JP2006040380A - 光記録装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】 球面収差の発生量と極性をリアルタイムに検出可能で、かつ高精度な検出補正が可能な光記録装置を提供する。
【解決手段】 ナイフエッジ法によるフォーカスサーボを備え、少なくとも1層の記録層を有する記録媒体に読み書きを行う光記録装置において、ナイフエッジを振動させるナイフエッジ振動機構と、前記ナイフエッジの振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させる球面収差補正信号発生手段と、前記球面収差補正信号によって球面収差を補正する補正手段とを具備する構成となっている。
【選択図】 図2
【解決手段】 ナイフエッジ法によるフォーカスサーボを備え、少なくとも1層の記録層を有する記録媒体に読み書きを行う光記録装置において、ナイフエッジを振動させるナイフエッジ振動機構と、前記ナイフエッジの振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させる球面収差補正信号発生手段と、前記球面収差補正信号によって球面収差を補正する補正手段とを具備する構成となっている。
【選択図】 図2
Description
この発明は、ナイフエッジ法によるフォーカスサーボを備える、少なくとも1層の記録層を有する光記録装置に関し、特に、ナイフエッジの振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を得て収差補正を行う光記録装置に関するものである。
近年の光ディスクの大容量化は、主に記録波長の短波長化と対物レンズの高NA化による最短記録波長の改善による記録面密度の向上により成し遂げられてきた。これに対して、光の透過性を利用して、記録媒体全体を有効利用し大容量記録を成し遂げようとする試みとして、ビット記録よる3次元光記録が試みられてきた。ビット記録による3次元光記録は、現用の記録層が1層の光記録に比較し、深さ方向に多層化した分だけ大容量化が可能であり、現状の100倍を越える大容量記録の実現が期待されている。
しかし、高NAの光学系による面密度を上げる方法では、記録層を保護する保護層の厚さに誤差があると球面収差の発生が顕著となり、反射光のコントラストは減少し、結果として高NAの光学系の特徴を生かすことが出来ないものであった。
また、多層記録においても、深さ方向に、例えば100層に記録層が多層化された場合、層間距離を5μmとしても、記録層全体では500μmの厚みがあり、例えば50層目の層に対し最適化された光学系では、最上層若しくは最下層を読み書きする場合には、光路中に占める媒体部分の厚みの違いがあり、屈折率のミスマッチにより大きな球面収差が発生する。このように、大容量記録を用いる前記いずれの方法においても、球面収差の発生は、再生信号の劣化を引き起こすため、それぞれの大容量化方法のメリットを生かすためには、球面収差を許容値以下に補正する必要がある。
球面収差の補正技術は、光学的補正手段と球面収差の検出および補正信号の生成手段とに分割することが出来る。光学的補正手段としては、例えば、(1)2枚構成の高NAレンズにおいては、レンズ間距離の調整、(2)液晶等の波面収差補正素子による補正、(3)ビームエキスパンダーのレンズ間距離の調整等を行う技術が提案されている。
しかしながら、高精度の補正を行うためにはこれらの球面収差補正光学系を制御するための高精度な球面収差の検出が必要であることはいうまでも無い。以下に、球面収差の検出方法についての従来技術を挙げる。
すなわち、球面収差が発生した際のデメリットとして、検出信号のコントラストが低下することが挙げられるが、検出信号のコントラストが低下する場合、検出信号の光量が低下しているため、検出信号のレベルが最大になるよう補正光学系を制御するようにしている(特許文献1)。
また、他に、球面収差補正機構を構成する2群対物レンズのレンズ間距離を微小振動させる際のRF信号を、フォーカス変動成分と球面収差量変動の成分に分け、最適点を求めるように制御している(特許文献2)。
この他に、非点収差法と同様に多分割フォトダイオードとシリンドリカルレンズの構成を用い、球面収差が発生した場合に非点収差の発生量が変化することを検出して球面収差を検出するようにしている(特許文献3)。
しかし、高NAの光学系による面密度を上げる方法では、記録層を保護する保護層の厚さに誤差があると球面収差の発生が顕著となり、反射光のコントラストは減少し、結果として高NAの光学系の特徴を生かすことが出来ないものであった。
また、多層記録においても、深さ方向に、例えば100層に記録層が多層化された場合、層間距離を5μmとしても、記録層全体では500μmの厚みがあり、例えば50層目の層に対し最適化された光学系では、最上層若しくは最下層を読み書きする場合には、光路中に占める媒体部分の厚みの違いがあり、屈折率のミスマッチにより大きな球面収差が発生する。このように、大容量記録を用いる前記いずれの方法においても、球面収差の発生は、再生信号の劣化を引き起こすため、それぞれの大容量化方法のメリットを生かすためには、球面収差を許容値以下に補正する必要がある。
球面収差の補正技術は、光学的補正手段と球面収差の検出および補正信号の生成手段とに分割することが出来る。光学的補正手段としては、例えば、(1)2枚構成の高NAレンズにおいては、レンズ間距離の調整、(2)液晶等の波面収差補正素子による補正、(3)ビームエキスパンダーのレンズ間距離の調整等を行う技術が提案されている。
しかしながら、高精度の補正を行うためにはこれらの球面収差補正光学系を制御するための高精度な球面収差の検出が必要であることはいうまでも無い。以下に、球面収差の検出方法についての従来技術を挙げる。
すなわち、球面収差が発生した際のデメリットとして、検出信号のコントラストが低下することが挙げられるが、検出信号のコントラストが低下する場合、検出信号の光量が低下しているため、検出信号のレベルが最大になるよう補正光学系を制御するようにしている(特許文献1)。
また、他に、球面収差補正機構を構成する2群対物レンズのレンズ間距離を微小振動させる際のRF信号を、フォーカス変動成分と球面収差量変動の成分に分け、最適点を求めるように制御している(特許文献2)。
この他に、非点収差法と同様に多分割フォトダイオードとシリンドリカルレンズの構成を用い、球面収差が発生した場合に非点収差の発生量が変化することを検出して球面収差を検出するようにしている(特許文献3)。
