JP4133139B2 - 光ピックアップ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、光軸に対象な収差補正手段を対物レンズ可動部外に配設したことにより生じる不要収差を抑制する光ピックアップに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
映像情報、音声情報、またはコンピュータ上のデータを保存する手段として、記録容量0.65GBのCD系、記録容量4.7GBのDVD系などの光記録媒体が普及しつつある。そして、近年、さらなる記録密度の向上及び大容量化の要求が強くなっている。このような光記録媒体の記録密度を上げる手段として、光記録媒体に情報の書き込みまたは呼び出しを行う光ピックアップにおいて、対物レンズの開口数(以下、NAという)を大きくすること、または光源の波長を短くすることにより、この対物レンズによって集光され光記録媒体上に形成される光スポットを小径化する方法が有効である。
【0003】
しかしながら、対物レンズのNAをより大きく、または光源の波長をより短くすると、光記録媒体の透明基板の厚み誤差によって発生する球面収差が大きくなる問題がある。球面収差が発生すると、光記録媒体の情報記録面上に形成されるスポットが劣化するため、正常な記録再生動作が行えなくなる。光記録媒体の基板厚誤差によって発生する球面収差は、一般的に以下の(数1)で与えられる。
【0004】
【数1】
W40=((n2−1)/(8n3))×(d×NA4/λ)
ここで、nは光記録媒体の透明基板の屈折率、dは透明基板の厚み、NAは対物レンズの開口数、λは光源の波長を意味する。
【0005】
この(数1)から、短波長、高NAほど収差が大きくなることがわかる。以下に示すような条件1での球面収差の具体的な発生事例を図21〜図23に示す。<条件1>
使用波長:λ=407nm
使用開口数:NA=0.65
光記録媒体の透明基板の中央厚:0.6mm
光記録媒体の透明基板の屈折率:1.62
図21は、横軸が対物レンズ入射瞳径に相当し、縦軸が球面収差における波面の収差量を示し、透明基板の厚みが、中央値0.60mmに対し、50μm,40μm,30μm,20μm,10μmとずれたときの様子を示している。
【0006】
このような球面収差は、基板厚み以外に、使用波長の変化や、波長のばらつきによっても変化する。図22は、前記条件1から、使用波長が+10nm,+5nm,−5nm,−10nmと変化したときの波面の収差量変化の様子を示している。
【0007】
さらに、光記録媒体には複数の種類が存在する。これは記憶容量や記録/再生スピードの違いに伴うものであるが、その種類によって、透明基板の厚みや使用波長が異なる。図23は前記条件1のような青色系光ピックアップにおいて、従来のDVD系やCD系の光記録媒体に所定波長の光を集光させたときの様子を示している。条件1の対物レンズでは、使用波長、透明基板厚が最適値からずれているため収差が発生する。
【0008】
また、次世代の光記録においては、光源の波長を407nm程度、NAを0.65以上にすることで、より高い記録密度を得ることができる。しかし、以上に説明した通り、光源の短波長化または対物レンズの高NA化を行った場合、光記録媒体の厚み誤差,波長変動,波長ばらつきによって、波面の収差量(主として球面収差)が大きくなるため集光特性が劣化して、光記録媒体面上の信号の読み取りが困難になる。
【0009】
このような球面収差の補償手段として、対物レンズと光源との間に位相補正素子を備える方式がある。例えば、特許文献1の記載では、位相補正素子として、ダイナミックな波面形状補正が行える液晶を用いた方法が開示されている。この液晶素子は、図24に示すように、少なくとも一方の透明電極が同心円状に分割され、各同心円帯の透明電極部分と共通電極との間に独立して電圧を印加できるようになっており、印加電圧を制御することにより、各電極部分の液晶の屈折率:nをn1からn2まで自在に変えることができる。屈折率:nを変化させると、各領域を通過する光線に光路差:Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして、位相差Δn・d(2π/λ)を与えることができる。
【0010】
各種の製造誤差に起因して発生する球面収差が、例えば、図25(a)の如きものであったとする。この球面収差を2次元曲線として示したのが図25(b)の上側部分の実線である。このような波面の収差に対し、対物レンズに光源側から入射する光束に、図25(b)の下側部分の破線に示すような位相差が与えられるように、液晶素子の各同心円帯の透明電極に印加する電圧を調整すると、液晶素子を透過する光束の各部における波面の遅れによって、前記「球面収差」を打ち消すことができる。
【0011】
図25(c)は、図25(b)における実線(球面収差)と破線(液晶素子による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の球面収差を示す。もとの球面収差(図25(b)の上側部分)よりも格段に小さくなる。
【0012】
【特許文献1】
特開平10−269611号公報 (段落番号0023−0027、図2)
【非特許文献1】
山田英明著,「レーザー&オプティクスガイドIV(2)」,第1版,メレスグリオ社,1996年6月,p.22−7〜8
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、このような構成の位相補正素子では、対物レンズの中心軸が光軸に一致しているときに、最適な収差補正ができるようなパターンが設計されている。したがって、光記録媒体のトラッキングサーボにより対物レンズがラジアル方向(光記録媒体の半径方向)に移動するずれが生じると、補正を必要とする収差分布と位相補正素子に形成された補正パターンとの間に位置ずれが生じ、収差補正の機能が劣化する。図26(a),(b),(c)を用いて簡易的に説明する。各種の製造誤差に起因して発生する球面収差が、図26(a)の上側部分に示す波面であるときに、対物レンズに光源側から入射する光束に、図26(a)の下側部分に示すような位相差を与え、不要な球面収差の波面を打ち消すことができることは前述の通りである。ここで、図26(b)のように位相補正素子と、対物レンズの間に位置ずれが生じた場合、図26(c)に示すような不要な波面の収差(残留収差)が発生する。
