,θak(kは、2以上の整数)について繰り返し行い、それぞれの傾斜角度θakについて、主膜厚標準測定値tmkと補正用膜厚標準測定値tckとを得る。
【0034】
次に、膜厚算出処理回路(43)において、又は他の演算処理において、得られた両測定値の比tmk/tckを求め、得られたk個の傾斜角度θakに対するtmk/tckの値をプロットすることにより、ディスク傾斜補正標準線を作成し、補正係数F:
tmk/tck=F×θak+C (ここで、Cは定数)
を求める。
【0035】
このディスク傾斜補正標準線又は補正係数Fの情報を、膜厚算出処理回路(43)に入力する。このようにして、ディスク傾斜に対する補正標準線作成がなされる。
【0036】
次に、実際の製造ラインにおいて、光ディスク(1) の透明層(7) の膜厚測定を行う。製造ラインの光ディスク(1) を、図4紙面の手前側から向う側に搬送し、膜厚測定装置の所定位置において停止させ、膜厚測定を行う。光ディスク(1) は、水平面に対して傾斜角度θで傾斜していることがある。
【0037】
測定位置において、光ディスク(1) に、2つのレーザフォーカス変位計(41)(42)からそれぞれレーザ光A,Bを照射し、光ディスク(1) からの反射光を受光素子で受光し、処理回路(41P)(42P)において、受光信号に基づいて光ディスク(1) の透明層(7) の膜厚を各々算出し、主レーザフォーカス変位計(41)からの主膜厚標準測定値Tm と、補正用レーザフォーカス変位計(42)からの補正用膜厚測定値Tc とを得る。
【0038】
得られたTm とTc のデータを、処理回路(41P)(42P)から膜厚算出処理回路(43)に送る。処理回路(43)において、両測定値の比Tm /Tc を求める。そして、ディスク傾斜補正標準線又は補正係数Fの情報に基づいて、
Tm /Tc =F×θ+C
の式から、光ディスク(1) の水平面に対する傾斜角度θを算出する。
【0039】
そうすると、光ディスク(1) の透明層(7) の膜厚は、主膜厚測定値Tm と傾斜角度θとから、
T=Tm ×cosθ
として求められる。このようにして、光ディスク(1) が水平面に対して傾斜角度θで傾斜している場合であっても、予め準備されたディスク傾斜補正標準線又は補正係数Fに基づいて、透明層(7) の補正された膜厚が正確に測定される。
【0040】
このような測定を、必要に応じて1枚の光ディスクについて、周方向と径方向に複数箇所行うことが好ましい。
【0041】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は実施例に限定されるものではない。
【0042】
[実施例1]
図4に示す膜厚測定装置を用いて、図3に示す層構成の光ディスク(1) の光透過層(7) の膜厚の測定を行った。レーザフォーカス変位計(41)の照射レーザ光の光軸Aは水平面に対して垂直方向であり、補正用レーザフォーカス変位計(42)の照射レーザ光の光軸Bは前記垂直方向とは角度θc =10°を成すように設定した。レーザフォーカス変位計(41)(42)は、キーエンス社製のLT−8100を用いた。
【0043】
光ディスク(1) は、グルーブを形成したディスク状支持基体(ポリカーボネート製、直径120mm、厚さ1.1mm)の表面に、厚さ100nmの反射層(3) 、厚さ30nmの誘電体層(4) 、厚さ12nmの記録層(5) 、厚さ100nmの誘電体層(6) 及び厚さ100μmの光透過層(7) が順次形成されたものであった。
【0044】
(ディスク傾斜補正標準線の作成)
精度良く厚さ100μm(輪郭形状測定機(サーフコム605A、(株)東京精密製)にて測定した)とされた光透過層(7) が形成された光ディスク(1) を標準ディスクとして用いて、補正標準線の作成のために、以下のように異なる7個のディスク傾斜角度での測定を行った。
【0045】
標準ディスク(1) を水平面に対して傾斜角度θa1=−5°にセットして、2つのレーザフォーカス変位計(41)(42)からそれぞれレーザ光A,Bを照射し、主レーザフォーカス変位計(41)からの主膜厚標準測定値tm1と、補正用レーザフォーカス変位計(42)からの補正用膜厚標準測定値tc1とを得た。同様の測定により、傾斜角度:−10°、−15°、0°、10°、15°、20°について、主膜厚標準測定値tmkと補正用膜厚標準測定値tckとを得た。表1に示す結果が得られた。なお、θb は、光軸Bとディスク面に垂直な線との成す角度であり、θc =θa +θb である。角度については、図4において、反時計回りを+、時計回りを−で表示した。
【0046】
【表1】
Figure 0004802431
【0047】
得られた値から、図5に示すディスク傾斜補正標準線を作成した。
y=0.0031x+0.985
なる補正標準線が得られた。すなわち、F=0.0031、C=0.985であった。補正係数F、Cの情報を、膜厚算出処理回路(43)に入力した。
【0048】
(製造ラインでのディスクの光透過層厚の測定)
次に、製造ラインでのディスクの光透過層厚の測定を行った。
7枚のディスクについて測定を行い、表2に示す結果が得られた。膜厚算出処理回路(43)において、各ディスクについて得られた主膜厚測定値Tm と傾斜角度θの値から、
T=Tm ×cosθ
と補正された膜厚Tを算出した。補正後の膜厚Tの値は、別途サーフコム605Aにて測定して得られた正確な膜厚の値と一致した。
【0049】
【表2】
Figure 0004802431
【0050】
このように、膜厚測定装置に搬送されてくるディスクが多少水平面から傾斜していても、正確な膜厚が測定できた。
【0051】
【発明の効果】
本発明によれば、膜厚を測定すべき光ディスクが水平面から傾いた状態であっても、予め準備されたディスク傾斜補正標準線又は補正係数Fに基づいて、透明層の膜厚を精度良く、かつ製造のインラインにて短時間で測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 レーザフォーカス変位計の概略構成を示す図である。
【図2】 レーザフォーカス変位計を用いた従来の膜厚測定を説明するための図である。
【図3】 本発明の方法により膜厚測定される光ディスクの一例の概略断面図である。
【図4】 本発明の膜厚測定装置の概略構成を示す図である。
【図5】 実施例において作成されたディスク傾斜補正標準線である。
【符号の説明】
(1) :光ディスク
(7) :光透過層
(41):主たるレーザフォーカス変位計
(41):補正用のレーザフォーカス変位計