なお、先行技術である特許文献1は、レンズホルダ71により、対物レンズ27を保持するとともに、アクチュエータ74を介して、レンズホルダ73に保持されている先玉レンズ28を保持する。アクチュエータ72で、対物レンズ27と先玉レンズ28を一体的にフォーカス制御した後、アクチュエータ74で、先玉レンズ28の対物レンズ27に対するフォーカス方向の位置を微調整するようにしたものである。
また特許文献2は、フォーカス引き込み後、2群対物レンズの、第1のレンズと第2のレンズ間距離を第1の電磁アクチュエータで調整しながら、2群対物レンズを一体で第2の電磁アクチュエータで移動させる。RF信号S2に現れる球面収差による振幅変動とフォーカスサーボ誤差による振幅変動をエンベロープ検出部A33とエンベロープ検出部B34で分離し、2つの調整を同時に行うようにしたものである。
また特許文献3は、光ビームBに対して透明な保護層1aを少なくとも有する光ディスク1に対して、保護層1aを透過させて光ビームBを照射することにより情報を記録再生する光ピックアップにおいて、光ビームBを射出するレーザダイオード8と、光ビームBの光ディスク1からの反射光に基づいて、保護層1aの特性に起因して反射光に発生している球面収差を示すと共に極性を有する球面エラー信号Skeを生成する信号処理部11と、生成された球面エラー信号Skeに基づいて球面収差を補償する液晶パネル9と、を備えるものである。
特開平10−188301号公報
特開2000−40237公報
特開2000−57616公報
また特許文献2は、フォーカス引き込み後、2群対物レンズの、第1のレンズと第2のレンズ間距離を第1の電磁アクチュエータで調整しながら、2群対物レンズを一体で第2の電磁アクチュエータで移動させる。RF信号S2に現れる球面収差による振幅変動とフォーカスサーボ誤差による振幅変動をエンベロープ検出部A33とエンベロープ検出部B34で分離し、2つの調整を同時に行うようにしたものである。
また特許文献3は、光ビームBに対して透明な保護層1aを少なくとも有する光ディスク1に対して、保護層1aを透過させて光ビームBを照射することにより情報を記録再生する光ピックアップにおいて、光ビームBを射出するレーザダイオード8と、光ビームBの光ディスク1からの反射光に基づいて、保護層1aの特性に起因して反射光に発生している球面収差を示すと共に極性を有する球面エラー信号Skeを生成する信号処理部11と、生成された球面エラー信号Skeに基づいて球面収差を補償する液晶パネル9と、を備えるものである。
しかしながら、上記従来の特許文献1では、球面収差はRF信号の振幅の大小により判断される。従って、最適点は判るものの振幅が減少した際には球面収差補正を行う際の極性を直接判断することができなかった。
また、特許文献2では、球面収差補正機構を微小振動させることにより、フォーカスにも同時に微小振動が生じ、結果として両者が重複していたものを分離可能とし、迅速かつ精度良く、球面収差補正を完了することができるとしているが、やはり、補正機構の駆動方向を示す極性は得られず、クローズドループ制御は出来なかった。
また、特許文献1、2に共通する問題点として、記録信号の読み取り光学系の一部を振動させているため、球面収差制御信号の検出機構の動作が記録信号の読み取りに悪影響を与えていた。
また、特許文献3では、非点収差法の検出器の配置を見直すことにより、合焦時の投影パターンの同心円方向の広がりを比較することにより球面収差の検出を行っている。この方法によれば、球面収差の補正方向すなわち極性を求めることが出来るが、球面収差の検出下限は検出器を含めた位置合わせにより決定されるため、高度な調整が必要となると共に、多分割された検出器の特性が揃っていることが必要要件となる欠点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、球面収差の発生量と極性をリアルタイムに検出可能で、かつ高精度な検出補正が可能な光記録装置を提供することにある。
また、特許文献2では、球面収差補正機構を微小振動させることにより、フォーカスにも同時に微小振動が生じ、結果として両者が重複していたものを分離可能とし、迅速かつ精度良く、球面収差補正を完了することができるとしているが、やはり、補正機構の駆動方向を示す極性は得られず、クローズドループ制御は出来なかった。
また、特許文献1、2に共通する問題点として、記録信号の読み取り光学系の一部を振動させているため、球面収差制御信号の検出機構の動作が記録信号の読み取りに悪影響を与えていた。
また、特許文献3では、非点収差法の検出器の配置を見直すことにより、合焦時の投影パターンの同心円方向の広がりを比較することにより球面収差の検出を行っている。この方法によれば、球面収差の補正方向すなわち極性を求めることが出来るが、球面収差の検出下限は検出器を含めた位置合わせにより決定されるため、高度な調整が必要となると共に、多分割された検出器の特性が揃っていることが必要要件となる欠点があった。
本発明は、上記問題点を解決するためになされたもので、その目的は、球面収差の発生量と極性をリアルタイムに検出可能で、かつ高精度な検出補正が可能な光記録装置を提供することにある。
上述の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、ナイフエッジ法によるフォーカスサーボを備え、少なくとも1層の記録層を有する記録媒体に対して読み書きを行う光記録装置において、ナイフエッジを振動させるナイフエッジ振動手段と、前記ナイフエッジの振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させる球面収差補正信号発生手段と、前記球面収差補正信号によって球面収差を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の光記録装置において、前記ナイフエッジが振動する際に、基準とする位置を前記ナイフエッジが通過したごとに信号を保持してフォーカスエラー信号とすることを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の光記録装置において、前記ナイフエッジを間欠的に振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しない時にフォーカスエラー信号の生成を行うことを特徴とする。
また請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の光記録装置において、層間ジャンプ後にのみ前記ナイフエッジを振動させて球面収差を補正し、前記球面収差補正後は前記ナイフエッジを基準とする位置に停止させてフォーカスエラー信号を得ることを特徴とする。