【0014】
この対物レンズのシフトに基づく、収差補正の機能劣化を改善するためには位相補正素子を可動部(アクチュエータ)に搭載し、対物レンズと一体に駆動させる方法がある。しかしこの方法では、搭載する位相補正素子に合わせて可動部(アクチュエータ)を設計変更する必要があり、また一方では、可動部(アクチュエータ)に搭載できる位相補正素子の大きさ、重量に制限があるなどの困難があった。さらに位相補正素子について、小型化の方法、信号引出線の配線方法などに問題があった。
【0015】
本発明は、前記従来技術の問題を解決することに指向するものであり、球面収差や非点収差など光軸対称に発生する収差を補正する手段を、対物レンズ可動部外に配置した場合に対物レンズの移動に伴って不要な収差が発生し、この不要な収差形状に着目すると光軸反対象な3次関数状の形状を示しており、この形状は非特許文献1に記載されているコマ収差と同等の形状を示すものであることからコマ収差補正手段を具備して、球面収差や非点収差などの光軸に対称な収差を抑制する手段を対物レンズ可動部外に配置した場合に発生する不要収差を補正する光ピックアップを提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る請求項1に記載の光ピックアップは、「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 65〜0 . 85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 60〜0 . 65の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、青色波長帯域と赤色波長帯域の光源と、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、可動部と光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、対物レンズと光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段と、光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段から出力されたコマ収差信号に基づいて前記コマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする。
【0017】
また、請求項2に記載の光ピックアップは、「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.65〜0.85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.60〜0.65の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、青色波長帯域と赤色波長帯域の光源と、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、可動部と光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、対物レンズと光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段と、光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段から出力された対物レンズ位置信号に基づいてコマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする。
【0018】
また、請求項3に記載の光ピックアップは、「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 65〜0 . 85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 60〜0 . 65の光記録媒体」と、「赤外波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 45〜0 . 50の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、青色波長帯域と赤色波長帯域と赤外波長帯域の光源と、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、可動部と光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、対物レンズと光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段と、光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段から出力されたコマ収差信号に基づいてコマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする。
【0019】