(41H) (42H) :センサーヘッド
(41P)(42P):処理回路
A,B:照射レーザ光の光軸
(43):膜厚算出処理回路
θa :ディスク(1) を水平面に対する傾斜角度
θc :光軸AとBとの成す角度

Claims (5)

  1. 一のレーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を水平面に対して略垂直な方向に設定し、一方、他の一のレーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を前記略垂直方向とは所定の角度を成すように設定し、
    これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれ、膜厚測定対象物にレーザ光を照射し、測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて測定対象物の膜厚を算出し、2つの膜厚測定値を得て、
    2つの膜厚測定値から、測定対象物の水平面からの傾斜角度を算出し、傾斜角度に基づいて正確な膜厚を算出する、膜厚測定方法。
  2. 主レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を水平面に対して略垂直な方向に設定し、一方、他の補正用レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を前記略垂直方向とは所定の角度θc を成すように設定し、
    予め、標準となる膜厚測定対象物を水平面に対してある傾斜角度θa1にセットして、傾斜角度θa1にセットされた標準測定対象物に、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、標準測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて標準測定対象物の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚標準測定値tm1と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚標準測定値tc1とを得て、両測定値の比tm1/tc1を求め、さらにこの一連の操作を異なる傾斜角度θa2, θa3, ...,θak(kは、2以上の整数)について繰り返し行い、それぞれの傾斜角度θakについて、主膜厚標準測定値tmkと補正用膜厚標準測定値tckとを得て、両測定値の比tmk/tckを求め、得られたk個の傾斜角度θakに対するtmk/tckの値をプロットすることにより、補正係数F:
    tmk/tck=F×θak+C (ここで、Cは定数)
    を求めておき、
    次に、膜厚測定対象物に、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、測定対象物からの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて測定対象物の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚測定値Tm と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚測定値Tc とを得て、両測定値の比Tm /Tc を求め、
    Tm /Tc =F×θ+C
    の式から、膜厚測定対象物の水平面に対する傾斜角度θを算出し、
    主膜厚測定値Tm と傾斜角度θとから、補正された正確な膜厚T:
    T=Tm ×cosθ
    を求める、膜厚測定方法。
  3. 表面にレーザ光に対して透明な層を有する光ディスクの前記透明層の膜厚をレーザフォーカス変位計を用いて測定する方法であって、
    主レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を水平面に対して略垂直な方向に設定し、一方、他の補正用レーザフォーカス変位計の照射レーザ光の光軸を前記略垂直方向とは所定の角度θc を成すように設定し、
    予め、標準となる光ディスクを水平面に対してある傾斜角度θa1にセットして、傾斜角度θa1にセットされた標準光ディスクに、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、標準光ディスクからの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて標準光ディスクの前記透明層の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚標準測定値tm1と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚標準測定値tc1とを得て、両測定値の比tm1/tc1を求め、さらにこの一連の操作を異なる傾斜角度θa2, θa3, ...,θak(kは、2以上の整数)について繰り返し行い、それぞれの傾斜角度θakについて、主膜厚標準測定値tmkと補正用膜厚標準測定値tckとを得て、両測定値の比tmk/tckを求め、得られたk個の傾斜角度θakに対するtmk/tckの値をプロットすることにより、補正係数F:
    tmk/tck=F×θak+C (ここで、Cは定数)
    を求めておき、
    次に、膜厚測定対象光ディスクに、これら2つのレーザフォーカス変位計からそれぞれレーザ光を照射し、測定対象光ディスクからの反射光を受光素子で受光し、受光信号に基づいて測定対象光ディスクの前記透明層の膜厚を算出し、主レーザフォーカス変位計からの主膜厚測定値Tm と補正用レーザフォーカス変位計からの補正用膜厚測定値Tc とを得て、両測定値の比Tm /Tc を求め、
    Tm /Tc =F×θ+C
    の式から、膜厚測定対象光ディスクの水平面に対する傾斜角度θを算出し、
    主膜厚測定値Tm と傾斜角度θとから、補正された正確な膜厚T:
    T=Tm ×cosθ
    を求める、光ディスクにおける膜厚測定方法。
  4. 光ディスクは、支持基体上に、少なくとも1層の記録層と記録層上の光透過層とを有するものである、請求項3に記載の光ディスクにおける膜厚測定方法。
  5. 前記光透過層の厚さは、40〜200μmである、請求項4に記載の光ディスクにおける膜厚測定方法。
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