また請求項5記載の発明は、請求項1記載の光記録装置において、二つの検出手段を有し、いずれか片方のみが前記ナイフエッジを振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられることを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の光記録装置において、前記ナイフエッジの振動方向が、光軸方向であることを特徴とする。
また請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の光記録装置において、前記ナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であることを特徴とする。
また請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の光記録装置において、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズの焦点位置に前記ナイフエッジを設置したことを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項1〜7記載の光記録装置において、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズの焦点位置に検出器を設置したことを特徴とする。
また請求項2記載の発明は、請求項1記載の光記録装置において、前記ナイフエッジが振動する際に、基準とする位置を前記ナイフエッジが通過したごとに信号を保持してフォーカスエラー信号とすることを特徴とする。
また請求項3記載の発明は、請求項1記載の光記録装置において、前記ナイフエッジを間欠的に振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しない時にフォーカスエラー信号の生成を行うことを特徴とする。
また請求項4記載の発明は、請求項1〜3の何れか一項に記載の光記録装置において、層間ジャンプ後にのみ前記ナイフエッジを振動させて球面収差を補正し、前記球面収差補正後は前記ナイフエッジを基準とする位置に停止させてフォーカスエラー信号を得ることを特徴とする。
また請求項5記載の発明は、請求項1記載の光記録装置において、二つの検出手段を有し、いずれか片方のみが前記ナイフエッジを振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられることを特徴とする。
また請求項6記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の光記録装置において、前記ナイフエッジの振動方向が、光軸方向であることを特徴とする。
また請求項7記載の発明は、請求項1〜5の何れか一項に記載の光記録装置において、前記ナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であることを特徴とする。
また請求項8記載の発明は、請求項1〜7の何れか一項に記載の光記録装置において、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズの焦点位置に前記ナイフエッジを設置したことを特徴とする。
また、請求項9記載の発明は、請求項1〜7記載の光記録装置において、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズの焦点位置に検出器を設置したことを特徴とする。
第1の発明によれば、ナイフエッジを振動させる機構を有し、かつ、ナイフエッジの振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させるので、球面収差の発生量と極性をリアルタイムに検出可能で、かつ、高精度な検出補正が可能となる。
また、第2の発明によれば、ナイフエッジが振動するさいに、基準とする位置をナイフエッジが通過したごとに信号を保持し、フォーカスエラー信号としているので、従来から用いられているフォーカスサーボの改良により、フォーカスサーボと球面収差の検出が同時に可能となり、精度とコストの両立が可能となる。
また、第3の発明によれば、間欠的にナイフエッジを振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しないときにはフォーカスエラー信号の生成にのみ用いているので、記録媒体のカバー層の厚みムラが大きいときには頻繁に球面収差補正を行い、精度の高い記録媒体の場合はフォーカスサーボの動作を優先させることで、より精度の高いフォーカスサーボを掛けることができ、高速での情報の読み書きに対応可能となる。
また、第4の発明によれば、層間ジャンプ後にのみナイフエッジを振動させ、球面収差を補正し、球面収差補正後は基準とする位置に停止させフォーカスエラー信号を得ているので、大きな球面収差の発生する層間ジャンプ時に速やかに球面収差の補正が可能であり、球面収差の補正後は、フォーカスサーボを優先させることで、高速・高精度の情報の読み書きが可能となる。
また、第2の発明によれば、ナイフエッジが振動するさいに、基準とする位置をナイフエッジが通過したごとに信号を保持し、フォーカスエラー信号としているので、従来から用いられているフォーカスサーボの改良により、フォーカスサーボと球面収差の検出が同時に可能となり、精度とコストの両立が可能となる。
また、第3の発明によれば、間欠的にナイフエッジを振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しないときにはフォーカスエラー信号の生成にのみ用いているので、記録媒体のカバー層の厚みムラが大きいときには頻繁に球面収差補正を行い、精度の高い記録媒体の場合はフォーカスサーボの動作を優先させることで、より精度の高いフォーカスサーボを掛けることができ、高速での情報の読み書きに対応可能となる。
また、第4の発明によれば、層間ジャンプ後にのみナイフエッジを振動させ、球面収差を補正し、球面収差補正後は基準とする位置に停止させフォーカスエラー信号を得ているので、大きな球面収差の発生する層間ジャンプ時に速やかに球面収差の補正が可能であり、球面収差の補正後は、フォーカスサーボを優先させることで、高速・高精度の情報の読み書きが可能となる。
また、第5の発明によれば、二組の検出系を有し、いずれか片方のみが前記ナイフエッジを振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられるので、保護層の厚みムラの大きな記録媒体や、記録層の深さムラが大きい記録媒体のフォーカスエラー信号および球面収差量を同時に連続して得ることができるため、劣悪な記録媒体においても収差を高精度に補正することができ、高速・高精度な情報の読み書きが可能となる。