また、請求項4に記載の光ピックアップは、「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.65〜0.85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.60〜0.65の光記録媒体」と、「赤外波長帯域の光、対物レンズ開口数0.45〜0.50の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、青色波長帯域と赤色波長帯域と赤外波長帯域の光源と、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズと、対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、可動部と光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、対物レンズと光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段と、光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段から出力された対物レンズ位置信号に基づいてコマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする。
【0020】
前述のような光ピックアップの構成によって、「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.65〜0.85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.60〜0.65の光記録媒体」と、「赤外波長帯域の光、対物レンズ開口数0.45〜0.50の光記録媒体」との少なくともいずれか1に対して、情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行って、球面収差や非点収差などの光軸に対称な収差を抑制する手段を対物レンズ可動部外に配置した場合や、対物レンズと液晶位相補正手段との相対位置ずれにより発生する不要な収差を補正でき、また各光記録媒体に応じた位相を付加すること、さらに検出した位置ずれ量に基づき補正することができる。
【0021】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明における実施の形態を詳細に説明する。
【0022】
図1は本発明の実施の形態1の参考例1における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」の記録、再生、または消去できる光ピックアップの構成を示す図である。図1に示すように、光ピックアップの要部は、青色波長帯域の半導体レーザー101、コリメータレンズ102、偏光ビームスプリッタ103、偏向プリズム104、球面収差補正用の位相補正素子である液晶素子105、1/4波長板106、対物レンズ107、対物レンズ107を3方向に可動する可動部である3軸アクチュエータ108、集光レンズ110、ビームスプリッタ111,112、円筒レンズ113,115、受光素子114,116,117より構成される。
【0023】
波長407nmの半導体レーザー101から出射した直線偏光の発散光は、コリメータレンズ102で略平行光とされ、偏光ビームスプリッタ103を透過し、偏向プリズム104で光路を90度偏向され、液晶素子105を通過し、続く1/4波長板106で円偏光とされ、対物レンズ107に入射して、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。光記録媒体109から反射した光は、往路とは反対回りの円偏光となり、再び略平行光とされ、1/4波長板106を通過して往路と直交した直線偏光になり、偏光ビームスプリッタ103で反射され、ビームスプリッタ111,112により最終的に3分岐され、受光素子114,116,117に至る。
【0024】
また、対物レンズ107は、3軸アクチュエータ108により、光軸方向(デフォーカス方向)、光記録媒体109の半径方向(ラジアル方向)にシフトされるとともに、光記録媒体109との相対角度を対物レンズ107の主点中心に変化させられる。以下、本発明に関わる主要部について図1を参照しながら説明する。
【0025】
前述の通り、光記録媒体の厚み誤差や、波長変動、波長ばらつきによって球面収差が発生する。本参考例1では、この球面収差を検出する光学系と、検出された信号に基づいて、球面収差を補正する液晶素子105を備える。
【0026】
まず、球面収差を検出する光学系について説明する。各種誤差に伴い球面収差が発生し、光記録媒体109の記録面上に形成される光スポットの形状が劣化するが、このように発生した収差は戻り光束の波面も歪ませることになり、受光素子に向う光束にも収差が発生する。図2はこの状態を示している。収差が発生しているときには、戻り光束の基準波面に対して、光軸中心に同心円状の「波面の遅れ」があり、基準波面に集光したときの集光点に対し遅れた波面が集光する位置はデフォーカスとなる。そこで、遅れた波面と進んだ波面の差を取り出してフォーカス状態を検出することで「球面収差の発生状況」を知ることができる。
【0027】
本参考例1では、図3に示すように光記録媒体109からの反射光のうち同心円状に内周側を反射、外周側を透過させるようなビームスプリッタ112を配置し、外周部と内周部の集光位置の差を受光素子114,116で検知するようにした。各集光位置は、4分割のセグメントからなる受光素子114,116と、円筒レンズ113,115を用いてフォーカス信号を生成する、よく知られた非点収差法を用いればよい。
【0028】
一方、球面収差の補償手段としては、前述した従来例のようなダイナミックに波面形状補正が行える液晶素子を用いた方法を用いればよい。液晶素子105は、図24に示すように、少なくとも一方の透明電極が同心円状に分割され、各同心円帯の透明電極部分と共通電極との間に独立して電圧を印加できるようになっており、印加電圧を制御することにより、各電極部分の液晶の屈折率:nをn1からn2まで自在に変えることができる。屈折率:nを変化させると、各領域を通過する光線に光路差:Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして、位相差Δn・d(2π/λ)を与えることができる。