また、第6の発明によれば、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸方向であるので、対物レンズのNAが大きな場合には高精度な検出が可能となる。
また、第7の発明によれば、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であるので、垂直方向の移動量を大きくすることにより、より大きな球面収差量の検出も可能となる。
また、第8の発明によれば、集束レンズの焦点位置にナイフエッジを設置したので、多分割の検出器を用いることにより、プッシュ−プル法によるトラッキング信号検出を兼ねる構成も可能となる。
また、第9の発明によれば、集束レンズの焦点位置に検出器を設置したので、フォトダイオードの位置合わせが簡略化できる。
また、第6の発明によれば、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸方向であるので、対物レンズのNAが大きな場合には高精度な検出が可能となる。
また、第7の発明によれば、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であるので、垂直方向の移動量を大きくすることにより、より大きな球面収差量の検出も可能となる。
また、第8の発明によれば、集束レンズの焦点位置にナイフエッジを設置したので、多分割の検出器を用いることにより、プッシュ−プル法によるトラッキング信号検出を兼ねる構成も可能となる。
また、第9の発明によれば、集束レンズの焦点位置に検出器を設置したので、フォトダイオードの位置合わせが簡略化できる。
以下に添付の図を参照してこの発明の実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明による光ディスク装置の一実施形態の構成ブロック図である。
図1に示すように、この光ディスク装置20の構成は、スピンドルモータ2により回転駆動されるCDの光ディスク1と、光ピックアップ3内のアクチュエータを駆動するモータドライバ4と、このモータドライバ4にサーボ制御のための信号を生成するサーボ手段6と、前記光ピックアップ3内の受光素子からの各信号を演算処理するリードアンプ5と、CD用の半導体レーザ光源、対物レンズ等の光学系、及びアクチュエータを内蔵した光ピックアップ3と、レーザ光源の光量等を制御するレーザコントローラ9と、光ディスク1に刻まれているATIP(Absolute Time In Pregroove)情報を取り出すATIPデコーダ8と、データの正確な書き出し位置を生成するCDエンコーダ10と、2値化されたRF信号をEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調するCDデコーダ7と、データを一時記憶するバッファRAM12と、このバッファRAM12を制御するバッファ・マネージャ13と、バッファRAM12に接続され、ATAPIやSCSIインターフェイスを有するホストインターフェース15と、CDデコーダ7からのデータを再度エラー訂正処理するCD−ROMデコーダ1/4と、エラー訂正コードの付加やインターリーブを行うCD−ROMエンコーダ11と、CDデコーダ7からオーディオ信号を変換するD/Aコンバータ16と、システム全体を制御するCPU18と、プログラムを格納するROM17と、ワークエリアとしてのRAM19から構成されている。また光ピックアップ3はシークモータにより移動可能である。
図1は、本発明による光ディスク装置の一実施形態の構成ブロック図である。
図1に示すように、この光ディスク装置20の構成は、スピンドルモータ2により回転駆動されるCDの光ディスク1と、光ピックアップ3内のアクチュエータを駆動するモータドライバ4と、このモータドライバ4にサーボ制御のための信号を生成するサーボ手段6と、前記光ピックアップ3内の受光素子からの各信号を演算処理するリードアンプ5と、CD用の半導体レーザ光源、対物レンズ等の光学系、及びアクチュエータを内蔵した光ピックアップ3と、レーザ光源の光量等を制御するレーザコントローラ9と、光ディスク1に刻まれているATIP(Absolute Time In Pregroove)情報を取り出すATIPデコーダ8と、データの正確な書き出し位置を生成するCDエンコーダ10と、2値化されたRF信号をEFM(Eight to Fourteen Modulation)変調するCDデコーダ7と、データを一時記憶するバッファRAM12と、このバッファRAM12を制御するバッファ・マネージャ13と、バッファRAM12に接続され、ATAPIやSCSIインターフェイスを有するホストインターフェース15と、CDデコーダ7からのデータを再度エラー訂正処理するCD−ROMデコーダ1/4と、エラー訂正コードの付加やインターリーブを行うCD−ROMエンコーダ11と、CDデコーダ7からオーディオ信号を変換するD/Aコンバータ16と、システム全体を制御するCPU18と、プログラムを格納するROM17と、ワークエリアとしてのRAM19から構成されている。また光ピックアップ3はシークモータにより移動可能である。
次に、図2を参照して、本発明の要部である球面収差検出手段を組み込んだ光記録システムとしての光ピックアップ3および球面収差補正動作について詳しく説明する。
まず、この光記録システムの構成は、多層記録媒体からなる光ディスク1の読み書きを行うため、検出光学系の前にピンホールを配置した共焦点光学系となっている。深さ方向に記録層が多層化された光記録システムでは、光学設計の基準となる記録面における記録媒体表面からの深さに対して、その深さの差が大きな記録層(例えば、真中の層を基準とした場合には、最も手前もしくは奥の面)を読み書きする際には、球面収差の影響を大きく受ける。
図2を参照し、光路に従って順に構成を説明すると、読み取りおよび書き込み用光源としての半導体レーザ30から出射された直線偏光の読み出しもしくは書き込み光は、カップリングレンズ31で平行光となり、偏光ビームスプリッター32、1/4波長板33を経て円偏光に変換され、2枚構成の対物レンズ34、35により光ディスクである多層記録媒体1に焦点を結ぶ。
多層記録媒体1からの反射光は、2枚構成の対物レンズ34、35により平行光に戻り、1/4波長板33により、入射光と直交する直線偏光光に変換され、偏光ビームスプリッター32により検出系に導かれる。検出系は、集光レンズ36、ピンホール37、コリメートレンズ38よりなる共焦点光学系により焦点面からの反射光のみが通過し、ハーフミラー39により2分割された反射光は、集光レンズ40およびシリンドリカルレンズ41により4分割検出器42に集光され、本構成では非点収差法によりサーボ信号が検出される。