【0029】
各種の製造誤差に起因して発生する球面収差が、従来例と同様に、図25(a)の如きものであったとすると、波面を2次元曲線として示したものが図25(b)の上側部分である。この波面に対して、対物レンズ107に光源側から入射する光束に、図25(b)の下側部分に示す位相差が与えられるように、液晶素子105の各同心円帯電極に印加する電圧を調整すると、透過する光束の各部での波面の遅れにより前記波面を打ち消すことができる。図25(c)は、図25(b)の実線(球面収差)と破線(液晶素子による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面を示す。もとの波面(図25(b)の上側部分)よりも格段に小さくなる。
【0030】
ところで、前述した解決しようとする課題の通り、光軸対称に波面形状を補正する手段(液晶素子105)と、対物レンズ107との相対位置ずれは、不要なコマ収差(残留収差)を発生させる。本参考例1は、集光レンズ110と受光素子117を主として形成されるコマ収差検出の光学系を備えることにより、このような不要なコマ収差を検知することができる。
【0031】
光記録媒体109には、図4(a)に示すような案内溝が形成されている。この案内溝からの反射光には、直接の反射光である0次光と、回折された±1次回折光とが含まれ、これらの光が干渉し合っている。図4(b)は、受光手段の受光面で受光される0次光(直進光)と±1次回折光とを、受光素子117の受光面の上から見た図である。0次光(直進光)と1次回折光とは、重なる部分があり、この重なる部分を干渉領域と呼ぶ。
【0032】
この干渉領域が、コマ収差に伴いどのように変化するかを、図5を用いて説明する。図5は、透明基板の厚み誤差50μmを抑制している液晶素子に対し、対物レンズ107がシフト移動していくことにより、干渉領域がどのように変化するかを示している。対物レンズ107のシフト移動に伴い図4(b)に示す干渉領域の左右で光量に偏りが生じる。これは、対物レンズ107と液晶素子105の相対位置ずれにより、光記録媒体109上に投影されるスポットにコマ収差が発生するためである。この偏りは、一方の干渉領域と、他方の干渉領域とで、逆方向に生じる。位置ずれが大きくなるほど図5に示す干渉領域の右側の領域が強くなり、左側の領域が徐々に弱くなっていくのがわかる。
【0033】
本参考例1では、図6に示すような7つの領域に分割された受光素子117と、演算手段118により、このコマ収差を検知する。すなわち、受光素子117の受光面は、光記録媒体109の半径方向(ラジアル方向)に2領域を有し、この2領域は光記録媒体109の回転方向(タンジェンシャル方向)にそれぞれ3分割されている。そして、光記録媒体109の半径方向(ラジアル方向)の2領域のうちの一方の3つの領域を回転方向順にa,b,c領域117a,117b,117cとする。そして、このa,b,c領域117a,117b,117cから出力される光量信号を、それぞれA,B,Cとする。
【0034】
さらに、光記録媒体109のラジアル方向2領域のうち、他方に含まれる3つの領域をd,e,f領域117d,117e,117fとする。そして、このd,e,f領域117d,117e,117fから出力される光量信号を、それぞれD,E,Fとする。演算手段118は、加算手段及び減算手段から構成されている。受光素子117の各領域から出力された光量信号は、演算手段118に入力されて所定の演算が行われる。この演算結果が、光記録媒体の半径方向(ラジアル方向)のコマ収差を示す信号:COMAとして演算手段118から出力される。演算手段118による演算を式で表すと、(数2)となる。
【0035】
【数2】
COMA=(A+C+E)−(B+D+F)
対物レンズ107と、液晶素子105の相対位置ずれに伴う干渉領域の変化を、前述の演算手段118を用いて演算した結果を図7に示す。なお、このときの光記録媒体の溝形状は、
案内溝の周期(トラックピッチ):0.46μm
案内溝の幅(グルーブ幅):0.23μm
案内溝の深さ(グルーブ深さ):0.051μm
以上の通りである。図7の横軸は対物レンズ107と液晶素子105の相対位置ずれ量、縦軸は出力信号A〜Fの和信号で規格化したコマ収差信号である。
【0036】
続いて、以上の検出したコマ収差信号に基づいて、コマ収差を補正するコマ収差補正手段について説明する。コマ収差補正手段としては、対物レンズ107をフォーカス・トラッキングの2方向のシフト制御に加えて、チルト制御可能な3軸アクチュエータ108を用いればよい。3軸アクチュエータ108は、対物レンズ107の光軸を、光学系の光軸から傾き調整する対物レンズ傾き調整手段により構成されている。3軸アクチュエータ108により対物レンズ107の傾きを変化させると、透過する光束にコマ収差が発生することから、これを利用してコマ収差を相殺するようにすることが可能である。
【0037】
図8は、相対位置ずれにより発生する収差と、補正後の収差の関係を示す図である。対物レンズ107をチルト制御させることにより、球面収差の波面に生じる劣化が十分に抑制されていることがわかる。
【0038】
また、対物レンズ107と光記録媒体109の相対角度は、一般に変動する。このような変動は、光記録媒体109のチルト変動と呼ばれるが、チルト変動でもコマ収差が発生する。しかしながら、本参考例1では、コマ収差を検出/補正する手段を備えてなるため、チルト変動による収差も検出/補正することが可能なため、光記録媒体109上に良好なスポットを形成することができる。
【0039】
また、本参考例1における位相補正素子である液晶素子105の制御信号は、前述の光記録媒体109からの反射光に含まれる球面収差から生成する方法だけではなく、基板厚み量を直接検出する基板厚センサ(図示せず)や、波長変動の原因となる光ピックアップ内の温度を検出する温度センサ(図示せず)を用いてもよい。