もう一方の反射光は、集光レンズ43により集光される。焦点を結ぶ位置に配置されたナイフエッジ46は、アクチュエータ45により光軸方向(矢印の方向)に駆動回路44により正弦波により駆動され、図4で後述する原理により、2分割検出器(二つの検出系)49にナイフエッジ46の動きに同期した投射パターンが得られ、差分増幅器48により投射パターンの光量比を検出し、積分器47により積分することにより平均値を得る。平均値の値は、光学系に収差が無く、また、ナイフエッジ46が、合焦時の焦点に調整されている場合は0となる。また、図4で後述する原理により、球面収差の発生した状態では、収差の発生による波面の湾曲方向を示すオフセットを生じる。そこで、この球面収差補正信号としての極性付きのオフセット信号により、位相補償回路51、ドライバー50を経て、2枚構成の対物レンズの片方34を駆動し、レンズ間距離を変えることにより球面収差を補正する。すなわち、ここでは、ナイフエッジ46の振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させ、それに基づいて球面収差を補正するようにしている。
まず、この光記録システムの構成は、多層記録媒体からなる光ディスク1の読み書きを行うため、検出光学系の前にピンホールを配置した共焦点光学系となっている。深さ方向に記録層が多層化された光記録システムでは、光学設計の基準となる記録面における記録媒体表面からの深さに対して、その深さの差が大きな記録層(例えば、真中の層を基準とした場合には、最も手前もしくは奥の面)を読み書きする際には、球面収差の影響を大きく受ける。
図2を参照し、光路に従って順に構成を説明すると、読み取りおよび書き込み用光源としての半導体レーザ30から出射された直線偏光の読み出しもしくは書き込み光は、カップリングレンズ31で平行光となり、偏光ビームスプリッター32、1/4波長板33を経て円偏光に変換され、2枚構成の対物レンズ34、35により光ディスクである多層記録媒体1に焦点を結ぶ。
多層記録媒体1からの反射光は、2枚構成の対物レンズ34、35により平行光に戻り、1/4波長板33により、入射光と直交する直線偏光光に変換され、偏光ビームスプリッター32により検出系に導かれる。検出系は、集光レンズ36、ピンホール37、コリメートレンズ38よりなる共焦点光学系により焦点面からの反射光のみが通過し、ハーフミラー39により2分割された反射光は、集光レンズ40およびシリンドリカルレンズ41により4分割検出器42に集光され、本構成では非点収差法によりサーボ信号が検出される。
もう一方の反射光は、集光レンズ43により集光される。焦点を結ぶ位置に配置されたナイフエッジ46は、アクチュエータ45により光軸方向(矢印の方向)に駆動回路44により正弦波により駆動され、図4で後述する原理により、2分割検出器(二つの検出系)49にナイフエッジ46の動きに同期した投射パターンが得られ、差分増幅器48により投射パターンの光量比を検出し、積分器47により積分することにより平均値を得る。平均値の値は、光学系に収差が無く、また、ナイフエッジ46が、合焦時の焦点に調整されている場合は0となる。また、図4で後述する原理により、球面収差の発生した状態では、収差の発生による波面の湾曲方向を示すオフセットを生じる。そこで、この球面収差補正信号としての極性付きのオフセット信号により、位相補償回路51、ドライバー50を経て、2枚構成の対物レンズの片方34を駆動し、レンズ間距離を変えることにより球面収差を補正する。すなわち、ここでは、ナイフエッジ46の振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させ、それに基づいて球面収差を補正するようにしている。
記録層の基板表面からの位置が変わることにより発生した球面収差により、波面は光軸に対し同心円状に、定性的には波面は凸または凹に変化する。このときナイフエッジ法によるフォーカスサーボを試みた場合、ナイフエッジ46手前の集光レンズ43の焦点位置は、波面が平坦な場合(球面収差が無い場合)には一点であるが、球面収差の発生により波面に湾曲が生じた場合には、波面の湾曲の程度に応じて、周辺部の光と光軸中心とで焦点位置に差が生じる。従って、ナイフエッジ46を振動させることにより、分割された検出器49の出力差の振動信号からオフセット値を計測し、球面収差の無い状態と比較することにより、球面収差の発生量と補正のための球面収差補正機構の駆動量を決定することができる。
また、ここでは、ナイフエッジ46が振動する際に、基準とする位置をナイフエッジ46が通過したごとに信号を保持してフォーカスエラー信号とするようにしている。
本実施の形態では球面収差量を計測するためにナイフエッジ46を振動させているが、この時に、多分割の検出器49間の差分信号にはナイフエッジ46の振動を反映した振動が重複しており、この信号を基にフォーカスサーボを掛けるとフォーカスの振動を引き起こす。従って、予め調整用リファレンスディスクを用いた調整時に無収差時(このとき、集光レンズを通った反射光の周辺光も光軸中心においても同一焦点に収束する)のナイフエッジ位置を決定し、この位置をナイフエッジが通過する際の前記差分信号を保持し、フォーカスエラー信号とすることにより安定したフォーカスサーボを掛けることが可能となる。
なお、ナイフエッジ46を間欠的に振動させて球面収差補正信号の生成を行い、ナイフエッジ46が振動しない時にフォーカスエラー信号の生成を行うようにしても良い。
これによれば、間欠的にナイフエッジを振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しないときにはフォーカスエラー信号の生成にのみ用いているので、記録媒体のカバー層の厚みムラが大きいときには頻繁に球面収差補正を行い、精度の高い記録媒体の場合はフォーカスサーボの動作を優先させることで、より精度の高いフォーカスサーボを掛けることができ、高速での情報の読み書きに対応可能となる。
また、ここでは、ナイフエッジ46が振動する際に、基準とする位置をナイフエッジ46が通過したごとに信号を保持してフォーカスエラー信号とするようにしている。
本実施の形態では球面収差量を計測するためにナイフエッジ46を振動させているが、この時に、多分割の検出器49間の差分信号にはナイフエッジ46の振動を反映した振動が重複しており、この信号を基にフォーカスサーボを掛けるとフォーカスの振動を引き起こす。従って、予め調整用リファレンスディスクを用いた調整時に無収差時(このとき、集光レンズを通った反射光の周辺光も光軸中心においても同一焦点に収束する)のナイフエッジ位置を決定し、この位置をナイフエッジが通過する際の前記差分信号を保持し、フォーカスエラー信号とすることにより安定したフォーカスサーボを掛けることが可能となる。