【0040】
さらにまた、本参考例1では、コマ収差を検出して3軸アクチュエータ108を駆動する方法の代わりに、対物レンズ107または3軸アクチュエータ108と液晶素子105との相対位置ずれ量を直接検知して、3軸アクチュエータ108のチルト方向調整を行ってもよい。この位置ずれ量の検知は、よく知られたPSD(Position Sensor Device:図示せず)をピックアップ固定光学系上に配置して、対物レンズ107とPSD間の距離を検出すればよい。そして、検知された位置ずれ量は、予め記憶されているテーブル(表記せず)に基づきコマ収差量に変換を行う。そして、このコマ収差量に応じた3軸アクチュエータ108により対物レンズ107がチルト制御される。
【0041】
図9は本発明の実施の形態1の参考例2における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」の記録、再生、または消去できる光ピックアップの他の構成を示す図である。図1の参考例1の光ピックアップと異なる点は、3軸アクチュエータ108に代えて、2軸アクチュエータ108’と液晶素子119を配置した点である。
【0042】
本参考例2のコマ収差補正手段は、3軸アクチュエータの代わりに、図9に示すような平行光路中に所定の電極パターンを有する液晶素子119を配置している。液晶素子119は、図10に示すように、少なくとも一方の透明電極が左右対称に分割され、各透明電極部分と共通電極との間に独立して電圧を印加できるようになっており、印加電圧を制御することにより、各透明電極部分の液晶の屈折率:nをn1からn2まで自在に変えることができる。屈折率:nを変化させると、各領域を通過する光線に光路差:Δn・d(Δnは屈折率変化分、dは液晶のセル厚)、すなわち、波長をλとして、位相差Δn・d(2π/λ)を与えることができる。
【0043】
例えば、図11の如きコマ収差が発生したとする。このコマ収差の波面を2次元曲線として示したのが図12(a)の実線で示す部分である。このような波面に対し、対物レンズ107に光源側から入射する光束に、図12(a)の破線で示す部分のような位相差が与えられるように、液晶素子119の各透明電極に印加する電圧を調整すると、液晶素子119を透過する光束の各部での波面の遅れにより前記「コマ収差」を打ち消すことができる。図12(b)は、図12(a)における実線(コマ収差の波面)と破線(液晶素子による波面の遅れ)の和、すなわち補正後の波面を示す。もとのコマ収差(図12(a)の実線の部分)よりも格段に小さくなる。
【0044】
また、本参考例1,2において、球面収差補正用の液晶素子105と、コマ収差補正用の液晶素子119を一部品化してもよい。すなわち、液晶は1対の電極によって挟持されてなるが、この一対の電極それぞれのパターンを図24に示される球面収差補正用のパターンと、図10に示されるコマ収差補正用のパターンとすることにより、1つの液晶素子において、球面収差とコマ収差の補正を行うことができ、光ピックアップとしては部品点数の削減による低コスト化、組付の簡素化が図れる。
【0045】
図13は本発明の実施の形態1における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」をともに記録、再生、または消去できる光ピックアップの構成を示す図である。図1の参考例1と異なる点は、赤色系の受発光素子201、コリメータレンズ202、ダイクロイックプリズム203を新たに具備している点である。また、受発光素子201は、半導体レーザー201a、ホログラム光学素子201b、光検出器201cから構成されている。
【0046】
本実施の形態1において、「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」の記録、再生、または消去する構成は、参考例1と同じであるため説明は省略し、「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」を記録、再生、または消去する場合について説明する。
【0047】
受発光素子201の半導体レーザー201aから出射された使用波長660nmの光は、ホログラム光学素子201bを透過し、コリメータレンズ202で平行光とされ、ダイクロイックプリズム203によって偏向プリズム104の方向に反射され、偏向プリズム104によって光路が90度偏向され、1/4波長板106を通過し円偏光とされ、対物レンズ107に入射し、光記録媒体109上に微小スポットとして集光される。このスポットにより、情報の再生、記録、または消去が行われる。
【0048】
また、光記録媒体109から反射した光は、偏向プリズム104で偏向され、ダイクロイックプリズム203で反射され、コリメータレンズ202で収束光とされ、ホログラム光学素子201bにより半導体レーザー201aと同一キャン内にある光検出器201c方向に回折されて光検出器201cに受光される。
【0049】
ここで、青色波長帯域で波面の収差最小となる単一の対物レンズに、赤色波長帯域の光を無限系で入射させてDVD系光記録媒体にスポット形成させた場合、図14に示すように、波長の違いに伴う球面収差が発生する。しかしながら、本実施の形態1では、青色光学系の基板厚誤差や波長変動の対策手段として液晶素子105を具備してなるため、この液晶素子105を用いることにより、DVD光学系との互換時に発生する球面収差も抑制可能である。
【0050】
液晶素子105の制御信号としては、光記録媒体判別手段(図示せず)の出力信号を用いればよい。前記の通り、DVD系の記録・再生時に、この光源からの光束を対物レンズ108に入射させると、波長の違いに伴う球面収差が発生し、記録面上に形成される光スポットの形状が劣化する。この発生する球面収差を打ち消す逆極性の球面収差量を、光記録媒体ごとに予め記憶させておき、光記録媒体判別手段から検知された光記録媒体の種類に応じて、逆極性の球面収差を与えるようにすればよい。また、光記録媒体判別手段としては、例えば、光記録媒体挿入時に、青色、赤色のいずれかの光源を点灯させてフォーカスサーチさせたときの戻り光量レベルなどにより判別する構成などを用いればよい。
【0051】
また、前述のようなDVD系互換用の収差補正手段についても、対物レンズ107と液晶素子105の相対位置ずれにより不要なコマ収差が発生する。しかしながら、本実施の形態1では3軸アクチュエータ108を備えてなるため、DVD系の記録・再生時に液晶素子105と対物レンズ107の相対位置ずれに伴い発生するコマ収差も補正できる。
【0052】
なお、DVD光学系でのコマ収差量の検知方法としては、ホログラム光学素子201b上に図15に示すようなa〜f領域211a〜211fを設け、各領域からの回折光より受光した信号としての光量信号A〜Fを前述した参考例1の図6に示したような演算手段118によって(数2)の演算を行ったように受光信号に変換してやればよい。
【0053】
また、前述の液晶素子105によって、DVD系の記録・再生時に発生する球面収差をダイナミックに補正する例を説明したが、スタティックな位相補正素子を用いてもよい。このスタティックな位相補正素子としては、例えば、図16(a)に示すようにガラス基板上に同心円状の位相シフタを形成すればよい。同心円状の位相シフタは、光源の波長帯域に応じて、所定の位相が与えられるものであればよい。すなわち、青色波長帯域の光に対しては何ら作用せず、赤色波長帯域の光に対しては発生する球面収差と逆極性の位相を与える位相シフタであればよい。位相シフタは、図16(b)のように階段状の断面形状を有するもので、該ガラス基板の屈折率をn、隣接する各段の高さの差をh、点灯光源の波長をλとしたとき、隣接する各段の位相差は、(数3)で与えられる。
【0054】
【数3】
δ=2π(n―1)h/λ
青色波長帯域に対しては、常にδ1=2π、赤色の波長帯域では所定のδ2を満足するhを選択すればよい。
【0055】
図17は本発明の実施の形態2における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの大容量光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」と「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」をともに記録、再生、または消去できる光ピックアップの構成を示す図である。
【0056】
本実施の形態2は、図13に示す実施の形態1の青色/DVD互換の光学系において、受発光素子201に代えて受発光素子301を配置した構成である。受発光素子301はDVD用の半導体レーザー201a、ホログラム光学素子201b、光検出器201cと、CD用の半導体レーザー301a、ホログラム光学素子301b、光検出器301cから構成されている。
【0057】
実施の形態1と同様に、青色波長帯域で波面の収差最小となる単一の対物レンズに、CD系の赤外波長帯域の光を無限系で入射させてCD系光記録媒体にスポット形成させた場合、図18に示すように、波長の違いや基板厚の違いに伴う球面収差が発生する。しかしながら本実施の形態2では、青色光学系の基板厚誤差や波長変動の対策手段として液晶素子105を具備してなるため、この液晶素子105を用いることにより、CD互換時に発生する球面収差も抑制可能である。
【0058】
そして、CD系の記録・再生時に、液晶素子105と対物レンズ107の相対位置ずれにより発生するコマ収差も、3軸アクチュエータ108により補正することが可能である。
【0059】
また、位相補正素子として、球面収差を補正する液晶素子105や位相シフタについて説明してきたが、位相補正素子は図19に示すように光軸対称な収差であるが光記録媒体の半径方向と回転方向で、発生具合が同一でない特徴をもつ非点収差を補正するものであってもよい。
【0060】
図20は本発明の実施の形態3における光情報処理装置である情報記録再生装置の概略構成を示す透過斜視図である。
【0061】
情報記録再生装置10は、光記録媒体20に対して光ピックアップ11を用いて情報の記録,再生,消去の少なくともいずれか1以上を行う装置である。本実施の形態3において、光記録媒体20はディスク状であって、保護ケースのカートリッジ21内に格納されている。光記録媒体20はカートリッジ21ごと、挿入口12から情報記録再生装置10に矢印「ディスク挿入」方向へ挿入セットされ、スピンドルモータ13により回転駆動され、光ピックアップ11により情報の記録や再生、あるいは消去が行われる。
【0062】
この光ピックアップ11として、前述の実施の形態1〜3に記載の光ピックアップを適宜用いることができる。
【0063】
なお、前述の実施の形態1〜3においては、青色波長帯域407nm、赤色波長帯域660nm、赤外波長帯域780nmを例示し説明したが、青色波長帯域は395〜415nmの範囲を、赤色波長帯域は645〜670nmの範囲を、赤外波長帯域は775〜795nmの範囲を意味するものとする。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば、光源からの出射光を光記録媒体上に集光させる対物レンズ、この対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、可動部と光源の間に設置されて透過光の波面形状を光軸対称に変化させる位相補正素子と、可動部により対物レンズの移動を制御するコマ収差補正手段を備え、球面収差や非点収差など光軸対称に発生する収差を補正する手段を対物レンズ可動部外に配置しても、対物レンズと相対位置ずれによる不要な収差の発生を抑制でき、光記録媒体上に常に良好なスポットを形成し安定した記録・再生動作を実現することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態1の参考例1における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」の記録、再生、または消去できる光ピックアップの構成を示す図