なお、ナイフエッジ46を間欠的に振動させて球面収差補正信号の生成を行い、ナイフエッジ46が振動しない時にフォーカスエラー信号の生成を行うようにしても良い。
これによれば、間欠的にナイフエッジを振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しないときにはフォーカスエラー信号の生成にのみ用いているので、記録媒体のカバー層の厚みムラが大きいときには頻繁に球面収差補正を行い、精度の高い記録媒体の場合はフォーカスサーボの動作を優先させることで、より精度の高いフォーカスサーボを掛けることができ、高速での情報の読み書きに対応可能となる。
また、層間ジャンプ後にのみナイフエッジ46を振動させて球面収差を補正し、球面収差補正後はナイフエッジ46を基準とする位置に停止させてフォーカスエラー信号を得るようにしても良い。
これによれば、層間ジャンプ後にのみナイフエッジを振動させ、球面収差を補正し、球面収差補正後は基準とする位置に停止させフォーカスエラー信号を得ているので、大きな球面収差の発生する層間ジャンプ時に速やかに球面収差の補正が可能であり、球面収差の補正後は、フォーカスサーボを優先させることで、高速・高精度の情報の読み書きが可能となる。
また、2分割検出器(二つの検出系)49のいずれか片方のみがナイフエッジ46を振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられるようにしても良い。
これによれば、二つの検出系を有し、いずれか片方のみが前記ナイフエッジを振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられるので、保護層の厚みムラの大きな記録媒体や、記録層の深さムラが大きい記録媒体のフォーカスエラー信号および球面収差量を同時に連続して得ることができるため、劣悪な記録媒体においても収差を高精度に補正することができ、高速・高精度な情報の読み書きが可能となる。
これによれば、層間ジャンプ後にのみナイフエッジを振動させ、球面収差を補正し、球面収差補正後は基準とする位置に停止させフォーカスエラー信号を得ているので、大きな球面収差の発生する層間ジャンプ時に速やかに球面収差の補正が可能であり、球面収差の補正後は、フォーカスサーボを優先させることで、高速・高精度の情報の読み書きが可能となる。
また、2分割検出器(二つの検出系)49のいずれか片方のみがナイフエッジ46を振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられるようにしても良い。
これによれば、二つの検出系を有し、いずれか片方のみが前記ナイフエッジを振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられるので、保護層の厚みムラの大きな記録媒体や、記録層の深さムラが大きい記録媒体のフォーカスエラー信号および球面収差量を同時に連続して得ることができるため、劣悪な記録媒体においても収差を高精度に補正することができ、高速・高精度な情報の読み書きが可能となる。
次に、本発明の要部である、このナイフエッジ46の振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号(極性付きのオフセット信号)を発生させる原理について詳しく説明する。
まず、図3は、球面収差の説明図であり、図3(a)は、多層記録媒体1のカバー層が厚いもしくは記録層が深いために球面収差が発生している状態を示し、図3(b)は、球面収差が発生していない状態を示し、図3(c)は、多層記録媒体1のカバー層が薄いもしくは記録層が浅い位置にあるために球面収差が発生している状態を示している。図3において、60は、多層記録媒体1からの反射光の光軸中心を示している。61は、それぞれの場合の波面の傾きを模式的に示し、43は、フォーカスエラー検出のための集光レンズを示し、62、63は、それぞれ光軸60からの距離の異なる収束光の光路を模式的に示し、直線64と光軸60との交点65は、それぞれ球面収差の無い場合の焦点を示している。
図3(b)に示す球面収差の無い状態では、波面61は平坦で、集光レンズ43により収束された周辺光の焦点は光軸60上の光束の焦点65と一致する。これに対し、図3(a)に示す多層記録媒体1のカバー層が厚いもしくは記録層が深い場合、周辺光の波面が遅れるため、波面61は進行方向に対し凸の状態になる。この波面形状を反映して、光軸60から離れるほど収束点は集光レンズ43から離れる方向にずれる。
これに対し、図3(c)に示す多層記録媒体1のカバー層が薄いもしくは記録層が浅い場合には、図3(a)に示す場合とは逆に、周辺光の波面が先行するため、波面61は進行方向に対し凹の状態になる。従って、集光レンズ43による収束点は、光軸60から離れるほど集光レンズ43に近づく方向にずれる。
まず、図3は、球面収差の説明図であり、図3(a)は、多層記録媒体1のカバー層が厚いもしくは記録層が深いために球面収差が発生している状態を示し、図3(b)は、球面収差が発生していない状態を示し、図3(c)は、多層記録媒体1のカバー層が薄いもしくは記録層が浅い位置にあるために球面収差が発生している状態を示している。図3において、60は、多層記録媒体1からの反射光の光軸中心を示している。61は、それぞれの場合の波面の傾きを模式的に示し、43は、フォーカスエラー検出のための集光レンズを示し、62、63は、それぞれ光軸60からの距離の異なる収束光の光路を模式的に示し、直線64と光軸60との交点65は、それぞれ球面収差の無い場合の焦点を示している。
図3(b)に示す球面収差の無い状態では、波面61は平坦で、集光レンズ43により収束された周辺光の焦点は光軸60上の光束の焦点65と一致する。これに対し、図3(a)に示す多層記録媒体1のカバー層が厚いもしくは記録層が深い場合、周辺光の波面が遅れるため、波面61は進行方向に対し凸の状態になる。この波面形状を反映して、光軸60から離れるほど収束点は集光レンズ43から離れる方向にずれる。
これに対し、図3(c)に示す多層記録媒体1のカバー層が薄いもしくは記録層が浅い場合には、図3(a)に示す場合とは逆に、周辺光の波面が先行するため、波面61は進行方向に対し凹の状態になる。従って、集光レンズ43による収束点は、光軸60から離れるほど集光レンズ43に近づく方向にずれる。
次に、図4を参照して、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズ43の焦点位置にナイフエッジ46を配置して2分割検出器49(2分割フォトダイオード)を用いた構成を例に本発明の動作について説明する。