【図2】 受光素子に向う光束に発生する球面収差の状態を示す図
【図3】 球面収差を検出する光記録媒体からの反射光を同心円状に、内周側を反射し外周側を透過させるビームスプリッタを示す図
【図4】 (a)は光記録媒体の案内溝から直接の反射光の0次光、回折された±1次回折光との干渉、(b)は受光手段の受光面から見た0次光(直進光)と1次回折光との干渉領域を示す図
【図5】 液晶素子に対して対物レンズシフトにより変化する干渉領域を示す図
【図6】 受光素子と演算手段により、発生したコマ収差を検知する概略構成を示す図
【図7】 対物レンズと液晶素子の相対位置ずれに伴う干渉領域の変化を示す図
【図8】 相対位置ずれにより発生する収差と、対物レンズのチルト補正後の収差の関係を示す図
【図9】 本発明の実施の形態1の参考例2における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」の記録、再生、または消去できる光ピックアップの他の構成を示す図
【図10】 位相補正素子である液晶素子の電極パターンを示す図
【図11】 対物レンズシフトに起因し発生のコマ収差を示す図
【図12】 (a)はコマ収差の波面(実線)と付与される位相差(破線)、(b)は補正後の波面を示す図
【図13】 本発明の実施の形態1における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの青色系光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」をともに記録、再生、または消去できる光ピックアップの構成を示す図
【図14】 青色波長帯域で波面の収差最小となる単一の対物レンズに、赤色波長帯域の光を無限系で入射してDVD系光記録媒体にスポット形成させたとき、波長の違いにより発生する球面収差を示す図
【図15】 コマ収差の検知を行うホログラム光学素子上に形成した領域示す図
【図16】 (a)はスタティックな位相補正素子としてガラス基板上に形成した同心円状の位相シフタのパターン、(b)は位相シフタの階段状パターンの断面形状を示す図
【図17】 本発明の実施の形態2における「使用波長407nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmの大容量光記録媒体」と「使用波長660nm、NA0.65、光照射側基板厚0.6mmのDVD系光記録媒体」と「使用波長780nm、NA0.50、光照射側基板厚1.2mmのCD系光記録媒体」をともに記録、再生、または消去できる光ピックアップの構成を示す図
【図18】 青色波長帯域で波面の収差最小となる単一の対物レンズに、赤外波長帯域の光を無限系で入射してCD系光記録媒体にスポット形成させたとき、波長の違いにより発生する球面収差を示す図
【図19】 光軸対称な収差であるが光記録媒体の半径方向と回転方向で、発生具合が同一でない非点収差を示す図
【図20】 本発明の実施の形態3における光情報処理装置である情報記録再生装置の概略構成を示す透過斜視図
【図21】 基板厚誤差の値に伴い発生する球面収差の状態を示す図
【図22】 波長変動の値に伴い発生する球面収差の状態を示す図
【図23】 DVD系やCD系の光記録媒体に所定波長の光を集光させたときに発生する球面収差の状態を示す図
【図24】 位相補正素子である液晶素子の電極パターンを示す図
【図25】 (a)は製造誤差に起因し発生の球面収差、(b)は2次元曲線として示した球面収差(実線)と付加する位相差(破線)、(c)は補正後の球面収差を示す図
【図26】 (a)は製造誤差に起因し発生の球面収差(上側)とこれに付加する位相差(下側)、(b)は対物レンズシフトにより付加する位相差がずれた状態、(c)は対物レンズシフトにより発生の不要な波面の収差(残留収差)を示す図
【符号の説明】
10 情報記録再生装置
11 光ピックアップ
12 挿入口
13 スピンドルモータ
14 キャリッジ
20,109 光記録媒体
21 カートリッジ
22 シャッター
101,201a,301a 半導体レーザー
102,202 コリメータレンズ
103 偏光ビームスプリッタ
104 偏向プリズム
105,119 液晶素子
106 1/4波長板
107 対物レンズ
108 3軸アクチュエータ
108’ 2軸アクチュエータ
110 集光レンズ
111,112 ビームスプリッタ
113,115 円筒レンズ
114,116,117 受光素子
117a〜117f,211a〜211f a〜f領域
118 演算手段
201,301 受発光素子
201b,301b ホログラム光学素子
201c,301c 光検出器
203 ダイクロイックプリズム
Claims (4)
- 「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 65〜0 . 85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 60〜0 . 65の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、
青色波長帯域と赤色波長帯域の光源と、
前記光源からの出射光を前記光記録媒体上に集光させる対物レンズと、
前記対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、
前記可動部と前記光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、
前記対物レンズと前記光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、
前記光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段と、
前記光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、
前記光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、前記液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、前記光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段から出力されたコマ収差信号に基づいて前記コマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする光ピックアップ。 - 「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.65〜0.85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.60〜0.65の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、
青色波長帯域と赤色波長帯域の光源と、
前記光源からの出射光を前記光記録媒体上に集光させる対物レンズと、
前記対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、
前記可動部と前記光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、
前記対物レンズと前記光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、
前記対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段と、
前記光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、
前記光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、前記液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、前記対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段から出力された対物レンズ位置信号に基づいて前記コマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする光ピックアップ。 - 「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 65〜0 . 85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 60〜0 . 65の光記録媒体」と、「赤外波長帯域の光、対物レンズ開口数0 . 45〜0 . 50の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、
青色波長帯域と赤色波長帯域と赤外波長帯域の光源と、
前記光源からの出射光を前記光記録媒体上に集光させる対物レンズと、
前記対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、
前記可動部と前記光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、
前記対物レンズと前記光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、
前記光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段と、
前記光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、
前記光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、前記液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、前記光記録媒体からの反射光による干渉パターンからコマ収差信号を生成する手段から出力されたコマ収差信号に基づいて前記コマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする光ピックアップ。 - 「青色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.65〜0.85の光記録媒体」と、「赤色波長帯域の光、対物レンズ開口数0.60〜0.65の光記録媒体」と、「赤外波長帯域の光、対物レンズ開口数0.45〜0.50の光記録媒体」に情報の記録と、再生と、消去との少なくともいずれか1を行う光ピックアップであって、
青色波長帯域と赤色波長帯域と赤外波長帯域の光源と、
前記光源からの出射光を前記光記録媒体上に集光させる対物レンズと、
前記対物レンズを少なくとも2方向以上に移動させる可動部と、
前記可動部と前記光源との間に配設されて透過する光の波面形状を光軸対称に変化させる液晶位相補正素子と、
前記対物レンズと前記光記録媒体の相対角度を変化させるコマ収差補正手段と、
前記対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段と、
前記光記録媒体の種類を判別する光記録媒体判別手段とを備え、
前記光記録媒体判別手段からの出力値に応じて、前記液晶位相補正素子の透過する光の波面形状を変化させるとともに、前記対物レンズの略光軸中心からの位置ずれ量を検知する手段から出力された対物レンズ位置信号に基づいて前記コマ収差補正手段の制御を行うことを特徴とする光ピックアップ。
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