図4では、集光レンズ43により多層記録媒体1からの反射光が収束され、70、71、72は、それぞれ光軸73中心から距離の異なる反射光をあらわしており、収束位置は、多層記録媒体1のカバー層が薄いもしくは記録層が浅い場合を想定している。
図4(a)から図4(e)へとナイフエッジ46を移動させるに従って、2分割検出器49のフォトダイオード49A、49Bに入射する光の変化が認められる。これを、フォトダイオード49A、49B上の投影パターンの模式図として示すと図5のようになる。図5(d)の状態が、球面収差の無い時に周辺光と光軸73上の光束の収束点が一致する焦点位置にナイフエッジ46がある状態を示している。
この位置から光軸73に沿って、前後同距離だけナイフエッジ46を移動させたときのフォトダイオード49Aとフォトダイオード49Bとの差分信号の概要を、両者の投影パターン変化から求めたものを図6に示す。
図5の投影パターンから明らかなように、図6において、差分信号の正負の反転80は、dよりレンズ側に近い位置にあり、また、dの位置より前後に同距離だけ移動させているため波形は正負に非対称となり、平均値を見ればオフセットLを生じている。このオフセットLは、波面61の曲がりの方向により符号が定まり、曲率すなわち球面収差量に応じて変化する。
すなわち、ナイフエッジ46を光軸73に沿って前後に移動させ、球面収差の発生により生じた波面の湾曲により異なる焦点を持つ光のフォトダイオード49への照射量を変化させることにより生じるオフセットの符号と大きさを用い、球面収差の補正方向と補正量を得ることができる。
図4では、集光レンズ43により多層記録媒体1からの反射光が収束され、70、71、72は、それぞれ光軸73中心から距離の異なる反射光をあらわしており、収束位置は、多層記録媒体1のカバー層が薄いもしくは記録層が浅い場合を想定している。
図4(a)から図4(e)へとナイフエッジ46を移動させるに従って、2分割検出器49のフォトダイオード49A、49Bに入射する光の変化が認められる。これを、フォトダイオード49A、49B上の投影パターンの模式図として示すと図5のようになる。図5(d)の状態が、球面収差の無い時に周辺光と光軸73上の光束の収束点が一致する焦点位置にナイフエッジ46がある状態を示している。
この位置から光軸73に沿って、前後同距離だけナイフエッジ46を移動させたときのフォトダイオード49Aとフォトダイオード49Bとの差分信号の概要を、両者の投影パターン変化から求めたものを図6に示す。
図5の投影パターンから明らかなように、図6において、差分信号の正負の反転80は、dよりレンズ側に近い位置にあり、また、dの位置より前後に同距離だけ移動させているため波形は正負に非対称となり、平均値を見ればオフセットLを生じている。このオフセットLは、波面61の曲がりの方向により符号が定まり、曲率すなわち球面収差量に応じて変化する。
すなわち、ナイフエッジ46を光軸73に沿って前後に移動させ、球面収差の発生により生じた波面の湾曲により異なる焦点を持つ光のフォトダイオード49への照射量を変化させることにより生じるオフセットの符号と大きさを用い、球面収差の補正方向と補正量を得ることができる。
ナイフエッジ46とフォトダイオード49の配置は、フォーカスエラー信号用のさまざまな配置が採用可能で、また、ナイフエッジ46は光軸73と平行な方向に動かしても、垂直な方向に動かしても、球面収差の発生により生じた波面61の湾曲により異なる焦点を持つ光のフォトダイオード49への照射量を変化させることができれば良く、所望とする球面収差の検出感度と符号によってさまざまな動作範囲が設定可能である。
これによれば、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸方向であるので、対物レンズのNAが大きな場合には高精度な検出が可能となる。
また、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であるので、垂直方向の移動量を大きくすることにより、より大きな球面収差量の検出も可能となる。
また、集光レンズ43の焦点位置に2分割検出器49(2分割フォトダイオード)を配置した構成にも本発明を適用することもできる。
これによれば、集束レンズの焦点位置に検出器を設置したので、フォトダイオードの位置合わせが簡略化できる。
本実施例では、無限系の光学系を用いた場合を想定して説明したが、有限系においても、同様であることはいうまでも無い。また、本実施例で用いた、光学配置は本実施例の一例であり、この配置に限るものでは無い。
以上のような構成により、球面収差の影響の無い多層光記録システムが完成される。
本発明の構成は、球面収差補正手段の実装方法の一例であり、これに限定されるものでは無い。また、球面収差の補正手段も、2枚構成の対物レンズのレンズ間距離調整に限るものではなく、他の補正手段と組み合わせることが可能であることは言うまでも無い。
これによれば、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸方向であるので、対物レンズのNAが大きな場合には高精度な検出が可能となる。
また、振動するナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であるので、垂直方向の移動量を大きくすることにより、より大きな球面収差量の検出も可能となる。
また、集光レンズ43の焦点位置に2分割検出器49(2分割フォトダイオード)を配置した構成にも本発明を適用することもできる。
これによれば、集束レンズの焦点位置に検出器を設置したので、フォトダイオードの位置合わせが簡略化できる。
本実施例では、無限系の光学系を用いた場合を想定して説明したが、有限系においても、同様であることはいうまでも無い。また、本実施例で用いた、光学配置は本実施例の一例であり、この配置に限るものでは無い。
以上のような構成により、球面収差の影響の無い多層光記録システムが完成される。
本発明の構成は、球面収差補正手段の実装方法の一例であり、これに限定されるものでは無い。また、球面収差の補正手段も、2枚構成の対物レンズのレンズ間距離調整に限るものではなく、他の補正手段と組み合わせることが可能であることは言うまでも無い。
1…多層記録媒体、2…スピンドルモータ、3…光ピックアップ、4…モータドライバ、5…リードアンプ、6…サーボ手段、7…CDデコーダ、8…ATIPデコーダ、9…レーザコントローラ、10…CDエンコーダ、11…ROMエンコーダ、12…RAM、13…バッファ・マネージャ、1/4…ROMデコーダ、15…ホストインターフェース、16…コンバータ、17…ROM、18…CPU、19…RAM、20…光ディスク装置、30…半導体レーザ、31…カップリングレンズ、32…偏光ビームスプリッター、33…波長板、34、35…対物レンズ、36…集光レンズ、37…ピンホール、38…コリメートレンズ、39…ハーフミラー、40…集光レンズ、41…シリンドリカルレンズ、42…分割検出器、43…集光レンズ、44…駆動回路、45…アクチュエータ、46…ナイフエッジ、47…積分器、48…差分増幅器、49…分割検出器、49A…フォトダイオード、49B…フォトダイオード、50…ドライバー、51…位相補償回路、60…光軸、61…波面、64…直線、65…焦点、73…光軸、80…反転
Claims (9)
- ナイフエッジ法によるフォーカスサーボを備え、少なくとも1層の記録層を有する記録媒体に対して読み書きを行う光記録装置であって、ナイフエッジを振動させるナイフエッジ振動手段と、前記ナイフエッジの振動により生じるフォーカスエラー信号の振動から正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出することにより球面収差補正信号を発生させる球面収差補正信号発生手段と、前記球面収差補正信号によって球面収差を補正する補正手段と、を備えることを特徴とする光記録装置。
- 請求項1記載の光記録装置において、前記ナイフエッジが振動する際に、基準とする位置を前記ナイフエッジが通過したごとに信号を保持してフォーカスエラー信号とすることを特徴とする光記録装置。
- 請求項1記載の光記録装置において、前記ナイフエッジを間欠的に振動させて球面収差補正信号の生成を行い、前記ナイフエッジが振動しない時にフォーカスエラー信号の生成を行うことを特徴とする光記録装置。
- 請求項1〜3の何れか一項に記載の光記録装置において、層間ジャンプ後に前記ナイフエッジを振動させて球面収差を補正し、前記球面収差補正後は前記ナイフエッジを基準とする位置に停止させてフォーカスエラー信号を得ることを特徴とする光記録装置。
- 請求項1記載の光記録装置において、二つの検出手段を有し、いずれか片方のみが前記ナイフエッジを振動する機構を有し、一方が球面収差補正信号の発生に用いられ、他方がフォーカスエラー信号の発生に用いられることを特徴とする光記録装置。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の光記録装置において、前記ナイフエッジの振動方向が、光軸方向であることを特徴とする光記録装置。
- 請求項1〜5の何れか一項に記載の光記録装置において、前記ナイフエッジの振動方向が、光軸と垂直方向であることを特徴とする光記録装置。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の光記録装置において、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズの焦点位置に前記ナイフエッジを設けたことを特徴とする光記録装置。
- 請求項1〜7の何れか一項に記載の光記録装置において、前記正負若しくは基準レベルに対する不均等を検出する際に集光レンズの焦点位置に検出器を設置したことを特徴とする光記録装置。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2004217969A JP2006040380A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 光記録装置 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2004217969A JP2006040380A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 光記録装置 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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JP2006040380A true JP2006040380A (ja) | 2006-02-09 |
Family
ID=35905217
Family Applications (1)
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---|---|---|---|
JP2004217969A Pending JP2006040380A (ja) | 2004-07-26 | 2004-07-26 | 光記録装置 |
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JP (1) | JP2006040380A (ja) |
Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
EP2017837A2 (en) | 2007-05-25 | 2009-01-21 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
US7869022B2 (en) | 2007-07-18 | 2011-01-11 | Asml Netherlands B.V. | Inspection method and apparatus lithographic apparatus, lithographic processing cell, device manufacturing method and distance measuring system |
-
2004
- 2004-07-26 JP JP2004217969A patent/JP2006040380A/ja active Pending
Cited By (2)
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---|---|---|---|---|
EP2017837A2 (en) | 2007-05-25 | 2009-01-21 | Funai Electric Co., Ltd. | Optical pickup device |
US7869022B2 (en) | 2007-07-18 | 2011-01-11 | Asml Netherlands B.V. | Inspection method and apparatus lithographic apparatus, lithographic processing cell, device manufacturing method and distance measuring system |
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